JP2013249986A - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013249986A
JP2013249986A JP2012123904A JP2012123904A JP2013249986A JP 2013249986 A JP2013249986 A JP 2013249986A JP 2012123904 A JP2012123904 A JP 2012123904A JP 2012123904 A JP2012123904 A JP 2012123904A JP 2013249986 A JP2013249986 A JP 2013249986A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
heat exchanger
gas
temperature
compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012123904A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5862460B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Ishibashi
義弘 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2012123904A priority Critical patent/JP5862460B2/ja
Publication of JP2013249986A publication Critical patent/JP2013249986A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5862460B2 publication Critical patent/JP5862460B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 簡単な冷媒回路構成で、室内の暖房の快適性を維持しながら室外側熱交換器の除霜を行う。
【解決手段】 除霜運転で、圧縮機1から吐出された冷媒を室内側熱交換器4に流入させて第1の凝縮温度で凝縮させ、室内側熱交換器4から流出された冷媒を第1の電子膨張弁5で減圧した後、室外側熱交換器4に流入させて第2の凝縮温度で凝縮させ、その後第2の電子膨張弁6で減圧した冷媒を吸入マフラー7に流入させる。吸入マフラー7は伝熱ステー8を介して圧縮機1のシェル31の熱で加熱されており、冷媒は吸入マフラー7内で蒸発してガス冷媒となって圧縮機1に吸入される。室内熱交換器4内で冷媒が第1の凝縮温度で凝縮することで室内を暖房しつつ、室外側熱交換器3内で冷媒が第2の凝縮温度で凝縮することで室外側熱交換器3の表面に付いた霜を溶かす除霜運転を行う。また、シェル31から周囲に放熱されている熱で冷媒を加熱して蒸発させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、空気調和装置に関し、特に室内の暖房運転中に室外側熱交換器に付着する霜を除去する霜取り技術に関するものである。
空気調和装置は、室外側熱交換器と、室内側熱交換器と、冷媒を、四方弁を介して室内側から室外側或いは室外側から室内側の熱交換器へ循環する圧縮機と、室外側熱交換器と室内側熱交換器との間に設けた減圧装置を環状に接続して冷凍サイクルを構成している。
室内の冷房運転において、圧縮機で高温高圧な状態で吐出された冷媒は、室外側熱交換器で凝縮し、減圧装置で減圧され、室内側熱交換器で蒸発して、圧縮機に吸入される。冷媒が室内側熱交換器で蒸発する際、室内の空気から吸熱することで、室内が冷房される。また、室内の暖房運転において、圧縮機で高温高圧な状態で吐出された冷媒は、室内側熱交換器で凝縮し、減圧装置で減圧され、室外側熱交換器で蒸発して、圧縮機に吸入される。冷媒が室内側熱交換器で凝縮する際、室内の空気に放熱することで、室内が暖房される。
暖房運転時に、外気温が低下するにつれて室外側熱交換器の表面温度が低下する。室外側熱交換器の表面温度が露点以下になると、室外空気の水分が室外側熱交換器の表面、例えば熱交換器を構成するフィンや伝熱管表面に付着する。そして、さらに室外側熱交換器の表面温度が0℃よりも下がると、室外側熱交換器の表面に付着した水が氷結して霜となる。このように室外側熱交換器に霜が付着すると、室外側熱交換器を通る空気の流れが減少し、熱通過率も低下するため、蒸発温度の低下と共にガス密度の低下が生じて冷媒循環流量の低下も重なり、急激な暖房能力の低下が起きる。
この室外側熱交換器に霜が付くことによる暖房能力の低下を防止するために、除霜運転を行っている。例えば、リバース方式と称される除霜運転は、冷凍サイクル内の冷媒を暖房運転とは逆、即ち冷房運転と同様に循環させ、冷媒は室内側熱交換器で蒸発し室外側熱交換器で凝縮する運転である。室外側熱交換器で冷媒が凝縮するときの放熱によって除霜するリバース方式は、圧縮機から吐出した高温高圧の冷媒が凝縮するときの放熱によって除霜するので、確実に且つ比較的短時間に除霜できる利点があった。しかし室内側熱交換器で冷媒が蒸発する構成となり、室内側熱交換器を格納する室内機では、送風を停止していたとしても、除霜運転中は室内を暖房できず、室内に冷気が垂れ下がってしまうため、霜取り中に寒くなるという問題点があった。
また、他の除霜運転の方式として、ホットガス方式と称される除霜運転がある。ホットガス方式の一例としては、冷凍サイクル内の冷媒を、暖房運転と同様に循環させると共に、室内側熱交換器と室外側熱交換器との間に設けた減圧装置をバイパスして循環させ、室内側熱交換器及び室外側熱交換器で冷媒が凝縮する構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。また、室内側熱交換器で1回目の凝縮を行い、次に絞り装置で中間圧とされた冷媒を室外側熱交換器に流入して2回目の凝縮を行う構成の空気調和装置があった(例えば、特許文献2参照)。いずれの空気調和装置も室外側熱交換器で冷媒が凝縮するときの放熱によって除霜される。ホットガス方式の除霜運転では、冷媒の循環を暖房運転のままとして除霜が行えるので、リバース方式と比較して、室内への冷気垂れがないという利点があった。
特開昭59−219667号公報(第3頁、第2図、第4図) 特開昭58−124175号公報(第2頁、第2図、第3図)
特許文献1に示す空気調和装置の除霜運転では、室内側熱交換器及び室外側熱交換器をバイパスで繋ぐことにより、低外気温下に置かれた室外側熱交換器も凝縮器となるため、送風を停止したとしても凝縮能力が過大となり、凝縮圧力及び凝縮温度が一騎に下がる。このため、室内側熱交換器でも送風温度が寒くならない様に送風量を下げなければならず、暖房能力を確保できないために室温低下を招き、室内の快適性を維持できないという問題点があった。
さらに、圧縮機に吸入される冷媒が液状態となって圧縮機の信頼性が低下するのを防止するために、圧縮機の吸入側に冷媒加熱用熱交換器が設けられている。この冷媒加熱用熱交換器によって、圧縮機から室内側熱交換器に流す途中の高温高圧冷媒と圧縮機に吸入される冷媒とが熱交換することで、圧縮機に吸入される冷媒を確実にガス状態としている。
ところが、圧縮機からの高温高圧冷媒を室内側熱交換器に流す前に、冷媒加熱用熱交換器に流して吸入冷媒の加熱用に用いると、室内側熱交換器に入る冷媒温度が下がってしまい、室内へ吹出す空気温度が下がり、更に暖房能力が低下するという問題点もあった。
また、特許文献2に示す空気調和装置は、室外側熱交換器と四方弁の間に設けた第1の電磁弁と並列に、第2絞り装置と加熱手段を備えた蓄熱放熱器および第2の電磁弁からなる直列回路を連結し、また第3の電磁弁と第3絞り装置からなる直列回路を第1絞り装置(室外側熱交換器と室内側熱交換器との間に設けられている)と並列に連結し、除霜運転時、第1の電磁弁を閉じ、第2、第3の各電磁弁を開くようにしている。除霜運転時に室内側熱交換器で第1回目の凝縮を行った冷媒を、第1絞り装置と第3の電磁弁と第3絞り装置で中間圧とし、室外側熱交換器で2回目の凝縮を行う。中間圧の冷媒を室外側熱交換器で凝縮させるという2段階の凝縮を行うことで、暖房に供する室内側熱交換器の温度を高く保持して送風温度と暖房能力を維持し、且つ室外側熱交換器内に中間圧中間温の冷媒を流入させることで、除霜を行う。
しかし、高圧と中間圧の割合が第2絞り装置と第3絞り装置の抵抗比で決まるため、設定室温により求められる高圧側凝縮温度と、外気温度及び除霜温度で決められる中間圧側凝縮温度の各々について、2つの凝縮温度を最適温度範囲になるように個々に制御できない。このため、室内への送風温度が低く暖房能力が確保できないという問題点があったり、除霜が完全に出来ずに除霜の信頼性が低下するという問題点もあった。
更に、特許文献1及び特許文献2は共に暖房運転と除霜運転との回路を切り替えるために、複数の開閉弁(電磁弁と同様)と複数の減圧装置(絞り装置と同様)を有する複雑な回路構成で、冷媒加熱用熱交換器や蓄熱放熱器といった高価で大きな構成部材がある。冷媒回路が複雑になることで、室内に設置する熱交換器と送風機を除き、圧縮機や四方弁等を収納する室外機の機械室スペースが狭くなり、配管当たりによるビビリ音の発生等、騒音の問題を招く。また、部品数の増加により高価になってしまうという製造上の問題点もあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡単な冷媒回路構成で、室内暖房の快適性を維持しながら室外側熱交換器の除霜を行うことができる空気調和装置を得ることを目的とするものである。
この発明に係る空気調和装置は、圧縮機、冷媒の流れ方向を切り替える四方弁、室内側熱交換器、絞りの開度を調整可能な第1の膨張弁、室外側熱交換器、絞りの開度を調整可能な第2の膨張弁、を冷媒配管で順次環状に接続してなる冷凍サイクルと、
密閉容器内に、圧縮機構部を配設する圧縮機構部空間と電動機を配設する電動機空間とを有し、前記圧縮機構部によって圧縮された高温高圧のガス冷媒を、前記圧縮機構部空間及び前記電動機空間に放出した後に前記冷凍サイクルに吐出する前記圧縮機と、
前記圧縮機の吸入側の前記冷媒配管に接続されると共に前記密閉容器と熱的に接続される外表面を有する吸入側容器と、
当該空気調和装置の運転を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記第2の膨張弁の開度を全開とし、前記第1の膨張弁の開度を調整して前記室外側熱交換器で冷媒を蒸発させると共に前記室内側熱交換器で冷媒を凝縮させることで室内の暖房運転を行い、
前記暖房運転の途中で前記室外側熱交換器の表面に付着した霜を溶かす除霜運転を行う時に、前記室内側熱交換器で冷媒を第1の凝縮温度(T1)で凝縮、前記第1の膨張弁で減圧させた後、前記室外側熱交換器で冷媒を前記第1の凝縮温度(T1)よりも低い第2の凝縮温度(T2:T2<T1)で凝縮、前記第2の膨張弁で減圧させた後で前記吸入側容器内で蒸発させて、前記除霜運転を行うことを特徴とする。
この発明による空気調和装置は、除霜運転において、運転条件や環境条件が変化しても、室内暖房の快適性を維持できると共に確実に除霜でき、冷媒の蒸発工程で特別な電力を必要とせずに省エネルギー化を図りつつ、圧縮機の信頼性を確保することができる。
この発明の実施の形態1に係る空気調和装置の冷媒回路を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態1に係る除霜運転における冷凍サイクルと熱移動を示す説明図であり、横軸にエンタルピ、縦軸に圧力を示す。 この発明の実施の形態1に係る圧縮機と吸入マフラーを示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る圧縮機の圧縮室を示す平面図である。 この発明の実施の形態1に係る圧縮機と吸入マフラーを示す上面図(図5(a))、側面図(図5(b))である。 この発明の実施の形態1に係る伝熱部材の他の形状を示す上面図である。 この発明の実施の形態2に係る冷媒回路を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態2に係る凍結防止ヒーターを示す斜視図である。 この発明の実施の形態2における気液分離器の取り付け例を示す説明図で、冷媒流入口側から見た図(図9(a))、円筒形の気液分離器の側面から見た図(図9(b))である。 この発明の実施の形態2に係る除霜運転における冷凍サイクルと熱移動を示す説明図であり、横軸にエンタルピ、縦軸に圧力を示す。 この発明の実施の形態3に係る冷媒回路を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態3に係り、暖房運転及び除霜運転の場合の圧縮機と気液分離器の接続関係の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態3に係る除霜運転における冷凍サイクルと熱移動を示す説明図であり、横軸にエンタルピ、縦軸に圧力を示す。 この発明の実施の形態4に係る冷媒回路を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態4に係り、暖房運転及び除霜運転の場合の圧縮機と気液分離器の接続関係の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態4に係る除霜運転における冷凍サイクルと熱移動を示す説明図であり、横軸にエンタルピ、縦軸に圧力を示す。 この発明の実施の形態5に係る冷媒回路を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態5に係る圧縮機と外付け吐出マフラーを示す縦断面図である。 この発明の実施の形態5に係る除霜運転における冷凍サイクルと熱移動を示す説明図であり、横軸にエンタルピ、縦軸に圧力を示す。 この発明の実施の形態6に係る冷媒回路を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態6に係る圧縮機を示す縦断面図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る空気調和装置の冷媒回路を示す回路構成図である。図1に示すように、密閉容器であるシェル31に、例えば伝熱ステー8である伝熱部材を介し、例えば吸入マフラー7である吸入側容器を接触させて固定した圧縮機1と、冷房/暖房の運転モードの際に冷媒の流れ方向を切り替える四方弁2と、室内側熱交換器4、第1の膨張弁5、室外側熱交換器3、第2の膨張弁6を冷媒配管で環状に接続して冷凍サイクルを形成している。
室内機11は、室内側熱交換器4とこれに室内空気を送風する例えば貫流ファンである室内送風機9を収納する。また、室内機11内には、室内温度センサー4a、室内側熱交換器温度センサー4b等の温度センサーを具備する。さらに、各センサー4a、4bでの計測データに基づいて、室外機12の室外制御基板3c(後述)と通信しながら、室内送風機9のオン/オフや回転数制御や、通常室内機11に設けられている風向板駆動モータなど、室内機11内のアクチュエータ類を駆動制御する室内制御基板4cが配設されている。
また、室外機12は、圧縮機1、四方弁2、第1の膨張弁5、室外側熱交換器3、第2の膨張弁6、室外側熱交換器3とこれに室外空気を送風する例えばプロペラファンである室外送風機10を収納する。また、室外機12内には、外気温度センサー3a、室外側熱交換器温度センサー3b等の温度センサーを具備する。さらに、各センサー3a、3bでの計測データに基づいて、室内機11の室内制御基板4cと通信しながら、室外機12内の圧縮機1の回転数や室外送風機10のオン/オフや回転数制御や、第1の膨張弁5の開度、第2の膨張弁6の開度、四方弁2の切り替えなど、室外機12内のアクチュエータ類を駆動制御する室外制御基板3cが配設されている。室内制御基板4cと室外制御基板3cとで、空気調和装置の運転を制御する制御装置を構成している。
室外機12にはストップバルブ13、14で構成される冷媒配管が開口し、室内機11には接続継手15、16で構成される冷媒配管が開口する。そして、室外機12、室内機11をそれぞれの設置場所に設置後、室外機12と室内機11の間の距離に応じた延長配管17、18をストップバルブ13、14及び接続継手に15、16に接続することによって、室内機11と室外機12の冷媒配管が接続され、環状の冷媒回路が構成される。ここで、冷媒としては、例えばR410AなどのHFC冷媒や、プロパンなどのHC冷媒が封入される。
絞り装置である第1の膨張弁5及び第2の膨張弁6のそれぞれは、例えばLEVであり、ステッピングモーターで絞り開度をステップ状に複数段階で細かく調整可能な膨張弁である。また、吸入側容器である吸入マフラー7は、圧縮機1の吸入側の冷媒配管に接続されると共に外壁が密閉容器(以下シェルと称す)31と熱的に接続される。即ち、シェル31と吸入マフラー7の外壁とは密着して、伝熱ステー8によって固定されており、シェル31と吸入マフラー7とは熱的に接続されている。この伝熱ステー8は、通常圧縮機1に吸入マフラー7を固定するための固定具の働きも兼ねている。圧縮機1及び圧縮機1付近の構成は、後に詳しく記載する。
まず、冷房運転について説明する。四方弁2を点線で示すように接続して圧縮機1を運転すると、冷媒は点線矢印で示す方向に冷媒回路内を循環する。室外制御基板3cの制御によって、第2の膨張弁6を全開とし、第1の膨張弁5で冷凍サイクルの高低圧の調整を行う。圧縮機1から吐出する高温高圧冷媒は、第2の膨張弁6を通過し、室外側熱交換器3に流入して室外送風機10で送風される室外空気と熱交換することで冷媒は凝縮する。その後、第1の膨張弁5によって減圧されて低温低圧の冷媒となり、室内機11に流れて室内側熱交換器4に流入する。室内側熱交換器4では、冷媒は、室内送風機9で送風される室内空気と熱交換して室内空気から吸熱する。ここで、室内の冷房が行われ、冷媒は蒸発して気化し、再び室外機12に流れ、吸入マフラー7に流入する。吸入マフラー7は、伝熱ステー8によって圧縮機1のシェル31と熱的に接続されているので、加熱されて高温になっており、流入した冷媒は吸入マフラー7で完全に気化して圧縮機1に吸入される。この完全に気化した状態を、スーパーヒート(SH)が付くという。
次に、暖房運転について説明する。四方弁2を実線で示すように接続して圧縮機1を運転すると、冷媒は実線矢印で示す方向に冷媒回路内を循環する。室外制御基板3cの制御によって、第2の膨張弁6を全開とし、第1の膨張弁5の開度を調整して冷凍サイクルの高低圧の調整を行う。圧縮機1から吐出する高温高圧冷媒は、室内機11の室内側熱交換器4に流入する。室内側熱交換器4では、冷媒は室内送風機9で送風される室内空気と熱交換して凝縮し液化する。このとき冷媒は凝縮熱を放出することで、室内の暖房を行う。その後、室外機12に流れ、第1の膨張弁5によって減圧されて低温低圧の冷媒となり、室外側熱交換器3に流入する。室外側熱交換器3では、冷媒は、室外送風機10で送風される室外空気と熱交換して蒸発熱を奪いながら気化する。その後、全開である第2の膨張弁6を通過して吸入マフラー7に流入し、高温になっている吸入マフラー7の内部でスーパーヒート(SH)が付くまで完全に気化した冷媒となって、圧縮機1に吸入される。
暖房運転の途中で室外側熱交換器3の表面に霜が付着した時に霜を溶かす除霜運転を行う。通常は暖房運転中に室外側熱交換器3の表面温度が露点を下回ったときに結露が始まり、0℃よりも低下することで、室外側熱交換器3の表面に着霜が始まる。暖房運転中に、例えば室外側熱交換器温度センサー3bが初めて0℃よりも低い温度を計測した時の温度を、初期の室外側熱交換器の表面温度(初期表面温度Ta)として記憶する。この後、所定時間、例えば10分が経過する毎に、初期表面温度Taと現時点での室外側熱交換器温度センサー3bの温度Tbとの温度差Ta−Tbを所定の温度差Tc、例えばTc=5℃と比較する。そして、初めて0℃よりも低くなった温度(Ta)よりも温度差Tcだけ下がったときに着霜していると判断して除霜運転を開始する。ここで、前述の「初めて0℃よりも低い温度を計測した時」から「除霜運転を開始する」までの時間を除霜開始判定時間と称する。
暖房運転開始直後には冷凍サイクルが安定して動作していないこともあり、また、着霜量が少ない場合には送風機10を運転していることで、付着した霜が飛ばされる場合もある。このため、上記のように所定の温度差Tcを設定することで、暖房運転が安定し、ある程度着霜した後で除霜運転を行っている。
除霜運転では暖房運転と同方向、即ち実線矢印方向に冷媒を循環させる。室外制御基板3cの制御によって、最初に室外側熱交換器温度センサー3bの温度を調整するように第2の膨張弁6の開度を調整した後で、室内側熱交換器温度センサー4bの温度を調整するように第1の膨張弁5の開度を調整する。この時、室内送風機9の回転数は、室内制御基板4cによって、室内側熱交換器4の温度が室内温度センサー4aで検出される室温より下がらないように制御される。
図2は、実施の形態1に係る除霜運転における冷凍サイクルと熱移動を示す説明図であり、横軸にエンタルピ、縦軸に圧力を示す。図中、点線曲線は冷媒の飽和エンタルピ線図を示し、実線は冷凍サイクルを示す。
圧縮機1にて低温低圧の冷媒が高温高圧の冷媒に圧縮され(直線f)、四方弁2を通り、室内機11の室内側熱交換器4に流入する。圧縮された高圧の冷媒の温度を第1の凝縮温度(T1)と称する。室内側熱交換器4では、第1の凝縮温度(T1)、例えばT1=50℃程度の冷媒が室内へ凝縮熱を放出して液化していくことで室内を暖房する(直線a)。その後、室外機12に流入した冷媒は、第1の膨張弁5によって減圧され(直線b)、中間圧で中温の気液ニ相状態の冷媒となる。この時の冷媒の温度を第2の凝縮温度(T2)と称する。第2の凝縮温度(T2)は第1の凝縮温度(T1)よりも低く、例えばT2=30℃程度の冷媒は、室外側熱交換器3内で凝縮熱を放出してさらに液化する。この凝縮熱によって室外側熱交換器3に付いた霜は溶かされていく(直線c)。その後、室外側熱交換器3から流出した冷媒は、第2の膨張弁6で更に低圧に減圧され(直線d)、四方弁2を再び通過し、吸入マフラー7に流入する。吸入マフラー7内に入った冷媒は、90℃程度で高温になっているシェル31から伝熱ステー8を介して伝わった熱を吸熱しながら、第2の凝縮温度(T2)より低い温度程度、ここでは20℃程度(直線e)で蒸発している。この吸入マフラー7の中で冷媒はスーパーヒート(SH)が付くまで完全に気化した冷媒となり、圧縮機1に吸入される。
図1のように絞りの開度を調整可能な2つの膨張弁5、6を備えた冷媒回路を構成することで、冷媒を2段階で凝縮させて除霜を行い、暖房中の室内温度を維持しつつ室外側熱交換器3に付着した霜を取り除く、除霜運転を行うことができる。即ち、室内側熱交換器4内で冷媒がT1=50℃程度の第1の凝縮温度(T1)で凝縮することで、室内側熱交換器4の温度低下を防ぎ、室内に冷気が垂れることなく温風を吹き出して、室内の暖房快適性を維持することができる。且つ、室外側熱交換器3内で冷媒がT2=30℃程度の第2の凝縮温度(T2)で凝縮することで、中温冷媒によって室外側熱交換器3の表面に付着した霜を融解でき、確実に霜を取り除いて除霜の信頼性を向上できる。
また、従来装置ではキャピラリーチューブのような絞り装置とこの絞り装置と並列にバイパスする電磁弁と絞り装置からなる直列回路で構成されている部分を、この実施の形態では膨張弁(LEV)を設けるという簡素な構成で実現しており、低価格化を図ることができる。
特に、2つの膨張弁(LEV)5、6の絞りの開度は、複数段階で制御できる特徴があり、これを用いた制御の一例を以下に示す。
第1の膨張弁5の開度を制御することで、第1の凝縮温度(T1)を制御している。例えば、第1の凝縮温度(T1)−室内設定温度>A1(A1;3〜10deg)となるように、圧縮機1の回転数と第1の膨張弁5の開度と室内ファン9の回転数を調整する。運転中の第1の凝縮温度(T1)は、室内側熱交換器温度センサー4bから検出され、室内温度は室内温度センサー4aから検出される。A1は除霜開始の判定時の室内温度と室内設定温度の温度差に比例する値であり、A1は式1を満足する。
A1 ∝ 室内設定温度―室内温度 ・・・(1)
即ち、室内設定温度―室内温度で計算される温度差が大きいときのA1は、その温度差が小さいときのA1よりも大きい。
このようにA1に応じて第1の凝縮温度(T1)を調整することで、室内温度を目標温度である室内設定温度に近づけることができ、暖房中の室内の快適性を維持できる。
また、第2の膨張弁6の開度を制御することで、第2の凝縮温度(T2)、即ち除霜に必要な中間圧の冷媒温度を制御している。例えば、除霜するために必要な最低条件である第2の凝縮温度(T2)>0℃とし、且つ第2の凝縮温度(T2)−外気温度>A2(A2;5〜30deg)となるように、第2の膨張弁6の開度を調整する。運転中の第2の凝縮温度(T2)は、室外側熱交換器温度センサー3bから検出され、外気温度は外気温度センサー3aから検出される。A2は除霜運転前の暖房運転における室外側熱交換器温度と外気温度の温度差に比例する値であり、A2は式2を満足する。
A2 ∝ 外気温度―室外側熱交換器温度 ・・・(2)
即ち、外気温度―室外側熱交換器温度で計算される温度差が大きいときのA2は、その温度差が小さいときのA2よりも大きい。
このようにA2に応じて第2の凝縮温度(T2)を調整することで、室外側熱交換器3の表面に付いた霜を早く溶かすことができる。
除霜運転の最初は、第2の膨張弁6を全開状態から室外側熱交換器3の温度が外気温度よりA2だけ高い温度になるように膨張弁開度を徐々に(例えば2〜3秒間隔で)閉めていき、室外側熱交換器3と吸入マフラー7間に圧力差を設けて行く。これに伴い吸入マフラー7内のガス冷媒の密度変化が生じ、吐出ガス温度と共に室内側熱交換器4の温度が変化してくるため、第1の膨張弁5は前記の様に室内側熱交換器4の温度を室内設定温度よりA1だけ高い温度に維持するように膨張弁開度を徐々に(例えば第2の膨張弁6と同様に2〜3秒間隔で)調整する。
また、第1の膨張弁5の調整が追い付かずに室内側熱交換器4の温度が低下し、温度差A1を下回った場合は、室内送風機9のファン速を下げて室内側熱交換器温度を維持するファン速制御で補間する制御を行う。
除霜運転中の室外送風機10は、除霜運転開始後に室外側熱交換器温度が外気温度に近づいた(例えば外気温度になった)時に停止する。
また、圧縮機1の運転周波数は、除霜運転中も室内温度の変化に対し、温度変化量と変化時間に合わせて調整される。
除霜運転の完了は、室外側熱交換器温度が0℃以上になった時からの経過時間で判断する。この時の判断基準となる経過時間は、前述の除霜開始判定時間内における室外側熱交換器温度0℃以下の運転時間と圧縮機1の運転周波数によって決まる仕事量から着霜量を予測し、霜の融解熱と室外側熱交換器3からの外気への放熱量を見積って決定される。
また、除霜時の圧縮機1の運転周波数や霜の密度によっては急激な状態変化がある場合も想定されるため、保護を目的として室外側熱交換器温度が15℃になった場合は霜取運転を強制終了させることもある。
除霜運転完了後、第2の膨張弁6を全開状態になるように膨張弁開度を徐々に(例えば2〜3秒間隔で)開けていき、室外側熱交換器3と吸入マフラー7間で同等の圧力とする。この時、室外送風機10は、除霜運転開始前の元のファン速に戻す。
また、圧縮機1の運転周波数も第2の膨張弁6が全開となった時に除霜運転前の運転周波数となるように、第2の膨張弁6の動きに同期させながら徐々に周波数を合わせていく。第2の膨張弁6が全開で圧縮機1が除霜前の運転周波数に戻った後は、これまでと同様、室内温度の変化に対し、温度変化量と変化時間に合わせて運転周波数を調整する。
このように2つのLEV5、6を用いながら、室内側熱交換器温度と室外側熱交換器温度を各々の所要温度に個別制御することにより、室内送風機9を使って冷風防止制御を行うことができると共に、室温維持のために圧縮機1の周波数制御を行うことができる。このことで、運転条件や環境条件が変化しても、安定して室内暖房の快適性を維持しながら除霜の信頼性を向上することができる。
また、従来装置のような電磁弁と固定絞り装置(キャピラリーチューブ)を用いた冷媒回路では、圧縮機を停止せずに電磁弁を開閉して回路を切り替えると、電磁弁開閉時に冷媒の衝撃音や流体音が発生する。これに対し、実施の形態1では、2つのLEV5、6を同時に徐々に変化させていくことができるため、冷媒挙動が安定し、冷媒音の発生も改善することができる。
更に、固定絞り装置の場合では、外気温度の上下変動に対し、絞り装置の割合で共に上下してしまうため、目標とする熱交換器温度を下回る場合もある。室内側熱交換器4で目標温度よりも下回った場合には室温低下や冷風感を招き、室外側熱交換器3で目標温度よりも下回った場合には霜取不完全(残霜)という不具合を招く。これに対して、実施の形態1では2つの膨張弁5、6で個別に制御するので、これらの問題も改善することができる。
図3は、圧縮機1とここで示した構成の圧縮機1は高圧圧縮機と称され、圧縮機構部Nによって圧縮された高温高圧のガス冷媒を、圧縮機構部空間29と電動機空間28に放出した後に、吐出管47から吐出して冷凍サイクルを循環させる構成である。このため、圧縮機構部空間29及び電動機空間28に高温高圧のガス冷媒が充満し、シェル31の内部全体が高温高圧のガス冷媒雰囲気となる。このため、シェル31の表面温度は高温高圧のガス冷媒と同様、90℃近くになる。この熱は従来装置ではシェル31から輻射や対流によって周囲に放熱されてしまっていた。この実施の形態では、シェル31から室外機12内に放熱される熱を、伝熱ステー8を介して吸入マフラー7に回収する。
マフラー7を示す縦断面図であり、例えばローリングピストン型ロータリー圧縮機を示す。圧縮機1本体を構成するシェル31内は、フレーム40によって電動機空間28と圧縮機構部空間29に分けられる。電動機空間28には、シャフト34を回転させる電動機Mとして、シャフト34に焼嵌め固定されているステータ32とシェル31に焼嵌め固定されているロータ33が配設されている。また、圧縮機構部空間29には、冷媒を圧縮する圧縮機構部Nとして偏芯クランクシャフト35、シリンダー36、ローリングピストン37、シリンダーヘッド38、仕切りベーン39を有する。
さらに、シリンダーヘッド38、シリンダー36、フレーム40において、圧縮室42の外周側に位置する部分には、吐出マフラー45に吐出されるガス冷媒が、電動機空間28に流通可能な冷媒通路30aが複数設けられている。圧縮機1内の矢印は、冷媒の流れ方向を示す。冷媒回路内の冷媒は、流入管7aから吸入マフラー7に流入して完全に気化し、流出管7bへ流れて吸入管41を通り、圧縮室42に流入する。
図4は圧縮室42の横断面を示す説明図であり、シリンダー36の内壁の内側を示す。圧縮室42はドットで塗りつぶした部分であり、シリンダー36の内側壁面、ローリングピストン37の外側壁面、シリンダーヘッド38の上側壁面、フレーム40の下側壁面、及び仕切りベーン39で構成される空間である。
圧縮機1に吸入された冷媒は、実線矢印で示すように吸入管41を通って圧縮室42に流入する。シャフト34が点線矢印方向に回転するにつれて、偏芯クランクシャフト35とローリングピストン37が偏芯回転する。また、仕切りベーン39は往復運動して矢印A方向に摺動する。シリンダー36の内側壁面とローリングピストン37の外側壁面と仕切りベーン39の間で構成される圧縮室42は容積が徐々に小さくなり、圧縮室42に流入した冷媒は、圧縮されて高温高圧の例えば90℃程度のガス冷媒になる。そして、仕切りベーン39に至る前に設けられている吐出ポート43から圧縮室42の外に放出される。圧縮室42で高温高圧になったガス冷媒は、図3に示す吐出ポート43から、例えば板バネで構成されている吐出バルブ44を押し開き、吐出マフラー45に流出する。その後シリンダーヘッド38、シリンダー36、フレーム40に設けられている冷媒通路30aを通ってシェル31内を矢印で示すように上昇し、吐出管47から吐出されて冷媒回路を循環する。
また、シャフト34の外周には螺旋溝46が設けられている。シャフト34が回転するにつれてシェル31の底部に溜まっている冷凍機油が螺旋溝46を上昇し、各稼動部材の摺動面に至ると、各稼動部材の摺動面に入り込む。このようにして各稼動部材の摺動面に供給された冷凍機油は、稼動部の動きを潤滑にすると共に、摺動部の隙間シールの働きをする。
ここで示した構成の圧縮機1は高圧圧縮機と称され、圧縮機構部Nによって圧縮された高温高圧のガス冷媒を、圧縮機構部空間29と電動機空間28に放出した後に、吐出管47から吐出して冷凍サイクルを循環させる構成である。このため、圧縮機構部空間29及び電動機空間28に高温高圧のガス冷媒が充満し、シェル31の内部全体が高温高圧のガス冷媒雰囲気となる。このため、シェル31の表面温度は高温高圧のガス冷媒と同様、90℃近くになる。この熱は従来装置ではシェル31から輻射や対流によって周囲に放熱されてしまっていた。この実施の形態では、シェル31から室外機12内に放熱される熱を、伝熱ステー8を介して吸入マフラー7に回収する。
図5は圧縮機1と吸入マフラー7を示す上面図(図5(a))及び側面図(図5(b))である。吸入マフラー7は、冷媒の流入管7aと流出管7bを有し、圧縮機1に吸入される冷媒が流通する構成であり、外表面が圧縮機1のシェル31と接触するように設置されている。さらに、吸入マフラー7は金属製の伝熱部材である伝熱ステー8を介して圧縮機1のシェル31と熱的に接続されている。具体的には、伝熱ステー8は例えば鉄板で形成され、一端部が圧縮機1のシェル31に溶接などで固定され、他端部が吸入マフラー7の外表面に溶接などで固定される。伝熱ステー8によって、シェル31の外表面と吸入マフラー7の外表面が圧接されて固定され、さらにシェル31の外郭を覆う塗料によって圧接部の隙間を埋めると共に、接触面を増やして熱伝導を促進させている。このため、圧縮機1の運転中、吸入マフラー7は伝熱ステー8を介して高温のシェル31からの熱伝導によって加熱されて、高温になる。
冷房、暖房、除霜運転のいずれの運転においても、圧縮機1に液冷媒が吸入されるのを防止する必要がある。圧縮機1がローリングピストン型ロータリー圧縮機の場合、もし、液冷媒が圧縮機1に吸入されて圧縮されると、圧縮機1のシリンダー36内で液冷媒が急激に気化膨張して昇圧する。このために、圧縮機1のシャフト34の軸受部や仕切りベーン39の入っている溝部やローリングピストン37と偏芯クランクシャフト35の摺動部等に形成している冷凍機油の油膜シールが破れ、軸かじり等の致命的なダメージが生じて、圧縮機1の破損を招く。
この構成では、冷媒回路を循環する冷媒が気液ニ相状態で流入管7aから吸入マフラー7へ流入したとしても、吸入マフラー7内でさらに蒸発が促されて、確実にスーパーヒート(SH)の付いたガス状態の冷媒が流出管7bから流出される。このため、圧縮機1に液冷媒が吸入されて、圧縮機1が破損するのを防止でき、空気調和装置の信頼性を確保できる。
また、除霜運転において、吸入マフラー7の中でシェル31の熱によって加熱されないとすると、第2の膨張弁6を出てから圧縮機1に吸入されるまでの冷媒配管の表面で周囲から熱を奪って蒸発することになり、周囲雰囲気から奪うことのできる熱量は限られる。図2に示す冷媒の蒸発工程(直線e)で、冷媒が奪うことのできる熱量と冷媒が搬送できる熱量がバランスする状態となり、低圧側の圧力低下が生じる。これに対し、実施の形態1では、冷媒は吸入マフラー7の中でシェル31からの充分な熱量を奪って蒸発されるので、蒸発工程で冷媒が奪う熱量が充分でないことによる低圧側圧力低下を防止でき、低圧側圧力低下に伴うガス密度の低下が改善される。その結果、冷媒の密度向上によって冷媒循環流量が増加し、除霜運転中の暖房能力及び除霜能力を増加できる。さらに、冷媒循環流量の増加及び圧縮比低減によって、冷凍サイクルの効率向上につながる効果がある。
この実施の形態では、伝熱ステー8を介してシェル31からの放熱量を熱回収する構成である。このため、既存の室外機12の構成を大幅に変更することなく、伝熱ステー8を固定するだけの簡単な構成でシェル31からの放熱量を回収することができる。
また、積極的にシェル31の熱を伝熱ステー8を介して冷媒に回収するため、シェル31の温度を下げることができる。シェル31の温度が上昇すると、電動機Mのモータ効率が低下するが、シェル31の温度上昇を防止することで、モータ効率の低下を防止できる。
また、従来蒸発工程のために備えていたヒーターや蓄熱槽なども必要なく、室外機12内の機器を従来よりも簡素化できる。ヒーターや蓄熱槽などが必要ないので、余分な電力を使うことなく、従来圧縮機1のシェル31から放熱していた熱量を回収して気化を促進でき、省エネルギー化、低価格化を図ることができる。また、構成を簡素化できることから、室外機12内の空間を広くでき、複数の機器の相互作用によって生じるビビリ音等の異常音が少ない空気調和装置を得ることができるという効果も有する。
また、除霜運転では、蒸発器として動作する吸入マフラー7はシェル31に接触するように配置しているので、蒸発器と圧縮機1との距離を従来装置よりも短くできることから、管路圧損を小さくでき、圧損による冷媒の密度低下を防止できる。結果として、密度向上による循環流量の増加及び圧縮比低減によって、冷凍サイクルの効率向上につながるという効果も期待できる。
なお、伝熱ステー8の大きさや、伝熱ステー8とシェル31との接触面積や吸入マフラー7との接触面積は、小さくてもある程度の効果を奏する。大きいほうが多くの熱量を利用できる一方、装置として大きくなり重くなるので、除霜運転で、冷媒が蒸発するのに必要な熱量が得られる程度が好ましい。
また、伝熱ステー8は鉄板で構成したが、これに限るものではなく、シェル31と吸入マフラー7とを熱的に接続する伝熱部材であればよい。シェル31の熱によって吸入マフラー7が加熱される構成とすればよい。
例えば、板状でなく、図6に示すように、シェル31の外表面の一部と吸入マフラー7の外表面の一部に沿った形状としてもよい。このような形状の伝熱ステー8では、伝熱ステー8とシェル31及び伝熱ステー8と吸入マフラー7の接触面積が大きくなる。このため、熱伝導性がよくなり、より多くの熱量をシェル31から吸入マフラー7に回収できる。
また、吸入マフラー7の外表面の側面部分でシェル31と接触するように構成しているが、吸入マフラー7の上面や下面でシェル31と接触するように構成してもよい。
また、圧縮機1の吸入側に設けられ、シェル31の熱で内部の冷媒が加熱される吸入側容器として吸入マフラー7としたが、これに限るものではない。圧縮機1の吸入側に気液分離器が設けられている空気調和装置の場合には、気液分離器とシェル31とを熱的に接続して、気液分離器の内部の冷媒をシェル31の熱で加熱するように構成してもよい。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、
圧縮機1、冷媒の流れ方向を切り替える四方弁2、室内側熱交換器4、絞りの開度を調整可能な第1の膨張弁5、室外側熱交換器3、絞りの開度を調整可能な第2の膨張弁6、を冷媒配管で順次環状に接続してなる冷凍サイクルと、
密閉容器31内に、圧縮機構部Nを配設する圧縮機構部空間29と電動機Mを配設する電動機空間28とを有し、圧縮機構部Nによって圧縮された高温高圧のガス冷媒を、圧縮機構部空間29及び電動機空間28に放出した後に冷凍サイクルに吐出する圧縮機1と、圧縮機1の吸入側の冷媒配管に接続されると共に密閉容器31と熱的に接続される外表面を有する吸入側容器7と、
当該空気調和装置の運転を制御する制御装置3c、4cと、を備え、
制御装置3c、4cは、第2の膨張弁6の開度を全開とし、第1の膨張弁5の開度を調整して室外側熱交換器3で冷媒を蒸発させると共に室内側熱交換器4で冷媒を凝縮させることで室内の暖房運転を行い、
暖房運転の途中で室外側熱交換器3の表面に付着した霜を溶かす除霜運転を行う時に、室内側熱交換器4で冷媒を第1の凝縮温度(T1)で凝縮、第1の膨張弁5で減圧させた後、室外側熱交換器3で冷媒を第1の凝縮温度(T1)よりも低い第2の凝縮温度(T2:T2<T1)で凝縮、第2の膨張弁6で減圧させた後で吸入側容器7内で蒸発させて、除霜運転を行うことにより、
除霜運転において、運転条件や環境条件が変化しても安定して室内暖房の快適性を維持できると共に確実に除霜でき、冷媒の蒸発工程で特別な電力を必要とせずに省エネルギー化を図りつつ、圧縮機の信頼性を確保することができる効果がある。
また、密閉容器31と吸入側容器7の外表面を接触させ、さらに一端部が密閉容器31に固定され、他端部が吸入側容器7の外表面に固定される金属製の伝熱部材8を介して、密閉容器31と吸入側容器7が熱的に接続されていることにより、簡単な構成でシェル31の熱を回収でき、省エネルギー化を図ることができる効果がある。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2は、シェル31からの放熱を回収する実施の形態1の構成に加え、さらに室外機12内の放熱を熱回収するものである。
図7はこの発明の実施の形態2に係る空気調和装置の冷媒回路を示す回路構成図である。図において、図1と同一符号は同一、又は相当部分を示す。図7に示す様に、第2の膨張弁6と四方弁2の間に気液分離器19を設置する。電源21に接続される凍結防止ヒーター20が気液分離器19の外表面と熱的に接続されるように設けられており、除霜運転時に凍結防止ヒーター20によって気液分離器19内の冷媒を加熱する構成としたことを特徴とする。
図8は、室外機12内の一部を示す斜視図であり、室外機12本体の底板22(以下、室外機底板22と記す)の室外側熱交換器3の近傍に凍結防止ヒーター20が設けられている。冷凍防止ヒーター20は、室外温度が氷点下になるような寒冷地に設置される室外機12の場合に、結露水や霜の融解水などの室外機12内に発生した水分が室外機底板22で凍結するのを防止する。例えば、凍結防止ヒーター20は環状であり、点線で示す一部分20aは室外側熱交換器3の下側に配置され、実線で示す他の部分20bは室外側熱交換器3の近傍に配置される。
暖房運転を行うと、室外側熱交換器3の冷媒配管内を低温の冷媒が流れる。室外機12内に取り込まれた室外空気が低温の冷媒配管で冷されることによって生じた水分は、0℃以下では霜となって室外側熱交換器3の表面に着霜する。そして、除霜をする度に室外側熱交換器3の下側付近の室外機底板22に流れて室外機12の下方へ出ていく。しかし、除霜運転で生じた霜の融解水が全て流れ落ちる前に再び暖房運転を開始するため、室外側熱交換器3と接触している室外機底板22が再び冷却され、残っていた水分が氷結して成長していく。そこで、室外側熱交換器3の下側及び近傍に凍結防止ヒーター20を設けて室外機底板22を暖めることで、室外側熱交換器3の近傍の水分、例えば室外側熱交換器3の表面で水分が生じて室外機底板22に落ち、室外機12の外へ流れ出ていくことなく室外機底板22に残った水分が凍結するのを防いでいる。
図9は、室外機底板22に固定した気液分離器19と凍結防止ヒーター20bを示す図であり、図9(a)は気液分離器19の冷媒の流入側から見た平面図、図9(b)は図9(a)の向かって左側上方から見た斜視図である。
室外機底板22に配設された凍結防止ヒーター20bは、凍結防止ヒーター固定具24により、室外機底板22に接触して下面を押し付けられ、底板固定ネジ25で室外機底板22に固定されている。また、気液分離器固定具23は、凍結防止ヒーター20bと気液分離器19の双方の外表面を接触させて押し付けるように抱え込み、室外機底板固定ネジ25で室外機底板22に固定されている。即ち、金属製の固定具である気液分離器固定具23によって、気液分離器19の外表面とは、熱的に接続されている。気液分離器固定具23と金属製の固定具である。気液分離器固定具23と凍結防止ヒーター固定具24は共に金属製、例えば鉄製である。
暖房運転で、室外制御基板3cの制御によって、環境条件が所定の条件を満たした場合に凍結防止ヒーター20を動作させ、所定の条件を満たしていない場合には停止させる。例えば環境条件として、外気温度センサー3aで検出または推定される外気温度が5℃よりも低く、且つ、室外側熱交換器温度センサー3bで検出又は推定される冷媒の蒸発温度(室外側熱交換器4の表面温度と略同じ)が0℃よりも低くなったときに、電源21が入るように設定する。
凍結防止ヒーター20は、図8及び図9のように構成されているので、電源がオンになると、凍結防止ヒーター20の温度が上昇し、これにつれて、凍結防止ヒーター20と接触している部分によって直接、又は気液分離器固定具23及び凍結防止ヒーター固定具24を介して伝熱によって、室外機底板22及び気液分離器19及び室外側熱交換器3の底面が暖められる。室外機底板22を暖めることで、室外機底板22上に溜まった融解水の凍結が防止される。
図8に示すように、凍結防止ヒーター20の点線で示す一部分20aは、室外側熱交換器3の下側に配置されているので、断面が略円形状の凍結防止ヒーター20aの下側は室外機底板22を暖め、室外機底板22に溜まった水分の凍結を防止する。また、凍結防止ヒーター20aの上側は室外側熱交換器3を暖め、室外側熱交換器3の表面で着霜しにくくする。一方、実線で示す部分の凍結防止ヒーター20bの下側は室外機底板22を暖め、室外機底板22に溜まった水分の凍結を防止し、上側は接触している気液分離器19の外表面を加熱する。
先ず、図7に示す冷媒回路構成の空気調和装置における冷房運転について説明する。凍結防止ヒーター20の電源21はオフである。そして、室外制御基板3cの制御によって、四方弁2を点線のように接続して圧縮機1を運転すると、冷媒は点線矢印の方向に循環する。気液分離器19には冷媒出口19bから高温高圧のガス冷媒が流入し、そのまま冷媒入口19aから流出して第2の膨張弁6に流れる。即ち、高温高圧のガス冷媒が気液分離器19を通過して第2の膨張弁6に流入することの他は、実施の形態1と同様である。
実施の形態1と比較すると、圧縮機1から吐出した高温高圧のガス冷媒が気液分離器19内の空間を通過することで、吐出するガス冷媒の圧力脈動が均一化される。このため、ガス冷媒の圧力脈動による共振が低減され、共振が原因とされる異常音の発生が緩和される効果が期待できる。
次に、暖房運転では、室外制御基板3cの制御によって、四方弁2を実線のように接続して圧縮機1を運転すると、冷媒は実線矢印の方向に循環する。即ち、室外側熱交換器3で蒸発したガス冷媒は、全開の第2の膨張弁6を通って気液分離器19の冷媒入口19aから流入する。今、凍結防止ヒーター20がオフであるとすると、冷媒は気液分離器19内でガス冷媒と液冷媒とが分離されてガス冷媒が冷媒出口19bから流出する。その後、四方弁2を通って吸入マフラー7に流入する。そして、吸入マフラー7内で圧縮機1のシェル31からの伝熱で加熱されて蒸発し、スーパーヒート(SH)が付いたガス冷媒となって圧縮機1に戻る。
この運転で、室外側熱交換器3で蒸発した冷媒が、気液ニ相状態であったとしても、気液分離器19でガス冷媒と液冷媒とが分離され、ガス冷媒のみが吸入マフラー7に流入する。そして、シェル31の熱で加熱されている吸入マフラー7内でスーパーヒートの付いた冷媒となり、圧縮機1への液バックが防止されて圧縮機1の信頼性を確保できる。
また、圧縮機1に吸入される冷媒が気液分離器19内の空間を通過することで、吸入するガス冷媒の圧力脈動が均一化される。このため、ガス冷媒の圧力脈動による共振が低減され、共振が原因とされる異常音の発生が緩和される効果が期待できる。
なお、室外機12で凍結の起こる可能性がある環境条件となって凍結防止ヒーター20をオンにした場合には、気液分離器19内を流れる冷媒は、凍結防止ヒーター20bによって加熱される。このため、室外側熱交換器3で蒸発した冷媒が、気液ニ相状態であったとしても、気液分離器19内及び吸入マフラー7の中で確実にスーパーヒートの付いた冷媒となり、圧縮機1への液バックが防止されて圧縮機1の信頼性を確保できる。
実施の形態1で記載したように、暖房運転の途中に室外側熱交換器3にある程度着霜したと判断したときに、除霜運転を開始する。環境条件から考慮すると、除霜運転を開始する時点では、必ず凍結防止ヒーター20の電源はオンになっている。
図10は、この発明の実施の形態2に係る除霜運転における冷凍サイクルと熱移動を示す説明図であり、横軸にエンタルピ、縦軸に圧力を示す。図中、点線曲線は冷媒の飽和エンタルピ線図を示し、実線曲線は冷凍サイクルを示す。
圧縮機1にて低温低圧の冷媒が高温高圧の冷媒に圧縮され(直線f)、四方弁2を通り、室内機11の室内側熱交換器4に流入する。室内側熱交換器4では、冷媒は第1の凝縮温度(T1)、例えばT1=50℃で凝縮し、その際室内へ凝縮熱を放出して液化していくことで室内を暖房する(直線a)。その後、室外機12に流入し、第1の膨張弁5によって中温中圧に減圧され(直線b)、室外側熱交換器3にて冷媒は第1の凝縮温度(T1)よりも低い第2の凝縮温度(T2)、例えばT2=30℃で凝縮し、その際室外側熱交換器3に凝縮熱を放出してさらに液化することで室外側熱交換器3に付いた霜を融解する(直線c)。その後、第2の膨張弁6で更に減圧され(直線d)、気液分離器19に流入する。この気液分離器19内で凍結防止ヒーター20から室外機底板22に伝わらずに室外機12内に放熱される熱量を回収して蒸発し、四方弁2を再び通過する。そして、伝熱ステー8を介してシェル31によって加熱された吸入マフラー7の中でスーパーヒートが付くまで完全に気化した冷媒となって(直線g)、圧縮機1に吸入される。
除霜運転が開始され室外送風機10の運転を停止すると、凍結防止ヒーター20自体の温度は徐々に上昇し、例えば50℃以上になる。室外機底板22や室外側熱交換器3に密着していない部分である凍結防止ヒーター20bの上半分からの熱量は、従来、対流や輻射によって室外機12の空間に放熱されている。実施の形態2では、図9に示すように気液分離器19の外表面を凍結防止ヒーター20bに熱的に接続させる構成であるため、凍結防止ヒーター20の熱は気液分離器19内の冷媒に回収される。このように従来周囲に放熱していた熱を回収することができ、省エネルギー化を図ることができる。
また、除霜運転で気液分離器19内に流れ込む冷媒は、第2の膨張弁6で減圧された液冷媒又は気液ニ相状態の冷媒である。気液分離器19の構成において、図9(b)に示すように冷媒入口19aは冷媒出口19bよりも下側に設けている。このため、冷媒入口19aより流入した液冷媒又は気液ニ相状態の冷媒は、凍結防止ヒーター20からの伝熱によって一部気化し、冷媒出口19bから流出していく。
このように、気液分離器19内では、上方にガス冷媒、下方に液冷媒が溜まるので、冷媒入口19aよりも上側に設けられた冷媒出口19bからガス冷媒が液冷媒と分離して流出される。さらに、冷媒出口19bに挿入された配管は、冷媒入口19aに挿入された配管の先端よりも冷媒入口19aに近いところまで深く挿入され、冷媒入口19aから流入する液冷媒を直接吸い込まないような構成である。冷媒出口19bからガス冷媒が液冷媒よりも流出されやすく構成することで、吸入マフラー7に流入する冷媒はガス冷媒の割合が多くなり、さらに吸入マフラー7でシェル31の熱で気化されて、圧縮機1に吸入される。
また、気液分離器固定具23は、室外機底板22と凍結防止ヒーター20と気液分離器19の周囲を取り囲む形状である。この金属製の気液分離器固定具23を鉄または真ちゅうのような熱伝導率の大きい金属で構成すれば、凍結防止ヒーター20から気液分離器19への熱伝導をさらに促すことができる。図9(b)において、気液分離器固定具23の幅を例えば冷媒入口19aから冷媒出口19bに到るように広くすれば、さらに熱回収しやすい。このような簡単な構成で凍結防止ヒーター20からの熱を回収でき、省エネルギー化を図ることができる。
なお、気液分離器19と凍結防止ヒーター20との熱的に接続する構成は、図9に示す固定方法に限るものではない。凍結防止ヒーター20の放熱によって気液分離器19が加熱される構成であればよい。
実施の形態1と同様、第1、第2の膨張弁5、6を備え、除霜運転において2段階で凝縮する2段凝縮回路を構成することで、運転条件や環境条件が変化しても、安定して室内に温風を吹き出して室内暖房の快適性を維持できると共に確実に除霜できる空気調和装置が得られる。さらに、従来周囲に放熱されているシェル31の熱と凍結防止ヒーター20からの熱によって冷媒を蒸発させる構成とし、冷媒の蒸発工程で特別な電力を必要とせずに省エネルギー化を図ることができる。さらに、気液分離器19と吸入マフラー7を設けることで、圧縮機1への液バックを防止でき、圧縮機の信頼性を確保することができる。
また、この実施の形態では、実施の形態1と同様にシェル31の熱を回収する構成に加え、凍結防止ヒーター20の熱を回収する。このため、冷媒の蒸発工程(図10では直線g)で、冷媒が奪う熱量が実施の形態1よりも多くなり、低圧側の圧力低下を防止でき、低圧側圧力低下に伴うガス密度の低下が改善される。その結果、冷媒の密度向上によって冷媒循環流量が増加し、除霜運転中の暖房能力及び除霜能力を増加できる。さらに、冷媒循環流量の増加及び圧縮比低減によって、冷凍サイクルの効率向上につながる効果がある。
以上のように、この実施の形態によれば、室外側熱交換器3の近傍に設けられ、除霜運転で生じた霜の融解水の凍結を防止する凍結防止ヒーター20と、第2の膨張弁6と四方弁2と間に設置される気液分離器19と、を備え、
凍結防止ヒーター20と気液分離器19の外表面とを熱的に接続し、
除霜運転時に、第2の膨張弁6で減圧させた冷媒を、気液分離器19内で凍結防止ヒーター20によって加熱させることにより、
除霜運転において、運転条件や環境条件が変化しても安定して室内暖房の快適性を維持できると共に確実に除霜でき、冷媒の蒸発工程で特別な電力を必要とせずに省エネルギー化を図りつつ、圧縮機の信頼性を確保することができる効果がある。
また、凍結防止ヒーター20と気液分離器19の外表面とを金属製の固定具23によって接触させて固定することで、凍結防止ヒーター20と気液分離器19を熱的に接続したことにより、簡単な構成で凍結防止ヒーター20からの熱を回収でき、省エネルギー化を図ることができる効果がある。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る空気調和装置は、実施の形態1の吸入マフラー7によるシェル31からの放熱を回収する構成に加え、圧縮機1の圧縮機構部Nで高温高圧になったガス冷媒の熱を気液分離器19内で奪い、温度の下がった冷媒をシェル31内に戻してシェル31の温度を下げることで、シェル31から室外機12内に放熱する熱量を回収する構成としたことを特徴とする。
図11はこの発明の実施の形態3に係る空気調和装置の冷媒回路を示す回路構成図である。図において、図1と同一符号は同一、又は相当部分を示す。図11に示す様に、第2の膨張弁6と四方弁2の間に気液分離器19を設置する。この気液分離器19の内部に、ガスクーラ配管26を通過させる構成であり、ガスクーラ配管26は、圧縮機1の圧縮機構部Nで圧縮された高温高圧のガス冷媒をシェル31の外に導き、気液分離器19の内部を通ってシェル31内の圧縮機構部空間29または電動機空間28に再び流入させる冷媒配管である。即ち、圧縮機構部Nによって圧縮された高温高圧のガス冷媒は、ガスクーラ配管26内を流れた後に圧縮機構部空間29と電動機空間28に放出され、その後に、吐出管47から吐出して冷凍サイクルを循環する。
図12は暖房運転及び除霜運転の場合の圧縮機1と気液分離器19の接続関係の一例を示す説明図である。図中、冷媒が循環する冷媒回路の冷媒配管を直線で示し、圧縮機1内のガス冷媒を取り出して再び圧縮機1に戻すガスクーラ配管26を点線で示す。ガスクーラ配管26は、圧縮室42で圧縮された高温高圧のガス冷媒を吐出マフラー45に設けたガス冷媒取出口48aから圧縮機1外部に取り出し、気液分離器19内を通って、シェル31内の空間、ここでは例えば電動機空間28の下方に設けた冷媒再吸入口48bに戻す冷媒配管である。図12は、四方弁2を省略し、圧縮機1の断面構成を気液分離器19と共に示す。圧縮機1内と吸入マフラー7における冷媒の流れは、冷房、暖房、除霜運転のいずれの運転の場合も同じであるが、冷房運転では気液分離器19の接続が図12とは異なり、吸入マフラー7の上流側ではなく、四方弁(図12では図示せず)で流路を切り替えることで吐出管47の下流側に気液分離器19が接続される。
図11、図12に基づき、ガスクーラ配管26の作用について説明する。
圧縮室42で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、吐出ポート43、吐出バルブ44を通って吐出マフラー45に流れてくる。吐出マフラー45に流れ込んだガス冷媒は、ガス冷媒取出口48aから流出してガスクーラ配管26に流れ、気液分離器19内を通過して冷媒再吸入口48bからシェル31内に流入する。なお、圧縮機1内の圧力は、ガス冷媒取出口48a>冷媒再吸入口48bである。この圧力差によって、ガス冷媒はガスクーラ配管26内をガス冷媒取出口48aから冷媒再吸入口48bへ循環する。
ここで、気液分離器19における熱の授受を考慮する。前述のようにガスクーラ配管26を流れるガス冷媒は90℃程度である。一方、気液分離器19内の冷媒温度は、冷房運転、暖房運転、除霜運転でそれぞれ異なる。
冷房運転の場合、冷媒の主な状態は実施の形態1での説明と同様である。ここでは、気液分離器19とガスクーラ配管26を設けたことで異なる部分について説明する。第2の膨張弁6を全開として、図11の点線矢印の方向に冷媒は循環するので、気液分離器19内には圧縮機1から吐出された90℃程度のガス冷媒が、冷媒出口19bから流入し、冷媒入口19aから流出する。一方、ガスクーラ配管26にはガス冷媒取出口48aから90℃程度のガス冷媒が流出し、気液分離器19内を通過する。
このように、冷房運転においては気液分離器19内の冷媒とガスクーラ配管26内のガス冷媒は共に90℃程度であり、熱の授受はほとんどない。従って、冷凍サイクルの冷媒状態の変化は、気液分離器19を設けない場合と同様である。
また、暖房運転の場合、室外制御基板3cの制御によって、四方弁2を実線で示すように接続して圧縮機1を運転すると、冷媒は実線矢印で示す方向に冷媒回路内を循環する。第2の膨張弁6を全開状態とし、第1の膨張弁5の開度で冷凍サイクルの高低圧の調整を行う。気液分離器19内には室外側熱交換器3で蒸発した低温、例えば5℃程度で気液ニ相状態又はガス状態の冷媒が冷媒入口19aから流入する。一方、ガスクーラ配管26内には、圧縮機1のガス冷媒取出口48aから流出する90℃程度の高温高圧のガス冷媒が流れる。気液分離器19内の冷媒はガスクーラ配管26内のガス冷媒によって加熱され、さらに四方弁2を通って吸入マフラー7に流入する。そして、吸入マフラー7内で圧縮機1のシェル31からの伝熱でさらに加熱されて蒸発し、スーパーヒートが付いたガス冷媒となって圧縮機1に戻る。室外側熱交換器3で蒸発した冷媒が、気液ニ相状態であったとしても、気液分離器19内及び吸入マフラー7の中で確実にスーパーヒートの付いた冷媒となる。このため、圧縮機1への液バックが防止され、圧縮機1の信頼性を確保できる。
一方、ガスクーラ配管26を循環する冷媒は、気液分離器19内の冷媒を加熱することで温度が下がって冷媒再吸入口48bからシェル31内の電動機空間28に流入する。
圧縮機1の稼動により、ステータ32及びロータ33で構成される電動機Mからの発熱や、圧縮機構部Nの摩擦損失やローリングピストン37や偏芯クランクシャフト35等による冷媒圧縮時の熱漏洩によって発熱が生じる。この発熱によって、圧縮機1を構成する各部の温度が上昇し、モータ巻線やロータ33、ステータ32、シリンダー36、シリンダーヘッド38、フレーム40、吐出マフラー45等の構造体は90℃程度に温度が高くなっている。気液分離器19内で冷媒を加熱して温度が低下したガスクーラ配管26内の冷媒は、冷媒再吸入口48bからシェル31内に戻る。その後、電動機空間28を上昇しながら電動機Mの構成部材を冷却し、冷媒自身は高温のシェル31内で加熱される。そして高温高圧のガス冷媒となり、吐出管47から吐出して冷凍サイクルを循環する。
電動機Mの温度が上昇するとモータ効率が低下するが、温度が下がった冷媒によって電動機Mの温度が冷され、モータ効率の低下を防止できるという効果もある。
次に、暖房運転中に室外側熱交換器3に付着した霜を取り除く除霜運転について説明する。除霜運転の開始のタイミングや開始時の膨張弁5、6の制御は実施の形態1と同様である。
図13はこの発明の実施の形態3に係る除霜運転における冷凍サイクルと熱移動を示す説明図であり、横軸にエンタルピ、縦軸に圧力を示す。図中、点線曲線は冷媒の飽和エンタルピ線図、実線は冷凍サイクルを示す。
圧縮機1にて低温低圧の冷媒が高温高圧の冷媒に圧縮され(直線f)、ガスクーラ配管26を流れる。気液分離器19内には、第2の膨張弁6で減圧された低温低圧の液冷媒の冷媒が流入する。この低温低圧の液冷媒とガスクーラ配管26内を流れる高温高圧のガス冷媒とが、ガスクーラ配管26の配管を介して熱交換する。ガスクーラ配管26を流れる冷媒は、液化しながら圧縮機1に戻ってシェル31内で再びガス化し、吐出管47を通って室内機11の室内側熱交換器4に流入する。室内側熱交換器4では、冷媒は室内へ凝縮熱を放出して液化していくことで室内を暖房する(直線h)。その後、室外機12に流入し、第1の膨張弁5によって中温中圧に減圧され(直線b)、室外側熱交換器3にて冷媒は室外側熱交換器3に凝縮熱を放出してさらに液化する。この凝縮熱によって室外側熱交換器3に付いた霜を融解する(直線c)。その後、第2の膨張弁6で更に減圧され(直線d)、低温低圧の液冷媒又は気液二相状態の冷媒となって気液分離器19に流入する。この気液分離器19内でガスクーラ配管26内を流れる高温高圧の冷媒によって加熱されて蒸発し、四方弁2を再び通過する。この後、冷媒は伝熱ステー8を介して圧縮機1によって加熱された吸入マフラー7の中でスーパーヒートが付くまで完全に気化した冷媒となり(直線i)、吸入管41から圧縮機1に吸入される。
このように、高温高圧のガス冷媒をガスクーラ配管26によってシェル31外に導くことで、圧縮機1の圧縮機構部Nで高温高圧になったガス冷媒の熱をシェル31内に入れる前に奪い、シェル31の温度を低下させる。これによって、シェル31から室外機12内に放熱する熱量が、気液分離器19内の冷媒に回収される。
本実施の形態では、伝熱ステー8を介してシェル31からの熱伝導によって吸入マフラー7を加熱する構成に加え、圧縮機1内のガス冷媒の熱を利用して、シェル31からの放熱量をさらに回収できる。実施の形態1と比較するとシェル31から輻射や対流によって周囲に放熱される熱量が低下するので、放熱ロスをさらに低減できる。
特に、気液分離器19内の低温低圧の冷媒に対し、ガスクーラ配管26の配管を介して放熱するため、シェル31からの熱伝導よりも効率よくシェル31の放熱量を回収できる。
また、冷媒の蒸発工程(図13では直線i)で、冷媒が奪う熱量が実施の形態1よりも多くなり、低圧側の圧力低下を防止でき、低圧側圧力低下に伴うガス密度の低下が改善される。その結果、冷媒の密度向上によって冷媒循環流量が増加し、除霜運転中の暖房能力及び除霜能力を増加できる。さらに、冷媒循環流量の増加及び圧縮比低減によって、冷凍サイクルの効率向上につながる効果がある。
なお、ガスクーラ配管26内にはガス冷媒と共に冷凍機油が混ざって流れる。例えばガスクーラ配管26内を流れる冷媒の流速が遅くなると、ガスクーラ配管26の壁面に油の膜ができる。この油の膜は、熱的な抵抗になって気液分離器19内の冷媒とガスクーラ配管26内のガス冷媒との熱の授受における抵抗となる。特に冷凍サイクルを循環する冷媒に対して非相溶性の冷凍機油を使うと、この現象が顕著となる。
そこで、ガスクーラ配管26内の冷媒の流れ方向を、図12とは逆に気液分離器19内を上方から下方に流れるようにするとよい。即ち、シェル31のガス冷媒取出口48aから気液分離器19の上方に導き、気液分離器19内を上方から下方に通って、冷媒再吸入口48bに導くようにガスクーラ配管26を構成すればよい。気液分離器19内において、ガスクーラ配管26内で冷媒が上方から下方に流れることで、冷媒がガスクーラ配管26の壁面に付着している冷凍機油を押し流すと共に、冷凍機油は重力で下方に流れ易くなる。このため、気液分離器19内での伝熱性の低下を防止できる。
なお、実施の形態1と同様、第1、第2の膨張弁5、6を備え、除霜運転において2段階で凝縮する2段凝縮回路を構成することで、運転条件や環境条件が変化しても、安定して室内に温風を吹き出して室内暖房の快適性を維持できると共に確実に除霜できる空気調和装置が得られる。さらに、従来周囲に放熱されているシェル31の熱とガス冷媒の熱によって冷媒が蒸発する構成とし、冷媒の蒸発工程で特別な電力を必要とせずに省エネルギー化を図ることができる。また、気液分離器19を設けることで、圧縮機1への液バックを防止でき、圧縮機の信頼性をさらに確保することができる。
以上のように、この実施の形態では、第2の膨張弁6と四方弁2の間に設置される気液分離器19と、圧縮機構部Nで圧縮された高温高圧のガス冷媒を密閉容器31の外に導き、気液分離器19の内部を通して密閉容器31の圧縮機構部空間29または電動機空間28に再び流入させるガスクーラ配管26と、を備え、
除霜運転時に、第2の膨張弁6で減圧させた冷媒を、気液分離器19内でガスクーラ配管26内を流れる冷媒で加熱させることにより、
シェル31から放熱される熱量を、ガスクーラ配管26を流れるガス冷媒によって圧縮機吸入前の冷媒に回収し、冷媒の蒸発工程で特別な電力を必要とせずに省エネルギー化を図りつつ、圧縮機の信頼性を確保することができる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る空気調和装置は、実施の形態1の吸入マフラー7によるシェル31からの放熱を回収する構成に加え、圧縮機1の圧縮機構部Nを通過することで高温となった冷凍機油の熱を気液分離器19内で奪い、温度の下がった冷凍器油をシェル31内に戻してシェル31の温度を下げることで、シェル31から室外機12内に放熱する熱量を回収する構成としたことを特徴とする。
図14はこの発明の実施の形態4に係る空気調和装置の冷媒回路を示す回路構成図である。図において、図1と同一符号は同一、又は相当部分を示す。図14に示す様に、第2の膨張弁6と四方弁2の間に気液分離器19を設置する。この気液分離器19の内部に、オイルクーラ配管27を通過させる構成であり、オイルクーラ配管27内には、シェル31内に封入されている冷凍機油を循環させる。
図15は暖房運転及び除霜運転の場合の圧縮機1と気液分離器19の接続関係の一例を示す説明図である。図中、冷媒が循環する冷媒回路の冷媒配管を直線で示し、圧縮機1内の冷凍機油を取り出して再び圧縮機1に戻すオイルクーラ配管27を点線で示す。電動機Mや圧縮機構部Nを構成する各部材の動作を円滑にするためにシェル31内に封入されている冷凍機油は、圧縮機1内の底部に溜まっており、シャフト34が回転するにつれて、シャフト34に刻まれている螺旋溝46に沿って上昇する。そして、軸受等の部材の隙間に広がった冷凍機油によって圧縮機構部Nの動作を潤滑にすると共に摺動部の隙間シールの働きをし、圧縮機1の寿命強度の低下が抑制されたり、運転入力の増大が抑制される。
オイルクーラ配管27は、電動機空間28の下端部付近、例えばシャフト34のフレーム40付近に設けたオイル取出口49aから冷凍機油をシェル31の外に導き、気液分離器19の内部を通って、シェル31の底部に設けたオイル再吸入口49bに再び流入させる配管である。図15は、四方弁2を省略し、圧縮機1の断面構成を気液分離器19と共に示す。圧縮機1内と吸入マフラー7における冷媒の流れは、冷房、暖房、除霜運転のいずれの運転の場合も同じであるが、冷房運転では気液分離器19の接続が図15とは異なり、吸入マフラー7の上流側ではなく、四方弁(図15では図示せず)で流路を切り替えることで吐出管47の下流側に気液分離器19が接続される。
図14、図15に基づき、オイルクーラ配管27の作用について説明する。
圧縮室42で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、吐出ポート43、吐出バルブ44を通って吐出マフラー45に流れてくる。吐出マフラー45に溜まったガス冷媒は、実施の形態1と同様、圧縮室42の外周側の冷媒通路30a(図15では点線で示す)を上昇し、電動機空間28を通って吐出管47から吐出される。
また、シェル31の底部に溜まっている冷凍機油がロータ33の回転力でシャフト34の螺旋溝46に沿って上昇する。そして、オイル取出口49a付近まで上昇した冷凍機油は、オイル取出口49aから流出してオイルクーラ配管27に流れ、気液分離器19内を通過してオイル再吸入口49bからシェル31内に流入する。圧縮機1に再吸入された冷凍機油はシェル31の底部に戻り、再び、螺旋溝46に沿って上方に運び上がる。なお、オイルクーラ配管27の管内圧損分の運動エネルギー分が静圧差になって、オイル取出口49a付近の圧力>オイル再吸入口49b付近の圧力である。この圧力差によって、冷凍機油はオイルクーラ配管27内をオイル取出口49aからオイル再吸入口49bへ循環する。シェル31内のガス冷媒は90℃程度であり、シェル31内の各部材やシェル31内の冷凍機油の温度も90℃程度になる。
ここで、気液分離器19における熱の授受を考慮する。前述のようにオイルクーラ配管27を流れる冷凍機油は90℃程度である。一方、気液分離器19内の冷媒温度は、冷房運転、暖房運転、除霜運転でそれぞれ異なる。
冷房運転の場合、冷媒の主な状態は実施の形態1での説明と同様である。ここでは、気液分離器19とオイルクーラ配管27を設けたことで異なる部分について説明する。第2の膨張弁6を全開として、図14の点線矢印の方向に冷媒は循環するので、気液分離器19内には圧縮機1から吐出された90℃程度のガス冷媒が、冷媒出口19bから流入し、冷媒入口19aから流出する。一方、オイルクーラ配管27にはオイル取出口49aから90℃程度の冷凍機油が流出し、気液分離器19内を通過する。
このように、冷房運転においては気液分離器19内の冷媒とオイルクーラ配管27内の冷凍機油は共に90℃程度であり、温度差がほとんどないことから熱の授受はほとんどない。従って、冷凍サイクルの冷媒状態の変化は、気液分離器19を設けない場合と同様である。
また、暖房運転の場合、室外制御基板3cの制御によって、四方弁2を実線で示すように接続して圧縮機1を運転すると、冷媒は実線矢印で示す方向に冷媒回路内を循環する。第2の膨張弁6を全開状態とし、第1の膨張弁5の開度で冷凍サイクルの高低圧の調整を行う。気液分離器19内には室外側熱交換器3で蒸発した低温、例えば5℃程度で気液ニ相状態又はガス状態の冷媒が冷媒入口19aから流入する。一方、オイルクーラ配管27内には、圧縮機1のオイル取出口49aから流出する90℃程度の冷凍機油が流れる。気液分離器19内の冷媒はオイルクーラ配管27内の冷凍機油によって加熱され、さらに四方弁2を通って吸入マフラー7に流入する。そして、吸入マフラー7内で伝熱ステー8を介してシェル31からの伝熱でさらに加熱されて蒸発し、スーパーヒートが付いたガス冷媒となって圧縮機1に戻る。室外側熱交換器3で蒸発した冷媒が、気液ニ相状態であったとしても、気液分離器19内及び吸入マフラー7の中で確実にスーパーヒートの付いた冷媒となる。このため、圧縮機1への液バックが防止され、圧縮機1の信頼性を確保できる。
一方、オイルクーラ配管27を循環する冷凍機油は、気液分離器19内の冷媒を加熱することで温度が下がってオイル再吸入口49bからシェル31の底部に流入する。そして、螺旋溝46を上昇する間に再び高温のシェル31内で加熱される。
次に、暖房運転の途中に室外側熱交換器3に付着した霜を取り除く除霜運転について説明する。除霜運転の開始のタイミングや開始時の膨張弁5、6の制御は実施の形態1と同様である。
図16はこの発明の実施の形態4に係る除霜運転における冷凍サイクルと熱移動を示す説明図であり、横軸にエンタルピ、縦軸に圧力を示す。図中、点線曲線は冷媒の飽和エンタルピ線図、実線は冷凍サイクルを示す。
圧縮機1にて低温低圧の冷媒が高温高圧の冷媒に圧縮され(直線f)、高温となった冷凍機油がオイルクーラ配管27内を流れる。そして、気液分離器19内部を通過するときに、オイルクーラ配管27の配管を介して、気液分離器19内の低温低圧の液冷媒と熱交換する。これにより冷凍機油は温度低下する。高温のガス冷媒の熱を冷凍機油がオイルクーラ配管27で輸送していると考えると、高温のガス冷媒は気液分離器19で放熱することで一部凝縮し、室内機11の室内側熱交換器4に流入する。室内側熱交換器4では、冷媒は室内へ凝縮熱を放出して液化していくことで室内を暖房する(直線h)。その後、室外機12に流入し、第1の膨張弁5によって中温中圧に減圧され(直線b)、室外側熱交換器3にて冷媒は室外側熱交換器3に凝縮熱を放出してさらに液化する。この凝縮熱によって室外側熱交換器3に付いた霜を融解する(直線c)。その後、第2の膨張弁6で更に減圧され(直線d)、低温低圧の液冷媒又は気液二相状態の冷媒となって気液分離器19に流入する。この気液分離器19内でオイルクーラ配管27内を流れる冷凍機油によって加熱されて蒸発し、四方弁2を再び通過する。この後、冷媒は伝熱ステー8を介して圧縮機1によって加熱された吸入マフラー7の中でスーパーヒートが付くまで完全に気化した冷媒となり(直線j)、吸入管41から圧縮機1に吸入される。
このように、高温の冷凍機油をオイルクーラ配管27によってシェル31外に導くことで、圧縮機1の圧縮機構部Nを通過して高温となった冷凍機油の熱をシェル31内に戻す前に奪い、温度の下がった冷凍器油をシェル31内に戻してシェル31の温度を低下させる。これによって、シェル31から室外機12内に放熱する熱量が、気液分離器19内の冷媒に回収される。
本実施の形態では、シェル31からの熱伝導で高温になっている伝熱ステー8によって吸入マフラー7を加熱する構成に加え、圧縮機1内の熱を冷凍機油で輸送することで、シェル31からの放熱量をさらに回収できる。実施の形態1と比較するとシェル31から輻射や対流によって周囲に放熱される熱量が低下するので、放熱ロスをさらに低減できる。
特に、気液分離器19内の低温低圧の冷媒に対し、オイルクーラ配管27の配管を介して放熱するため、シェル31からの熱伝導よりも効率よくシェル31の放熱量を回収できる。
また、冷媒の蒸発工程(図16では直線j)で、冷媒が奪う熱量が実施の形態1よりも多くなり、低圧側の圧力低下を防止でき、低圧側圧力低下に伴うガス密度の低下が改善される。その結果、冷媒の密度向上によって冷媒循環流量が増加し、除霜運転中の暖房能力及び除霜能力を増加できる。さらに、冷媒循環流量の増加及び圧縮比低減によって、冷凍サイクルの効率向上につながる効果がある。
なお、オイルクーラ配管27内を流れる冷凍機油の流速が遅くなると、オイルクーラ配管27の壁面に油の膜ができる。この油の膜は、熱的な抵抗になって気液分離器19内の冷媒とオイルクーラ配管27内の冷凍機油との熱の授受における抵抗となる。特に冷凍サイクルを循環する冷媒に対して非相溶性の冷凍機油を使うと、この現象が顕著となる。
そこで、オイルクーラ配管27内の冷媒の流れ方向を、図15のように気液分離器19内を上方から下方に流れるようにするとよい。即ち、シェル31のオイル取出口49aから気液分離器19の上方に導き、気液分離器19内を上方から下方に通って、オイル再吸入口49bに導くようにオイルクーラ配管27を構成すればよい。気液分離器19内において、オイルクーラ配管27内で冷凍機油が上方から下方に流れることで、オイルクーラ配管27の壁面に付着している冷凍機油が重力で下方に流れ易くなる。このため、気液分離器19内での伝熱性の低下を防止できる。
また、オイルクーラ配管27内でガス冷媒に冷凍機油が噴霧状に混ざっている場合、冷凍機油の噴霧が気液分離器19内の冷媒に冷却されて粘度が上昇し、よりオイルクーラ配管27の配管内に付着し易くなる。これと共にオイルクーラ配管27内のガス冷媒が、気液分離器19内の冷媒によって冷却されて液化され、配管内壁に付着している冷凍機油を押し流す。押し流された冷凍機油はオイルクーラ配管27の配管に留まることなくオイル再吸入口49bを通って圧縮機1に戻る。このように、オイルクーラ配管27を備えることで、ガス冷媒に噴霧状に混ざっている冷凍機油が冷却されてシェル31内に戻るため、吐出管47から室内機11側への冷凍機油の持ち出しを減らすことができる。このため、室内側熱交換器4及び室外側熱交換器3内部の油膜が減り、伝熱性能が改善され、冷凍サイクル自体の効率の改善も期待できる。
オイル取出口49aとオイル再吸入口49bの間の圧力差が小さい場合には、例えばトロコイドポンプなどの容積型の循環ポンプをシャフト34の下端部に設けてもよい。循環ポンプを設けることで、冷凍機油をオイルクーラ配管27内に円滑に循環させることができる。
なお、実施の形態1と同様、第1、第2の膨張弁5、6を備え、除霜運転において2段階で凝縮する2段凝縮回路を構成することで、運転条件や環境条件が変化しても、安定して室内に温風を吹き出して室内暖房の快適性を維持できると共に、確実に除霜できる空気調和装置が得られる。さらに、従来周囲に放熱されているシェル31の熱と冷凍機油の熱によって冷媒が蒸発する構成とし、冷媒の蒸発工程で特別な電力を必要とせずに省エネルギー化を図ることができる。また、気液分離器19を設けることで、圧縮機1への液バックを防止でき、圧縮機の信頼性をさらに確保することができる。
以上のように、この実施の形態では、第2の膨張弁6と四方弁2の間に設置される気液分離器19と、密閉容器31内に封入され冷凍機油を密閉容器31の外に導き、気液分離器19の内部を通して密閉容器31に再び流入させるオイルクーラ配管27と、を備え、
除霜運転時に、第2の膨張弁6で減圧させた冷媒を、気液分離器19内でオイルクーラ配管27内を流れる冷凍機油によって加熱させる構成としたことにより、
シェル31から放熱される熱量を冷凍機油で輸送して圧縮機吸入前の冷媒に回収し、冷媒の蒸発工程で特別な電力を必要とせずに省エネルギー化を図りつつ、圧縮機の信頼性を確保することができる。
実施の形態5.
実施の形態1〜4では、密閉容器であるシェル31内が高温高圧ガス冷媒で満たされて、シェル31内の空間全体が高圧となる高圧圧縮機(高圧シェル型圧縮機とも言う)1において、除霜運転で圧縮機1の放熱ロスの熱を回収して能力改善や信頼性確保を図る構成例を示した。この発明の実施の形態5では、シェル31内が低圧冷媒雰囲気で、圧縮室42以外のシェル31内の空間全体が低圧となる低圧圧縮機(低圧シェル型圧縮機とも言う)52について説明する。
図17は実施の形態5に係る空気調和装置の冷媒回路を示す回路構成図である。実施の形態1と同様、開度を調整可能な2つの膨張弁、第1の膨張弁5と第2の膨張弁6を備え、第1の凝縮温度(T1)と第2の凝縮温度(T2:T2<T1)の2段階で凝縮する2段凝縮回路を有する冷凍サイクルを構成する。また、図18は実施の形態5に係る圧縮機52と外付け吐出マフラー50を示す縦断面図である。実施の形態1と同一符号は同一、又は相当部分を示す。この構成例では、低圧圧縮機(以下、単に圧縮機と称する)52の吐出側に外付け吐出マフラー50を設け、圧縮室42で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、外付け吐出マフラー50を通って流出口50bから吐出され、四方弁2に流れる。
冷凍サイクルを循環する冷媒は、液状態、気液ニ相状態、又はガス状態で吸入管41を通って圧縮機52に吸入される。シェル31内に吸入された冷媒は、図18の矢印で示すように、電動機空間28の各部材の隙間を流れ、フレーム40に設けられている冷媒通路30bを通って圧縮機構部空間29の低圧の部分(シリンダー36の外側、シリンダーヘッド38の外側、吐出マフラー45の外側などの圧縮室42の外側)を通り、ガス冷媒通路51から圧縮室42に吸入される。圧縮室42で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、圧縮機構部空間29及び電動機空間28に放出されることなく、吐出管47で導かれて冷凍サイクルを循環していく。シェル31内は吸入管41から吸入される低圧冷媒の雰囲気となり、低圧圧縮機52を構成する。
圧縮機52の稼動により、ステータ32及びロータ33で構成される電動機Mからの発熱や、圧縮機構部Nの摩擦損失やローリングピストン37や偏芯クランクシャフト35等による冷媒圧縮時の熱漏洩によって発熱が生じる。この発熱によって、圧縮機52を構成する各部の温度が上昇し、モータ巻線やロータ33、ステータ32、シリンダー36、シリンダーヘッド38、フレーム40、吐出マフラー45、シェル31等の構造体は90℃程度に温度が高くなっている。このため、吸入管41から流入した冷媒は、電動機空間28の各部材の隙間を流れる間に、各部材を冷やすと共に加熱されて気化し、さらに圧縮機構部空間29のフレーム40、シリンダー36、シリンダーヘッド38、吐出マフラー45で加熱される。吸入管41から吸入した冷媒の状態が液状態、気液ニ相状態、ガス状態のいずれの場合でも、シェル31内を流れる間に加熱され、スーパーヒートが付くまで完全にガス冷媒となって圧縮室42に吸入される。
圧縮室42で圧縮されて高温高圧となったガス冷媒は、吐出マフラー45から吐出管47を通って、外付け吐出マフラー50の流入口50aに流入する。その後、外付け吐出マフラー50を通過して流出口50bから流出し、四方弁2に流れていく。高温高圧のガス冷媒が外付け吐出マフラー50内の空間を通過することで、吐出するガス冷媒の圧力脈動が均一化される。このため、ガス冷媒の圧力脈動による熱交換器の共振が原因とされる異常音の発生が緩和される。
また、低圧圧縮機52に吸入された冷媒は、圧縮室42に到るまでにシェル31内の広い空間内を流れる。圧縮機52の吸入側で冷媒回路を循環する冷媒に圧力脈動が生じていても、シェル31内の広い電動機空間28及び圧縮機構部空間29を通過することで、圧力脈動が均一化される。このため、冷媒の圧力脈動による熱交換器の共振が原因とされる異常音の発生が緩和される。即ち、シェル31内の空間が実施の形態1における吸入マフラーの機能を果たすことから、吸入側に特別な吸入マフラーを設けなくてもよい。
室外制御基板3cの制御によって、冷房運転及び暖房運転では第2の膨張弁6を全開とし、第1の膨張弁5の開度で冷凍サイクルの高低圧の調整を行う。冷凍サイクルにおいて、冷房運転では室内側熱交換器4で室内空気と熱交換し、また、暖房運転では室外側熱交換器3で室外空気と熱交換して、冷媒は蒸発する。蒸発して気液ニ相状態またはガス状態となった冷媒は、吸入管41を通って圧縮機52に吸入される。前述のように、圧縮機52に吸入された冷媒は、シェル31内を流れる間に加熱され、ガス冷媒通路51を通って圧縮室42に到ったときにはスーパーヒートが付くまで完全にガス冷媒となって流入する。液冷媒が圧縮されることを防止できるので、圧縮機52の信頼性は確実に確保される。
次に、暖房運転中に室外側熱交換器3に付着した霜を取り除く除霜運転について説明する。図19は実施の形態5に係る除霜運転における冷凍サイクルと熱移動を示す説明図であり、横軸にエンタルピ、縦軸に圧力を示す。図中、点線曲線は冷媒の飽和エンタルピ線図、実線は冷凍サイクルを示す。
圧縮機1にて低温低圧の冷媒が高温高圧の冷媒に圧縮され(直線f)、室内側熱交換器4に流入する。室内側熱交換器4では、冷媒は第1の凝縮温度(T1)、例えばT1=50℃程度で凝縮して室内へ凝縮熱を放出して液化していくことで室内を暖房する(直線a)。その後、室外機12に流入し、第1の膨張弁5によって中温中圧に減圧される(直線b)。そして、室外側熱交換器3にて冷媒は第1の凝縮温度(T1)よりも低い第2の凝縮温度(T2)、例えばT2=30℃程度で凝縮し、室外側熱交換器3に凝縮熱を放出してさらに液化する。この凝縮熱によって室外側熱交換器3に付いた霜を融解する(直線c)。その後、冷媒は第2の膨張弁6で更に減圧され(直線d)、液状態又は気液ニ相状態で圧縮機52に吸入される。シェル31の内部でモータ発熱ロスやローリングピストン及びクランクシャフトの軸受摩擦ロスなどの熱を回収してスーパーヒートが付くまで完全に気化した冷媒となり(直線k)、ガス冷媒通路51から圧縮室42に吸入される。
実施の形態1と同様、二段凝縮回路を形成し、暖房運転中に除霜運転を行うように構成したので、除霜運転中でも室内に冷気垂れが生じず、温風を吹き出して快適な暖房空間を実現できる。同時に、確実に室外側熱交換器3の表面に付着した霜を溶かすことができる。
また、圧縮機52の内部のモータ発熱ロスや摩擦ロスなどの熱を、シェル31内を流れる冷媒に直接回収して冷媒が気化されることで、液冷媒を直接シリンダー36内に吸入することによる圧縮機1の破損を防止でき、圧縮機52の信頼性を確保できる。また、シェル31から周囲に放熱される熱量を回収し、回収した熱により除霜運転中に低圧側圧力が低下するのを防止でき、低圧側圧力低下に伴うガス密度の低下が改善される。その結果、冷媒循環流量の増加による霜取り中の暖房能力及び除霜能力の増加が図れるという効果も奏する。また、特別な電力を必要とする加熱装置を使わないので、省エネルギー化及び低価格化を図ることができる。
また、絞りの開度を調整可能な2つの膨張弁5、6によって高圧と中圧を各々個別に制御する構成とすることで、運転条件や環境条件に応じた細かな凝縮温度制御を行うことができるため、暖房時の快適性の維持と除霜の信頼性を向上できる。また、冷媒回路も簡素に構成できるため、さらに低価格化を図ることができる。
以上のように、この実施の形態では、
圧縮機52、冷媒の流れ方向を切り替える四方弁2、室内側熱交換器4、絞りの開度を調整可能な第1の膨張弁3、室外側熱交換器3、絞りの開度を調整可能な第2の膨張弁6、を冷媒配管で順次環状に接続してなる冷凍サイクルと、
密閉容器31内に、圧縮機構部Nを配設する圧縮機構部空間29と電動機Mを配設する電動機空間28とを有し、圧縮機構部Nによって圧縮された高温高圧のガス冷媒を、吐出管47で導いて冷凍サイクルに吐出する圧縮機52と、
当該空気調和装置の運転を制御する制御装置3c、4cと、を備え、
制御装置3c、4cは、第2の膨張弁の開度6を全開とし、第1の膨張弁5の開度を調整して室外側熱交換器3で冷媒を蒸発させると共に室内側熱交換器4で冷媒を凝縮させることで室内の暖房運転を行い、
暖房運転の途中で室外側熱交換器3の表面に付着した霜を溶かす除霜運転を行う時に、室内側熱交換器4で冷媒を第1の凝縮温度(T1)で凝縮、第1の膨張弁5で減圧させた後、室外側熱交換器3で冷媒を第1の凝縮温度(T1)よりも低い第2の凝縮温度(T2:T2<T1)で凝縮、第2の膨張弁6で減圧させた後で電動機空間28と圧縮機構部空間29で蒸発させて、除霜運転を行うことにより、
除霜運転時に、運転条件や環境条件が変化しても安定して室内暖房の快適性を維持できると共に確実に除霜でき、冷媒の蒸発工程で特別な電力を必要とせずに省エネルギー化を図りつつ、圧縮機の信頼性を確保することができる効果がある。
なお、低圧圧縮機52の場合にも、図8に示した凍結防止ヒーター20を備えている場合には、第2の膨張弁6と四方弁2の間に気液分離器19を設置し、凍結防止ヒーター20の発熱を回収する構成としてもよい。
また、気液分離器19を設けると共に、図15に示したようなオイルクーラ配管27を低圧圧縮機52に設け、冷凍機油によって回転機の発熱や軸受摩擦による漏洩熱を熱輸送して、吸入管41に吸入される冷媒に回収する構成としてもよい。
実施の形態6.
この発明の実施の形態6では、密閉容器であるシェル31内が、低圧冷媒雰囲気の空間と高圧冷媒雰囲気の空間を有する高低圧圧縮機(高低圧シェル型圧縮機とも言う)53について説明する。
図20は実施の形態6に係る空気調和装置の冷媒回路を示す回路構成図である。実施の形態1と同様、開度を調整可能な2つの膨張弁、第1の膨張弁5と第2の膨張弁6を備え、第1の凝縮温度(T1)と第2の凝縮温度(T2:T2<T1)の2段階で凝縮する2段凝縮回路を有する冷凍サイクルを構成する。また、図21は実施の形態6に係る圧縮機を示す縦断面図である。実施の形態1と同一符号は同一、又は相当部分を示す。
冷凍サイクルを循環する冷媒は、吸入管41から、液状態、気液ニ相状態、又はガス状態で高低圧圧縮機(以下、単に圧縮機と称する)53に吸入される。吸入管41は、シェル31の電動機空間28に接続されており、シェル31内に吸入された冷媒は、図21の矢印で示すように、電動機Mの各部材の隙間を流れ、フレーム40に設けられているガス冷媒通路51を通って圧縮室42に吸入される。圧縮室42で圧縮されて高温高圧となったガス冷媒は、吐出ポート43を通り、吐出バルブ44を押し開いて吐出マフラー45に吐出される。その後、圧縮機構部空間29を上昇し、吐出管47から吐出されて冷媒回路を循環する。
このように、圧縮室42で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、圧縮機構部空間29に放出された後に吐出管47を通って冷凍サイクルに吐出される。シェル31内の圧縮機構部空間29は高圧冷媒雰囲気となり、電動機空間28は吸入した低圧冷媒雰囲気となる高低圧圧縮機53を構成する。
シャフト34の下端部には、例えばトロコイドポンプなどの容積型の循環ポンプ54を設け、シェル31の底部に溜まっている冷凍機油をオイル通路55内を通って上方に押し上げる。上方に押し上げられた冷凍機油は、圧縮機構部Nを構成する各部材の摺動部に広がっていき、圧縮機構部Nの動作を潤滑にすると共に摺動部の隙間シールの働きをし、圧縮機1の寿命強度の低下が抑制されたり、運転入力の増大が抑制される。
圧縮機53の稼動により、ステータ32及びロータ33で構成される電動機Mからの発熱や、圧縮機構部Nの摩擦損失やローリングピストン37や偏芯クランクシャフト35等による冷媒圧縮時の漏洩熱によって発熱が生じる。この発熱によって、圧縮機53を構成する各部の温度が上昇し、モータ巻き線やロータ33、ステータ32、シリンダー36、シリンダーヘッド38、フレーム40、吐出マフラー45、シェル31等の構造体は90℃程度に温度が高くなっている。このため、吸入管41から流入した冷媒は、電動機空間28の各部材の隙間を流れる間に、各部材を冷やすと共に加熱されて気化する。吸入管41から吸入した冷媒の状態が液状態、気液ニ相状態、ガス状態のいずれの場合でも、シェル31内を流れる間に加熱され、スーパーヒートが付くまで完全にガス冷媒となって圧縮室42に吸入される。
このように、高低圧圧縮機53では、圧縮機53に吸入された冷媒は、圧縮室42に到るまでにシェル31内の下側の広い電動機空間28内を流れる。圧縮機53の吸入側で冷媒回路を循環する冷媒に圧力脈動が生じていても、シェル31内の広い空間を通過することで、圧力脈動が均一化される。このため、冷媒の圧力脈動による熱交換器の共振が原因とされる異常音の発生が緩和される。即ち、シェル31内の空間が実施の形態1における吸入マフラーの機能を果たすことから、吸入側に特別な吸入マフラーを設けなくてもよい。
また、圧縮室42から吐出された冷媒は、吐出管47から吐出されるまでにシェル31内の上側の広い圧縮機構部空間29内を流れる。圧縮機53の圧縮機構部Nで冷媒に圧力脈動が生じていても、シェル31内の広い空間を通過することで、圧力脈動が均一化される。このため、冷媒の圧力脈動による熱交換器の共振が原因とされる異常音の発生が緩和される。即ち、シェル31内の空間が実施の形態5における吐出マフラーの機能を果たすことから、吐出側に特別な吐出マフラーを外付けで設けなくてもよい。
冷房運転、暖房運転、除霜運転の冷媒の動作は実施の形態5と同様であり、ここでは省略する。また、除霜運転における冷凍サイクルと熱移動も図19と同様であり、ここでは省略する。
実施の形態1と同様、二段凝縮回路を形成し、暖房運転中に除霜運転を行うように構成したので、除霜運転中でも室内に冷気垂れが生じず、快適な暖房空間を実現できる。同時に、確実に室外側熱交換器3の表面に付着した霜を溶かすことができる。
また、この構成でも、圧縮機53の内部のモータ発熱ロスや摩擦ロスなどの熱を、シェル31内を流れる冷媒に直接回収して冷媒が気化されることで、液冷媒を直接シリンダー36内に吸入することによる圧縮機1の破損を防止でき、圧縮機53の信頼性を確保できる。また、シェル31から周囲に放熱される熱量を回収し、回収した熱により除霜運転中に低圧側圧力が低下するのを防止でき、低圧側圧力低下に伴うガス密度の低下が改善される。その結果、冷媒循環流量の増加による霜取り中の暖房能力及び除霜能力の増加が図れるという効果も奏する。また、特別な電力を必要とする加熱装置を使わないので、省エネルギー化及び低価格化を図ることができる。
また、絞りの開度を調整可能な2つの膨張弁5、6によって高圧と中圧を各々個別に制御する構成とすることで、運転条件や環境条件に応じた細かな凝縮温度制御を行うことができるため、暖房時の快適性の維持と除霜の信頼性を向上できる。また、冷媒回路も簡素に構成できるため、さらに低価格化を図ることができる。
以上のように、この実施の形態では、
圧縮機53、冷媒の流れ方向を切り替える四方弁2、室内側熱交換器4、絞りの開度を調整可能な第1の膨張弁5、室外側熱交換器3、絞りの開度を調整可能な第2の膨張弁6、を冷媒配管で順次環状に接続してなる冷凍サイクルと、
密閉容器31内に、圧縮機構部Nを配設する圧縮機構部空間29と圧縮機構部Nよりも下方に設けられる電動機Mを配設する電動機空間28とを有し、圧縮機構部Nによって圧縮された高温高圧のガス冷媒を、圧縮機構部空間29に放出した後に冷凍サイクルに吐出する圧縮機53と、
当該空気調和装置の運転を制御する制御装置3c、4cと、を備え、
制御装置3c、4cは、第2の膨張弁6の開度を全開とし、第1の膨張弁5の開度を調整して室外側熱交換器3で冷媒を蒸発させると共に室内側熱交換器4で冷媒を凝縮させることで室内の暖房運転を行い、
暖房運転の途中で室外側熱交換器3の表面に付着した霜を溶かす除霜運転を行う時に、室内側熱交換器4で冷媒を第1の凝縮温度(T1)で凝縮、第1の膨張弁5で減圧させた後、室外側熱交換器3で冷媒を第1の凝縮温度(T1)よりも低い第2の凝縮温度(T2:T2<T1)で凝縮、第2の膨張弁6で減圧させた後で電動機空間28で蒸発させて、除霜運転を行うことにより、
除霜運転時に、運転条件や環境条件が変化しても安定して室内に温風を吹き出して室内暖房の快適性を維持できると共に確実に除霜でき、冷媒の蒸発工程で特別な電力を必要とせずに省エネルギー化を図りつつ、圧縮機の信頼性を確保することができる効果がある。
また、この高低圧圧縮機53の構成は、シェル31内の上側を高圧部、下側を低圧部となるように配置したので、圧縮機53内の各部材の摺動部に充填された冷凍機油が、重力及び圧力差によってシェル31の底部にスムーズに戻ることができる。
また、高低圧圧縮機53を備えた場合にも、図7に示した凍結防止ヒーター20を備えている場合には、第2の膨張弁6と四方弁2の間に気液分離器19を設置し、凍結防止ヒーター20と気液分離器19とを熱的に接続して、凍結防止ヒーター20の発熱を回収する構成としてもよい。
また、気液分離器19を設けると共に、図15に示したようなオイルクーラ配管27を高低圧圧縮機53に設け、冷凍機油によって回転機構の発熱や軸受摩擦による漏洩熱を熱輸送して、吸入管41に吸入される冷媒に回収する構成としてもよい。
また、気液分離器19を設けると共に、図12に示したようなガスクーラ配管26を高低圧圧縮機53に設け、高温高圧ガス冷媒の熱量を気液分離器19内で低温低圧の冷媒に回収する構成としてもよい。この時、ガスクーラ配管26の冷媒再吸入口48bは、シェル31の上側の圧縮機構部空間29に設けるとよい。即ち、圧縮機構部Nによって圧縮された高温高圧のガス冷媒を、ガスクーラ配管26内を循環させた後、圧縮機構部空間29に放出し、その後冷凍サイクルに吐出する。
なお、実施の形態1〜実施の形態6のそれぞれにおける第1の凝縮温度(T1)、第2の凝縮温度(T2)、シェル31の温度、冷媒の蒸発温度、除霜運転の開始判定時の温度等は、一例であり、これに限定されるものではない。
また、暖房運転において、圧縮機1、52、53への液バックを避けるために、従来は冷媒の蒸発工程で完全にガス冷媒となってから圧縮機1、52、53に吸入するように運転していた。この発明の実施の形態1〜実施の形態6のそれぞれにおいては、圧縮機1、52、53から室外機12内に放熱される熱量によって冷媒はさらに蒸発されて圧縮機1、52、53の圧縮機構部Nに流入する。このため、暖房運転では圧縮機1、52、53の熱量で加熱されることを考慮し、完全にガス化されずに気液二相状態の冷媒が吸入側容器7や圧縮機52、53に吸入されるように運転してもよい。
1 圧縮機、 2 四方弁、 3 室外側熱交換器、 3a 外気温度センサー、 3b 室外側熱交換器温度センサー、 3c 室外制御基板、 4 室内側熱交換器、 4a 室内温度センサー、 4b 室内側熱交換器温度センサー、 4c 室内制御基板、 5 第1の膨張弁、 6 第2の膨張弁、 7 吸入マフラー、 8 伝熱部材、 9 室内送風機、 10 室外送風機、 11 室内機、 12 室外機、 13,14 ストップバルブ、 15、16 接続継手、 17、18 延長配管、 19 気液分離器、 19a 冷媒入口、 19b 冷媒出口、 20、20a、20b 凍結防止ヒーター、 21 電源、 22 室外機底板、 23 気液分離器固定具、 24 凍結防止ヒーター固定具、 25 底板固定ネジ、 26 ガスクーラ配管、 27 オイルクーラ配管、 28 電動機空間、 29 圧縮機構部空間、 30a、30b 冷媒通路、 31 密閉容器、 32 ステータ、 33 ロータ、 34 シャフト、 35 偏芯クランクシャフト、 36 シリンダー、 37 ローリングピストン、 38 シリンダーヘッド、 39 仕切りベーン、 40 フレーム、 41 吸入管、 42 圧縮室、 43 吐出ポート、 44 吐出バルブ、 45 吐出マフラー、 46 螺旋溝、 47 吐出管、 48a ガス冷媒取出口、 48b 冷媒再吸入口、 49a オイル取出口、 49b オイル再吸入口、 50 外付け吐出マフラー、 50a 流入口、 50b 流出口、 51 ガス冷媒通路、 52 低圧圧縮機、 53 高低圧圧縮機、 54 循環ポンプ、 55 オイル通路。

Claims (8)

  1. 圧縮機、冷媒の流れ方向を切り替える四方弁、室内側熱交換器、絞りの開度を調整可能な第1の膨張弁、室外側熱交換器、絞りの開度を調整可能な第2の膨張弁、を冷媒配管で順次環状に接続してなる冷凍サイクルと、
    密閉容器内に、圧縮機構部を配設する圧縮機構部空間と電動機を配設する電動機空間とを有し、前記圧縮機構部によって圧縮された高温高圧のガス冷媒を、前記圧縮機構部空間及び前記電動機空間に放出した後に前記冷凍サイクルに吐出する前記圧縮機と、
    前記圧縮機の吸入側の前記冷媒配管に接続されると共に前記密閉容器と熱的に接続される外表面を有する吸入側容器と、
    当該空気調和装置の運転を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記第2の膨張弁の開度を全開とし、前記第1の膨張弁の開度を調整して前記室外側熱交換器で冷媒を蒸発させると共に前記室内側熱交換器で冷媒を凝縮させることで室内の暖房運転を行い、
    前記暖房運転の途中で前記室外側熱交換器の表面に付着した霜を溶かす除霜運転を行う時に、前記室内側熱交換器で冷媒を第1の凝縮温度(T1)で凝縮、前記第1の膨張弁で減圧させた後、前記室外側熱交換器で冷媒を前記第1の凝縮温度(T1)よりも低い第2の凝縮温度(T2:T2<T1)で凝縮、前記第2の膨張弁で減圧させた後で前記吸入側容器内で蒸発させて、前記除霜運転を行うことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記密閉容器と前記吸入側容器の外表面を接触させ、さらに一端部が前記密閉容器に固定され、他端部が前記吸入側容器の外表面に固定される金属製の伝熱部材を介して、前記密閉容器と前記吸入側容器が熱的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
  3. 圧縮機、冷媒の流れ方向を切り替える四方弁、室内側熱交換器、絞りの開度を調整可能な第1の膨張弁、室外側熱交換器、絞りの開度を調整可能な第2の膨張弁、を冷媒配管で順次環状に接続してなる冷凍サイクルと、
    密閉容器内に、圧縮機構部を配設する圧縮機構部空間と前記圧縮機構部よりも下方に設けられる電動機を配設する電動機空間とを有し、前記圧縮機構部によって圧縮された高温高圧のガス冷媒を、前記圧縮機構部空間に放出した後に前記冷凍サイクルに吐出する前記圧縮機と、
    当該空気調和装置の運転を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記第2の膨張弁の開度を全開とし、前記第1の膨張弁の開度を調整して前記室外側熱交換器で冷媒を蒸発させると共に前記室内側熱交換器で冷媒を凝縮させることで室内の暖房運転を行い、
    前記暖房運転の途中で前記室外側熱交換器の表面に付着した霜を溶かす除霜運転を行う時に、前記室内側熱交換器で冷媒を第1の凝縮温度(T1)で凝縮、前記第1の膨張弁で減圧させた後、前記室外側熱交換器で冷媒を前記第1の凝縮温度(T1)よりも低い第2の凝縮温度(T2:T2<T1)で凝縮、前記第2の膨張弁で減圧させた後で前記電動機空間で蒸発させて、前記除霜運転を行うことを特徴とする空気調和装置。
  4. 前記第2の膨張弁と前記四方弁の間に設置される気液分離器と、前記圧縮機構部で圧縮された高温高圧のガス冷媒を前記密閉容器の外に導き、前記気液分離器の内部を通して前記密閉容器の前記圧縮機構部空間または前記電動機空間に再び流入させるガスクーラ配管と、を備え、
    前記除霜運転時に、前記第2の膨張弁で減圧させた冷媒を、前記気液分離器内で前記ガスクーラ配管内を流れる冷媒で加熱させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の空気調和装置。
  5. 圧縮機、冷媒の流れ方向を切り替える四方弁、室内側熱交換器、絞りの開度を調整可能な第1の膨張弁、室外側熱交換器、絞りの開度を調整可能な第2の膨張弁、を冷媒配管で順次環状に接続してなる冷凍サイクルと、
    密閉容器内に、圧縮機構部を配設する圧縮機構部空間と電動機を配設する電動機空間とを有し、前記圧縮機構部によって圧縮された高温高圧のガス冷媒を、吐出管で導いて前記冷凍サイクルに吐出する前記圧縮機と、
    当該空気調和装置の運転を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記第2の膨張弁の開度を全開とし、前記第1の膨張弁の開度を調整して前記室外側熱交換器で冷媒を蒸発させると共に前記室内側熱交換器で冷媒を凝縮させることで室内の暖房運転を行い、
    前記暖房運転の途中で前記室外側熱交換器の表面に付着した霜を溶かす除霜運転を行う時に、前記室内側熱交換器で冷媒を第1の凝縮温度(T1)で凝縮、前記第1の膨張弁で減圧させた後、前記室外側熱交換器で冷媒を前記第1の凝縮温度(T1)よりも低い第2の凝縮温度(T2:T2<T1)で凝縮、前記第2の膨張弁で減圧させた後で前記電動機空間と前記圧縮機構部空間で蒸発させて、前記除霜運転を行うことを特徴とする空気調和装置。
  6. 前記室外側熱交換器の近傍に設けられ、前記除霜運転で生じた霜の融解水の凍結を防止する凍結防止ヒーターと、前記第2の膨張弁と前記四方弁との間に設置される気液分離器と、を備え、
    前記凍結防止ヒーターと前記気液分離器の外表面とを熱的に接続し、
    前記除霜運転時に、前記第2の膨張弁で減圧させた冷媒を、前記気液分離器内で前記凍結防止ヒーターによって加熱させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の空気調和装置。
  7. 前記凍結防止ヒーターと前記気液分離器の外表面とを金属製の固定具によって接触させて固定することで、前記凍結防止ヒーターと前記気液分離器を熱的に接続したことを特徴とする請求項6記載の空気調和装置。
  8. 前記第2の膨張弁と前記四方弁の間に設置される気液分離器と、前記密閉容器内に封入される冷凍機油を前記密閉容器の外に導き、前記気液分離器の内部を通して前記密閉容器に再び流入させるオイルクーラ配管と、を備え、
    前記除霜運転時に、前記第2の膨張弁で減圧させた冷媒を、前記気液分離器内で前記オイルクーラ配管内を流れる前記冷凍機油によって加熱させることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の空気調和装置。
JP2012123904A 2012-05-31 2012-05-31 空気調和装置 Expired - Fee Related JP5862460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012123904A JP5862460B2 (ja) 2012-05-31 2012-05-31 空気調和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012123904A JP5862460B2 (ja) 2012-05-31 2012-05-31 空気調和装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013249986A true JP2013249986A (ja) 2013-12-12
JP5862460B2 JP5862460B2 (ja) 2016-02-16

Family

ID=49848850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012123904A Expired - Fee Related JP5862460B2 (ja) 2012-05-31 2012-05-31 空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5862460B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017145762A1 (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 三菱電機株式会社 ヒートポンプ装置及び空調機
CN110849021A (zh) * 2019-11-28 2020-02-28 浙江高翔工贸有限公司 一种持续式制热免化霜冷暖空调
CN113503628A (zh) * 2021-07-13 2021-10-15 珠海格力电器股份有限公司 空调机组参数的调整方法和装置、电子设备和存储介质
CN115164458A (zh) * 2022-07-26 2022-10-11 海信空调有限公司 空调器及其防油堵控制方法
JP7433409B2 (ja) 2020-02-17 2024-02-19 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108776025B (zh) * 2018-06-11 2020-07-31 江西江铃集团新能源汽车有限公司 电驱动系统的热管理系统测试平台

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5852946A (ja) * 1981-09-25 1983-03-29 ダイキン工業株式会社 冷暖房装置
JPS58124175A (ja) * 1982-01-20 1983-07-23 松下電器産業株式会社 空気調和機の冷凍サイクル
JPS59219667A (ja) * 1983-05-27 1984-12-11 株式会社東芝 空気調和装置
JPS6226465A (ja) * 1985-07-24 1987-02-04 株式会社東芝 空気調和機
JPH0244666U (ja) * 1988-09-16 1990-03-27
JPH03125871A (ja) * 1989-10-09 1991-05-29 Daikin Ind Ltd 蓄熱圧縮機
JPH08193758A (ja) * 1995-01-17 1996-07-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 冷凍装置
JP2003254632A (ja) * 2002-03-04 2003-09-10 Hitachi Ltd 空気調和機
JP2010078284A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Panasonic Corp 冷凍サイクル装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5852946A (ja) * 1981-09-25 1983-03-29 ダイキン工業株式会社 冷暖房装置
JPS58124175A (ja) * 1982-01-20 1983-07-23 松下電器産業株式会社 空気調和機の冷凍サイクル
JPS59219667A (ja) * 1983-05-27 1984-12-11 株式会社東芝 空気調和装置
JPS6226465A (ja) * 1985-07-24 1987-02-04 株式会社東芝 空気調和機
JPH0244666U (ja) * 1988-09-16 1990-03-27
JPH03125871A (ja) * 1989-10-09 1991-05-29 Daikin Ind Ltd 蓄熱圧縮機
JPH08193758A (ja) * 1995-01-17 1996-07-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 冷凍装置
JP2003254632A (ja) * 2002-03-04 2003-09-10 Hitachi Ltd 空気調和機
JP2010078284A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Panasonic Corp 冷凍サイクル装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017145762A1 (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 三菱電機株式会社 ヒートポンプ装置及び空調機
JPWO2017145762A1 (ja) * 2016-02-23 2018-09-06 三菱電機株式会社 ヒートポンプ装置及び空調機
CN110849021A (zh) * 2019-11-28 2020-02-28 浙江高翔工贸有限公司 一种持续式制热免化霜冷暖空调
JP7433409B2 (ja) 2020-02-17 2024-02-19 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置
CN113503628A (zh) * 2021-07-13 2021-10-15 珠海格力电器股份有限公司 空调机组参数的调整方法和装置、电子设备和存储介质
CN115164458A (zh) * 2022-07-26 2022-10-11 海信空调有限公司 空调器及其防油堵控制方法
CN115164458B (zh) * 2022-07-26 2023-10-13 海信空调有限公司 空调器及其防油堵控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5862460B2 (ja) 2016-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10563872B2 (en) Regenerative air conditioner
JP5862460B2 (ja) 空気調和装置
WO2017179500A1 (ja) 冷蔵庫および冷却システム
JP2017161093A (ja) 空気調和機の室外ユニットおよび制御方法
JP3882056B2 (ja) 冷凍空調装置
JP2007107771A (ja) 冷凍サイクル装置
KR101619016B1 (ko) 핫가스 제상 사이클을 갖는 냉동 장치
JP2010107181A (ja) 冷凍装置
JP2007051841A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2016142417A (ja) 空気調和機
JP2017161159A (ja) 空気調和機の室外ユニット
US20220252317A1 (en) A heat pump
JP2017161164A (ja) 空調給湯システム
JP5326479B2 (ja) 空気調和装置
JP5176874B2 (ja) 冷凍装置
JP4265034B2 (ja) 冷凍装置およびその制御方法と空気調和装置
JP2008082677A (ja) 過冷却装置
KR200362720Y1 (ko) 냉매사이클 시스템
JP6119804B2 (ja) 負荷冷却器のデフロスト方法
KR200362726Y1 (ko) 냉매사이클 시스템
KR101699084B1 (ko) 공기 조화 시스템
KR200362722Y1 (ko) 냉매사이클 시스템
KR101187286B1 (ko) 공조 시스템
KR200362721Y1 (ko) 냉매사이클 시스템
KR200362729Y1 (ko) 냉매사이클 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20140327

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151214

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5862460

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees