以下、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態におけるパチンコ遊技機全体の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態におけるパチンコ遊技機を表面側からみた斜視図であり、図2は、同パチンコ遊技機を背面側からみた斜視図である。
本発明の第1の実施の形態におけるパチンコ遊技機10は、図1に示すように、外枠11、前枠12、窓枠13及び当該窓枠13に覆われた遊技盤30(後述)などを備えている。また、パチンコ遊技機10の背面には、図2に示すように、液晶ディスプレイ型の演出表示装置37(後述)などの表示制御や、可動役物及びLEDなどによる遊技演出の制御を行う表示演出サブ基板21、各種遊技音の出力制御を行う音サブ基板22、入賞時におけるパチンコ遊技機10の動作等を含むパチンコ遊技機10の主要な動作を制御する主基板23、パチンコ球(遊技球)の払い出し動作を制御する払出基板24、各基板等に電源を供給する電源基板25等の各種基板が例えば透明ケースに収納された状態で取り付けられている。
具体的に、外枠11は、パチンコホールの台島に設置されており、前後面が開口するように四角筒状に形成されている。前枠12は、外枠11の前端面に左側辺部の垂直な軸を中心に回動可能に装着されている。また、この前枠12の前面下部には、上面が開口する下皿14と、上面が開口する上皿15とが固定されている。
下皿14の右端周辺にはハンドル台16が固定されており、ハンドル台16には発射ハンドル19が回動自在に装着されている。この発射ハンドル19の後方には発射モータが固定されており、発射モータの回転軸には打球槌が連結されている。この発射モータは打球槌の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル19が回動操作されたときには発射モータに駆動電源が供給される。その結果、打球槌が駆動して上皿15内のパチンコ球が弾き出される。
窓枠13は前枠12の前面に装着されている。この窓枠13は前枠12と一体となって、前記した軸を中心に回動可能となっている。また、この窓枠13には円形孔状の窓部17が形成されており、窓部17の内周面には透明なガラスやアクリル等からなる透明板17aが固定されている。この窓枠13の左上隅部及び右上隅部の裏面には、遊技音を出力するスピーカ18が固定されている。また、窓枠13には複数の装飾LEDが固定されている。
上述の遊技盤30は、前枠12の後面に装着されている。以下、この遊技盤30に備えられる各構成部材について図3及び図4を参照して詳細に説明する。図3及び図4は、本発明の第1の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、第1可動装飾部(後述)が視認容易な状態で第2可動装飾部(後述)が視認困難な状態のものであり、図4は、第1可動装飾部(後述)が視認困難な状態で第2可動装飾部(後述)が視認容易な状態のものである。この遊技盤30は、上述のように前枠12の後面に装着されており、窓枠13の透明板17aに前方から覆われている。
遊技盤30は、その遊技者側の表面に有する盤面等に各構成部材を固定する板状の部材であり、木製又は樹脂製のものである。ガイドレール32は、この遊技盤30の前記透明板17aと対向する表面側の盤面に固定されて、この遊技盤30上に、パチンコ球の発射通路31aと、発射されたパチンコ球が転動しながら流下する遊技領域31bとを区画形成する。遊技盤30における遊技領域31bのほぼ中央部には、当該遊技盤30に貫設された開口部38が形成されている。この開口部38の周縁には、センター装飾部材40が付設されている。また、センター装飾部材40には、開口部38の下部を覆うように、ステージ50が形成されている。
また、遊技領域31bにおいては、遊技盤30に形成された開口部38の周囲の少なくとも一部に、パチンコ球が転動しながら流下するようになっている。本実施の形態では、ガイドレール32と開口部38との間の領域で、開口部38の上方から左方及び右下方までの領域にパチンコ球が流下するようになっている。
また、遊技領域31bにおける遊技盤30の盤面上には、パチンコ球の流下方向を変化させる複数の遊技釘(障害部材)39が打ち込まれている。上述の打球槌が弾いたパチンコ球は、発射通路31aを通して遊技領域31b内に放出される。そして、遊技領域31bに放出されたパチンコ球は、遊技釘39に当たって転動しながら遊技領域31bを流下し、最終的に何れかの入賞口又は遊技領域31bの最下方に位置するアウト口36に入るようになっている。
また、遊技盤30に貫設された開口部38の後方には、カラー液晶ディスプレイ等を用いた演出表示装置37が設けられている。この演出表示装置37は、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定結果に基づき変動演出表示を行う広い面積の表示画面37aを有しており、当該表示画面37aが開口部38からパチンコ遊技機10の前方に向けて臨むようになっている。
また、遊技領域31b内において、演出表示装置37の下方には、始動入賞口33が配置されている。この始動入賞口33は、パチンコ球が入賞することによって、遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行う起点となるものであり、上方に開口するポケット状に形成されている。
また、始動入賞口33の右側方上部には、大入賞口34が配置されている。この大入賞口34は図示しないアクチュエータの作動により開閉する開閉扉34aを備えており、この開閉扉34aは、遊技状態が大当り遊技状態になると開口し、その際には大入賞口34が上方に向かってポケット状に幅広く開口し、多数のパチンコ球が同時かつ連続的に大入賞口34に入賞可能となる。
また、遊技領域31bの所定位置(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方)にはワープ通路90が設けられており、遊技領域31bにおけるパチンコ球が流下する途中(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方の上部)にワープ通路90の球入口91が形成されており、また、遊技領域31bにおけるステージ50付近(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方の下部でステージ50に繋がる位置)にワープ通路90の球出口92が形成されている。そして、本実施の形態では、遊技領域31bに転動するパチンコ球が、球入口91からワープ通路90に入り、当該ワープ通路90内を通って、球出口92から放出されることで、パチンコ球がステージ50に誘導されるようになっている。
また、遊技領域31b内の所定位置には、パチンコ球が入賞可能な一般入賞口35が上方に開口するポケット状に形成されている(本実施の形態では、遊技領域31bの左下部に複数の一般入賞口35が形成されている)。
また、始動入賞口33の下方には、第1可動装飾部110を備えた第1可動役物100が配置されている。この第1可動役物100は、その前方をパチンコ球が通過可能となるように、遊技盤30と略面一となるように遊技盤30に設けられた孔部に配置されている。
また、演出表示装置37の下部前方には、第2可動装飾部210を備えた第2可動役物200が配置されている。この第2可動役物200は、演出表示装置37とステージ50の間に設けられる収容空間に収容されている。
以下、本実施の形態における第1可動役物100及び第2可動役物200について、図3及び図4を参照して詳細に説明する。
まず、第1可動役物100について説明する。本実施の形態の第1可動役物100は、ドラム状の第1可動物101を有しており、この第1可動物101が遊技盤30の左右方向に延びる回動軸(図示省略)を中心として、図示しないモータ等の駆動源によって図3及び図4の矢印Aに示す上下方向に回動するようになっている。また、この第1可動物101には、「ヤッホー」と認識できる修飾文字の入った第1可動装飾部110が設けられており、第1可動物101が回動することで、当該「ヤッホー」の修飾文字が視認容易な状態と視認困難な状態との間で移動するようになっている。なお、本実施の形態では、第1可動物101には、「ヤッホー」の修飾文字の第1可動装飾部110以外にも、回動させた際に視認容易な状態と視認困難な状態とに移動する他の可動装飾部が設けられている。
次に、第2可動役物200について説明する。本実施の形態の第2可動役物200は、板状の第2可動物201を有しており、この第2可動役物201が図示しないモータ等の駆動源によって図3及び図4の矢印Bに示す遊技盤30と略平行な上下方向にスライド移動するようになっている。また、この第2可動物201には、「ヤッホー」と認識できる修飾文字の入った(すなわち、第1可動装飾部110と同様の装飾が施された)第2可動装飾部210が設けられており、第2可動物201がスライド移動することで、当該「ヤッホー」の修飾文字の入った第2可動装飾部210が、図3に示すようにステージ50等の後方に隠れた視認困難な状態と、図4に示すようにステージ50等の上方に出現した視認容易な状態との間で移動するようになっている。
そして、このような構成を有する2つの可動役物の動きとしては、まず、図3に示すような、第1可動役物100の第1可動物101において第1可動装飾部110の「ヤッホー」の修飾文字が正面に見えている視認容易な状態から、第1可動物101が矢印Aの上方に回転して、図4に示すように、第1可動装飾部110が見えなくなる視認困難な状態になる(ここでは、完全に見えなくなる視認不可能な状態になる)。
すると、それに連動して、図3に示すような、第1可動装飾部110の移動する方向の先に配置された第2可動役物200の第2可動物201において第2可動装飾部210の「ヤッホー」の修飾文字が見えていない視認困難な状態(ここでは、「ヤッホー」の上部の一部だけ見えている状態)から、第2可動物201が第1可動装飾部110の移動する方向と同じ方向である矢印Bの上方にスライド移動して、図4に示すように、第1可動装飾部110と同様の装飾が施された第2可動装飾部210の全体が見える視認容易な状態になる。
なお、本実施の形態では、可動装飾部同士が移動するときの同じ方向として、同じ直線方向(上方)を指していたが、本発明における同じ方向とは、同じ直線方向の他、曲線的に同じ方向(例えば、同じ半径の円周に沿った方向等)も含むものとする。また、同じ方向の範囲には、厳密な同一方向以外に略同じ方向も含むものとする。また、本実施の形態の第1可動役物100におけるドラム状の第1可動物101に施された第1可動装飾部110のような回転する装飾の方向については、遊技盤30と平行な面における移動方向を、装飾の移動する方向とする。すなわち、ドラム状の第1可動物101に施された第1可動装飾部110は、実際には、遊技盤30の上下方向に移動すると共に前後方向にも移動するものであるが、本発明では、遊技盤30と平行な上下方向を装飾の移動方向として扱うものとする。
ここで、第1可動役物100と第2可動役物200の連動の仕方としては、第1可動装飾部110が見えなくなってすぐに第2可動装飾部210が見えるようになっていても良いし、第1可動装飾部110が見えなくなってから暫く時間をおいて第2可動装飾部210が見えるようになっていても良い。これは、第1可動装飾部110と第2可動装飾部210との距離や配置位置によって調整し、自然に「ヤッホー」の修飾文字が移動したように見えるように制御するようになっているのが良い。
また、第1可動装飾部110が完全に見えなくなってから第2可動装飾部210が見えるようにしても良いし、第1可動装飾部110が見えなくなりつつあるという時点で第2可動装飾部210が見え出すようにしても良い。これは、第1可動装飾部110と第2可動装飾部210との距離や配置位置、第1可動物101や第2可動物201の形状等によって決定されるのが良い。すなわち、本実施の形態のように、可動物の一方がドラム状である場合には、ドラム状の第1可動物101における第1可動装飾部110が完全に見えなくなってから、板状の第2可動物201における第2可動装飾部210が見えるようになっていると、連動性が良い雰囲気となる。また、双方が本実施の形態のようなスライド移動する場合は、第1可動装飾部110が見えなくなりつつある時点で第2可動装飾部210が見え出すようにしておくと、連動性が良い雰囲気となる。
このような構成及び動きをリーチ状態の演出や予告演出、大当り中の演出などとして遊技者に見せることで、「ヤッホー」の修飾文字が第1可動役物100の第1可動装飾部110から第2可動役物200の第2可動装飾部210に移動していっているように見えるものであり、これにより、遊技の興趣を向上させることができるものである。
また、第1可動役物100の第1可動物101における第1可動装飾部110が移動する方向の先に、第2可動役物200の第2可動物201における第2可動装飾部210が配置されていることで、第1可動装飾部110から第2可動装飾部210に遊技者の視線をスムーズに案内することができ、遊技者の視線の動きに対して、遊技者に過度の負担を与えないようにすることができる。
さらに、第1可動装飾部110が移動する方向の先に配置された第2可動装飾部210の移動する方向が、第1可動装飾部110の移動する方向と同じ方向となっているため、第1可動装飾部110から第2可動装飾部210へ案内された遊技者の視線の動き方向を、第2可動装飾部210の動きに伴って急に変更することがないようにでき、より遊技者の視線の動きに過度の負担を与えないようにすることができる。
なお、逆に、第2可動物201が矢印Bの下方にスライド移動して、第2可動装飾部210の全体が見える視認容易な状態から視認困難な状態に変動するのに連動して、第1可動物101が矢印Aの下方に回転して、第1可動装飾部110が全く見えない視認困難な状態から全体が見える視認容易な状態になる場合もある。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るパチンコ遊技機について、図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は、本発明の第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の遊技盤30の正面図であり、図5は、第1可動装飾部(後述)が視認容易な状態で第2可動装飾部(後述)が視認困難な状態のものであり、図6は、第1可動装飾部(後述)が視認困難な状態で第2可動装飾部(後述)が視認容易な状態のものである。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機は、下記の第1可動役物300及び第2可動役物400に関する構成以外は、前記した第1の実施の形態と同様であるので、同様の構成に同じ符号を付して、説明を省略する。
本実施の形態のパチンコ遊技機10では、図5及び図6に示すように、遊技盤30における大入賞口134が始動入賞口33の下方に配置されており、この大入賞口134は図示しないアクチュエータの作動により開閉する開閉扉134aを備えている。また、第1可動役物300が、始動入賞口33の右側方上部に配置されており、第2可動役物400が、演出表示装置37の表示画面37aの上方に配置されている。そして、第1可動役物300及び第2可動役物400は、その前方をパチンコ球が通過可能となるように、遊技盤30と略面一となるようにセンター装飾部材40に設けられた孔部に配置されている。
まず、第1可動役物300について説明する。本実施の形態の第1可動役物300は、矢印Cに示す直線方向にスライド移動する第1可動物301を有しており、この第1可動物301に拳の装飾を施した第1可動装飾部310が設けられている。また、第1可動装飾部310の指の前方に、第1可動物301全体を覆い隠すことができる大きさ及び形状の箱状部320が配置されている。そして、この第1可動物301が、視認容易な状態である出現位置(箱状部320の下方位置)と、視認困難な状態である隠れ位置(箱状部320に挿入されて遊技者から見えないように隠されている位置)とにスライド移動するようになっている。
次に、第2可動役物400について説明する。本実施の形態の第2可動役物400は、矢印Dに示す直線方向にスライド移動する第2可動物401を有しており、この第2可動物401に第1可動装飾部310と同様の拳の装飾を施した第2可動装飾部410が設けられている。また、第2可動装飾部410の手首の後方に、第2可動物401全体を覆い隠すことができる大きさ及び形状の箱状部420が配置されている。そして、この第2可動物401が、視認困難な状態である隠れ位置(箱状部420に挿入されて遊技者から見えないように隠されている位置)と、視認容易な状態である出現位置(箱状部420の上方位置)とにスライド移動するようになっている。
また、本実施の形態では、第1可動役物300と第2可動役物400の間にLED等のランプLが複数設けられており、第1可動物301の動きの先に第2可動物401が出現するように、ガイドするような動きで第1可動物301が隠れ位置に移動した後に順に下方から上方に点灯し、その後、第2可動物401が出現位置に移動するようになっている。
そして、このような構成を有する2つの可動役物の動きとしては、まず、図5に示すような、第1可動役物300の第1可動物301において第1可動装飾部310の拳が見えている視認容易な状態から、第1可動物301が矢印Cの斜め上方にスライド移動して、図6に示すように、箱状部320に隠れて第1可動装飾部310が見えなくなる視認困難な状態になる(ここでは、完全に見えなくなる視認不可能な状態になる)。
すると、それに連動して、ランプLが次々に下方から上方に向かって点灯し、その後、図5に示すような、第2可動役物400の第2可動物401において箱状部420に隠れて第2可動装飾部410の拳が見えていない視認困難な状態(ここでは、完全に見えていない視認不可能な状態)から、第2可動物401が矢印Dの斜め上方にスライド移動して、図6に示すように、第2可動装飾部410の全体が見える視認容易な状態になる。
ここで、第1可動役物300と第2可動役物400の連動の仕方としては、第1可動装飾部310が見えなくなってすぐに第2可動装飾部410が見えるようになっていても良いし、第1可動装飾部310が見えなくなってから暫く時間をおいて第2可動装飾部410が見えるようになっていても良い。これは、第1可動装飾部310と第2可動装飾部410との距離や配置位置、ランプLによって調整し、自然に拳が移動したように見えるように制御するようになっているのが良い。
また、第1可動装飾部310が完全に見えなくなってから第2可動装飾部410が見えるようにしても良いし、第1可動装飾部310が見えなくなりつつあるという時点で第2可動装飾部410が見え出すようにしても良い。これは、第1可動装飾部310と第2可動装飾部410との距離や配置位置、第1可動物301や第2可動物401の形状等によって決定されるのが良い。
このような構成及び動きを遊技者に見せることで、拳の装飾が第1可動役物300の第1可動装飾部310から第2可動役物400の第2可動装飾部410に移動していっているように見えるものであり、これにより、遊技の興趣を向上させることができるものである。
また、本実施の形態では、第1可動役物300の第1可動物301における第1可動装飾部310が移動する厳密な方向(矢印Cの正確な方向)と、第2可動役物400の第2可動物401における第2可動装飾部410が配置される位置及び移動する厳密な方向(矢印Dの正確な方向)は異なっており、そのままでは連動して移動しているように見えない場合もあるが、第1可動装飾部310と第2可動装飾部410の間に複数のランプLを備えており、このランプLが第1可動装飾部310から第2可動装飾部410に向かって順に点灯するようになっていることで、遊技者の視線を案内する役割を果たし、結果として第1可動装飾部310と第2可動装飾部410が連動しているように見せることができる。また、第1可動装飾部310と第2可動装飾部410の間を複数のランプLで埋めることで、第1可動装飾部310が第2可動装飾部410の方に移動しているかのように遊技者に思わせる移動感の表現をより高めている。
なお、逆に、第2可動物401が矢印Dの斜め下方にスライド移動して、第2可動装飾部410の全体が見える視認容易な状態から視認困難な状態に変動するのに連動して、第1可動物301が矢印Cの斜め下方にスライド移動して、第1可動装飾部310が全く見えない視認困難な状態から全体が見える視認容易な状態になる場合もある。
以上のように、各実施の形態のパチンコ遊技機10は、所定の装飾が施された第1可動装飾部110,310を備えた第1可動役物100,300と、第1可動装飾部110,310と同様の装飾が施された第2可動装飾部210,410を備えた第2可動役物200,400と、を有しており、第1及び第2可動役物100,200,300,400はそれぞれ、第1及び第2可動装飾部110,210,310,410を遊技者からみて視認困難な状態と視認容易な状態との間で移動可能となっており、第1可動装飾部110,310が遊技者からみて視認容易な状態から視認困難な状態に移動するのに連動して、第2可動装飾部210,410が遊技者からみて視認困難な状態から、視認容易な状態のときの第1可動装飾部110,310の位置とは異なる位置で視認容易な状態になるように移動するようになっているパチンコ遊技機10としたことを特徴とする。
そして、各実施の形態のパチンコ遊技機10によれば、第1可動装飾部110,310と第2可動装飾部210,410が同様の装飾を施されたものであり、第1可動装飾部110,310が視認容易な状態から視認困難な状態に移動するのに連動して、第2可動装飾部210,410が視認困難な状態から、視認容易な状態のときの第1可動装飾部110,310の位置とは異なる位置で視認容易な状態になるように移動するようになっているため、同様の装飾が施された複数の可動役物同士を連動して動かすことで、遊技者に第1可動装飾部110,310があたかも第2可動装飾部210,410に移動したかのように見せて可動装飾部の移動感を表現することができ、その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1の実施の形態のパチンコ遊技機10は、前記した構成に加えて、第1可動装飾部110が遊技者からみて視認容易な状態から視認困難な状態に移動する方向の先に、遊技者からみて視認容易な状態となった第2可動装飾部210が位置し、第2可動装飾部210が遊技者からみて視認困難な状態から視認容易な状態に移動する方向が、第1可動装飾部110が遊技者からみて視認容易な状態から視認困難な状態に移動する方向と同じ方向となっているパチンコ遊技機10としたことを特徴とする。
そして、第1の実施の形態のパチンコ遊技機10によれば、第1可動装飾部110の移動する方向の先に、視認容易な状態の第2可動装飾部210が位置すると共に、第2可動装飾部210の移動する方向が、第1可動装飾部110の移動する方向と同じ方向となっているため、より確実に、遊技者に第1可動装飾部110があたかも第2可動装飾部210に移動しているように見せて可動装飾部の移動感を表現することができる。
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
例えば、前記した実施の形態では、可動役物を2つ備えており、当該2つの可動役物の可動装飾部同士で動きが連動するように構成されていたが、本発明はこれに限るものではなく、可動役物が3つ以上あり、当該3つ以上の可動役物の可動装飾部同士で動きが連動するようになっていても良い。
このような例としては、図7に示す第1の実施の形態の第1変形例のように、下方から順に、第1可動役物500、第2可動役物600、第3可動役物700の3つの可動役物を備えており、第1可動役物500の第1可動物501と第2可動役物600の第2可動物601が上下方向に回動するドラム状の可動物となっており、第3可動役物700の第3可動物701が上下方向にスライド移動する板状の可動物となっているものが挙げられる。
このような可動役物においては、第1可動役物500の第1可動物501に「ヤッホー」の修飾文字の入った第1可動装飾部510が設けられており、第2可動役物600の第2可動物601にも同じく「ヤッホー」の修飾文字の入った第2可動装飾部610が設けられており、第3可動役物700の第3可動物701にも同じく「ヤッホー」の修飾文字の入った第3可動装飾部710が設けられている。
そして、このような構成を有する3つの可動役物の動きとしては、まず、図7の(a)に示すような、第1可動役物500の第1可動物501において第1可動装飾部510の「ヤッホー」の修飾文字が正面に見えている視認容易な状態から第1可動物501が上方に回転して第1可動装飾部510が見えなくなる視認困難な状態になる。すると、それに連動して、図7の(b)に示すように、第2可動役物600の第2可動物601において第2可動装飾部610の「ヤッホー」の修飾文字が見えていない視認困難な状態から第2可動物601が上方に回転して第2可動装飾部610が正面に見える視認容易な状態になる。さらに、第2可動装飾部610の視認容易な状態から第2可動物601がさらに上方に回転して第2可動装飾部610が見えなくなる視認困難な状態になると、それに連動して、図7の(c)に示すように、第3可動役物700の第3可動物701において第3可動装飾部710の「ヤッホー」の修飾文字が見えていない視認困難な状態から第3可動物701が上方にスライド移動して第3可動装飾部710の全体が見える視認容易な状態になる。
このような構成及び動きを遊技者に見せることで、「ヤッホー」の修飾文字が第1可動役物500の第1可動装飾部510,第2可動役物600の第2可動装飾部610,第3可動役物700の第3可動装飾部710の間を移動していっているように見えるものであり、これにより、遊技の興趣を向上させることができるものである。
また、前記した第1変形例とは別の例としては、図8に示す第1の実施の形態の第2変形例のように、下方に第1可動役物800を有しており、上方に第2可動役物として左側第2可動役物900aと右側第2可動役物900bの2つの可動役物が並んでいるものが挙げられる。この例では、第1可動役物800の第1可動物801が上下方向に回動するドラム状の可動物となっており、左側第2可動役物900aの左側第2可動物901a及び右側第2可動役物900bの右側第2可動物901bが上下方向にスライド移動する板状の可動物となっている。
このような可動役物においては、第1可動役物800の第1可動物801に「ヤッホー」修飾文字の入った第1可動装飾部810が設けられている。また、左側第2可動役物900aの左側第2可動物901aには「ヤッ」の修飾文字の入った左側第2可動装飾部910aが設けられており、右側第2可動役物900bの右側第2可動物901bには「ホー」の修飾文字の入った右側第2可動装飾部910bが設けられており、左側及び右側第2可動装飾部910a,910bの2つで「ヤッホー」を表現するようになっている。
そして、このような構成を有する3つの可動役物の動きとしては、まず、図8の(a)に示すような、第1可動役物800の第1可動物801において第1可動装飾部810の「ヤッホー」の修飾文字が正面に見えている視認容易な状態から第1可動物801が上方に回転して第1可動装飾部810が見えなくなる視認困難な状態になる。すると、それに連動して、図8の(b)に示すように、左側第2可動役物900aの左側第2可動物901aにおいて左側第2可動装飾部910aの「ヤッ」の修飾文字が見えていない視認困難な状態から左側第2可動物901aが上方にスライド移動して左側第2可動装飾部910aの全体が見える視認容易な状態になる。また、それと同時に、右側第2可動役物900bの右側第2可動物901bにおいて右側第2可動装飾部910bの「ホー」の修飾文字が見えていない視認困難な状態から右側第2可動物901bが上方にスライド移動して右側第2可動装飾部910bの全体が見える視認容易な状態になる。
このような構成及び動きを遊技者に見せることで、「ヤッホー」の修飾文字が第1可動役物800の第1可動装飾部810から左側第2可動役物900aの左側第2可動装飾部910aと右側第2可動役物900bの右側第2可動装飾部910bに移動していっているように見えるものであり、これにより、遊技の興趣を向上させることができるものである。また、第2変形例では、1つの「ヤッホー」の修飾文字が2つに分かれることで、「ヤッホー」の修飾文字が大きく広い範囲に見えるようになり、より目立つ演出とすることができるという効果も有するものである。
また、各可動役物の組合せや数はさらに別の構成となっていても良く、可動役物が4つ以上となっていても良いし、ドラム状やスライド移動の可動役物の数が異なる構成となっていても良いし、さらに、ドラム状やスライド移動以外の可動役物を有していても良い。
なお、本発明における同様の装飾とは、2つの装飾が全く同一もの、2つの装飾が相似となっているものの他、修飾文字において2つの装飾が同じフレーズとなっているもの、単語・書体が似ているもの等、遊技者からみて2つの装飾が同様であると認識されるものであれば、異なる部分があっても良い。
また、可動装飾部としては修飾文字を有するものに限るものではなく、文字のない平面図柄や立体図柄等からなる装飾が移動するように演出するものであっても良い。また、可動装飾部としては、第2の実施の形態の拳の装飾を始めとした、キャラクタ(人物、動物、植物等)の造形物又はその一部が移動するように演出するものであっても良い。
さらに、可動役物と可動役物の間に、第2の実施の形態のランプLの代わりに、演出表示装置を有しており、第1可動役物→演出表示装置→第2可動役物の順で可動装飾部が移動するように演出するものであっても良い。
また、前記した各実施の形態で第1可動装飾部と第2可動装飾部のサイズを変更する(例えば、第2可動装飾部の方がサイズを大きくする)と、遊技者への移動の印象をより強くすることができる。
また、前記した第2の実施の形態では、第1可動役物300と第2可動役物400の間に複数のランプLが設けられ、第1可動物301の動きの先に第2可動物401が出現するようにガイドするため、複数のランプLが下方から上方に順に点灯するようになっていたが、さらに、第1可動物301第1可動装飾部310と第2可動物401の第2可動装飾部410を発光させるようになっており、第1可動装飾部310、ランプL、第2可動装飾部410の発光色を同系色にするようになっていても良い。このように第1可動装飾部310、ランプL、第2可動装飾部410を同系色で発光させることで、ランプを用いた可動物の移動感の表現を、より高めることができる。