JP2013250448A - ノイズ低減装置、撮像装置及びプログラム - Google Patents

ノイズ低減装置、撮像装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】撮像装置においてステレオ録音を行う場合のノイズ低減処理をより適切に行う。
【解決手段】ノイズ低減装置は、可動部110と、複数の集音装置131と、前記複数の集音装置131によって集音された音の信号を基に、前記可動部110の動作ノイズを推定するノイズ推定部132,133と、前記ノイズ推定部によって推定された前記動作ノイズを配分し、前記複数の集音装置131それぞれによって集音された音から、配分された前記動作ノイズを低減するノイズ低減処理部133と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ノイズ低減装置、撮像装置及びプログラムに関する。
近年、動画と音声とを同時に記録する撮像装置において、ノイズ低減処理が可能な撮像装置が知られている。ノイズ低減処理では、レンズの機構音(AF(Auto Focus)駆動音、ズーム音等)やVR(Vibration Reduction)駆動音等のノイズが、動画撮影時に音声に混入することを抑制している。
このようなノイズ低減処理については、例えば特許文献1に開示されている。
特許第4162604号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、ステレオ録音における遠近感や音源の動き等を考慮したものとなっていないため、ノイズ低減を行った部分と行わない部分とで音の左右比に不整合が生じてしまう可能性がある。
このように、従来の撮像装置においては、ステレオ録音を行う場合のノイズ低減処理を適切に行うことが困難である。
本発明の課題は、撮像装置においてステレオ録音を行う場合のノイズ低減処理をより適切に行うことである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、可動部(110)と、複数の集音装置(131L,131R)と、前記複数の集音装置(131L,131R)によって集音された音の信号を基に、前記可動部の動作ノイズを推定するノイズ推定部(132,133)と、前記ノイズ推定部によって推定された前記動作ノイズを配分し、前記複数の集音装置それぞれによって集音された音から、配分された前記動作ノイズを低減するノイズ低減処理部(133)と、を備えることを特徴とするノイズ低減装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のノイズ低減装置であって、前記ノイズ推定部(132,133)は、複数の周波数帯域毎に前記動作ノイズを推定し、前記ノイズ低減処理部(133)は、前記ノイズ推定部によって推定された前記動作ノイズを前記周波数帯域毎に配分し、前記複数の集音装置(131L,131R)それぞれによって集音された音から、配分された前記動作ノイズを前記周波数帯域毎に低減すること、を特徴とするノイズ低減装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のノイズ低減装置であって、前記ノイズ低減処理部(133)は、前記可動部の種類毎に設定された前記動作ノイズの配分比率によって前記動作ノイズを配分すること、を特徴とするノイズ低減装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のノイズ低減装置であって、前記ノイズ低減処理部(133)は、予め設定された前記動作ノイズの配分比率によって前記動作ノイズを配分すること、を特徴とするノイズ低減装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のノイズ低減装置であって、前記ノイズ低減処理部(133)は、前記可動部(110)を動作させることによって前記複数の集音装置(131L,131R)で取得された動作ノイズに基づいて設定された前記動作ノイズの配分比率によって前記動作ノイズを配分すること、を特徴とするノイズ低減装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載のノイズ低減装置を備えた撮像装置(100)である。
請求項7に記載の発明は、コンピュータに、複数の集音装置によって集音された音の信号を基に、可動部の動作ノイズを推定するノイズ推定機能と、前記ノイズ推定機能によって推定された前記動作ノイズを配分し、前記複数の集音装置それぞれによって集音された音から、配分された前記動作ノイズを低減するノイズ低減処理機能と、を実現させることを特徴とするプログラムである。
本発明によれば、撮像装置においてステレオ録音を行う場合のノイズ低減処理をより適切に行うことが可能となる。
本発明におけるノイズ低減装置の一実施形態を適用した撮像装置100の外観構成を示す図である。 本発明におけるノイズ低減装置の一実施形態を適用した撮像装置100の構成を示すブロック図である。 音声波形を示す図である。 ノイズ配分比率テーブルの具体例を示す図である。 ノイズ低減処理動作のフローを示すフローチャートである。 スペクトル減算処理動作のフローを示すフローチャートである。 推定ノイズスペクトルの配分を示す模式図である。 スペクトル減算処理動作において、左の音信号のスペクトルに施される処理を示す模式図である。 スペクトル減算処理動作において、右の音信号のスペクトルに施される処理を示す模式図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明におけるノイズ低減装置の一実施形態を適用した撮像装置100の外観構成を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は上面図である。図2は、本発明におけるノイズ低減装置の一実施形態を適用した撮像装置100の構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、撮像装置100は、レンズ鏡筒110と、レンズ鏡筒110を通過した被写体像を撮像してA/D変換すると共に、画像処理して画像データを生成する画像処理部120と、集音された音をA/D変換すると共に、ノイズ低減処理する音情報処理部130と、画像処理部120で得られた画像データ及び音情報処理部130で得られた音声信号を記録する記録部140と、CPU150と、を備える。
レンズ鏡筒110は、焦点自動調整(以下、AF(Auto Focus)レンズ、手振れ補正(以下、VR(Vibration Reduction)レンズ、手振れ補正レンズ駆動用モータ、ズームレンズ、ズームレンズ駆動用モータ、ズームエンコーダ等を備えるVRユニット111と、AFエンコーダ112と、AF駆動用モータ113と、を備える。
AFエンコーダ112は、光学系のAFレンズの位置を検出してCPU150に出力する。AF駆動用モータ113には、AFレンズの位置を制御するための駆動制御信号がCPU150から入力され、その駆動制御信号に応じて、AFレンズの位置が制御される。
CPU150は、設定された撮像条件(例えば、絞り値、露出値等)に応じてレンズ鏡筒110を制御する。CPU150は、手振れ補正レンズ駆動用モータ、ズームレンズ駆動用モータ及びAF駆動用モータ113を駆動する駆動制御信号を生成し、手振れ補正レンズ駆動用モータ、ズームレンズ駆動用モータ及びAF駆動用モータ113に出力する。
音情報処理部130は、ステレオ録音の集音装置である左右のマイク131L,131Rと、マイク131L,131Rによって集音されA/D変換された音信号を処理する音信号処理部132と、ノイズ低減処理部133と、を備える。
マイク131L,131Rは、レンズ鏡筒110の光軸中心から距離d1,d2の位置にそれぞれ設置されている。そして、マイク131L,131Rは、撮像装置100が録音するステレオ音として、それぞれ左音信号及び右音信号を音信号処理部132に出力する。
音信号処理部132は、マイク131L,131Rにより集音された音をA/D変換した音信号において、音声を表す信号(音声信号)が入力されている区間(音声区間)を検出する音声区間検出部134と、AF駆動用モータ113の動作情報から動作ノイズの発生する区間を検出するノイズ区間検出部135と、を備える。
音声区間検出部134は、マイク131L,131Rにより集音された音をA/D変換した音信号から、音声信号の含まれる区間(音声区間)とそれ以外の区間(非音声区間)とを、自己相関関数のピーク値に基づいて判別する。音声区間検出部134による音声区間検出の概要を説明すると、次のとおりである。
図3は、音声の波形(音声波形)を示す図である。
なお、図3の矩形信号は、フレーム分割のための信号を表しており、図3に示す例では、一定の時間間隔でフレームが分割されている。
図3に示すように、音声波形の信号(音声信号)の場合、数十ミリ秒程度の時間内では、周期的な成分が支配的となる(図3中のSa部分の信号)。そして、撮像装置100のAF駆動用モータ113等が駆動されると、この音声に、動作ノイズが混入する(図3中のSb部分)。
図3に示す音声信号の波形の任意の一部を切り出して自己相関関数を求めると、この音声波形は、音声、即ち、声帯の振動数に対応した基本周波数及びそれの倍音に対応した周波数帯域にピークが集中する性質(調波性)を有している。そこで、この調波性を利用して自己相関関数のピーク値の大きさによって、音声であるか非音声であるかを区別することが可能である。
即ち、AFノイズが発生し、音声とAFノイズとが発生している場合に、自己相関関数のピークに閾値を設定して、閾値以上の部分を識別することにより、出力波形に音声と一致した音声区間があることを検出できる。
ノイズ区間検出部135は、VRユニット111及びAF駆動用モータ113の動作情報から動作ノイズ(動作に伴う駆動音等のノイズ)の発生する区間を検出する。このノイズ区間検出部135では、VRユニット111に対するCPU150からの駆動制御信号の出力や、CPU150にAF駆動用モータ113に対する駆動制御信号を出力するように指示するAF駆動コマンド及びAFエンコーダ112からの出力といった動作情報を参照して、動作ノイズの発生区間を検出(推定)する。
ノイズ区間検出部135による動作ノイズの発生区間検出の詳細を説明すると、次のとおりである。なお、ここではAF駆動用モータ113の動作情報から動作ノイズの発生区間を検出する場合を例に挙げて説明する。
AF駆動コマンドの出力によりAF駆動用モータ113が動作されると、AF駆動コマンドの出力時刻であるAF駆動用モータ113の動作開始時刻t1から動作終了時刻t3まで連続して動作ノイズは発生される。マイク131L,131Rには、被写体の音声等の記録目的音に動作ノイズが重畳された音が集音され、その集音された音の信号がマイク131L,131Rから出力される。
このとき、AFエンコーダ112からは、AF駆動系のギア列で起きるバックラッシュ等の影響でAF駆動用モータ113の動作開始時刻t1よりも遅れた時刻t2からAFレンズの位置の検出結果が出力されることがある。そこで、ノイズ区間検出部135は、AF駆動コマンドの出力時刻t1からAFエンコーダ112の出力停止t3までを動作ノイズの発生区間として検出し、それ以外を非ノイズ区間として検出する。
ノイズ低減処理部133は、各種動作ノイズのうち、AF動作開始時及びAF動作終了時に発生する衝撃音ノイズを低減処理する。
具体的には、ノイズ低減処理部133は、動作ノイズ発生前の区間に設定した窓xの第1周波数スペクトルと、動作ノイズ発生後の区間に設定した窓yの第2周波数スペクトルと、を取得する。取得した第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとを比較し、比較の結果、第2周波数スペクトルが第1周波数スペクトルより大きい場合、第2周波数スペクトルを第1周波数スペクトルに置き換えることにより、第1のノイズの低減処理を行う。なお、本実施形態において、スペクトルとは、周波数軸における各周波数成分の大きさを表す。
ここで、音声区間検出部134により音声区間であると検出された場合、所定の周波数(例えば、4000Hz)までのスペクトルは置き換えずに保存し、また、非音声区間であると検出された場合、それよりも小さい所定の周波数(例えば、500Hz)までのスペクトルは置き換えずに保存する。即ち、音声区間と検出された場合の保存する周波数の上限を、例えば、4000Hzとし、非音声区間と検出された場合の保存する周波数の上限を、例えば、500Hzとすることにより、音声区間であると検出された場合、非音声区間であると検出された場合よりも弱い第1の衝撃音ノイズ低減処理を行う。
なお、本実施形態において、第1の衝撃音ノイズ低減処理を行うことなく、以降の処理を行うことも可能である。
また、ノイズ低減処理部133は、ノイズ配分比率テーブルを記憶するノイズ配分テーブル記憶部133aを有している。ノイズ配分比率テーブルは、動作ノイズの左右の配分比率が設定されたテーブル形式のデータである。
図4は、ノイズ配分比率テーブルの具体例を示す図である。
図4に示すように、ノイズ配分比率テーブルには、動作ノイズの発生源と左右のマイク131L,131Rとの位置関係を基に設定された周波数帯域毎の配分比率(左右ノイズの配分比率)が、各種動作ノイズ毎に予め定められている。
例えば、ノイズ配分比率テーブルには、AF駆動用モータ113を発生源とするAFノイズについて、動作ノイズの発生源であるAF駆動用モータ113と左右のマイク131L,131Rとの距離に対応して設定された周波数帯域F1〜F5の配分比率(X11:Y11)〜(X15:Y15)や手振れ補正レンズ駆動用モータを発生源とするVRノイズについて、動作ノイズの発生源である手振れ補正レンズ駆動用モータと左右のマイク131L,131Rとの距離に対応して設定された周波数帯域F1〜F5の配分比率(X21:Y21)〜(X25:Y25)が定められている。
なお、ノイズ配分比率テーブルには、その他、ズームレンズ駆動用モータの駆動音や、ズームレンズ、VRレンズ及びAFレンズの移動摩擦音、シャッタボタンの操作音といった撮像装置100において発生され得る各種ノイズについて、左右ノイズの配分比率が記憶されている。また、ノイズ配分比率テーブルにおいて、動作ノイズの発生源と左右のマイク131L,131Rとの距離に加え、動作ノイズの伝達媒体となる撮像装置100の部分の構造(材質、硬さ、音の共振特性等)に対応して、周波数帯域F1〜F5の配分比率(X21:Y21)〜(X25:Y25)を定めることも可能である。
そして、ノイズ低減処理部133は、音声区間検出部134において非音声区間であると検出されて強い衝撃音ノイズ低減処理が行われた場合の周波数スペクトルからノイズを推定し、推定ノイズを更新すると共に、その推定ノイズを用いて、第1の衝撃音ノイズ低減処理が行われた周波数スペクトルから減算して周波数スペクトルを生成するスペクトル減算処理(第2のノイズ低減処理)を行う。このとき、ノイズ低減処理部133は、左右のマイク131L,131Rで集音した音の合計(即ちモノラル音)を基にノイズ推定を行い、後述するように、ノイズ配分比率テーブルを参照して動作ノイズの発生源に応じた配分比率で推定ノイズ(より詳細には、推定ノイズスペクトル)を左右の音信号に配分する。そして、ノイズ低減処理部133は、配分した推定ノイズを左右の音信号のスペクトルから減算し、第2のノイズ低減処理を行う。
即ち、本実施形態における第2のノイズ低減処理では、各種動作ノイズの発生源に応じた左右ノイズの配分比率を予め定めておき、推定ノイズをその配分比率で配分して、左右の音信号それぞれにおいて、スペクトル減算処理(第2のノイズ低減処理)を行う。これにより、左右の音信号に対応した推定ノイズのスペクトル減算処理を行うことができ、ステレオ録音を行う場合のノイズ低減処理をより適切に行うことが可能となる。
また、周波数帯域毎に左右ノイズの配分比率を設定しているため、動作ノイズの発生源と左右のマイク131L,131Rとの距離に加え、周波数帯域毎の推定ノイズのスペクトルの相違を反映させて、より正確なノイズ低減処理を行うことが可能となる。
上記した構成の他に、音情報処理部130には、マイク131L,131Rから出力される音信号を予め決められた区間毎に分割して窓関数で重み付けすると共に、この区間毎に抽出した音のデータ(音データ)をフーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)して周波数領域に変換する処理部を有する。また、FFT処理により周波数領域の振幅情報と位相情報とに分けられ、周波数領域の振幅情報を利用してノイズ低減処理(スペクトル減算処理)が行われたスペクトルに対して、逆フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)を行うことにより、ノイズ低減処理後のスペクトルを時間領域に変換する処理部を有する。これら処理部については、図示を省略する。
さらに、ノイズ低減処理部133は、第2のノイズ低減処理(スペクトル減算処理)により、スペクトルが著しく減少した場合やスペクトルが消失した場合においてスペクトルを補正するフロアリング機能を有する。このフロアリングでは、ノイズ区間検出部135により非ノイズ区間であると検出され、且つ、音声区間検出部134により非音声区間であると検出された場合の音信号を基に生成されたフロアリングスペクトルと第2のノイズ低減処理において減算された後のスペクトルとを比較し、減算後のスペクトルの振幅がフロアリングスペクトルの振幅を下回っている(スペクトル強度が小さい)場合、フロアリングスペクトルを採用したスペクトルを生成し、これをIFFT処理する。
ただし、減算後のスペクトルの振幅がフロアリングスペクトルの振幅を上回っている(スペクトル強度が大きい)場合は、フロアリング処理を行っても良いし、また、行わなくても良い。
また、フロアリング機能に用いるフロアリングスペクトルは、ノイズ区間検出部135により非ノイズ区間であると検出され、且つ、音声区間検出部134により非音声区間であると検出された場合の音信号を用いて更新する。これにより、フロアリングスペクトルには、動作ノイズスペクトル、音声スペクトルのいずれも含まず、背景音スペクトルのみが含まれており、フロアリング処理時に音声スペクトルが付加され、ノイズ低減処理後の音信号が本来ない音声の信号を含むことがないようにしている。
次に、本実施形態の撮像装置100におけるノイズ低減処理の動作(ノイズ低減方法)を、図面に基づいて説明する。
図5は、ノイズ低減処理動作のフローを示すフローチャートである。
ノイズ低減処理は、撮像装置100の動画の撮像開始(即ち、録画及び録音の開始)と共に繰り返し実行される。
なお、以下、2つの異なる形態の処理対象音を対象として、ノイズ低減処理動作が行われる場合について、それぞれ説明する。
(第1の処理対象音)
第1の処理対象音は、区間Aが背景音のみ、区間Bが背景音と音声(目的音)、区間Cが背景音とAFノイズを発生している形態である。以下、区間Cにおいてマイク131L,131Rが集音し出力される音信号からAFノイズを低減処理する動作及びフロアリング更新について説明する。
(ステップST1)
まず、ノイズ区間検出部135により、マイク131L,131Rから出力される音信号に基づいて、ノイズ区間の検出が開始される。
(ステップST2)
続いて、音声区間検出部134により、マイク131L,131Rから出力される音信号に基づいて、音声区間の検出が開始される。このとき、音声区間検出部134は、マイク131L,131Rから出力される音信号を合わせたモノラル音を対象として、音声区間の検出を行う。ただし、マイク131L,131Rのいずれか一方の音信号を対象として音声区間の検出を行っても良い。
(ステップST3)
音情報処理部130のFFTを実行する処理部により、マイク131L,131Rから出力される音信号、及びそれらを合計したモノラル音の信号がFFT処理され、周波数領域の振幅情報と位相情報とに分けられる。
(ステップST4)
次に、ノイズ区間検出部135によって、動作ノイズの発生区間であるか非ノイズ区間であるか、が検出(判定)される。
(ステップST4,YES)
ステップST4において、区間Cは動作ノイズの発生区間であると判定され(YES)、ステップST5に進む。
(ステップST4,NO)
区間A及びBは非ノイズ区間であると判定され、ステップST11に進む。
(ステップST5)
ステップST5においては、音声区間検出部134によって、音声区間であるか、非音声区間であるかが検出(判定)される。区間Cは、非音声区間であるので(NO)、ステップST7に進む。
(ステップST7)
ここでは、AF動作開始時及びAF動作終了時が含まれる場合、ノイズ低減処理部133によって、上限が所定の周波数(例えば、500Hz)までのスペクトルを置き換えずに保存するといった強い衝撃音ノイズ低減処理が行われ、区間Cのスペクトルを得る。
AF動作開始時及びAF動作終了時が含まれない場合は、衝撃音ノイズが含まれないと判断し、ノイズ低減処理部133は、衝撃音ノイズ低減処理を行わない。このとき、ノイズ低減処理部133は、マイク131L,131Rから出力される音信号を合わせたモノラル音信号のスペクトルを対象として、衝撃音ノイズ低減処理を行う。ただし、マイク131L,131Rそれぞれの音信号を対象として衝撃音ノイズ低減処理を行っても良い。
(ステップST8)
次いで、ノイズ低減処理部133は、ステップST7のノイズ低減処理により得られた区間Cのスペクトルにおけるノイズを推定し、推定ノイズスペクトルをステップST9に出力する。このとき、ノイズ低減処理部133は、マイク131L,131Rから出力される音信号を合わせたモノラル音信号のスペクトルを対象として、ノイズを推定する。
(ステップST9)
続いて、ノイズ低減処理部133によって、ステップST7の衝撃音ノイズ低減処理により得られた区間CのスペクトルからステップST8の推定により得られた推定ノイズスペクトルを減算するスペクトル減算処理(第2のノイズ低減処理)が行われ、ノイズ低減後のスペクトルが得られる。このとき、ノイズ低減処理部133は、ノイズ配分比率テーブルを参照し、推定ノイズスペクトルを、左右ノイズの配分比率で配分し、マイク131L,131Rの音信号のスペクトルから、配分された推定ノイズスペクトルをそれぞれ減算する。
(ステップST10)
第2のノイズ低減処理(スペクトル減算処理)により、ノイズ低減後のスペクトルが著しく減少したり、消失したりする場合があるので、これに対応するため、ノイズ低減処理部133によって、ノイズ低減後のスペクトルを補正するフロアリングが行われる。
このフロアリングでは、ノイズ低減後のスペクトルと基準となるフロアリングスペクトルとの振幅の大きさを比較する。そして、比較の結果、振幅の大きいスペクトル(スペクトル強度の大きい方)を採用して、フロアリング後のスペクトルを生成する。ここで用いたフロアリングスペクトルは、後述するが、区間Aから求めたフロアリングスペクトルである。
このとき、ノイズ低減処理部133は、マイク131L,131Rそれぞれの音信号を対象としてフロアリングを行う。
(ステップST11)
ステップST11に戻り、ここでは、音声区間検出部134によって、音声区間であるか、非音声区間(背景音のみの区間)であるか、が検出(判定)される。その結果、区間Bは音声区間であると判定され(YES)、ノイズ低減処理、スペクトル減算、フロアリングを行わず、ステップST13に進む。区間Aは非音声区間であると判定され(NO)、ステップST12に進む。
(ステップST12)
ステップST12においては、背景音のみが発生している区間Aのスペクトルの各周波数における振幅の所定割合(例えば半分)から、上述のフロアリングスペクトルを得る。このフロアリングスペクトルを、前述したようにステップST10のフロアリングに用いると共に、保持しておくフロアリングスペクトルを、このフロアリングスペクトルに更新する。
(ステップST13)
最後のステップST13において、音情報処理部130は、ステップST3において分けられた位相を用いてIFFT処理を行うことにより、ノイズ低減処理後のスペクトルを時間領域に変換して記録部140に出力する。このとき、音情報処理部130のIFFTを実行する処理部は、マイク131L,131Rそれぞれの音信号を対象としてIFFTを実行し、左右それぞれの音信号を生成する。
(第2の処理対象音)
次に、上述した第1の処理対象音と異なる形態を有する第2の処理対象音を用いた場合のノイズ低減処理動作(ノイズ低減方法)について説明する。なお、ノイズ低減処理動作フローの各ステップは、第1の処理対象音の場合は略同様であるため、主として各ステップにおける処理内容の相違点を中心に説明する。
第2の処理対象音は、区間Dが背景音のみ、区間Eが背景音とAFノイズ、区間Fが背景音と音声とAFノイズを発生している形態である。第2の処理対象音の区間E及び区間Fにおいてマイク131L,131Rが集音し出力される音信号からAFノイズを低減処理する動作及びフロアリング更新について説明する。
ステップST1からST4までは上述の第1の処理対象音の区間Cと同様であるので省略する。
(ステップST5)
ステップST5において、区間Fは音声区間であると判定され(YES)、ステップST6に進む。
(ステップST6)
ステップST6においては、AF動作開始時及びAF動作終了時が含まれる場合、上限が所定の周波数(例えば、4000Hz)までのスペクトルを置き換えずに保存するといった弱い第1の衝撃音ノイズ低減処理が行われる。
AF動作開始時及びAF動作終了時が含まれない場合は、衝撃音ノイズが含まれないと判断し、衝撃音ノイズ低減処理を行わない。
この第1の衝撃音ノイズ低減処理が行われたスペクトルは、音声スペクトル成分を含む。このスペクトルは、推定ノイズ更新に使用されず、第2のノイズ低減処理であるスペクトル減算処理を行うためのステップST9に進む。
第2の処理対象音の場合、動作ノイズの発生区間で且つ非音声区間である区間Eにおいては、背景音と動作ノイズのスペクトルが得られ、動作ノイズの発生区間で且つ音声区間である区間Fにおいては、背景音と音声と動作ノイズのスペクトルが得られる。
そこで、ステップST8においては、区間Eで得られたスペクトルからノイズを推定し更新する。
そして、ステップST9において、区間Fにおけるスペクトルから推定ノイズスペクトルを減算し、さらに、ステップST10においてフロアリングすることにより、フロアリング後のスペクトルを生成する。
なお、第2の処理対象音の場合のフロアリングスペクトルは、背景音のみが発生している区間Dから得る。このフロアリングスペクトルは、第1の処理対象音の場合と同様に区間Aの背景音を半減処理等したスペクトルを用いる。
(スペクトル減算処理)
次に、図5のノイズ低減処理におけるステップST9で実行されるスペクトル減算処理(第2のノイズ低減処理)について説明する。
図6は、スペクトル減算処理動作のフローを示すフローチャートである。
(ステップST110)
図6に示すように、まず、ノイズ低減処理部133は、ノイズ配分比率テーブルを参照し、ノイズ低減処理のステップST8で得られた推定ノイズスペクトルを左右ノイズに配分する。
図7は、推定ノイズスペクトルの配分を示す模式図である。
図7に示すように、ノイズ低減処理部133は、ノイズ配分比率テーブルを参照して得られた周波数帯域毎の動作ノイズの左右の配分比率によって、推定ノイズスペクトルを左右ノイズに配分する。図7に示す例では、推定ノイズスペクトルを周波数が低い周波数帯域から順に、左ノイズ(n1〜n5)及び右ノイズ(N1〜N5)について、(n1:N1)=(2:3)、(n2:N2)=(3:4)、(n3:N3)=(3:2)、(n4:N4)=(1:1)、(n5:N5)=(4:3)の配分比率で配分している。ノイズ比率配分テーブルには、このような左右の配分比率が動作ノイズの発生源に対応して設定されており、ノイズ低減処理部133は、動作ノイズの発生源を判定して、その動作ノイズの発生源に応じた配分比率で推定ノイズを左右ノイズに配分する。
(ステップST120)
次いで、ノイズ低減処理部133は、ステップST110で左右ノイズに配分した推定ノイズスペクトルを左右の音信号のスペクトルからそれぞれ減算する。
図8は、スペクトル減算処理動作において、左の音信号のスペクトルに施される処理を示す模式図である。また、図9は、スペクトル減算処理動作において、右の音信号のスペクトルに施される処理を示す模式図である。
図8に示すように、ノイズ低減処理部133は、ノイズを含む左の音信号のスペクトル((L1+n1)〜(L5+n5))から、左右のうち左に配分された推定ノイズ(n1〜n5)をそれぞれ減算し、ノイズ低減後の左の音信号のスペクトル(L1〜L5)を出力する。同様に、図9に示すように、ノイズ低減処理部133は、ノイズを含む右の音信号のスペクトル((R1+N1)〜(R5+N5))から、左右のうち右に配分された推定ノイズ(N1〜N5)をそれぞれ減算し、ノイズ低減後の左の音信号のスペクトル(R1〜R5)を出力する。
ステップST120の後、処理は図5のステップST10に進む。
このようなスペクトル減算処理(第2のノイズ低減処理)の結果、撮像装置100が録音した音声において、ノイズであると推定されたスペクトル成分が、ノイズの発生源に対応して左右の音声に配分され、配分されたノイズのスペクトル成分が左右の音声信号のスペクトルから減算される。
そのため、ノイズ低減処理が行われる場合のノイズ低減度合いが、ノイズの発生源に応じて、左右の音声で適切な配分となるため、音の左右比に不整合が生じる事態を抑制できる。
したがって、撮像装置においてステレオ録音を行う場合のノイズ低減処理をより適切に行うことが可能となる。
また、本実施形態における撮像装置100において、動作ノイズの発生源と左右のマイク131L,131Rとの距離に加え、動作ノイズの伝達媒体となる撮像装置100の部分の構造(材質、硬さ、音の共振特性等)に対応して、周波数帯域F1〜F5の配分比率(X21:Y21)〜(X25:Y25)を定めることも可能である。
この場合、動作ノイズの伝達媒体となる部分の構造を反映させて、ステレオ録音を行う場合のノイズ低減処理をさらに適切に行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、撮像装置100において、図5に示すノイズ低減処理を実行するものとしたが、マイク131L,131Rによってステレオ録音された音の信号を記録しておき、PC(Personal Computer)等、他のコンピュータにおいて、図5に示すノイズ低減処理を実行しても良い。
この場合、図5に示すノイズ低減処理及び図6に示すスペクトル減算処理における各処理ステップを実行するためのプログラムを、サーバからネットワークを介して、あるいは、プログラムを記録した記録媒体を介して、他のコンピュータに記憶させる。そして、記憶したプログラムをコンピュータにインストールすることにより、図5に示すノイズ低減処理及び図6に示すスペクトル減算処理を実行可能なコンピュータを実現することが可能となる。
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)マイク131L,131Rによって集音された音の信号から動作ノイズを推定し、推定されたノイズが、ノイズの発生源に対応して設定された比率で左右の音声に配分された上で、ノイズ低減処理が行われる。
そのため、ノイズ低減処理が行われる場合のノイズ低減度合いが、ノイズの発生源に応じて、左右の音声で適切な配分となるため、音の左右比に不整合が生じる事態を抑制できる。
したがって、撮像装置100においてステレオ録音を行う場合のノイズ低減処理をより適切に行うことが可能となる。
(2)ノイズ低減が行われる場合、周波数帯域毎に設定された左右ノイズの配分比率に応じて、各周波数帯域の音声からノイズが低減される。
そのため、周波数帯域毎に適切な左右ノイズの配分比率を設定することができ、ノイズ低減処理をより高精度に行うことが可能となる。
(3)ノイズ配分比率テーブルには、動作ノイズの発生源と左右のマイク131L,131Rとの位置関係を基に設定された周波数帯域毎の配分比率(左右ノイズの配分比率)が、各種動作ノイズ毎に予め定められているため、発生するノイズの種類に応じて、より適切な配分比率で左右ノイズを低減することが可能となる。
(4)撮像装置100は、各種動作ノイズ毎に左右ノイズの配分比率が設定されたノイズ配分比率テーブルを、ノイズ配分テーブル記憶部133aに予め記憶している。
そのため、撮像装置100において発生される種々の動作ノイズに対応して、適切なノイズ低減処理を容易に行うことが可能となる。
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(変形例1)
上記実施形態では、撮像装置100がノイズ配分テーブル記憶部133aにノイズ配分テーブルを予め記憶しているものとして説明したが、ノイズ配分テーブルあるいはノイズ配分テーブルに設定される左右ノイズの配分比率のデータは、種々の態様で撮像装置100が取得することとしても良い。
例えば、交換用の各種レンズ鏡筒110が、そのレンズ鏡筒110が撮像装置100に連結された場合の左右ノイズの配分比率のデータを記憶しておき、撮像装置100に連結された際に、レンズ鏡筒110に記憶されている左右ノイズの配分比率のデータを撮像装置100が読み出して、ノイズ配分比率テーブルに格納することができる。
また、撮像装置100にインターネット等のネットワークを介して通信する機能を備えておき、ノイズ配分比率テーブルを最新のものに更新したり、撮像装置100に連結可能なレンズ鏡筒110の左右ノイズの配分比率のデータを適宜取得して、ノイズ配分比率テーブルに格納したりすることができる。
(変形例2)
上記実施形態では、AF駆動用モータ113や手振れ補正レンズ駆動用モータ等の動作ノイズについて、左右ノイズの配分比率を固定的な比率であるものとして説明した。これに対し、撮像装置100の本体に対して移動する構成物については、撮像装置100に対する位置に応じて左右ノイズの配分比率を異なるものに設定することができる。
例えば、AF駆動用モータ113の駆動音やAFレンズの移動摩擦音等については、焦点距離に応じた左右ノイズの配分比率を設定しておき、ノイズ配分比率テーブルから焦点距離の変化に応じた左右ノイズの配分比率を取得して、スペクトル減算処理(第2のノイズ低減処理)を行うことが可能である。
(変形例3)
上記実施形態では、スペクトル減算処理(第2のノイズ低減処理)を行う際に、推定ノイズの全ての周波数帯域について、配分比率によって配分された左右ノイズのスペクトルを左右の音信号のスペクトルから減算するものとして説明した。これに対し、推定ノイズの一部の周波数帯域についてのみ、左右の音信号のスペクトルから推定ノイズのスペクトルを減算することが可能である。
例えば、AF駆動用モータ113の動作ノイズが発生している場合、AF駆動用モータ113の動作ノイズが主として現れる周波数帯域についてのみ、推定ノイズのスペクトルを減算し、人間の声の周波数帯域等、主に目的音の周波数帯域となる部分については、左右の音信号のスペクトルを維持することができる。
これにより、ノイズ低減処理によって目的音が抑制されることを防止できる。また、ノイズ低減処理のための処理負荷を軽減することができる。
(変形例4)
上記実施形態では、FFTによって取得されるスペクトルの周波数帯域の幅を単位として、推定ノイズのスペクトルを左右の音信号のスペクトルから減算するものとして説明した。即ち、上記実施形態では、推定ノイズのスペクトルを左右の音信号のスペクトルから減算する際に、処理単位となる周波数帯域幅を均等なものとした。これに対し、推定ノイズのスペクトルを左右の音信号のスペクトルから減算する際の処理単位となる周波数帯域幅を不均等なものとすることができる。
例えば、FFTによって取得されるスペクトルの周波数帯域の幅を複数集合させ、それらの周波数帯域における音信号のスペクトルの重み付け平均、最大値あるいは最小値等の代表値を対象として、推定ノイズのスペクトルを左右の音信号のスペクトルから減算することが可能である。
これにより、ノイズ低減処理における処理単位とする周波数帯域幅を変更することができるため、周波数帯域毎にノイズ低減処理の精度を異ならせることが可能となる。
(変形例5)
上記実施形態では、撮像装置100のノイズ配分テーブル記憶部133aに記憶された1つのノイズ配分テーブルを参照して、左右ノイズの配分比率を設定するものとして説明した。これに対し、レンズ鏡筒110に、そのレンズ鏡筒110固有の左右ノイズの配分比率のデータを記憶しておき、撮像装置100に、撮像装置100固有の左右ノイズの配分比率のデータを記憶しておき、レンズ鏡筒110固有の左右ノイズの配分比率のデータと撮像装置100の左右ノイズの配分比率のデータとを基に、総合的な左右ノイズの配分比率のデータを決定して、スペクトル減算処理に用いることができる。
例えば、レンズ鏡筒110固有の左右ノイズの配分比率のデータと撮像装置100の左右ノイズの配分比率のデータとに対して、総合的な左右ノイズの配分比率を定義したテーブル形式のデータ(総合ノイズ配分テーブル)を撮像装置100が記憶しておき、この総合ノイズ配分テーブルを参照して、スペクトル減算処理に用いる左右ノイズの配分比率を決定することができる。
また、その他の手法として、例えば、交換用の各種レンズ鏡筒110が、そのレンズ鏡筒110の左右の基準位置(例えば、マウント部の左右5cmの位置等)にマイクが設置されている場合の左右ノイズの配分比率のデータを記憶しておき、撮像装置100が、その基準位置と撮像装置100に備えられた左右のマイクの位置との差による左右ノイズの配分比率を補正するための補正用データを記憶しておく。そして、撮像装置100がスペクトル減算処理において、左右ノイズの配分比率を設定する場合、レンズ鏡筒110に記憶されている左右ノイズの配分比率を、撮像装置100に記憶されている補正用データによって補正する等して、総合的な左右ノイズの配分比率のデータを決定することができる。
これにより、各種レンズ鏡筒110の特性と、撮像装置100本体の特性とをより正確に反映させて、ノイズ低減処理を行うことが可能となる。
(変形例6)
上記実施形態では、ノイズ低減処理部133は、左右のマイク131L,131Rで集音した音の合計を基にノイズ推定を行うものとして説明した。これに対し、左右のマイク131L,131Rのいずれかで集音した音を基にノイズ推定を行い、推定したノイズのスペクトルを2倍とすることで、左右のマイク131L,131Rで集音した音に含まれる合計のノイズを推定することができる。
この場合、一方のマイクによって集音した音から推定した動作ノイズを左右ノイズの配分比率で配分し、両方のマイクによって集音された音の信号のスペクトルそれぞれから左右ノイズのスペクトルを減算する。
これにより、左右のマイク131L,131Rで集音された音の一方がノイズ推定に適していない場合(大音量が入力することで、音信号が飽和している場合等)であっても、より適確に左右ノイズを推定することが可能となる。
(変形例7)
上記実施形態において、ノイズ配分比率テーブルに定められている左右ノイズの配分比率を、撮像装置100の温度や支持状態(三脚に固定されているか手持ちか等)といった使用状況に応じて補正することができる。
これにより、より高精度なノイズ低減処理を行うことが可能となる。
(変形例8)
上記実施形態において、ノイズ配分比率テーブルにおける左右ノイズの配分比率を、外界の音を遮断した静音環境において、各種動作ノイズを発生させることにより左右のマイク131L,131Rによって録音し、録音された動作ノイズのスペクトルを基に定めることができる。
これにより、撮像装置100において発生する実際の動作ノイズを参照して、左右ノイズの配分比率を定義できるため、より適切なノイズ配分比率テーブルを生成することができる。
(変形例9)
上記実施形態においては、ノイズ低減処理において、逐次推定した動作ノイズを用いることとしたが、動作ノイズの初期値を予め記憶しておき、ノイズ低減処理においては、推定した動作ノイズによって、動作ノイズの初期値を補正して用いることが可能である。
この場合、外界の音を遮断した静音環境において発生させた各種動作ノイズを録音しておき、これを各種動作ノイズの初期値として記憶する。
これにより、動作ノイズの推定精度に影響を与える録音環境においても、動作ノイズの推定精度を向上させることが可能となる。
(変形例10)
上記実施形態では、マイク131L,131Rで集音した音の周波数帯域毎に左右ノイズの配分比率を設定するものとして説明した。これに対し、全周波数帯域について、左右ノイズの配分比率を一定に設定することができる。
これにより、ノイズ低減処理の処理負荷を軽減することが可能となる。
なお、上記実施形態及び変形例は、適宜組み合わせて用いることもできる。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されるものではない。
100:撮像装置、110:レンズ鏡筒(可動部)、131L,131R:マイク(集音装置)、132:音信号処理部(ノイズ推定部)、133:ノイズ低減処理部(ノイズ推定部、ノイズ低減処理部)

Claims (7)

  1. 可動部と、
    複数の集音装置と、
    前記複数の集音装置によって集音された音の信号を基に、前記可動部の動作ノイズを推定するノイズ推定部と、
    前記ノイズ推定部によって推定された前記動作ノイズを配分し、前記複数の集音装置それぞれによって集音された音から、配分された前記動作ノイズを低減するノイズ低減処理部と、
    を備えることを特徴とするノイズ低減装置。
  2. 請求項1に記載のノイズ低減装置であって、
    前記ノイズ推定部は、複数の周波数帯域毎に前記動作ノイズを推定し、
    前記ノイズ低減処理部は、前記ノイズ推定部によって推定された前記動作ノイズを前記周波数帯域毎に配分し、前記複数の集音装置それぞれによって集音された音から、配分された前記動作ノイズを前記周波数帯域毎に低減すること、
    を特徴とするノイズ低減装置。
  3. 請求項1または2に記載のノイズ低減装置であって、
    前記ノイズ低減処理部は、前記可動部の種類毎に設定された前記動作ノイズの配分比率によって前記動作ノイズを配分すること、
    を特徴とするノイズ低減装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のノイズ低減装置であって、
    前記ノイズ低減処理部は、予め設定された前記動作ノイズの配分比率によって前記動作ノイズを配分すること、
    を特徴とするノイズ低減装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載のノイズ低減装置であって、
    前記ノイズ低減処理部は、前記可動部を動作させることによって前記複数の集音装置で取得された動作ノイズに基づいて設定された前記動作ノイズの配分比率によって前記動作ノイズを配分すること、
    を特徴とするノイズ低減装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のノイズ低減装置を備えた撮像装置。
  7. コンピュータに、
    複数の集音装置によって集音された音の信号を基に、可動部の動作ノイズを推定するノイズ推定機能と、
    前記ノイズ推定機能によって推定された前記動作ノイズを配分し、前記複数の集音装置それぞれによって集音された音から、配分された前記動作ノイズを低減するノイズ低減処理機能と、
    を実現させることを特徴とするプログラム。
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