JP2013245241A - 顔料分散組成物 - Google Patents

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徹 今野
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Abstract


【課題】
優れた色再現性を示し、かつ安定吐出可能なインクジェットインキを提供するための顔料分散組成物。
【解決手段】
表面酸価が100〜400μmol/gであるローダミン系染料の金属レーキ化合物からなる顔料を含
有し、上記顔料を湿式分散法により分散して得られる顔料分散組成物。
さらに、上記顔料分散組成物中にDPGDA(ジプロピレングリコールジアクリレート)、VEEA(アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル)、LA(ラウリルアクリレート)、DVE−3(トリエチレングリコールジビニルエーテル)、DVE−2(ジエチレングリコールジビニルエーテル)、NDDA(1、9ーノナンジオールジアクリレート)、DDDA(1、10ーデカンジオールジアクリレート)から選ばれる少なくとも一種類以上のモノマーを組成物中50%以上含有することを特徴とする顔料分散組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ローダミン系染料の金属レーキ化合物を湿式分散法による分散して得られる色再現性に優れた顔料組成物に関する。特に本発明の顔料組成物は、それを用いることによって優れた色再現性を示し、かつ安定吐出可能なインクジェットインキの提供に関する。
従来からインクジェットインキは、用途に応じて着色剤を選択してきた。屋外広告などの用途では、色再現性を犠牲にして高い耐光性を優先し、また、パーソナルユースで写真レベルの画質を要求される用途では、染料などを使用し、耐光性を犠牲にして色再現を優先する着色剤が選択されている。高い色再現性を持ち、かつ汎用印刷物と同程度の耐光性を有するタイプのインクジェットインキは市場で求められていながらも、品質を満たす着色剤の選択肢が少ないため、十分な品質を達成することができなかった。特に活性エネルギー線硬化型インクジェットインキでは、分散性と溶解性のバランスを得ることができず、上市に至っていないのが現状である。
また、従来、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは、その溶剤タイプと比較し、乾燥性の速さや、環境負荷低減面から高速印字型のサイネージプリンタに、または基材密着性に優れる面から、多種基材対応のフラットベット型プリンタに搭載され、用途に応じたインキ処方の開発が進められてきた。
しかしながら、その乾燥性の速さから、ドットのレベリング性が悪く、グロス感、色再現性に乏しい印刷物が得られることが多く、印刷品位が市場に受け入れにくい場合があり、特に高級印刷市場への適用が難しかった。 この課題に対し、ヘッドが基材上をスキャンし、重ねて印字するタイプのプリンタでは、上記課題に対し、ドットの着弾位置やランプタイミングなどを調整することにより高品位画像を得ることができた。しかしながら近年開発されている1Passタイプのプリンタでは、各色のドットを一層で印字するため、着弾位置や硬化タイミングの調整が難しく、高品位の画像を得ることができなかった。
近年、印刷市場の小ロット化は加速し、色再現性に優れるインクジェット印刷による印字物の需要は高く、ローダミン系染料の金属レーキ化合物を用いたインクジェットインキを実用化する取り組みが行われている。特許文献1では、石油系溶剤にローダミン系染料の金属レーキ化合物を分散し、インクジェットインキを作成している。ここで用いられる石油系溶剤は、ローダミン系染料の金属レーキ化合物の溶解性が著しく低いため、顔料分散を行うことが比較的容易である。
また、特許文献2では、カーボンブラック顔料分散体水溶液に、モノマーを添加する例が示されている。明細中には、塩基性染料からのレーキ顔料の記載があるが、実施例に従いカーボンブラックをローダミン系染料の金属レーキ化合物に置き換え、THFと混合した結果、金属レーキ化合物が溶解し、水性分散体を得ることができなかった。また、上記顔料溶解水溶液にTMPTAを添加した結果、水溶液とTMPTAが分離し、顔料分が固化していることが分かった。つまり、ローダミン系染料の金属レーキ化合物をモノマー中で分散することは従来極めて難しい技術であった。
特開平5−320551号公報 国際公開96/28518
本発明による顔料分散組成物を提供することにより、特にこの顔料分散組成物を含有してなる活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに使用した場合、従来のインクジェットインキによる印刷物では得られない色再現と耐光性の両立、ならびにインクジェット印刷適性に優れたインキを提供することができる。
すなわち本発明は、表面酸価が100〜400μmol/gであるローダミン系染料の金属レーキ化合物からなる顔料を含有し、上記顔料を湿式分散法により分散して得られる顔料分散組成物に関するものである。
また本発明は、上記顔料分散組成物中にDPGDA(ジプロピレングリコールジアクリレート)、VEEA(アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル)、LA(ラウリルアクリレート)、DVE−3(トリエチレングリコールジビニルエーテル)、DVE−2(ジエチレングリコールジビニルエーテル)、NDDA(1、9ーノナンジオールジアクリレート)、DDDA(1、10ーデカンジオールジアクリレート)から選ばれる少なくとも一種類以上のモノマーを組成物中50重量%以上含有することを特徴とする上記顔料分散組成物に関する。
また本発明は、上記ローダミン系染料の金属レーキ化合物の一次粒径が10nm〜150nmであって、且つ二次粒径が5μm〜50μmであることを特徴とする上記顔料分散組成物に関する。
さらに本発明は、顔料濃度を5重量%に希釈した場合の流動性値が1.0以上、1.5未満であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の上記顔料分散組成物に関する。
さらに本発明は、ローダミン系染料の金属レーキ化合物として、ピグメントバイオレット1、ピグメントバイオレット1:1、ピグメントバイオレット2、ピグメントバイオレット2:2、ピグメントレッド81、ピグメントレッド81:1、ピグメントレッド81:2、ピグメントレッド81:3、ピグメントレッド81:4、ピグメントレッド81:5、ピグメントレッド169、ピグメントレッド173であることを特徴とする上記顔料分散組成物に関する。
さらに本発明は、上記顔料分散組成物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
さらに本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ中の顔料成分が0.5%〜2.5重量%であることを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
(顔料)
本発明で使用されるローダミン系染料の金属レーキ化合物とは、ローダミン骨格を有する染料を金属レーキ化することにより得られる顔料であることを示す。中でもピグメントバイオレット1、ピグメントバイオレット1:1、ピグメントバイオレット2、ピグメントバイオレット2:2、ピグメントレッド81、ピグメントレッド81:1、ピグメントレッド81:2、ピグメントレッド81:3、ピグメントレッド81:4、ピグメントレッド81:5、ピグメントレッド169、ピグメントレッド173を用いることが好ましい。
また、表面酸価とは、以下の方法によって測定される顔料表面に存在する酸性成分の含有量を示す。本発明に於ける表面酸価は、実施例に記載の方法にて測定される通り、表面に塩基性物質を吸着させた後の残塩基性分を逆滴定し、酸成分を算出する方法を示す。また本発明では酸価が100〜400μmol/gに制御された顔料を用いることが好ましい。この顔料を用いることにより顔料分散性に優れる顔料分散組成物を得ることができるからである。具体的には、保存時の粘度や顔料分散安定性が優れる。特に得られた顔料分散組成物は、インクジェットインキに好適に用いることができる。さらに好ましくは活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに好適に用いることができる。400μmol/gより大きい、または100μmol/g未満の顔料を用いる場合、分散安定性が確保できないため、経時での粘度安定性が悪くなる。つまりインクジェット印刷における吐出安定性が劣化するため、実用的なインキを作成することができない。さらには400μmol/gより大きい顔料を用いる場合には、顔料の溶解性が非常に高くモノマーに溶解してしまうため、ドットのにじみが発生し、印字物の画質が悪化してしまう。
本発明では、上記顔料を湿式分散方式で分散することにより顔料分散組成物を得ることが好ましい。本発明における湿式分散方式とは具体的には、ビーズ分散方式や、ビーズレス分散方式、超音波分散方式などの比較的低粘度の液体で分散する方式を示す。分散液の粘度の目安は25℃でおおよそ1000mPa.sec程度以下である。本発明における湿式分散方式には3本ロールや、2本ロール、2軸押し出し混練分散などは該当しない。インクジェットインキに適した流動適性を得るためには、顔料に適切な分散シェアを与えて、分散状態をコントロールする湿式分散法が適するためである。
また本発明には、一次粒径が10〜150nmであって、且つ二次粒径が5μm〜50μmであるローダミン系染料の金属レーキ化合物を用いることが好ましい。本発明における一次粒径とは、顔料を透過型電子顕微鏡で観察し、粒子の最長と最短の平均値を50個以上カウントし、これを平均化した値を示す。一次粒径が10nm〜150nmである場合、インクジェットインキに適した流動性値を発現可能できる上、透明性や発色に優れた顔料分散組成物を得ることができるため、マゼンタインキとして印刷に用いた場合、ローダミン系染料の金属レーキ化合物の本来有する色特性を十分発現することが可能となる。
また二次粒径は5μm〜50μmであることが好ましい。二次粒径とは、レーザー回折型の粒度分布径により測定された分散前の粉体顔料の平均粒子径で、D50として表される値を示す。インクジェットインキは一般印刷用のインキと比較して、より顔料粒子を細かく分散しなければならない。二次粒径が5μm〜50μmである場合、湿式分散工程においてインクジェット適性に優れた顔料分散組成物を一段分散で得ることができるため、工程が極めて簡略化される。特に本発明で使用するローダミン系染料の金属レーキ化合物は、溶解性が高いため、顔料分散工程で過剰なシェアによる発熱や、複数の分散工程を経ないことで、モノマーに溶解させない顔料分散組成物を得る結果、ドットのにじみが抑制され、良好な画質の印字物を得ることができるために好ましい。二次粒径が5μmより小さい場合、顔料粒子の凝集力が極めて高くなり、ロール分散などの強力なシェア分散を行う必要がある。また、50μmより大きい場合は、ビーズ粒径をコントロールし、複数回に分けた分散を行う必要が発生するためである。
また、本発明では、顔料濃度を5%に分散媒により希釈した場合の流動性値が1.0以上、1.5未満であることが好ましい。希釈に用いる分散媒とは、分散に使用している溶剤と同じ組成のモノマー、または溶剤、またはそれらを混合してなる液体を示す。好ましい分散形態としての湿式分散においてでも顔料分散の時間は顔料分散組成物の流動特性に影響を与える。本発明における流動性値とは、E型粘度計を用いて測定される以下の式により計算される。 流動性値=10rpmの粘度/50rpmの粘度 筆者は東機産業社製のEL型粘度計を用いて評価を行ったが、比率から得られるため、いずれのメーカーのコーン型の測定治具を用いても構わない。ただし、2回の測定では同じ治具を用いる必要がある。装置によっては、トルクの上限を超える可能性もある。この場合は、測定可能なレンジで、回転数を5倍を固定しながら測定することで代用可能である。 この流動性値は、インクジェットの吐出安定性に重要な影響を与える。流動性値が1.5より高い場合、高シェアで低い粘度を示す液体であり、インクジェットのヘッドから吐出される場合に著しく粘度が低下し、適性な液滴を吐出することができない。この流動性値はより好ましくは1.0から1.1の範囲であれば、高周波数で印字した場合の安定性にも優れる。
(顔料分散組成物)
本発明の顔料分散組成物とは、着色剤を分散させた液体を示す。また着色剤にモノマーや開始剤、溶剤、添加剤などを加えたものも顔料分散組成物と総称する。
(着色剤)
本発明の顔料分散組成物やこれを用いてなる活性エネルギー線硬化型インクジェットインキには、着色剤として顔料や染料を併用し用いることができる。特に耐光性や耐溶剤性に優れる点から、顔料を分散して用いることが好ましい。顔料としては一般的に印刷用途、塗料用途のインク組成物に使用される顔料を用いることができ、発色性、耐光性などの必要用途に応じて選択することができる。顔料成分としては、マゼンタ色を有する顔料が好ましい。例えばPV19、PR122、PR176、PR185、PR202、PR269は、耐光性に優れるため、好適に用いることができる。
(モノマー)
本発明の顔料分散組成物やこれを用いてなる活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに使用されるモノマーは、自由に選択、併用することができる。本発明で定義するモノマーとは、活性エネルギー線が照射された後、直接、または光重合開始剤を介して、重合反応を起こす化合物を示す。具体的には、単官能アクリルモノマー、2官能アクリルモノマー、3官能以上のアクリルモノマーなどのアクリルモノマー、またはビニルモノマー、ビニルエーテルモノマー、アクリルとビニルを分子内に包含する異種モノマーなどが挙げられる。中でもDPGDA(ジプロピレングリコールジアクリレート)、VEEA(アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル)、LA(ラウリルアクリレート)、DVE−3(トリエチレングリコールジビニルエーテル)、DVE−2(ジエチレングリコールジビニルエーテル)、NDDA(1、9ーノナンジオールジアクリレート)、DDDA(1、10ーデカンジオールジアクリレート)から選ばれる少なくとも一種類以上のモノマーを組成物中50%以上含有することが好ましい。本発明で用いられるローダミン系染料の金属レーキ化合物は、溶解性が高いため、保存中または、特に分散時に上記溶解性を抑制するモノマー環境に調整することが好ましい。上記モノマーを50%以上含有した場合、溶解性が抑えられる結果、ドットのにじみが抑制され、良好な画質の印字物を得ることができるため、本発明にて好適に用いることができる。
(開始剤)
活性エネルギー線硬化型インクジェットインキとして使用する場合は、光ラジカル重合開始剤を用いることができる。 光ラジカル重合開始剤としては、硬化速度、硬化塗膜物性、着色材料により自由に選択することができる。具体的にはベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド、1,2−オクタンジオン、1−(4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム))などが好適に用いられる。
また上記光ラジカル重合開始剤に対し、増感剤としてトリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの、前記重合性化合物と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
(溶剤)
また、本発明で作製した顔料分散組成物を用いて活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに使用する際、溶剤を添加しても良い。常温で沸点180℃以上の溶剤を組成物中0〜20重量%含有することが好ましい。溶剤は、印字する紙基材によっては、レベリング効果を促進し、インクジェットインキで印字した場合、良好な画像を得ることができる。ただし、基材によっては溶剤含有量が少ない方が優れる場合もあり、効果は印刷基材の表面状態やコート層の空隙率などの影響を受けるため、上記効果を十分得るためは組成物中0〜20重量%の範囲であることが好ましい。この時に使用される溶剤の常温での沸点は180℃以上であることが好ましい。沸点が180℃以上の溶剤はインクジェットにて連続印刷するときの吐出安定性を高めることができる。さらに沸点250℃以下である溶剤であれば、印刷中または印刷後の乾燥性にも優れるため、より好適に用いることができる。具体的には、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテートを好適に用いることができる。沸点が180℃より低い溶剤を用いることもできるが、その際には量が多すぎると乾燥により吐出安定性が悪化してしまうため、組成物中0〜10重量%含有することが好ましい。
インクジェットインキとして使用する場合、インキ粘度は25℃で5〜14mPa secが好ましい。5mPa・sec未満では、良好に吐出することができず、14mPa・secを超えるインキ粘度では、吐出精度が低下するためである。
また本発明で用いられるインキには、消泡剤、流動性改質剤、蛍光増白剤、重合禁止剤、酸化防止剤などを所望の品質を満たす限り用いることができる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。
(顔料の作成)
本発明のローダミン系染料の金属レーキ化合物からなる顔料は特開昭52−80839で実施されている既存の製造方法に基づき、特開昭52−80839特許中の (I)の化合物(Basic Red 1)を溶解したのち、造塩剤であるリンタングステン酸とリンモリブデン酸水溶液を添加し、撹拌しながら加熱コントロールしながら、レーキ顔料化した。各顔料の表面酸価や一次粒径は、使用する染料種や造塩剤の種、配合比、熟成温度や時間などの合成条件をコントロールして表1のローダミン系染料の金属レーキ化合物A〜Kを作成した。
(粉砕工程)
上記で得られた顔料を、メンブランフィルターで濾過し、水分含有率1%以下になるまでオーブンにて乾燥した。続いて、得られた乾燥素顔料をハンマーミルにて粉砕し、所望の二次粒径を有する顔料を得た。
(一次粒径)
上記顔料の一次粒径は、透過型電子顕微鏡で観察し、50個の顔料粒径を平均化して算出した。
(二次粒径)
上記顔料の二次粒径は、レーザー回折型の粒度分布径によりD50を測定した。
(表面酸価)
上記顔料の表面酸価は、以下の方法により求めた。
0.02molヘキシルアミン/PGMAc(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液を用いて顔料を超音波で分散後、遠心分離により上澄みを採取した。この上澄み液を濃度既知の酢酸溶液により滴定し表面酸価を測定した。
(顔料分散)
上記顔料は、表2の原料を配合量の通りに混合したのち、アイガーミルにて1時間分散し、顔料分散組成物を得た。分散にはZrビーズの1mm径タイプを体積充填率75%にて実施した。ただし、顔料Hは凝集力が強いため、3本ロールにて分散を行ったのち、上記アイガーミル分散を行った。また、顔料Iは上記分散の結果、粗大粒子が粉砕できず、濾過できなかったため、一旦Zrビーズの3mm径タイプで1時間分散したのち、再度上記分散を行い顔料分散組成物を得た。
(流動性値)
流動性値は、EL型粘度計を用いて上記顔料分散体の粘度を測定し、以下の式を用いて算出した。
流動性値=10rpmの粘度/50rpmの粘度
ここで得られた顔料分散組成物を以下の処方を用いてインキ化した。表2の番号は、アルファベットは顔料を、“−番号“は、以下インキ処方の番号を示す。
(インキ化処方例)
実施例中のインキは、上記で得られた顔料分散10部の各々に対し、以下の処方の原料を撹拌しながらゆっくり添加し、開始剤が溶解するまで、40℃で3時間加温して製造した。
インキ例 “−1”
Laromer DPGDA (BASF社製) 40部
VEEA (日本触媒社製) 40部
Darocur TPO (BASF社製) 5部
Irgacure 369 (BASF社製) 5部
インキ例“−2”
Laromer DPGDA (BASF社製) 40部
DVE−3 (ISP社製) 30部
ジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤社製)
10部
Darocur TPO (BASF社製) 5部
Irgacure 369 (BASF社製) 5部
インキ例“−3”
ヒ゛スコート260 (大阪有機社製) 30部
SR 595 (サートマー社製) 35部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダイセル化学社製) 15部
Darocur TPO (BASF社製) 5部
Irgacure 369 (BASF社製) 5部
(原料説明)
Laromer DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
VEEA:アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル
DVE-3:トリエチレングリコール ジビニルエーテル
ヒ゛スコート260:1、9ーノナンジオールジアクリレート
SR595:1、10ーデカンジオールジアクリレート
DarocurTPO:2,4,6−トリメチルベンジイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド
Irgacure369:2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1
(充填性)
これら調製されたインキをインキジェット吐出装置へ充填するにあたり、粗大粒子混入によるインクジェットヘッド詰まりを防止するためフィルターにてろ過を行った。フィルターにはワットマン社製レジストシリンジフィルタ(孔径5μm)を使用した。このろ過時にフィルターが詰まらず通過したインキ量で充填性を評価した。ろ過は0.3MPaの圧力で行った。○以上を充填性実用レベルと判断した。
◎:100mlインキをろ過してもフィルタ−詰まりなし
○:50mlインキをろ過してもフィルタ−詰まりなし、200mlインキろ過までにフィルタ−詰まり発生
×:フィルタ−詰まりにより50mlもインキろ過できず。
(印字評価)
これら調整されたインキは、京セラ社製(KJ4A)ヘッドを用いインキが吐出された様子をストロボ撮影で観察することにより、周波数特性を評価した。波形はFire1モードを選択した。周波数を10KHzで吐出した場合の液滴の分裂の様子を観察した。
(吐出安定性)
10分連続吐出を行った後、吐出後1mm時点と、2mm時点の液滴の分裂の様子を観察した。液滴分裂の発生がなく、かつ安定であることが好ましい。○以上を吐出安定性実用レベルと判断した。
◎:2mmまで液滴に分裂なく、連続している。安定である。
○:1mmで分裂しているが、2mmで液滴が合一している。または破断の様子が初期から大きく変化している。
×:1mmで分裂しており、2mmでも液滴は合一しない。初期、または10分後に吐出不良が発生している。
(経時吐出安定性)
上記分散体を50℃のオーブンにて1週間保管し、加速経時を行った後の吐出安定性を上記と同様の方法で測定した。
(画像にじみ)
これら調整されたインキは、京セラ社製(KJ4A)ヘッドを搭載した吐出機構、着弾した基材を所望の速度で搬送するコンベア部で搬送する機構、続けてUVランプで照射される機構を有するシングルパス式のインクジェットプリンター(トライテック社製)を用いてインキ液滴量14plで印字評価を行った。UVランプは、ノードソン社製、140W/cmのメタルハライドランプを用いた。コンベア速度は50m/minとした。吐出時のヘッド温度は一律40℃に設定した。評価に使用した画像は、ISO標準画像のNo5, 自転車画像を用いた。印字基材はOKトップコートプラス(王子製紙社製)を用いた。
各ドットの形状を光学顕微鏡で観察するとともに、画像の目視にて評価を行った。○以上を画像にじみ実用レベルと判断した。
◎:ドットの周囲へのにじみがなく、文字つぶれや発色不良のない良好な画質
○:ドットの周囲へのにじみが一部発生し、高印字部で文字つぶれが発生した画質
×:ドットの周囲へのにじみが広範にわたり発生し、低印字部でも文字つぶれや発色不良が発生した画質
(評価結果)
評価結果を表2に示した。実施例A−1〜I−1では、充填性・吐出安定性・経時吐出安定性・画像にじみ全て実用品質を維持しており、仕上がった印刷物は優れた色再現性を示した。比較例J−1、K−1では、初期の分散状態が安定でないため充填性に難があった。また分散安定性が確保できないため、経時での粘度安定性が悪くなりインクジェット印刷における吐出安定性が劣化した。さらにK−1では、顔料の溶解性が非常に高くモノマーに溶解してしまうため、ドットのにじみが発生し、印字物の画質が悪化してしまった。
Figure 2013245241
Figure 2013245241

Claims (7)

  1. 表面酸価が100〜400μmol/gであるローダミン系染料の金属レーキ化合物からなる顔料を含
    有し、上記顔料を湿式分散法により分散して得られることを特徴とする顔料分散組成物。
  2. 上記顔料分散組成物中にDPGDA(ジプロピレングリコールジアクリレート)、VEEA(アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル)、LA(ラウリルアクリレート)、DVE−3(トリエチレングリコールジビニルエーテル)、DVE−2(ジエチレングリコールジビニルエーテル)、NDDA(1、9ーノナンジオールジアクリレート)、DDDA(1、10ーデカンジオールジアクリレート)から選ばれる少なくとも一種類以上のモノマーを組成物中50重量%以上含有することを特徴とする請求項1記載の顔料分散組成物。
  3. 上記ローダミン系染料の金属レーキ化合物の一次粒径が10nm〜150nmであって、且つ二次粒径が5μm〜50μmであることを特徴とする請求項1または2記載の顔料分散組成物。
  4. 顔料濃度を5重量%に希釈した場合の流動性値が1.0以上、1.5未満であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の顔料分散組成物。
  5. ローダミン系染料の金属レーキ化合物として、ピグメントバイオレット1、ピグメントバイオレット1:1、ピグメントバイオレット2、ピグメントバイオレット2:2、ピグメントレッド81、ピグメントレッド81:1、ピグメントレッド81:2、ピグメントレッド81:3、ピグメントレッド81:4、ピグメントレッド81:5、ピグメントレッド169、ピグメントレッド173であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の顔料分散組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の顔料分散組成物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
  7. 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ中の顔料成分が0.5%〜2.5重量%であることを特徴とする請求項6記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。






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