JP2013251654A - 電子機器および測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源遮断処理後の通信再開に要する時間を短縮して受信処理や送信処理を迅速に開始する。
【解決手段】電源部と、外部装置との無線接続を確立する接続確立処理を実行すると共に外部装置との無線接続を確立した接続確立状態において受信処理および送信処理を実行する無線通信部と、電源部および無線通信部を制御する制御部とを備え、制御部が、無線通信部が接続確立状態になっているときに電源スイッチが操作されて電源の遮断を指示された際に、接続確立状態維持条件が満たされているか否か(電源部が交流電源ラインに接続されているか否か:ステップ33)を判別して、接続確立状態維持条件が満たされているときに、電源部を制御して、無線通信部を含む第1の構成要素に対する電力の供給を維持させて接続確立状態を維持させると共に、第1の構成要素を除き、かつ制御部を含む第2の構成要素に対する電力の供給を停止させる(ステップ34)。
【選択図】図2

Description

本発明は、外部装置との間で無線接続を確立した状態で各種データを送受信する無線通信部を備えた電子機器および測定装置に関するものである。
例えば、特開2002−152309号公報には、無線通信部、リンク制御部およびアプリケーション部を備えて構成されたBluetooth機器(以下、「無線通信機器」ともいう)が開示されている。この無線通信機器では、外部装置との間でデータ通信が行われていないとき(以下、「非通信状態」ともいう)に、リンク制御部が、アプリケーション部に対する論理リンクを保持したまま、無線通信部を制御して物理リンクを切断させる構成が採用されている。これにより、この無線通信機器では、非通信状態において物理リンクを切断する分だけ消費電力を低減することが可能となっている。また、この無線通信機器では、非通信状態において物理リンクおよび論理リンクの双方を切断する構成とは異なり、データ通信の再開時に、無線通信部を制御して物理リンクを接続させるだけで、アプリケーション部に対する論理リンクの接続処理を行わずに済むため、通信再開に要する時間を短縮することが可能となっている。
特開2002−152309号公報(第3−5頁、第1−7図)
ところが、従来の無線通信機器の構成には、以下の問題点が存在する。すなわち、従来の無線通信機器では、消費電力の低減、および通信再開に要する時間の短縮を図るために、リンク制御部が、非通信状態においてアプリケーション部に対する論理リンクを保持したまま無線通信部と外部装置との間の物理リンクを切断させる構成が採用されている。しかしながら、従来の無線通信機器では、データ通信の再開時に、物理リンクを接続させる処理(無線通信部と外部装置との間の物理的な無線接続を確立させる処理)を必要とするため、この処理に要する時間だけ、通信再開に要する時間が長くなっている。
この場合、非通信状態における消費電力を最も効果的に低減するには、無線通信機器の電源を遮断するのが好ましい。しかしながら、この種の無線通信機器では、消費電力の低減を目的として電源スイッチを操作したとき(電源の遮断を指示したとき)に、無線通信部を含むすべての構成要素への電力供給が停止する結果、無線通信部と外部装置との間の無線接続(物理リンク)が切断される。したがって、この種の無線通信機器では、電源を再投入することで無線通信部への電力供給が再開された際に、無線通信部と外部装置との間の無線接続を再び確立する必要があるため、データ通信の再開に長い時間を要するという問題点がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、電源遮断処理後の通信再開に要する時間を短縮して受信処理や送信処理を迅速に開始し得る電子機器および測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の電子機器は、電源部と、予め規定された接続手順に従って外部装置との無線接続を確立する接続確立処理を実行すると共に当該外部装置との無線接続を確立した接続確立状態において当該外部装置からのデータの受信処理、および当該外部装置に対するデータの送信処理を実行する無線通信部と、前記電源部および前記無線通信部を制御する制御部とを備えた電子機器であって、前記制御部は、前記無線通信部が前記接続確立状態になっているときに電源スイッチが操作されて電源の遮断を指示された際に、予め規定された接続確立状態維持条件が満たされているか否かを判別して、当該接続確立状態維持条件が満たされているときに、前記電源部を制御して、前記無線通信部を含む予め規定された第1の構成要素に対する電力の供給を維持させて前記接続確立状態を維持させると共に、当該第1の構成要素を除き、かつ当該制御部を含む第2の構成要素に対する電力の供給を停止させる。
また、請求項2記載の電子機器は、請求項1記載の電子機器において、前記電源部は、交流電源ラインに接続可能に構成されて当該交流電源ラインから入力した交流に基づいて生成した電力を前記第1の構成要素および前記第2の構成要素に供給可能に構成されると共に、バッテリを備えて当該バッテリに蓄積した電力を当該第1の構成要素および当該第2の構成要素に供給可能に構成され、前記制御部は、前記電源部が前記交流電源ラインに接続されているときに前記接続確立状態維持条件が満たされていると判別して、前記電源部を制御して前記第1の構成要素に対する電力の供給を維持させる。
また、請求項3記載の電子機器は、請求項1記載の電子機器において、前記電源部は、バッテリを備えて当該バッテリに蓄積した電力を前記第1の構成要素および前記第2の構成要素に供給可能に構成され、前記制御部は、前記バッテリが予め規定された残量以上のときに前記接続確立状態維持条件が満たされていると判別して、前記電源部を制御して当該バッテリに蓄積されている電力を前記第1の構成要素に供給させる。
さらに、請求項4記載の電子機器は、請求項3記載の電子機器において、前記電源部は、交流電源ラインに接続可能に構成されて当該交流電源ラインから入力した交流に基づいて生成した電力を前記第1の構成要素および前記第2の構成要素に供給可能に構成され、前記制御部は、前記バッテリが予め規定された残量を下回り、かつ当該電源部が前記交流電源ラインに接続されているときに前記接続確立状態維持条件が満たされていると判別して、前記電源部を制御して前記交流電源ラインから入力した交流に基づいて生成した電力を前記第1の構成要素に供給させる。
また、請求項5記載の測定装置は、請求項1から4のいずれかに記載の電子機器としての測定装置であって、測定対象の物理量を測定する測定部を備え、前記制御部は、予め規定された送信条件が満たされたときに、前記無線通信部を制御して前記当該測定部による測定結果を示す測定データを前記外部装置に送信する前記送信処理を実行させる。
請求項1記載の電子機器によれば、無線通信部が接続確立状態になっているときに電源スイッチが操作されて電源の遮断を指示された際に、接続確立状態維持条件が満たされているか否かを判別し、接続確立状態維持条件が満たされているときに、無線通信部を含む予め規定された第1の構成要素に対する電力の供給を維持させて接続確立状態を維持させると共に、第1の構成要素を除き、かつ制御部を含む第2の構成要素に対する電力の供給を停止させることにより、非通信状態において物理リンクを切断する従来の無線通信機器とは異なり、例えば、送信処理や受信処理を実行しない状態において消費電力の低減を目的として電源スイッチを操作したときに、無線通信部への電力の供給が維持されて接続確立状態が維持されるため、その後に送信処理や受信処理を実行する際の接続確立処理を不要とすることができる。これにより、通信再開に要する時間を充分に短縮して迅速に送信処理や受信処理を開始することができる。
また、請求項2記載の電子機器によれば、電源部が交流電源ラインに接続されているときに接続確立状態維持条件が満たされていると判別して、第1の構成要素に対する電力の供給を維持させることにより、バッテリに蓄積されている電力を消費することなく無線通信部を通信確立状態に維持することができる。
また、請求項3記載の電子機器によれば、バッテリが予め規定された残量以上のときに接続確立状態維持条件が満たされていると判別して、バッテリに蓄積されている電力を第1の構成要素に供給させることにより、バッテリの残量が充分であるときには、電源部が交流電源ラインに接続されていない環境下においても、無線通信部への電力の供給が維持されて接続確立状態を維持することができる。
さらに、請求項4記載の電子機器によれば、バッテリが予め規定された残量を下回り、かつ電源部が交流電源ラインに接続されているときに接続確立状態維持条件が満たされていると判別して、交流電源ラインから入力した交流に基づいて生成した電力を第1の構成要素に供給させることにより、バッテリの残量が少ないときに、このバッテリに蓄積されている貴重な電力を消費することなく接続確立状態を維持することができる。
また、請求項5記載の測定装置によれば、制御部が、予め規定された送信条件が満たされたときに、無線通信部を制御して測定部による測定結果を示す測定データを外部装置に送信する送信処理を実行させることにより、外部装置からの送信要求データ等を受信したり、外部装置に測定データを送信する必要がないときに、測定部や制御部などに対する電力の供給を停止して消費電力を充分に低減することができると共に、送信要求データ等を受信したり、測定データを送信したりする必要が生じたときには、これらの受信処理および送信処理を直ちに開始することができる。
測定システム100における測定装置1および測定データ回収装置2の構成を示す構成図である。 電源遮断処理30のフローチャートである。 電源遮断処理40のフローチャートである。
以下、電子機器および測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す測定システム100は、測定装置1および測定データ回収装置2を備えて構成されている。なお、この測定システム100は、複数台の測定装置1、および複数台の測定データ回収装置2を備えて構成することもできるが、理解を容易とするために、1台の測定装置1、および1台の測定データ回収装置2で構成した例について以下に説明する。
測定装置1は、「電子機器」としての「測定装置」の一例であって、測定部11、操作部12、表示部13、無線通信部14、制御部15、記憶部16および電源部17を備えて構成されている。測定部11は、制御部15の制御に従い、予め設定されたサンプリング周期で入力信号Sをサンプリングして、電流値、電圧値、抵抗値、電力値、位相、温度、湿度、輝度(光度)、照度、雨量および流量等(「測定対象の物理量(電気的パラメータ)」の一例)を示す測定データD1を生成し、生成した測定データD1を制御部15に出力する。操作部12は、測定装置1の動作条件(測定処理条件)を設定操作するための複数の操作スイッチや、電源を投入/遮断させるための電源スイッチなどを備え、スイッチ操作に応じた操作信号を制御部15に出力する。
表示部13は、制御部15の制御に従って測定処理用画面などの各種表示画面(図示せず)を表示する。無線通信部14は、一例として、ブルートゥース(Bluetooth :登録商標)規格に準じた近距離無線通信を実行可能に構成されている。この無線通信部14は、後述するように測定データ回収装置2(「外部装置」の一例)との間でペアリングされた状態において、予め規定された接続手順に従って測定データ回収装置2との無線接続を確立する接続確立処理を実行する。また、この無線通信部14は、測定データ回収装置2との無線接続を確立した接続確立状態において、測定データ回収装置2から送信された送信要求データD0などの各種データを受信して制御部15に出力する受信処理や、測定データD1などの各種データを測定データ回収装置2に送信する送信処理を実行する。
制御部15は、測定装置1を総括的に制御する。具体的には、制御部15は、電源部17を制御して測定装置1の各構成要素に電力を供給させる。また、制御部15は、操作部12のスイッチ操作によって設定された測定処理条件に従い、測定部11を制御して入力信号Sについての測定処理を実行させると共に、測定部11から出力された測定データD1を記憶部16に記憶させる。さらに、制御部15は、後述するように測定データ回収装置2から送信要求データD0が送信されたときに、要求された測定データD1を記憶部16から読み出して無線通信部14から測定データ回収装置2に送信させる。また、制御部15は、操作部12の電源スイッチが操作されたときに、図2に示す電源遮断処理30、または、図3に示す電源遮断処理40を実行して電源部17からの電力供給を停止させる。なお、電源遮断処理30,40のいずれを実行するかは、図示しない設定画面を表示させて利用者が任意に設定することが可能となっている。
電源部17は、バッテリ17a(一例として、二次電池)を備えると共に、交流電源ラインLに接続可能に構成されて、制御部15の制御に従って測定装置1の各構成要素に電力を供給する。具体的には、電源部17は、制御部15の制御に従い、交流電源ラインLに接続された状態において、交流電源ラインLから入力した交流に基づいて生成した電力(作動用の電力であって直流の電力)を測定装置1の各構成要素に供給しつつバッテリ17aを充電する交流電源使用モード、および交流電源ラインLに接続されていない状態において、バッテリ17aに蓄積した電力(作動用の電力であって直流の電力)を測定装置1の各構成要素に供給するバッテリ使用モードの2つのモードのいずれかで電力を供給する。なお、上記の交流電源使用モードにおいて測定装置1の各構成要素に電力を供給する構成は、AC/DC変換回路(図示せず)から出力されてバッテリ17aに入力された直流の電力をバッテリ17aから測定装置1の各構成要素に供給する構成(交流電源ラインLから入力した交流に基づいて生成した電力がバッテリ17aを経て測定装置1の各構成要素に供給される構成)、およびAC/DC変換回路(図示せず)から出力された直流の電力をバッテリ17aを経由ぜずに測定装置1の各構成要素に直接供給する構成のいずれでもよい。
一方、測定データ回収装置2は、測定装置1の記憶部16に記憶された(蓄積された)測定データD1を測定装置1から回収する装置であって、一例として、測定システム100用のプログラムがインストールされた携帯型のパーソナルコンピュータで構成されている。この測定データ回収装置2は、ハードディスクドライブ21、操作部22、表示部23、無線通信部24、制御部25および記憶部26を備えて構成されている。
ハードディスクドライブ21は、測定データ回収装置2の動作プログラムや、後述するように制御部25によって生成される測定データD10などを記憶する。操作部22は、マウスやタッチパネル等で構成されたポインティングデバイス、およびキーボード等(図示せず)を備え、これらの操作に応じた操作信号を制御部25に出力する。表示部23は、制御部25の制御に従って各種表示画面(図示せず)を表示する。無線通信部24は、測定装置1の無線通信部14と同様にして、ブルートゥース規格に準じた近距離無線通信を実行可能に構成されている。この無線通信部24は、後述するように、測定装置1との間でペアリングされた状態において、制御部25の制御に従って測定装置1に送信要求データD0を送信すると共に、測定装置1から送信された測定データD1を受信して制御部25に出力する。
制御部25は、測定データ回収装置2を総括的に制御する。具体的には、制御部25は、例えば、操作部22の操作によって測定データD1の回収を指示されたときに、無線通信部24を制御して測定装置1に送信要求データD0を送信させる。また、制御部25は、測定装置1から送信されて無線通信部24によって受信された測定データD1を記憶部26に記憶させると共に、規定された数の測定データD1を記憶部26に記憶させたときに、これらの測定データD1を1つのデータファイルにまとめて測定データD10を生成し、生成した測定データD10をハードディスクドライブ21に記憶させる。
この測定システム100の使用に際しては、まず、測定装置1と測定データ回収装置2との間においてブルートゥースのペアリングを行う。なお、ペアリング作業に関しては、公知の各種ブルートゥース機器のペアリング作業と同様のため、詳細な説明を省略する。これにより、測定装置1と測定データ回収装置2との間で無線接続を確立可能な状態となり、測定システム100を使用する準備が整う。また、測定システム100を使用して測定対象についての測定処理を実施するには、まず、一例として、測定装置1の操作部12を操作して測定処理条件を設定すると共に、測定装置1の測定部11を測定対象に接続する。
次いで、測定装置1の操作部12におけるスタートスイッチを操作する。この際に、制御部15は、設定された測定処理条件に従って測定部11を制御して測定処理を開始させる。これに応じて、測定部11が、入力信号Sをサンプリングして(「測定対象の物理量の測定」の一例)測定データD1を生成し、生成した測定データD1を制御部15に出力する。一方、制御部15は、測定部11から出力された測定データD1を記憶部16に順次記憶させると共に、測定データD1に基づいて特定した測定値(一例として、電流値)を表示部13に表示させる。また、制御部15は、設定された時間分の測定データD1が記憶部16に記憶されたときに、測定部11を制御して測定処理を終了させる。これにより、測定対象についての測定結果(この例では、入力信号Sの電流値)を示す複数の測定データD1が記憶部16に記憶された(蓄積された)状態となる。
一方、測定装置1に蓄積された測定データD1を測定データ回収装置2に回収する際には、まず、測定装置1と測定データ回収装置2との間で無線接続を確立する。この場合、この測定システム100における測定装置1では、後述するように、非通信状態において無線通信部14に対する電源部17からの電力供給が維持されて無線通信部14が通信可能状態に維持される構成が採用されている。また、測定装置1を使用していないとき(測定装置1を保管しているときや、測定現場に搬送しているとき)、および測定装置1を測定対象に接続する作業を行っているときなどに、バッテリ17aに蓄積されている電力が無線通信部14によって浪費されるのを回避するために、無線通信部14を含むすべての構成要素への電力供給を停止させることもできるように構成されている。
この場合、測定データ回収装置2による測定データD1の回収作業を開始するまでは、無線通信部14を動作させる必要がない。このため、この測定装置1では、電源が投入されている状態においても、利用者が意図的に無線通信部14を活性化させない限り、電源部17から無線通信部14への電力供給が停止した状態が維持される構成が採用されている。したがって、測定データ回収装置2による測定データD1の回収作業を開始する際には、まず、測定装置1の操作部12を操作して無線通信部14を活性化する。この際には、電源部17が制御部15の制御に従って無線通信部14に対する電力供給を開始する結果、無線通信部14が通信可能な状態(活性化した状態)となる。なお、測定データ回収装置2については、一例として、電源が投入されている状態において無線通信部24が活性化して通信可能状態になっているものとする。
また、無線通信部14,24がそれぞれ通信可能状態となり、測定装置1(無線通信部14)と測定データ回収装置2(無線通信部24)とが通信可能な距離範囲内に位置しているときには、前述したペアリング作業によって無線通信部14,24の無線接続が許容されているため、公知の接続手順(「予め規定された接続手順」の一例)に従い、無線通信部14,24が無線接続を確立する(「接続確立処理」の一例)。これにより、無線通信部14,24がそれぞれ接続確立状態(物理リンクが接続された状態)となる。次いで、測定データ回収装置2の操作部22を操作して、測定システム用プログラムを起動させる。この際に、制御部25は、測定システム用プログラムに従い、表示部23を制御して表示部23に測定処理用画面を表示させると共に、無線通信部24を制御して測定装置1に対して測定データD1の送信を要求する送信要求データD0を送信させる。なお、測定装置1や測定データ回収装置2において実施される論理リンクの接続処理については、公知の手順に従って実行されるため、説明を省略する。
一方、測定装置1では、無線通信部14が、測定データ回収装置2(無線通信部24)からの送信要求データD0を受信して制御部15に転送する(「受信処理」の一例)。また、制御部15は、無線通信部14から送信要求データD0が転送されたとき(「予め規定された送信条件が満たされたとき」の一例)に、転送された送信要求データD0に従い、要求された測定データD1を記憶部16から読み出して無線通信部14から測定データ回収装置2に送信させる(「送信処理」の一例)。なお、測定データ回収装置2からの測定データD1に応じて測定データD1を測定データ回収装置2に送信する例について説明したが、測定データ回収装置2からの送信要求データD0を受信していない状態においても、測定装置1の操作部12を操作して(「予め規定された送信条件が満たされたとき」の他の一例)、任意の測定データD1を測定データ回収装置2に送信することもできる(「送信処理」の他の一例)。
また、測定データ回収装置2では、無線通信部24が、測定装置1から送信された測定データD1を受信して制御部25に転送し、制御部25が、無線通信部24からの測定データD1を記憶部16に記憶させる。さらに、制御部25は、記憶部16内に規定数の測定データD1が記憶されたときに、各測定データD1を1つのデータファイルにまとめて測定データD10を生成し、生成した測定データD10をハードディスクドライブ21に記憶させる。これにより、測定装置1から測定データ回収装置2への測定データD1の回収作業(複数の測定データD1に基づく測定データD10をハードディスクドライブ21に記録する作業)が完了する。
この場合、この測定システム100の利用形態の1つとして、上記の一連の処理(測定装置1による電流値の測定処理、および測定装置1から測定データ回収装置2への測定データD1の回収処理:以下、この両処理を合わせて「測定データ取得処理」ともいう)を所定時間間隔で複数回実施することがある。例えば、5分間隔で上記の測定データ取得処理を実施する場合には、測定データ回収装置2による測定データD1の回収処理が完了してから次の測定データ取得処理を開始するまでの間に、測定部11、表示部13および制御部15によって消費される電力が無駄となる。したがって、電力の浪費を回避するために、測定データ取得処理が完了した際に、操作部12の電源スイッチをオフ操作する(「電源スイッチが操作されて電源の遮断を指示されたとき」の一例)。この際に、測定装置1では、制御部15が、一例として、図2に示す電源遮断処理30を開始する。
この電源遮断処理30では、制御部15は、まず、無線通信部14が外部装置との無線接続を確立した接続確立状態であるか否かを判別する(ステップ31)。この際に、本例とは相違するが、無線通信部14が接続確立状態ではない(測定データ回収装置2等の外部装置との無線接続が確立されていない)ときには、制御部15は、電源部17を制御して、測定装置1のすべての構成要素に対する電力供給を停止させて(ステップ32)、この電源遮断処理30を終了する。これにより、無線通信部14や制御部15を含む各構成要素の動作が停止して、測定装置1が完全なオフ状態(動作停止状態)となる。
一方、無線通信部14が測定データ回収装置2(無線通信部24)との間で接続確立状態となっている本例では、制御部15は、電源部17が交流電源ラインLに接続されているか否かを判別する(ステップ33)。この際に、電源部17が交流電源ラインLに接続されていないとき(バッテリ17aに蓄積されている電力が測定装置1の各構成要素に供給されているとき)には、制御部15は、電源部17を制御して、測定装置1のすべての構成要素に対する電力供給を停止させ(ステップ32)、この電源遮断処理30を終了する。これにより、無線通信部14や制御部15を含む各構成要素の動作が停止して、測定装置1が完全なオフ状態となり、バッテリ17aの不要な電力消費が回避される。
また、無線通信部14が接続確立状態となっており(ステップ31)、かつ、電源部17が交流電源ラインLに接続されているときには(ステップ33)、制御部15は、「接続確立状態維持条件」が満たされていると判別する。この際に、制御部15は、電源部17を制御して、無線通信部14、および無線通信部14がオン状態(動作維持状態)である旨を示す図示しないインジケータ(無線通信部を含む予め規定された第1の構成要素」の一例)に対する電力供給を維持させると共に、「第1の構成要素(本例では、無線通信部14およびインジケータ)」を除き、かつ制御部15を含む測定装置1の各構成要素(無線通信部14およびインジケータ以外に電力を使用するすべての構成要素:「第2の構成要素」の一例)に対する電力供給を停止させる(ステップ34)。これにより、制御部15の動作が停止して電源遮断処理30が終了すると共に、測定部11や表示部13の動作が停止する結果、これらの構成要素によって消費される電力の浪費が回避される。また、無線通信部14に対する電力供給が維持されて無線通信部14が通信可能状態(活性化した状態)に維持される結果、測定装置1(無線通信部14)と測定データ回収装置2(無線通信部24)との間の無線接続が確立された状態が維持される。
さらに、前回の測定から5分が経過して、測定データ取得処理を再び実施する際には、測定装置1の操作部12における電源スイッチを操作する。この際には、電源部17からの電力供給が再開されることで、測定部11、表示部13および制御部15などが動作を開始して、予め設定された測定処理条件に従い、前述した測定処理と同様の処理が実行される。また、この処理によって記憶部16に記憶された測定データD1を測定データ回収装置2によって回収する際には、測定データ回収装置2の操作部22を操作して回収処理の開始を指示する。
この際に、この測定システム100では、測定装置1の無線通信部14が接続確立状態に維持されて、測定データ回収装置2(無線通信部14)と測定データ回収装置2(無線通信部24)とが通信可能な状態となっている。したがって、測定データ回収装置2から測定装置1に送信要求データD0を直ちに送信してこれを受信させることができると共に、測定装置1から測定データ回収装置2に測定データD1を直ちに送信することができる。また、測定データD1の回収作業を完了したとき(測定データ取得処理を完了したとき)には、前述した例と同様にして、測定装置1の操作部12における電源スイッチを操作する。この際には、前述した電源遮断処理30が実行されて、無線通信部14およびインジケータ(第1の構成要素)に対する電力供給が維持されて接続確立状態が維持されたまま、「第1の構成要素」を除く各構成要素(第2の構成要素)への電源供給が停止する。
一方、この測定装置1では、電源部17を交流電源ラインLに接続できない環境下において、バッテリ17aから測定装置1の各構成要素に電力を供給させて動作させることができる。このような利用形態においては、上記の電源遮断処理30に代えて、図3に示す電源遮断処理40を実行するように設定しておく。また、そのように設定された状態において、前述した測定データ取得処理を終了し、次の測定データ取得処理を実施するまでの電力の浪費を回避するために操作部12の電源スイッチを操作したときには、制御部15は、電源遮断処理40を開始する。
この電源遮断処理40では、制御部15は、まず、無線通信部14が外部装置との無線接続を確立した接続確立状態であるか否かを判別する(ステップ41)。この際に、本例とは相違するが、無線通信部14が接続確立状態ではない(測定データ回収装置2等の外部装置との無線接続が確立されていない)ときには、制御部15は、電源部17を制御して、測定装置1のすべての構成要素に対する電力供給を停止させ(ステップ42)、この電源遮断処理40を終了する。これにより、無線通信部14や制御部15を含む各構成要素の動作が停止して、測定装置1が完全なオフ状態となる。
また、無線通信部14が測定データ回収装置2(無線通信部24)との間で接続確立状態となっているときには、制御部15は、電源部17のバッテリ17aの残量が規定量以上(一例として、全容量の50%以上)であるか否かを判別する(ステップ43)。この際に、バッテリ17aの残量が規定量以上のときには、制御部15は、「接続確立状態維持条件」が満たされていると判別する。この際には、制御部15が、電源部17を制御して、バッテリ17aに蓄積されている電力を無線通信部14および前述したインジケータ(第1の構成要素)に対して供給させることで無線通信部14に対する電力供給を維持させると共に、無線通信部14および上記のインジケータを除き、かつ制御部15を含む測定装置1の各構成要素(第2の構成要素)に対する電力供給を停止させる(ステップ44)。
これにより、制御部15の動作が停止して電源遮断処理40が終了し、かつ測定部11や表示部13の動作が停止する結果、これらの構成要素による電力の浪費が回避される。また、無線通信部14に対する電力供給が維持されて無線通信部14が通信可能状態(活性化した状態)に維持される結果、無線通信部14が接続確立状態に維持される。これにより、前述した電源遮断処理30におけるステップ34を実行したときと同様にして、5分後に、測定データ取得処理を再び実施する際に、測定データ回収装置2から測定装置1に送信要求データD0を直ちに送信してこれを受信させることができると共に、測定装置1から測定データ回収装置2に測定データD1を直ちに送信することができる。
一方、前述したステップ43においてバッテリ17aの残量が規定量を下回っていると判別したときに、制御部15は、電源部17が交流電源ラインLに接続されているか否かを判別する(ステップ45)。この際に、本例では、電源部17が交流電源ラインLに接続されていないため、(バッテリ17aに蓄積されている電力が測定装置1の各構成要素に供給されているため)、制御部15は、電源部17を制御して、測定装置1の各構成要素に対する電力供給を停止させ(ステップ42)、この電源遮断処理40を終了する。これにより、無線通信部14や制御部15を含む各構成要素の動作が停止して、測定装置1が完全なオフ状態となり、バッテリ17aの不要な電力消費が回避される。
また、本例とは相違するが、例えば、バッテリ17aを使用した運用を想定して電源遮断処理40を実行するように設定したまま、電源遮断処理30を実行するように設定するのを忘れ、バッテリ17aの残量が少ない状態で電源部17を交流電源ラインLに接続して使用しているときなどには、上記のステップ45において、電源部17が交流電源ラインLに接続されていると判別する。この際に、制御部15は、「接続確立状態維持条件」が満たされていると判別し、電源部17を制御して、無線通信部14および前述したインジケータ(第1の構成要素)に対して交流電源ラインLから入力した交流に基づいて生成された電力を供給させることで無線通信部14に対する電力の供給を維持させて接続確立状態を維持させると共に、無線通信部14および上記のインジケータを除き、かつ制御部15を含む測定装置1の各構成要素(第2の構成要素)に対する電力供給を停止させる(ステップ46)。
これにより、制御部15の動作が停止して電源遮断処理40が終了し、かつ測定部11や表示部13の動作が停止する結果、これらの構成要素による電力の浪費が回避される。また、無線通信部14に対する電力供給が維持されて無線通信部14が通信可能状態(活性化した状態)に維持される結果、測定装置1(無線通信部14)と測定データ回収装置2(無線通信部24)との間の無線接続が確立された状態が維持される。したがって、5分後に、測定データ取得処理を再び実施する際に、測定データ回収装置2から測定装置1に送信要求データD0を直ちに送信してこれを受信させることができると共に、測定装置1から測定データ回収装置2に測定データD1を直ちに送信することができる。
このように、この測定装置1によれば、無線通信部14が接続確立状態になっているときに電源スイッチが操作されて電源の遮断を指示された際に、「接続確立状態維持条件」が満たされているか否かを判別して、「接続確立状態維持条件」が満たされているときに、無線通信部14を含む予め規定された「第1の構成要素(本例では、無線通信部14およびインジケータ)」に対する電力供給を維持させて接続確立状態を維持させると共に、「第1の構成要素」を除き、かつ制御部15を含む「第2の構成要素(「第1の構成要素」を除くすべての構成要素)に対する電力供給を停止させることにより、非通信状態において物理リンクを切断する従来の無線通信機器とは異なり、例えば、送信処理や受信処理を実行しない状態において消費電力の低減を目的として電源スイッチを操作したときに、無線通信部14への電力供給が維持されて接続確立状態が維持されるため、その後に送信処理や受信処理を実行する際の接続確立処理を不要とすることができる。これにより、通信再開に要する時間を充分に短縮して迅速に送信処理や受信処理を開始することができる。
また、電源遮断処理30を実行する測定装置1によれば、電源部17が交流電源ラインLに接続されているときに「接続確立状態維持条件」が満たされていると判別して、「第1の構成要素」に対する電力供給を維持させることにより、バッテリ17aに蓄積されている電力を消費することなく無線通信部14を通信確立状態に維持することができる。
また、電源遮断処理40を実行する測定装置1によれば、バッテリ17aが予め規定された残量以上のときに「接続確立状態維持条件」が満たされていると判別して、バッテリ17aに蓄積されている電力を「第1の構成要素」に供給させることにより、バッテリ17aの残量が充分であるときには、電源部17が交流電源ラインLに接続されていない環境下においても、無線通信部14への電力供給が維持されて接続確立状態を維持することができる。
さらに、電源遮断処理40を実行する測定装置1によれば、バッテリ17aが予め規定された残量を下回り、かつ電源部17が交流電源ラインLに接続されているときに「接続確立状態維持条件」が満たされていると判別して、交流電源ラインLから入力した交流に基づいて生成した電力を「第1の構成要素」に供給させることにより、バッテリ17aの残量が少ないときに、このバッテリ17aに蓄積されている貴重な電力を消費することなく接続確立状態を維持することができる。
また、この測定装置1によれば、制御部15が、予め規定された「送信条件」が満たされたときに、無線通信部14を制御して測定部11による測定結果を示す測定データD1を「外部装置(上記の例では、「測定データ回収装置2」)に送信する送信処理を実行させることにより、測定データ回収装置2からの送信要求データD0を受信したり、測定データ回収装置2に測定データD1を送信する必要がないときに、測定部11や制御部15などに対する電力供給を停止して消費電力を充分に低減することができると共に、送信要求データD0を受信したり、測定データD1を送信したりする必要が生じたときには、これらの受信処理および送信処理を直ちに開始することができる。
なお、「電子機器」および「測定装置」の構成は、上記の測定装置1の構成に限定されない。例えば、「バッテリ」の一例として二次電池で構成されたバッテリ17aを備えて構成した例について説明したが、二次電池で構成されたバッテリ17aに代えて、一次電池を「バッテリ」として備えて「電源部」を構成することができる。また、無線通信部14、および無線通信部14がオン状態である旨を示すインジケータを「第1の構成要素」として、接続確立状態維持条件が満たされているときに、これらに対する電力供給を維持する構成を例に挙げて説明したが、「無線通信部」のみを「第1の構成要素」として接続確立状態維持条件が満たされているときに電力供給を維持したり、「無線通信部」と「無線通信部以外の任意の構成要素」とを「第1の構成要素」として接続確立状態維持条件が満たされているときに電力供給を維持したりすることができる。この場合、「第2の構成要素」については、任意に規定した「第1の構成要素」を除く全ての構成要素がこれに該当する。
さらに、ブルートゥース規格に準じた近距離無線通信を実行可能な無線通信部14を備えて構成した測定装置1を例に挙げて説明したが、この構成に代えて、または、この構成に加えて、無線LANに接続可能な無線通信部や、ZigBee(登録商用)規格に準じた近距離無線通信を実行可能な無線通信部(図示せず)を備えて「電子機器(測定装置)」を構成することもできる。このような構成を採用した場合においても、上記の測定装置1と同様の効果を奏することができる。また、「電子機器」の一例として測定装置1を例に挙げて説明したが、工場のライン制御装置やオーディオ機器等の各種電子機器において、上記の電源遮断処理30,40と同様の処理を実行する構成を採用することができる。このような構成を採用した電子機器においても、上記の測定装置1と同様の効果を奏することができる。
100 測定システム
1 測定装置
2 測定データ回収装置
11 測定部
14,24 無線通信部
15,25 制御部
16,26 記憶部
17 電源部
17a バッテリ
21 ハードディスクドライブ
30,40 電源遮断処理
D0 送信要求データ
D1,D10 測定データ
L 交流電源ライン
S 入力信号

Claims (5)

  1. 電源部と、予め規定された接続手順に従って外部装置との無線接続を確立する接続確立処理を実行すると共に当該外部装置との無線接続を確立した接続確立状態において当該外部装置からのデータの受信処理、および当該外部装置に対するデータの送信処理を実行する無線通信部と、前記電源部および前記無線通信部を制御する制御部とを備えた電子機器であって、
    前記制御部は、前記無線通信部が前記接続確立状態になっているときに電源スイッチが操作されて電源の遮断を指示された際に、予め規定された接続確立状態維持条件が満たされているか否かを判別して、当該接続確立状態維持条件が満たされているときに、前記電源部を制御して、前記無線通信部を含む予め規定された第1の構成要素に対する電力の供給を維持させて前記接続確立状態を維持させると共に、当該第1の構成要素を除き、かつ当該制御部を含む第2の構成要素に対する電力の供給を停止させる電子機器。
  2. 前記電源部は、交流電源ラインに接続可能に構成されて当該交流電源ラインから入力した交流に基づいて生成した電力を前記第1の構成要素および前記第2の構成要素に供給可能に構成されると共に、バッテリを備えて当該バッテリに蓄積した電力を当該第1の構成要素および当該第2の構成要素に供給可能に構成され、
    前記制御部は、前記電源部が前記交流電源ラインに接続されているときに前記接続確立状態維持条件が満たされていると判別して、前記電源部を制御して前記第1の構成要素に対する電力の供給を維持させる請求項1記載の電子機器。
  3. 前記電源部は、バッテリを備えて当該バッテリに蓄積した電力を前記第1の構成要素および前記第2の構成要素に供給可能に構成され、
    前記制御部は、前記バッテリが予め規定された残量以上のときに前記接続確立状態維持条件が満たされていると判別して、前記電源部を制御して当該バッテリに蓄積されている電力を前記第1の構成要素に供給させる請求項1記載の電子機器。
  4. 前記電源部は、交流電源ラインに接続可能に構成されて当該交流電源ラインから入力した交流に基づいて生成した電力を前記第1の構成要素および前記第2の構成要素に供給可能に構成され、
    前記制御部は、前記バッテリが予め規定された残量を下回り、かつ当該電源部が前記交流電源ラインに接続されているときに前記接続確立状態維持条件が満たされていると判別して、前記電源部を制御して前記交流電源ラインから入力した交流に基づいて生成した電力を前記第1の構成要素に供給させる請求項3記載の電子機器。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の電子機器としての測定装置であって、
    測定対象の物理量を測定する測定部を備え、
    前記制御部は、予め規定された送信条件が満たされたときに、前記無線通信部を制御して前記当該測定部による測定結果を示す測定データを前記外部装置に送信する前記送信処理を実行させる測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016076765A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 日置電機株式会社 測定装置、測定システムおよび測定システム用プログラム
JP2017129498A (ja) * 2016-01-21 2017-07-27 セイコーインスツル株式会社 高度計および電子時計

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