JP2013244490A - レーザ溶接用治具とそれを備えたレーザ溶接装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レーザ溶接時にスパッタが管体の内周面に付着しないようにできるレーザ溶接用治具を提供すること。
【解決手段】 管体100,101の接合部102を管体軸方向と交差する方向からレーザビームBを照射して溶接する時に使用するレーザ溶接用治具10として、管体100,101の接合部102の内部に配置するスパッタ付着体11を備え、スパッタ付着体11は、接合部102から管体100,101の内方に貫通するビームBの前方と、そのビームBの前方から管体軸方向の所定範囲に位置する付着板12を有するとともに、このスパッタ付着体11の内部に形成した空間26にシールドガス供給管27から供給したシールドガスGを、この空間26から接合部102の内周面に向けて供給するガス供給口28を有しているようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、金属材の管体をレーザ溶接で接合する場合のレーザ溶接用治具と、その治具を備えたレーザ溶接装置に関する。
従来、金属材の管体における突合せ継手部を溶接によって接合する場合、例えば、TIG溶接などが用いられている。しかし、TIG溶接などは、作業者の熟練度等によって溶接品質に差が出る場合がある。
一方、近年、金属材の溶接接合にファイバーレーザ溶接などのレーザ溶接(以下、単に「レーザ溶接」という)が用いられる場合がある。このレーザ溶接は、高出力のレーザビーム(この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、単に「ビーム」ともいう)によって金属材の接合部を溶かして溶接するものもある。レーザ溶接は、溶接部を効率良く溶かすので、溶込みが深く溶接変形の少ない溶接を行うことができる。そのため、レーザ溶接は、作業者の熟練度による溶接品質の差を抑えることができる。また、このレーザ溶接においても、金属材の材質によっては、溶接部をシールドガスによって大気から遮断し、そのガスシールドした溶接部にレーザビームを照射して溶接することがある。
なお、上記シールドガスによって溶接部を大気から遮断する先行技術として、鋼管を裏波溶接する場合に、鋼管内周面の溶接ビードが酸化しないように溶接部の内周面をガスシールドするシールド治具がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−33783号公報
ところで、例えば、管体の突合せ継手部をレーザ溶接によって接合する場合、その接合部にレーザビームを照射して貫通させることで板厚分を溶かして溶接する。そのため、貫通するレーザビームによって生じるスラグや金属粒等のスパッタが管体の内周面に飛散し、溶接部と反対側の管体内周面に付着してしまう。
このスパッタは、管体内部を流す流体の抵抗を増加させたり、使用中に剥がれて流体中に混入する場合がある。特に、清浄度が要求される流体を流す管体の場合には、問題となる。また、その表面に塗装する場合には、その塗装品質を悪化させる。
そのため、上記したように配管の内周面に付着したスパッタは溶接後に治具などで取り除く必要があり、特に清浄度が要求される管体の場合には、全てのスパッタを除去する必要がある。
しかしながら、スパッタは金属が溶けた状態で飛散して管体の内周面に付着し、その後に凝固するため、金属によっては付着後に取り除くのが非常に困難な場合がある。そのため、スパッタの除去に多くの時間と労力を要する。
しかも、小径の管体や曲がった管体などは、溶接後に管体内周面の溶接箇所までスパッタを取り除く治具を挿入することが難しく、スパッタを除去できない場合もある。
なお、上記先行技術には、このようなスパッタによって生じる課題も、その解決手段も何ら記載されていない。
そこで、本発明は、レーザ溶接時にスパッタが管体の内周面に付着するのを防止できるレーザ溶接用治具と、その治具を備えたレーザ溶接装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るレーザ溶接用治具は、管体の接合部を管体軸方向と交差する方向からレーザビームを照射して溶接するレーザ溶接に使用する治具であって、前記管体の内部であって前記接合部の内周面と対向する位置に設けられるスパッタ付着体を備え、前記スパッタ付着体は、管体軸方向の所定長さの付着板を有している。
この構成により、レーザビームによって飛散するスパッタを、スパッタ付着体の付着板に付着させることができ、レーザビームによって管体の内周面に飛散するスパッタが管体の内周面に付着することを防止できる。
また、前記付着板は、前記接合部の内周面から所定の間隔を有して形成される環状の凹状部を有していてもよい。
このように構成すれば、管体の接合部に近い位置に付着板を配置し、ビームによって飛散するスパッタを速やかに凹状部に付着させて、安定したスパッタの飛散防止を図ることができる。
また、前記スパッタ付着体は、前記接合部にシールドガスを供給するガス供給手段を有し、前記ガス供給手段は、前記接合部の内周面に向けてシールドガスを供給するガス供給口を有していてもよい。
このように構成すれば、レーザ溶接用治具に、スパッタ付着体によるスパッタの飛散防止治具と、ガス供給口から窒素、アルゴンなどのバックシールドガスを供給して接合部の内周面部分をガスシールドするバックシールドガス供給治具とを兼用させることができるとともに、シールドガスの使用量を抑えることができる。
また、前記ガス供給口は、前記接合部の接合面を基準として管体軸方向の離れた位置に千鳥配置に形成されていてもよい。
このように構成すれば、接合部(溶接部)に向けてシールドガスを効率良く供給し、安定したガスシールドと共にシールドガスの使用量を更に抑えることができる。
また、前記スパッタ付着体は、前記ガス供給手段の管体軸方向前後位置に前記管体の内周面との間をシールするシール部材を有していてもよい。
このように構成すれば、シール部材によってバックシールドガスをより効率良く溶接部の内周面部分に留まらせることができるので、バックシールドガスの使用量をより削減することができる。
また、前記スパッタ付着体は、前記管体と共に回転するように配置されていてもよい。
このように構成すれば、レーザビームの照射部を固定し、管体を回転させながら溶接する場合に、溶接する接合部の回転と共にスパッタ付着体も回転して飛散するスパッタを付着板の周囲に付着させて飛散防止を図ることができる。
一方、本発明に係るレーザ溶接装置は、前記いずれかのレーザ溶接用治具を備えたレーザ溶接装置であって、前記レーザビームを照射するレーザ発振器と、前記レーザビームによる溶接部にシールドガスを供給するシールドガス供給器と、前記管体を回転させる管体駆動機と、前記管体の内部に配置したレーザ溶接用治具にバックシールドガスを供給するバックシールドガス供給器と、を備えている。
この構成により、管体の接合部を貫通するビームによって飛散するスパッタを、管体内部に配置したスパッタ付着体の付着板に付着させて飛散防止を図ると共に、溶接する接合部の内周面部分を少ないシールドガス量でガスシールドして酸化防止を図ることができる。
本発明によれば、管体の内周面にスパッタが付着するのを防止して管体内周面の清浄度を確保することが可能となる。
また、バックシールドガス供給治具として兼用できるようにすれば、管体内周面の洗浄度確保と共に、バックシールドガスの使用量を削減することが可能となる。
図1は本発明の第1実施形態に係るレーザ溶接用治具を配置した管体を断面で示す側面図である。 図2は図1に示すII−II断面図である。 図3は本発明の第2実施形態に係るレーザ溶接用治具を配置した管体を断面で示す側面図である。 図4は図3に示すIV−IV断面図である。 図5は本発明の第3実施形態に係るレーザ溶接用治具を配置した管体を断面で示す側面図である。 図6は本発明の第4実施形態に係るレーザ溶接用治具を配置した管体を断面で示す側面図である。 図7は図6に示すレーザ溶接用治具におけるシール部材部分の拡大図である。 図8は本発明の一実施形態に係るレーザ溶接装置を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、スパッタの飛散防止を図るレーザ溶接用治具と、スパッタの飛散防止とバックシールドガスGの供給とを兼用したレーザ溶接用治具と、その兼用したレーザ溶接用治具を備えたレーザ溶接装置を説明する。
図1,2に示す第1実施形態に係るレーザ溶接用治具10は、スパッタSの飛散防止を図るレーザ溶接用治具10である。このレーザ溶接用治具10は、4枚の矩形状の付着板12を交差させて組んだスパッタ付着体11を有している。このスパッタ付着体11は、図2に示す管体100,101を軸方向から見た状態で、軸方向の所定長さを有する4枚の付着板12がいわゆる井桁状に組まれた状態となっている。付着板12の組み方は、この実施形態に限定されるものではない。この付着板12は、図1に示すように、凹状部13が形成され、この凹状部13は管体100,101の軸方向の所定範囲に渡って形成されている。凹状部13の深さ及びその側壁の切り欠き深さHとしては、管体100,101の接合部102を貫通するビームBが達しない所定の間隔を有するように設定される。この間隔は、ビームBの強さ等に応じて決定される。
このレーザ溶接用治具10のスパッタ付着体11は、図1に示すように、付着板12の凹状部13の軸方向中央が管体100,101の接合部102の直下に位置する状態で、接合部102の内周面104Aから所定の間隔を有して配置される。また、図2に示すように、スパッタ付着体11は、管体100,101の内部に接合部の内周面に対向する位置に配置される。
この第1実施形態のレーザ溶接用治具10によれば、管体100,101の接合部102をビームBで溶接するときに、その接合部102を貫通するビームBによって管体100,101の内部に飛散するスパッタSを付着板12に付着させて、スパッタSが管体100,101の内周面に飛散して付着することを防止できる。
また、管体100,101の接合部102を貫通するビームBの前方部分に凹状部13が位置しているため、ビームBの熱によって付着板12(レーザ溶接用治具10)が熱せられることもなく、スパッタSが付着して飛散防止を図ることができる。
さらに、通常、ビームBの位置を固定し、管体100,101を回転させてレーザ溶接されるが、管体100,101に配置したレーザ溶接用治具10は管体100,101と共に回転し、付着板12の周囲にスパッタSを付着させて管体100,101の内周面104にスパッタSが飛散することを防止できる。
次に、図3,4に基づいて第2実施形態に係るレーザ溶接用治具20を説明する。なお、上記第1実施形態のレーザ溶接用治具10と同一の構成には同一の最下位桁符号を付して説明する。第2実施形態のレーザ溶接用治具20は、スパッタSの飛散防止とバックシールドガス供給とを兼用したレーザ溶接用治具20である。
このレーザ溶接用治具20は、図4に示すように、管体100,101の内周面104と所定の隙間Wを有する外径の円盤状に形成されたスパッタ付着体21を有している。このスパッタ付着体21は、図3に示すように、管体軸方向の両面に側板24,25が設けられ、これらの側板24,25の外周部分が付着板22によって連結されたものである。この付着板22は、上記側板24,25の外周から軸方向中央部分に向けて小径となるように傾斜して形成されており、この付着板22の外周部分に環状の凹状部23が形成されている。この凹状部23は、深さHのV字状に形成されており、管体100,101の接合部内周面104Aと所定の間隔を有している。また、側板24,25と付着板22とにより、スパッタ付着体21の内部に空間26が形成されている。
一方、側板24(図示する右方)には、上記空間26に連なるシールドガス供給管27が設けられている。このシールドガス供給管27には、後述する図8に示すように、バックシールドガス供給器68からシールドガスGが供給されるようになっている。この実施形態のシールドガス供給管27は、側板24と連結された部分がスパッタ付着体21と一体的に回転するようになっている。
そして、この実施形態のレーザ溶接用治具20には、上記凹状部23を形成している付着板22に、内部の空間26から接合部102(溶接部103)の内周面部分に向けて上記シールドガスGをバックシールドガスとして供給するガス供給口28が設けられている。この実施形態のガス供給口28は、両方の付着板22の周方向に接合部102の接合面を基準として千鳥配置で設けられている。このように、シールドガスGを上記シールドガス供給管27から空間26に供給し、この空間26からガス供給口28を介して凹状部23に供給する構成が、ガス供給手段である。
また、この実施形態の凹状部23は、シールドガスGがスパッタ付着体21の軸方向中央に向けて互いに逆方向に傾斜した付着板22から接合部102に向けて供給されるように形成されている。この凹状部23に供給されたシールドガスGは、スパッタ付着体21と管体100,101との隙間Wから管体100,101の内部に少し漏れるが、凹状部23における接合部102の内方では、安定したガスシールドを行うことができる。
このように構成された第2実施形態のレーザ溶接用治具20によれば、管体100,101の接合部102をビームBで溶接するときに、その接合部102を貫通するビームBによって管体100,101の内部に飛散するスパッタSを付着板22に付着させて、管体100,101の内周面に飛散して付着することを防止できる。
また、管体100,101の接合部102を貫通するビームBの前方部分に凹状部23が位置しているため、ビームBの熱によって付着板22(レーザ溶接用治具20)が高温になることもなく、スパッタSを付着させて飛散防止を図ることができる。
さらに、通常、ビームBの位置を固定し、管体100,101を回転させてレーザ溶接されるが、管体100,101と共にレーザ溶接用治具20も回転し、付着板22の周囲にスパッタSを付着させて管体100,101の内周面にスパッタSが飛散することを防止できる。
その上、この実施形態では、このようなスパッタSの管体内周面104への飛散防止と共に、スパッタ付着体21のガス供給口28から凹状部23にシールドガスGをバックシールドガスとして供給し、このバックシールドガスを接合部102の近傍に集中的に流すことでシールドガスの使用量を抑えたガスシールドが可能となる。
このように、第2実施形態のレーザ溶接用治具20によれば、スパッタSの飛散防止と、シールドガス供給量の削減とを図ることが可能となる。
次に、図5に基づいて第3実施形態に係るレーザ溶接用治具30を説明する。なお、この第3実施形態に係るレーザ溶接用治具30は、上記第2実施形態に係るレーザ溶接用治具20の変形例であるため、側面図のみで説明する。また、上記第2実施形態のレーザ溶接用治具20と同一の構成には同一の最下位桁符号を付して説明する。
このレーザ溶接用治具30は、スパッタ付着体31が、管体軸方向の両端面に設けられた側板34,35と、これらの側板34,35を連結する筒状の付着板32とを有している。これらにより、スパッタ付着体31の内部に空間36が形成されている。また、付着板32は、側板34,35よりも小径に形成され、この付着板32の外周面と側板34,35との間に凹状部33が形成されている。この凹状部33は、深さHで形成され、管体100,101の接合部内周面104Aと所定の間隔を有するようになっている。また、スパッタ付着体31の側板34,35の外径は、管体100,101の内周面104との間に上記第2実施形態と同様に隙間Wを有する大きさで形成されている。
さらに、この実施形態では、上記側板34の中央部分に開口穴39が設けられ、この開口穴39にシールドガス供給管37が挿入されている。従って、この実施形態におけるスパッタ付着体31は、シールドガス供給管37に対して自由に回転できるようになっている。この場合、シールドガス供給管37から供給されたシールドガスGの一部が開口穴39との隙間から管体100の内部に漏れるが、隙間の設定によって非常に少なくできる。
そして、この実施形態のレーザ溶接用治具30には、上記凹状部33を形成している付着板32に、内部の空間36から接合部(溶接部)102に向けて上記シールドガスGをバックシールドガスとして供給するガス供給口38が設けられている。この実施形態のガス供給口38は、筒状に形成された付着板32の軸方向に2列が設けられ、接合部102の接合面を基準として千鳥配置となっている。このガス供給口38から供給されるシールドガスGによって、接合部102の内方に形成される凹状部33の全体がガスシールドされるようになっている。
このように構成された第3実施形態のレーザ溶接用治具30によっても、管体100,101の接合部102をビームBで溶接するときに、その接合部102を貫通するビームBによって管体100,101の内部に飛散するスパッタSを付着板32に付着させて、管体100,101の内周面に飛散して付着することを防止できる。
また、管体100,101の接合部102を貫通するビームBの前方部分に凹状部33が位置しているため、ビームBの熱によってレーザ溶接用治具30が高温になることもなく、スパッタSを付着させて飛散防止を図ることができる。
さらに、通常、ビームBの位置を固定し、管体100,101を回転させてレーザ溶接されるが、管体100,101と共にレーザ溶接用治具30も回転し、付着板32の周囲にスパッタSを付着させて管体100,101の内周面にスパッタSが飛散することを防止できる。
その上、この実施形態では、このようなスパッタSの管体内周面104への飛散防止と共に、スパッタ付着体31のガス供給口38から凹状部33にシールドガスGをバックシールドガスとして供給し、このバックシールドガスを接合部102の近傍に集中的に流すことでシールドガスの使用量を抑えたガスシールドが可能となる。
このように、第3実施形態のレーザ溶接用治具30によれば、スパッタSの飛散防止と、シールドガス供給量の削減とを図ることが可能となる。
次に、図6,7に基づいて、第4実施形態に係るレーザ溶接用治具40を説明する。この第4実施形態に係るレーザ溶接用治具40は、上記第3実施形態に係るレーザ溶接用治具30の変形例であるため、異なる構成についてのみ説明する。また、上記レーザ溶接用治具30と同一の構成には同一の最下位桁符号を付して説明する。
この実施形態のスパッタ付着体41は、側板44,45の外周にシール部材50が設けられている。この実施形態のシール部材50は、ワイヤシール部材が用いられている。シール部材50としては、例えば、ゴムシール部材等の弾性変形可能なものが好ましい。このように弾性変形可能なシール部材50を設けることにより、例えば、レーザ溶接用治具40を管体100,101の開口端から接合部102まで挿入する時に、管体100,101が湾曲していたり、一方がL字状に屈曲していたとしても、シール部材50を弾性変形させながら接合部102まで挿入することができる。しかも、配置した状態でスパッタ付着体41の外周と管体100,101の内周面とに隙間がほぼ無いような状態にすることもできる。
また、この実施形態のスパッタ付着体41は、シールドガス供給管47の途中にロータリージョイント51が設けられている。シールドガス供給管47にロータリージョイント51を備えさせることにより、管体100,101と共に回転するスパッタ付着体31の回転をよりスムーズに行わせることができる。
このように構成された第4実施形態のレーザ溶接用治具40によっても、管体100,101の接合部102をビームBで溶接するときに、その接合部102を貫通するビームBによって管体100,101の内部に飛散するスパッタSを付着板42に付着させて、管体100,101の内周面に飛散して付着することを防止できる。
また、管体100,101の接合部102を貫通するビームBの前方部分に凹状部43が位置しているため、ビームBの熱によって付着板42(レーザ溶接用治具40)が高温になることもなく、スパッタSを付着させて飛散防止を図ることができる。
さらに、通常、ビームBの位置を固定し、管体100,101を回転させてレーザ溶接されるが、管体100,101と共にレーザ溶接用治具40も回転し、付着板42の周囲にスパッタSを付着させて管体100,101の内周面にスパッタSが飛散することを防止できる。
しかも、このレーザ溶接用治具40によれば、例えば、管体100に90°の屈曲部分があったとしても、その屈曲部分で外周に備えさせたシール部材50を撓ますことで接合部102のまで挿入して配置することができ、種々の管体におけるスパッタSの飛散防止に利用することができる。
その上、この実施形態では、このようなスパッタSの管内周面面104への飛散防止と共に、スパッタ付着体41のガス供給口48から凹状部43にシールドガスGをバックシールドガスとして供給し、このバックシールドガスを接合部102の近傍に集中的に流すことでシールドガスGの使用量を抑えたガスシールドが可能となる。特に、シール部材50でスパッタ付着体41の周囲がシールされているので、他の実施形態に比べて更なるシールドガスGの使用量削減を図ることができる。
このように、第4実施形態のレーザ溶接用治具40によれば、スパッタSの飛散防止と、シールドガス供給量の削減とを図ることができる。
次に、図8に基づいて、上述した第2実施形態に係るレーザ溶接用治具20を備えたレーザ溶接装置60を説明する。この例では第2実施形態のレーザ溶接用治具20を例に説明するが、他の実施形態におけるレーザ溶接用治具を備えさせてもよい。
図示するように、この実施形態のレーザ溶接装置60は、上記レーザビームBを発生させるレーザ発振器61と、このレーザ発振器61からのレーザビームBを照射するレーザヘッド62と、このレーザヘッド62の位置を制御するロボット63とを備えている。また、上記レーザビームBによる溶接部103にシールドガスタンク64からシールドガスGを供給するシールドガス供給器65(先端部は簡略して示す)と、上記管体100,101を回転させる管体駆動機66と、上記管体100,101の内部に配置したレーザ溶接用治具20の凹状部23にシールドガスタンク67からシールドガス供給管27を介してシールドガスGを供給するバックシールドガス供給器68(図ではシールドガスタンク67の上部に設けられた部分のみを示す)とを備えている。図示する管体100,101は、管体駆動機66に把持されている管体101に管体100を仮付けして支持している状態を示している。
このレーザ溶接装置60によれば、管体100,101の溶接部103は、シールドガス供給器65から溶接部103の外面に供給されるシールドガスGと、バックシールドガス供給器68からレーザ溶接用治具20の凹状部23を介して溶接部103の内周面に供給されるシールドガスGとにより、溶接部103の表側及び裏側がガスシールドされる。そして、その状態で、管体駆動機66によって回転させられる管体100,101の接合部102がレーザヘッド62から照射されるレーザビームBによってレーザ溶接される。
従って、このレーザ溶接装置60によれば、溶接部103を完全に空気から遮断した状態で溶接することができるので、例えば、ステンレス鋼材の管体100,101をレーザ溶接する場合でも、溶接部103における酸化を防止して変色等が生じないように溶接することができる。従って、清浄度が求められる管体100,101の接合をレーザ溶接によって迅速、かつ綺麗に行うことが可能である。
なお、上記実施形態では、円形断面の管体100,101を例に説明したが、角形断面、楕円形断面等の断面でも同様に実施可能であり、管体100,101の断面形状は、上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記各実施形態における構成を任意に組合わせることも可能であり、各実施形態の構成を組合わせて異なる実施形態とすることもでき、各実施形態の構成は限定されるものではない。
さらに、上述した実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
本発明に係るレーザ溶接用治具は、清浄度が要求される管体等の溶接接合をレーザビームによって迅速に行いたい場合などに利用できる。
10 レーザ溶接用治具
11 スパッタ付着体
12 付着板
13 凹状部
20 レーザ溶接用治具
21 スパッタ付着体
22 付着板
23 凹状部
26 空間
27 シールドガス供給管
28 ガス供給口
30 レーザ溶接用治具
31 スパッタ付着体
32 付着板
33 凹状部
36 空間
37 シールドガス供給管
38 ガス供給口
40 レーザ溶接用治具
41 スパッタ付着体
42 付着板
43 凹状部
46 空間
47 シールドガス供給管
48 ガス供給口
50 シール部材
60 レーザ溶接装置
61 レーザ発振器
62 レーザヘッド
63 ロボット
64,67 シールドガスタンク
65 シールドガス供給器
66 管体駆動機
68 バックシールドガス供給器
H 深さ
S スパッタ
B ビーム
W 隙間
100,101 管体
102 接合部(接合面)
103 溶接部
104 内周面
104A 接合部内周面

Claims (7)

  1. 管体の接合部を管体軸方向と交差する方向からレーザビームを照射して溶接するレーザ溶接に使用する治具であって、
    前記管体の内部であって前記接合部の内周面と対向する位置に設けられるスパッタ付着体を備え、
    前記スパッタ付着体は、管体軸方向の所定長さの付着板を有していることを特徴とするレーザ溶接用治具。
  2. 前記付着板は、前記接合部の内周面から所定の間隔を有して形成される凹状部を有している請求項1に記載のレーザ溶接用治具。
  3. 前記スパッタ付着体は、前記接合部にシールドガスを供給するガス供給手段を有し、
    前記ガス供給手段は、前記接合部の内周面に向けてシールドガスを供給するガス供給口を有している請求項1又は請求項2に記載のレーザ溶接用治具。
  4. 前記ガス供給口は、前記接合部の接合面を基準として管体軸方向の離れた位置に千鳥配置に形成されている請求項3に記載のレーザ溶接用治具。
  5. 前記スパッタ付着体は、前記ガス供給手段の管体軸方向前後位置に前記管体の内周面との間をシールするシール部材を有している請求項3又は4に記載のレーザ溶接用治具。
  6. 前記スパッタ付着体は、前記管体と共に回転するように配置されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザ溶接用治具。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載のレーザ溶接用治具を備えたレーザ溶接装置であって、
    前記レーザビームを照射するレーザ発振器と、
    前記レーザビームによる溶接部にシールドガスを供給するシールドガス供給器と、
    前記管体を回転させる管体駆動機と、
    前記管体の内部に配置したレーザ溶接用治具にバックシールドガスを供給するバックシールドガス供給器と、
    を備えたことを特徴とするレーザ溶接装置。
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