JP2013249027A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な方法で、減速機構の歯車がバックラッシ状態であるか否かが判定でき、異音や振動を防止し、操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】モータ回転角速度θm、及びモータの電流値Imにより、歯車のバックラッシ領域判定部を構成した。そして、歯車のバックラッシ領域判定部が、歯車のバックラッシ領域にあると判定した場合には、電流フィードバック手段の積分ゲインKiを零とする構成とした。その結果、モータ回転角速度θm、及びモータの電流値Imにより、歯車がバックラッシ領域にあるか否かが簡単に判定できると同時に、歯車のバックラッシ領域にある場合には、モータにかかる負荷が小さくなるので、積分ゲインKiを零とすることにより、モータ実電流値Imを小さくでき、異音や振動を防止し、操舵フィーリングの向上を図ることができる。
【選択図】図2
【解決手段】モータ回転角速度θm、及びモータの電流値Imにより、歯車のバックラッシ領域判定部を構成した。そして、歯車のバックラッシ領域判定部が、歯車のバックラッシ領域にあると判定した場合には、電流フィードバック手段の積分ゲインKiを零とする構成とした。その結果、モータ回転角速度θm、及びモータの電流値Imにより、歯車がバックラッシ領域にあるか否かが簡単に判定できると同時に、歯車のバックラッシ領域にある場合には、モータにかかる負荷が小さくなるので、積分ゲインKiを零とすることにより、モータ実電流値Imを小さくでき、異音や振動を防止し、操舵フィーリングの向上を図ることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、電動パワーステアリング装置は、操舵トルク、及び車速からモータ電流指令値を生成し、このモータ電流指令値とアシスト用モータに流れるモータ実電流値との電流偏差値をPID制御(比例・積分・微分補償)する電流フィードバック制御系を構成することにより、アシスト力を発生させている。
このとき、モータのアシスト力が、例えば、歯車機構で構成した減速機構を介して、ステアリングシャフトに伝達されることによって、ステアリングホイールの操舵力のアシストを行うようになっている。
歯車機構で構成した減速機構では、モータに取り付けられた歯車と、この歯車に対向する歯車との間に、バックラッシがあるため、モータの回転方向が切り換わるときに、異音や、振動が発生し、運転者に不快な感じを与える場合がある。
例えば、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置では、慣性モーメントが所定値以下の場合には、動力伝達機構の歯車がバックラッシ間を移動して、空転状態であると判定して、モータ電流指令値をローパスフィルタ処理して、異音や、振動を低減し、操舵フィーリングの向上を図っている。
しかし、上述したような方法では、慣性モーメントを正確に求めることは困難であり、そのため、動力伝達機構の歯車がバックラッシ間を移動して、空転状態である(以下、バックラッシ状態という)という判定に誤差が生じる。又、モータ電流指令値をローパスフィルタ処理することによって、切り遅れなど、操舵フィーリングの向上が十分に図れないという場合があった。
本発明の目的は、簡単な方法で、減速機構の歯車がバックラッシ状態であるか否かが判定でき、異音や振動を防止し、操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、モータと、モータを駆動源としてステアリング操作を補助するアシスト力を歯車機構で構成した減速機構を介して操舵系に付与する操舵力補助装置と、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記モータの電流を検出する電流検出手段と、前記モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、前記モータ回転角検出手段から検出した前記モータの回転角からモータ回転角速度を演算するモータ回転角速度演算手段と、前記操舵トルク検出手段から検出した操舵トルクと、前記車速検出手段から検出した車速からモータ電流指令値を生成する電流指令値演算手段と、前記電流指令値演算手段から生成されたモータ電流指令値に応じて、前記モータをフィードバック系で駆動する少なくとも比例・積分補償器を有する電流フィードバック手段と、前記モータに対する駆動電力の供給を通じて、前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記モータ回転角速度、及び前記モータの電流値により、前記減速機構を構成する前記歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であるかどうかを判定するバックラッシ状態判定部と、を備え、前記制御手段は、前記バックラッシ状態判定部が、前記歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であると判定した場合には、前記電流フィードバック手段の積分ゲインを零にすること、を要旨とする。
本請求項の電動パワーステアリング装置では、モータ回転角速度、及びモータの電流値により、減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であるかどうかを判定する、バックラッシ状態判定部を構成した。そして、バックラッシ状態判定部が、前記歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であると判定した場合には、前記電流フィードバック手段の積分ゲインを零とする構成とした。
その結果、モータ回転角速度、及びモータの電流値により、減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であるか否かが、簡単に判定できると同時に、バックラッシ状態である場合には、モータにかかる負荷が小さくなるので、積分ゲインを零とすることにより、モータ実電流値を小さくでき、異音や振動を防止し、操舵フィーリングの向上を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記バックラッシ状態判定部が、前記減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であると判定した後、前記バックラッシ状態判定部が、前記減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態でないと判定した場合には、前記電流フィードバック手段の積分ゲインを漸増すること、を要旨とする。
上記構成によれば、電流フィードバック手段の積分ゲインが零から漸増するので、急激なモータ実電流値の立ち上がりが抑えられ、スムーズな操舵フィーリングが得られる。
本発明によれば、簡単な方法で、減速機構の歯車がバックラッシ状態であるか否かが判定でき、異音や振動を防止し、操舵フィーリングの良い電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、コラム型の電動パワーステアリング装置(以下、EPSという)に具体化した本発明の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角が変更されるようになっている。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角が変更されるようになっている。
また、EPS1は、モータ21を駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ24と、EPSアクチュエータ24の作動を制御するECU27とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ24は、コラム型のEPSアクチュエータであり、その駆動源であるモータ21は、減速機構23を介してコラムシャフト8と駆動連結されている。そして、同モータ21の回転を減速機構23により減速してコラムシャフト8に伝達することによって、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成となっている。
一方、ECU27には、車速センサ25、トルクセンサ26、及びモータ回転角センサ22が接続されており、ECU27は、これら各センサの出力信号に基づいて、車速V、操舵トルクτ、及びモータ回転角θmを検出する。
尚、トルクセンサ26はツインレゾルバ型のトルクセンサである。ECU27は、図示しないトーションバーの両端に設けられた一対のレゾルバの各出力信号に基づいて操舵トルクτを演算する。また、ECU27は、これら検出される各状態量に基づいて目標アシスト力を演算し、その駆動源であるモータ21への駆動電力の供給を通じて、EPSアクチュエータ24の作動、即ち操舵系に付与するアシスト力を制御する。
次に、本実施形態のEPS1における電気的構成について説明する。
図2は、本実施形態のEPS1の制御ブロック図である。同図に示すように、ECU27は、モータ制御信号を出力するマイコン29と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ24の駆動源であるモータ21に駆動電力を供給するモータ駆動回路40、及びモータ21に通電されるモータ実電流値Imを検出するためのモータ電流検出部41とを備えている。
図2は、本実施形態のEPS1の制御ブロック図である。同図に示すように、ECU27は、モータ制御信号を出力するマイコン29と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ24の駆動源であるモータ21に駆動電力を供給するモータ駆動回路40、及びモータ21に通電されるモータ実電流値Imを検出するためのモータ電流検出部41とを備えている。
モータ駆動回路40は、直列に接続された一対のスイッチング素子を基本単位(アーム)として2つのアームを並列接続してなる公知のHブリッジ回路(図示せず)である。また、マイコン29の出力するモータ制御信号は、モータ駆動回路40を構成する各スイッチング素子のオンデューティ比を規定するものとなっている。モータ制御信号が各スイッチング素子のゲート端子に印加され、モータ制御信号に応答して、各スイッチング素子がオン/オフすることにより、バッテリ28の電源電圧に基づくモータ駆動電力を生成して、モータ21へと出力する構成になっている。
ECU27には、モータ21のモータ回転角θmを検出するためのモータ回転角センサ22が接続されている。そして、マイコン29は、これら各センサの出力信号に基づき検出されたモータ21のモータ回転角θm、モータ21に通電されるモータ実電流値Im、並びに上記操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、モータ駆動回路40にモータ制御信号を出力する。
以下に示す各制御ブロックは、マイコン29が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。マイコン29は、所定のサンプリング周期で上記各状態量を検出し、所定周期毎に以下の各制御ブロックに示される各演算処理を実行することにより、モータ制御信号を生成する。
図2に示すように、マイコン29は、モータ21を制御するモータ電流指令値I*を演算する電流指令値演算部30と、上記モータ駆動回路40を制御するモータ制御信号を生成するモータ制御信号生成部44と、を備えている。
トルクセンサ26により検出された操舵トルクτ、及び車速センサ25により検出された車速Vは、電流指令値演算部30に入力される。電流指令値演算部30は、横軸に操舵トルクτ、縦軸にモータ電流指令値I*で構成されたマップ(図示せず)である。また、上記マップは、車速Vをパラメータとして、同じ操舵トルクτの場合、車速Vが小さいほど、モータ電流指令値I*は大きくなっている。
モータ制御信号生成部44は、電流指令値演算部30で演算されたモータ電流指令値I*と、モータ電流検出器41から検出されたモータ実電流値Imと、モータ回転角センサ22から検出されたモータ回転角θmを入力する。そして、モータ制御信号生成部44は、上記入力した各状態量(I*、Im、θm)と、減算器35、PID制御器(比例・積分・微分補償)31、加算器36、PWM出力部37、バックラッシ領域判定部38、積分ゲインKiのメモリ領域38M、及び微分器39と、を備え電流フィードバック制御部を構成する。
バックラッシ状態判定部38は、モータ電流検出部41で検出されたモータ実電流値Im、及びモータ回転角センサ22から検出されたモータ回転角θmを、微分器39で微分したモータ回転角速度ωmを入力信号とする。そして、バックラッシ状態判定部38で判定したバックラッシ状態か否かにより、積分ゲインKiのメモリ領域38Mから、積分ゲインKiを読み出し、PID制御器31の積分項33に入力することによって、電流フィードバック制御を補償する。
PID制御器(比例・積分・微分補償)31には、モータ電流指令値I*と、モータ実電流値Imとを、減算器35で減算して得られる電流偏差値ΔIが入力される。
そして、電流偏差値ΔIを、比例項32、積分項33、及び微分項34で補償演算し、その出力値を加算器36で加算する。加算された状態量は、後段のPWM出力部37に入力される。尚、本実施形態では、上記積分項33の積分ゲインKiは、バックラッシ状態判定部38の判定結果により、可変構造となっている。
即ち、バックラッシ状態判定部38の判定結果がバックラッシ状態の場合には、積分ゲインKiは、零に設定される。
そして、電流偏差値ΔIを、比例項32、積分項33、及び微分項34で補償演算し、その出力値を加算器36で加算する。加算された状態量は、後段のPWM出力部37に入力される。尚、本実施形態では、上記積分項33の積分ゲインKiは、バックラッシ状態判定部38の判定結果により、可変構造となっている。
即ち、バックラッシ状態判定部38の判定結果がバックラッシ状態の場合には、積分ゲインKiは、零に設定される。
次に、本実施形態のマイコン29による、バックラッシ領域判定部38の処理手順について、図3に基づいて説明する。
最初に、マイコン29は、モータ回転角θm(n−1)を読込む(ステップS101)。次に、マイコン29は、モータ実電流値Im(n−1)を読込む(ステップS102)。そして、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n−1)を演算する(ステップS103)。
最初に、マイコン29は、モータ回転角θm(n−1)を読込む(ステップS101)。次に、マイコン29は、モータ実電流値Im(n−1)を読込む(ステップS102)。そして、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n−1)を演算する(ステップS103)。
次に、マイコン29は、モータ回転角θm(n)を読込む(ステップS104)。そして、マイコン29は、モータ実電流値Im(n)を読込む(ステップS105)。
そして、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n)を演算する(ステップS106)。
そして、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n)を演算する(ステップS106)。
次に、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n−1)と、モータ回転角速度ωm(n)の乗算が、零より小さいか否かを判定する(ステップS107)。そして、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n−1)と、モータ回転角速度ωm(n)の乗算が、零より小さい場合(ωm(n−1)・ωm(n)<0、ステップS107:YES)には、モータ回転方向が反転したと、判定する。
そして、マイコン29は、モータ回転方向が反転したと判定した場合には、次に、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n)がモータ回転角速度所定値ωmαより小さいか否かを判定する(ステップS108)。ここで、モータ回転角速度所定値ωmαは、歯車機構で構成した減速機構がバックラッシ間を移動することにより、歯車が空転状態となった、即ち、バックラッシ状態を判定するモータ回転角速度所定値である。
そして、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n)がモータ回転角速度所定値ωmαより小さい場合(ωm(n)<ωmα、ステップS108:YES)には、歯車機構で構成した減速機構がバックラッシ状態になったと、判定して、更に、モータ実電流値Im(n)と、モータ実電流値Im(n−1)の差の絶対値が、モータ電流所定値Imα以上か否かを判定する(ステップS109)。そして、マイコン29は、モータ実電流値Im(n)と、モータ実電流値Im(n−1)の差の絶対値が、モータ電流所定値Imα以上の場合(|Im(n)−Im(n−1)|≧Imα、ステップS109:YES)には、歯車機構で構成した減速機構が、歯当たり状態からバックラッシ状態に遷移したと判定し、バックラッシ状態確認フラグFLGをセットする(FLG=「1」、ステップS110)。そして、マイコン29は、積分ゲインKiを零にセット(Ki=「0」、ステップS111)し、処理を終わる。
一方、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n)がモータ回転角速度所定値ωmα以上の場合(ωm(n)≧ωmα、ステップS108:NO)、又は、モータ実電流値Im(n)と、モータ実電流値Im(n−1)の差の絶対値が、モータ電流所定値Imαより小さい場合(|Im(n)−Im(n−1)|<Imα、ステップS109:NO)には、歯車機構で構成した減速機構が、バックラッシ状態にないと判定し、処理を終わる。
更に、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n−1)と、モータ回転角速度ωm(n)の乗算が、零以上の場合(ωm(n−1)・ωm(n)≧0、ステップS107:NO)には、モータ回転角速度ωm(n−1)と、モータ回転角速度ωm(n)の乗算が、零より大きいか否かを判定する(ステップS112)。そして、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n−1)と、モータ回転角速度ωm(n)の乗算が、零より大きい場合(ωm(n−1)・ωm(n)>0、ステップS112:YES)には、バックラッシ状態確認フラグFLGが「1」か否かを判定する(ステップS113)。そして、マイコン29は、バックラッシ状態確認フラグFLGが「1」の場合(FLG=「1」、ステップS113:YES)には、バックラッシ状態抜け確認タイマT1をインクリメントする(T1=T1+1、ステップS114)。
次に、マイコン29は、バックラッシ状態抜け確認タイマT1が、バックラッシ状態抜け確認タイマ所定値T1s以上か否かを判定する(ステップS115)。そして、マイコン29は、バックラッシ状態抜け確認タイマT1が、バックラッシ状態抜け確認タイマ所定値T1s以上の場合(T1≧T1s、ステップS115:YES)には、積分ゲインKiに積分ゲイン漸増値ΔKiを加算する(Ki=Ki+ΔKi、ステップS116)。一方、マイコン29は、バックラッシ状態抜け確認タイマT1が、バックラッシ状態抜け確認タイマ所定値T1sより小さい場合(T1<T1s、ステップS115:NO)には、ステップS114に移行する。
次に、マイコン29は、積分ゲインKiが積分ゲイン所定値Kiα以上か否かを判定する(ステップS117)。そして、マイコン29は、積分ゲインKiが積分ゲイン所定値Kiα以上の場合(Ki≧Kiα、ステップS117:YES)には、バックラッシ状態確認フラグFLGをリセットする(FLG=「0」、ステップS118)。そして、マイコン29は、積分ゲインKiを積分ゲイン所定値Kiαにセット(Ki=「Kiα」、ステップS119)し、処理を終わる。
一方、マイコン29は、積分ゲインKiが積分ゲイン所定値Kiαより小さい場合(Ki<Kiα、ステップS117:NO)には、ステップS112に移行する。また、マイコン29は、モータ回転角速度ωm(n−1)と、モータ回転角速度ωm(n)の乗算が、零以下の場合(ωm(n−1)・ωm(n)≦0、ステップS112:NO)、又は、バックラッシ状態確認フラグFLGが「1」でない場合(FLG≒「1」、ステップS113:NO)には、ステップS119に移行する。
次に、上記のように構成された本実施形態のEPS1の作用及び効果について説明する。
本実施形態のEPS1では、モータ回転角速度、及びモータの電流値により、減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であるかどうかを判定する、バックラッシ状態判定部を構成した。そして、バックラッシ状態判定部が、歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であると判定した場合には、電流フィードバック手段の積分ゲインを零とする構成とした。
本実施形態のEPS1では、モータ回転角速度、及びモータの電流値により、減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であるかどうかを判定する、バックラッシ状態判定部を構成した。そして、バックラッシ状態判定部が、歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であると判定した場合には、電流フィードバック手段の積分ゲインを零とする構成とした。
その結果、モータ回転角速度、及びモータの電流値により、減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であるか否かが、簡単に判定できると同時に、バックラッシ状態である場合には、モータにかかる負荷が小さくなるので、積分ゲインを零とすることにより、モータ実電流値を小さくでき、異音や振動を防止し、操舵フィーリングの向上を図ることができる。
更に、本実施形態のEPS1では、バックラッシ状態判定部が、減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であると判定した後、バックラッシ状態判定部が、減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態でないと判定した場合には、電流フィードバック手段の積分ゲインを漸増する構成とした。
その結果、電流フィードバック手段の積分ゲインが零から漸増するので、急激なモータ実電流値の立ち上がりが抑えられ、異音や振動を防止し、スムーズな操舵フィーリングが得られる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であるかどうかを判定する、バックラッシ状態判定部を、モータ回転角速度と、モータ実電流値から求めるよう構成したが、バックラッシ状態判定部を、モータ回転角速度と、操舵トルクから求めるよう構成しても良い。
・本実施形態では、減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であるかどうかを判定する、バックラッシ状態判定部を、モータ回転角速度と、モータ実電流値から求めるよう構成したが、バックラッシ状態判定部を、モータ回転角速度と、操舵トルクから求めるよう構成しても良い。
・本実施形態では、前記バックラッシ状態判定部が、前記歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であると判定した場合には、前記電流フィードバック手段の積分ゲインを零にする必要はなく、積分ゲインを通常制御時の半分以下にするようにしても良い。
・本実施形態では、モータをDCモータについて記載したが、モータはブラシレスDCモータでもよい。
・本実施形態では、本発明をコラムアシストEPSに具体化したが、本発明をラックアシストEPSやピニオンアシストEPSに適用してもよい。
1:電動パワーステアリング装置(EPS)、2:ステアリング、
3:ステアリングシャフト、4:ラックアンドピニオン機構、5:ラック軸、
8:コラムシャフト、9:インターミディエイトシャフト、10:ピニオンシャフト、11:タイロッド、12:転舵輪、21:モータ、
22:モータ回転角センサ(モータ回転角検出手段)、23:減速機構、
24:EPSアクチュエータ(操舵力補助装置)、
25:車速センサ(車速検出手段)、26:トルクセンサ(操舵トルク検出手段)、
27:ECU、28:バッテリ、
29:マイコン(電流フィードバック手段、制御手段)、
30:電流指令値演算部(電流指令値演算手段)、
31:PID制御器(比例・積分・微分補償)、
32:比例項、33:積分項、34:微分項、35:減算器、36:加算器、
37:PWM出力部、38:バックラッシ状態判定部、
38M:積分ゲインKiのメモリ領域、39:微分器(モータ回転角速度演算手段)、40:モータ駆動回路、
41:モータ電流検出部(電流検出手段)、44:モータ制御信号生成部、
V:車速、τ:操舵トルク、θm:モータ回転角、ωm:モータ回転角速度、
I*:モータ電流指令値、Im:モータ実電流値、ΔI:電流偏差値、
Imα:モータ電流所定値、
ωmα:モータ回転角速度所定値、
Ki:積分ゲイン、Kiα:積分ゲイン所定値、ΔKi:積分ゲイン漸増値、
FLG:バックラッシ状態確認フラグ、
T1:バックラッシ状態抜け確認タイマ、
T1s:バックラッシ状態抜け確認タイマ所定値
3:ステアリングシャフト、4:ラックアンドピニオン機構、5:ラック軸、
8:コラムシャフト、9:インターミディエイトシャフト、10:ピニオンシャフト、11:タイロッド、12:転舵輪、21:モータ、
22:モータ回転角センサ(モータ回転角検出手段)、23:減速機構、
24:EPSアクチュエータ(操舵力補助装置)、
25:車速センサ(車速検出手段)、26:トルクセンサ(操舵トルク検出手段)、
27:ECU、28:バッテリ、
29:マイコン(電流フィードバック手段、制御手段)、
30:電流指令値演算部(電流指令値演算手段)、
31:PID制御器(比例・積分・微分補償)、
32:比例項、33:積分項、34:微分項、35:減算器、36:加算器、
37:PWM出力部、38:バックラッシ状態判定部、
38M:積分ゲインKiのメモリ領域、39:微分器(モータ回転角速度演算手段)、40:モータ駆動回路、
41:モータ電流検出部(電流検出手段)、44:モータ制御信号生成部、
V:車速、τ:操舵トルク、θm:モータ回転角、ωm:モータ回転角速度、
I*:モータ電流指令値、Im:モータ実電流値、ΔI:電流偏差値、
Imα:モータ電流所定値、
ωmα:モータ回転角速度所定値、
Ki:積分ゲイン、Kiα:積分ゲイン所定値、ΔKi:積分ゲイン漸増値、
FLG:バックラッシ状態確認フラグ、
T1:バックラッシ状態抜け確認タイマ、
T1s:バックラッシ状態抜け確認タイマ所定値
Claims (2)
- モータと、モータを駆動源としてステアリング操作を補助するアシスト力を歯車機構で構成した減速機構を介して操舵系に付与する操舵力補助装置と、
操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
前記モータの電流を検出する電流検出手段と、
前記モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、
前記モータ回転角検出手段から検出した前記モータの回転角からモータ回転角速度を演算するモータ回転角速度演算手段と、
前記操舵トルク検出手段から検出した操舵トルクと、前記車速検出手段から検出した車速からモータ電流指令値を生成する電流指令値演算手段と、
前記電流指令値演算手段から生成されたモータ電流指令値に応じて、前記モータをフィードバック系で駆動する少なくとも比例・積分補償器を有する電流フィードバック手段と、
前記モータに対する駆動電力の供給を通じて、前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、
前記モータ回転角速度、及び前記モータの電流値により、前記減速機構を構成する前記歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であるかどうかを判定するバックラッシ状態判定部と、を備え、
前記制御手段は、前記バックラッシ状態判定部が、前記歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であると判定した場合には、前記電流フィードバック手段の積分ゲインを零にすること、
を特徴とした電動パワーステアリング装置。 - 前記制御手段は、前記バックラッシ状態判定部が、前記減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態であると判定した後、前記バックラッシ状態判定部が、前記減速機構を構成する歯車の噛み合い状態がバックラッシ状態でないと判定した場合には、前記電流フィードバック手段の積分ゲインを漸増すること、
を特徴とした請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012126784A JP2013249027A (ja) | 2012-06-04 | 2012-06-04 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012126784A JP2013249027A (ja) | 2012-06-04 | 2012-06-04 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013249027A true JP2013249027A (ja) | 2013-12-12 |
Family
ID=49848129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012126784A Pending JP2013249027A (ja) | 2012-06-04 | 2012-06-04 | 電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013249027A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11239784B2 (en) | 2018-04-26 | 2022-02-01 | Hitachi Astemo, Ltd. | Motor drive device, controller, and electric vehicle system |
US11633859B2 (en) | 2019-10-18 | 2023-04-25 | Fanuc Corporation | Robot |
-
2012
- 2012-06-04 JP JP2012126784A patent/JP2013249027A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11239784B2 (en) | 2018-04-26 | 2022-02-01 | Hitachi Astemo, Ltd. | Motor drive device, controller, and electric vehicle system |
US11633859B2 (en) | 2019-10-18 | 2023-04-25 | Fanuc Corporation | Robot |
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