JP2013244445A - 排ガス処理装置 - Google Patents

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大司 上野
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研二 牟田
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Abstract

【課題】エネルギロスが少なく、汚染物質をより一層効率良く除去することができる排ガス処理装置を提供することにある。
【解決手段】排ガス61に含まれる汚染物質を処理して浄化する排ガス処理装置10であって、前記汚染物質を処理する排ガス処理触媒12と、排ガス処理触媒12に対し、テラヘルツ波1を照射するテラヘルツ波発生装置14および導波管15とを備えるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス処理装置に関する。
従来、化学プラントなどの各種プラント、火力発電所、内燃機関などから排気される排ガスを、排ガス処理装置により排ガス中の窒素酸化物や硫黄酸化物などの汚染物質を処理し浄化して大気に放出している。
上述の排ガス処理装置により排ガス中の汚染物質を効率良く除去する手法が種々開発されている。例えば、排ガス処理装置が具備する排ガス処理触媒にマイクロ波を照射し当該排ガス処理触媒を昇温することで、排ガス処理触媒を活性状態にする手法がある。
坂間 弘、"マイクロ波および紫外線照射下における光触媒を用いた迅速的水処理技術の開発"、[online]、[平成24年1月20日検索]、インターネット<URL:http:www.erp.sophia.ac.jp/Projects/ocw/research/fes/090929fes/poster/090929fes_poster_P15.pdf>
しかしながら、上述したマイクロ波の照射による手法では、水に対するマイクロ波の浸透深さが、アルミナなどの金属酸化物や石英などと比べて非常に小さいことから、マイクロ波が排ガス中の水蒸気で吸収し、主に水蒸気の温度上昇を通じて排ガス処理触媒が昇温して排ガス処理触媒の触媒活性が向上しており、エネルギロスが多かった。
また、排ガス処理触媒を昇温する他の手法として、例えば、ヒータで直接加熱する手法、ポスト噴射により触媒を加熱する手法などの代替手段があるものの、いずれも熱的に触媒活性を向上させることしかできなかった。このようなことから、上述の排ガス処理装置にあっては、汚染物質をより一層効率良く除去する手法が求められていた。
以上のことから、本発明は前述した課題を解決するために為されたものであって、エネルギロスが少なく、汚染物質をより一層効率良く除去することができる排ガス処理装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決する本発明に係る排ガス処理装置は、
排ガスに含まれる汚染物質を処理して浄化する排ガス処理装置であって、
前記汚染物質を処理して浄化する排ガス処理触媒と、
前記排ガス処理触媒に対し、テラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射手段とを具備する
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する本発明に係る排ガス処理装置は、前述した発明に係る排ガス処理装置であって、
前記排ガス処理触媒は、基材と、前記基材に担持され、前記汚染物質と反応して当該汚染物質を浄化する担体とを備え、
前記担体の粒子径が1μm以下である
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する本発明に係る排ガス処理装置は、前述した発明に係る排ガス処理装置であって、
前記テラヘルツ波照射手段が、前記テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生手段と、前記テラヘルツ発生手段で発生した前記テラヘルツ波を前記排ガス処理触媒へ導波する導波手段とを具備し、
前記テラヘルツ波発生手段が、波長30μm〜3mmの電磁波を発生する装置である
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する本発明に係る排ガス処理装置は、前述した発明に係る排ガス処理装置であって、
前記汚染物質が窒素酸化物であり、
前記排ガス処理触媒が、前記窒素酸化物を除去する脱硝触媒である
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する本発明に係る排ガス処理装置は、前述した発明に係る排ガス処理装置であって、
前記脱硝触媒が、白金とロジウムとパラジウムを含有する三元触媒である
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する本発明に係る排ガス処理装置は、前述した発明に係る排ガス処理装置であって、
前記汚染物質が、窒素酸化物および微粒子状物質であり、
前記排ガス処理触媒が、前記窒素酸化物を吸蔵すると共に還元除去する一方、前記微粒子状物質を酸化除去する触媒である
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する本発明に係る排ガス処理装置は、前述した発明に係る排ガス処理装置であって、
前記排ガスにアンモニアを含む溶液を噴霧する還元助剤供給手段をさらに具備し、
前記汚染物質が、窒素酸化物であり、
前記排ガス処理触媒が、前記窒素酸化物をアンモニアで還元する触媒である
ことを特徴とする。
本発明に係る排ガス処理装置によれば、テラヘルツ波照射手段がテラヘルツ波を排ガス処理触媒に照射することにより、テラヘルツ波が排ガス処理触媒の基材を適度な吸収を受けながら透過し、エネルギロスせずに当該排ガス処理触媒全体に対し作用することから、当該排ガス処理触媒の担体全量に対し作用し、排ガス処理触媒の触媒能が向上する。触媒活性制御の応答性が良くなる。また、テラヘルツ波を吸収することで、排ガス処理触媒を構成する物質のフォノンを介した熱の誘起により排ガス処理触媒の性能が向上する。さらに、テラヘルツ波を気体での吸収を介した熱の誘起によっても排ガス処理触媒の性能が向上する。
本発明に係る排ガス処理装置によれば、前述した発明に係る排ガス処理装置であって、前記排ガス処理触媒が、基材と、前記基材に担持され、前記汚染物質と反応して当該汚染物質を浄化する担体とを備え、前記担体の粒子径が1μm以下であることにより、担体の表面にて電子の移動が制約を受け、集団振動して疑似的な粒子として振る舞うプラズモンが局在化することになる。テラヘルツ波の排ガス処理触媒への照射により、フォノンが極構造として、プラズモンと相互作用し、ポラトリンとなり、排ガス処理触媒の担体での化学反応を促進することになる。さらに、担体の粒子がナノ分散している場合には、隣接する担体の粒子間の接合点にて特に強いプラズモンが励起されることになり、排ガス処理触媒の担体での化学反応をさらに促進することになる。つまり、排ガス処理触媒の担体の粒径を1μm以下とし、この排ガス処理触媒に対してテラヘルツ波を照射することにより、触媒活性制御の応答性が良く、排ガス処理触媒の担体での化学反応をより一層促進することができる。
本発明の一実施形態に係る排ガス処理装置を説明するための図であって、図1(a)にその全体を示し、図1(b)にそれが具備する排ガス処理触媒を模式的に示す。 テラヘルツ波による排ガス処理触媒の触媒活性を説明するための図であって、図2(a)に脱硝触媒の場合を示し、図2(b)にアンモニア還元型の脱硝触媒の場合を示し、図2(c)に化学反応が活性化する場合を示し、図2(d)に熱的反応が活性化する場合を示す。 テラヘルツ波による排ガス処理触媒の触媒活性を説明するための図であって、図3(a)にその概略を示し、図3(b)にテラヘルツ波による原子の格子振動を誘起した状態を示す。 巨視的系でのテラヘルツ波の吸収原理を説明するための図である。 微視的系でのテラヘルツ波の吸収原理を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る排ガス処理装置が具備する排ガス処理触媒の一例を模式的に示した図である。 排ガス処理触媒が備える補助触媒の粒径と頻度分布及び相対累積粒子量との関係を示すグラフである。 本発明に係る排ガス処理装置を確認するための試験1で用いた試験装置の模式図である。 確認試験1で用いた触媒が備える主触媒の粒径と頻度分布及び相対累積粒子量との関係を示すグラフである。 確認試験1による試験結果を示すグラフである。 確認試験1による試験結果を示すグラフである。 本発明に係る排ガス処理装置を確認するための試験2で用いた試験装置の模式図である。 排ガス処理装置が具備する微粒子状物質吸蔵型脱硝触媒の作用を説明するための図である。 確認試験2にてポスト噴射のタイミングを一定時間とした場合の圧力損失とNOx濃度との関係を示すグラフであって、図14(a)にポスト噴射を行うが電磁波を照射しない場合を示し、図14(b)にポスト噴射を行うと共に、マイクロ波を照射した場合を示し、図14(c)にポスト噴射を行うと共に、テラヘルツ波を照射した場合を示す。 確認試験2にてポスト噴射のタイミングを圧力損失量とした場合の圧力損失とNOx濃度との関係を示すグラフであって、図15(a)にポスト噴射を行うが電磁波を照射しない場合を示し、図15(b)にポスト噴射を行うと共に、マイクロ波を照射した場合を示し、図15(c)にポスト噴射を行うと共に、テラヘルツ波を照射した場合を示す。 本発明に係る排ガス処理装置を確認するための試験3で用いた試験装置の模式図であって、図16(a)にその概略を示し、図16(b)に脱硝触媒周辺の平面を示す。 確認試験3による試験結果を示すグラフであって、図17(a)にテラヘルツ波を照射しない場合の脱硝装置出口のNOx濃度を示し、図17(b)にテラヘルツ波を照射した場合の脱硝装置出口のNOx濃度を示す。
本発明に係る排ガス処理装置を実施するための形態について、図1および図2を参照して具体的に説明する。
本実施形態に係る排ガス処理装置10は、図1(a)および図1(b)に示すように、汚染物質を含有する排ガス61が流通する流通経路をなす排気管11に配置された排ガス処理触媒12と、排ガス処理触媒12にテラヘルツ波(30μm〜3mm)を照射するテラヘルツ波照射装置とを備える。前記テラヘルツ波照射装置は、テラヘルツ波1を発生するテラヘルツ波発生装置14と、テラヘルツ波発生装置14および排気管11に接続し、テラヘルツ波1が導波する導波管15とを備える。なお、排気管11における導波管15との接続箇所には、テラヘルツ波1が排気管11内に入射可能な入射窓(図示せず)が設けられる。
排ガス処理触媒12は、基材12aと、基材12aに担持され、前記汚染物質と反応して浄化する触媒能を持つ担体12bとを備える。担体12bとして、例えば、ナノオーダで基材12aに分散されたものであって、その粒径が1μm以下のものとすることも可能である。排ガス処理触媒12の形状は、例えば、ハニカム形状やペレット状とすることも可能である。
ここで、上述の排ガス処理装置による排ガス中の汚染物質の浄化作用について、図2(a)〜(d)を参照して以下に説明する。
上述の排ガス処理触媒が脱硝触媒21である場合には、図2(a)に示すように、テラヘルツ波1の照射により、脱硝触媒21の基材21aに担持される担体21bが活性化して触媒機能が向上することになる。
また、上述の排ガス処理触媒がアンモニア還元型の脱硝触媒22である場合には、図2(b)に示すように、テラヘルツ波1の照射により、脱硝触媒22の基材22aに担持される第1の担体(主触媒)22bおよび第2の担体(補助触媒)22cが活性化し、表面に吸着した微粒子状物質2のうち、担体22b,22c表面の微粒子状物質2aを除去して、触媒機能の低下が防止されることになる。
つまり、図2(c)に示すように、テラヘルツ波1の照射により排ガス処理触媒23の基材23aに担持される担体23bの触媒活性が向上し、担体23bで物質A,Bが反応して物資Cを生成する化学反応の活性を向上させることができる。
また、図2(d)に示すように、テラヘルツ波1の照射により排ガス処理触媒24の基材24aに担持される担体24bの温度が上昇し、排ガス処理触媒24の表面に吸着した微粒子状物質2のうち、担体24bと接触する微粒子状物質2aを燃焼除去することができる。
このようにして構成される排ガス処理触媒でテラヘルツ波を吸収する原理について、図3〜図5を参照して以下に説明する。
まず、図3(a)および図3(b)に示すように、排ガス処理触媒70に対しテラヘルツ波91を照射すると、排ガス処理触媒70でテラヘルツ波91を吸収する際に、排ガス処理触媒70を構成する物質、例えば、基材71、担体物質72、触媒成分粒子73、バインダー物質(SiO2,Al23,CeO2,ZrO2など)74の結晶(非結晶質でもよい)を構成している原子81間を結合する結晶格子82が例えばY方向に振動する連成振動である格子振動は、基本的にフォノンとして、光を吸収する。この光の吸収は、結晶(非結晶)の原子間の結合の種類、強度、結合している距離(結晶の大きさ)によって変わるが、ある程度の結晶サイズを持つとフォノンのモードが固定化し、吸収する光の波長は物質によって固有のものとなる。
この光の波長は、金属酸化物、無機酸化物などで、おおよそ20μm以上(波数500cm-1以下)に存在しており、その波長の光を吸収できる。吸収後、緩和により熱エネルギなどに変換される。
上述の排ガス処理触媒で用いられる各基材、担体物質、触媒物質の格子振動(格子振動はテラヘルツスペクトル、ラマンスペクトル、IRスペクトルにより計測可能である。代表的な酸化物の格子振動に帰属される波数位置)は、以下の通りである。
TiO2では、50cm-1,145cm-1,195cm-1,390cm-1であり、CeO2では、460cm-1であり、ZrO2では、150cm-1,260cm-1,320cm-1,350cm-1,440cm-1であり、Al23では、357cm-1,395cm-1であり、SiO2では、205cm-1,280cm-1,350cm-1である。
つまり、排ガス処理触媒70に対しテラヘルツ波91を照射すると、当該排ガス処理触媒70を構成する、基材71、担体物質72、触媒成分粒子73、およびバインダー物質74に直接的に作用して局部的に温度上昇が生じ、排ガス処理触媒70の触媒能が活性化するのである。
巨視的系(排ガス処理触媒の担体の粒径≧波長λ(300μm〜3mm))においては、排ガス処理触媒でテラヘルツ波を吸収する条件をなすプラズモンの発生は、自由電子の位相速度と光(エバネッセント波)の位相速度が同じときである。つまり、図4に示すように、電磁波の波長(300μm〜3mm)よりも大きい担体を基材に担持した従来の排ガス処理触媒に対して前記電磁波を照射した場合には、図4に示すように、金属薄膜31に対しプリズム35を介してレーザ34を照射し、金属薄膜31の自由電子32の位相速度とエバネッセント波(光)33の位相速度が同じときにだけプラズモンが発生することになる。
これに対し、微視的系(排ガス処理触媒の担体の粒径≦1μm)において、排ガス処理触媒でテラヘルツ波を吸収する条件をなすプラズモンの発生は、図5に示すように、排ガス処理触媒の担体の粒子42の表面で電子43の移動が制約を受け、巨視的な系の様な電磁波の入射角や偏光面などの制約が無く、集団振動して疑似的な粒子として振る舞うプラズモンが局在化することになる。また、フォノンが分極構造として、プラズモンと相互作用し、ポラトリンとなり、排ガス処理触媒の担体での化学反応を促進することになる。さらに、担体の粒子がナノ分散している場合には、隣接する担体の粒子42,42間の接合点にて特に強いプラズモンが励起されることになり、排ガス処理触媒の担体での化学反応をさらに促進することになる。つまり、排ガス処理触媒の担体の粒径を1μm以下とし、この排ガス処理触媒に対してテラヘルツ波を照射することにより、排ガス処理触媒の担体での化学反応をより一層促進することができるのである。
上述した排ガス処理触媒の一例に関し、図6および図7を参照して以下に説明する。
排ガス処理触媒51は、図6に示すように、基材51aに担持された主触媒51cと補助触媒51bとを備える。主触媒51cは、その粒径サイズが補助触媒51bの粒径サイズの10分の1程度であり、例えばPtなど排ガス中の汚染物質を酸化・還元する化学反応する物質である。補助触媒51bは、例えばセリアなど酸素を吸蔵・放出する物質である。補助触媒51bは、例えば、図7に示すように、20nm〜105nmの粒径分布を有し、平均粒径50nmとなっている。つまり、排ガス処理触媒の主触媒の粒径が1μmよりも十分小さく、排ガス処理触媒に対しテラヘルツ波を照射することで、当該排ガス処理触媒の担体(主触媒)でプラズモン等が励起してテラヘルツ波を吸収し、排ガス処理触媒の担体の化学反応をより一層促進することができるのである。
このようなテラヘルツ波の照射による排ガス処理触媒の担体(主触媒)の化学反応の向上は、窒素酸化物を除去する脱硝触媒に限らず、窒素酸化物を吸蔵すると共に還元除去する一方、微粒子状物質を酸化除去する触媒、窒素酸化物をアンモニアで還元する触媒など、排ガスに含まれる汚染物質を処理して除去する各種の排ガス処理触媒に適用することが可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る排ガス処理装置によれば、テラヘルツ波が排ガス処理触媒の基材を適度な吸収を受けながら透過し、エネルギロスせずに当該排ガス処理触媒全体に対し作用することから、当該排ガス処理触媒の担体全量に対し作用し、排ガス処理触媒の触媒能が向上する。触媒活性制御の応答性が良くなる。また、テラヘルツ波を吸収することで、排ガス処理触媒を構成する物質のフォノンを介した熱の誘起により排ガス処理触媒の性能が向上する。さらに、テラヘルツ波を気体での吸収を介した熱の誘起によっても排ガス処理触媒の性能が向上する。
また、排ガス処理触媒が備える担体を1μm以下とすることで、担体の表面にて電子の移動が制約を受け、集団振動して疑似的な粒子として振る舞うプラズモンが局在化することになる。テラヘルツ波の排ガス処理触媒への照射により、フォノンが極構造として、プラズモンと相互作用し、ポラトリンとなり、排ガス処理触媒の担体での化学反応を促進することになる。さらに、担体の粒子がナノ分散している場合には、隣接する担体の粒子間の接合点にて特に強いプラズモンが励起されることになり、排ガス処理触媒の担体での化学反応をさらに促進することになる。つまり、排ガス処理触媒の担体の粒径を1μm以下とし、この排ガス処理触媒に対してテラヘルツ波を照射することにより、触媒活性制御の応答性が良く、排ガス処理触媒の担体での化学反応をより一層促進することができる。
本発明に係る排ガス処理装置の効果を確認するために行った確認試験を以下に説明するが、本発明は以下に説明する確認試験のみに限定されるものではない。
[確認試験1]
本確認試験1にて、ガソリンを燃焼する内燃機関から排気される排ガス中のNOx濃度を800ppmとすると共に、排ガス処理触媒の温度を350℃とした場合における脱硝性能について評価試験を行った。
本確認試験1について、図8〜図11を参照して具体的に説明する。
本試験では、試験装置を用いて排ガス中のNOx濃度を計測した。試験装置は、図8に示すように、ガソリンを燃焼する内燃機関110と、内燃機関110に接続され、当該内燃機関110から排気される排ガス121が流通する排気管101と、排気管101の途中に設けられ他箇所よりも大径をなす大径部101a内に配置された脱硝触媒102と、排気管101の外側にて前記脱硝触媒102と対向配置された電磁波発生装置104と、電磁波発生装置104および排気管101に接続し、電磁波発生装置104で発生する電磁波107が導波する導波管105とを備える。なお、排気管101における導波管105との接続箇所には、電磁波107が排気管101内に入射可能な入射窓103が設けられる。入射窓103として、例えば、マイクロ波を脱硝触媒に照射する場合には合成石英などが用いられ、テラヘルツ(THz)波を脱硝触媒に照射する場合にはテラヘルツ波の吸収がない、もしくは少ないセラミック板が用いられる。排気管101における前記脱硝触媒102に対し排ガス流通方向上流側および下流側には、排ガス121,122中のNOx濃度を計測可能なNOx濃度計測器106a,106bがそれぞれ設けられる。
脱硝触媒102として、貴金属(主触媒)の粒径が2μmであり、且つ粒子間隔が10〜100μmである極大粒子分散型であって、基材がセラミックスハニカム形状をなす3元(Pt/Rh/Pd)脱硝触媒、または、貴金属(主触媒)の粒径が数nmであり、且つ粒子間隔が10nm〜100nmであるナノ粒子分散型であって、基材がセラミックスハニカム形状をなす3元(Pt/Rh/Pd)脱硝触媒を用いた。つまり、脱硝触媒102として、図9に示すように、粒径と相対累積粒子量および頻度分布が領域Aを示す極大粒子分散型の脱硝触媒、または、粒径と相対累積粒子量および頻度分布が領域Bを示すナノ粒子分散型の脱硝触媒を用いた。
電磁波発生装置104としては、2.45GHz、CW、800J/sのマイクロ波、および、0.5THz〜4THz、パルス波[1kHz]、1mJ/sのテラヘルツ(THz)波を照射可能な装置を用いた。
ここで、上述した試験装置にて、極大粒子分散型の脱硝触媒を用い、電磁波照射が無いとき(条件A−1)の当該触媒出口でのNOx濃度、極大粒子分散型の脱硝触媒を用いマイクロ波を照射したとき(条件A−2)の当該触媒出口でのNOx濃度、極大粒子分散型の脱硝触媒を用いテラヘルツ波を照射したとき(条件A−3)の当該触媒出口でのNOx濃度をそれぞれ計測した。つまり、これら計測結果について図10に示した。なお、図10において、白抜き四角印が条件A−1の場合の触媒出口のNOx濃度を示し、丸印が条件A−2の場合の触媒出口のNOx濃度を示し、三角印が条件A−3の場合の触媒出口のNOx濃度を示し、菱形印がエンジン出口でのNOx濃度を示す。
また、上述した試験装置にて、ナノ粒子分散型の脱硝触媒を用いテラヘルツ波を照射した(条件A−4)ときの当該触媒出口でのNOx濃度を計測した。この計測結果について図11に示した。なお、図11において、白抜き四角印が条件A−1の場合の触媒出口のNOx濃度を示し、三角印が条件A−3の場合の触媒出口のNOx濃度を示し、黒四角印が条件A−4の場合の触媒出口のNOx濃度を示し、菱形印がエンジン出口でのNOx濃度を示す。
図10に示すように、エンジン出口でNOx濃度約800ppmの排ガスを極大粒子分散型の脱硝触媒に流すと、触媒出口で排ガス中のNOx濃度が約80ppm(エンジン出口に対して約1/10)まで低減することが明らかとなった。また、マイクロ波を照射したときには、触媒出口で排ガス中のNOx濃度が約70ppm(条件A−1に対して13%減)まで低減することが明らかとなった。これは、マイクロ波が、本試験では透過性が良いために、その一部が触媒に吸収されたことで触媒の温度が上昇したことによると考えられる。
一方、極大粒子分散型の脱硝触媒に対しテラヘルツ波を照射したときには、触媒出口での排ガス中のNOx濃度が約50ppm(条件A−1に対して38%減)まで低減することが明らかとなった。つまり、極大粒子分散型の脱硝触媒に対しテラヘルツ波を照射することで、脱硝率が大幅に向上し、触媒出口でのNOx濃度の低下量が、マイクロ波を照射する場合と比べても大きいことが明らかとなった。また、マイクロ波と比べて、テラヘルツ波による投入エネルギ量が1/800,000であるにも関わらず、NOx低減効果が大きいことから、投入したテラヘルツ波が、直接、脱硝触媒に作用し、脱硝反応を促進していると考えられる。
図11に示すように、ナノ粒子分散型の脱硝触媒に対しテラヘルツ波を照射することで、触媒出口での排ガス中のNOx濃度が約40ppmまで低減することが明らかとなった。つまり、脱硝触媒に対しテラヘルツ波を照射する場合であっても、脱硝触媒をナノ粒子分散型とすることで、NOx低減効果を高めることができることが明らかとなった。
以上のことより、脱硝触媒にテラヘルツ波を照射することにより、電磁波を照射しない場合やマイクロ波を照射した場合と比べて、脱硝触媒の脱硝率を向上させることができることが明らかとなった。また、脱硝触媒をナノ粒子分散型のものとし、この脱硝触媒に対し、テラヘルツ波を照射することにより、脱硝触媒を単体で用いたり脱硝触媒に対しマイクロ波を照射したり極大粒子分散型の脱硝触媒にテラヘルツ波を照射したりする場合と比べて、脱硝触媒の脱硝率をより一層向上させることができることが明らかとなった。
[確認試験2]
本確認試験2にて、ポスト噴射時の排ガス処理触媒の最高温度を650℃とし、発電用ディーゼルエンジンから排気される排ガス中の微粒子状物質およびNOxの除去性能について評価試験を行った。
本確認試験2について、図12〜図15を参照して具体的に説明する。
本試験では、試験装置を用いて、圧力損失および排ガス中のNOx濃度を計測した。試験装置は、図12に示すように、軽油を燃焼するディーゼルエンジン210と、ディーゼルエンジン210に接続され、当該ディーゼルエンジン210から排気される排ガス221が流通する排気管201と、排気管201の途中に設けられ他箇所よりも大径をなす大径部201a内に配置されたNOx吸蔵還元型触媒202と、排気管201の外側にて前記NOx吸蔵還元型触媒202と対向配置された電磁波発生装置204と、電磁波発生装置204および排気管201に接続し、電磁波発生装置204で発生する電磁波207が導波する導波管205とを備える。排気管201におけるNOx吸蔵還元型触媒202に対し排ガス流通方向上流側とその下流側から圧力損失(圧力差)を計測する圧力計測器(圧損センサ)206が設けられる。圧力計測器206は、当該計測器206で計測した圧力損失信号D1をコモンレール制御装置212へ送信可能に当該コモンレール制御装置212と接続している。
コモンレール制御装置212は、例えば、ECUなどの制御装置213が送信する各種制御信号D2を受信可能に当該制御装置213と接続している。コモンレール制御装置212は、コモンレール制御信号D3をディーゼルエンジン210のコモンレール211へ送信可能に当該ディーゼルエンジン210のコモンレール211と接続している。なお、排気管201における導波管205との接続箇所には、電磁波207が排気管201内に入射可能な入射窓203が設けられる。入射窓203として、例えば、マイクロ波を脱硝触媒に照射する場合には合成石英などが用いられ、テラヘルツ(THz)波を脱硝触媒に照射する場合にはテラヘルツ波の吸収がない、もしくは少ないセラミック板が用いられる。なお、排気管201におけるNOx吸蔵還元型触媒202に対し排ガス流通方向下流側にはNOx濃度計測器(図示せず)が設けられる。
NOx吸蔵還元型触媒202は、図13(a)に示すように、通常燃焼(希薄燃焼)時にあっては、基材202aの表面に塗布されたアルカリ金属酸化物(NOx吸蔵材)202cおよび担体(白金)202bでNO、酸素およびアルカリ金属酸化物が反応して硝酸塩としてNOxを吸蔵する。ポスト噴射(リッチ燃焼)時には、図13(b)に示すように、前記担体(白金)202bで前記硝酸塩と炭化水素が反応しアルカリ金属酸化物、一酸化炭素、水、窒素を生成してNOxが還元除去されることになる。また、図13(c)に示すように、通常燃焼時において、活性酸素により微粒子状物質223の酸化反応を促進すると共に、図13(d)に示すように、ポスト噴射時においても、活性酸素により微粒子状物質223の酸化反応を促進している。つまり、NOx吸蔵還元型触媒202は、窒素酸化物を吸蔵すると共に還元除去する一方、微粒子状物質を酸化除去する触媒であって、当該触媒202として、例えばLi,Na,Csなどのアルカリ金属酸化物中に、Pt,Rh,Pdなどの貴金属(主触媒)がその粒径が数nmであり、且つ粒子間隔が10nm〜100nmで分散されるナノ粒子分散型であって、基材がウォールスルー型セラミックの触媒を用いた。
電磁波発生装置204としては、2.45GHz、CW、8000J/sのマイクロ波、および、0.5THz〜4THz、パルス波[1kHz]、1mJ/sのテラヘルツ(THz)波を照射可能な装置を用いた。
ここで、上述した試験装置にて、ポスト噴射のタイミングを一定時間(一定間隔)で制御したときに、ポスト噴射のみで脱塵/脱硝した場合、ポスト噴射とマイクロ波照射(ポスト噴射時に1秒間照射)により脱塵/脱硝した場合、ポスト噴射とテラヘルツ波照射(ポスト噴射時に1秒間照射)により脱塵/脱硝した場合のそれぞれの圧力損失および触媒出口でのNOx濃度をそれぞれ計測した。これら計測結果について図14(a),図14(b),図14(c)にそれぞれ示した。なお、図14(a),図14(b),図14(c)において、実線が圧力損失を示し、1点鎖線が触媒出口のNOx濃度を示す。
ポスト噴射のみを行った場合には、図14(a)に示すように、ポスト噴射により触媒に吸着した微粒子状物質を除去することができるものの、ポスト噴射では微粒子状物質を完全に除去することができず、微粒子状物質の吸着量が徐々に増加していくことになる。これにより、触媒出口のNOx濃度が徐々に増えていくことが明らかとなった。
ポスト噴射を行うと共に、マイクロ波の照射を行った場合には、図14(b)に示すように、ポスト噴射のみを行う場合と比べて微粒子状物質の吸着量を減らすことができるものの、吸着した微粒子状物質を完全に除去することができないことから、微粒子状物質の吸着量が徐々に増加していくことになる。これにより、触媒出口のNOx濃度が徐々に増えていくことが明らかとなった。
ポスト噴射を行うと共に、テラヘルツ波の照射を行った場合には、図14(c)に示すように、吸着した微粒子状物質を完全に除去することができると共に、所望の脱硝性能を維持することができることが明らかとなった。
ここで、上述した試験装置にて、ポスト噴射のタイミングを圧力損失量(上限値L1)で制御したときに、ポスト噴射のみで脱塵/脱硝した場合、ポスト噴射とマイクロ波照射(ポスト噴射時に1秒間照射)により脱塵/脱硝した場合、ポスト噴射とテラヘルツ波照射(ポスト噴射時に1秒間照射)により脱塵/脱硝した場合のそれぞれの圧力損失および触媒出口でのNOx濃度をそれぞれ計測した。これら計測結果について図15(a),図15(b),図15(c)にそれぞれ示した。なお、図15(a),図15(b),図15(c)において、実線が圧力損失を示し、1点鎖線が触媒出口のNOx濃度を示す。
ポスト噴射のみを行った場合には、図15(a)に示すように、ポスト噴射により触媒に吸着した微粒子状物質を除去することができるものの、ポスト噴射では微粒子状物質を完全に除去することができず、微粒子状物質の吸着量が徐々に増加していくことになる。これにより、ポスト噴射を行うタイミングの間隔が徐々に短くなっていき、触媒出口のNOx濃度が徐々に増えていくことが明らかとなった。
ポスト噴射を行うと共に、マイクロ波の照射を行った場合には、図15(b)に示すように、ポスト噴射のみを行う場合と比べて微粒子状物質の吸着量を減らすことができるものの、吸着した微粒子状物質を完全に除去することができないことから、微粒子状物質の吸着量が徐々に増加していくことになる。これにより、ポスト噴射を行うタイミングの間隔が徐々に短くなっていき、触媒出口のNOx濃度が徐々に増えていくことが明らかとなった。
ポスト噴射を行うと共に、テラヘルツ波の照射を行った場合には、図15(c)に示すように、吸着した微粒子状物質を完全に除去することができると共に、所望の脱硝性能を維持することができることが明らかとなった。また、ポスト噴射の回数が他の場合と異なり増加しないことから、燃費の低下を抑制できることが明らかとなった。
以上のことより、貴金族(主触媒)の粒径が数nmであると共に、貴金属(主触媒)の間隔が10nm〜100nmである脱硝触媒に対し、ポスト噴射のタイミングを一定時間または圧力損失量(上限値)で制御すると共に、ポスト噴射を行うタイミングにてテラヘルツ波を照射することにより、微粒子状物質を完全に除去することができると共に、所望の脱硝率を維持できることが明らかとなった。
[確認試験3]
本確認試験3にて、火力発電設備から排気される排ガス中のNOxの除去性能について評価試験を行った。
本確認試験3について、図16(a)、図16(b)、図17(a)、図17(b)を参照して具体的に説明する。
本試験では、試験装置を用いて、排ガス中のNOx濃度を計測した。試験装置は、図16(a)および図16(b)に示すように、複数のバーナ311を備えた燃焼炉310と、燃焼炉310に連絡して設けられる排気管312と、排気管312の排ガス流通方向下流側に設けられた大型脱硝装置300とを具備する。大型脱硝装置300は、排気管312に連絡して設けられる脱硝塔301と、脱硝塔301の排ガス流通方向上流側に設けられ、塔301内へアンモニアの溶液331を噴射するアンモニア噴射ノズル(還元助剤供給手段)307と、アンモニア噴射ノズル307の排ガス流通方向下流側に設けられた複数(図16(a)では3段)の脱硝触媒302A,302B,302Cとを備える。脱硝触媒302A,302B,302Cのそれぞれに対向して、複数のテラヘルツ波発生装置304A,304B,304Cが配置される。テラヘルツ波発生装置304A,304B,304Cおよび脱硝塔301に接続し、テラヘルツ波発生装置304A,304B,304Cで発生するテラヘルツ波308が導波する導波管305A,305B,305Cが設けられる。導波管305A,305B,305Cと脱硝塔301との接続箇所には、テラヘルツ波308が脱硝塔301内に入射可能な入射窓303A,303B,303Cが設けられる。入射窓303A,303B,303Cとしては、例えばテラヘルツ波の吸収がない、もしくは少ないセラミック板などが挙げられる。脱硝触媒302A,302B,302Cの排ガス流通方向下流側(触媒出口側)には、NOx濃度を計測するNOx濃度計測器306A,306B,306Cがそれぞれ設けられる。
燃焼炉310に石炭などの燃料(図示せず)が供給され、当該燃料をバーナ311により燃焼している。これにより排ガス321が生じ、排気管312を通じ、脱硝塔301の上流側でアンモニア331を同伴して当該脱硝塔301内に流通している。
脱硝触媒302A,302B,302Cは、排ガス321中の窒素酸化物をアンモニアにより還元除去する触媒である。脱硝触媒302A,302B,302Cとして、例えば、貴金属(主触媒)の粒径が数nmであり、且つ粒子間隔が10nm〜100nmであるナノ粒子分散型であって、基材がセラミックスハニカム形状をなす2元(Pt/Ru)脱硝触媒を用いた。なお、ボイラ排ガス処理などでよく用いられる酸化バナジウムや酸化タングステンを含むチタニアやシリカ−アルミナ、あるいは鉄−ゼオライトをそのままハニカム構造体とした脱硝触媒では、触媒自体がテラヘルツ波を吸収する材料であり、その反応性向上を期待できる。また、別途基材に塗布した場合でも同様にテラヘルツ波の吸収と反応性の向上が期待できる。
テラヘルツ波発生装置304Aは、図16(b)に示すように、脱硝触媒302Aの外周に沿って複数配置される。テラヘルツ波発生装置304B,304Cは、テラヘルツ波発生装置304Aと同様、各段の脱硝触媒302B,302Cの外周に沿って複数配置される。テラヘルツ波発生装置304A,304B,304Cとして、0.5THz〜4THz、パルス波[1kHz]、1mJ/sのテラヘルツ(THz)波を照射する装置を用いた。
ここで、上述した試験装置にて、燃料に使用していた石炭(石油)を炭種A(油種A)から炭種B(油種B)に変更する場合に、脱硝触媒に対してテラヘルツ波を照射しないときの最下流側の脱硝触媒出口でのNOx濃度、脱硝触媒に対してテラヘルツ波を照射したときの最下流側の脱硝触媒出口でのNOx濃度をそれぞれ計測した。これらの計測結果を図17(a)および図17(b)に示した。なお、炭種切り替え時の最大NOx濃度は、脱硝触媒へのテラヘルツ波の照射により所望のNOx濃度に低減可能な数値とする。
脱硝触媒に対してテラヘルツ波を照射しない場合には、脱硝触媒出口のNOx濃度は、図17(a)に示すように、炭種Aから炭種Bに切り替え開始時(T41)から切り替え終了時(T42)に亘って漸増し、炭種切り替え後にあっても、燃焼条件などを調整している期間(T43〜T44)に亘って増加と減少とを繰り返し、次第に漸減して所望のNOx濃度となることが明らかとなった。
これに対し、脱硝触媒に対してテラヘルツ波を照射する場合には、脱硝触媒出口のNOx濃度は、図17(b)に示すように、炭種Aから炭種Bに切り替え開始時(T51)から切り替え終了時(T52)に亘って、テラヘルツ波の照射量を調整することで、増加と減少を繰り返すが所望のNOx濃度とすることができ、また、炭種切り替え後にあっては、燃焼条件などを調整せずに所望のNOx濃度を維持できることが明らかとなった。すなわち、燃焼条件などの調整によるNOx濃度の調整が不要となり、その分、炭種切り替えに伴うコストを低減できることが明らかとなった。
つまり、上述の試験により、排ガス中のNOxを還元除去する脱硝触媒と、脱硝触媒に対してテラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射装置とを具備し、脱硝触媒が、粒子径が数nmであり、粒子間隔が10nm〜100nmであることにより、触媒活性制御の応答性が良く、排ガス処理触媒の担体での化学反応をより一層促進することができることが確認された。
本発明による排ガス処理装置は、触媒活性制御の応答性が良く、汚染物質をより一層効率良く除去することができるため、化学プラントなどの各種プラント、火力発電所、自動車などで有益に利用することができる。
1 テラヘルツ波
2 微粒子状物質
10 排ガス処理装置
11 排気管
12 排ガス処理触媒
12a 基材
12b 担体(主触媒)
14 テラヘルツ波発生装置
15 導波管
21 排ガス処理触媒
21a 基材
21b 担体(主触媒)
22 排ガス処理触媒
22a 基材
22b 担体(主触媒)
22c 担体(補助触媒)
23 排ガス処理触媒
23a 基材
23b 担体(主触媒)
24 排ガス処理触媒
24a 基材
24b 担体(主触媒)
41 テラヘルツ波
42 局在プラズモン
43 フォノン
51 排ガス処理触媒
51a 基材
51b 補助触媒
51c 主触媒
70 排ガス処理触媒
71 基材
72 担体物質
73 触媒成分粒子
74 バインダー物質
81 原子
82 結晶格子
91 テラヘルツ波
100 排ガス処理装置
101 排気管
102 排ガス処理触媒
103 入射窓
104 テラヘルツ波発生装置
105 導波管
106a,106b NOx濃度計測器
107 電磁波(マイクロ波、テラヘルツ波)
110 内燃機関
121,122 排ガス
200 排ガス処理装置
201 排気管
202 排ガス処理触媒
203 入射窓
204 テラヘルツ波発生装置
205 導波管
206 圧力損失センサ(圧力差計測センサ)
207 電磁波(マイクロ波、テラヘルツ波)
210 内燃機関
211 コモンレール
212 コモンレール制御装置
213 制御装置(ECU)
221,222 排ガス
300 脱硝装置(排ガス処理装置)
301 脱硝塔
302A,302B,302C 排ガス処理触媒
303A,303B,303C 入射窓
304A,304B,304C テラヘルツ波発生装置
305A,305B,305C 導波管
306A,306B,306C NOx濃度計測器
307 アンモニア噴射ノズル
308 テラヘルツ波
310 燃焼炉
311 バーナ
321,322 排ガス
331 アンモニア

Claims (7)

  1. 排ガスに含まれる汚染物質を処理して浄化する排ガス処理装置であって、
    前記汚染物質を処理して浄化する排ガス処理触媒と、
    前記排ガス処理触媒に対し、テラヘルツ波を照射するテラヘルツ波照射手段とを具備する
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 請求項1に記載された排ガス処理装置であって、
    前記排ガス処理触媒は、基材と、前記基材に担持され、前記汚染物質と反応して当該汚染物質を浄化する担体とを備え、
    前記担体の粒子径が1μm以下である
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された排ガス処理装置であって、
    前記テラヘルツ波照射手段が、前記テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生手段と、前記テラヘルツ発生手段で発生した前記テラヘルツ波を前記排ガス処理触媒へ導波する導波手段とを具備し、
    前記テラヘルツ波発生手段が、波長30μm〜3mmの電磁波を発生する装置である
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載された排ガス処理装置であって、
    前記汚染物質が窒素酸化物であり、
    前記排ガス処理触媒が、前記窒素酸化物を除去する脱硝触媒である
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
  5. 請求項4に記載された排ガス処理装置であって、
    前記脱硝触媒が、白金とロジウムとパラジウムを含有する三元触媒である
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
  6. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載された排ガス処理装置であって、
    前記汚染物質が、窒素酸化物および微粒子状物質であり、
    前記排ガス処理触媒が、前記窒素酸化物を吸蔵すると共に還元除去する一方、前記微粒子状物質を酸化除去する触媒である
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
  7. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載された排ガス処理装置であって、
    前記排ガスにアンモニアを含む溶液を噴霧する還元助剤供給手段をさらに具備し、
    前記汚染物質が、窒素酸化物であり、
    前記排ガス処理触媒が、前記窒素酸化物をアンモニアで還元する触媒である
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
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KR101792958B1 (ko) * 2016-10-18 2017-11-03 임영수 코크스를 사용하는 설비의 대기오염물질 저감용 열공명 시스템
US11578630B2 (en) 2017-12-28 2023-02-14 Arcs Energy Limited Fluid treatment apparatus for an exhaust system and method thereof

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