JP2013244726A - 熱可塑性複合材料と金属部材との接合体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性複合材料と金属部材との接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂をマトリックスとする熱可塑性複合材料と金属部材とを接合性を改善し、強固な接合体を提供する。
【解決手段】上記熱可塑性複合材料と金属部材とを接合した接合体を製造する際、金属部材表面に有機被覆層(例えばトリアジンチオール誘導体等を含有する層)を形成させ、この有機被覆層と複合材料間に熱可塑性樹脂層を設け該熱可塑性樹脂層を溶融させることにより金属部材と複合材料とを接合させる接合体の製造方法。熱可塑性複合材料として特定の繊維構成を有するランダムマットをベースとする複合材料を使用することで、接合性の改善を達成する。
【選択図】なし

Description

本発明は熱可塑性樹脂を繊維で強化した複合材料と金属部材とを接合してなる接合体の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂をマトリックスとし、これを炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維によって強化した複合材料(本発明では「熱可塑性複合材料」と略称することがある)は、比強度、比剛性等が高く、優れた材料として各分野で重用されているが、近年、この熱可塑性複合材料を金属部材と接合して使用する用途も増大しつつある。
ところで、熱可塑性複合材料と金属部材と接合するには、その複合材料でマトリックスとして用いている熱可塑性樹脂そのものが金属表面に対して強固に融着(接着)する必要がある。一般に、金属と樹脂とを、樹脂の溶融によって接合する方法については、表面を微細なポーラスにしたアルミニウム材に樹脂を射出成形することによってアンカー効果によりアルミニウムと樹脂を接合できることが特許文献1に記載されている。また、特許文献2〜4には、金属表面にトリアジンチオール誘導体等で処理施して有機被覆層を形成することにより樹脂と金属とを接合性を改善する方法が記載されている。
熱可塑性複合材料は、熱を加えれば容易に形状が変わることから、熱可硬化性樹脂をマトリックスとする熱硬化性複合材料に比べ極めて短い時間で射出ないしはプレス成形ができるという利点がある。したがって、熱可塑性複合材料を成形と同時または成形の直後に金型内で熱圧着によって簡便に金属表面と接合ができれば、極めて効率的に熱可塑性複合材料と金属部材との接合体(本発明では「熱可塑性複合材料‐金属部材接合体」ということがある)を製造することが可能になる。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、実質上、射出成形に限られ、しかもアルミニウム以外の金属には適用が困難である。また、特許文献2,3に記された熱可塑性樹脂と金属の接合方法により熱可塑性複合材料を金属と接合しようとしても、この複合材料は熱可塑性樹脂が強化繊維束に「滲みこんだ」状態にあるためその材料の表面に必ずしも均質に樹脂が存在するわけではなく、中には樹脂の「欠乏した」部分が存在するため、充分な接合強度が発現しなかったり、接合強度が大きくばらついたりする懸念があった。特に、強化繊維が炭素繊維の場合は、金属に対していわゆる電蝕の原因となるため樹脂が欠乏した部分においては金属に直接触れることにより金属を腐食させるおそれがある。
さらに、熱可塑性複合材料においては、複合材料中に強化繊維が含まれることにより、複合材料の表面に凹凸が存在することが避けられないため、従来の公知の方法では、強化熱可塑性複合材料を金属表面と強固に接合させることは困難である。
このような問題を解決する手段として、熱可塑性複合材料と金属部材とを接合する際、金属表面にトリアジンチオール誘導体を含有する層を形成させ、トリアジンチオール誘導体含有層と熱可塑性複合材料間に熱可塑性樹脂層を設け、該熱可塑性樹脂層を溶融させることにより金属と熱可塑性複合材料とを接合させることで、金属と熱可塑性複合材料とを強固に安定して接合する方法がPCT/JP2011/77886で提案されている。しかしながら、強化繊維の不連続繊維からなるランダムマットをベースとする複合材料を使用する場合においては、より良好な接合状態のものが求められている。
特開2003−103563号公報 特公平5−51671号公報 WO2009/157445号パンフレット 特開2011−235570号公報
本発明の目的は、不連続繊維からなるランダムマットをベースとし熱可塑性樹脂をマトリックスとする複合材料と金属とを強固に接合した接合体すなわち熱可塑性複合材料‐金属部材接合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の熱可塑性複合材料と金属部材との接合において、金属部材の表面に有機被覆層を形成させ、この有機被覆層と熱可塑性複合材料間に熱可塑性樹脂層を設け、該熱可塑性樹脂層を溶融させることにより上記複合材料と金属部材とを接合させる方法をさらに改善するための研究を重ねた結果、特定のマット構成を有するランダムマットをベースとする複合材料を用いることにより、熱可塑性複合材料と金属部材とが強固にかつ安定して接合した熱可塑性複合材料−金属部材接合体できることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(7)の熱可塑性複合材料−金属部材接合体の製造方法が提供される。
(1)熱可塑性樹脂をマトリックスとする熱可塑性複合材料と金属部材との接合体を製造するに当り、金属表面に有機被覆層を形成させ、有機被覆層と熱可塑性複合材料間に熱可塑性樹脂からなる層を設け、熱可塑性樹脂からなる層を溶融させることにより金属と強化繊維複合材料とを接合させることにより接合体を製造する方法において、熱可塑性複合材料として、熱可塑性複合材料として強化繊維の平均繊維長が5〜100mmであり、かつ熱可塑性樹脂の量が強化繊維100重量部に対し50〜1000重量部である複合材料を使用することを特徴とする、熱可塑性複合材料‐金属部材接合体の製造方法。
(2)熱可塑性複合材料が、強化繊維のチョップドストランドを用いたランダムマットとそれに含浸させた熱可塑性樹脂とから構成され、上記マットにおける式(a)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)のマットの繊維全量に対する割合が30Vol%以上90Vol%未満であり、かつ強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が下記式(b)を満たす上記(1)に記載の接合体の製造方法。
臨界単糸数=600/D (a)
0.7×10/D<N<1×10/D (b)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
(3)熱可塑性樹脂からなる層が、熱可塑性複合材料を構成する樹脂と同種の樹脂からなる層である上記(1)または(2)の接合体の製造方法。
(4)熱可塑性樹脂からなる層が、1枚または複数枚の熱可塑性樹脂フィルム、シートもしくは不織布で構成される上記(1)〜(3)の接合体の製造方法。
(5)金属部材表面の有機被覆層がトリアジンチオール誘導体等を含有する層である上記(1)〜(4)の接合体の製造方法。
(6)金属部材表面に化合物処理を行った後トリアジンチオール誘導体等を含有する層を形成する上記(5)の製造方法。
(7)成形用の金型内に熱可塑性複合材料と有機被覆層を有する金属部材とを熱可塑性樹脂層を介して積層配置し、熱可塑性樹脂層の溶融温度以上で加熱加圧することにより、複合材料と金属部材との接合を行う上記(1)〜(6)の接合体の製造方法。
本発明によれば、熱可塑性複合材料と金属とを簡易な方法で、強固にかつ安定して得ることができる。さらに熱可塑性樹脂を介して熱可塑性炭素繊維複合材料と金属を接合することにより炭素繊維を原因とする電蝕を同時に防止することができる。また接合と成形工程を同時に、あるいは連続して行って、複合材料と金属との接合体を短時間かつ少ない工程で得ることができる。
本発明は強化繊維のランダムマットにマトリックスの熱可塑性樹脂を含浸させた熱可塑性複合材料と金属部材との接合体の製造方法である。以下、本発明で用いる熱可塑性複合材料および金属部材並びに両者の接合方法について説明する。
<熱可塑性複合材料>
本発明で用いる熱可塑性複合材料とは、熱可塑性樹脂をマトリックスとし、強化繊維として炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等を含む材料である。この複合材料のうち、強化繊維が炭素繊維のものが特に好ましい。
熱可塑性複合材料においてマトリックスの熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、AS樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。特にコストと物性の兼ね合いからポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィドからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、ポリアミド(以下、PAと略記することがあり、ナイロンとの別称を用いることもある)としては、PA6(ポリカプロアミド、ポリカプロラクタムとも言い、より正確にはポリε−カプロラクタム)、PA26(ポリエチレンアジパミド)、PA46(ポリテトラメチレンアジパミド)、PA66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、PA69(ポリヘキサメチレンアゼパミド)、PA610(ポリヘキサメチレンセバカミド)、PA611(ポリヘキサメチレンウンデカミド)、PA612(ポリヘキサメチレンドデカミド)、PA11(ポリウンデカンアミド)、PA12(ポリドデカンアミド)、PA1212(ポリドデカメチレンドデカミド)、PA6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、PA6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)、PA912(ポリノナメチレンドデカミド)、PA1012(ポリデカメチレンドデカミド)、PA9T(ポリノナメチレンテレフタラミド)、PA9I(ポリノナメチレンイソフタルアミド)、PA10T(ポリデカメチレンテレフタラミド)、PA10I(ポリデカメチレンイソフタルアミド)、PA11T(ポリウンデカメチレンテレフタルアミド)、PA11I(ポリウンデカメチレンイソフタルアミド)、PA12T(ポリドデカメチレンテレフタラミド)、PA12I(ポリドデカメチレンイソフタルアミド)、ポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明で使用する熱可塑性複合材料は、強化繊維が平均繊維長5〜100m、好ましくは平均繊維長10〜50mm、の不連続繊維で構成される。強化繊維の平均繊維長が5mm未満のものでは熱可塑性複合材料の接合後の熱収縮率が大きくなり、平均繊維長が100mmを超えると熱可塑性複合材料表面への炭素繊維の露出割合が多くなり、金属との接触面積が十分に確保できなくなることから、十分な接合強度を得ることが難しくなる。複合材料中に含まれる強化繊維の割合は、強化繊維100重量部に対し熱可塑性樹脂が50〜1000重量部であり、好ましくは、強化繊維100重量部に対し熱可塑性樹脂50〜400重量部、更に好ましくは、強化繊維100重量部に対し熱可塑性樹脂50〜100重量部である。熱可塑性樹脂が50重量部未満ではドライの強化繊維が増加してしまうことがあり、また1000重量部を超えると樹脂に対して強化繊維が少なすぎるため構造材料として不適切となることがある。
熱可塑性複合材料において、不連続の強化繊維は、多数の単糸が集束した強化繊維束と単糸もしくはそれに近いものとが混在する状態で特定の割合で存在していることが好ましい。また、不連続の強化繊維は複合材料中で二次元において等方的にランダムに配置されていることも好ましい。具体的には、熱可塑性複合材料が、強化繊維のチョップドストランドマットとそれに含浸させた熱可塑性樹脂により構成され、上記マットにおける下記式(a)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)のマットの繊維全量に対する割合が30Vol%以上90Vol%未満、特に35〜80Vol%、であり、かつ強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が下記式(b)を満たすものが好ましい。
臨界単糸数=600/D (a)
0.7×10/D<N<1×10/D (b)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
このような複合材料は、例えば、PCT/JP2011/070314、特願2011−188768、特願2011−267159等に記載の方法に従って製造することができる。具体的には、複数の強化繊維からなるストランドを、必要に応じ繊維長方向に沿って連続的にスリットして幅0.05〜5mmの複数の細幅ストランドにした後、平均繊維長3〜100mmに連続的にカットし、カットした強化繊維束に気体を吹付けて開繊させた状態で、通気性コンベヤネット等の上に層状に堆積させることによりマットを得ることができる。この際、粒体状もしくは短繊維状の熱可塑性樹脂を強化繊維とともに通気性コンベヤネット上に堆積させるか、マット状の強化繊維層に溶融した熱可塑性樹脂を膜状に供給し浸透させることによって熱可塑性樹脂を包含する等方性ランダムマットを製造する方法等を採用することもできる。この方法において、開繊条件を調整することで、強化繊維束を上記式(a)で定義される臨界単糸数以上が集束している強化繊維束(A)と臨界単糸数未満の強化繊維束(B)および/または強化繊維単糸(B)とが混在するように開繊し、等方性ランダムマットにおける強化繊維束(A)の強化繊維全量に対する割合を30%以上90Vol%未満となし、かつ該強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が、上記式(b)を満たす等方性ランダムマットとすればよい。
なお、上記の方法において、ネットコンベヤ上に、熱可塑性樹脂からなる不織布を配置し、不織布をネットコンベヤと共に移動させることにより、不織布上に等方性ランダムマットを形成することも可能である。
このように強化繊維の一定本数が集束した状態の繊維束を特定割合で含むランダムマットを用いて作成した熱可塑性複合材料は、後述する金属部材との接合性が特に良好である。その理由は未だ解明されていないが、熱可塑性複合材料と金属の熱収縮率差、接合面積、複合材料の表面状態に起因するものと推定される。
<金属部材>
本発明に用いる金属部材とは、少なくとも表面が金属からなる部材を言い、この部材を構成する金属としては、具体的には鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、黄銅、ニッケル、亜鉛等の金属が挙げられる。なかでも、金属を構成する元素が鉄またはアルミニウムを主とするものが好ましい。ここで「主とする」とは90重量%以上を占めることを意味する。なかでも、SS材、SPCC材、ハイテン材などの鉄類や、SUS304、SUS316などのステンレス類、1000〜700番台アルミニウムやその合金が好ましく用いられる。接合しようとする金属の形状にとくに限定はなく、得ようとする接合体の形状や用途に応じて適宜選択される。
<有機被覆層>
金属の接合しようとする表面に有機被覆層を形成して、接合に供する。有機被覆層としては、トリアジンチオール誘導体を含む層が好ましい。この有機被覆層は金属の接合しようとする全面に形成する必要はなく、また厚みもとくに制限はなく、接着性が確保できればよい。
有機被覆層形成に好適なトリアジンチオール誘導体としては、金属との化学結合が期待できる脱水シラノール含有トリアジンチオール誘導体、またはアルコキシシラン含有トリアジンチオール誘導体が好ましく挙げられる。かかるアルコキシシラン含有トリアジンチオール誘導体としては、下記一般式(1)、(2)および下記一般式(3)で表される化合物よりなる群から選ばれる1種類以上が好ましい。
〔上記一般式(1)および(2)において、式中のRは、H−、CH−、C−、CH=CHCH−、C−、C−、C13−のいずれかである。Rは、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCHCHCH−、−CHCHSCHCH−、−CHCHNHCHCHCH−のいずれかである。Rは、−(CHCHCHOCONHCHCHCH−、または、−(CHCHN−CHCHCH−であり、この場合、NとRとが環状構造となる。また、式中のXは、CH−、C−、n−C−、i−C−、n−C−、i−C−、t−C−、C−のいずれかであり、Yは、CHO−、CO−、n−CO−、i−CO−、n−CO−、i−CO−、t−CO−、CO−のいずれかであり、式中のnは1〜3の整数であり、Mは−Hまたはアルカリ金属である。〕




〔上記一般式(3)において、Rは−S−,−O−,−NHCHO−,−NHCO−,−NHC(Cl)O−,−NHCH(NO)O−,−NHC(NO)O−,−NHC(CN)O−,−NHC(NOO−,−NHC(COOCH)O−,−NHC10O−,−NHC10(NO)O−,−NHC10(NOO−,−NHCS−,−NHC(Cl)S−,−NHCH(NO)S−,−NHC(NO)S−,−NHC(CN)S−,−NHC(NOS−,−NHC(COOCH)S−,−NHC10S−,−NHC10(NO)S−,−NHC10(NOS−であり、M’は−Hまたはアルカリ金属、Zはアルコキシ基であり、jは1〜6の整数である。〕
なお、上記一般式(1)〜(3)において、アルカリ金属とはリチウム、ナトリウム、カリウム、 ルビジウム、セシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
本発明において用いられるトリアジンチオール誘導体として、具体的には、優れた効果を示すアルコキシシラン含有トリアジンチオール誘導体であるトリエトキシシリルプロピルアミノトリアジンチオールモノナトリウムが挙げられ、その化学式は下記式(4)で表される。
トリアジンチオール誘導体含有層を形成する方法としてはWO2009/157445号公報に記載の方法が好ましく挙げられる、具体的にはアルコキシシラン含有トリアジンチオール、水エタノール溶液に浸漬した後、引き上げて加熱処理を行い、反応完結および乾燥する方法が挙げられる。またトリアジンチオール誘導体含有層には、トリアジンチオール誘導体以外の物質が本発明の目的を損なわない範囲で含まれていてもよい。
<金属化合物層>
さらにかかるトリアジンチオール誘導体含有層と金属との間に、水酸化物、カルボン酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの金属化合物層を含むことが、更なる接合強度向上が期待でき好ましい。金属化合物層を形成する方法としてはWO2009/157445号公報に記載の方法が好ましく挙げられるが、具体的には塩酸、硫酸、リン酸などの酸に浸漬する方法が挙げられる。
<熱可塑性樹脂層>
本発明では、熱可塑性複合材料と金属部材上に設けたトリアジンチオール誘導体含有層との間に、熱可塑性樹脂層を設け、この熱可塑性樹脂を溶融させることにより金属と複合材料とを接合させる。この熱可塑性樹脂層は接合しようとする面全体に設ける必要はなく、接着性が確保できれば局所的に設けてもよい。熱可塑性樹脂層としてはフィルム、シートまたは不織布が好ましいが、他の形態であっても差し支えない。そして、少なくとも、この熱可塑性樹脂層に熱および圧力をかけ、熱可塑性樹脂層の溶融によって金属部材と複合材料とを接合させる。
かかる熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としては、熱可塑性複合材料のマトリックス樹脂と同様に、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、AS樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。特にコストと物性の兼ね合いからポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィドからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、ポリアミド(以下、PAと略記することがあり、ナイロンとの別称を用いることもある)としては、PA6(ポリカプロアミド、ポリカプロラクタムとも言い、より正確にはポリε−カプロラクタム)、PA26(ポリエチレンアジパミド)、PA46(ポリテトラメチレンアジパミド)、PA66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、PA69(ポリヘキサメチレンアゼパミド)、PA610(ポリヘキサメチレンセバカミド)、PA611(ポリヘキサメチレンウンデカミド)、PA612(ポリヘキサメチレンドデカミド)、PA11(ポリウンデカンアミド)、PA12(ポリドデカンアミド)、PA1212(ポリドデカメチレンドデカミド)、PA6T(ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)、PA6I(ポリヘキサメチレンイソフタルアミド)、PA912(ポリノナメチレンドデカミド)、PA1012(ポリデカメチレンドデカミド)、PA9T(ポリノナメチレンテレフタラミド)、PA9I(ポリノナメチレンイソフタルアミド)、PA10T(ポリデカメチレンテレフタラミド)、PA10I(ポリデカメチレンイソフタルアミド)、PA11T(ポリウンデカメチレンテレフタルアミド)、PA11I(ポリウンデカメチレンイソフタルアミド)、PA12T(ポリドデカメチレンテレフタラミド)、PA12I(ポリドデカメチレンイソフタルアミド)、ポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂は、複合材料のマトリックス樹脂と相溶するものが好ましく、したがって複合材料を構成するマトリックス樹脂と同種の樹脂が好ましく用いられる。
かかる熱可塑性樹脂層の厚みは5μm以上5mm以下であり、好ましくは20μm以上4mm以下であり、さらに好ましくは40μm以上3mm以下である。樹脂層の厚みが5μm未満では溶着に必要な樹脂が不足し充分な強度が得られない場合がある。樹脂層が5mmを超えると両者に剪断的な荷重が掛かった際に接合面にモーメントが働いて全体として強度が低下することがある。かかる樹脂層を5μm以上設けることで溶着の際に充分な樹脂を供給することができ、炭素繊維が金属に接触することが防止できるため電蝕防止が期待でき好ましい。
熱可塑性複合材料と金属部材との接合面は、平面に限定されず、曲面であってもよく、また凹凸面でもよい。本発明では双方の接合面に可撓性のある不織布を介在させこれを溶融させるため、接合すべき複合材料と金属部材と間に多少に隙間があっても、問題なく接合することができる。
<接合方法>
本発明の接合体の製造方法においては、金属表面の有機被覆層と複合材料との間に熱可塑性樹脂層を設け、加熱により熱可塑性樹脂層を溶融し、金属と複合材料とを接合(融着)させる。
このような熱可塑性樹脂層の融着方法としては加熱加圧による方法が好ましい。この際の加熱手段としては、一般に、外部ヒーターによる伝熱、輻射が採用される、接合面を直接加熱する手段として、金属を電磁誘導により加熱する方法、超音波、レーザーにより加熱する方法等も採用することができる。
加熱温度は熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂の溶融温度以上かつ分解温度以下にすることが好ましく、溶融温度+15℃以上かつ分解温度−30℃であることがより好ましい。加圧条件としては融着面に0.01〜2MPa、好ましくは0.02〜1.5MPa、さらに好ましくは0.05〜1MPaの圧力をかけることが好ましい。圧力が0.01MPa未満では良好な接合力が得られないことがあり、また加熱時に複合材料がスプリングバックして形状を保持できず素材強度も低下する場合がある。また圧力が2MPaを超えると加圧部分が潰れ、形状保持が困難となったり、素材強度が低下したりすることがある。
有機被覆層と熱可塑性複合材料間に配置する熱可塑性樹脂層は、予めどちらか一方側または両方へ先に接着させて、これらの表面に樹脂層を形成させてもよい。どちらか一方側のみに熱可塑性樹脂層を形成する場合は、表面に有機被覆層を形成した金属部材の側に形成するのが好ましい。事前に有機被覆層を形成した金属部材表面または複合材料表面に熱可塑性樹脂層を接着配置させる場合の温度は、熱可塑性樹脂の溶融温度+15℃以上かつ分解温度−30℃であることがより好ましい。熱可塑性樹脂層は、フィルム状、シート状または不織布の形態で用い、所望の面に対して熱圧着させたり、溶融樹脂を射出成形により薄く貼り付けたりして配置することができる。なお、ここでいう「溶融温度」とは、熱可塑性樹脂層を構成する樹脂の融点であり、融点の無いものについては十分な流動性を開始する温度である。
熱溶融した熱可塑性樹脂を金属部材に接触させるときの金属部材の温度は、熱可塑性樹脂の溶融温度+15℃以上かつ分解温度−30℃であることが好ましい。金属部材の温度がその範囲以下であると樹脂が表面に馴染みにくい場合があり、またその範囲を超えると樹脂の分解が進むことがある。さらにかかる温度を維持する時間は、複合材料と金属との本質的な接合のための時間が確保できるならば極力短い方がよい。熱可塑性樹脂層と金属との接合強度はかかる金属表面のトリアジンチオール誘導体含有層等の有機被覆層による親和性が重要であり、一般に高温によってかかる有機被覆層が変質するおそれがあるため、長時間高温にすることは好ましくない。一例として275℃での接合時間は概ね10分以下が好ましい。
また、有機被覆層を有する金属部材の接合面と複合材料との間に、フィルム状またはシート状の形態を有する熱可塑性樹脂層を1層または複数層重ね合わせ、熱可塑性樹脂の溶融温度+15℃以上かつ分解温度−30℃で加熱加圧することにより、全体を熱圧着させ接合体を製造することもできる。なお、複数層重ね合わせる場合は、異種の熱可塑性樹脂からなるものを組み合わせて使用することもできる。
<金属複合成形体>
熱硬化性樹脂をマトリックスとする複合材料では、金属部材と接合しようとする場合に、接着剤の使用や、プリプレグ中に金属部材をインサートした後オートクレーブ中での長時間にわたる成形を強いられていた。これに対し、本発明は熱可塑性樹脂をマトリックスとする複合材料を用いるため、プレスなどの成形工程と同時にあるいは連続して金属部材との接合を行うことができる。すなわち、本発明では型内で成形と接合を同時に行うことにより一挙に複合材料と金属部材とが接合された金属複合成形体を製造することもできる。
それ故、本発明は、熱可塑性複合材料と金属部材とが接合された金属複合成形体を製造方法するに当たり、金属表面に有機被覆層、例えばトリアジンチオール誘導体を含有する層、を設け、この有機被覆層と熱可塑性複合材料との間に配置した熱可塑性樹脂層を溶融させることにより、金属部材と複合材料との接合および成形を同時に、あるいは連続して行うことを特徴とする金属複合成形体の製造方法を包含するものである。かかる金属複合成形体製造における成形と接合は短時間で処理可能のため、従来の熱硬化性樹脂をマトリックスとする複合材料を用いる場合に比べて工業的に優位な方法である。なお、ここで「金属と複合材料との接合および成形を連続して行う」とは、金属と複合材料とを接合した後、連続して成形を行うだけでなく、複合材料を所望の形状に成形した後、連続して金属を接合させることも含む。
<熱可塑性複合材料‐金属部材の接合体>
本発明により熱可塑性複合材料と金属部材とが強固に接合した接合体が得られる。熱可塑性複合材料‐金属部材間の接合強度は引っ張り試験で評価することができるが、本発明によれば少なくとも6MPa以上の接合強度を実現できる。接合強度の上限は接合条件にもよるが50MPa程度である。本発明で得られる熱可塑性複合材料‐金属部材接合体および金属複合成形体は、強度が必要とされるような構造部材として好適に用いることができる。構造部材としては例えば自動車などの移動体を構成する部品などが挙げられる。
接合体の接合箇所数に限定はなく、シングルラップによってもダブルラップによっても、接合環境により任意に選ぶことができ、ダブルラップは面積が2倍となるため接合強度も2倍となる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例、比較例における物性測定および評価の条件は以下のとおりである。
1)接合強度
各実施例などに記載のとおりの接合体を5枚作成し、それぞれについて「インストロン」(登録商標)5587万能試験機により、引っ張り速度2mm/分で引っ張り試験を行って求めた引っ張り強度の5枚平均値を、当該接合体の接合強度の値とした。
2)ランダムマットにおける強化繊維束の分析
ランダムマットにおける強化繊維束の分析は、PCT/JP2011/070314に記載の方法に準じて実施した。
<参考例1> ランダムマット材を用いた平板の炭素繊維複合材料(I)の製造
特願2011−188768に記載の方法に準じて炭素繊維複合材料を作成した。具体的には、炭素繊維(東邦テナックス製「テナックス」(登録商標)STS40−24KS(繊維径7μm、引張強度4000MPa)のストランドを所定の長さにカットし、次いで開繊装置(気体吹付けノズル)およびフレキシブルな輸送配管を経由して、下方吸引装置を装備した定着ネット上に堆積させ、平均繊維長、開繊度の異なる2種のランダム材を作成した。さらに得られたランダム材を、それぞれ、ユニチカKE435−POG(ナイロン6)クロスの間に挟みこんで260℃、2.5MPaでプレスして厚み2mmの平板状となし、表1に示す炭素繊維体積率(Vf)の異なる2種の炭素繊維複合材料(I)を作成した。
<参考例2> ランダムマット材を用いた平板の炭素繊維複合材料(II)の製造
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、ストランド幅10mm)を使用した。縦スリット装置を使用して、幅0.8mmにスリットした後、繊維長20mmにカットを行った。カット装置としては、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このとき、強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)で表される、周方向とナイフのなす角(θ)は68度であり、刃のピッチを20mm強化繊維を繊維長20mmカットするようにした。
カッターを通過したストランドを、上記ロータリーカッターの直下に配置したフレキシブルな輸送配管に導入し、引き続き、輸送配管の下端に連設した開繊装置(気体吹付けノズル)に導入した。この開繊装置としては、径の異なるSUS304製のニップルを溶接し、二重管を製作して使用した。二重管の内側の管に小孔を設け、内側の管と外側の管との間にコンプレッサーにて圧縮空気を送気した。この時、小孔からの風速は450m/secであった。この二重管の下端部には下方に向けて径が拡大するテーパー管を溶接し、該テーパー管内をカットした強化繊維が空気流とともに下方へ移動するようにした。
上記テーパー管の側面の設けた孔より、マトリックス樹脂を管内に供給した。マトリックス樹脂としてはユニチカ社製のナイロン樹脂(ポリアミド6樹脂)“A1030”の粒子を使用した。そして、テーパー管出口の下方に、一定方向に移動する通気性の支持体(以後「定着ネット」と呼ぶ)を設置し、その下からブロワにて吸引を行い、該フレキシブルな輸送配管とテーパー管とを、定速で移動する定着ネットの幅方向に往復運動させながら、テーパー管先端から空気流とともに吐出されるカットした強化繊維とナイロン樹脂粒子の混合体を、その定着ネット上に帯状に堆積させた。この際、強化繊維の供給量を212g/min、マトリックス樹脂の供給量を320g/minにセットし、装置を稼動したところ、定着ネット上に強化繊維と熱可塑性樹脂とが斑なく混合されたランダムマットが形成された。このランダムマットの強化繊維の目付け量は265g/mであった。
得られたランダムマットについて、強化繊維束(A)の割合とその平均繊維数(N)を調べたところ、上記式(a)で定義される臨界単糸数は86であり、強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合は35Vol%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)は240であった。また、ナイロン樹脂粒子は、強化繊維中に殆ど斑の無い状態で均一に分散されていた。
このランダムマットを4枚積層し、金型に入れ、温度300℃、圧力1.0MPa、加熱時間3分間で加熱しプレス成形して、厚さ2.0mmの板状の複合材料(II)を得た。
得られた炭素繊維複合材料(II)の0度及び90度方向の引張り弾性率を測定したところ、弾性率の比(Eδ)は1.03であり、繊維配向は殆ど無く、等方性が維持された成形板を得ることができた。さらに、この成形板を500℃×1時間程度炉内にて加熱し、樹脂を除去した後、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、上記ランダムマットの測定結果と差異は見られなかった。
<参考例3> 金属表面処理
長さ100mm、幅25mm、厚み1.6mmの金属板を濃度15.0g/L、温度60℃の水酸化ナトリウム水溶液中で60秒間脱脂を行った後、水洗を60秒行い、80℃のオーブンで30分間乾燥した。次に温度60℃、濃度30〜50g/L、のリン酸水溶液(水以外の成分の90%以上がリン酸)中で300秒間浸漬し、次いで湯洗(60℃)および水洗を各60秒間行い、リン酸金属塩、水酸化物を主成分とする金属化合物皮膜を金属板両表面上に形成した。次に、濃度0.7g/Lのトリエトキシシリルプロピルアミノトリアジンチオールモノナトリウムのエタノール/水(体積比95/5)溶液に、金属化合物皮膜を有する金属板を室温で30分間浸漬した。その後オーブン内で160℃、10分間熱処理した。その後、濃度1.0g/LのN,N’−m−フェニレンジマレイミドと濃度2g/Lのジクミルパーオキシドを含むアセトン溶液に室温で10分間浸漬し、オーブン内150℃、10分間熱処理した。さらに、金属板表面全体に濃度2g/Lのジクミルバーオキシドのエタノール溶液を室温で噴霧し、風乾し、トリアジンチオール誘導体層を金属板表面全体に形成させた。
〔実施例1〕
長さ100mm、幅25mm、厚み1.6mmの冷間圧延鋼板(SPCC)を、参考例3の方法で処理した後、240℃まで昇温させた。このSPCCの上面にナイロン6フィルム(ユニチカ製「エンブレム」(登録商標)ON25μm厚)を2枚設置した。
一方、参考例1で得られた表1に記載の2種の炭素繊維複合材料(I)を、長さ100mm、幅25mmに切り出し、80℃/5時間で乾燥処理させ、SPCC、ナイロン6フィルムとシングルラップで25mm×25mmの範囲で重ね、その状態で、プレス成型機にて温度240℃、圧力0.5MPaで、1分間加熱加圧処理して、炭素繊維複合材料とSPCCとの接合体を作成した。かかる接合体を5枚作成し、それぞれについて引っ張り試験を行ったところ、各接合体の接合強度(5枚の平均値)は表1に示すとおりであった。
〔実施例2〕
金属表面処理を行った長さ100mm、幅25mm、厚み1.6mmのSPCC板に、実施例1と同様にナイロン6フィルム層を設け、炭素繊維複合材料(I)の代わりに参考例2で得られた炭素繊維複合材料(II)を用いて同様の実験を行った。得られた熱可塑性複合材料‐金属部材接合体の平均接合強度は15(Mpa)であった。
〔実施例3〕
実施例1の試料1において、ナイロン6フィルムに代えて、ナイロン6のメルトブロー不織布(目付け量20g/mm)を2枚使用して同様の実験を行った。得られた熱可塑性複合材料‐金属部材接合体の平均接合強度は14(Mpa)であった。
本発明の方法により得られる熱可塑性複合材料−金属部材接合体は、接合強度に優れているため、自動車、航空機、鉄道車両、船舶等の移動体を構成する部品類、家具、スポーツ用品や建築の材料、電気電子機器の匡体、各種機械器具の構造部材等の用途において有用である。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂をマトリックスとする熱可塑性複合材料と金属部材との接合体を製造するに当り、金属表面に有機被覆層を形成させ、有機被覆層と熱可塑性複合材料間に熱可塑性樹脂からなる層を設け、熱可塑性樹脂からなる層を溶融させることにより金属と強化繊維複合材料とを接合させることにより接合体を製造する方法であって、熱可塑性複合材料における強化繊維の平均繊維長が5〜100mmであり、かつ熱可塑性樹脂の量が強化繊維100重量部に対し50〜1000重量部である接合体の製造方法。
  2. 熱可塑性複合材料が強化繊維のチョップドストランドマットと熱可塑性樹脂とから構成され、上記マットにおける下記式(a)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)のマットの繊維全量に対する割合が30Vol%以上90Vol%未満であり、かつ強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が下記式(b)を満たす請求項1記載の接合体の製造方法。
    臨界単糸数=600/D (a)
    0.7×10/D<N<1×10/D (b)
    (ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
  3. 熱可塑性樹脂からなる層が、熱可塑性複合材料を構成する樹脂と同種の樹脂からなる層である請求項1または請求項2記載の接合体の製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂からなる層が、1枚または複数枚の熱可塑性樹脂フィルム、シートまたは不織布で構成される請求項1〜請求項3のいずれかに記載の接合体の製造方法。
  5. 金属部材表面の有機被覆層がトリアジンチオール誘導体等を含有する層である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の接合体の製造方法。
  6. 金属部材表面に化合物処理を行った後トリアジンチオール誘導体等を含有する層を形成する請求項5記載の製造方法。
  7. 成形用の金型内に熱可塑性複合材料と有機被覆層を有する金属部材とを熱可塑性樹脂層を介して積層配置し、熱可塑性樹脂層の溶融温度以上で加熱加圧することにより、複合材料と金属部材との接合を行う請求項1〜請求項6のいずれかに記載の接合体の製造方法。
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