JP2017154171A - 溶接用トーチ - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接用トーチを保護しつつ高い水素吸引性能を発揮して、溶接品質を向上できる溶接用トーチを提供する。
【解決手段】シールドガスの雰囲気中でアーク溶接を行う溶接用トーチ100であって、溶接ワイヤ13を送給するコンタクトチップ25と、溶接ワイヤの周囲を囲み、溶接ワイヤとの間に形成される空間からガスを吸引する吸引ノズル23と、吸引ノズル23の外周に設けられ、吸引ノズル23との間に形成される空間からシールドガスを溶接部に供給するシールドガス供給ノズル21と、を有し、コンタクトチップ25の先端からシールドガス供給ノズル21の先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離をLts[mm]、コンタクトチップ25の先端から吸引ノズル23の先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離をLtk[mm]とした際に、7≦Ltk≦17,0≦Lts≦18を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶接用トーチに関する。
溶接産業において、溶接金属中の拡散性水素(水素原子H)による溶接金属の水素脆化及び水素割れが問題となっている。溶接金属中の拡散性水素は、鋼組織の粒界や微小空間に集まり水素分子(H)となり、体積を膨張させる。この膨張圧力は、溶接金属に割れを生じさせ、構造物の破壊を招く。このような水素割れについては、鋼の強度が増すに従って水素割れ感受性が高まるが、近年、溶接において強度の高い高張力鋼が使われる傾向にある。
図11は、拡散性水素が溶接金属に吸収されるプロセスを説明するための図である。図11において、溶接ワイヤは、フラックス入りの溶接ワイヤであるフラックスコアードワイヤが用いられるものとして説明する。また、図12は、フラックスコアードワイヤの断面を示す図である。
フラックスコアードワイヤである溶接ワイヤ201は、外周を構成する鋼製フープ202と中心部203とから構成されている。フラックスコアードワイヤの場合、中心部203には、金属又は合金などの金属粉、及びフラックスが含まれる。そして、溶接ワイヤ201がコンタクトチップ208を通して送られると同時に、溶接電流がコンタクトチップ208から溶接ワイヤ201に流れて、溶接ワイヤ201先端のアーク209によって溶接ワイヤ201が溶けて溶接金属210となる。このとき、コンタクトチップ208から突き出された溶接ワイヤ201のワイヤ突出し部211には溶接電流が流れるため、抵抗発熱が生じ、温度が上昇する。この上昇温度は、例えば、コンタクトチップ208の先端から5mm程度で100℃に達し、コンタクトチップ208の先端から20mmのワイヤ先端近傍では約600℃まで上昇する場合がある。
ワイヤ突出し部211の温度が100℃を超えて上昇すると、まず、ワイヤ表面の水素源205が気化して溶接ワイヤ201から放出される。続いて、加熱された鋼製フープ202からの熱伝導により中心部203が加熱され、フラックス内及び金属粉内の水素源205も気化して、継ぎ目であるシーム204を通して溶接ワイヤ201外に放出される。溶接ワイヤ201から放出された水素源205の一部は、アークプラズマ気流、及びガスシールドアーク溶接の場合にノズル206から溶接部に供給されるシールドガスの流れ(矢印207に示す方向)によって、矢印213に示す方向に流れて、アーク209に導かれる。アーク209は数千度の高温であるため、水素源205、例えばHOは、解離して拡散性水素212となり、アーク柱内の溶滴及び溶接金属210に吸収されて溶接金属210内に入り込む。
このようにして、ワイヤ表面に存在する水素源や、溶接ワイヤに使われるフラックス及び金属粉に含まれる水素源が、高温に加熱されたワイヤ突出し部において気化する。そして、気化した水素源は、アークプラズマ気流及びガスシールドアーク溶接の場合に供給されるシールドガスの流れによって、アーク柱内及びその近傍に運ばれる。運ばれた水素源は、解離して水素原子(即ち、拡散性水素)となり、溶接金属中に吸収される。
拡散性水素により発生する水素脆化及び水素割れの対策としては、拡散性水素が溶接金属から外部に放出されることを促すために、予熱(溶接前に溶接鋼材を加熱すること)や後熱(溶接後、溶接部を加熱すること)が行われる場合がある。また、溶接においてフラックスコアードワイヤを使う場合には、フラックスにCaFやNaAlFなどのフッ化物を添加することにより、拡散性水素を低減させる方法も用いられている。更に、ガスシールドアーク溶接において供給されるシールドガスにCFを微量に混合する手法も提案されている。
特表2002−506736号公報
溶接ワイヤにおける水素源は、ワイヤ表面に付着している油や水分、フラックスコアードワイヤやメタルコアードワイヤに内包されるフラックス及び金属粉に付着している水分や有機物である。一般に、溶接ワイヤ表面に付着している水素源よりも、フラックスや金属粉に付着している水素源のほうが比較的多い。そのため、フラックス及び金属粉に付着する水素源を減らすために、溶接ワイヤを製造する前に、フラックス及び金属粒子を高温で加熱し、水素源を除去する手法が採られる場合がある。また、製造工程の中で吸湿するのを防止することも必要であるが、多大なコストがかかる。更には、製品化された後でも、保管中や湿度の高い溶接現場での作業中にも空気中から水分が吸着するので、水素源を減少させることには様々な障害が存在する。
また、水素脆化及び水素割れの対策として、予熱や後熱を行う場合には、150〜250℃もの加熱を行うこととなり、多大なエネルギー費用及び労力がかかる。また、高温の作業であり溶接作業者に過酷な負担をかけるという問題がある。フラックスにフッ化物を添加する場合には、添加物の量を増加させるにつれてアークの安定性を劣化させるために、拡散性水素が十分に低減しない場合がある。更に、シールドガスにCFを混合する手法においても、安全性の問題やアークの安定性が劣化する問題があり、普及するには障害があるといえる。
特許文献1に示すトーチは、コンタクトチップから突き出された溶接ワイヤの周囲を囲みワイヤ先端部に向いた開口部からヒュームを吸引する。特許文献1には示されていないが、このトーチでは、溶接中に溶接ワイヤから離脱した水素源をヒュームと同時に吸引し、溶接部外に排出し、溶接金属中の拡散性水素量を低減すると解される。
しかし、特許文献1には、大まかなトーチの構成が図示されているのみであり、各ノズルやチップのサイズや相対位置の詳細な構成は記載されていない。拡散性水素量低減へのシステムの実用性と有効性を考慮すると、トーチには、水素吸引性能、溶接金属の気孔欠陥防止、トーチ部品の保護の観点で最適な構成があると考えられるが、それには触れられていない。水素吸引性能を追究すると、長時間の使用に耐えられない構造になってしまうため、適正な設計が必要になる。また、吸引ノズルの構造によっては、シールドガスの流れ状態を悪化させるため、シールド性が悪化し、大気を巻き込むことで気孔欠陥の発生に繋がることがある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、溶接用トーチを保護しつつ高い水素吸引性能を発揮して、溶接品質を向上できる溶接用トーチを提供する。
本発明は下記構成からなる。
シールドガスの雰囲気中でアーク溶接を行う溶接用トーチであって、溶接電流が供給される溶接ワイヤを先端部に向けて送給可能に支持するコンタクトチップと、前記コンタクトチップの先端部から突き出された前記溶接ワイヤの周囲を囲み、前記溶接ワイヤとの間に形成される空間(隙間)からガスを吸引する吸引ノズルと、前記吸引ノズルの外周に設けられ、前記吸引ノズルとの間に形成される空間(隙間)から前記シールドガスを前記溶接ワイヤの先端の溶接部に向けて供給するシールドガス供給ノズルと、を有し、前記コンタクトチップの先端から前記シールドガス供給ノズルの先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離をLts[mm]、前記コンタクトチップの先端から前記吸引ノズルの先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離をLtk[mm]とした際に、下記(1)式、7≦Ltk≦17,0≦Lts≦18・・・(1)を満たすことを特徴とする溶接用トーチ。
本発明によれば、溶接用トーチを保護しつつ高い水素吸引性能を発揮して、溶接金属の気孔欠陥等の発生を防止して溶接品質を向上できる。
実施の形態に係る溶接装置の概略構成の一例を示す図である。 図1のA−A線断面図である。 図1に示した溶接用トーチの先端部の要部拡大図である。 吸引ノズルがテーパを有する変形例に係る溶接用トーチの要部拡大図である。 吸引ノズルの先端部の形状を変更した変形例に係る溶接用トーチの要部拡大図である。 吸引ノズルがチップボディとの接合部に耐熱性絶縁部材を有する第2構成例に係る溶接用トーチの要部拡大図である。 吸引ノズルが吸引ノズルの先端部に耐熱性絶縁部材を有する第3構成例に係る溶接用トーチの要部拡大図である。 吸引ノズルのノズル全体が耐熱性絶縁素材で形成される第4構成例に係る溶接用トーチの要部拡大図である。 気孔欠陥の試験に用いた試験板の断面図である。 図9に示した試験板の平面図である。 拡散性水素が溶接金属に吸収されるプロセスを説明するための図である。 フラックスコアードワイヤの断面を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<溶接システムの構成>
本構成例に係る溶接装置10は、消耗電極式ガスシールドアーク溶接によって溶接を行う装置である。消耗電極とは、アーク溶接において、アーク熱により溶融する電極を表す。また、ガスシールドアーク溶接とは、噴射したシールドガスにより溶接部を外気から遮断して溶接を行う溶接法である。そして、溶接装置10は、溶接部に噴射したシールドガスのうちワイヤ突出し部の近傍における水素源11を含むシールドガスを吸引しながら溶接を行う。
図1は、実施の形態に係る溶接装置10の概略構成の一例を示す図である。図1に示すように、本構成例の溶接装置10は、溶接ワイヤ13を用いてワークWを溶接する溶接用トーチ100と、シールドガスを吸引する吸引装置15を備える。また、溶接用トーチ100と吸引装置15を接続する、吸引シールドガス経路17を備える。
溶接用トーチ100は、溶接電源(不図示)から供給される溶接電流により溶接ワイヤ13を給電してワークWを溶接する。溶接ワイヤ13としては、例えば、中心部に金属粉及びフラックスが添加されたフラックスコアードワイヤ、中心部に主として金属粉が添加されたメタルコアードワイヤ、鋼などの合金で構成されるソリッドワイヤが用いられる。
溶接用トーチ100は、シールドガス供給ノズル21と、吸引ノズル23と、コンタクトチップ25と、吸引経路27と、チップボディ29とを備え、更に、シールドガス供給ノズル21とチップボディ29との間には、双方を絶縁する絶縁用部品28が設けられている。
吸引装置15は、流量制御バルブ31と、エジェクタ33とを備え、溶接用トーチ100の吸引ノズル23からシールドガスを吸引する。シールドガスは、シールドガスボンベ等の、図示していない外部のシールドガス供給装置からシールドガス供給ノズル21に供給される。吸引装置15としては、例えば25L/min程度の吸引能力があれば良く、小型で大きなエネルギーを必要とするものではなく安価に供給されているものを採用することが可能である。
吸引シールドガス経路17は、溶接用トーチ100の吸引経路27と吸引装置15とを接続し、吸引したシールドガスが流れる経路となる。吸引シールドガス経路17は、例えばゴムチューブで形成される。
次に、溶接用トーチ100の構成について説明する。
シールドガス供給ノズル21は、筒状の形状を有しており、筒状に形成されたチップボディ29に図1の下側から嵌め込まれて固定される。チップボディ29の図中上方の外周面29aには、絶縁用樹脂部品28が設けられ、シールドガス供給ノズル21とチップボディ29とは絶縁される。このシールドガス供給ノズル21は、溶接部に対してシールドガスを供給する。また、シールドガス供給ノズル21は筒状に形成されているため、シールドガスは、溶接部を包囲して外気から遮断するように供給される。
吸引ノズル23は、シールドガス供給ノズル21の内部に配設され、筒状の形状を有する。この吸引ノズル23は、チップボディ29における図1の下側に突出する筒状部の外周面29bに嵌め込まれて固定される。シールドガス供給ノズル21と、吸引ノズル23に接続されるチップボディ29の外周面29bとの間には、不図示のシールドガス供給装置から送られるシールドガスを均一にするための絞りであるオリフィス30が配置される。
また、吸引ノズル23は、コンタクトチップ25から突き出された溶接ワイヤ13のワイヤ突出し部37の周囲を囲む構造を持ち、且つ溶接ワイヤ13の先端部に向けて開口部39を有する。図2は、溶接装置10における図1のA−A線の断面図である。図2に示すように、コンタクトチップ25の中心に溶接ワイヤ13が設けられ、コンタクトチップ25の周囲を囲むように、吸引ノズル23が存在している。また、吸引ノズル23の周囲を囲むようにシールドガス供給ノズル21が設けられている。
ここで、吸引ノズル23は、溶接ワイヤ13の先端方向、即ち、アーク41が発生する方向に向けて開口しており、ワイヤ先端部の近傍で放出された水素源11を含むシールドガスを吸引するように構成される。吸引ノズル23の吸引により、水素源11を含むシールドガスは、溶接部外に向かう方向である矢印43の方向に流れ、溶接部外に排出される。
ワイヤ先端部の近傍で放出された水素源11を吸引するには、吸引ノズル23を長くしてワイヤ先端部まで囲むように構成すればよいが、アーク熱により吸引ノズル23が溶融する可能性がある。そのため、吸引ノズル23は、アーク熱の影響を考慮した長さで、ワイヤ先端部に向けて開口して構成される。吸引ノズル23としては、例えば、熱伝導に優れた銅合金や、耐熱に優れたセラミックスが用いられる。更に、スパッタの付着を防止するためにクロムメッキ等が施されたものを用いてもよい。
コンタクトチップ25は、吸引ノズル23の内径部に配設され、筒状の形状を有する。コンタクトチップ25は、チップボディ29における図1の下側の内径部29cに、コンタクトチップ上部が嵌め込まれることで固定される。このコンタクトチップ25は、溶接ワイヤ13を案内するとともに溶接ワイヤ13に溶接電流を供給する。コンタクトチップ25の内部には、溶接ワイヤ13に接触可能な径のワイヤ送給路が形成されており、溶接ワイヤ13に給電される。また、コンタクトチップ25は、チップボディ29に着脱自在に取り付けられており、長時間の使用で消耗した場合は交換される。
吸引経路27は、吸引ノズル23により吸引されたシールドガスを吸引装置15に導く。この吸引経路27は、チップボディ29に、例えば直径1.5mm程の穴を4箇所ドリルで穿孔して形成された通路であり、4箇所の穴による通路を円周方向の合流溝45で合流させ、その後、吸引シールドガス経路17を介して吸引装置15に接続されている。ただし、吸引経路27としてはこのような構成に限られるものではなく、吸引ノズル23から吸引装置15にシールドガスや水素源11を導く経路を構成するものであれば、どのようなものでもよい。
チップボディ29は、溶接用トーチ100の本体部となる。チップボディ29は、筒状の形状を有し、絶縁用樹脂部品28を介して接続されるシールドガス供給ノズル21、吸引ノズル23、コンタクトチップ25を支持する。
次に、吸引装置15の構成について説明する。
流量制御バルブ31は、例えばニードル弁により構成され、図示しないモータ等のアクチュエータを備え、吸引流量を制御する。流量制御バルブ31は、後述するエジェクタ33の吸引ポート47と吸引シールドガス経路17との間に設けられる。
エジェクタ33は、T字管になっており、一般的なエジェクタの機能を有する。即ち、水平方向に圧縮エア等の駆動ガスを流すことにより管内の細径となった部分で流速が増し、T字の垂直線にあたる管が吸い込み口となり、吸引ノズル23を介してシールドガスの吸引が行われる。エジェクタ33は、駆動ノズル52、ガス供給ポート51、吸引ポート47、排気ポート35を備える。
このエジェクタ33において、ガス供給ポート51には圧縮エア等の駆動ガスが供給される。また、ガス供給ポート51から駆動ノズル52に導かれた駆動ガスは、排気ポート35に向けて噴出される。このとき、吸引ポート47には吸引力が作用し、吸引シールドガス経路17、吸引経路27を介して接続された吸引ノズル23から、水素源11を含むシールドガスが、吸引ポート47に導かれる。そして、吸引された吸引ポート47の水素源11を含むシールドガスは、排気ポート35に送られる。
このようにして、本構成例に係る溶接装置10において、吸引装置15は、吸引ノズル23によりワイヤ突出し部37の周囲及び溶接ワイヤ13の先端部近傍から吸引を行う。そして、加熱された溶接ワイヤ13から放出された水素源11を含むシールドガスが、溶接部外に向かう方向である矢印43の方向に流れて吸引される。吸引装置15を用いて吸引を行わない場合には、水素源11は、アーク41の直上にあるので、そのほとんどがアーク41へ導かれて溶接金属中に吸収される。一方、本構成例に係る溶接装置10を用いることにより、水素源11がアーク41へ流れてアーク41の内で拡散性水素となり溶接金属中に吸収されることが抑制され、溶接金属中の拡散性水素の量が低減する。そして、溶接金属中の拡散性水素量が低減することで、溶接金属における水素脆化及び水素割れが防止される。
一般に、溶接金属中の拡散性水素を1mL/100g減らすことにより、必要な予熱温度を約25℃下げることができるとされている。例えば、拡散性水素が4mL/100g減った場合、予熱温度が125℃必要な溶接において、予熱温度を100℃下げることができ、予熱温度が25℃となって結果的に予熱の必要がなくなる。また、例えば予熱温度が200℃必要な溶接においても、100℃までの予熱で済む。このような予熱温度の低下は、予熱用エネルギーの節約、予熱に必要な労力及び時間削減などの経済効果が得られる。また、200℃の予熱作業の厳しい労働環境が改善される。
更に、溶接ワイヤ13は保管環境により吸湿するが、目視では吸湿しているかわからないため、徹底した保管環境の管理が求められる。本構成例に係る溶接装置10を用いることにより、溶接金属中の拡散性水素量が減少するため、保管環境の管理レベルが軽減され、仮に人為的ミスによる吸湿があったとしてもそのようなミスの影響が緩和される。
図3は図1に示した溶接用トーチの先端部の要部拡大図である。
本構成例の溶接用トーチ100は、シールドガスの雰囲気中でアーク溶接を行う。そして、溶接電流が供給される溶接ワイヤを先端部に向けて送給可能に支持するコンタクトチップ25と、コンタクトチップ25の先端部から突き出された溶接ワイヤの周囲を囲み、溶接ワイヤとの間に形成される空間からガスを吸引する吸引ノズル23と、吸引ノズル23の外周に設けられ、吸引ノズル23との間に形成される空間からシールドガスを溶接ワイヤの先端の溶接部に向けて供給するシールドガス供給ノズル21と、を有する。
ここで、溶接用トーチ100は、コンタクトチップ25、シールドガス供給ノズル21、吸引ノズル23の位置関係が以下に示されるものとなる。
すなわち、コンタクトチップ25の先端からシールドガス供給ノズル21の先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離をLts[mm]、コンタクトチップ25の先端から吸引ノズル23の先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離をLtk[mm]とした際に、溶接用トーチ100は、下記(1)式を満たす。
7≦Ltk≦17,0≦Lts≦18 ・・・(1)
なお、Ltkは、好ましくはLtk≧9であり、好ましくはLtk≦15、より好ましくはLtk≦14である。
また、Ltsは、好ましくはLts≧4であり、好ましくはLts≦16、より好ましくはLts≦15である。
また、溶接用トーチ100は、シールドガス供給ノズル21、吸引ノズル23の径に関して、以下の式を満たす。
すなわち、シールドガス供給ノズル21の内径をDsi[mm]、吸引ノズル23の内径をDki[mm]、吸引ノズル23の外径をDko[mm]とした際に、溶接用トーチ100は、下記(2)式を満たす。
Dsi−Dko≧2
Dko−Dki≧1.2
8≦Dsi≦40
1.5≦Dki≦12 ・・・(2)
なお、Dsi−Dkoは、好ましくはDsi−Dko≧3である。また、Dko−Dkiは、好ましくはDko−Dki≧2である。
また、Dsiは、好ましくはDsi≧13であり、より好ましくはDsi≦35である。
また、Dkiは、好ましくはDki≧1.8であり、より好ましくはDki≦8である。
ただし、複数の吸引ノズル23が装着されている場合は、コンタクトチップ25の先端から各吸引ノズル23の先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離Ltkは、その内の最大値とする。
また、溶接用トーチ100は、チップボディ29と吸引ノズル23の先端との間の電気抵抗は、50Ω以上である。より好ましくは500Ω以上である。
また、溶接用トーチ100は、吸引ノズル内面の表面粗さが以下の式を満たすものとなる。
すなわち、吸引ノズル内面の算術平均粗さ:Ra[μm]とした際に、溶接用トーチ100の吸引ノズル23は、ノズル内周面の表面粗さRaが、
0.05≦Ra≦50
を満たす。
なお、Raは、好ましくはRa≦20、より好ましくはRa≦10である。また、好ましくはRa≧0.3、より好ましくはRa≧1である。
また、溶接用トーチ100は、吸引ノズル23の吸引ガス流量をQk[L/min]とした際に、下記(3)式を満たす。
Ltk≧10−0.6×Qk ・・・(3)
なお、Ltkは、好ましくはLtk≧10−0.4×Qkである。
また、溶接用トーチ100は、シールドガス供給ノズル21の先端におけるシールドガス出口の断面積をSs[mm]、シールドガス流量Qs[L/min]、シールドガス出口の流速Vs[m/s]とした際に、下記(4)式を満たす。
Ss=(Dsi−Dko)π/4
Vs=1000×Qs/(60×Ss)≦7 ・・・(4)
なお、Vsは、好ましくはVs≦5、より好ましくはVs≦4である。
図4は吸引ノズル23がテーパを有する変形例に係る溶接用トーチの要部拡大図である。
本変形例の溶接用トーチ100Aは、吸引ノズル23Aが、先端に向かって徐々に縮径するテーパを有するように形成される。吸引ノズル23Aは、先細のテーパを有することで、吸引経路27の流速を先端開口に向かって徐々に速めることができる。また、溶接用トーチ100Aは、吸引ノズル23Aをテーパで形成することにより、吸引ノズル23Aの外周とシールドガス供給ノズル21の間に形成される空間を拡げることができる。これにより、シールドガス出口の流速Vsを好ましい範囲とし易い。
図5は吸引ノズル23Bの先端部の形状を変更した変形例に係る溶接用トーチの要部拡大図である。
本変形例の溶接用トーチ100Bは、チップボディ29の外周面29bで吸引ノズル23Bを支持し、内径部29cでコンタクトチップ25を支持する。
図3、図4に示す例では、吸引ノズル23,23Aの先端部内面は、内周側に縮径され、肉厚が厚く形成されているが、図5に示す吸引ノズル23Bのように、先端部が他の部分と同じ肉厚で形成されてもよい。
次に、上記した構成の作用を説明する。
溶接用トーチ100は、溶接金属中の拡散性水素量を低減するために、シールドガスの一部を吸引する。この際、留意すべき項目として、水素吸引性能、溶接金属の気孔欠陥発生防止、トーチ部品の保護、がある。
<水素吸引性能>
(水素吸引性能の確保)
溶接中、コンタクトチップ25から送り出された溶接ワイヤ13は、その瞬間から溶接電流が流れるために、ジュール発熱を受け温度が上昇する。その温度はコンタクトチップ25からの距離が離れるに従って上昇する。また、溶接ワイヤ13から放出される水素源11は、与えられるエネルギーが高くなる程、放出率が高くなる。そのため、水素吸引性能を考慮した場合、吸引ノズル23(以下、23A,23Bも同様)はワイヤ温度がより高くなる位置まで溶接ワイヤ13をカバーすることが望ましい。すなわち、吸引ノズル23は、コンタクトチップ25の先端から吸引ノズル23の先端の溶接ワイヤ長手方向に沿う距離Ltkは長いことが望ましい。
(水素吸引性能の確保)
吸引流量Qkが多い場合には、ノズル先端での流れによって吸引ノズル23から離れた位置で放出された水素源11をも吸引することができる。これについて、発明者らは実験により好ましい吸引流量と吸引ノズル位置の関係式(前述の(3)式参照)を導き出した。
(吸引ノズルの閉塞防止)
吸引ノズル23を使用して長時間の溶接を行う場合、吸引ノズル23の内面の表面粗さが粗すぎる場合には、ヒュームが堆積し易くなる。ヒュームが堆積すると、コンタクトチップ25と吸引ノズル間の閉塞を発生させ、ガスの吸引ができなくなる。溶接用トーチ100(100A,100Bも同様)は、これを防止するため、吸引ノズル内面の表面粗さは滑らかであることが望ましい。
<溶接金属の気孔欠陥発生防止>
(シールド性確保、吸引ノズルのスパーク防止)
溶接用トーチ100を用いた溶接法においては、シールドガスの一部を吸引するために、一般的なガスシールドアーク溶接と比較して溶接部のシールド性が劣化する。シールド性が悪くなると、溶接金属に気孔欠陥が発生する等の問題が発生する。これを防ぐために、シールドノズル先端とワークWの位置は近いことが望ましい。一方、溶接施工を行う際に、コンタクトチップ25とワークWの距離を概ね20〜30mmに調整して行うことが、溶接作業性の観点で好ましい。溶接用トーチ100は、実用を考慮すると、コンタクトチップ先端とシールドガス供給ノズル先端の相対位置関係(コンタクトチップ先端からシールドガス供給ノズル先端の溶接ワイヤ長手方向に沿う距離Lts)を所定範囲に設定することにより高いシールド性を確保できる。
また、吸引ノズル23が導電性材質でチップボディ29との絶縁を行っていない場合、吸引ノズル先端は溶接ワイヤ13と同電位となる。そのため、半自動溶接を行う際等に、意図せず吸引ノズル23とワークが接触した場合に、吸引ノズル−ワーク間でスパークし、吸引ノズル23を溶損する虞がある。しかし、本構成の溶接用トーチ100によれば、シールドノズルが長く、吸引ノズル23を概ね覆った状態であるため、意図しないスパークによる溶損を防止できる。
(シールド性確保)
更に、吸引ノズル23の外径とシールドガス供給ノズル21の内径が狭い場合、シールド性を確保するガスの層厚さが薄くなり、内部に外気が侵入し易くなる。正確には、シールド性の確保には、シールドガスの流速と流量が関係すると考えられるが、適正流量のシールドガス供給下ではシールドガス供給ノズル21の内径Dsiと吸引ノズル23の外径Dkoの差を、所定範囲に設定することでシールド性が向上することが確認できた。
(シールド性確保、乱流防止)
シールドガスは周囲ガスの巻き込みの少ない層流状態で送られることが望ましい。しかし、吸引ノズル23の外径が太い場合やシールドガス供給ノズル21が細い場合には、適正流量のシールドガス供給下においても、シールドガス供給ノズル21の出口でのシールドガス流速が速くなり、乱流状態となる。この場合、大気を過剰に巻き込んでしまう。溶接用トーチ100は、これを防止するために、シールドガス供給ノズル21のガス出口流速の概算値は低いことが望ましい。
<トーチ部品の保護>
(吸引ノズルの保護)
上記の水素吸引性能の確保において、Ltkを長くすることが望ましいとした一方で、吸引ノズル23がスパッタやアーク41の輻射熱で損傷することを防ぐため、ワークWと吸引ノズル23の距離は遠いことが望ましい。コンタクトチップ25とワークWの距離は、溶接の作業性を考慮した場合、適正な範囲がある。このため、溶接用トーチ100は、Ltkを短くすることが、吸引ノズル23の保護のためには必要である。
(トーチ耐久性、絶縁用樹脂の保護)
上記のシールド性確保・吸引ノズルのスパーク防止において、Ltsを長くすることが望ましいとした一方で、シールドガス供給ノズル21がアーク41の輻射熱で過熱され、チップボディ周辺の絶縁用樹脂部品28を焼損することを防ぐため、ワークWとシールドガス供給ノズル21の距離は遠いことが望ましい。コンタクトチップ25とワークWの距離は、溶接の作業性を考慮した場合、適正な範囲がある。このため、溶接用トーチ100は、Ltsを短くすることが、吸引ノズル23の保護のために必要である。
(吸引ノズル23の耐久性)
吸引ノズル23は、アーク41の輻射熱を強く受ける。吸引ノズル23は、通常、シールドガス流によって冷却されるため、損傷されないが、ノズル先端部の肉厚が薄い場合には熱容量が低く、熱伝導も悪くなる。このため、ノズル先端部が溶融する虞がある。この吸引ノズル23の溶損を防止するためには、先端部の肉厚(Dko−Dki)を厚くする必要がある。
(吸引ノズル23のスパーク防止)
吸引ノズル23は、導電性材料で構成する場合、チップボディ29、コンタクトチップ25と同電位となる。そのため、意図せずワークWと吸引ノズル23を接触させてしまった場合に、吸引ノズル23からアーク41が発生し、直ちに吸引ノズル23が溶損してしまう。これを防止するためには、チップボディ29と吸引ノズル先端間の電気抵抗を高くすることが望ましい。また、溶接ワイヤ13は、その製品形態によって、一定の曲り(キャスト)を持っている。このキャストが要因となり、溶接ワイヤ13と吸引ノズル先端が接触してしまった場合には、吸引ノズル23を経由した不安定な分岐電流が流れる。この不安定な分岐電流は、溶接作業性を悪化させる他、吸引ノズル23でカバーされた部分でのワイヤ発熱量を低下させる。すると、水素源11の放出量が低下するために、拡散性水素低減効果も悪化する可能性がある。
良導体である溶接ワイヤ13の電気抵抗は非常に低く、コンタクトチップと母材との約25mmの間隔では約20mΩである。そのため、吸引ノズル23からのアーク発生や、溶接ワイヤ13と吸引ノズル先端の接触による吸引ノズル内を流れる高い分岐電流を防止するには、チップボディと吸引ノズル先端との間の電気抵抗を50Ω以上とすればよい。溶接用トーチ100は、より安全な設計とするためには、チップボディ−吸引ノズル先端間の電気抵抗を500Ω以上とすることが好ましい。
本構成の溶接用トーチ100では、コンタクトチップ25の先端からシールドガス供給ノズル21の先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離Lts、及びコンタクトチップ25の先端から吸引ノズル23の先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離をLtkは、
0≦Lts≦18,7≦Ltk≦17
を満たすので、水素吸引性能の確保、吸引ノズル23の保護、シールド性確保・吸引ノズルのスパーク防止、トーチ耐久性・絶縁用樹脂の保護ができる。
また、溶接用トーチ100では、シールドガス供給ノズル21と吸引ノズル23の先端が、
Dsi−Dko≧2
Dko−Dki≧1.2
8≦Dsi≦40,
1.5≦Dki≦12
を満たすので、シールド性確保、吸引ノズル23の耐久性を確保できる。
また、溶接用トーチ100では、チップボディ29と吸引ノズル23の先端との間の電気抵抗が、50Ω以上であるので、吸引ノズル23のスパークを防止できる。
また、溶接用トーチ100では、吸引ノズル23のノズル内周面の表面粗さRaが0.05μm以上、50μm以下であるので、ヒュームがノズル内周面に付着、堆積し難く、長時間使用時の吸引ノズル23の閉塞を防止できる。
また、溶接用トーチ100では、吸引ノズル23の吸引ガス流量をQkとした際に、
Ltk≧10−0.6×Qk
を満たすので、水素吸引性能を確保できる。
更に、溶接用トーチ100では、シールドガス供給ノズル21の先端におけるシールドガス出口の断面積をSs、シールドガス流量Qs、シールドガス出口の流速Vsとした際に、
Ss=(Dsi−Dko)π/4
Vs=1000×Qs/(60×Ss)≦7
を満たすので、シールド性を向上し、乱流の発生を防止できる。
次に、溶接用トーチの他の構成例について説明する。
図6は吸引ノズル23Cがチップボディ29との接合部61に耐熱性絶縁部材63を有する第2構成例に係る溶接用トーチの要部拡大図である。
本構成の溶接用トーチ200は、コンタクトチップ25を支持するチップボディ29と、吸引ノズル23Cとの接合部61に、融点が400℃以上の耐熱性絶縁部材63が配置される。耐熱性絶縁部材63の融点を400℃以上にすることは、溶接中の吸引ノズル23Cの支持部の温度を熱電対を用いて実測した結果、約350℃まで上昇することが確認され、耐加熱温度に余裕代を持たせるためである。
この溶接用トーチ200では、接合部61に、融点が400℃以上の耐熱性絶縁部材63を有するので、吸引ノズル23Cとワークとの間のスパークを防止できる。また、溶接中に溶接ワイヤと吸引ノズルとが接触することによる、溶接作業性、拡散性水素低減効果の悪化も防止できる。
図7は吸引ノズル23が吸引ノズル23Dの先端部に耐熱性絶縁部材63を有する第3構成例に係る溶接用トーチの要部拡大図である。
本構成の溶接用トーチ300は、吸引ノズル23Dが、溶接部側の吸引ノズル23の先端部に、融点が1700℃以上の耐熱性絶縁部材63を有する。
この溶接用トーチ300では、吸引ノズル23Dの先端部に、融点が1700℃以上の耐熱性絶縁部材63を有するので、吸引ノズル23Dとワークとの間のスパークを防止できる。また、溶接中に溶接ワイヤと吸引ノズルとが接触することによる、溶接作業性、拡散性水素低減効果の悪化も防止することができる。吸引ノズル23Dの先端部には、約1500℃の溶融状態のスパッタが付着するため、ノズルの損傷を防ぐために、溶融スパッタよりも高い融点の材料にする必要がある。そのため、耐熱性絶縁部材63の融点を1700℃以上としている。
図8は吸引ノズル23のノズル全体が耐熱性絶縁素材で形成される第4構成例に係る溶接用トーチの要部拡大図である。
本構成の溶接用トーチ400は、吸引ノズル23Eのノズル全体が、融点1700℃以上の耐熱性絶縁素材で形成される。
この溶接用トーチ400では、吸引ノズル23Eのノズル全体が、融点1700℃以上の耐熱性絶縁素材で形成されるので、吸引ノズル23Eの組み立てを煩雑にすることなく、吸引ノズル23Eとワークとの間のスパークを防止できる。また、溶接中に溶接ワイヤと吸引ノズルとが接触することによる、溶接作業性、拡散性水素低減効果の悪化も防止することができる。
また、溶接用トーチ100(100A,100B,200,300,400も同様)は、コンタクトチップ25を中心に、断面長円形、或いは、断面楕円形の吸引ノズル23(以下、23A,23B,23C,23D,23Eも同様)及びシールドガス供給ノズル21を、同心円上に配置する構成とすることもできる。
更に、溶接用トーチ100は、コンタクトチップ25を中心に、断面四角形、或いは、断面多角形(例えば三角形、五角形、六角形、八角形等)の吸引ノズル23及びシールドガス供給ノズル21を、同心円上に配置する構成とすることもできる。
なお、吸引ノズル23の材質としては、Cu、Cu合金、鋼等、様々な金属が適用できる。Cr等のメッキを施してもよい。ただし、アーク41からの輻射熱の影響を受ける位置に配置されるため、Al、Mg等の低融点金属は好ましくない。
また、電気抵抗の高い材料として、セラミックを使用可能である。セラミックとしては、例えばアルミナ、窒化珪素、ジルコニア等が挙げられる。
したがって、本構成例に係る溶接用トーチ100によれば、溶接用トーチを保護しつつ高い水素吸引性能を発揮して、溶接品質を向上できる。
<試験方法>
供試溶接ワイヤは全て50kgf級鋼用フラックス入りワイヤAを使用した。溶接ワイヤの直径はφ1.2mmである。
(拡散性水素量)
「JIS Z 3118(2007)鋼溶接部の水素量測定方法」に基づいて実施した結果を、「JIS Z 3118(2007) 7.2項 溶着金属の質量当たりの水素量の算出」に示される式から求め、試行数3回の平均値を結果値として採用した。
溶接条件を以下に示す。溶接は移動台車を用いた自動溶接とした。
極性:DCEP
溶接電流:270A
アーク電圧:32V
溶接速度:350mm/min
コンタクトチップ−母材間距離:25mm
溶接姿勢:下向き
水素の吸引を行うためのノズルを有しないトーチでの試験結果(表4の実験例20)に対して、十分有意な差(3mL/100ml以上の差)が確認できた場合を、本溶接トーチが有効であったと判断した(5.1mL/100ml以下の場合に合格)。
(溶接金属の気孔欠陥)
図9、図10に示す開先・寸法の母材に1パス溶接を行った試験板を対象に「JIS Z 3104(1995)鋼溶接継手の放射線透過試験方法」に基づき透過写真を撮影した。撮影した透過写真を「JIS Z 3104(1995)附属書4 透過写真によるきずの像の分類方法に独自の判定を加えて分類した結果を表1に示す。今回の試験では、第2、3、4種のきずは見られず、全て第1種であった。
溶接条件を以下に示す。溶接は半自動溶接とした。
極性:DCEP 溶接電流:270A
アーク電圧:32V
溶接速度:270〜300mm/min
コンタクトチップ−母材間距離:25mm
溶接姿勢:下向き
母材材質:SM490A (溶接構造用圧延鋼材 JIS G3106)
母材寸法:長さL1=200mm、幅L2=150mm、厚みta=6mm
開先角α=45°
母材間距離d=4mm
裏当金:厚みtb=6mm
Figure 2017154171
表中の評価A〜Dは合格、評価Eは不合格である。
(連続溶接試験)
10分間の連続溶接を行い、トーチ、ノズルの耐久性を確認した。溶接終了後に各部品を観察し損傷を評価した。吸引ノズル及びシールドガス供給ノズルの評価を行う際は、付着したスパッタを除去し、付着厚さと除去後の表面状態から判断した。評価基準を表2に示す。
吸引ノズルについてはA〜Eの5段階で、シールドガス供給ノズル及び絶縁用樹脂部品についてはA、C、Eの3段階で評価し、双方の評価の内、Eに近い評価を本試験の総合評価とした。
Figure 2017154171
表中の評価A〜Dは合格、評価Eは不合格である。
(ガスの影響)
ガス密度[kg/m](0℃ 1atm[101kPa])
Figure 2017154171
<トーチ構造の製作例>
Figure 2017154171
(実験例1〜26)
コンタクトチップの先端から吸引ノズルの先端までの距離Ltkが17mmの実験例6では、連続溶接性が低下した。しかし、これは10分間の連続溶接を行った後に吸引ノズル先端に多量のスパッタが付着し、これ以上溶接を継続すると、ノズルの閉塞が発生すると判断されたものである。更に距離Ltkが長い実験例19では、連続溶接性が不合格となった。また、距離Ltkが7mmの実験例1では、気孔欠陥や連続溶接試験の結果は良好であったが、更に距離Ltkが短い実験例18では、拡散性水素試験結果が比較的高めになった。
コンタクトチップの先端からシールドガス供給ノズルの先端までの距離Ltsが0mmの実験例7では、気孔欠陥の評価が低くなった。距離Ltsが−3mmの実験例16の結果を併せてみると、シールドガスの一部を吸引ノズルから吸引する、本トーチを用いた溶接では、シールドガス流に乱れを生じ易く、気孔欠陥の試験結果がDとなるLts=0が限界である。
また、距離Ltsが18mmの実験例11では、連続溶接性が低下した。この実験例11では、連続溶接を行った直後にシールドガス供給ノズルの先端にスパッタが多量に付着し、付着したスパッタが赤熱していた。スパッタを除去すると目立った損傷は見られなかったが、これ以上溶接を継続すると、ノズルを接続する絶縁部材が損傷すると判断された。更に距離Ltsが長い実験例17では、連続溶接試験が不合格となった。
シールドガス供給ノズルの内径Dsiと吸引ノズルの外径Dkoの隙間が小さい実験例12では、気孔欠陥の評価が低くなった。これは、シールドガス流の層厚さが2mmと薄くなっている為、大気からの拡散によってアーク雰囲気内へわずかな窒素分が混入したものと判断された。更に、DsiとDkoの隙間が1.5mmと小さい実験例25では、気孔欠陥の評価が低くなった。
<流量を変更した実験例>
Figure 2017154171
(実験例27〜35)
流量を変更した実験例においては、シールドガス出口の流速Vsが速い実験例34,35で気孔欠陥の評価が低くなった。この流量は、吸引シールドガス経路17の途中にフロート式流量計を配置して測定した値である。
<絶縁方法、ノズル内面粗さの検討例>
Figure 2017154171
(実験例36〜40)
絶縁方法、ノズル内面粗さの検討例では、吸引ノズルのノズル内周面の表面粗さRaが0.13μm以上、70μm以下の範囲においては、連続溶接試験後に吸引ノズルを取り外し、内周面を確認したところ、問題となるようなヒュームの堆積は見られなかった。その中では、実験例40のヒューム堆積量がやや多かった。この実験例40では、これ以上溶接を継続すると、ヒューム堆積によって吸引ノズルとコンタクトチップの間が閉塞し、吸引が行えなくなることが懸念された。ラップ研磨仕上げを行った実験例36と旋盤加工のままとした実施例37では、ヒューム堆積量に有意差が見られず、加工コストの観点からは、旋盤加工のままが好ましい。
<その他(シールドガスの影響)>
Figure 2017154171
(実験例41〜44)
シールドガスの影響については、水素は密度が低い(粒子が軽い)ために、シールドガスが密度の高いガスの場合は効率良く排出される。シールドガスがHeのように密度の低いガスの場合は、相対的に水素の排出量が減少する傾向がある。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) シールドガスの雰囲気中でアーク溶接を行う溶接用トーチであって、溶接電流が供給される溶接ワイヤを先端部に向けて送給可能に支持するコンタクトチップと、前記コンタクトチップの先端部から突き出された前記溶接ワイヤの周囲を囲み、前記溶接ワイヤとの間に形成される空間からガスを吸引する吸引ノズルと、前記吸引ノズルの外周に設けられ、前記吸引ノズルとの間に形成される空間から前記シールドガスを前記溶接ワイヤの先端の溶接部に向けて供給するシールドガス供給ノズルと、を有し、前記コンタクトチップの先端から前記シールドガス供給ノズルの先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離をLts[mm]、前記コンタクトチップの先端から前記吸引ノズルの先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離をLtk[mm]とした際に、7≦Ltk≦17,0≦Lts≦18 を満たすことを特徴とする溶接用トーチ。
この溶接用トーチによれば、水素吸引性能を確保しつつ、吸引ノズルを保護できる。また、シールド性を確保して、吸引ノズルとワークとの間のスパークを防止し、トーチが熱によって損傷を受けることを防止できる。
(2) (1)の溶接用トーチであって、前記シールドガス供給ノズルと前記吸引ノズルの先端が、前記シールドガス供給ノズルの内径をDsi[mm]、前記吸引ノズルの内径をDki[mm]、前記吸引ノズルの外径をDko[mm]とした際に、Dsi−Dko≧2,Dko−Dki≧1.2,8≦Dsi≦40,1.5≦Dki≦12を満たすことを特徴とする溶接用トーチ。ただし、複数の前記吸引ノズルが装着されている場合は、前記コンタクトチップの先端から各吸引ノズルの先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離Ltkはその内の最大値とする。
この溶接用トーチによれば、シールド性が向上し、吸引ノズルの耐久性を向上できる。
(3) (1)又は(2)の溶接用トーチであって、チップボディと前記吸引ノズルの先端との間の電気抵抗は、50Ω以上であることを特徴とする溶接用トーチ。
この溶接用トーチによれば、吸引ノズルとワークとの間のスパークをより確実に防止でき、溶接中に溶接ワイヤと吸引ノズルとが接触することによる、溶接作業性、拡散性水素の低減効果の悪化も防止できる。
(4) (3)の溶接用トーチであって、前記吸引ノズルは、溶接部側の前記吸引ノズルの先端部に、融点が1700℃以上の耐熱性絶縁部材を有することを特徴とする溶接用トーチ。
この溶接用トーチによれば、吸引ノズルとワークとの間のスパークをより確実に防止でき、溶接中に溶接ワイヤと吸引ノズルとが接触することによる、溶接作業性、拡散性水素の低減効果の悪化も防止できる。
(5) (3)又は(4)の溶接用トーチであって、前記吸引ノズルは、前記コンタクトチップを支持するチップボディとの接合部に、融点が400℃以上の耐熱性絶縁部材を有することを特徴とする溶接用トーチ。
この溶接用トーチによれば、吸引ノズルとワークとの間のスパークをより確実に防止でき、溶接中に溶接ワイヤと吸引ノズルとが接触することによる、溶接作業性、拡散性水素の低減効果の悪化も防止できる。
(6) (3)の溶接用トーチであって、前記吸引ノズルは、ノズル全体が、融点1700℃以上の耐熱性絶縁素材で形成されることを特徴とする溶接用トーチ。
この溶接用トーチによれば、吸引ノズルの組み立てを煩雑にすることなく、吸引ノズルとワークとの間のスパークをより確実に防止でき、溶接中に溶接ワイヤと吸引ノズルとが接触することによる、溶接作業性、拡散性水素の低減効果の悪化も防止できる。
(7) (1)〜(6)のいずれか一つの溶接用トーチであって、前記吸引ノズルは、ノズル内周面の表面粗さRaが0.05μm以上、50μm以下であることを特徴とする溶接用トーチ。
この溶接用トーチによれば、内周面へのヒューム堆積による吸引ノズルの閉塞を防止できる。
(8) (1)又は(2)の溶接用トーチであって、前記吸引ノズルの吸引ガス流量をQk[L/min]とした際に、Ltk≧10−0.6×Qk を満たすことを特徴とする溶接用トーチ。
この溶接用トーチによれば、水素吸引性能を向上できる。
(9) (1)の溶接用トーチであって、前記シールドガス供給ノズルの先端におけるシールドガス出口の断面積をSs[mm]、シールドガス流量Qs[L/min]、シールドガス出口の流速Vs[m/s]とした際に、Ss=(Dsi−Dko)π/4,Vs=1000×Qs/(60×Ss)≦7 を満たすことを特徴とする溶接用トーチ。
この溶接用トーチによれば、乱流を防止し、シールド性を向上できる。
13 溶接ワイヤ
21 シールドガス供給ノズル
23,23A,23B,23C,23D,23E 吸引ノズル
25 コンタクトチップ
29 チップボディ
61 接合部
63 耐熱性絶縁部材
100 溶接用トーチ

Claims (9)

  1. シールドガスの雰囲気中でアーク溶接を行う溶接用トーチであって、
    溶接電流が供給される溶接ワイヤを先端部に向けて送給可能に支持するコンタクトチップと、
    前記コンタクトチップの先端部から突き出された前記溶接ワイヤの周囲を囲み、前記溶接ワイヤとの間に形成される空間からガスを吸引する吸引ノズルと、
    前記吸引ノズルの外周に設けられ、前記吸引ノズルとの間に形成される空間から前記シールドガスを前記溶接ワイヤの先端の溶接部に向けて供給するシールドガス供給ノズルと、
    を有し、
    前記コンタクトチップの先端から前記シールドガス供給ノズルの先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離をLts[mm]、前記コンタクトチップの先端から前記吸引ノズルの先端までの溶接ワイヤ長手方向に沿う距離をLtk[mm]とした際に、下記(1)式を満たすことを特徴とする溶接用トーチ。
    7≦Ltk≦17,
    0≦Lts≦18 ・・・(1)
  2. 請求項1に記載の溶接用トーチであって、
    前記シールドガス供給ノズルと前記吸引ノズルの先端が、
    前記シールドガス供給ノズルの内径をDsi[mm]、前記吸引ノズルの内径をDki[mm]、前記吸引ノズルの外径をDko[mm]とした際に、下記(2)式を満たすことを特徴とする溶接用トーチ。
    Dsi−Dko≧2,
    Dko−Dki≧1.2,
    8≦Dsi≦40,
    1.5≦Dki≦12 ・・・(2)
  3. 請求項1又は請求項2に記載の溶接用トーチであって、
    チップボディと前記吸引ノズルの先端との間の電気抵抗は、50Ω以上であることを特徴とする溶接用トーチ。
  4. 請求項3に記載の溶接用トーチであって、
    前記吸引ノズルは、溶接部側の前記吸引ノズルの先端部に、融点が1700℃以上の耐熱性絶縁部材を有することを特徴とする溶接用トーチ。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の溶接用トーチであって、
    前記吸引ノズルは、前記コンタクトチップを支持するチップボディとの接合部に、融点が400℃以上の耐熱性絶縁部材を有することを特徴とする溶接用トーチ。
  6. 請求項3に記載の溶接用トーチであって、
    前記吸引ノズルは、ノズル全体が、融点1700℃以上の耐熱性絶縁素材で形成されることを特徴とする溶接用トーチ。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の溶接用トーチであって、
    前記吸引ノズルは、ノズル内周面の表面粗さRaが0.05μm以上、50μm以下であることを特徴とする溶接用トーチ。
  8. 請求項1又は請求項2に記載の溶接用トーチであって、
    前記吸引ノズルの吸引ガス流量をQk[L/min]とした際に、下記(3)式を満たすことを特徴とする溶接用トーチ。
    Ltk≧10−0.6×Qk ・・・(3)
  9. 請求項1の溶接用トーチであって、
    前記シールドガス供給ノズルの先端におけるシールドガス出口の断面積をSs[mm]、シールドガス流量Qs[L/min]、シールドガス出口の流速Vs[m/s]とした際に、下記(4)式を満たすことを特徴とする溶接用トーチ。
    Ss=(Dsi−Dko)π/4,
    Vs=1000×Qs/(60×Ss)≦7 ・・・(4)
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