JP2013251279A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】空気供給装置等の供給装置によって供給される気体や液体の供給流量を精度良く調節することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】この燃料電池システムにおいては、流量計測器13の指示値に基づいて空気供給装置12が制御されるが、この流量計測器13の指示値は、停止状態にあるシステムに起動命令が入力されてから空気供給装置12が動作するまでの所定の期間であるシステムの起動時に、空気供給装置12によって空気が供給されていない場合に流量ゼロを示す値となるように補正される。これにより、流量計測器13の指示値が実際の供給流量を示すようになるので、空気供給装置12によって供給される空気の供給流量を精度良く調節することが可能となる。
【選択図】図2
【解決手段】この燃料電池システムにおいては、流量計測器13の指示値に基づいて空気供給装置12が制御されるが、この流量計測器13の指示値は、停止状態にあるシステムに起動命令が入力されてから空気供給装置12が動作するまでの所定の期間であるシステムの起動時に、空気供給装置12によって空気が供給されていない場合に流量ゼロを示す値となるように補正される。これにより、流量計測器13の指示値が実際の供給流量を示すようになるので、空気供給装置12によって供給される空気の供給流量を精度良く調節することが可能となる。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
従来の燃料電池システムとして、灯油や都市ガス等の炭化水素燃料(原燃料)を水蒸気改質して水素含有ガス(改質ガス)を生成する改質装置と、改質装置によって生成された改質ガス及び空気を電気化学的に発電反応させる燃料電池と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上述したような燃料電池システムにおいては、例えば、改質装置における改質効率を好適に維持してシステムの運転の安定化を図る観点から、改質触媒を加熱するバーナ燃焼器に空気供給装置によって供給される空気の供給流量を精度良く調節することが重要である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、空気供給装置等の供給装置によって供給される気体や液体の供給流量を精度良く調節することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る燃料電池システムは、原燃料を改質することにより生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池システムであって、原燃料を改質する改質器の改質触媒を加熱するバーナ燃焼器に空気を供給する供給装置と、供給装置によって供給された空気の供給流量を計測する流量計測器と、流量計測器の指示値に基づいて供給装置を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、停止状態にあるシステムに起動命令が入力されてから供給装置が動作するまでの所定の期間であるシステムの起動時に、供給装置によって空気が供給されていない場合において、流量計測器の指示値が流量ゼロを示す値となっていないときには、流量ゼロを示す値となるように流量計測器の指示値を補正することを特徴とする。
また、制御装置は、流量ゼロを示す値と流量計測器の指示値との差が所定の閾値を超えている場合には、供給装置を作動させる前にシステムの運転を停止させることが好ましい。
本発明によれば、空気供給装置等の供給装置によって供給される気体や液体の供給流量を精度良く調節することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの一実施形態を示す構成図である。図1に示されるように、燃料電池システム1は、脱硫器2と、改質装置としての燃料処理システム(以下、「FPS」という)3と、燃料電池としての固体高分子形燃料電池スタック(以下、「PEFCスタック」という)4と、インバータ5と、これらを収容する筐体6と、を具備している。燃料電池システム1は、入手が容易であり且つ独立して貯蔵可能であるという観点から、原燃料として灯油等の液体燃料を用いて発電を行なうものであり、例えば家庭用の電力供給源として採用される。
脱硫器2は、外部から導入された液体燃料に対して脱硫を施すものである。脱硫器2においては、脱硫触媒がヒータによって例えば220℃〜230℃に加熱されて脱硫に用いられる。脱硫器2には、ポンプ(図示せず)によって液体燃料が供給される。このポンプは、例えば定量型の電磁ポンプ等、液体燃料を加圧しながら脱硫器2に供給するものである。脱硫器2内において液体燃料が加圧されることで、脱硫触媒を比較的高温にしても液体燃料が気化しに難くなるので、液体燃料を液相状態に維持しながら、加熱された脱硫触媒に接触させることができる。また、脱硫器2に液体燃料を供給するポンプとして定量型の電磁ポンプを用いることで、脱硫器2に圧送される液体燃料の圧力が安定化されるので、液体燃料を安定的に脱硫することができる。
FPS3は、液体燃料を改質して改質ガスを生成するものであり、改質器7と、バーナ燃焼器8と、を備えている。改質器7は、脱硫された液体燃料と水蒸気とを改質触媒で水蒸気改質反応させて、水素を含有する水蒸気改質ガスを生成する。バーナ燃焼器8は、改質器7の改質触媒を加熱することで、水蒸気改質反応に必要な熱量を供給する。更に、FPS3は、変性器9と、選択酸化器11と、を備えている。変性器9は、改質器7で生成された改質ガスを水性シフト反応させて、一酸化炭素の濃度を低下させる。選択酸化器11は、変性器9で生成された改質ガスを空気の導入により選択酸化反応させて、一酸化炭素の濃度を更に低下させる。これらの変性器9及び選択酸化器11を用いることで、一酸化炭素の濃度が10ppm程度の改質ガスが生成される。
PEFCスタック4は、複数の電池セルが積み重ねられて構成されており、FPS3で生成された改質ガスを用いて発電を行い、DC電流を出力する。電池セルは、アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間に配置された固体酸化物である電解質を有している。各電池セルにおいては、アノードに改質ガスが導入されると共に、カソードに空気が導入されて、電気化学的な発電反応が行われる。なお、PEFCスタック4は、通常550℃〜1000℃程度の高温で作動する。インバータ5は、出力されたDC電流をAC電流に変換する。筐体6は、脱硫器2、FPS3、PEFCスタック4及びインバータ5をモジュール化して収容するものである。
燃料電池システム1には、筐体6の外部からFPS3に液体燃料を導入するための液体燃料ラインL1が設けられている。液体燃料ラインL1は、脱硫器2の下流側において、改質器7に液体燃料を導入するための液体燃料ラインL11とバーナ燃焼器8に液体燃料を供給するための液体燃料ラインL12とに分岐されている。
液体燃料ラインL11の改質器7付近には、水蒸気改質に用いる水(原料水)を改質器7に導入するための水ラインL2が接続されている。水ラインL2の上流側には、水タンク15が設けられており、水タンク15には、筐体6の外部から水タンク15に水を導入するための水ラインL21、及びPEFCスタック4においてプロセス水を回収するための水ラインL22が接続されている。また、バーナ燃焼器8には、筐体6の外部から空気を導入するための空気ラインL31、及び発電反応に寄与しなかった水素を含むオフガスをPEFCスタック4から導入するためのオフガスラインL5が接続されている。更に、PEFCスタック4には、筐体6の外部から空気を導入するための空気ラインL32、及びFPS3から改質ガスを導入するための改質ガスラインL4が接続されている。
次に、上述したバーナ燃焼器8に供給される空気の供給流量の制御について説明する。
図2は、図1の改質器及びバーナ燃焼器の断面図である。図2に示されるように、バーナ燃焼器8は、円筒形状のバーナ部19及び燃焼筒21を有している。バーナ部19には、液体燃料ラインL12から液体燃料を導入するための液体燃料導入部L121、オフガスラインL5からオフガスを導入するためのオフガス導入部L51、及び空気ラインL31から空気を導入するための空気導入部L131が設けられている。液体燃料ラインL12には、液体燃料を気化してバーナ燃焼器8に導入するための気化器(図示せず)が設けられている。燃焼筒21は、バーナ燃焼が行われるバーナ燃焼空間Sを画定しており、バーナ燃焼空間Sの先端部には、バーナ燃焼により発生する燃焼ガスを排出するため開口部21aが設けられている。
改質器7は、燃焼筒21の開口部21aから外部に燃焼ガスを排出するための燃焼ガスラインL6を介在させた状態で、バーナ燃焼器8を取り囲んでいる。改質器7は、脱硫された液体燃料及び原料水を気化させる気化器23を有しており、気化器23の下流側には、燃焼ガスラインL6を流通する燃焼ガスの熱により加熱される改質触媒22が収容されている。改質器7においては、気化器23によって気化された原燃料ガス及び水蒸気が改質触媒22に接触しながら流通することで、水蒸気改質反応が進行して改質ガスが生成される。なお、改質触媒22は、水蒸気改質反応が非常に大きな吸熱反応であり、反応温度が550〜750℃程度と比較的高いことから、700℃程度となるようにバーナ燃焼器8によって加熱される。
そして、空気ラインL31には、バーナ燃焼器8に空気を供給するブロア等の空気供給装置(供給装置)12、及び空気供給装置12によって供給された空気の供給流量を計測する流量計測器13が設けられている。なお、流量計測器13は、電圧信号によって供給流量を示すものである。具体的には、流量計測器13は、図3に示されるように、電圧信号と空気の供給流量の指示値とのリニアな対応関係R1を有しており、1Vの電圧信号によって空気の供給流量が0L/分であることを示し、3Vの電圧信号によって空気の供給流量が15L/分であることを示す。
ところで、バーナ燃焼器8に供給される空気の供給流量が規定の流量よりも多いと、燃焼空気量の過剰に起因したリーン現象によって火炎が不安定となるため、温度が低下して改質効率が低下するおそれがある。一方、バーナ燃焼器8に供給される空気の供給流量が規定の流量よりも少ないと、燃焼空気量の不足に起因したリッチ現象によって火炎が不安定となるため、燃焼ガス中のCOやNOxの量が増加するおそれがある。
従って、バーナ燃焼器8に供給される空気の供給流量を精度良く調節することは、極めて重要である。燃料電池システム1においては、図2に示されるように、制御装置16によって、流量計測器13の指示値に基づいて空気供給装置12が制御されるが、以下のように、流量計測器13の指示値の補正が行われる。
図4は、図2の制御装置による流量計測器の指示値の補正手順を示すフローチャートである。図4に示されるように、まず、システムの起動時であるか否かが判断される(S01)。ここで、システムの起動時とは、システムの起動命令が入力されてから空気供給装置12が動作するまでの所定の期間である。このシステムの起動時には、燃料電池システム1において水循環やヒータの昇温が行われ、空気供給装置12は、システムの起動時後に始動する。つまり、システムの起動時には、バーナ燃焼器8への空気の供給流量は0L/分である。
S01の判断処理の結果、システムの起動時であった場合には、補正値が算出される(S02)。具体的には、空気供給装置12によって空気が供給されていないにも拘らず、流量計測器13の指示値が流量ゼロを示す値となっていないときには、流量ゼロを示す値と流量計測器13の指示値との差が補正値として算出される。例えば、図3に示されるように、システムの起動時に流量計測器13の指示値が1.3Vの電圧信号によって2L/分となっていたときには、補正値(すなわち、流量ゼロを示す値(0L/分)と流量計測器13の指示値(2L/分)との差)は2L/分である。
図4に戻り、S02の算出処理に続いて、補正値が所定の閾値(例えば3L/分)以下であるか否かが判断され(S03)、その結果、補正値が所定の閾値を超えていた場合には、システムの運転が停止させられる(S04)。一方、S03の判断処理の結果、補正値が所定の閾値以下であった場合には、流量ゼロを示す値となるように流量計測器13の指示値が補正される(S05)。
具体的には、制御装置16は、S02の算出処理で算出された2L/分の補正値に基づいて、図3に示されるように、1.3Vの電圧信号によって空気の供給流量が2L/分でなく0L/分であることを示すように、流量計測器13における電圧信号と空気の供給流量の指示値との対応関係R1を、傾きを維持しつつ線形補間により対応関係R2に補正する。
以上説明したように、燃料電池システム1においては、流量計測器13の指示値に基づいて空気供給装置12が制御されるが、この流量計測器13の指示値は、空気供給装置12によって空気が供給されていない場合に、流量ゼロを示す値となるように補正される。これにより、流量計測器13の指示値が実際の供給流量を示すようになるので、空気供給装置12によって供給される空気の供給流量を精度良く調節することが可能となる。
また、制御装置16は、流量ゼロを示す値と流量計測器13の指示値との差(すなわち、補正値)が所定の閾値を超えている場合には、システムの運転を停止させる。このような場合には、流量計測器13の指示値が流量ゼロを示す値から単にずれているという状態ではなく、システムに何らかの異常が発生していると想定されるため、異常が発生している状態でシステムの運転を継続させることを防止することができる。
更に、制御装置16は、システムの起動時に流量計測器13の指示値の補正を行う。このように、システムの起動命令が入力されてから空気供給装置12が動作するまでの(すなわち、外乱の少ない)システムの起動時に流量計測器13の指示値の補正を行うことで、補正自体の精度の向上、及び起動時後におけるシステムの運転の安定化を図ることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、液体燃料としては、灯油の他、ガソリン、ナフサ、軽油、メタノール、エタノール、DME(ジメチルエーテル)、バイオマスを利用したバイオ燃料を用いることができる。また、原燃料として、都市ガス等の気体燃料を用いてもよい。なお、この場合には、脱硫器(脱硫方法)及び改質器(改質方法)は、用いる液体燃料の特性に応じたものとされる。
また、上記実施形態では、PEFCスタック4を備えた燃料電池システム1としたが、固体酸化物形燃料電池(SOFC)スタックを備えた燃料電池システムとしてもよい。
更に、上記実施形態は、FPS3における改質効率を好適に維持してシステムの運転の安定化を図る観点から、空気供給装置12によって供給される空気の供給流量を計測する流量計測器13の指示値を補正する場合であったが、他の供給装置によって供給される気体又は液体の供給流量を計測する他の流量計測器の指示値を補正するようにしてもよい。燃料電池システム1では、選択酸化器11に供給される空気の供給流量を計測する流量計測器、PEFCスタック4の電池セルのカソードに供給される空気の供給流量を計測する流量計測器、液体燃料や水の供給流量を計測する流量計測器等に適用可能である。
ところで、他の本発明に係る燃料電池システムは、原燃料を改質することにより生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池システムであって、気体又は液体を供給する供給装置と、供給装置によって供給された気体又は液体の供給流量を計測する流量計測器と、流量計測器の指示値に基づいて供給装置を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、供給装置によって気体又は液体が供給されていない場合において、流量計測器の指示値が流量ゼロを示す値となっていないときには、流量ゼロを示す値となるように流量計測器の指示値を補正することを特徴とする。
この燃料電池システムにおいては、流量計測器の指示値に基づいて供給装置が制御されるが、この流量計測器の指示値は、供給装置によって気体又は液体が供給されていない場合に、流量ゼロを示す値となるように補正される。これにより、流量計測器の指示値が実際の供給流量を示すようになるので、空気供給装置等の供給装置によって供給される気体や液体の供給流量を精度良く調節することが可能となる。
また、制御装置は、流量ゼロを示す値と流量計測器の指示値との差が所定の閾値を超えている場合には、システムの運転を停止させることが好ましい。このような場合には、流量計測器の指示値が流量ゼロを示す値から単にずれているという状態ではなく、システムに何らかの異常が発生していると想定されるため、異常が発生している状態でシステムの運転を継続させることを防止することができる。
また、制御装置は、システムの起動時に流量計測器の指示値の補正を行うことが好ましい。燃料電池システムにおいては、システムの起動命令が入力されてから供給装置が動作するまでに所定の期間(この期間をシステムの起動時という)が存在するので、このシステムの起動時に流量計測器の指示値の補正を行うことで、補正自体の精度の向上、及び起動時後におけるシステムの運転の安定化を図ることができる。
また、供給装置は、原燃料を改質する改質器の改質触媒を加熱するバーナ燃焼器に空気を供給するものであり、流量計測器は、供給装置によって供給された空気の供給流量を計測するものである場合がある。この場合には、改質触媒を加熱するバーナ燃焼器に供給装置によって供給される空気の供給流量が精度良く調節されるので、改質装置における改質効率を好適に維持してシステムの運転の安定化を図ることができる。
1…燃料電池システム、7…改質器、8…バーナ燃焼器、12…空気供給装置(供給装置)、13…流量計測器、16…制御装置、22…改質触媒。
Claims (2)
- 原燃料を改質することにより生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池システムであって、
前記原燃料を改質する改質器の改質触媒を加熱するバーナ燃焼器に空気を供給する供給装置と、
前記供給装置によって供給された前記空気の供給流量を計測する流量計測器と、
前記流量計測器の指示値に基づいて前記供給装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、停止状態にあるシステムに起動命令が入力されてから前記供給装置が動作するまでの所定の期間であるシステムの起動時に、前記供給装置によって前記空気が供給されていない場合において、前記流量計測器の指示値が流量ゼロを示す値となっていないときには、前記流量ゼロを示す値となるように前記流量計測器の指示値を補正することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記制御装置は、前記流量ゼロを示す値と前記流量計測器の指示値との差が所定の閾値を超えている場合には、前記供給装置を作動させる前にシステムの運転を停止させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
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