JP2013246637A - 信号処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】信号処理装置が高コスト化を招いており、複数の器材の間で基板単位の流用をすることができない。
【解決手段】一実施形態によれば、それぞれ宛先情報を有し基本周期毎に発生する複数系統のシリアルデータ信号を伝送させる複数並列のシリアル伝送路14と、それぞれこれらのシリアル伝送路14からのシリアルデータ信号の宛先情報によりこのシリアルデータ信号の受信又は廃棄を選択実行する複数のシリアル受信装置16と、シリアル受信装置16にバス接続されたバスブリッジ17、このバスブリッジ17からの受信データの記憶装置18および受信データによって信号処理を行うDSP19、20をそれぞれが有する複数枚のDSPカード15と、を備え、これらのDSPカード15はDSPカード枚数に基本周期を乗じて得た時間毎に信号処理の結果を出力する信号処理装置が提供される。
【選択図】図1
【解決手段】一実施形態によれば、それぞれ宛先情報を有し基本周期毎に発生する複数系統のシリアルデータ信号を伝送させる複数並列のシリアル伝送路14と、それぞれこれらのシリアル伝送路14からのシリアルデータ信号の宛先情報によりこのシリアルデータ信号の受信又は廃棄を選択実行する複数のシリアル受信装置16と、シリアル受信装置16にバス接続されたバスブリッジ17、このバスブリッジ17からの受信データの記憶装置18および受信データによって信号処理を行うDSP19、20をそれぞれが有する複数枚のDSPカード15と、を備え、これらのDSPカード15はDSPカード枚数に基本周期を乗じて得た時間毎に信号処理の結果を出力する信号処理装置が提供される。
【選択図】図1
Description
一実施形態は信号処理装置に関する。
移動目標の距離や方向を演算するレーダ装置には信号処理装置が設けられており、この信号処理装置にはDSPカードを用いたDSPソフトウェアが実装されている。レーダ装置はレーダ受信波を検波して大量のデータを出力し、シリアル通信路を介して送信する。信号処理装置の受信制御器又はそれを備えた受信制御装置は高い転送レートのシリアルデータ信号を受信するものであり、高速レートのシリアルデータ信号を処理する装置が知られている(例えば特許文献1参照)。レーダ装置や、レーダ情報を用いて対象の位置を可視化する画像処理装置へはシリアルデータ信号が入力される。シリアルデータ信号の基本周期は、数十〜数msecの範囲の値を持つ。
レーダ装置や画像処理装置は、処理周期が数十μsec〜数msecと短く、さらに処理すべきシリアルデータの量が巨大であり、50〜200MBytes/secと高速である。このため、従来、信号処理装置では受信制御を含む通信機能と信号処理機能とが分離されている。
従来、信号処理を汎用オペレーティングシステム(OS)を実装したパソコンによって実行する技術が知られている。例えばパソコンが持つ信号処理機能により、複数のマイクロホンが取得した音声信号に対して信号処理を施す装置(特許文献2参照)や、処理速度を向上させるレーダ信号処理装置が知られている(特許文献3参照)。
しかし、従来の信号処理装置は受信制御を含む通信機能と、信号処理機能とを分離して実装しているため、信号処理装置の高コスト化を招いている。各機能がそれぞれ専用機能として開発されている。個別に専用機能を持つため、異なる器材の間で基板単位の流用ができなかった。器材間の流用単位が、回路単位や、FFT(離散フーリエ変換)などの演算ライブラリ単位に留まり、その結果、信号処理装置の開発費用が高コストとなっている。
このような課題を解決するため、一実施形態によれば、それぞれ宛先情報を有し基本周期毎に発生する複数系統のシリアルデータ信号を伝送させる複数並列のシリアル伝送路と、それぞれこれらのシリアル伝送路からの前記シリアルデータ信号の前記宛先情報によりこのシリアルデータ信号の受信又は廃棄を選択実行する複数のシリアル受信装置と、前記シリアル受信装置にバス接続されたバスブリッジ、このバスブリッジからの受信データの記憶装置および前記受信データによって信号処理を行うDSPをそれぞれが有する複数枚のDSPカードと、を備え、これらのDSPカードはDSPカード枚数に前記基本周期を乗じて得た時間毎に前記信号処理の結果を出力する信号処理装置が提供される。
以下、実施の形態に係る信号処理装置について、図1乃至図5を参照しながら説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
図1は一実施形態に係る信号処理装置の処理構成例を示す図である。本実施形態に係る信号処理装置は複数枚のDSPカードによる高速シリアルデータ信号の受信制御装置であり、ケーブル10からの複数系統のアナログ信号をA/D(アナログ to ディジタル)変換してディジタルのシリアルデータ信号を出力するデータ出力装置11と、このデータ出力装置11がデータバス12に出力したシリアルデータ信号をマルチキャストする回線データ複製装置13とを備える。マルチキャストとは複数例えばN(Nは2以上の自然数を表す)個の宛先アドレスを指定し、同じデータを送信することを言う。この信号処理装置は、それぞれ宛先アドレス(宛先情報)を有し基本周期毎に発生するN本のシリアルデータ信号を伝送させるN本並列に設けられたシリアル伝送路14と、それぞれこれらのシリアル伝送路14からのシリアルデータ信号に対して信号処理演算を実行しデータサイズの小さい演算結果を出力するN枚のDSPカード15とを備えている。
これらのDSPカード15は、各シリアルデータ信号の宛先アドレスによりシリアルデータ信号の受信又は廃棄を選択実行する複数のシリアル通信装置16(シリアル受信装置)と、シリアル通信装置16にバス接続されたバスプロトコル変換機能部17(バスブリッジ)と、このバスプロトコル変換機能部17からの受信データを記憶する外部記憶装置18(記憶装置)とを備えている。各DSPカード15は、データ入出力を制御するDSP19(DSP_1)と、それぞれ外部記憶装置18に蓄えられた受信データによって信号処理を行うK個の別のDSP20(DSP_K)と、不揮発性記憶素子であるフラッシュROM21とを備えている。これらのDSPカード15はDSPカード枚数Nに基本周期を乗じて得た時間毎に信号処理結果を出力するようになっている。
本実施形態に係る信号処理装置は回線データ複製装置13のマルチキャストによって、例えば4枚並べられたDSPカード15(DSPカード_1〜DSPカード_4)に同じ時刻の受信シリアルデータ信号を入力していき、DSPカード_4へシリアルデータ信号を送った後、再度先頭に戻って次の時刻の受信シリアルデータ信号をDSPカード_1〜DSPカード_4に送るようにしている。一枚のDSPカード15は、元の基本周期を例えば50μ秒としたときに、50μ秒×カード枚数4による200μ秒の時間に一回シリアルデータ信号を受信する。50μ秒間隔で発生する連続4回分の一纏まりのシリアルデータ信号が4枚に振り分けられることによって、全てのシリアルデータ信号を取りこぼすことなく4枚のDSPカード15が約200μ秒の時間に一回演算結果を出力するようになっている。
データ出力装置11は、それぞれアナログ信号出力装置からの受信アナログ信号が入力されるN個のA/D変換部22と、データ出力装置11全体を制御するFPGA(field programmable gate array)23とを備える。アナログ信号出力装置は例えばレーダ装置のアンテナ部である。FPGA23はデータバス24を介してこれらのA/D変換部22からのディジタルデータを入力され各ディジタルデータからノイズを除去する。更にデータ出力装置11はこのFPGA23によるノイズの処理に必要なフィルタ定数を記憶する揮発性の外部記憶装置25と、それぞれデータバス26を介してFPGA23から出力されたパラレルデータをシリアル変換しN本のシリアルデータを出力するN個のシリアル通信装置27とを備えている。データバス12、データバス24、データバス26は発明者の内製による独自のバスである。
回線データ複製装置13は例えばSerial Rapid IOのマルチキャスト機能を実行し、データバス12からのシリアルデータをマルチキャストする。Serial Rapid IOとは、DSPIC間、基板間及びチップ間等における大容量高速データの伝送インターフェースプロトコル又は規格を言う。
シリアル伝送路14は各シリアル通信装置16と回線データ複製装置13との間を接続するデータバスである。このシリアル伝送路14には基本周期毎にそれぞれビット列からなるN本のシリアルデータ信号が流れる。基本周期とはデータ出力装置11が送信する複数本のシリアルデータ信号の受信周期である。一基本周期は固定値であり、例えば50〜数m秒の範囲の値である。代表的な基本周期は50μ秒であり、マイクロ秒のオーダである。この基本周期の値は汎用パソコンの入出力機器の処理速度であるミリ秒のオーダに比べて極めて短く、汎用パソコン及びその入出力機器では到底処理することができないオーダである。高速レートである基本周期を持つシリアルデータ信号がシリアル伝送路14から各DSPカード15へ伝送するようにされている。基本周期の値は信号処理装置の起動時にこの信号処理装置へ設定される。
複数枚のDSPカード15はフラッシュROM21から信号処理演算用のプログラムを読込み、ディジタルフィルタ処理やFFT処理などの信号処理演算を行って演算結果を出力する。一枚目のDSPカード15上に設けられたシリアル通信装置16はシリアルデータ信号に含まれる宛先アドレスおよび自アドレス情報を用いて受信可否の制御を行う。自アドレス情報とは、各シリアル通信装置16に固有の情報である。シリアル通信装置16はデータ出力装置11側へシリアルデータの受信確認の応答信号を送信する送信機能も有する。バスプロトコル変換機能部17は内部のデータバス28を介してシリアル通信装置16に接続されている。バスプロトコル変換機能部17はバス幅やデータ転送単位が異なるデータバス28、VMEバス29、データバス30及びデータバス31の間で、これらのバスのプロトコルに応じてデータをプロトコル変換してから転送する。これらのシリアル通信装置16及びバスプロトコル変換機能部17はASIC(特定用途向け集積回路)又はFPGAを使って1チップ化されてもよい。シリアル通信装置16及びバスプロトコル変換機能部17が一パッケージ化されることによってDSPカード15上での集積度を上げるようにされてもよい。外部記憶装置18は揮発性の記憶装置であり、ページメモリのような大容量のメモリが用いられている。
また、DSP19(DSP_1)及びK個のDSP20(DSP_K)は何れも内部メモリ33及びDMAコントローラ(DMAC)34を有する。各DSP19、20の内部メモリ33は小容量の記憶領域を有する。DMAコントローラ34はこの内部メモリ33に記憶されるデータをDMA転送する。フラッシュROM21はDSP19のI/O制御処理用のプログラム、及び各DSP20の信号処理用のプログラムを保持する。DSPカード15が起動された後、各DMAコントローラ34が各プログラムをそれぞれの内部メモリ33へ転送する。起動後、各DSP20は、内部メモリ33に記憶されたプログラムの計算命令にしたがって割当てられたDSPソフトウェアの演算処理を行う。
この一枚目のDSPカード15によるDSP構成はラウンドロビン方式又は巡回的並列処理を取るものである。各DSP20が互いに外部記憶装置18へアクセスする時間をずらして演算を実行し、データバス31におけるデータの衝突が回避されるようになっている。2枚目からN枚目のDSPカード15の構成は一枚目のDSPカード15の構成と同じである。
また、本実施形態に係る信号処理装置は、これらのN枚のDSPカード15の各バスプロトコル変換機能部17に接続されたVMEバス29と、これらのVMEバス29を介して各DSPカード15に接続されたホストCPU35(ホストプロセッサ)と、各DSPカード15がDSP演算して出力したデータをまとめる機能を持った統合処理装置36とを備えている。ホストCPU35はCPUカード37上に設けられている。このCPUカード37は各DSPカード15とともにVMEバス29に電気的に接続されている。
図2は本実施形態に係る信号処理装置の正面構造例を示す図である。既述の符号はそれらと同じ要素を表す。この信号処理装置の装置構造は、箱状のシャーシ40と、このシャーシ40の背面板に位置しVMEバス29を布線されたバックプレーン42と、それぞれバックプレーン42上において面上で等間隔に列設され各カード挿入空間を形成する複数のスロット開口41とを有する。最左のスロット開口41にはCPUカード37が差込まれており、このCPUカード37はホストCPU35と、メモリ32とを備える。メモリ32は、OSやこのホストCPU35用の計算アプリケーション及び通信アプリケーションの実行プログラムを記憶するROM領域と、作業データを記憶するRAM領域とを備える。ホストCPU35はコネクタ39及びLAN38を介して統合処理装置36に接続されている。VMEバス29上のアドレス空間はホストCPU35によって割当てられる。VMEバス29はホストCPU35及びDSPカード15によってアクセスされる。ホストCPU35は各DSPカード15がシャーシ40内に収容される物理的な位置の情報によりこれらのDSPカード15を示すアドレス情報を作成するようになっている。統合処理装置36は例えばパソコンである。統合処理装置36はホストCPU35から渡されるデータサイズの小さいデータを収集し、演算や制御を行う。演算や制御とは例えばサーボ制御される対象の機械部品に与える変位量の演算及び機械部品の駆動機構の制御を言う。
上述の構成を有する本実施形態に係る信号処理装置がDSPカード15に対して、シリアルデータ信号を送信するときのこの信号処理装置の動作について詳述する。全体タイミングチャートを図3に、受信制御機能を図4に、アドレス情報設定機能を図5に示す。
(1)全体処理タイミング
図3は4枚のDSPカード15及びデータ出力装置11の処理タイミングを示すタイミングチャートである。図3(a)はデータ出力装置11によるシリアルデータ信号の出力タイミングチャートである。一基本周期内に、データ出力装置11はアナログデータをAD変換する。この基本周期内にデータ出力装置11は、パラレルのディジタルデータをパラレルシリアル変換し、シリアルデータ信号の先頭部分に宛先アドレスを付与して出力する。宛先アドレスはDSPカード15のID番号であり、複数ビットにより表される。データ出力装置11は一種類の宛先アドレスを送信すべきデータに付与する。回線データ複製装置13は受信したシリアルデータ信号を4つに複製する。回線データ複製装置13は互いに同じ宛先アドレスを持つ4つのシリアルデータ信号を同時にシリアル伝送路14に出力する。データ「11〜N1」はある時刻の受信データであり、データ「12〜N2」は別の時刻の受信データである。「11〜N1」、データ「12〜N2」及びこれらの後続のデータ「13〜N3」…は全て異なる時刻の別データである。一纏まりのデータ「11〜N1」は、先頭に宛先データを有し、ビット列からなるチャネル1のシリアルデータ信号、ビット列からなるチャネル2のシリアルデータ信号ビット…ビット列からなるチャネルNのシリアルデータ信号を含む。
図3は4枚のDSPカード15及びデータ出力装置11の処理タイミングを示すタイミングチャートである。図3(a)はデータ出力装置11によるシリアルデータ信号の出力タイミングチャートである。一基本周期内に、データ出力装置11はアナログデータをAD変換する。この基本周期内にデータ出力装置11は、パラレルのディジタルデータをパラレルシリアル変換し、シリアルデータ信号の先頭部分に宛先アドレスを付与して出力する。宛先アドレスはDSPカード15のID番号であり、複数ビットにより表される。データ出力装置11は一種類の宛先アドレスを送信すべきデータに付与する。回線データ複製装置13は受信したシリアルデータ信号を4つに複製する。回線データ複製装置13は互いに同じ宛先アドレスを持つ4つのシリアルデータ信号を同時にシリアル伝送路14に出力する。データ「11〜N1」はある時刻の受信データであり、データ「12〜N2」は別の時刻の受信データである。「11〜N1」、データ「12〜N2」及びこれらの後続のデータ「13〜N3」…は全て異なる時刻の別データである。一纏まりのデータ「11〜N1」は、先頭に宛先データを有し、ビット列からなるチャネル1のシリアルデータ信号、ビット列からなるチャネル2のシリアルデータ信号ビット…ビット列からなるチャネルNのシリアルデータ信号を含む。
図3(b)は4枚のDSPカード15の各シリアル通信装置16の受信タイミングを示すタイムチャートである。N枚全てのシリアル通信装置16は最初にシリアルデータ信号「11〜N1」を受信する。全てのシリアル通信装置16は同時に、次の時刻においてシリアルデータ信号「12〜N2」を受信し、順にシリアルデータ信号「1M〜NM」までを受信する。Mは数百から数千の値の自然数を表す。
図3(c)は一枚目のDSPカード15のタイムチャートである。図3(d)、図3(e)及び図3(f)はそれぞれ2枚目、3枚目及び4枚目の各DSPカード15のタイムチャートである。図3(c)に示すように、一枚目のDSPカード15は一旦シリアルデータ信号を受信すると、次のシリアルデータ信号を受信するまでの間に、信号処理演算(処理1と付された部分参照)と、出力処理(出1と付された部分参照)とを実行する。出力処理とは、演算結果をホストCPUへ出力する処理や、あるいは次のデータを受信するためにハードウェアの準備処理を言う。これらの信号処理演算に要する時間及び出力処理に要する時間を足し合わせた時間が一枚のDSPカード15が担当する処理の時間である。この処理周期は演算内容や演算量に応じて長くされ、又は短くされることがある。一枚目のDSPカード15は一回目の信号処理演算及び一回目の出力処理演算の実行後、次の担当する処理のタイミングで信号処理演算(処理5と付された部分参照)と、出力処理(出5と付された部分参照)とを実行する。図3(d)から図3(f)に示す2枚目から4枚目の各DSPカード15による処理は一枚目のDSPカード15による処理と実質同じである。
結局、4枚のDSPカード15の何れかが一つの宛先アドレスのシリアルデータ信号を選択的に受信する。4枚のDSPカード15のうち処理担当の何れかがシリアルデータ信号を取込み、そうでない他の残りの3枚のDSPカード15はシリアルデータ信号を捨てる。シリアルデータ信号の先頭の宛先アドレスは基本周期毎に変えて出力される。4枚のDSPカード15のうちの何れか一つだけが自アドレス宛データの受信完了割込みを一回出す。各DSPカード15は四回に一回だけデータを取込む。
図3(g)はホストCPU35による処理のタイムチャートである。CPUカード37上のメモリ32には各DSPカード15からの演算結果データが50μ秒の間隔で溜められる。10個から20個の演算結果データがメモリ32に溜まると、割込みをホストCPU35へ出力し、必要な処理を行い、処理結果を統合処理装置36へ出力する。
図3(h)は統合処理装置36による処理のタイムチャートである。ホストCPU35は演算結果データを纏めて統合処理装置36へ送る。統合処理装置36は必要な処理を行い、計算結果を順次出力する。
以上を総括すると、データ出力装置11及びDSPカード15内のシリアル通信装置16による受信までは、全て基本周期に同期した処理である。各DSPカード15は、ラウンドロビン構成によって、基本周期×4段の信号処理可能時間を持つ。DSPカード15単位のパイプライン処理を行うことで、N系統全ての受信データに対する信号処理を洩れなく行うことが可能となる。これにより、基本周期=数十μsecのような「信号処理可能時間>データ受信間隔」の場合でも、信号処理を漏れなく完了できる。
このことから、従来例であれば受信制御機能と信号処理機能とを独立した基板として構成する必要があるところを、本実施形態に係る信号処理装置は図1の回線データ複製装置13とN枚のDSPカード15のみとでラウンドロビン構成を取ることができ、信号処理可能時間を基本周期×Nに増やすことができる。回線データ複製装置13は、自身がもつ回線数以内で、Nは大きくすることができるため、広範囲な基本周期に対応できる信号処理装置が構築できる。
(2)受信制御機能
図4は本実施形態に係る信号処理装置による受信制御処理のフローチャートである。
図4は本実施形態に係る信号処理装置による受信制御処理のフローチャートである。
ステップA1において信号処理装置は受信設定を行う。データ出力装置11は基本周期毎に、送信データ内に設けた受信対象アドレス領域(例えばデータの先頭アドレスから4番目)に、受信すべきDSPカード15を示す番号を付加する。番号は1からNである。ここではデータ出力装置11が番号に1を設定したとする。ステップA1においてDSPカードは、受信設定、及び自ID設定を行う。
ステップA2において4枚のDSPカード15は受信を開始する。この受信処理の開始に先立ち、予めこれらのDSPカード15はシリアル通信装置16に対して受信可データパターン(受信可能なデータパターン)として自アドレス情報を設定しておく。自アドレス情報、基板IDあるいは基板アドレスの設定方法としてDSPカード15はホストCPU35がソフトウェア的に設定する方法を行う。例えばVMEバス29のVME規格はCR/CSR(Configuration ROM and Control Status Register)レジスタを使う複数のスロットの番号を割当てる方法を規定しており、予めホストCPU35が同一のVMEバックプレーン42に属する全てのカードのCR/CSRレジスタからカード種別を収集しCPUカード37及びN枚のDSPカード15にそれぞれアドレス情報を割付けてしておく。設定後、データ出力装置11において受信アナログ信号からシリアルデータ信号が生成され、回線データ複製装置13から複製されたシリアルデータ信号が出力される。シリアル通信装置16は、設定された情報に基づき、選択的受信処理を行う。情報とは抽出対象アドレス(ここでは4)と、自アドレス情報、即ち受信可データパターンとを言う。
ステップA3においてシリアル通信装置16は受信が完了したかどうかを判定する。受信完了でない間、Noルートを通り、ステップA2の処理をシリアル通信装置16は行い、受信が完了したと判定すると、Yesルートを通り、シリアル通信装置16はステップA4において受信シリアルデータ信号の宛先情報と受信可パターンとが一致したかどうかを判定する。
ステップA4において、シリアル通信装置16は受信シリアルデータ信号の宛先情報が受信可パターンと一致した場合、Yesルートを通り、ステップA5においてシリアル通信装置16は受信データを保存する。ここでは受信対象アドレスと受信可データパターンとが一致した場合のみ受信可となるという例である。図1(2)に示すとおり、シリアル通信装置16は受信データを外部記憶装置18へ保存する。ステップA6においてシリアル通信装置16は受信割込みを発生させる。ステップA7において、割込みの発生を信号処理の開始のトリガとして受けて、各DSP20は信号処理を開始する。
一方、ステップA4において、シリアル通信装置16は受信シリアルデータ信号の宛先情報が受信可パターンと一致しない場合、Noルートを通り、ステップA8においてシリアル通信装置16は受信データを廃棄する。受信否の場合、シリアル通信装置16は受信データを破棄し、受信完了割込みも出力しない。この例では、受信対象アドレスデータは「1」であることから、一枚目のDSPカード15が受信対象となり、2枚目からN枚目の各DSPカード15は受信データを破棄する。シリアル通信装置16による受信データの選択受信機能が実現する。ステップA2に戻ってデータ出力装置11は次の時刻の受信アナログ信号からシリアルデータ信号を生成する。
このように信号処理装置はシリアル通信装置16により選択的な受信を行うため受信制御機能を持つ。図4のフローチャートは、信号処理装置において「信号処理可能時間>データ受信間隔」となった場合の回避策の例である。シリアル通信装置16は、受信データの先頭から4番目のデータを抽出し、シリアル通信装置16内に設定されている受信可データパターンを用いて、受信可否を判断することができるようになる。
(3)アドレス情報設定機能
図5は本実施形態に係る信号処理装置に用いられるホストプロセッサによるカードアドレス設定例を示す線図である。
図5は本実施形態に係る信号処理装置に用いられるホストプロセッサによるカードアドレス設定例を示す線図である。
ホストCPU35による各DSPカード15へのアドレス情報の設定機能について述べる。図5(a)はホストCPU35によるDSPカード15の探索処理の結果を示しており、メモリ32のRAM領域の内容を示している。ホストCPU35は、図1の(1)と付された経路に示すとおり、同一のVMEバックプレーンに属する全カードに対して、ANSI/VITA 1−1994 VME64で定義されたCR/CSRレジスタの値を読込んでカード種別を収集し、図5(a)のカード探索結果を作成する。図2及び図5(a)に示すように、スロット開口41のうちスロット番号5、11の2つにDSPカード15が差込まれている。
次に、ホストCPU35は、カード探索結果に対して、カード番号を1から順番に割付け、図5(b)に示すカード番号割当て結果を作成する。カード番号は1から21までとし、「0」は、カード無しを示す。最後に、ホストCPU35は、図1の(1)に示すとおり、スロット番号に対応したカード番号を、対象とするDSPカードへ設定する。スロット番号5のDSPカード15がDSPカード_1とされる。スロット番号11のDSPカード15がDSPカード_2とされる。
基本周期×カード枚数で決まる時間内に、一枚のDSPカード15が演算結果を出力し、後段のホストCPU35に処理が引き継がれる。
従来例による信号処理装置では受信制御を含む通信機能と、信号処理機能とが分離して実装されているため、信号処理装置の高コスト化を招いている。各機能がそれぞれ専用機能として開発されている。個別に専用機能を持つため、複数の器材の間で基板単位の流用ができない。器材間の流用単位が、回路単位や、FFT(離散フーリエ変換)などの演算ライブラリ単位に留まり、その結果、信号処理装置の開発費用が高コストとなっている。
シリアルデータ信号の処理周期が数msec以上であれば、パソコンを用いて信号処理を行うことも可能であり、パソコンは大容量のメモリ領域を使ってOS及びアプリケーションプログラムを動作させて信号処理を実行する。しかし処理周期が数十μsecである場合、パソコンでは受信制御、通信機能及び信号処理機能を実行することができない。パソコンOSを用いてm秒オーダで動作すれば良い機能と、信号処理装置がDSPカードを用いてμ秒オーダで動作しなければならない機能とは本質的に異なり、設計上の難易度が全く異なる。パソコンに汎用の拡張カードやケーブルを取付けてm秒オーダのレートのデータ信号を受信する機能と、信号処理装置が実行する上記受信制御を含む通信機能や信号処理機能とは技術内容が全く異なる。PCは高速処理には全く対応出来ない。
これに対して本実施形態に係る信号処理装置は、通信機能と信号処理機能とを統合でき、高速シリアル通信の受信データを洩れなく外部記憶装置18へ保存し、必要な信号処理を実現する。また、器材間の流用単位を基板とし、信号処理装置を安価に構築することが可能となる。
尚、上記の実施形態は実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。上記の実施形態では、シリアル通信装置16はDSPカード1のカード上に設けられていたが、各シリアル通信装置16はDSPカード1と別個に設けてこれらを配線によって接続しても良い。DSPカード15の枚数は4枚であったが、ホストCPU35側の処理速度の範囲内で8枚並列にするなど適宜枚数変更可能であることは言うまでもない。
DSPカード15へのアドレス情報の割当てはCR/CSRレジスタを受信開始前に割当てる方法のほかにも、DSPカード基板上に予めDIPスイッチを載せておき、ホストCPU35が各DIPスイッチの各行の接点位置が上か下かを読込むようにしてもよい。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…ケーブル、11…データ出力装置、12,24,26,30,31…データバス、13…回線データ複製装置、14…シリアル伝送路、15…DSPカード、16…シリアル通信装置、17…バスプロトコル変換機能部(バスブリッジ)、18…外部記憶装置(記憶装置)、19,20…DSP、21…フラッシュROM、22…A/D変換部、23…FPGA、25…外部記憶装置、27…シリアル通信装置、28…内部のデータバス、29…VMEバス、32…メモリ、33…内部メモリ、34…DMAコントローラ、35…ホストCPU(ホストプロセッサ)、36…統合処理装置、37…CPUカード、38…LAN、39…コネクタ、40…シャーシ、41…スロット開口、42…バックプレーン。
Claims (2)
- それぞれ宛先情報を有し基本周期毎に発生する複数系統のシリアルデータ信号を伝送させる複数並列のシリアル伝送路と、
それぞれこれらのシリアル伝送路からの前記シリアルデータ信号の前記宛先情報によりこのシリアルデータ信号の受信又は廃棄を選択実行する複数のシリアル受信装置と、
前記シリアル受信装置にバス接続されたバスブリッジ、このバスブリッジからの受信データの記憶装置および前記受信データによって信号処理を行うDSPをそれぞれが有する複数枚のDSPカードと、を備え、
これらのDSPカードはDSPカード枚数に前記基本周期を乗じて得た時間毎に前記信号処理の結果を出力する信号処理装置。 - 前記複数のシリアル受信装置はそれぞれ前記シリアルデータ信号の前記宛先情報および自アドレス情報を用いて受信可否の制御を行う請求項1記載の信号処理装置。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012119794A Pending JP2013246637A (ja) | 2012-05-25 | 2012-05-25 | 信号処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013246637A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104459669A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-03-25 | 珠海纳睿达科技有限公司 | 雷达反射信号处理装置及其处理方法 |
CN109001688A (zh) * | 2018-05-28 | 2018-12-14 | 中国电子科技集团公司第二十九研究所 | 一种基于雷达信号并行处理的中间数据存储方法及装置 |
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2012
- 2012-05-25 JP JP2012119794A patent/JP2013246637A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104459669A (zh) * | 2014-12-10 | 2015-03-25 | 珠海纳睿达科技有限公司 | 雷达反射信号处理装置及其处理方法 |
CN109001688A (zh) * | 2018-05-28 | 2018-12-14 | 中国电子科技集团公司第二十九研究所 | 一种基于雷达信号并行处理的中间数据存储方法及装置 |
CN109001688B (zh) * | 2018-05-28 | 2022-08-02 | 中国电子科技集团公司第二十九研究所 | 一种基于雷达信号并行处理的中间数据存储方法及装置 |
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