JP2013243849A - 回転電機のステータ、及び回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数巻きの成形コイルの斜行部が変形しても破損し難い絶縁部材を備えた回転電機のステータ及び回転電機を提供すること。
【解決手段】回転電機Mのステータ10は、円筒状のステータコア11の内周面111に開口するスロット12が周方向に並設されており、スロット12に複数巻きの成形コイル17が挿入されている。複数巻きの成形コイル17におけるコイルエンド部の相間絶縁を行なう絶縁部材50を備え、コイルエンド部は、第1及び第2の斜行部22,23を有し、第1及び第2の斜行部22,23に絶縁部材50が配置されるとともに、絶縁部材50は、成形コイル17の1巻き分に接着した状態で第1及び第2の斜行部22,23に止着されている。
【選択図】図1
【解決手段】回転電機Mのステータ10は、円筒状のステータコア11の内周面111に開口するスロット12が周方向に並設されており、スロット12に複数巻きの成形コイル17が挿入されている。複数巻きの成形コイル17におけるコイルエンド部の相間絶縁を行なう絶縁部材50を備え、コイルエンド部は、第1及び第2の斜行部22,23を有し、第1及び第2の斜行部22,23に絶縁部材50が配置されるとともに、絶縁部材50は、成形コイル17の1巻き分に接着した状態で第1及び第2の斜行部22,23に止着されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、スロットに複数巻きの成形コイルが挿入されている回転電機のステータ、及び該ステータを備える回転電機に関する。
回転電機のステータにおいて、成形コイルのコイルエンド部の相間絶縁を行なう絶縁部材は、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献2では、コイルの相間を絶縁する複数の絶縁紙の残部が斜行部に巻かれている。絶縁紙の採用は、絶縁部材付き成形コイルの製造時間の短縮化をもたらす。しかし、斜行部に絶縁紙を巻くだけでは、成形コイルが変形すると絶縁紙がずれて絶縁性能が低下する。
特許文献2では、コイルの相間を絶縁する複数の絶縁紙の残部が斜行部に巻かれている。絶縁紙の採用は、絶縁部材付き成形コイルの製造時間の短縮化をもたらす。しかし、斜行部に絶縁紙を巻くだけでは、成形コイルが変形すると絶縁紙がずれて絶縁性能が低下する。
特許文献1に開示のコイルのコイルエンド部には樹脂製の4つの分割ケースが嵌め込まれている。相間絶縁を行なう4つの分割ケースのうちの一対は、互いに対向して、コイルエンド部を形成する一対の斜行部の間に形成されたクランク形状部の半分と、この半分に連なる一方の斜行部とを被覆している。4つの分割ケースのうちの他の一対は、互いに対向して、クランク形状部の残りの半分と、この半分に連なる他方の斜行部とを被覆している。
対向する一対の分割ケースの側縁間には絶縁不良となる隙間が生じるため、コイルエンド部に4つの分割ケースを嵌め込んだ後に、コイル全体に絶縁ワニスが含浸硬化されている。
しかし、複数巻きの成形コイルのコイルエンド部に4つの分割ケースを嵌め込んだ後にコイル全体に絶縁ワニスを含浸硬化すれば、分割ケースが複数巻き全てに止着されてしまう。そうすると、分割ケースの変形自由度が低くなり、コイルエンド部が変形した場合には、分割ケースが破損する可能性がある。
本発明の目的は、複数巻きの成形コイルの斜行部が変形しても破損し難い絶縁部材を備えた回転電機のステータ及び回転電機を提供することである。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、円筒状のステータコアの内周面に開口するスロットが周方向に並設されており、前記スロットに複数巻きの成形コイルが挿入されている回転電機のステータであって、前記複数巻きの成形コイルにおけるコイルエンド部の相間絶縁を行なう絶縁部材を備え、前記コイルエンド部は、一対の斜行部を有し、前記一対の斜行部の少なくとも一方に前記絶縁部材が配置されるとともに、前記絶縁部材は、前記成形コイルの1巻き分に接着した状態で前記斜行部に止着されていることを要旨とする。
これによれば、斜行部に止着された絶縁部材は、複数巻きの成形コイルの1巻き分にのみ接着されるだけなので、複数巻きの成形コイルが変形しても絶縁部材が破損することはない。
また、前記成形コイルは平角線によって形成されるとともに、前記絶縁部材は、前記斜行部における前記ステータコアの径方向の最内周側で、かつステータコアの内周側に臨む端面で1巻き分に接着される接着片を備え、さらに、前記一対の斜行部のうち、前記スロットに後に挿入される別の成形コイルの斜行部よりも前記ステータコアの軸方向内側に位置する一方の斜行部に接着された前記接着片には、前記一方の斜行部の外周側へ延びる非接着片が一体に設けられ、前記別の成形コイルの斜行部よりも前記軸方向外側に位置する他方の斜行部に接着された前記接着片には、前記他方の斜行部の内周側へ延びる非接着片が一体に設けられていてもよい。
これによれば、絶縁部材の接着片が斜行部に接着されても、非接着片は斜行部に接着されず自由端となっている。また、接着片は、斜行部の最内周側に接着されるため、その斜行部に一体の非接着片は、後に挿入される別の成形コイルに向けて露出している。このため、別の成形コイルがスロットに挿入され、斜行部がステータコアの軸方向で重ね合わされるとき、一方の斜行部から延びる非接着片が、その斜行部の外周側に挿入される別の斜行部によって押し倒される。また、他方の斜行部から延びる非接着片が、その斜行部の内周側に挿入される別の斜行部によって押し倒される。よって、スロットへの成形コイルの挿入と同時に、軸方向に重なり合う斜行部同士の間に非接着片を介装させ、その斜行部の間の絶縁を行うことができる。
また、前記成形コイルは、前記スロット内では前記平角線の長辺方向が前記ステータコアの周方向に延びるとともに、短辺方向が前記ステータコアの径方向に延びるように段積みされており、前記接着片は、前記斜行部における前記ステータコアの径方向の最内周側の段で、かつステータコアの内周側に臨む端面で1巻き分に接着される。
これによれば、成形コイルの端面に対する接着片の接着面積を広くすることができる。
また、前記コイルエンド部は、前記一対の斜行部の間にクランク形状部を備えるとともに、前記接着片は、各斜行部毎に別々に接着されており、少なくとも一方の前記非接着片は、その一方の前記接着片を越えて前記クランク形状部に向けて延長されていてもよい。
また、前記コイルエンド部は、前記一対の斜行部の間にクランク形状部を備えるとともに、前記接着片は、各斜行部毎に別々に接着されており、少なくとも一方の前記非接着片は、その一方の前記接着片を越えて前記クランク形状部に向けて延長されていてもよい。
これによれば、非接着片がクランク形状部に向けて延長されることで、その非接着片の先端が、ステータコアの軸方向に重なり合うクランク形状部同士の間に介装され、非接着片によってクランク形状部の間の絶縁を行うことができる。
また、前記絶縁部材は、前記成形コイルにおけるスロット挿入部に接着されて前記スロット挿入部の間を仕切る挿入部用接着片を一体に備えていてもよい。
これによれば、挿入部用接着片により、スロット内で重なり合うスロット挿入部の間を仕切ることができる。
これによれば、挿入部用接着片により、スロット内で重なり合うスロット挿入部の間を仕切ることができる。
また、前記絶縁部材は、前記成形コイルの1巻き分に絶縁シートを接着した状態で前記斜行部に前記絶縁シートを巻いて形成されていてもよい。
これによれば、1巻き分に絶縁シートを接着しながら絶縁シートを巻けばよく、複数巻きの成形コイルに絶縁部材を容易に装着することができる。
これによれば、1巻き分に絶縁シートを接着しながら絶縁シートを巻けばよく、複数巻きの成形コイルに絶縁部材を容易に装着することができる。
また、前記絶縁シートは、重ね合わせ巻きされていてもよい。
これによれば、絶縁シートによって斜行部の全周を被覆することができる。
また、重ね合わせ巻きされた前記絶縁シートの重ね合わせ部の少なくとも一部が互いに接着されていてもよい。
これによれば、絶縁シートによって斜行部の全周を被覆することができる。
また、重ね合わせ巻きされた前記絶縁シートの重ね合わせ部の少なくとも一部が互いに接着されていてもよい。
これによれば、斜行部の全周の被覆を確実に行うことができるため、絶縁部材装着前の成形コイルの絶縁被膜に欠陥があった場合でも、絶縁性能を確保できる。
また、前記絶縁シートは、前記絶縁シートにおける前記斜行部の長手方向に離れた複数箇所が前記1巻き分に接着されていてもよい。
また、前記絶縁シートは、前記絶縁シートにおける前記斜行部の長手方向に離れた複数箇所が前記1巻き分に接着されていてもよい。
これによれば、例えば、絶縁シートの接着が、斜行部の長手方向全体に亘って行われる場合と比べると、絶縁部材の変形自由度を高めることができる。また、斜行部に対する絶縁部材の接着性を確保しつつ接着量を減らすことができる。
また、前記絶縁シートは、重ね合わせ巻きされており、前記絶縁シートは、前記絶縁シートの重ね合わせ部における前記斜行部の長手方向に離れた複数箇所が前記絶縁シートに接着されていてもよい。
また、前記成形コイルは、平角線によって形成されている。これによれば、例えば、成形コイルを丸線で形成する場合と比べると、絶縁部材と成形コイルとを面接触させて接着することができ、成形コイルに絶縁部材を安定して接着することができる。
また、前記平角線は、1列に段積み状態に複数巻きされ、さらに、前記1巻き分は、1列に段積み状態に複数巻きされた前記平角線の端の段である。
これによれば、絶縁部材が、段積みされた平角線の端の段にのみ接着されているため、段積みされた平角線の互いのずれに対して絶縁部材が変形して追随する。そのため、斜行部が変形しても絶縁シートが破れることはない。
これによれば、絶縁部材が、段積みされた平角線の端の段にのみ接着されているため、段積みされた平角線の互いのずれに対して絶縁部材が変形して追随する。そのため、斜行部が変形しても絶縁シートが破れることはない。
請求項14の発明は、円筒状のステータコアの内周面に開口するスロットが周方向に並設されており、前記スロットに成形コイルが挿入されているステータにおいて、前記成形コイルは、請求項1〜請求項13のうちのいずれか1項に記載の絶縁部材付き成形コイルである。
これによれば、斜行部に止着された絶縁部材は、複数巻きの成形コイルの1巻き分にのみ接着されるだけなので、複数巻きの成形コイルが変形しても絶縁部材が破損することはない。このため、コイルエンド部の相間絶縁が絶縁部材によって行われ、ステータでの絶縁性を確保することができる。
本発明によれば、複数巻きの成形コイルの斜行部が変形しても破損し難い絶縁部材を備えた回転電機のステータ及び回転電機を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示すように、回転電機Mのステータ10を構成する円筒形状のステータコア11の内周面111には多数のスロット12が周方向に並設されている。各スロット12は、ステータコア11の内周面111に開口している。スロット12には、3相用の絶縁部材付き成形コイル13が挿入されている。なお、以下、各相の絶縁部材付き成形コイル13を、第1の絶縁部材付き成形コイル13Aを第1の絶縁コイル13Aと記載し、第2の絶縁部材付き成形コイル13Bを第2の絶縁コイル13B、第3の絶縁部材付き成形コイル13Cを第3の絶縁コイル13Cと記載する。ステータコア11の筒内には回転電機Mのロータ16を構成するロータコア14が回転軸15と一体的に回転可能に配設されている。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示すように、回転電機Mのステータ10を構成する円筒形状のステータコア11の内周面111には多数のスロット12が周方向に並設されている。各スロット12は、ステータコア11の内周面111に開口している。スロット12には、3相用の絶縁部材付き成形コイル13が挿入されている。なお、以下、各相の絶縁部材付き成形コイル13を、第1の絶縁部材付き成形コイル13Aを第1の絶縁コイル13Aと記載し、第2の絶縁部材付き成形コイル13Bを第2の絶縁コイル13B、第3の絶縁部材付き成形コイル13Cを第3の絶縁コイル13Cと記載する。ステータコア11の筒内には回転電機Mのロータ16を構成するロータコア14が回転軸15と一体的に回転可能に配設されている。
図2に示すように、第1の絶縁コイル13Aと第3の絶縁コイル13Cは、第2の絶縁コイル13Bを挟んでステータコア11の径方向に接近し、かつ、ステータコア11の軸方向に重なる状態で配置されている。また、第1の絶縁コイル13Aと第2の絶縁コイル13Bとは、異なる相であり、第2の絶縁コイル13Bと第3の絶縁コイル13Cとは、異なる相である。異なる相の成形コイル17間においては電位差が生じるので、コイルエンド部21において異なる相の成形コイル17間の空間距離(絶縁距離)を確保できるようにする必要がある。
図3では、第1の絶縁部材付き成形コイル13Aと、絶縁部材50の図示を略した第2の絶縁部材付き成形コイル13B(13)を図示している。図3に示すように、第1〜第3の絶縁コイル13A〜13Cは、複数巻きの成形コイル17と、絶縁部材50と、からなる。成形コイル17としては横断面形状が長方形の平角線171を用いて略六角形状に成形されている。成形コイル17は、亀甲巻きコイルであり、成形コイル17のコイルエンド部21は、一方の斜行部としての第1の斜行部22と、他方の斜行部としての第2の斜行部23と、両斜行部22,23の間に形成されるクランク形状部24とを有している。クランク形状部24は、ねじれ無しの形状に形成されている。
また、成形コイル17は、第1の斜行部22に繋がる第1のスロット挿入部25と、第2の斜行部23に繋がる第2のスロット挿入部26を一体に備えている。第1及び第2のスロット挿入部25,26は、それぞれ直線状をなし、ステータコア11のスロット12にそれぞれ挿入されるとともに、各コイルエンド部21は、ステータコア11の軸方向の各端面から突出する。図2(b)に示すように第1及び第2のスロット挿入部25,26は、それぞれ平角線171の長辺方向が、ステータコア11の周方向へ延びるとともに、短辺方向が、ステータコア11の径方向へ延びるようにスロット12内で段積みされている。
図3に示すように、コイルエンド部21において、第1の斜行部22は、第1のスロット挿入部25の両端部から該第1のスロット挿入部25に対して傾斜して形成されており、第2の斜行部23は、第2のスロット挿入部26の両端部から該第2のスロット挿入部26に対して傾斜して形成されている。離間したスロット12に挿入された第1及び第2のスロット挿入部25,26の両端部にはクランク形状部24が第1及び第2の斜行部22,23を介して連結されている。
なお、図2(a)に示すように、重なり合う第1〜第3の絶縁コイル13A〜13Cでは、第2の斜行部23が、ステータコア11の軸方向に沿ってステータコア11の端面側から第3の絶縁コイル13C、第2の絶縁コイル13B、及び第1の絶縁コイル13Aの順で重なり合っている。一方、重なり合う第1〜第3の絶縁コイル13A〜13Cにおいて、第1の斜行部22は、ステータコア11の軸方向に沿ってステータコア11の端面側から第1の絶縁コイル13A、第2の絶縁コイル13B、及び第3の絶縁コイル13Cの順で重なり合っている。そして、絶縁部材50は、ステータコア11の軸方向の両端面から突出した成形コイル17のコイルエンド部21の相間絶縁を行なう。
図4に示すように、絶縁部材50は、スロット12挿入前の六角形の成形コイル17と同じ六角形の枠状に形成されている。なお、図2(b)〜図2(d)に示すように、絶縁部材50は、絶縁シートSの一面に接着層Saを設けて形成されている。また、図4に示すように、絶縁部材50は、六角形の半分を形成する第1分割片51及び第2分割片52に分割可能になっている。なお、図4においては成形コイル17のクランク形状部24の成形形状を省略して図示している。
第1分割片51は、直線状の挿入部用接着片51aと、この挿入部用接着片51aの両端から該挿入部用接着片51aに対して傾斜して形成された一対の斜行部用接着片51bと、を備えている。また、各斜行部用接着片51bは、その先端が挿入部用接着片51aに対して平行をなすように直線状に形成されている。各斜行部用接着片51bには、細長に延び、第1の斜行部22に対して非接着の第1非接着片51cが一体形成されている。第1非接着片51cは、斜行部用接着片51bよりも絶縁部材50の外周側に位置するように斜行部用接着片51bから外方へ延出されるとともに、第1非接着片51cにおいては、接着層Saが設けられていない。
この第1非接着片51cは、挿入部用接着片51aと斜行部用接着片51bの境界から斜行部用接着片51bに沿って直線状に延びるとともに、斜行部用接着片51bの先端の手前まで延びて形成されている。第1非接着片51cは、図4の鎖線に示す折り曲げ線51dから斜行部用接着片51bに対して折り曲げられる。第1非接着片51cの折り曲げは、第1非接着片51cが斜行部用接着片51bの裏側(接着層Sa側)に向かう方向へ折り曲げられる。
第2分割片52は、直線状の挿入部用接着片52aと、この挿入部用接着片52aの両端から該挿入部用接着片52aに対して傾斜して形成された一対の斜行部用接着片52bと、を備えている。各斜行部用接着片52bは、その先端が挿入部用接着片52aに対して平行をなすように直線状に形成されている。
また、各斜行部用接着片52bには、細長に延び、第2の斜行部23に対して非接着の第2非接着片52cが一体形成されている。第2非接着片52cは、斜行部用接着片52bよりも絶縁部材50の内周側に位置するように斜行部用接着片52bから内方へ延出されるとともに、第2非接着片52cにおいては接着層Saが設けられていない。この第2非接着片52cは、挿入部用接着片52aと斜行部用接着片52bの境界よりも挿入部用接着片52a側から、斜行部用接着片52bに沿って直線状に延びるとともに、斜行部用接着片52bの先端を越える位置まで延長して形成されている。第2非接着片52cは、図4の鎖線に示す折り曲げ線52dから斜行部用接着片52bに対して折り曲げ可能になっている。第2非接着片52cの折り曲げは、第2非接着片52cが斜行部用接着片52bの裏側(接着層Sa側)に向かう方向へ折り曲げられる。
そして、絶縁部材50は、スロット12に挿入前の成形コイル17に接着される。図2(b)に示すように、第1及び第2分割片51,52において、挿入部用接着片51a,52aは、第1及び第2のスロット挿入部25,26の平角線171において、ステータコア11の径方向の最内周側の段171Dで、かつステータコア11の内周側に臨む端面17aに接着される。また、図2(c)及び図2(d)に示すように、各斜行部用接着片51b,52bは、第1及び第2の斜行部22,23の平角線171において、ステータコア11の径方向の最内周側の段171Dで、かつステータコア11の内周側に臨む端面17aに接着される。そして、第1のスロット挿入部25及び第1の斜行部22における成形コイル17の端面17a全体は、第1分割片51によって被覆され、第2のスロット挿入部26及び第2の斜行部23における成形コイル17の端面17a全体は、第2分割片52によって被覆される。
図3に示すように、各斜行部用接着片51b,52bのうち、クランク形状部24となる位置に接着される先端同士は、若干離れている。また、各第1非接着片51c及び各第2非接着片52cは、それぞれ第1及び第2の斜行部22,23に接着されず、自由端となっている。さらに、第1分割片51の第1非接着片51cは、第1の斜行部22における成形コイル17の端面17aから、成形コイル17の外周側に延出している。また、第2分割片52の第2非接着片52cは、第2の斜行部23における成形コイル17の端面17aから、成形コイル17の内周側に延出している。さらに、第2非接着片52cは、斜行部用接着片52bの先端を越えてクランク形状部24に向けて延長されている。こうして第1分割片51と第2分割片52と成形コイル17とは一体に取り扱うことができる。
次に、第1の実施形態の作用について、第1〜第3の絶縁コイル13A〜13Cのスロット12への挿入作業とともに説明する。
図1及び図2(a)に示すように、第1の絶縁コイル13Aの第1及び第2のスロット挿入部25,26が所定のスロット12に挿入される。その後、第2の絶縁コイル13Bの第1及び第2のスロット挿入部25,26が所定のスロット12に挿入される。第1の絶縁コイル13Aの第1の斜行部22は、後にスロット12に挿入された第2の絶縁コイル13Bの第1の斜行部22よりも第2の絶縁コイル13Bの内周側に重ねられる。このとき、第1の絶縁コイル13Aの第1の斜行部22に接着された斜行部用接着片51bからは、第1非接着片51cが成形コイル17の外周側に延出している。
図1及び図2(a)に示すように、第1の絶縁コイル13Aの第1及び第2のスロット挿入部25,26が所定のスロット12に挿入される。その後、第2の絶縁コイル13Bの第1及び第2のスロット挿入部25,26が所定のスロット12に挿入される。第1の絶縁コイル13Aの第1の斜行部22は、後にスロット12に挿入された第2の絶縁コイル13Bの第1の斜行部22よりも第2の絶縁コイル13Bの内周側に重ねられる。このとき、第1の絶縁コイル13Aの第1の斜行部22に接着された斜行部用接着片51bからは、第1非接着片51cが成形コイル17の外周側に延出している。
このため、第1の斜行部22同士を重ねる際、第2の絶縁コイル13Bの第1の斜行部22によって、第1の絶縁コイル13Aと一体の第1非接着片51cが押される。すると、第1非接着片51cが、折り曲げ線51dに沿って第1の絶縁コイル13Aの第1の斜行部22に向けて押し倒される。そして、第1の絶縁コイル13Aの第1の斜行部22の外周側に、第2の絶縁コイル13Bの第1の斜行部22が重ね合わされると、内周側に位置する第1の斜行部22の外周面と、外周側に位置する第1の斜行部22の内周面との間に第1非接着片51cが介装される。その結果、図2(d)に示すように、ステータコア11の軸方向に重なり合う第1の斜行部22の間の空間距離が、第1非接着片51cによって確保される。
また、ステータコア11の径方向に重なり合う第1の斜行部22と、他のスロット12へ挿入される成形コイル17の第2の斜行部23との間の空間距離は、斜行部用接着片51bによって確保される。さらに、スロット12内においてステータコア11の径方向に重なり合う第1のスロット挿入部25の間は、挿入部用接着片51aによって仕切られる。
図1及び図2(a)に示すように、第2の絶縁コイル13Bの第2の斜行部23は、先にスロット12に挿入された第1の絶縁コイル13Aの第2の斜行部23よりも第1の絶縁コイル13Aの内周側に重ねられる。このとき、第1の絶縁コイル13Aの第2の斜行部23に接着された斜行部用接着片52bからは、第2非接着片52cが成形コイル17の内周側に延出している。
このため、第2の斜行部23同士を重ねる際、第2の絶縁コイル13Bの第2の斜行部23によって、第1の絶縁コイル13Aと一体の第2非接着片52cが押される。すると、第2非接着片52cが、折り曲げ線52dに沿って第1の絶縁コイル13Aの第2の斜行部23に向けて押し倒される。そして、第1の絶縁コイル13Aの第2の斜行部23の内周側に、第2の絶縁コイル13Bの第2の斜行部23が重ね合わされると、内周側に位置する第2の斜行部23の外周面と、外周側に位置する第2の斜行部23の内周面との間に第2非接着片52cが介装される。その結果、図2(c)に示すように、ステータコア11の軸方向に重なり合う第2の斜行部23の間の空間距離が、第2非接着片52cによって確保される。なお、図1に示すように、各スロット12に2つずつ成形コイル17が挿入される場合ではなく、3つ以上の成形コイル17が挿入される場合、ステータコア11の径方向に重なり合う第2の斜行部23と、他のスロット12に挿入される成形コイル17の第1の斜行部22との間の絶縁は、斜行部用接着片52bによって行われる。さらに、スロット12内においてステータコア11の径方向に重なり合う第2のスロット挿入部26の間は、挿入部用接着片52aによって仕切られる。
その後、第3の絶縁コイル13Cもスロット12に挿入されるが、第1の絶縁コイル13Aと第2の絶縁コイル13Bの間での絶縁と同じように、第2の絶縁コイル13Bと第3の絶縁コイル13Cの間の空間距離が絶縁部材50によって確保される。
ステータ10において、コイルエンド部21が絶縁部材50によって被覆されているため、隣接配置されるコイルエンド部21間の相間絶縁が確実に行なわれる。また、絶縁コイル13A〜13Cをスロット12へ挿入する際、各スロット挿入部25,26間の距離を変えながら挿入される。このため、図2(a)に矢印R1,R2で示すように、コイルエンド部21の第1及び第2の斜行部22,23に力が加わり、第1及び第2の斜行部22,23が変形して第1及び第2の斜行部22,23を構成する段積みされた平角線171が互いにずれる可能性がある。このとき、絶縁部材50が第1及び第2の斜行部22,23の全面に接着剤を用いて接着されているとすると、絶縁部材50の変形自由度が低くなる。そのため、段積みされた平角線171が互いにずれた場合には、絶縁部材50が破れる可能性がある。
しかし、絶縁部材50は、平角線171の端面17aにのみ接着されているため、絶縁部材50の変形自由度が高い。そのため、段積みされた平角線171が互いにずれた場合にも、絶縁部材50が破れることはない。
第1の実施形態では以下の効果が得られる。
(1)絶縁部材50は、段積みされた平角線171の端の段171Dの端面17aにのみ接着されているため、段積みされた平角線171の互いのずれに対して絶縁部材50が変形して追随する。このため、第1及び第2の斜行部22,23が変形しても絶縁部材50が破れることはない。
(1)絶縁部材50は、段積みされた平角線171の端の段171Dの端面17aにのみ接着されているため、段積みされた平角線171の互いのずれに対して絶縁部材50が変形して追随する。このため、第1及び第2の斜行部22,23が変形しても絶縁部材50が破れることはない。
(2)絶縁部材50は、成形コイル17に巻き付けて接着するのではなく、段積みされた平角線171の端の段171Dの端面17aにのみ接着されている。このため、絶縁部材50を巻き付けつつ接着する場合と比べると、成形コイル17に対する絶縁部材50の接着作業を簡単に行うことができ、接着作業の低コスト化を図ることができるとともに、接着作業の自動化も可能になる。また、成形コイル17は、スロット12内では平角線171の長辺方向がステータコア11の周方向に延びるとともに、短辺方向がステータコア11の径方向に延びるように段積みされている。このため、各斜行部用接着片51b,52bが接着される成形コイル17の端面17aを広くすることができ、斜行部用接着片51b,52bが接着しやすくなる。
(3)絶縁部材50の斜行部用接着片51bには、第1の斜行部22に接着されない第1非接着片51cが一体形成されるとともに、斜行部用接着片52bにも、第2の斜行部23に接着されない第2非接着片52cが一体形成されている。すなわち、第1及び第2非接着片51c,52cはそれぞれ自由端となっている。そして、第1〜第3の絶縁コイル13A〜13Cを重ね合わせると、第1及び第2非接着片51c,52cが折り曲げ線51d,52dに沿って、各斜行部22,23によって押し倒され、第1及び第2非接着片51c,52cを自動的に、ステータコア11の軸方向に重なり合う第1及び第2の斜行部22,23の間に介装させることができる。したがって、第1及び第2の斜行部22,23間の絶縁のために、軸方向に重なり合う第1及び第2の斜行部22,23の間に手作業で絶縁部材50を介装させる場合と比べると、第1〜第3の絶縁コイル13A〜13Cの組み付け作業を簡単に行うことができる。
また、第1及び第2非接着片51c,52cは、各斜行部22,23に対し接着されていない。このため、各斜行部22,23で段積みされた平角線171が互いにずれたり、軸方向に重なり合う斜行部22,23がずれても、第1及び第2非接着片51c,52cはそれぞれ変形して追随し、第1及び第2非接着片51c,52cが破れることはない。
(4)絶縁部材50をクランク形状部24を挟んで分割された第1分割片51と第2分割片52とから形成した。そして、第1分割片51の斜行部用接着片51bが第1の斜行部22に接着され、第2分割片52の斜行部用接着片52bが第2の斜行部23に接着された状態では、絶縁部材50はクランク形状部24で分離している。また、斜行部用接着片51b,52bが第1及び第2の斜行部22,23からずれることがない。
(5)絶縁部材50の斜行部用接着片52bには、成形コイル17に接着されない第2非接着片52cが一体形成されるとともに、この第2非接着片52cは、斜行部用接着片51bを越えてクランク形状部24に向けて延長されている。このため、重なり合うクランク形状部24同士の間に第2非接着片52cの先端が介装され、第2非接着片52cによってクランク形状部24の間の空間距離を確保することができる。
(6)第1分割片51及び第2分割片52は、それぞれ挿入部用接着片51a,52aを備え、各スロット挿入部25,26に接着される。このため、各挿入部用接着片51a,52aにより、スロット12内で重なり合うスロット挿入部25,26の間を仕切ることができる。
(7)第1及び第2分割片51,52は、挿入部用接着片51a,52aと、一対の斜行部用接着片51b,52bが一体化されて形成されている。このため、例えば、第1及び第2分割片51,52を、挿入部用接着片51a,52aと、各斜行部用接着片51b,52bに分けて形成する場合と比べると、第1及び第2分割片51,52の部品点数を減らすことができるとともに、成形コイル17への接着作業を簡単にすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図6〜図10にしたがって説明する。また、第1の実施形態と同一構成については同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図6〜図10にしたがって説明する。また、第1の実施形態と同一構成については同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
図6に示すように、スロット12には第1〜第3の絶縁コイル13A〜13Cが挿入されている。図7に示すように、第1〜第3の絶縁コイル13A〜13Cは、複数巻きの成形コイル17と複数の絶縁部材18,19,20とからなる。絶縁部材18,19,20は、回転電機Mの成形コイル17のコイルエンド部21の相間絶縁を行なう。
図8に示すように、絶縁部材18は、絶縁シート18Sを第1の斜行部22に巻き付けて形成されており、絶縁部材19は、絶縁シート19Sを第2の斜行部23に巻き付けて形成されている。絶縁部材18は、第1の斜行部22を被覆しており、絶縁部材19は第2の斜行部23を被覆している。絶縁部材20は、クランク形状部24を被覆するように絶縁シート20Sを折り曲げて形成されている。絶縁シート20Sは、鎖線位置で折り曲げられる。絶縁シート20Sは、一方の折り曲げ片202に貼り付け片201を有しており、貼り付け片201は、クランク形状部24を被覆した他方の折り曲げ片203に貼り付けられている。なお、本実施形態でのクランク形状部24はねじり有りで形成されており、第1のスロット挿入部25において、スロット12奥側の絶縁コイル13は、第2のスロット挿入部26ではスロット12先端側に配置されるようになっている。
長方形状の絶縁シート18S,19Sは、鎖線位置で折り曲げられる。第1及び第2の斜行部22,23に対する絶縁シート18S,19Sの巻き付け方及び巻き付け形状は、いずれも同じであるので、以下においては絶縁シート18Sと第1の斜行部22とについてのみ説明する。
図9に示すように、成形コイル17は、平角線171を1列に段積み状態に複数巻き(本実施形態では5巻き)されている。絶縁シート18Sは、自身の一部が重なるように重ね巻きされている。絶縁シート18Sは、第1の斜行部22において1列に段積み状態に複数巻きされた平角線171の端の段171Dに接着されている。又、絶縁シート18Sは、重ね合わせ部181,182同士が接着されている。
図10に示すように、絶縁シート18Sの一面には接着剤を塗布して形成された一対の接着層27A,27B及び一対の接着層28A,28Bが設けられている。絶縁シート18Sは、鎖線F1,F2,F3,F4で折られる。鎖線で示す第1の斜行部22は、絶縁シート18Sが巻き付けられる第1の斜行部22の部位を示す。
一対の接着層27A,27Bは、平角線171の端の段171Dに対置する部分面183に設けられている。一対の接着層27A,27Bは、部分面183において長手方向Qに互いに離れて設けられている。部分面183は、接着層27A,27Bを介して端の段171Dの段積み面172とは反対の面173に接着される。
一対の接着層28A,28Bは、重ね合わせ部181に設けられている。一対の接着層28A,28Bは、重ね合わせ部181において長手方向Q(図8に示すように第1の斜行部22の長手方向Q)に互いに離れて設けられており、重ね合わせ部181が接着層28A,28Bを介して重ね合わせ部182に接着される。
次に、第2の実施形態の作用について説明する。
コイルエンド部21が絶縁部材18,19,20によって被覆されているため、隣接配置される成形コイル17のコイルエンド部21間の相間絶縁が確実に行なわれる。
コイルエンド部21が絶縁部材18,19,20によって被覆されているため、隣接配置される成形コイル17のコイルエンド部21間の相間絶縁が確実に行なわれる。
成形コイル17に絶縁部材18,19,20を止着した後、図7に示すように、第1〜第3の絶縁コイル13A〜13Cがステータコア11に組み付けられる。このとき、絶縁コイル13A〜13Cをスロット12へ挿入する際、スロット挿入部25,26間の距離を変えながら挿入される。このため、図8に矢印R1,R2で示すように成形コイル17のコイルエンド部21の第1及び第2の斜行部22,23に力が加わり、第1及び第2の斜行部22,23が変形して第1及び第2の斜行部22,23を構成する段積みされた平角線171が互いにずれる可能性がある。絶縁部材18が第1の斜行部22の全面に接着剤を用いて接着されているとすると、絶縁部材18の変形自由度が低くなる。そのため、段積みされた平角線171が互いにずれた場合には、絶縁部材18が破れる可能性がある。
絶縁部材18は、端の段171Dにのみ接着されているため、絶縁部材18の変形自由度が高い。そのため、段積みされた平角線171が互いにずれた場合にも、絶縁部材18が破れることはない。
第2の実施形態では以下の効果が得られる。
(8)絶縁シート18Sを折り曲げて形成されている絶縁部材18が段積みされた平角線171の端の段171Dにのみ接着されているため、段積みされた平角線171の互いのずれに対して絶縁部材18が変形して追随する。そのため、第1の斜行部22が変形しても絶縁シート18Sが破れることはない。
(8)絶縁シート18Sを折り曲げて形成されている絶縁部材18が段積みされた平角線171の端の段171Dにのみ接着されているため、段積みされた平角線171の互いのずれに対して絶縁部材18が変形して追随する。そのため、第1の斜行部22が変形しても絶縁シート18Sが破れることはない。
(9)絶縁シート18Sの端部である重ね合わせ部181,182同士が互いに接着されているため、第1の斜行部22の全周の被覆が確実に行なわれ、隣接配置される成形コイル17のコイルエンド部21間の相間絶縁が確実に行なわれる。また、絶縁部材18,19,20装着前の成形コイル17の絶縁被膜に欠陥があった場合でも、絶縁性能を確保できる。
(10)部分面183に一対の接着層27A,27Bを互いに離して設けると共に、重ね合わせ部181に一対の接着層28A,28Bを互いに離して設けた構成は、絶縁部材18の変形自由度を高める上で好ましい。又、このような構成は、第1の斜行部22に対する絶縁部材18の確実な接着性を確保しつつ接着量を減らす上で好ましい。
(11)成形コイル17の相間絶縁を行なうには、第1及び第2の斜行部22,23とクランク形状部24とを絶縁部材18,19,20によって効果的に被覆することが重要である。絶縁部材18,19,20を得るには絶縁シート18S,19S,20Sを折り曲げればよく、このような折り曲げ構造は、第1及び第2の斜行部22,23とクランク形状部24とを効果的に被覆する絶縁部材18,19,20を得る上で、特に簡便な構造である。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図11及び図12にしたがって説明する。また、第1の実施形態と同一構成については同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図11及び図12にしたがって説明する。また、第1の実施形態と同一構成については同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
第3の実施形態では、段171Dに接着される接着層27が部分面183の全面に塗布されており、接着層30が重ね合わせ部181の片面の全面に塗布されている。
したがって、第3の実施形態では、第2の実施形態に記載の(8)、(9)、及び(11)と同様の効果が得られる。
(第4の実施形態)
次に、本発明を具体化した第4の実施形態を図13及び図14にしたがって説明する。また、第1の実施形態と同一構成については同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
したがって、第3の実施形態では、第2の実施形態に記載の(8)、(9)、及び(11)と同様の効果が得られる。
(第4の実施形態)
次に、本発明を具体化した第4の実施形態を図13及び図14にしたがって説明する。また、第1の実施形態と同一構成については同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
第4の実施形態では、第1の斜行部22の端の段171Dに接着される一対の接着層31A,31Bが重ね合わせ部182の延長部185,186に設けられている。重ね合わせ部181,182同士を接着する接着層32は、重ね合わせ部181に設けられている。
第4の実施形態では、第3の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明は以下のような実施形態も可能である。
○ 図15に示すように、第1の斜行部22の端の段171Dに接着される接着層29を重ね合わせ部182に設け、重ね合わせ部181,182同士を接着する接着層28を重ね合わせ部181に設けてもよい。
なお、本発明は以下のような実施形態も可能である。
○ 図15に示すように、第1の斜行部22の端の段171Dに接着される接着層29を重ね合わせ部182に設け、重ね合わせ部181,182同士を接着する接着層28を重ね合わせ部181に設けてもよい。
○ 図16に示すように、第1の斜行部22の側面側で絶縁部材18A自身に接着する重ね合わせ部181Aに接着層28を設けてもよい。
○ 図17に示すように、重ね合わせ部181Aに連なる部分面184に接着層29を設けてもよい。
○ 図17に示すように、重ね合わせ部181Aに連なる部分面184に接着層29を設けてもよい。
○ 図18に示すように、重ね合わせ部181と重ね合わせ部182とを接着しないようにしてもよい。
○ 図19に示すように、端の段171Dの側面174に接着層33を介して絶縁部材18を接着してもよい。
○ 図19に示すように、端の段171Dの側面174に接着層33を介して絶縁部材18を接着してもよい。
○ 図20に示すように、端の段171Dの面173と側面174とに接着層33を介して絶縁部材18を接着してもよい。
○ 図21及び図22に示すように、平角線171を2列に段積み状態に複数巻きした成形コイル17Aに本発明を適用してもよい。
○ 図21及び図22に示すように、平角線171を2列に段積み状態に複数巻きした成形コイル17Aに本発明を適用してもよい。
○ 図23〜図25に示す実施形態も可能である。
図23は、絶縁部材付き成形コイル13U,13V,13Wをステータコア11に組み付けた状態を示す。
図23は、絶縁部材付き成形コイル13U,13V,13Wをステータコア11に組み付けた状態を示す。
図24(a)に示すように、成形コイル17Bは、ねじれ無しの形状に形成されたクランク形状部24Bを有しており、クランク形状部24Bには第1の斜行部22B及び第2の斜行部23Bが連なっている。
図24(b)に示すように、絶縁部材付き成形コイル13Uは、成形コイル17Bと絶縁部材34とからなる。第1の斜行部22B及び第2の斜行部23Bは、絶縁部材34によって被覆されている。
絶縁部材34は、第1折り曲げ片35と、第2折り曲げ片36と、第1折り曲げ片35と第2折り曲げ片36とを繋ぐ台形形状の中間部37とを有する。中間部37は、クランク形状部24Bの面の大半を被覆した状態で配置されている。
絶縁部材34は、図25(a)に示す絶縁シート34Sを折り曲げて形成されている。絶縁シート34Sは、折り曲げ片35,36に巻き付け片341,342を有している。
図25(b)に示すように、第1折り曲げ片35は、絶縁シート34Sの一方の巻き付け片341折り曲げて形成されている。図25(a)に示す折り目40(第1折り曲げ片35を形成するための折り目)は、第1長辺38に対して45°の傾きをもつ。
図25(b)に示すように、第1折り曲げ片35は、絶縁シート34Sの一方の巻き付け片341折り曲げて形成されている。図25(a)に示す折り目40(第1折り曲げ片35を形成するための折り目)は、第1長辺38に対して45°の傾きをもつ。
図25(b)に示すように、第2折り曲げ片36は、絶縁シート34Sの他方の巻き付け片342を折り曲げて形成されている。図25(a)に示す折り目41(第2折り曲げ片36を形成するための折り目)は、第1長辺38に対して45°の傾きをもつ。
図25(c)に示すように、第1折り曲げ片35は、さらに折り目42で折り曲げられており、第2折り曲げ片36は、さらに折り目43で折り曲げられている。
第1折り曲げ片35及び巻き付け片341は、第1の斜行部22Bに巻き付けられており、第2折り曲げ片36及び巻き付け片342は、第2の斜行部23Bに巻き付けられている。第1折り曲げ片35及び巻き付け片341は、複数巻きの成形コイル17Bの1巻き分にのみ接着されて第1の斜行部22Bを被覆しており、第2折り曲げ片36は、複数巻きの成形コイル17Bの1巻き分にのみ接着されて第2の斜行部23Bを被覆している。中間部37は、クランク形状部24Bの面241Bを被覆している。
第1折り曲げ片35及び巻き付け片341は、第1の斜行部22Bに巻き付けられており、第2折り曲げ片36及び巻き付け片342は、第2の斜行部23Bに巻き付けられている。第1折り曲げ片35及び巻き付け片341は、複数巻きの成形コイル17Bの1巻き分にのみ接着されて第1の斜行部22Bを被覆しており、第2折り曲げ片36は、複数巻きの成形コイル17Bの1巻き分にのみ接着されて第2の斜行部23Bを被覆している。中間部37は、クランク形状部24Bの面241Bを被覆している。
この実施形態では第1の実施形態における(1)項と同様の効果が得られる。
成形コイル17Bの相間絶縁を行なうには、一対の斜行部22B,23Bとクランク形状部24Bとを絶縁部材34によって効果的に被覆することが重要である。絶縁部材34を得るには絶縁シート34Sを折り曲げるだけでよく、このような折り曲げ構造は、一対の斜行部22B,23Bとクランク形状部24Bとを効果的に被覆する絶縁部材34を得る上で、特に簡便な構造である。
成形コイル17Bの相間絶縁を行なうには、一対の斜行部22B,23Bとクランク形状部24Bとを絶縁部材34によって効果的に被覆することが重要である。絶縁部材34を得るには絶縁シート34Sを折り曲げるだけでよく、このような折り曲げ構造は、一対の斜行部22B,23Bとクランク形状部24Bとを効果的に被覆する絶縁部材34を得る上で、特に簡便な構造である。
○ 第1の実施形態では、成形コイル17に絶縁部材50として第1分割片51及び第2分割片52を接着したが、第1及び第2の斜行部22,23のいずれか一方を被覆するように、第1分割片51及び第2分割片52のいずれか一方を成形コイル17に接着してもよい。
○ 第1の実施形態において、第2非接着片52cをクランク形状部24に向けて延長したが、第2非接着片52cの代わりに第1非接着片51cをクランク形状部24に向けて延長してもよいし、第1非接着片51cと第2非接着片52cの両方をクランク形状部24に向けて延長してもよい。
○ 第1の実施形態において、絶縁部材50は第1分割片51と第2分割片52に分割して形成したが、一体でもよい。また、斜行部用接着片51b同士、斜行部用接着片52b同士は挿入部用接着片51a,52aで一体に形成したが、分割して形成してもよい。
○ 第1の実施形態において、図2(b)に示すように、成形コイル17は、第1及び第2のスロット挿入部25,26がそれぞれ平角線171の長辺方向が、ステータコア11の周方向へ延びるとともに、短辺方向が、ステータコア11の径方向へ延びるようにスロット12内で段積みされているものを用いたが、この構成に限らない。例えば、上記の記載について長辺方向と短辺方向を入れ替えたように成形コイル17を配置してもよい。つまり、ステータコア11の径方向の最内周側で、ステータコア11の内周側に臨む端面で1巻き分に絶縁部材50が接着されていれば、成形コイル17は他の巻き方でもよい。
○ 第1の実施形態において、成形コイル17はクランク形状部24にてねじり無しの形状であったが、第2の実施形態のように、成形コイル17をねじり有りの形状としてもよいし、逆に、第2の実施形態において、成形コイル17をねじり無しの形状としてもよい。
10…ステータ、11…ステータコア、111…内周面、12…スロット、13,13A,13B,13C,13U,13V,13W…絶縁部材付き成形コイル、16…ロータ、17,17A,17B…成形コイル、17a…端面、171…平角線、171D…端の段、18,18A,19,20,34,50…絶縁部材、181,182,181A…重ね合わせ部、S,18S,19S,20S,34S…絶縁シート、21…コイルエンド部、22,22B…第1の斜行部、23,23B…第2の斜行部、24,24B…クランク形状部、25…第1のスロット挿入部、26…第2のスロット挿入部、51a,52a…挿入部用接着片、51b,52b…斜行部用接着片、51c…第1非接着片、52c…第2非接着片、M…回転電機。
Claims (14)
- 円筒状のステータコアの内周面に開口するスロットが周方向に並設されており、前記スロットに複数巻きの成形コイルが挿入されている回転電機のステータであって、
前記複数巻きの成形コイルにおけるコイルエンド部の相間絶縁を行なう絶縁部材を備え、前記コイルエンド部は、一対の斜行部を有し、前記一対の斜行部の少なくとも一方に前記絶縁部材が配置されるとともに、
前記絶縁部材は、前記成形コイルの1巻き分に接着した状態で前記斜行部に止着されている回転電機のステータ。 - 前記成形コイルは平角線によって形成されるとともに、前記絶縁部材は、前記斜行部における前記ステータコアの径方向の最内周側で、かつステータコアの内周側に臨む端面で1巻き分に接着される接着片を備え、
さらに、前記一対の斜行部のうち、前記スロットに後に挿入される別の成形コイルの斜行部よりも前記ステータコアの軸方向内側に位置する一方の斜行部に接着された前記接着片には、前記一方の斜行部の外周側へ延びる非接着片が一体に設けられ、
前記別の成形コイルの斜行部よりも前記軸方向外側に位置する他方の斜行部に接着された前記接着片には、前記他方の斜行部の内周側へ延びる非接着片が一体に設けられている請求項1に記載の回転電機のステータ。 - 前記成形コイルは、前記スロット内では前記平角線の長辺方向が前記ステータコアの周方向に延びるとともに、短辺方向が前記ステータコアの径方向に延びるように段積みされており、前記接着片は、前記斜行部における前記ステータコアの径方向の最内周側の段で、かつステータコアの内周側に臨む端面で1巻き分に接着される請求項2に記載の回転電機のステータ。
- 前記コイルエンド部は、前記一対の斜行部の間にクランク形状部を備えるとともに、前記接着片は、各斜行部毎に別々に接着されており、少なくとも一方の前記非接着片は、その一方の前記接着片を越えて前記クランク形状部に向けて延長されている請求項2又は請求項3に記載の回転電機のステータ。
- 前記絶縁部材は、前記成形コイルにおけるスロット挿入部に接着されて前記スロット挿入部の間を仕切る挿入部用接着片を一体に備える請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の回転電機のステータ。
- 前記絶縁部材は、前記成形コイルの1巻き分に絶縁シートを接着した状態で前記斜行部に前記絶縁シートを巻いて形成されている請求項1に記載の回転電機のステータ。
- 前記絶縁シートは、重ね合わせ巻きされている請求項6に記載の回転電機のステータ。
- 重ね合わせ巻きされた前記絶縁シートの重ね合わせ部の少なくとも一部が互いに接着されている請求項7に記載の回転電機のステータ。
- 前記絶縁シートは、前記絶縁シートにおける前記斜行部の長手方向に離れた複数箇所が前記1巻き分に接着されている請求項6〜請求項8のうちのいずれか一項に記載の回転電機のステータ。
- 前記絶縁シートは、重ね合わせ巻きされており、前記絶縁シートは、前記絶縁シートの重ね合わせ部における前記斜行部の長手方向に離れた複数箇所が前記絶縁シートに接着されている請求項6に記載の回転電機のステータ。
- 前記成形コイルは、平角線によって形成されている請求項6〜請求項10のうちのいずれか一項に記載の回転電機のステータ。
- 前記平角線は、1列に段積み状態に複数巻きされている請求項11に記載の回転電機のステータ。
- 前記1巻き分は、1列に段積み状態に複数巻きされた前記平角線の端の段である請求項12に記載の回転電機のステータ。
- 環状のステータの内側で回転するロータを備えた回転電機において、
前記ステータは、請求項1〜請求項13のうちのいずれか一項に記載の回転電機のステータである回転電機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2012-05-21 JP JP2012115610A patent/JP2013243849A/ja active Pending
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