JP2013252199A - 加圧装具 - Google Patents

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皓平 中原
Takaomi Kurahashi
孝臣 倉橋
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文子 奥津
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Abstract

【課題】脚部への装着時に加圧力の調整が容易で、しかも歩行動作や姿勢変更動作等の運動により効果的にリンパ液を副行路に流れるように補助することができる加圧装具を提供する。
【解決手段】脚部の正面側で一方の側方端部2Aの上面に他方の側方端部2Bが重畳するように脚部に巻き付け、その状態で大腿部背面から引屈に対応する部位に経方向及び緯方向に伸縮自在な伸縮性生地4が配され、その他の部位に伸縮性生地4よりも伸縮性の低い身生地3が配されたシート状の布帛2と、布帛2の他方の側方端部2Bに取り付けられた係合部7と、布帛2の一方の側方端部に取り付けられた係止部5と、係合部7に係止部5を係合して脚部の側方に引っ張ることにより布帛2の両側の側方端部2A,2Bから脚部を締付ける操作部5Cとを備えた締付け具が、足首から大腿部に沿って複数個並設された締付け固定部と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、加圧装具に関し、特に循環器系疾患の治療に好適な加圧装具に関する。
循環器系疾患の一例であるリンパ浮腫は、リンパ管やリンパ節の発育不全による先天性あるいは原因不明の一次性リンパ浮腫と、子宮癌や前立腺癌等によるリンパ節の切除または破壊等、明らかな原因のある二次性リンパ浮腫がある。
特に、脚部の二次性リンパ浮腫は、リンパ節が切除された鼠径部のリンパ液の流れの悪化が根本的な原因となり、組織間に溜まった蛋白質による膠質浸透圧の上昇等により発症する。多くの場合、肌の色の変化や痛みはないが、放置すると日常生活に支障を来し、細菌感染などの合併症の危険性が高まる虞があり、またうつ状態になることもある。
リンパ節が切除されても、リンパ液は多数の副行路を介して流れ、最終的に静脈に合流するため、リンパ浮腫の治療には、リンパ液が円滑に副行路に流れるように補助する加圧装具が用いられている。
このような加圧装具の一例として、特許文献1には、圧迫ニットに脚部分を有し、漸減的治療用保持効果をもたらすのに適した弾性ストッキングタイプまたは弾性タイツタイプの圧迫装具であって、前記圧迫ニットが弾性材料のよこ糸を使用して編まれた網目タイプニットからなる圧迫装具が提案されている。
しかし、大きく浮腫した脚部にこのような圧迫装具を装着するのは非常に困難であるため、特許文献2には、脚に着脱し易く、圧迫感の調整が容易なリンパ浮腫治療用サポーターとして、踵部から大腿部まで脚の内外側面をそれぞれ覆う二枚の布帛を、脚の後側中央で、実質的に脚の曲線に適合するように縫着してなる平面状のサポーターが提案されている。
当該サポーターは、布帛が伸縮性素材で構成され、第一布帛及び第二布帛のいずれにも、膝部に凹部が設けられ、かつ膝部の上方及び下方がいずれも、サポーターを脚に装着した時に前面で相互に重なり合うように幅広に形成されており、第一布帛の前方部表面に起毛布が一面に取付けられ、第二布帛の前方部裏面にベルベット式ファスナーが取付けられ、起毛布にベルベット式ファスナーを係止することにより、膝頭を見せた状態で、足首から大腿部を覆って装着するように構成されている。
特許文献2に記載されたサポーターは、脚部に布帛を巻きつけて、第一布帛の前方部表面に取り付けられた起毛布に、第二布帛の前方部裏面に取り付けられたベルベット式ファスナーを係止するだけの簡単な操作で装着できるため、患者自身で装着することも可能である。
特表2002−519141号公報 特開2005−232664号公報
しかし、ファスナーの係止の態様によっては、良好な治療効果が得られない虞がある。当該サポーターによって足首から大腿部まで適度の圧迫強度で完全に覆うことができれば、リンパ液の流れがよくなると特許文献2に記載されているように、リンパ液が円滑に副行路に流れるように補助するためには、脚部全体にある程度の圧力を加える必要がある。
しかも、足首から大腿部にかけて次第に加圧状態が弱くなるように調整する必要がある。足首よりも大腿部側で加圧状態が強い部位があると、その部位でリンパの流れが阻害されるからである。
当該サポーターは、脚部に布帛を巻きつけて、第一布帛の前方部表面に取り付けられた起毛布に、第二布帛の前方部裏面に取り付けられたベルベット式ファスナーを、足首から大腿部に順に係止操作する際に、第二布帛の側端縁を把持して巻付け方向に沿って強く引っ張ることによって加圧状態を調整する必要がある。
しかし、このような引っ張り操作時に、引張り力によって布帛が脚部周りに回転して、脚部への布帛の接当位置がずれ易く、適正な加圧状態でファスナーを係止し辛いという問題があり、また伸縮性素材の布帛が用いられているため加圧状態を調整する際に布帛が伸張して加圧の程度が体感し辛く、一度の係止操作で足首から大腿部にかけて次第に加圧状態が弱くなるように調整するのが困難であるという問題があった。
さらに、布帛全体が伸縮性素材であるため、歩行動作や立位姿勢と座位姿勢間での姿勢変更動作等で脚部の各部位の加圧状態が大きく変動し、足首から大腿部にかけて次第に加圧状態が弱くなるという設定状態が崩れてリンパ液が停滞する場合があるという問題や、筋肉の収縮および弛緩にともなって布帛が伸び縮みするため、リンパ液の循環のための加圧機能が適正に発揮できないという問題もあった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、脚部への装着時に加圧力の調整が容易で、しかも歩行動作や姿勢変更動作等の運動により効果的にリンパ液を副行路に流れるように補助することができる加圧装具を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による加圧装具の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、足首から大腿部までの脚部を覆う加圧装具であって、脚部の正面側で一方の側方端部の上面に他方の側方端部が重畳するように脚部に巻き付け、脚部に巻き付けた状態で少なくとも大腿部背面から引屈(ひかがみ)に対応する部位に経方向及び緯方向に伸縮自在な伸縮性生地が配され、その他の部位に前記伸縮性生地よりも伸縮性の低い身生地が配されたシート状の布帛と、前記布帛の他方の側方端部に取り付けられた係合部と、前記布帛の一方の側方端部に取り付けられた係止部と、前記係合部に前記係止部を係合して脚部の側方に引っ張ることにより前記布帛の両側の側方端部から脚部を締付ける操作部とを備えた締付け具が、前記足首から大腿部に沿って複数個並設された締付け固定部と、を含む点にある。
リンパ管は皮膚表面にネットのように張り巡らされ、リンパ液は四肢の末端から鼠径部、脇の下、そして首のリンパ節に集まり、静脈を経て心臓に戻る。特に脚からのリンパ液は背骨に沿って走る太いリンパ管に集まり、胸部から静脈に流れて心臓に戻る。鼠径部のリンパ節が切除されていても、脚部に存在する多数のリンパ管や副行路を介してリンパ液を循環させることができる。リンパ管や副行路を介したリンパ液の流れを円滑にするためには、静脈血を心臓に向けて絞り上げる静脈ポンプ作用を促進し、静脈へのリンパ液の還流を活発化させること、皮膚表面に張り巡らされている無数のリンパ管を活性化すること、皮下組織圧を保つこと等が重要となる。
静脈ポンプ作用とは、静脈弁と筋肉の収縮作用の相互作用により静脈から心臓への血流を促進する作用で、下肢ではふくらはぎの筋肉を活発に動かすことにより、静脈ポンプ作用が発揮される。静脈と同様、ふくらはぎの筋肉の収縮作用により皮膚表面に張り巡らされている無数のリンパ管が活性化され、リンパ液の流れが改善される。皮膚表面のマッサージ作用によってもリンパ管が活性化される。皮下組織圧が低いとリンパ液のリンパ管や静脈への流れが悪くなり、浮腫みの原因になる。
上述の構成によれば、加圧装具を構成する布帛のうち伸縮性生地よりも伸縮性の低い身生地によって、脚部の正面部位、側方部位さらには背面側の肌の一部に密着するように被覆されるので、僅かの筋肉の伸縮動作であっても布帛に受け止められ、所定の圧力以上を保った状態で加圧状態が変動する。この変動が皮膚表面と筋肉との間に滞留しているリンパ液を足首から大腿部にかけて流す良好なポンプ作用となる。尚、身生地が伸縮性弾性生地で構成されていると、身生地と筋肉との間にかかる圧力が身生地の伸張により大きく低下してポンプ作用が良好に機能し辛くなる。
布帛の全面が殆ど伸縮しない装具を脚部に装着すると、歩行動作や運動が制約されるが、少なくとも大腿部背面から引屈に対応する部位に経方向及び緯方向に伸縮自在な伸縮性生地が配されているため、歩行動作や膝の屈伸を伴う運動等に対応して当該伸縮性生地が適度に伸縮し、運動等の妨げとなることがない。しかも、伸縮性生地が伸縮する際の肌面との摩擦及び押圧によって大腿部背面から引屈に対応する部位が適度に刺激されるマッサージ効果が現れ、この部位に集中するリンパ管や副行路が活性化されるとともに皮下組織圧が回復されるようになる。
仮に、当該伸縮性生地を大腿部前面から膝頭に対応する部位に配置すると、膝の屈伸が繰り返される度に伸縮性生地が膝頭に沿って大きく伸張収縮し、このときの肌表面との摩擦等によって次第に装具の装着位置が上下または周方向にずれる傾向がある。逆に引屈を被覆する伸縮性の低い生地に膝の屈伸による折皺が発生し、膝を屈めたときに折皺が集まって厚肉になり装着者に不快感を与えるばかりでなく、膝を伸ばしたときに折皺によって肌が括れてリンパ液の流れを阻害するという問題が生じるが、上述の構成によれば、そのような問題が生じることはない。
また、脚部の正面側で一方の側方端部の上面に他方の側方端部が重畳するように脚部に布帛を巻き付けた状態で、他方の側方端部に設けた係合部に一方の側方端部に設けた係止部を係合して、操作部を把持して脚部の側方に引っ張ることにより、布帛の両側の側方端部から同時に脚部を締付けることができる。従って、操作部を把持して脚部の側方に引張り操作しても、脚部周りに布帛が回転するようなことがないので、着用者自身による操作が極めて容易になる。
さらに、布帛の大半が、伸縮性生地よりも伸縮性の低い身生地で構成されているため、締付け具により締付けられた足首から大腿部に到る各部位に対して着用者が認識した圧迫感が、ほぼ正確な着用圧に対応した感覚と対応し、着用圧力を適正な状態に正確に調整することができるようになり、リンパ液を円滑に循環させることができるようになる。しかも、係合部と係止部と操作部とでなる締付け具が、足首から大腿部に沿って複数個並設されているため、足首から大腿部に沿った着用圧を適正な着用圧に自在に調整できるようになる。
尚、全体が伸縮性生地で構成された布帛では、伸縮性生地が足首から大腿部に到る各締付け部位で脚部の周囲に沿って伸張するため、同じ着用圧であっても伸張の程度によって着用者が認識した圧迫感が異なる傾向があり、着用圧力を適正な状態に調整し辛い。また足首から大腿部にかけて、各締付け部位では強い伸張状態になり、各締付け部位の間ではそれよりも弱い伸張状態となるので、加圧状態が強弱繰り返される結果、リンパ液の流れを阻害する虞がある。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記布帛は、足首への巻付け部位から大腿部への巻付け部位にかけて次第に幅広に形成された身生地と、前記身生地と連結された前記伸縮性生地とで構成され、前記身生地の伸張率が前記伸縮性生地の伸張率の1/4から1/2の範囲の値に設定されている点にある。
身生地の伸張率が前記伸縮性生地の伸張率の1/4から1/2の範囲の値に設定されていると、上述したポンプ作用が良好に作用し、良好なマッサージ効果が得られるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二特徴構成に加えて、前記身生地の伸張率が前記伸縮性生地の伸張率の略1/3の値に設定されている点にあり、極めて良好なポンプ作用及びマッサージ効果が得られる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記身生地が非伸縮性生地である点にある。
伸縮性生地よりも伸縮性の低い身生地として非伸縮性生地を好適に用いることができ、上述した良好なポンプ作用が発揮される。尚、非伸縮性生地であっても多少の伸縮性があり、上述した伸張率が得られる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記伸縮性生地は、足首への巻付け部位から大腿部への巻付け部位にかけて幅広に形成されている点にある。
足首から大腿部にかけて脚部の周囲長さは次第に長くなり、運動による筋肉の収縮による周囲長さの変化も大きくなる。それに対応して伸縮性生地を足首への巻付け部位から大腿部への巻付け部位にかけて幅広に形成しているので、適正な着用圧に維持されつつも、脚部の運動が極端に制約されることなく、日常生活に支障を来たすようなことが無い。
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記係合部は、基端側が前記布帛に縫着され、他端側に係合環を備えた弾性ベルトで構成されている点にある。
上述の構成によれば、操作部を把持して脚部を締付け操作する際に伸張する弾性ベルトの収縮力が、その後に脚部の加圧力に利用されるようになる。つまり、操作部を把持して脚部を締付け操作する際に要する力が軽減できるようになる。弾性ベルトの収縮力は、弾性ベルトが縫着された部位を含む周部にのみ局所的に作用するのではなく、伸縮性生地よりも伸縮性の低い身生地に作用するため、足首から大腿部にかけて分散して作用する。従って、弾性ベルトが縫着された部位で加圧状態が強く、弾性ベルトの配列方向に沿った前後で加圧状態が弱くなるような不均一な加圧状態にはならず、足首から大腿部にかけて所望の加圧状態を確保できるようになる。
同第七の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第一から第六の何れかの特徴構成に加えて、前記係止部は、前記係合部に係合した状態を保持する面ファスナーを備えた非弾性ベルトで構成されている点にある。
面ファスナーで係止することによって加圧装具による加圧状態を保持できるので、装具の着脱が極めて容易になる。
以上説明した通り、本発明によれば、脚部への装着時に加圧力の調整が容易で、しかも歩行動作や姿勢変更動作等の運動により効果的にリンパ液を副行路に流れるように補助することができる加圧装具を提供することができるようになった。
(a)は本発明による加圧装具の説明図、(b)は本発明の別実施形態を示す加圧装具の説明図 本発明による加圧装具を脚部に装着した状態を示す説明図で、(a)は正面図、(b)は背面図 本発明による加圧装具のサンプルの説明図であり、(a)は正面の説明図、(b)は背面(肌面)の説明図、(c)は正面の要部拡大説明図 (a)は本発明による加圧装具の各部の寸法の説明図、(b)は本発明による加圧装具に用いたサンプル生地の伸縮率、回復率の特性説明図 実験結果を示し、(a)は実施例と比較例の大腿部の着用圧の特性図、(b)は実施例と比較例の下腿部の着用圧の特性図、(c)は実施例と比較例の足首の着用圧の特性図 実験結果を示し、(a)は実施例と比較例の大腿部の着用圧変化率の特性図、(b)は実施例と比較例の下腿部の着用圧変化率の特性図、(c)は実施例と比較例の足首の着用圧変化率の特性図 実験結果を示し、(a)は実施例の加圧装具を装着して姿勢を変化させたときの足首、下腿部、大腿部の着用圧の特性図、(b)は比較例の加圧装具を装着して姿勢を変化させたときの足首、下腿部、大腿部の着用圧の特性図、(c)は実施例の加圧装具を装着して姿勢を変化させ、立位姿勢に戻ったときの着用圧の低下率の特性図、(d)は比較例の加圧装具を装着して姿勢を変化させ、立位姿勢に戻ったときの着用圧の低下率の特性図
以下、本発明による加圧装具を説明する。加圧装具は、循環器系疾患、特にリンパ浮腫の治療に好適な装具であり、浮腫みが生じている脚の足首から大腿部にかけて巻き付けるように覆い、その状態で加圧する装具である。
図1(a)には加圧装具1を展開した平面が示されている。加圧装具1は、足首から大腿部にかけて対応する部位が次第に幅広となる略台形状の身生地3と、身生地3の中央部に配され幅方向中央部に足首背部から大腿部背部にかけて対応する部位が次第に幅広となる細幅の伸縮性生地4とからなる布帛2と、布帛2の表面のうち一方の側端部2Aに縫着された細幅のベルト状の複数の係止部5と、他方の側端部2Bに縫着された複数の係合部7を備えて構成され、布帛2の裏面を肌に向けて脚部に巻きつけ、係合部7に係止部5を係合して止めるように構成されている。
図2(a),(b)には、上述の加圧装具1を脚部に巻き付けた状態が示されている。加圧装具1は、脚部の正面(膝頭)側で一方の側方端部2Aの上面に他方の側方端部2Bが重畳するように脚部に巻き付け、脚部に巻き付けた状態で少なくとも大腿部背面から引屈に対応する部位に経方向及び緯方向に伸縮自在な伸縮性生地4(図2(b)参照)が配され、その他の部位に伸縮性生地4よりも伸縮性の低い身生地3が配されたシート状の布帛2を備えている。尚、伸縮性生地4は身生地3に縫着されている。
係合部7は、基端側が布帛2(3)に縫着され、他端側に係合環7Bを備えた弾性ベルト7Aで構成され、係止部5は、係合部7に係合した状態を保持する面ファスナー5Aを備えた非弾性ベルト5Bで構成され、非弾性ベルト5Bの先端側が操作部5Cとして機能するように構成されている。
つまり、布帛2を脚部に巻きつけた状態で、係合部7の係合環7Bに係止部5となる非弾性ベルトを肌側から上方へ挿通して折り返し、非弾性ベルトの端部側を操作部として把持して脚部の側方に引っ張り、その状態で非弾性ベルトの対向面に形成された面ファスナーで非弾性ベルトの対向面間を係止する。
係合部7A,7Bと係止部5A,5Bと操作部5Cとで締付け具が構成され、当該締付け具が足首から大腿部にかけて対応する部位に複数個並設されている。複数個の締付け具によって加圧装具1の締付け固定部が構成される。本実施形態では11個並設されているが、本発明はこの値に限定されるものではなく、足首から大腿部にかけて、きめ細かく加圧力が調整できる数だけ並設されていればよい。
脚部に布帛2を巻き付けた状態で、足首から大腿部にかけて加圧力が次第に低下するように、順に締付け具を操作することにより固定される。
図1(b)に示すように、伸縮性生地4は、布帛2を脚部に巻き付けた状態で少なくとも大腿部背面から引屈に対応する部位に配置されていればよく、必ずしも足首まで延出していなくてもよい。
加圧装具1を構成する布帛2のうち伸縮性生地4よりも伸縮性の低い身生地3によって、脚部の正面部位、側方部位さらには背面側の肌の一部に密着するように被覆される。従って、僅かの筋肉の伸縮動作であっても布帛3に受け止められ、所定の圧力以上を保った状態で加圧状態が変動し、この変動が皮膚表面と筋肉との間に滞留しているリンパ液を足首から大腿部にかけて流す良好なポンプ作用となる。
伸縮性生地4は、足首への巻付け部位から大腿部への巻付け部位にかけて幅広に形成されていることが好ましい。足首から大腿部にかけて脚部の周囲長さは次第に長くなり、運動による筋肉の収縮による周囲長さの変化も大きくなる。それに対応して伸縮性生地を足首への巻付け部位から大腿部への巻付け部位にかけて幅広に形成すれば、適正な着用圧に維持されつつも、脚部の運動が極端に制約されることなく、日常生活に支障を来たすようなことが無い。特に膝を屈曲させた姿勢でも、足首からふくらはぎにかけては大きな加圧力が作用しながらも、大腿部側が大きく伸張して加圧力の上昇を抑制できるので、良好なポンプ作用を具現化することができる。
少なくとも大腿部背面から引屈に対応する部位に伸縮性生地4が配されているため、歩行動作や膝の屈伸を伴う運動等に対応して当該伸縮性生地4が適度に伸縮し、運動等の妨げとなることがない。しかも、伸縮性生地4が伸縮する際の肌面との摩擦及び押圧によって大腿部背面から引屈に対応する部位が適度に刺激されるマッサージ効果が現れ、この部位に集中するリンパ管や副行路が活性化されるとともに皮下組織圧が回復されるようになる。
また、脚部に布帛2を巻き付けた状態で、他方の側方端部2Bに設けた係合部7に一方の側方端部2Aに設けた係止部5を係合して、操作部5Cを把持して脚部の側方に引っ張ることにより、布帛2の両側の側方端部2A,2Bから同時に脚部を締付けることができるので、脚部周りに布帛2が回転するようなことがなく、着用者自身による操作が極めて容易になる。
さらに、布帛の大半が、伸縮性生地よりも伸縮性の低い身生地で構成されているため、締付け具により締付けられた足首から大腿部に到る各部位に対して着用者が認識した圧迫感が、ほぼ正確な着用圧に対応した感覚と対応し、着用圧力を適正な状態に正確に調整することができるようになり、リンパ液を円滑に循環させることができるようになる。しかも、係合部と係止部と操作部とでなる締付け具が、足首から大腿部に沿って複数個並設されているため、足首から大腿部に沿った着用圧を適正な着用圧に自在に調整できるようになる。
本実施形態では、身生地3は表裏の地組織が連結糸で連結された三次元構造布帛で構成されている。連結糸の一部に単糸繊度が数十デニール以上の長繊維糸条が用いられた非伸縮性生地である。三次元構造布帛は、ダブルラツセル編機やモケツト織機等により製編織され、表側地組織と裏側地組織を連結糸によって連結し、表裏の地組織を離反させた形で立体的に構築し、三次元的に形成されたクッション性を備えた布帛である。表裏の各編地をメッシュ編地、マーギゼット編地等、複数の開口が形成される編地にすれば通気性を確保できる。
地組織に用いる繊維素材は、綿、キュプラ、精製セルロース繊維、ポリエステル、ポリアミド繊維等の天然繊維、再生繊維、合成繊等のいずれでもよく、単独または混合して製糸した糸条であってもよい。連結糸に用いる長繊維糸条として、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン繊維等の合成繊維を用いることができる。
伸縮性生地4として、例えば、ポリエステル繊維等を用いた編地をベースとして、クロロプレンゴムを挟んだネオプレン(登録商標)を好適に用いることができる。また、パワーネットを用いることもできる。
図3(a)には加圧装具1の表面の写真画像、(b)には加圧装具1の裏面の写真画像、(c)には加圧装具1の締付け具の拡大写真画像が示されている。写真画像中の白色の破線は、伸縮性生地4の幅を示す補助線である。
身生地3の伸張率が伸縮性生地4の伸張率の1/4から1/2の範囲の値に設定されていることが好ましく、略1/3の値に設定されていることがさらに好ましい。身生地3の伸張率はこの範囲に設定されていれば、身生地3が伸縮性生地で構成されていてもよいが、非伸縮性生地で構成されていることが好ましい。但し非伸縮性生地と称しても当然のことながら物理的に多少の伸縮性を示すものであり、ここでいう非伸縮性生地とは、経方向及び緯方向に意図的に伸張収縮性を与えるように編成された生地以外の生地を意味する。
図4(a)右上に示す寸法L1〜L11で、図4(b)に示すサンプル生地Aを身生地とし、サンプル生地Bを伸縮性生地として本発明の加圧装具(以下、「実施例」と記す。)を製作した。
上述の寸法とほぼ等しく、身生地全体に伸縮性生地を用いて製作された比較対象(以下、「比較例」と記す。)と、実施例の双方を被験者に着用させ、姿勢を変化させた場合の、足首、下腿、大腿の各着用圧を測定し、その性能を比較した。
図4(b)にはサンプル生地A,Bの伸張率、回復率が示されている。島津製作所製の万能試験機AGS-Jを用いて、JIS L-1096 D法・E法に準拠して伸張率、回復率を測定した。サンプル生地Aは上述した三次元構造布帛であり、サンプル生地Bは上述したネオプレンである。
測定条件は、以下の通りである。縦15cm、横10cmの大きさの各サンプル生地に対して、つかみ間隔10cm、伸張回復速度100mm/min.、5Nの力が掛かるまで伸張させ、その後同速度で初期位置に戻す伸張/回復サイクルを2サイクル繰り返す。
縦横各2回、伸張エネルギー〔J〕、回復エネルギー〔J〕から伸張率及び回復率を測定し、2回目の測定値を採用した。尚、回復率は以下の演算式による。
回復率(%)=(回復エネルギー〔J〕/伸張エネルギー〔J〕)×100
上述した加圧装具を、エアパック着用圧計測機器を用いて計測した値が、立位着用状態で大腿10〜15hPa、下腿20〜30hPa、足首45〜55hPaの範囲に収まるように着用し、立位、椅座位、屈曲、立位の順に姿勢を変化させたときの着用圧の変化を測定した。尚、測定対象脚部は右脚部、測定位置は、下腿と大腿で周径が最大となる位置、足首で外踝より2cm直上位置とした。
加圧装具の機能評価のポイントは、着用圧変化率(動作による着用圧の低下が生じないこと)、圧勾配(足首が最も圧が高く、大腿にかけて徐々に圧が小さくなっていること)の二点である。特に姿勢変動の後、初期姿勢に戻ったときに着用圧の変化率が100%近傍に戻っていることが好ましく、膝を屈曲させたときに着用圧が高くなっていることが好ましいと評価できる。
図5(a),(b),(c)には、姿勢を変化させたときの大腿、下腿、足首の着用圧が示されている。図6(a),(b),(c)には、姿勢を変化させたときの大腿、下腿、足首の着用圧の変化率が示されている。図7(a),(b)には、各加圧装具に対する姿勢を変化させたときに、姿勢毎に大腿、下腿、足首の着用圧の特性が示されている。図7(c),(d)には、各加圧装具に対して立位、椅座位、屈曲、立位の順に姿勢を変化させた結果、各部の着用圧の初期値に対する変化率の特性が示されている。
図5及び図6に示すように、実施例及び比較例の何れも屈曲姿勢で着用圧が上昇し、実施例では立位、椅子座位ともに各部位の着用圧の変動が少ないのに対して、比較例では各部位の着用圧の変動が顕著である。
図7(a)に示すように、実施例では屈曲姿勢を除いて何れの姿勢でも圧勾配のバランスが適度に保たれている。これに対して比較例では、図7(b)に示すように、屈曲姿勢を除いて圧勾配は保たれているが、椅座位で圧勾配が小さくなっている。図7(c)に示すように、実施例では姿勢変動を経て立位に戻ったときに大腿、下腿、足首の何れも着用圧がほぼ初期値と等しいが、図7(d)に示すように、比較例では姿勢変動を経て立位に戻ったときに大腿と足首の着用圧低下が大きく、逆に下腿の着用圧が上昇している。
このような実験の結果、身生地全体が伸縮性の生地で構成された加圧装具より本発明の加圧装具の方が、動作による位置ずれが少なく適正な圧勾配を維持することができるため、優れた治療効果が得られることが判った。また、種々のサイズの加圧装具を用いて評価を行なった結果、本発明の加圧層装具が採用し得る好ましいサイズの範囲が、図4(a)の右下欄に示されている。
また、被験者4人に実施例と比較例の加圧装具を着用してもらい、感応評価を行ったところ、比較例の加圧装具に比べて実施例の加圧装具の方が、はきやすく、また着用圧が調節しやすいとの評価が得られた。
これらの結果を総合すると、身生地全体に伸縮性の生地を用いた比較例に比べて、本願発明に対応する実施例の加圧装具が比較的優れていると評価できる。また、種類が異なる伸縮生地に対する伸張率測定試験と、当該種類が異なる伸縮生地を用いた加圧装具に対する上述と同様の試験の結果、身生地3の伸張率が伸縮性生地4の伸張率の1/4から1/2の範囲の値に設定されていることが好ましく、略1/3の値に設定されていればより好ましいと評価できる。
本発明による加圧装具は、男女を問わず、循環器系疾患で浮腫んだ脚部の治療に用いられる。
1:加圧装具
2:布帛
3:身生地
4:伸縮性生地
5:係止部
7:係合部

Claims (7)

  1. 足首から大腿部までの脚部を覆う加圧装具であって、
    脚部の正面側で一方の側方端部の上面に他方の側方端部が重畳するように脚部に巻き付け、脚部に巻き付けた状態で少なくとも大腿部背面から引屈に対応する部位に経方向及び緯方向に伸縮自在な伸縮性生地が配され、その他の部位に前記伸縮性生地よりも伸縮性の低い身生地が配されたシート状の布帛と、
    前記布帛の他方の側方端部に取り付けられた係合部と、前記布帛の一方の側方端部に取り付けられた係止部と、前記係合部に前記係止部を係合して脚部の側方に引っ張ることにより前記布帛の両側の側方端部から脚部を締付ける操作部とを備えた締付け具が、前記足首から大腿部に沿って複数個並設された締付け固定部と、
    を含む加圧装具。
  2. 前記布帛は、足首への巻付け部位から大腿部への巻付け部位にかけて次第に幅広に形成された身生地と、前記身生地と連結された前記伸縮性生地とで構成され、前記身生地の伸張率が前記伸縮性生地の伸張率の1/4から1/2の範囲の値に設定されている請求項1記載の加圧装具。
  3. 前記身生地の伸張率が前記伸縮性生地の伸張率の略1/3の値に設定されている請求項2記載の加圧装具。
  4. 前記身生地が非伸縮性生地である請求項1から3の何れかに記載の加圧装具。
  5. 前記伸縮性生地は、足首への巻付け部位から大腿部への巻付け部位にかけて幅広に形成されている請求項1から4の何れかに記載の加圧装具。
  6. 前記係合部は、基端側が前記布帛に縫着され、他端側に係合環を備えた弾性ベルトで構成されている請求項1から5の何れかに記載の加圧装具。
  7. 前記係止部は、前記係合部に係合した状態を保持する面ファスナーを備えた非弾性ベルトで構成されている請求項1から6の何れかに記載の加圧装具。
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