JP2013249917A - 締結構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】マグネシウム合金製またはアルミニウム合金製の構造部材を含む複数の構造部材同士を、マグネシウムおよびアルミニウムよりも電位的に貴な金属製の締結部材にて締結した締結構造体について、その構造部材の電解腐食を防止する。
【解決手段】マグネシウム合金製等の第1の構造部材10と、第2の構造部材20とを取り付け孔11、21が整合するように重ね合わせ、締結部材としてのボルト31の軸部31aを第1の構造部材10の側からこの取り付け孔11、21に差し込み、ここに第2の構造部材20の側からナット32をねじ合わせる。構造部材10、20とボルト31、ナット32の間に合成樹脂製の絶縁体40を介在させる。絶縁体40は、一体のスリーブ41、フランジ42と、別体のワッシャ43とからなる。ボルト31、ナット32と構造部材10、20の間に電子の移動が生じないようになり、電解腐食を防止することができる。
【選択図】図1
【解決手段】マグネシウム合金製等の第1の構造部材10と、第2の構造部材20とを取り付け孔11、21が整合するように重ね合わせ、締結部材としてのボルト31の軸部31aを第1の構造部材10の側からこの取り付け孔11、21に差し込み、ここに第2の構造部材20の側からナット32をねじ合わせる。構造部材10、20とボルト31、ナット32の間に合成樹脂製の絶縁体40を介在させる。絶縁体40は、一体のスリーブ41、フランジ42と、別体のワッシャ43とからなる。ボルト31、ナット32と構造部材10、20の間に電子の移動が生じないようになり、電解腐食を防止することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、重なり合う複数の構造部材同士を締結部材にて締結した締結構造体に関する。
パーソナルコンピュータや携帯電話などの筐体として、マグネシウム合金製の筐体が普及している。
これは、マグネシウムが実用金属中最も軽いことから、パーソナルコンピュータや携帯電話の軽量化を図るために用いられているものであるが、近年、自動車の軽量化を図るために、自動車のボディ等の構造部材についても、マグネシウム合金製とすることが研究されている。
これは、マグネシウムが実用金属中最も軽いことから、パーソナルコンピュータや携帯電話の軽量化を図るために用いられているものであるが、近年、自動車の軽量化を図るために、自動車のボディ等の構造部材についても、マグネシウム合金製とすることが研究されている。
ところで、この種の構造部材から完成品を組み上げる際には、複数の構造部材同士が重なり合った状態で、ボルト・ナットやリベット、ファスナー、アンカー、ピン、キーなど、前記構造部材内に差し込まれる軸部と前記構造部材の外面に対向する頭部を有する締結部材により締結することが多い。
締結部材は通常は鉄などのマグネシウムよりも電位的に貴な金属からなるが、これがマグネシウム合金製の構造部材の締結に用いられると、貴な金属からなる締結部材と卑な金属からなる構造部材がじかに接触することになる。
さらにここに雨水などが付着して水分が介在すると、マグネシウムのイオン化が促進されることで、卑な金属からなる構造部材を陽極とし、貴な金属からなる締結部材を陰極とし、マグネシウムイオンが溶け出した水分を電解液とする、ガルバニ電池が構成されることになる。
したがって、陽極となる構造部材の電解腐食(ガルバニック腐食)が生じてしまい、構造部材が破孔するなど、強度の低下の原因となる。
締結部材は通常は鉄などのマグネシウムよりも電位的に貴な金属からなるが、これがマグネシウム合金製の構造部材の締結に用いられると、貴な金属からなる締結部材と卑な金属からなる構造部材がじかに接触することになる。
さらにここに雨水などが付着して水分が介在すると、マグネシウムのイオン化が促進されることで、卑な金属からなる構造部材を陽極とし、貴な金属からなる締結部材を陰極とし、マグネシウムイオンが溶け出した水分を電解液とする、ガルバニ電池が構成されることになる。
したがって、陽極となる構造部材の電解腐食(ガルバニック腐食)が生じてしまい、構造部材が破孔するなど、強度の低下の原因となる。
パーソナルコンピュータや携帯電話などでは、外面に多量の水分が付着するような過酷な環境下での使用は稀であったため、そのマグネシウム合金製の筐体が電解腐食する問題は顕在化しなかった。
しかしマグネシウム合金の用途が広がり自動車のボディ等に用いられる場合、自動車は携帯電話等とは比較にならない過酷な環境で用いられるため、このような電解腐食の発生はできるだけ抑制することが要請される。
しかしマグネシウム合金の用途が広がり自動車のボディ等に用いられる場合、自動車は携帯電話等とは比較にならない過酷な環境で用いられるため、このような電解腐食の発生はできるだけ抑制することが要請される。
ここで特許文献1のように、マグネシウム合金からなる構造部材をアルミニウム合金製のボルト・ナットにより締結したものも考案されている。
締結部材であるボルトをアルミニウム合金製とすると、従来のように鉄製等である場合に比べて、マグネシウムとの電位差が小さいため、電解腐食の発生を低減することはできるが、しかしそれでも、電位差がある以上は電解腐食を完全に防止することはできない。
また、ボルトの表面に酸化被膜処理(アルマイト処理:アルマイトは登録商標)がなされている場合でも、摩擦等によりその被膜が剥がれてしまうと、電解腐食が発生してしまう。
締結部材であるボルトをアルミニウム合金製とすると、従来のように鉄製等である場合に比べて、マグネシウムとの電位差が小さいため、電解腐食の発生を低減することはできるが、しかしそれでも、電位差がある以上は電解腐食を完全に防止することはできない。
また、ボルトの表面に酸化被膜処理(アルマイト処理:アルマイトは登録商標)がなされている場合でも、摩擦等によりその被膜が剥がれてしまうと、電解腐食が発生してしまう。
以上の問題は、構造部材がマグネシウム合金製である場合のみならず、同じく実用金属の中では軽量なアルミニウム合金製であり、かつ締結部材がアルミニウムよりも電位的に貴な金属製である場合にも共通する。
そこで本発明の解決すべき課題は、マグネシウム合金製またはアルミニウム合金製の構造部材を含む複数の構造部材同士を、マグネシウムおよびアルミニウムよりも電位的に貴な金属製の締結部材にて締結した締結構造体について、その構造部材の電解腐食を防止することである。
上記した課題を解決するため、本発明の締結構造体を、取り付け孔が形成されたマグネシウム合金製またはアルミニウム合金製の特定構造部材を最外層として含む、重なり合う複数の構造部材と、前記特定構造部材の取り付け孔に差し込まれる軸部、および前記特定構造部材の外面に対向する頭部、を有するマグネシウムおよびアルミニウムよりも電位的に貴な金属製の締結部材と、前記軸部に外嵌するスリーブ、および前記締結部材の頭部と前記特定構造部材の間に挟みこまれるフランジ、を有する合成樹脂製の絶縁体と、から構成したのである。
前記締結部材は頭部と軸部を有する限り特に種類は限定されないが、ボルト・ナットまたはリベット、ファスナー、アンカー、ピン、キーであるのが好ましい。
前記締結部材は頭部と軸部を有する限り特に種類は限定されないが、ボルト・ナットまたはリベット、ファスナー、アンカー、ピン、キーであるのが好ましい。
締結構造体は、少なくもと前記特定構造部材の外面上に、前記締結部材の頭部を密封するように積層される合成樹脂製の密封体をさらに備えるのが好ましい。
特定構造部材と締結部材との間に合成樹脂製の絶縁体を介在させたため、両者の間に電子の移動が生じないようになり、電解腐食を防止することができる。
締結部材の頭部を密封体により密封すると、締結部材と特定構造部材との間に外部から水分が侵入することが防がれるため、水分による電解液の発生を抑制し、電解腐食を一層防止することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1に示す第1実施形態の締結構造体は、第1の構造部材10と第2の構造部材20を重ね合わせ、これを締結部材30としてのボルト31およびナット32により締結したものであり、たとえば自動車の構造体として用いられ、その電解腐食が防止されているものである。
特定構造部材としての第1の構造部材10は、マグネシウム合金製またはアルミニウム合金製であり、その厚み方向に貫通する取り付け孔11が形成されている。
マグネシウム合金およびアルミニウム合金の種類は特に限定されないが、AZ91(アルミニウムが約9重量%、亜鉛が約1重量%含まれ、残部がマグネシウムと不可避不純物からなるマグネシウム合金)が例示できる。
その厚みや寸法、形状等は特に限定されないが、主として自動車のボディを想定している。
マグネシウム合金およびアルミニウム合金の種類は特に限定されないが、AZ91(アルミニウムが約9重量%、亜鉛が約1重量%含まれ、残部がマグネシウムと不可避不純物からなるマグネシウム合金)が例示できる。
その厚みや寸法、形状等は特に限定されないが、主として自動車のボディを想定している。
第2の構造部材20は、その厚み方向に貫通する取り付け孔21を有し、この取り付け孔21が第1の構造部材10の取り付け孔11と整合するように、第1の構造部材10に重ねあわされている。
第2の構造部材20の材質は特に限定されないが、鋼製、合成樹脂製、マグネシウム合金製、アルミニウム合金製が例示できる。鋼としては、冷間圧延鋼としてのSPCCが、合成樹脂としては、FRP(繊維強化プラスチック)が例示できる。
その厚みや寸法、形状等は特に限定されないが、主として自動車のフレーム、シャーシ等を想定している。
第2の構造部材20の材質は特に限定されないが、鋼製、合成樹脂製、マグネシウム合金製、アルミニウム合金製が例示できる。鋼としては、冷間圧延鋼としてのSPCCが、合成樹脂としては、FRP(繊維強化プラスチック)が例示できる。
その厚みや寸法、形状等は特に限定されないが、主として自動車のフレーム、シャーシ等を想定している。
ボルト31は、軸部31aと軸部31aの端部に一体に形成された頭部31bとからなり、その軸部31aが第1および第2の構造部材10、20の取り付け孔11、21を挿通しており、その頭部31bが第1の構造部材10の外面と対向している。
ナット32はボルト31の軸部31aの先端にねじ合わされ、第2の構造部材20の外面と対向している。
ボルト31およびナット32は、マグネシウムおよびアルミニウムよりも電位的に貴な金属製であり、その限りにおいて材質は特に限定されないが、クロメート処理等の表面処理がなされた鉄製が例示できる。
ナット32はボルト31の軸部31aの先端にねじ合わされ、第2の構造部材20の外面と対向している。
ボルト31およびナット32は、マグネシウムおよびアルミニウムよりも電位的に貴な金属製であり、その限りにおいて材質は特に限定されないが、クロメート処理等の表面処理がなされた鉄製が例示できる。
ボルト31およびナット32と、第1および第2の構造部材10、20の間には、硬質の合成樹脂から形成された絶縁体40が介在している。
図1および図2に示すように、絶縁体40は、スリーブ41と、スリーブ41の端部に一体に形成されたフランジ42と、スリーブ41とは別体のワッシャ43と、からなる。
図1および図2に示すように、絶縁体40は、スリーブ41と、スリーブ41の端部に一体に形成されたフランジ42と、スリーブ41とは別体のワッシャ43と、からなる。
円筒形のスリーブ41の軸方向の長さは、第1および第2の構造部材10、20の厚みの合計とほぼ等しいかやや小さく、このスリーブ41はボルト31の軸部31aのほぼ全長にわたって外嵌し、かつ取り付け孔11、21に差し込まれている。
また円環形のフランジ42は、ボルト31の軸部31aの根元部に外嵌し、対向する第1の構造部材10とボルト31の頭部31bの間に挟みこまれている。同様に円環形のワッシャ43は、ボルト31の軸部31aの先端部に外嵌し、対向する第2の構造部材20とナット32の間に挟みこまれている。図示のように、フランジ42およびワッシャ43の外径は、ボルト31の頭部31bおよびナット32の外径よりも大きくなっている。
絶縁体40の材質は、硬質の合成樹脂製であり、電気絶縁性を有していれば特に限定されないが、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、MCナイロンが例示できる。
また円環形のフランジ42は、ボルト31の軸部31aの根元部に外嵌し、対向する第1の構造部材10とボルト31の頭部31bの間に挟みこまれている。同様に円環形のワッシャ43は、ボルト31の軸部31aの先端部に外嵌し、対向する第2の構造部材20とナット32の間に挟みこまれている。図示のように、フランジ42およびワッシャ43の外径は、ボルト31の頭部31bおよびナット32の外径よりも大きくなっている。
絶縁体40の材質は、硬質の合成樹脂製であり、電気絶縁性を有していれば特に限定されないが、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、MCナイロンが例示できる。
第1実施形態の締結構造体の構成は以上のようであり、マグネシウム合金製またはアルミニウム合金製の第1の構造部材10と、これよりも貴な金属からなるボルト31との間が、絶縁体40のスリーブ41とフランジ42により絶縁されているため、第1の構造部材10とボルト31との電子の移動が阻止され、第1の構造部材10の電解腐食が防止される。
同様に、第2の構造部材20とナット32との間も、絶縁体40のワッシャ43により絶縁されているため、第2の構造部材20の電解腐食が防止される。
なお、第2の構造部材20がマグネシウム合金製またはアルミニウム合金製のような卑な金属製ではない場合には、第2の構造部材20は電解腐食が生じにくいため、コストや手間を勘案して、ワッシャ43を適宜省略可能である。
同様に、第2の構造部材20とボルト31の軸部31aとの間を絶縁する必要がないときには、絶縁体40のスリーブ41の軸方向の長さを、第1の構造部材10の取り付け孔11のみにはまり込むような、第1の構造部材10の厚みとほぼ等しいものに変更可能である。
なお、第2の構造部材20がマグネシウム合金製またはアルミニウム合金製のような卑な金属製ではない場合には、第2の構造部材20は電解腐食が生じにくいため、コストや手間を勘案して、ワッシャ43を適宜省略可能である。
同様に、第2の構造部材20とボルト31の軸部31aとの間を絶縁する必要がないときには、絶縁体40のスリーブ41の軸方向の長さを、第1の構造部材10の取り付け孔11のみにはまり込むような、第1の構造部材10の厚みとほぼ等しいものに変更可能である。
図3に示す第2実施形態の締結構造体は、特定構造部材としての第1の構造部材10と第2の構造部材20を重ね合わせ、これを締結部材30としてのボルト31、ナット32により締結したものであり、ボルト31、ナット32と第1および第2の構造部材10、20の間には、絶縁体40が介在している。
以下、第1実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
以下、第1実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、第1の構造部材10上において、ボルト31の頭部31bは密封体50により外気から遮断された状態に密封されている。
この密封体50は、ボルト31の頭部31bの上に流動性を有する合成樹脂製の密封材を盛り付けて、硬化させることにより形成されている。
密封体50の材質は合成樹脂製である限り特に限定されないが、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系、シリコン系、ポリサルファ系、SBR系、ブチルゴム系等のコーキング剤が例示できる。
同様に、第2の構造部材20上において、ナット32は密封体50により外気から遮断された状態に密封されている。
この密封体50は、ボルト31の頭部31bの上に流動性を有する合成樹脂製の密封材を盛り付けて、硬化させることにより形成されている。
密封体50の材質は合成樹脂製である限り特に限定されないが、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系、シリコン系、ポリサルファ系、SBR系、ブチルゴム系等のコーキング剤が例示できる。
同様に、第2の構造部材20上において、ナット32は密封体50により外気から遮断された状態に密封されている。
密封体50でボルト31の頭部31bを密封することにより、第1の構造部材10とボルト31の間に水分が付着および介在するのを防止し、もって第1の構造部材10のマグネシウム等のイオン化を抑制して、電解腐食の発生をいっそう防止することができる。
また密封体50でナット32を密封することにより、ナット32と第2の構造部材20との隙間から、取り付け孔21を通じて第1の構造部材10の側へと水分が侵入するのを防ぐことができ、同様にイオン化を抑制することができる。
なおナット32を密封する密封体50は、第2の構造部材20が卑な金属製ではない場合には、ナット32と第2の構造部材20との間に電子の移動がほとんどおこなわれないため、コストや手間を勘案して省略することができる。
締結部分の部材間の形状は、水分の進入をできるだけ防ぐため平滑であることが望ましく、表面粗さがRmax5μmであるとなお望ましい。
また密封体50でナット32を密封することにより、ナット32と第2の構造部材20との隙間から、取り付け孔21を通じて第1の構造部材10の側へと水分が侵入するのを防ぐことができ、同様にイオン化を抑制することができる。
なおナット32を密封する密封体50は、第2の構造部材20が卑な金属製ではない場合には、ナット32と第2の構造部材20との間に電子の移動がほとんどおこなわれないため、コストや手間を勘案して省略することができる。
締結部分の部材間の形状は、水分の進入をできるだけ防ぐため平滑であることが望ましく、表面粗さがRmax5μmであるとなお望ましい。
図4に示す第3実施形態の締結構造体は、第1の構造部材10と第2の構造部材20を重ね合わせ、これを締結部材30としてのリベット33により締結したものであり、間には、絶縁体40が介在している。
以下、第1実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
以下、第1実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
特定構造部材としての第1の構造部材10と、第2の構造部材20とは、その取り付け孔11、21が整合した状態で重ね合わされ、軸部33aと第1の頭部33bを有するリベット33が、その軸部33aを第1の構造部材10の側から取り付け孔11、21へと差し込むことで取り付けられている。
リベット33は、軸部33aの第2の構造部材20の外面に突出する先端部が潰されることで、第2の頭部33cが形成され、これにより第1および第2の構造部材10、20は締結される。
リベット33の材質は、第1の構造部材10よりも電位的に貴な金属製である限りにおいて特に限定されないが、上記ボルト31と同様の材質が例示できる。また、第1の構造部材10がマグネシウム合金製である場合には、それよりも貴なアルミニウム合金製としてもよい。
リベット33は、軸部33aの第2の構造部材20の外面に突出する先端部が潰されることで、第2の頭部33cが形成され、これにより第1および第2の構造部材10、20は締結される。
リベット33の材質は、第1の構造部材10よりも電位的に貴な金属製である限りにおいて特に限定されないが、上記ボルト31と同様の材質が例示できる。また、第1の構造部材10がマグネシウム合金製である場合には、それよりも貴なアルミニウム合金製としてもよい。
ここで、第1の構造部材10の取り付け孔11の径は、第2の構造部材20の取り付け孔21の径よりも大きく、取り付け孔21の径は、リベット33の軸部33aの径とほぼ等しいかやや大きい寸法になっている。
絶縁体40は、円筒形のスリーブ41と、スリーブ41の端部に一体に形成された円環形のフランジ42とからなり、スリーブ41の軸方向の長さは第1の構造部材10の厚みとほぼ等しいかやや小さいものとなっている。
スリーブ41はリベット33の軸部33aに外嵌し、かつ上記した寸法関係から、第1および第2の構造部材10、20の取り付け孔11、21のうち、第1の構造部材10の取り付け孔11にのみ差し込まれている。フランジ42は、リベット33の軸部33aの根元部に外嵌し、その第1の頭部33bと第1の構造部材10の間に挟みこまれている。
この絶縁体40は、リベット33を第1および第2の構造部材に取り付ける前にあらかじめリベット33に外嵌しておくものとする。
絶縁体40は、円筒形のスリーブ41と、スリーブ41の端部に一体に形成された円環形のフランジ42とからなり、スリーブ41の軸方向の長さは第1の構造部材10の厚みとほぼ等しいかやや小さいものとなっている。
スリーブ41はリベット33の軸部33aに外嵌し、かつ上記した寸法関係から、第1および第2の構造部材10、20の取り付け孔11、21のうち、第1の構造部材10の取り付け孔11にのみ差し込まれている。フランジ42は、リベット33の軸部33aの根元部に外嵌し、その第1の頭部33bと第1の構造部材10の間に挟みこまれている。
この絶縁体40は、リベット33を第1および第2の構造部材に取り付ける前にあらかじめリベット33に外嵌しておくものとする。
この実施形態では、コスト等を勘案して、絶縁体40のワッシャを省略しているが、第2の構造部材20が卑な金属製である場合には、ワッシャを追加して第2の頭部33cと第2の構造部材20の間に挟みこんで絶縁してもよい。
同様に、絶縁体40のスリーブ41の軸方向の長さを大きくして、これにともない第2の構造部材20の取り付け孔21の径をスリーブ41が差し込まれるように拡大して、リベット33の軸部33aと第2の構造部材20とを絶縁してもよい。
さらに、上記第2実施形態と同様に、リベット33の第1および第2の頭部33b、33cを密封体より密封して外気を遮断してもよい。
同様に、絶縁体40のスリーブ41の軸方向の長さを大きくして、これにともない第2の構造部材20の取り付け孔21の径をスリーブ41が差し込まれるように拡大して、リベット33の軸部33aと第2の構造部材20とを絶縁してもよい。
さらに、上記第2実施形態と同様に、リベット33の第1および第2の頭部33b、33cを密封体より密封して外気を遮断してもよい。
図5に示す第4実施形態の締結構造体は、第1の構造部材10と第2の構造部材20を重ね合わせ、これを締結部材30としてのセルフピアスリベット34により締結したものである。
以下、第1から第3実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
以下、第1から第3実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
取り付け孔11が形成された特定構造部材としての第1の構造部材10と、取り付け孔が形成されていない第2の構造部材20とが重ね合わされ、中空の軸部34aと頭部34bを有するセルフピアスリベット34は、第1の構造部材10の側から軸部34aが取り付け孔11へと差し込まれている。
さらにセルフピアスリベット34の軸部34aの先端箇所は、第2の構造部材20の板面に工具を用いて適宜打ち込まれている。中空の軸部34aの先端はこの打ち込み時にかかる負荷により、図示のように第2の構造部材20の内部において、外側へと広がって変形する。
このためセルフピアスリベット34は、第2の構造部材20に固定され、これにより第1および第2の構造部材10、20は締結される。
さらにセルフピアスリベット34の軸部34aの先端箇所は、第2の構造部材20の板面に工具を用いて適宜打ち込まれている。中空の軸部34aの先端はこの打ち込み時にかかる負荷により、図示のように第2の構造部材20の内部において、外側へと広がって変形する。
このためセルフピアスリベット34は、第2の構造部材20に固定され、これにより第1および第2の構造部材10、20は締結される。
絶縁体40は、円筒形のスリーブ41と、スリーブ41の端部に一体に形成された円環形のフランジ42とからなり、スリーブ41は、リベット34の軸部34aに外嵌し第1の構造部材10の取り付け孔11にのみ差し込まれ、フランジ42は、リベット34の軸部34aの根元部に外嵌し、その第1の頭部34bと第1の構造部材10の間に挟みこまれている。
この絶縁体40は、リベット34を第1および第2の構造部材に取り付ける前にあらかじめリベット34に外嵌しておくものとする。
この絶縁体40は、リベット34を第1および第2の構造部材に取り付ける前にあらかじめリベット34に外嵌しておくものとする。
さらに、上記第2実施形態と同様に、リベット34の頭部34bを密封体より密封して外気を遮断してもよい。
上記第1、第3および第4実施形態の締結構造体に関して、第1の構造部材10としてAZ91板に電着塗装を施したものを、第2の構造部材20としてSPCC板に焼付け塗装を施したものを、ボルト31としてクロメート処理された鉄製ボルトを、リベット33およびセルフピアスリベット34として1000系アルミニウム合金製リベットを、それぞれ準備し、SST(塩水噴霧試験)をおこない、塩水噴霧後96時間放置し腐食の有無の確認をおこなったが、いずれも腐食が発生しなかった。
これに対して、絶縁体を用いないことを除き、同様の条件で試験をおこなったが、いずれも腐食が発生し、密封体の効果が確認された。
これに対して、絶縁体を用いないことを除き、同様の条件で試験をおこなったが、いずれも腐食が発生し、密封体の効果が確認された。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
たとえば上記実施形態では、締結部材30としてボルト31、ナット32、セルフピアスリベット34を含むリベット33を例示したが、これに限定されず軸部と頭部を有するすべての締結部材に本発明を適用可能である。
また構造部材として2枚が重なり合う態様を例示したが、これに限定されず3枚以上が重ね合わされていてもよい。
絶縁体40のフランジ42に凹部を設け、この凹部にボルト31やリベット33、34の頭部31b、33b、34bが収容されるようにし、その上から凹部内に密封体50を充填してもよい。
また構造部材として2枚が重なり合う態様を例示したが、これに限定されず3枚以上が重ね合わされていてもよい。
絶縁体40のフランジ42に凹部を設け、この凹部にボルト31やリベット33、34の頭部31b、33b、34bが収容されるようにし、その上から凹部内に密封体50を充填してもよい。
10 第1の構造部材
11 取り付け孔
20 第2の構造部材
21 取り付け孔
30 締結部材
31 ボルト
31a 軸部
31b 頭部
32 ナット
33 リベット
33a 軸部
33b 第1の頭部
33c 第2の頭部
34 セルフピアスリベット
34a 軸部
34b 頭部
40 絶縁体
41 スリーブ
42 フランジ
43 ワッシャ
50 密封体
11 取り付け孔
20 第2の構造部材
21 取り付け孔
30 締結部材
31 ボルト
31a 軸部
31b 頭部
32 ナット
33 リベット
33a 軸部
33b 第1の頭部
33c 第2の頭部
34 セルフピアスリベット
34a 軸部
34b 頭部
40 絶縁体
41 スリーブ
42 フランジ
43 ワッシャ
50 密封体
Claims (4)
- 取り付け孔が形成されたマグネシウム合金製またはアルミニウム合金製の特定構造部材を最外層として含む、重なり合う複数の構造部材と、
前記特定構造部材の取り付け孔に差し込まれる軸部、および前記特定構造部材の外面に対向する頭部、を有する、マグネシウムおよびアルミニウムよりも電位的に貴な金属製の締結部材と、
前記軸部に外嵌するスリーブ、および前記締結部材の頭部と前記特定構造部材の間に挟みこまれるフランジ、を有する合成樹脂製の絶縁体と、を備える締結構造体。 - 前記締結部材の頭部を外気から遮断するように、流動性を有する密封用合成樹脂材を盛り付け、これを硬化させてなる密封体をさらに備える請求項1に記載の締結構造体。
- 前記締結部材はボルト・ナットである、請求項1または2に記載の締結構造体。
- 前記締結部材はリベットである、請求項1または2に記載の締結構造体。
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