JP5750932B2 - 撮像装置及び撮像装置のノイズ低減方法 - Google Patents
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Description
このようなAFノイズを低減する方法として、AF駆動部の動作前に入力される音声信号のパワー値を取得し、この音声信号のパワー値に基づいてフロアリング係数を制御(変化)させることにより、ノイズを除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ノイズ低減方法を、集音された音情報を複数の区間に分割し、複数の区間に分割された前記音情報から音声区間を検出し、動作部が動作することにより発生するノイズの発生タイミングを検出し、前記音声区間が検出された前記音情報の区間と前記音声区間が検出されなかった前記音情報の区間とで異なるノイズ低減処理を行い、前記ノイズの発生が検出されず、前記音声区間が検出されなかった前記音情報の区間によって生成された補正情報に基づいて、前記ノイズ低減処理された前記音情報に対して補正を行うことを特徴とするノイズ低減方法とした。
図5に示すように、AF駆動コマンドの出力によりAF駆動用モータ113が動作されると、AF駆動コマンドの出力時刻であるAF駆動用モータ113の動作開始時刻t1から動作終了時刻t3まで連続して動作ノイズは発生される。マイク131には、被写体の音声等の記録目的音に動作ノイズが重畳された音情報が集音され、その集音された音情報がマイク131から出力される。
なお、AF動作時においてマイク131から実際に出力される信号は、目的音に動作ノイズが重畳した信号であるが、説明を簡略にするため、図5では、動作ノイズのみを示している。
ただし、減算後のスペクトルがフロアリングスペクトルを上回っている(スペクトル強度が大きい)場合は、フロアリング処理を行ってもよいし、また、行なわなくてもよい。
図7に示すように、第1の処理対象音は、区間Aが背景音のみ、区間Bが背景音と音声(目的音)、区間Cが背景音とAFノイズを発生している形態である。図7に示す第1の処理対象音の区間Cにおいてマイク131が集音し出力される音情報からAFノイズを低減処理する動作及びフロアリング更新について説明する。
まず、ノイズタイミング検出部135により、マイク131から出力される音情報に基づいて、ノイズタイミングの検出が開始される。
このときのマイク31によって集音された音情報(スペクトル)を、区間Aについて図8、区間Bについて図9に示す。
続いて、音声区間検出部134により、マイク131から出力される音情報に基づいて、音声区間の検出が開始される。
マイク131から出力される音情報をFFT処理して、周波数領域の振幅情報と位相情報とに分けられる。
次に、ノイズタイミング検出部135によって、動作ノイズの発生タイミングであるか非ノイズタイミングであるか(すなわちAF区間か否か)、が検出(判定)される。
ステップST4において、区間Cは動作ノイズの発生タイミングであると判定され(AF区間,YES)、ステップST5に進む。
(ステップST4,NO)
区間AおよびBは非ノイズタイミングであると判定され、ステップST11に進む。
ステップST5においては、音声区間検出部134によって、音声区間であるか、非音声区間であるかが検出(判定)される。区間Cは、非音声区間であるので(NO)、ステップST7に進む。
(ステップST7)
ここでは、AF動作開始時及びAF動作終了時が含まれる場合、上限が所定の周波数(例えば、500Hz)までのスペクトルを置き換えずに保存するといった強い衝撃音ノイズ低減処理が行われ、区間Cについて図10のスペクトルを得る。
AF動作開始時及びAF動作終了時が含まれない場合は、衝撃音ノイズが含まれないと判断し、衝撃音ノイズ低減処理を行わない。
次いで、ステップST7のノイズ低減処理により得られたスペクトル(図10)におけるノイズを推定し、図11に示すような推定ノイズスペクトルをステップST9に出力する。
続いて、ステップST7の衝撃音ノイズ低減処理により得られたスペクトル(図10)からステップST8の推定により得られた推定ノイズスペクトル(図11)を減算するスペクトル減算処理(第2のノイズ低減処理)が行なわれ、図12に示すようなスペクトルが得られる。
第2のノイズ低減処理(スペクトル減算処理)により、図12のスペクトルが著しく減少したり、消失したりする場合があるので、これに対応するため、図12のスペクトルを補正するフロアリングが行なわれる。
このフロアリングは、図12のスペクトルと基準となるフロアリングスペクトルと、の大きさを比較する。そして、比較の結果、強度の大きいスペクトルを採用して、図13に示すスペクトルを生成する。ここで用いたフロアリングスペクトルは、後述するが、区間Aから求めたフロアリングスペクトルである。
ステップST11に戻り、ここでは、音声区間検出部134によって、音声区間であるか、非音声区間(背景音のみの区間)であるか、が検出(判定)される。その結果、区間Bは音声区間であると判定され(YES)、ノイズ低減処理、スペクトル減算、フロアリングを行わず、ステップST13に進む。区間Aは非音声区間であると判定され(NO)、ステップST12に進む。
ステップST12においては、図8に示す背景音のみが発生している区間Aのスペクトルの各周波数における振幅を半減して、図14に示すようなフロアリングスペクトルを得る。このフロアリングスペクトル(図14)を、前述したようにステップST10のフロアリングに用いると共に、このフロアリングスペクトルに更新する。
仮に、区間Bの図9に示すスペクトルの各周波数における振幅を半減して求めた図15のフロアリングスペクトルを用いてフロアリングした場合、図16に示すようなスペクトルとなる。図16のスペクトルを区間Cのスペクトルとすると、区間B(図9)に含まれる音声のスペクトルの成分(特にf2,f4)も含まれることになり、正確な目的音を得ることができない。
しかし、本実施形態によると、フロアリングに用いるフロアリングスペクトル(図14)には、音声及び動作ノイズのスペクトルが含まれていない。このため、ステップST10のフロアリングにおいて、AFノイズや音声のスペクトルが付加されてノイズ低減処理後の音情報に本来ない動作ノイズや音声が生じることを防ぐことができる。
最後のステップST13において、ステップST3において分けられた位相を用いてIFFT処理を行なうことにより、ノイズ低減処理後のスペクトルを時間領域に変換して記録部140に出力する。
次に、上述した第1の処理対象音と異なる形態を有する第2の処理対象音を用いた場合のノイズ低減処理動作(ノイズ低減方法)について説明する。なお、ノイズ低減処理動作フローの各ステップは、第1の処理対象音の場合は略同様であるため、主として各ステップにおける処理内容の相違点を中心に説明する。
(ステップST5)
ステップST5において、区間Fは音声区間であると判定され(YES)、ステップST6に進む。
(ステップST6)
ステップST6においては、AF動作開始時及びAF動作終了時が含まれる場合、上限が所定の周波数(例えば、4000Hz)までのスペクトルを置き換えずに保存するといった弱い第1の衝撃音ノイズ低減処理が行なわれる。
AF動作開始時及びAF動作終了時が含まれない場合は、衝撃音ノイズが含まれないと判断し、衝撃音ノイズ低減処理を行わない。
第2の処理対象音の場合、動作ノイズの発生タイミングで且つ非音声区間である区間Eにおいては、図18に示すようなスペクトルが得られ、区間Fにおいては、図20に示すようなスペクトルが得られる。
なお、第2の処理対象音の場合のフロアリングスペクトルは、背景音のみが発生している区間Dから得る。このフロアリングスペクトルは、第1の処理対象音の場合と同様図8を半減処理した図14のスペクトルを用いる。
(1)マイク131により集音された音情報から音声区間を検出し、音声区間と検出された場合、非音声区間であると検出された場合よりも、弱い第1のノイズ低減処理を行なう。そのため、音声区間、非音声区間の区別なしに、強いノイズ低減処理を行なう場合に比べて、音声及び背景音からなる目的音の特に音声部分の劣化を招くことなく、ノイズを適切に低減することができる。
(2)第1のノイズ低減処理後に、非音声区間であると判定された場合の音情報からノイズを推定し、この推定されたノイズを減算する第2のノイズ低減処理(スペクトルの減算処理)を行なう。そのため、非音声区間の音情報からノイズを求めているので音声自体を消去することなく、目的音に非常に近い処理音を得ることができる。
(3)撮像装置100内の駆動部の動作情報から動作ノイズの発生タイミングを検出し、ノイズ発生タイミングが検出された場合にノイズ低減処理に移行する。そのため、無駄なノイズ低減処理を行わず、必要な時のみ適切且つ合理的にノイズ低減処理を行なうことができる。
(4)第2のノイズ低減処理(スペクトル減算処理)後の音情報に対してフロアリングを行なうため、スペクトル減算により減少する、あるいは、消滅するおそれがあるスペクトルを補正することができる。これによって、ノイズを低減し過ぎてしまう事態を防ぎ、集音した音情報のうち、目的音に近い音を確保(記録)することができる。
例え、本実施形態では、マイク131により集音された音情報に対して、リアルタイムにノイズ低減処理する構成で説明した。しかし、これに限らず、マイク131により集音された音情報を、バッファメモリ等に一時的に記憶させておき、必要に応じてバッファメモリ等から音情報を読み出してノイズ低減処理する構成であってもよい。この場合は、リアルタイムに処理する際に装置にかかる負荷を軽減することができる。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
Claims (12)
- 音を集音し音情報を出力する集音部と、
前記集音部により集音された前記音情報を複数の区間に分割する分割部と、
動作部が動作することにより発生するノイズの発生タイミングを検出するタイミング検出部と、
前記分割部により複数の区間に分割された前記音情報から音声区間を検出する音声区間検出部と、
前記音声区間検出部によって前記音声区間が検出された前記音情報の区間と前記音声区間が検出されなかった前記音情報の区間とで異なるノイズ低減処理を行い、前記タイミング検出部によって前記ノイズの発生が検出されず、前記音声区間検出部によって前記音声区間が検出されなかった前記音情報の区間によって生成された補正情報に基づいて、前記ノイズ低減処理された前記音情報に対して補正を行うノイズ低減処理部とを備える撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置であって、
前記ノイズ低減処理部は、前記タイミング検出部によって前記ノイズの発生が検出され、前記音声区間検出部によって前記音声区間でないと判定された前記音情報の区間に基づいて、ノイズ低減処理を行うためのノイズ情報を生成する
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1または請求項2に記載の撮像装置であって、
前記タイミング検出部は、前記撮像装置内の前記動作部の動作情報から動作ノイズの発生タイミングを検出する
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
前記ノイズ低減処理部は、
前記音声区間検出部により前記音声区間と検出された場合、前記音声区間検出部により前記音声区間が検出されなかった場合よりも弱い第1のノイズ低減処理を行う
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項2に記載の撮像装置であって、
前記ノイズ低減処理部は、
前記ノイズ情報に基づいて、前記音情報から減算する第2のノイズ低減処理を行う
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
前記音声区間検出部による前記音声区間の検出は、音声波形の一部を切り出して自己相関関数を算出し、算出された前記自己相関関数のピーク値を用いて検出する
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の撮像装置であって、
前記ノイズ低減処理部は、前記補正情報を生成し、前記タイミング検出部によって前記ノイズの発生が検出されず、前記音声区間検出部によって前記音声区間が検出されなかった音情報の区間が新たに取得された場合は、前記補正情報を更新する
ことを特徴とする撮像装置。 - 集音された音情報を複数の区間に分割し、
複数の区間に分割された前記音情報から音声区間を検出し、
動作部が動作することにより発生するノイズの発生タイミングを検出し、
前記音声区間が検出された前記音情報の区間と前記音声区間が検出されなかった前記音情報の区間とで異なるノイズ低減処理を行い、
前記ノイズの発生が検出されず、前記音声区間が検出されなかった前記音情報の区間によって生成された補正情報に基づいて、前記ノイズ低減処理された前記音情報に対して補正を行う
ことを特徴とするノイズ低減方法。 - 請求項8に記載のノイズ低減方法であって、
前記ノイズの発生が検出され、前記音声区間でないと判定された前記音情報の区間に基づいて、ノイズ低減処理を行うためのノイズ情報を生成する
ことを特徴とするノイズ低減方法。 - 請求項8または9に記載のノイズ低減方法であって、
撮像装置内の前記動作部の動作情報から動作ノイズの発生タイミングを検出し、
音声区間と検出された場合、音声区間が検出されなかった場合よりも弱い第1のノイズ低減処理を行う
ことを特徴とするノイズ低減方法。 - 請求項9に記載のノイズ低減方法であって、
前記ノイズ情報に基づいて、前記音情報から減算する第2のノイズ低減処理を行う
ことを特徴とするノイズ低減方法。 - 請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のノイズ低減方法であって、
音声区間の検出は、音声波形の一部を切り出して自己相関関数を算出し、算出された前記自己相関関数のピーク値を用いて検出する
ことを特徴とするノイズ低減方法。
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