JP2013251653A - スロットアンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】最大放射方向を繰り返し変更できるように、導体平板の曲げ角度を折損することなく変更することができるスロットアンテナを実現する。
【解決手段】導体平板2と、この導体平板の幅方向の中心を通る長手方向の対称軸5を中心として導体平板に線対称形状に形成されたスロット41,42と、前記スロットを介在させて対向する導体平板のスロット縁に設けた給電点3とを備え、前記導体平板が前記対称軸の両側に離れて該対称軸と平行となる2箇所において互いに異なる方向に曲げられることにより中央基準領域22と該中央基準領域の上方に連なる上方変角領域23と前記中央基準領域の下方に連なる下方変角領域24とを形成するスロットアンテナ1であって、前記中央基準領域に対して曲げられる前記上方変角領域及び前記下方変角領域と前記中央基準領域との境界の曲げ部分に沿って蝶番7を付設した構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、特定の偏波成分により形成された電波を送受信する通信システムに用いられるスロットアンテナに関して、この通信システムの異なる2つの周波数帯における電波の効率の良い送受信を可能にするスロットアンテナに関する。
近年、車両における通信では、GPS(Global Positioning System)による位置情報や道路情報、地上波デジタルテレビ放送などさまざまな情報を取得することができるようになり、ユーザーのさらなる利便性の向上および安全性の向上のために多数の無線通信機器が開発され実用に供されている。安全性の向上に関する無線通信には、緊急時の救援通信システムおよび該救援通信システムにおける通信時に必要となる垂直偏波を送受信するアンテナが開発されている。このアンテナは、車両のフロントガラスなどの傾斜部分に設置することで最大放射方向が天頂方向へ傾く。端末に対して十分遠方の基地局からの電波は、地面に対してほぼ平行の水平方向から到来するため、アンテナの最大放射方向を地面に対して水平方向に調整することが求められている。
特許文献1には、より簡単な構造で、異なる2つの周波数帯における最大放射方向のチルトを可能にし、かつ小型化が可能なスロットアンテナが提案されている。具体的には、導体平板と、前記導体平板の対称軸上に設けられたスロット及び給電点とを有し、前記導体平板が前記対称軸と平行となる2箇所で互いに異なる面に折り曲げられるスロットアンテナが記載されている。
特開2010−109968号公報
特許文献1に記載されたスロットアンテナは、簡単な構造で、特定の偏波成分で形成された異なる2つの使用周波数帯における電波を効率良く送受信でき、最適な最大放射方向に設定することが可能である。
しかし、このスロットアンテナを傾斜した面に設置する際に、傾斜の角度によってスロットアンテナの折り曲げる角度が決まるため、例えば自動車のフロントガラスにスロットアンテナを設置する場合には、車種やモデルごとに、アンテナ設計を変える必要がある。
また、導体平板を一度折り曲げた後に、最大放射方向を変更するために導体平板の折り曲げ角度を変更すると、導体平板が折損してしまうことがある。
そこで、本発明の目的は、簡単な構造で、異なる2つの使用周波数帯における最大放射方向を繰り返し変更できるように、導体平板の曲げ角度を折損することなく変更することができるスロットアンテナを実現することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、導体平板と、前記導体平板の幅方向の中心を通る長手方向の対称軸を中心として該導体平板に形成されたスロットと、前記スロットを介在させて対向する導体平板のスロット縁に設けた給電点とを備え、前記導体平板が前記対称軸の両側に離れて該対称軸と平行となる2箇所において互いに異なる方向に曲げられることにより中央基準領域と該中央基準領域の上方に連なる上方変角領域と前記中央基準領域の下方に連なる下方変角領域とを形成するスロットアンテナにおいて、
前記導体平板は、前記中央基準領域に対して曲げられる(変角する)前記上方変角領域及び前記下方変角領域と前記中央基準領域との境界の曲げ部分に沿って蝶番(ヒンジ)を付設した構成とする。
そして、前記蝶番は、その表面を導体により形成した構成とする。
また、前記蝶番は、前記導体平板の電流分布の小さい箇所に付設する構成とする。
また、前記導体平板における前記上方変角領域と前記下方変角領域は前記対称軸と平行であり、前記対称軸から等しい距離に形成された構成とする。
また、前記導体平板と前記スロットは、前記対称軸に対して線対称形状の構成とする。
また、前記スロットは、前記導体平板の対称軸方向の一端側に開放する複合スロットと他端側に開放する矩形スロットによって形成する構成とする。
本発明のスロットアンテナは、導体平板における中央基準領域に対して曲げられる上方変角領域及び下方変角領域の前記中央基準領域との境界の曲げ部分に沿って蝶番を付設して導体平板の曲げを支援する構成としたことにより、曲げ部分を折損することなく導体平板の曲げ角度を変更して最大放射方向を変更することが可能となる。
本発明の基本構成となるスロットアンテナの正面図である。 図1に示したスロットアンテナの動作原理を説明するための正面図である。 図1に示したスロットアンテナの動作原理を説明するための正面図である。 本発明の実施例であるスロットアンテナの構造を示す正面図である。 図4に示したスロットアンテナの特性曲線図である。 図4に示したスロットアンテナの遠方界における指向性のXY平面の測定面定義を示す図である。 図6において定義した測定面で測定したスロットアンテナの特性曲線図である。 図4に示したスロットアンテナの遠方界における指向性のXZ平面の測定面定義を示す図である。 図8において定義した測定面で測定したスロットアンテナの特性曲線図である。 図4に示したスロットアンテナにおける蝶番付設位置を示す正面図である。 図10に示したスロットアンテナにおける最大放射方向調整形態を示す正面図である。 図11に示したスロットアンテナの特性曲線図である。 図11に示した形態のスロットアンテナの設置形態を示す側面図である。 図11に示したスロットアンテナの遠方界における指向性のXY平面の測定面定義を示す図である。 図14で定義した測定面で測定したスロットアンテナの特性曲線図である。 図11に示したスロットアンテナの遠方界における指向性のXZ平面の測定面定義を示す図である。 図16で定義した測定面で測定したスロットアンテナの特性曲線図である。
本発明のスロットアンテナは、導体平板と、前記導体平板の幅方向の中心を通る長手方向の対称軸として該導体平板に線対称形状に形成されたスロットと、前記スロットを介在させて対向する導体平板のスロット縁に設けた給電点とを備え、前記導体平板が前記対称軸と平行となる2箇所において互いに異なる方向に曲げられて中央基準領域と該中央基準領域の上方に連なる上方変角領域と前記中央基準領域の下方に連なる下方変角領域とを形成する形態であって、前記導体平板は、前記中央基準領域に対して曲げられる前記上方変角領域及び前記下方変角領域の境界の曲げ部分に沿って蝶番を付設した構成とすることにより、曲げ部分を折損することなく導体平板の曲げ角度を変更して最大放射方向の変更を可能とする。
本発明のスロットアンテナの基本構成は、特許文献1(特開2010−109968号公報)に記載された構成であり、中央基準領域に対して曲げられる上方変角領域及び下方変角領域と前記中央基準領域との境界の曲げ部分に沿って蝶番を付設した構成とすることにより、曲げ部分を折損することなく導体平板の曲げ角度を変更して最大放射方向の変更を可能とするものである。
本発明の実施例であるスロットアンテナの基本構成を図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、この実施例におけるスロットアンテナ1は、長手方向(図の横方向)の長さ寸法aと長手方向に対して直角な方向(図の縦方向)の幅寸法bの1枚の長方形の例えば、銅又はばね性のあるリン青銅の導体平板2に、幅寸法2dのスロット境界導体部21を境にして、幅寸法2dと長さ寸法fの横向きM字スロット部41aと該横向きM字スロット部に連続して形成された上底寸法2dと下底寸法bの台形で下底側を導体平板2の長手方向の一方側に解放する横向き台形スロット部41bによって構成した複合スロット41と、導体平板2の長手方向の他方側に開放する幅寸法eと長さ寸法gの細長スロット部42aと該細長スロット部42aの奥に連続して形成した長さ寸法iと幅寸法jの四角形スロット部42bによって構成した矩形スロット42を備えた構成である。前記複合スロット41と矩形スロット42の各幅方向の中心(スロット境界導体部21の幅方向の中心)は、導体平板2の幅方向寸法bの中心を通る対称軸5と一致し、前記複合スロット41と矩形スロット42は前記対称軸5の上下側に線対称形状とする。
前記導体平板2は、前記両スロット41,42を形成し、前記矩形スロット42の上下側に所定の領域(中央基準領域22)を隔てて、前記対称軸5と平行となる2箇所(対称軸5から上下側に寸法kだけ離れた位置)において前記中央基準領域22に対して互いに異なる方向に曲がるように、前記中央基準領域22の上方に連なる上方変角領域23と、前記中央基準領域22の下方に連なる下方変角領域24とを区画した形態となる。そして、前記中央基準領域22に対して曲げられる該中央基準領域22と上方変角領域23及び下方変角領域24との境界の曲げ部分に沿って導体平板2の曲げを小さな曲率で滑らかに実現するように支援する蝶番7を付設した構成とする。
曲げ支援のために付設する蝶番7は、曲げ角度を変更するときに導体平板2の曲げ部分に大きな伸縮応力が発生しないような形態のものを使用する。
スロットアンテナ1に電力を供給する給電点3は、前記導体平板2における前記矩形スロット42が形成された縁であって、前記矩形スロット42の前記細長スロット部42aにおける前記四角形スロット部42bに近接した位置に設ける。
このスロットアンテナ1を供する2つの動作周波数帯に対する1つ目の設計周波数ν1での電波の波長をλ1とし、2つ目の設計周波数ν2での電波の波長をλ2と定義した場合には、このスロットアンテナ1の諸元は、寸法d+f+hを約λ1/3.7とし、寸法g+c(ここで、c=(b−e)/2)を約λ2/3.1とする。
なお、前記2つの動作周波数帯は、スロットアンテナ1を機器筐体に内蔵した場合や設備等に設置した場合は、機器筐体や設備等を構成する各種誘電体の材料や周辺物体の配置の影響を受ける。例えば、スロットアンテナ1を誘電体材料の表面に設置した場合は、誘電体特有の波長短縮効果を考慮して決定する。
図1に示した構成のスロットアンテナ1において、波長λ1を定義する設計周波数ν1のとき、この周波数成分を持ち、かつ給電点3より導体平板2上に発生する電流は、共振動作によって寸法d+f+hが約λ1/3.7の複合スロット41の対向する導体縁付近に分布することから、図2に示すような電流分布91となり、設計周波数ν1で動作するスロットアンテナ機能を実現する。
一方、図1に示した構成のスロットアンテナ1において、波長λ2を定義する設計周波数ν2のとき、この周波数成分を持ち、かつ給電点3より導体平板2上に発生する電流は、共振動作によって寸法g+cが約λ2/3.1の矩形スロット42の対向する導体縁付近に分布することから、図3に示すような電流分布92となり、設計周波数ν2で動作するスロットアンテナ機能を実現する。
以上より、本発明の基本構成となるスロットアンテナ1では、1つの給電点3を境に設計周波数ν1と設計周波数ν2で動作する2つのスロットアンテナ機能手段を同一平面に並べて構成することが可能となる。よって、この実施例におけるスロットアンテナ1は、2つの周波数帯における特定の偏波成分の電波の送受信が可能となる。
次に、この実施例におけるスロットアンテナ1の特性を図4〜図9を参照して説明する。
図4に示すスロットアンテナ1は、図1に示したスロットアンテナ1の給電線路として同軸ケーブル6を使用した構成である。
このスロットアンテナ1への給電は、給電点3において、矩形スロット42の長さ方向に沿って平行に対向する導体平板2の縁の一方に同軸ケーブル6の内導体61を通電性のあるはんだ材63で接続し、他方に同軸ケーブル6の外導体62を通電性のあるはんだ材63で接続して行う構成である。この同軸ケーブル6の内導体61と外導体62の中間層である絶縁体64は、絶縁樹脂あるいは中空、つまり空気による絶縁でもよい。なお、スロットアンテナ1へ給電する同軸ケーブル6の接続は、通電性のあるはんだ材等による融着接続の他、通電性を保持し得る形状の専用コネクタやステイなどを用いて行ってもよい。
図4に示すスロットアンテナ1は、導体平板2の厚さ寸法を0.2mmとし、図1で定義した寸法を、a=102mm、b=50mm、c=24mm、d=10mm、e=2mm、f=45mm、g=26mm、h=41mm、i=7mm、j=8mm、k=6mmとしている。そして、このスロットアンテナ1が800MHz帯と1900MHz帯の2つの周波数帯で動作するように、寸法d+f+hを1つ目の設計周波数860MHzでの電波の波長λ1(≒349mm)の約1/3.7とし、寸法g+cを2つ目の設計周波数1920MHzでの電波の波長λ2(≒156mm)の約1/3.1としている。また、同軸ケーブル6は、外径約1.1mmの同軸ケーブルを使用し、スロットアンテナ1の導体部と重なる部分以外には、スロットアンテナ1の諸特性への影響を考慮し、フェライトを取り付けている。なお、以下のスロットアンテナの説明においても、使用する同軸ケーブルには、同様にフェライトが取り付けられているものとする。
図5は、図4に示したスロットアンテナ1の周波数特性を示し、横軸は周波数、縦軸はリターンロスをそれぞれ示している。図5に示す特性により、このスロットアンテナ11は、800MHz帯と1900MHz帯の2つの周波数帯で動作していることが分かる。
図6は、図4に示したスロットアンテナ1の遠方界における指向性のXY平面の測定面定義を示している。測定中心はスロットアンテナ1の横方向の長さ寸法aの半分の長さ寸法m、スロットアンテナ1の縦方向の幅寸法bの半分の幅寸法oの位置とする。以下のスロットアンテナの説明においても、測定中心はこれと同様の定義とする。
図7は、図6において定義した測定面で測定したときの指向性を2つの周波数帯および垂直偏波(Vertical)と水平偏波(Horizontal)に分けて示している。図7に示す指向性により、2つの周波数帯のそれぞれで、垂直偏波による良好な無指向性が得られていることが分かる。
図8は、図4に示したスロットアンテナ1の遠方界における指向性のXZ平面の測定面定義を示している。測定中心はスロットアンテナ1の横方向の長さ寸法aの半分の長さ寸法m、スロットアンテナ1の縦方向の幅寸法bの半分の幅寸法oの位置とする。以下のスロットアンテナの説明においても、測定中心はこれと同様の定義とする。
図9は、図8に示した測定面で測定したときの指向性を2つの周波数帯および垂直偏波(Vertical)と水平偏波(Horizontal)に分けて示している。図9に示す指向性により、2つの周波数帯のそれぞれで、8の字指向性の垂直偏波が得られていることが分かる。図4に示したスロットアンテナ1を車両のフロントガラス等の傾斜した部分に設置するときには、8の字指向性の最大放射方向が水平方向を向くようにするために、8の字指向性の最大放射方向を設置面と垂直方向(図9の0°、180°方向)から水平方向(図9の90°、270°方向)側に傾けることが必要となる場合がある。例えば、トラックなどのフロントガラスの傾斜が地面に対して90°に近い車両については、フロントガラスに設置した際にXZ平面の垂直偏波の最大放射方向が水平方向を向くことから、最大放射方向を傾ける必要がない。しかし、一般的な乗用車やスポーツカーなどのフロントガラスのようにフロントガラスの傾斜が地面に対して0°に近くなる車両においては、このスロットアンテナ1をフロントガラスに設置すると、XZ平面の垂直偏波の最大放射方向が垂直方向を向くことになるから、前記最大放射方向を水平方向側に大幅に傾けることが必要になる。
以下、この実施例において行う最大放射方向の調整について図10〜図19を用いて説明する。
図10は、図4に示したスロットアンテナ1を最大放射方向に傾けるための曲げ位置を示している。曲げ位置71,74は、スロットアンテナ1の対称軸5から上側および下側にそれぞれ等しい寸法k(この実施例ではk=6mm)だけ間隔を空けた位置である。
この曲げ位置71,74上には該曲げ位置上に沿って金属製の蝶番7が取り付けられている。このスロットアンテナ1の導体平板2は、曲げ位置71,74上で蝶番7の軸を中心軸として、曲げ位置71,74に挟まれた中央基準領域22に対して上方変角領域23と下方変角領域24を互いに異なる方向に滑らかな曲線で任意の角度で曲げられ、蝶番7の保持力によって曲げ角度を維持する。このように導体平板2が中央基準領域22に対して上方変角領域23と下方変角領域24が蝶番7に支援されて曲がると、スロットアンテナ1は、複合スロット41が矩形スロット42の長手方向と直角な方向(幅方向)に伸縮した形態となる。
このスロットアンテナ1は、図2、図3に示したように、導体平板2の縁部(スロットの周辺を含む)で電流分布91、92が大きくなり、その他のエリアで電流分布が小さくなり、導体平板2の縁部以外は電波の放射にあまり寄与しないことから、導体平板2の縁部以外(電流分布の小さい位置)に蝶番7を設けることにより、蝶番7がスロットアンテナ1の放射特性へ影響を及ぼすことを抑制することができる。
この実施例におけるスロットアンテナ1は、図11に示すように、曲げ位置71,74上の蝶番7によって導体平板2の上方変角領域23及び下方変角領域24を互いに異なる方向に曲げることにより最大放射方向を調整する。すなわち、図11において、スロットアンテナ1の導体平板2における上方変角領域23を図の後方に曲げ、下方変角領域24を図の前方に曲げた形態とする。この曲げにより、スロットアンテナ1は、複合スロット41が矩形スロット42の長手方向に対して直角な幅方向に縮小した形態となる。
図12は、スロットアンテナ1の周波数特性の測定結果を示す特性曲線であり、横軸は周波数、縦軸はリターンロスを示している。ここで、実線で示す特性曲線は図10に示す形態のスロットアンテナ1の測定結果であり、破線で示す特性曲線は図11に示す形態のスロットアンテナ1の測定結果である。
この図12の2つの特性曲線を参照すると、スロットアンテナ1は、何れの形態においても、複合スロット41で主に動作する800MHz帯と、矩形スロット42で主に動作する1900MHz帯の2つの周波数帯で共振特性が得られていることが分かる。
この実施例のスロットアンテナ1は、図11に示す形態では、図10に示す形態に比して、導体平板2における上方変角領域23と下方変角領域24が接近することにより、インピーダンスの整合状態が劣化して特性劣化が見られるが、目的とする2つの周波数帯での共振特性は十分に実現していることが分かる。
図13は、図11に示したスロットアンテナ1を乗用車における傾斜角度25°のフロントガラス80の内側に沿わせて設置した状態を例示している。スロットアンテナ1は、最大放射方向を水平方向とするために、導体平板2を蝶番7により曲げた形態にしている。
具体的には、導体平板2を、曲げ位置71上の蝶番7によって上方変角領域23を中央基準領域22に対して後方に65°曲げ、曲げ位置74上の蝶番7によって下方変角領域24を中央基準領域22に対して前方に90°曲げた形態である。この曲げにより、スロットアンテナ1は、複合スロット41が矩形スロット42の長手方向と直角な幅方向に縮小した形態となっている。
図14は、図11に示したスロットアンテナ1の遠方界における指向性のXY平面の測定面定義を示している。
図15は、図14で定義した測定面で測定したときの指向性を2つの周波数帯および垂直偏波(Vertical)と水平偏波(Horizontal)に分けて示している。図15に示す測定結果により、2つの周波数帯におけるそれぞれで垂直偏波による無指向性が得られている。しかし、導体平板2が平坦な状態のときの特性(図7)と比べると、水平偏波の指向性が大幅に上昇し、垂直偏波の指向性が若干低下している。これは導体平板2を曲げることにより、上方変角領域23と下方変角領域24を構成する導体平板2の導体間の距離が近づき、平坦状態のときに縦方向に発生していた電流が横方向に発生する電流に変わったためである。
ここで、最大放射方向を厳密に定義する意味で、半値幅(指向性の主ローブの最大値から3dB下がった点の間の角度幅)の中間方向を最大放射方向と定義する。以下のスロットアンテナの説明においても、最大放射方向はこれと同様の定義とする。本発明者らは8の字指向性の最大放射方向を評価する上で、半値幅の中間方向、2つのヌル(指向性の最小方向)の中間方向、2つのピークの最大値の方向、という3種類の評価方法で比較検討した。その結果、半値幅の中間方向と2つのヌルの中間方向はほぼ等しい方向を示したが、2つのピークの最大値の方向は他の2つの評価方法と大きく異なる方向を示した。また、一般的に半値幅を使った放射方向の評価方法が知られている。このため、本明細書では半値幅の中間方向を最大放射方向として評価して記載している。また、周波数特性における共振ピークでの指向性を測定し、最大放射方向を評価している。
図16は、図11に示したスロットアンテナ1の遠方界における指向性のXZ平面の測定面を定義を示している。
図17は、図16で定義した測定面で測定したときの指向性を2つの周波数帯および垂直偏波(Vertical)と水平偏波(Horizontal)に分けて示している。図17に示す測定結果により、2つの周波数帯のそれぞれで8の字指向性の垂直偏波が得られている。この8の字指向性の半値幅の中間方向である最大放射方向が、傾斜角度25°のフロントガラス設置面に対する垂直方向(図17における角度295°、115°の方向)から、水平方向(図17における角度0°、180°の方向)に傾けることが必要となる。図17における(a)、(c)に示された2つの周波数帯における最大放射方向は、乗用車の正面方向を角度0°、背面方向を角度180°としたとき、890MHzと1950MHzにおいて正面方向では仰角(角度0°の方向と最大放射方向との角度)61°と47°を向き、背面では俯角(角度180°の方向と最大放射方向との角度)51°と52°を向いている。これは図11に示す(側面は図13に示す)ようにスロットアンテナ1を乗用車の正面方向と背面方向に曲げることにより、図10に示すように平坦の形態でフロントガラス80の内側に沿わせて設置した状態に比べて、正面で角度4°と18°分だけ水平方向に傾き、背面で角度14°と13°分だけ水平方向に傾いていることとなる。これは図2と図3に示した電流分布91,92の給電点から最も遠い点を直線で結んでできる主要な電界発生面が平坦なときに比べて地面に対して垂直に近づいているためである。
以上の図17に示す結果を考察すると、この実施例のスロットアンテナ1によれば、特定の偏波成分の電波を効率良く送受信できる2つのアンテナ素子構造であって、これら2つのアンテナ素子構造の内、一方にのみ給電点を設け、さらに長手方向の対称軸から等距離の2箇所を曲げて異なる2つの周波数帯での最大放射方向を調整することにより、特定の偏波成分で形成された異なる2つの周波数帯における電波を平坦形態のスロットアンテナよりも水平方向に近い方向で効率良く送受信することができるスロットアンテナを実現することができることが分かる。
本実施例に係るスロットアンテナ1は、上述のとおり、蝶番7を使用して導体平板2の曲げを支援する構成としたことによって曲げによる導体平板2の折損を防止することが可能となり、傾斜角度が異なるより多くのさまざまな設置場所に対応させて、最大放射方向を水平方向に調整することが可能となった。そのため、例えば、自動車のフロントガラスに設置する場合、車種ごとにアンテナ設計を変える必要がなくなった。更に、本実施例に係るスロットアンテナ1は、折りたためる(導体平板の長手方向と直角な方向に伸縮する)ため持ち運びしやすいという利点があり、設置する場所に応じて、平坦/曲げたアンテナ形態のどちらの形態でも設置することができる。また、屋根に複数設置してアレイ化したときに、曲げによる最大放射方向の調整が可能となった。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は、本発明を何ら制限するものではない。導体平板2は、例として、銅板又はりん青銅板からなることを説明したが、アルミ板やFPCからなる導体平板を使用してもよい。
また、アンテナ形状は線対称形状のものを説明してきたが、非対称形状でもよい。給電方法は、同軸ケーブル6をはんだ付けした給電方法を説明したが、コネクタによる給電でもよい。また、蝶番7は、金属製の例で説明したが、蝶番の表面が導体で形成されていればよく、シリコン製の蝶番に金属メッキを被せた形態のものを用いることもできる。
また、本発明のスロットアンテナ1は、セルラー用車載アンテナ、無線LAN用車載アンテナ、太陽光発電パネル内蔵アンテナ(衛星/テレビ放送)、携帯端末用内蔵アンテナ(金属蝶番のアンテナ化)としても使用することができる。
1…スロットアンテナ、2…導体平板、3…給電点、5…対称軸、6…同軸ケーブル、7…蝶番、21…スロット境界導体部、22…中央基準領域、23…上方変角領域、24…下方変角領域、41…複合スロット、42…矩形スロット、71,74…曲げ位置。

Claims (6)

  1. 導体平板と、前記導体平板の幅方向の中心を通る長手方向の対称軸を中心として該導体平板に形成されたスロットと、前記スロットを介在させて対向する導体平板のスロット縁に設けた給電点とを備え、前記導体平板が前記対称軸の両側に離れて該対称軸と平行となる2箇所において互いに異なる方向に曲げられることにより中央基準領域と該中央基準領域の上方に連なる上方変角領域と前記中央基準領域の下方に連なる下方変角領域とを形成するスロットアンテナにおいて、
    前記導体平板は、前記中央基準領域に対して曲げられる前記上方変角領域及び前記下方変角領域と前記中央基準領域との境界の曲げ部分に沿って蝶番を付設したことを特徴とするスロットアンテナ。
  2. 請求項1において、前記蝶番は、その表面を導体により形成したことを特徴とするスロットアンテナ。
  3. 請求項1又は2において、前記蝶番は、前記導体平板の電流分布の小さい箇所に付設したことを特徴とするスロットアンテナ。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、前記導体平板における前記上方変角領域と前記下方変角領域は、前記対称軸と平行であり、前記対称軸から等しい距離に形成されていることを特徴とするスロットアンテナ。
  5. 請求項1〜4の何れか1項において、前記導体平板と前記スロットは、前記対称軸に対して線対称形状であることを特徴とするスロットアンテナ。
  6. 請求項1〜5の何れか1項において、前記スロットは、前記導体平板の対称軸方向の一端側に開放する複合スロットと他端側に開放する矩形スロットによって形成したことを特徴とするスロットアンテナ。
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