JP2013250210A - K−Ar年代測定装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】LIBS法を用いて同一岩石試料に含まれるKとArとを測定可能にするによって、試料が異なることに起因する測定誤差を減少させると共に、様々な岩石採取地点において岩石の年代測定を可能にする可搬型の年代測定装置を提供する。
【解決手段】K−Ar年代測定装置1は、岩石試料2の表面にパルスレーザ光を集光させるパルスレーザ装置3と、試料2の表面から蒸発し励起した物質から発光された光4を分光するように配置されたトロイダル型凹面回折格子5と、トロイダル型凹面回折格子5の1次光6に含まれる波長107nmのAr輝線を真空紫外領域で検出するように配置された検出器8(マイクロチャンネルプレート(MCP)及びマルチアノードの組み合わせ)と、トロイダル型凹面回折格子5の0次光7に含まれる波長767nmのK輝線を検出するため配置されたバンドパスフィルタ9及びフォトダイオード10と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、岩石中に存在するK及びArを検出することにより、岩石が固化したときの年代を測定するK-Ar年代測定装置及び方法に関し、より詳しくは、主に固体地球科学分野の研究(例えば火山噴火年代の特定など)のみならず、宇宙惑星科学分野において月や惑星の形成史の解明に有用となるように可搬型装置の提供を可能とした、K−Ar年代測定装置及び方法に関する。
従来、岩石中に含まれる放射性元素の壊変を利用して岩石の固化年代を計測するための年代測定法が知られており、当該測定法は、主に固体地球科学分野の研究(例えば火山噴火年代の特定など)に用いられていた。
近年では、宇宙惑星科学分野において月や惑星の形成史の解明を目標として、年代測定法を実施する装置の更なる小型化が希求されるように至った。例えば、月面の形成年代はアポロ計画で持ち帰られた岩石試料の年代測定結果を基に推定されているが、近年になって月面の非一様性が明らかになってきており、アポロ計画によって岩石試料が採取された非常に限られた地域だけでなく、より多くの地点で年代測定を実施することの重要性が高まってきている。また、他の惑星では岩石試料の採取は行なわれておらず、年代に関する情報はほとんど得られていない。一方で、月や惑星から岩石試料を持ち帰る事はアポロ計画から40年が経過した現在でも技術的に非常に困難であるだけでなく、大型の年代測定装置を現地に送り込む事も難しいため、小型で軽量な年代測定装置が必要である。
岩石の年代測定法の一つに、K-Ar年代測定法がある。K-Ar年代測定法は、岩石中に含まれる40Kが電子捕獲により40Arへと壊変することを利用している。岩石が固化する前であれば40Arは脱ガスし内部には残らないが、固化後であれば内部に蓄積される。この壊変の半減期は12.5億年ということが分かっているので、岩石中に存在する40Kと40Arの比が分かれば、岩石の固化年代を特定する事ができる。
従来のK-Ar年代測定法においては、湿式分析によってKを定量し、脱ガスの質量分析によってArを定量している。また、Kをレーザ誘起絶縁破壊分光法(Laser Induced BreaKdown Spectroscopy, 以降「LIBS法」という)で計測し、Arを脱ガス分析により計測する手法も考案されている。
しかし、上記いずれの方法も、KとArとを異なる方法で測定しているため、それぞれの測定用ごとに試料を用意する必要があり、試料中のK及びArの量の不均一性が測定誤差の要因となっていた。また、Ar脱ガス分析のための超高真空の測定装置及びKの湿式分析装置が必要となり、装置全体が大型化する、という問題を有している。この装置全体の大型化は、K-Ar年代測定方法を上記のような宇宙惑星科学分野に応用することを、きわめて困難なものとしている。
一方、LIBS法を用いて対象物質に含まれる複数の成分(元素)の各々の含有量を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような周知の技術文献には、KとArとをどのように同時に測定するかに関して、開示も示唆もされておらず、宇宙惑星科学分野への応用を容易にするため可搬型の年代測定装置を如何に実現するかについて全く考察がなされていない。
特開2007−3510
本発明は、上記事実に鑑みなされたもので、LIBS法を用いて同一岩石試料に含まれるKとArとを測定可能にするによって、試料が異なることに起因する測定誤差を減少させると共に、様々な岩石採取地点において岩石の年代測定を可能にする可搬型の年代測定装置を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、岩石試料に含まれるK及びArを検出することにより該岩石試料が固化したときの年代を測定するためのK−Ar年代測定装置において、前記岩石試料の表面にパルスレーザ光を集光させるパルスレーザ装置と、前記パルスレーザ光により前記岩石試料から蒸発し励起した物質から発光された光を分光するように配置されたトロイダル型凹面回折格子と、前記トロイダル型凹面回折格子の1次光に含まれるAr輝線を検出するように配置されたAr検出器と、前記トロイダル型凹面回折格子の0次光に含まれるK輝線を検出するため配置されたK検出器と、を備えて構成したものである。
好ましくは、前記Ar検出器は、波長107nmのAr輝線を真空紫外領域で検出する。このAr輝線を検出するため、例えば、空間分解可能なマイクロチャンネルプレート(MCP)とマルチアノードとを備えているのが好ましい。これによって、岩石中の存在度が高い元素の輝線のうち最も近い波長104nmのO輝線からAr輝線を明瞭に分離して、検出効率を大幅に向上させることができる。また好ましくは、前記K検出器は、波長767nmのK輝線を検出するためのバンドパスフィルタとフォトダイオードとを備えているのがよい。また好ましくは、前記トロイダル型凹面回折格子の溝本数を少なくとも1200gr/mmとするのがよい。K−Ar年代測定装置をより小型化するためにはトロイダル型凹面回折格子の溝本数を更に多くするのがよく、現時点で作成可能な最多の溝本数である4800gr/mmとするのがより好ましい。勿論、本発明は、溝本数の上限をこの値に限定するものではない。
本発明の別の態様は、岩石試料に含まれるK及びArを検出することにより、該岩石試料が固化したときの年代を測定するための方法であって、パルスレーザ光を岩石試料の表面に集光させることによって該岩石試料の表面物質を蒸発・励起させ、前記表面物質の発光をトロイダル型凹面回折格子で分光し、前記トロイダル型凹面回折格子の回折光の1次光に含まれるAr輝線を検出し、前記トロイダル型凹面回折格子の回折光の0次光に含まれるK輝線を検出し、検出されたK輝線及びAr輝線の光量に基づいて前記岩石試料に含まれるKとArの量を同定する、各工程を備えて構成したものである。
好ましくは、前記Ar輝線の検出工程では、マイクロチャンネルプレート(MCP)とマルチアノードとを用いて、波長107nmのAr輝線を真空紫外領域で検出するのがよい。また好ましくは、前記K輝線の検出工程では、バンドパスフィルタとフォトダイオードとを用いて、波長767nmのK輝線を検出するのがよい。
岩石の年代を測定するため、Kの総量に対する40Kの初期存在量の比率と、同定された前記岩石試料に含まれるKの量とから、前記岩石試料に含まれる40Kの量を推定する工程を更に備えていてもよい。また、同定された前記岩石試料に含まれるArの量を前記岩石試料に含まれる40Arの量と推定する工程を更に備えていてもよい。40Arの量を推定する工程では、岩石中の40Kの壊変起源の40Ar量を同定するため、同一試料内では大気から混入したAr量が同程度であると仮定し、K存在量が異なる試料中の複数点において計測を行ないアイソクロン(等時線)を引く事で大気から混入した40Ar量を計測値から除去するための補正が可能である。
本発明のK−Ar年代測定装置及び方法によれば、試料の同一箇所に含まれるKの量とArの量とをLIBS法で同時に測定可能にするため、トロイダル型凹面回折格子を用いて、その回折光のうち1次光からAr輝線を検出し、0次光からK輝線を検出するようにしたので、測定精度を大幅に向上させることができると共に装置を大幅に小型化して可搬型の装置を実現することができる。
即ち、従来のK-Ar年代測定では、湿式分析でK量を測定し、脱ガス分析によりAr量を測定するために、試料を分ける必要があり、試料内の不均一性が大きな誤差要因となっていた。本発明の年代測定装置及び方法では同一の試料中のK量とAr量を測定するため、この誤差要因を取り除く事ができ、測定精度が飛躍的に向上する。
また、Ar−Ar年代測定法や、KをLIBS法で計測し、Arを脱ガス分析により計測する手法においても、脱ガス分析のために真空度の高い大型の測定器が必要となる。従来のK-Ar年代測定には大型の装置が必要であり、岩石試料を採取した地点付近で測定を行なう事は困難であった。本発明では、脱ガス分析を用いず、K及びArを共にLIBS法を用いて検出するようにしたため、真空度への要求は高くなく、装置の大幅な小型化が実現できる。更に、分光にトロイダル型凹面回折格子を用いることで部品点数を減らすことができ、この点からも装置の小型化を達成することができる。
かくして、本発明により、年代測定装置を乗用車や月惑星着陸機(及びそれに搭載される月惑星探査車)で運搬することが可能となった。これによって、試料採取から測定までの時間が短縮されるだけでなく、実験室に持ち帰り精密測定を行なうべき試料を選択する事が可能となる。また、月表面においてはアポロ計画で持ち帰られた試料で年代測定が行なわれているが、その後に月面の非一様性が明らかになってきており、さらに多くの地点での年代計測が要求されている。しかし、アポロ計画後は月面から試料を持ち帰る計画がなく、現状ではさらなる試料の持ち帰りは非常に困難である。また、惑星表面からは一度も試料が持ち帰られた事がないという状況である。本発明の装置は、宇宙で使用された実績のある部品で構成され、小型軽量であるため、惑星着陸機に搭載できる可能性があり、試料を持ち帰ることなく現場で年代測定を行なうことが可能となるため、月惑星科学に対する大きな貢献が期待される。
図1は、本発明の一実施形態に係るK−Ar年代測定装置の構成を示す概略図である。 図2は、本発明のK−Ar年代測定装置に備えられるトロイダル回折格子によるAr輝線及びO輝線の検出面での集光分布を示す図である。 図3は、本発明の一実施例に係るK−Ar年代測定装置の寸法を示す概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るK−Ar年代測定装置1が示されている。K−Ar年代測定装置1は、岩石中に存在するKとArとをLIBS法(Laser Induced Breakdown Spectroscopy)を用いて検出し、これら元素の比を測定することにより、岩石が固化したときの年代を測定するものである。なお、LIBS法とは、パルスレーザの照射により測定試料の一部が蒸発しイオン化することで発生した高エネルギーの電子が、制動放射及び陽イオンとの再結合を経て励起状態へとエネルギーが落ち、当該励起状態の原子が、脱励起する際に放射する原子固有のスペクトル光の強度及び波長を測定することにより測定試料に含まれる元素の種類及び量を分析する元素分析法である。
図1に示すように、K−Ar年代測定装置1は、測定試料(岩石試料)2の表面にパルスレーザ光を集光させるパルスレーザ装置3と、試料2の表面から蒸発し励起した物質から発光された光4を分光するように配置されたトロイダル型凹面回折格子5と、トロイダル型凹面回折格子5の1次光6に含まれる波長107nmのAr輝線を真空紫外領域で検出するように配置された検出器8(マイクロチャンネルプレート(MCP)及びマルチアノードの組み合わせ)と、トロイダル型凹面回折格子5の0次光7に含まれる波長767nmのK輝線を検出するため配置されたバンドパスフィルタ9及びフォトダイオード10と、を備えている。パルスレーザ装置3は、図示しない集光光学系を備えている。また、少なくともトロイダル型凹面回折格子5、検出器8、バンドパスフィルタ9及びフォトダイオード10は分光部11を構成する。分光部11及び岩石試料2の設置場所は、図示しない真空槽内に配置されている。パルスレーザ装置3は、大気中での使用が可能なため真空槽内に配置されていなくともよい。
以下にK−Ar年代測定装置1による測定方法を説明する
(1)パルスレーザ光を岩石試料2の表面に集光させ、表面物質を蒸発・励起させる。
(2)表面物質の発光4をトロイダル型凹面回折格子5で分光し、回折光の1次光6を空間分解可能なマイクロチャンネルプレート(MCP)とマルチアノードとを組み合わせた検出器8により検出する。ここで、回折格子5の溝本数を4800gr/mmとし、Ar光とその他の元素輝線(酸素など)を分離する。図2には、検出器8の検出面における各輝線の集光分布が示されている(図中、右下のスケール棒の長さが0.340mmに相当)。図2に示されるように、真空紫外領域のAr輝線は、波長107nmの輝線と波長105nmの輝線とを有し、波長104nmのO輝線が波長105nmのAr輝線に隣接して存在している。図2から明らかに、2つのAr輝線のうち波長107nmの輝線は波長104nmのO輝線から十分に分離しているので、Arの量を同定するため波長107nmのAr輝線のみを分離して検出することが可能となる。
(3)トロイダル型凹面回折格子5の回折光のうち0次光7に含まれるK輝線(767nm)をバンドパスフィルタ9で透過させ検出器(フォトダイオード)10に導く。K輝線波長付近には他の主要元素の輝線の強度が非常に弱いため、回折格子の0次光を767nm付近のみを透過するバンドパスフィルタ9とフォトダイオード10の組み合わせで検出する事ができる。
(4)K輝線とAr輝線の光量からKとArの量を同定する。
上記のように本発明では近赤外領域のK輝線と真空紫外領域のAr輝線を試料の同一の箇所から同時に計測し、試料中に含まれるKの量とArの量を定量することができる。
(5)同定されたKの量とArの量とから、岩石に含まれる40Kの量及び40Arの量を推定し、40Kの量/40Arの比率から岩石が固化した年代を測定する。
40Kの初期存在量はKの総量の0.0117%であることから、上記ステップ(4)で同定されたKの量に0.0117%を乗じることによって岩石試料中に含まれる40Kの量を推定することができる。また、検出されたArは地球上の試料であればほとんどが40Arであると推定される。このようにKとArの量を計測する事で40Kと40Arを見積もる事が可能である。一方、大気に曝された状態で岩石が固化した際には大気中に含まれる40Arが岩石中に混入するため、岩石中の40Kの壊変起源の40Ar量を同定するには、大気から混入した40Ar量を見積もる必要がある。同一試料内では大気から混入したAr量が同程度であると考えられるため、K−Ar年代測定装置1を用い、K存在量が異なる複数点において計測を行なうことにより大気から混入した40Ar量を計測値から除去するための補正が可能となる。すなわち、形成年代が同じであるがKの量が各計測点で異なる試料では、40Kの量に対する40Arの量を計測点ごとにプロットすると直線上に並び(この直線をアイソクロン(等時線)という)、この等時線の傾きが岩石の形成年代を反映している。大気から40Arの混入が無ければ、40Kの量に対する40Arの量は、切片0の比例関係となるため、最低1点計測すれば、等時線の傾きを求めることができ、この傾きに基づいて岩石の形成年代を求めることができる。しかし、大気からの40Arの混入量が無視できない場合、40Kの量に対する40Arの量は、直線上に並ぶものの、このときの等時線は、大気からの40Arの混入量に依存するオフセット切片を有することになる。従って、この場合には、複数の計測点から等時線の傾きを求めることによって、大気から混入した40Ar量を除去した40K壊変起源の真の40Ar量に基づく正確な年代測定が可能となる。
Kを湿式分析、Arを脱ガス分析で行なう従来の方法では、試料をそれぞれの測定用に用意する必要があり、試料中のK量、Ar量の不均一性が誤差要因となっていた。また、Ar脱ガス測定を行なうためには超高真空の測定装置が必要であり、Kの湿式分析装置も必要であるため、装置が大型で高額になっていた。本発明では、試料の同一部分のKとArの量を測定する事ができるため、試料内の不均一性による誤差は生じない上、K/Ar比を求める事が目的であるため絶対量を求める必要がなく、検出精度が大幅に向上する。Ar輝線(107nm)は空気の透過率が非常に低いために真空装置が必要ではあるが、真空度に対する要求が脱ガス分析で使用される真空装置と比べて低いため、装置のコスト及びサイズは比較的小さく抑えられる。また近年になって比較的安価で小型なパルスレーザが市販されており、装置の小型化も見込まれる。
既に、試料中のK-Ar量の不均一性による誤差を避けるため、Ar-Ar年代測定法が考案されているが、これには原子炉を用いた試料への中性子放射が必要であり、装置にかかるコストは非常に高い。また、LIBS法でKを定量し、Arをガス質量分析で定量するという手法も考案されているが、ガス質量分析のために装置が大型になってしまう。これらの手法に比べ本発明の年代測定装置は小型で安価であるという点で優位である。
以上が、本発明の実施形態であるが、本発明は上記例にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内において任意好適に変更可能である。例えば上記例では、Arを空間分解可能なマイクロチャンネルプレート(MCP)とマルチアノードとを組み合わせた検出器8で検出したが、Ar輝線を他の輝線から分離して検出可能であれば、他の検出手段を用いることもできる。また、Kをバンドパスフィルタ9とフォトダイオード10との組み合わせで検出したが、これもK輝線を他の輝線から分離して検出可能であれば、この例に限定されるものではない。
本発明によるK−Ar年代測定装置の小型化によって、K−Ar年代測定装置1を乗用車(普通車)、月惑星着陸機、及び、月惑星の表面を走行可能な月惑星探査車で運搬することが可能となる。図3に参照されるように、分光器部11は25mm x 25 mm x 65 mmの大きさに収まり、岩石試料の設置場所も含めて内径150mm程度の真空槽があればよい。レーザと集光光学系は大気中で使用可能であり、50mm x 50 mm x 150 mmの大きさに収まる程度である。この装置により、岩石試料の採取とほぼ同時に年代測定を行なう事ができる。一般的には測定装置が設置される実験室と岩石の採取場所との距離が遠いため、時間短縮による測定効率の向上が図れる。また、本発明による装置により岩石採取地点で簡易的な測定を行なうことで試料を厳選し、重要な試料を遠方の実験室に持ち帰って精密な測定を行なえば測定効率の向上が見込まれる。
1 K−Ar年代測定装置
2 測定試料(岩石試料)
3 パルスレーザ装置
4 試料2の表面から蒸発し励起した物質から発光された光
5 トロイダル型凹面回折格子
6 トロイダル型凹面回折格子5の1次光
7 トロイダル型凹面回折格子5の0次光
8 Ar検出器
9 バンドパスフィルタ
10 フォトダイオード
11 分光部

Claims (7)

  1. 岩石試料に含まれるK及びArを検出することにより、該岩石試料が固化したときの年代を測定するためのK−Ar年代測定装置であって、
    前記岩石試料の表面にパルスレーザ光を集光させるパルスレーザ装置と、
    前記パルスレーザ光により前記岩石試料から蒸発し励起した物質から発光された光を分光するように配置されたトロイダル型凹面回折格子と、
    前記トロイダル型凹面回折格子の1次光に含まれるAr輝線を検出するように配置されたAr検出器と、
    前記トロイダル型凹面回折格子の0次光に含まれるK輝線を検出するため配置されたK検出器と、
    を備える、K−Ar年代測定装置。
  2. 前記Ar検出器は、波長107nmのAr輝線を真空紫外領域で検出するため、マイクロチャンネルプレート(MCP)とマルチアノードとを備えている、請求項1に記載のK−Ar年代測定装置。
  3. 前記K検出器は、波長767nmのK輝線を検出するためのバンドパスフィルタとフォトダイオードとを備えている、請求項1又は2に記載のK−Ar年代測定装置。
  4. 前記トロイダル型凹面回折格子の溝本数を少なくとも1200gr/mmとする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のK−Ar年代測定装置。
  5. 岩石試料に含まれるK及びArを検出することにより、該岩石試料が固化したときの年代を測定するための方法であって、
    パルスレーザ光を岩石試料の表面に集光させることによって該岩石試料の表面物質を蒸発・励起させ、
    前記表面物質の発光をトロイダル型凹面回折格子で分光し、
    前記トロイダル型凹面回折格子の回折光の1次光に含まれるAr輝線を検出し、
    前記トロイダル型凹面回折格子の回折光の0次光に含まれるK輝線を検出し、
    検出されたK輝線及びAr輝線の光量に基づいて前記岩石試料に含まれるKとArの量を同定する、各工程を備える、方法。
  6. 前記Ar輝線の検出工程では、マイクロチャンネルプレート(MCP)とマルチアノードとを用いて、波長107nmのAr輝線を真空紫外領域で検出する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記K輝線の検出工程では、バンドパスフィルタとフォトダイオードとを用いて、波長767nmのK輝線を検出する、請求項5又は6に記載の方法。
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