JP2013243730A - 通信制御方法及び無線基地局 - Google Patents

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Abstract

【課題】無線リソースの品質を適切に推定する。
【解決手段】無線基地局内の制御部102は、無線端末からの自セクタに対応する測定W−CQIを受信するとともに、自セクタに対応するPDCCHの利用率を取得する。更に、無線基地局内の制御部102は、自セクタに対応する測定W−CQIを受信するとともに、自セクタに対応するPDCCHの利用率の逆数を乗算することにより、自セクタに対応するPDCCHのSINRを推定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、3.9世代移動通信システムであるLTE(Long Term Evolution)の移動通信システムを構成する無線基地局における通信制御方法に関する。
近年、移動通信サービスのブロードバンド化に伴い、更なる高速化及び大容量化が求められている。このため、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)に代表される第3世代移動通信システムや3.5世代移動通信システムに代わる次世代移動通信システムが世界的に実用化されようとしている。日本国内においても第4世代移動通信システムにつながる移動通信システムとして位置づけられた3.9世代移動通信システムへの周波数割り当てが開始されている。この3.9世代移動通信システムの中でも、LTE(Long Term Evolution)は、第4世代移動通信システムにつながる標準規格として、最も有力視されている。
LTEでは、無線基地局から無線端末に向かう下り方向の通信には、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)が採用され、無線端末から無線基地局に向かう上り方向の通信には、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が採用されている。これらの多重化方式は、周波数と時間の2次元で無線リソースの配置を行ってユーザ多重を実現している。
下り方向の無線リソースである周波数帯域は、リソースブロック(RB:Resource Block)と称される単位に分割されている。このRBは、下り方向の制御情報伝送用の無線チャネルとしてのタイムスロットである制御情報チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)と、下り方向のユーザデータ伝送用の無線チャネルとしてのタイムスロットである共有データチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared CHannel)とにより構成される。
LTEでは、高速化及び大容量化を実現するために、従来の第3世代移動通信システムや3.5世代移動通信システムと比較して、非常に高い周波数利用効率が要求される。この要求を実現するために、LTEでは、近接するセル又はセクタにおいて同一の周波数を使用する運用が想定されている。このような運用では、あるセル又はセクタにおいて、他セル又は他セクタからの干渉が問題となる可能性がある。
このため、無線基地局は、干渉によって変動する、無線端末におけるPDSCH及びPDCCHの品質を把握し、当該品質が所要のレベルを満たすように制御を行う必要がある。特に、PDCCHによって伝送される情報には、PDSCHによって伝送される情報の受信に必要な各種の制御情報が含まれている。したがって、無線端末は、PDCCHによって伝送される制御情報を正常に受信する必要があり、このためには、無線基地局は、PDCCHの品質が所要のレベルを満たすように制御を行うことが重要である。
しかしながら、LTEの規格上、無線端末は、無線基地局に対して、PDSCHの品質のみを送信しており、PDCCHの品質は送信していない。このため、無線基地局は、無線端末におけるPDCCHの品質を適切に推定することが要求される。
そこで、本発明は、無線リソースの品質を適切に推定することが可能な通信制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、所定のセル又はセクタに対応する下り方向の無線リソースが、無線端末に対する最小割り当て単位であって、制御情報伝送用の無線リソースである制御情報チャネルと共有ユーザデータ伝送用の無線リソースである共有データチャネルとにより構成されるリソースブロックに分割されているLTE(Long Term Evolution)の移動通信システムにて、前記無線端末との間で通信を行う無線基地局における通信制御方法であって、前記無線基地局が、前記無線端末からの前記所定のセル又はセクタに対応する前記下り方向の所定の無線リソースに含まれる前記共有データチャネルの平均の品質を受信するステップ(W−CQI受信処理部152の動作)と、前記無線基地局が、前記所定のセル又はセクタに対応する前記制御情報チャネルの利用率を取得するステップ(PDCCH利用率取得部154の動作)と、前記無線基地局が、前記共有データチャネルの平均の品質に前記制御情報チャネルの利用率の逆数を乗算して、前記無線端末における、前記所定のセル又はセクタに対応する前記制御情報チャネルの品質を推定するステップ(PDCCH品質推定部156の動作)とを備えることを要旨とする。
この通信制御方法では、無線基地局は、所定のセル又はセクタに対応する下り方向の所定の無線リソースに含まれる共有データチャネルの平均の品質に、所定のセル又はセクタに対応する制御情報チャネルの利用率の逆数を乗算することにより、その算出値を所定のセル又はセクタに対応する制御情報チャネルの品質と推定する。
すなわち、無線基地局は、無線端末から通知される共有データチャネルの品質に基づいて、無線端末から通知されない制御情報チャネルの品質を推定するが、その際に制御情報チャネルの利用率を考慮することで、制御情報チャネルの品質を適切に推定することを可能としている。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記所定のセル又はセクタに対応する前記共有データチャネルの全ての帯域と、前記所定のセル又はセクタ以外のセル又はセクタに対応する前記共有データチャネルの全ての帯域とが、ユーザデータの伝送に使用されていることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1又は第2の特徴に係り、前記所定のセル又はセクタに対応する前記共有データチャネルの利用率と、前記所定のセル又はセクタ以外のセル又はセクタに対応する前記共有データチャネルの利用率とが同一であり、前記所定のセル又はセクタに対応する前記制御情報チャネルの利用率と、前記所定のセル又はセクタ以外のセル又はセクタに対応する前記制御情報チャネルの利用率とが同一であることを要旨とする。
本発明によれば、無線リソースの品質を適切に推定することが可能となる。
本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体概略構成図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局の構成図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局によるPDSCH割り当ての一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局によるPDCCH内のREG割り当ての一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る理想PDCCH品質、W−CQI流用PDCCH品質及びW−CQIの対応関係を示す図である。 本発明の実施形態に係るPDCCHの利用状況の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るオフセット値の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局における算出式を利用したPDCCH品質推定の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る無線基地局におけるオフセット値を利用したPDCCH品質推定の動作を示すフローチャートである。 理想PDCCH品質、W−CQI流用PDCCH品質、算出式利用推定PDCCH品質、及び、オフセット値利用推定PDCCH品質の対応関係を示す図である。 理想PDCCH品質、W−CQI流用PDCCH品質、算出式利用推定PDCCH品質、及び、オフセット値利用推定PDCCH品質のそれぞれにおける、PDCCHの利用率を示す図である。 理想PDCCH品質、W−CQI流用PDCCH品質、算出式利用推定PDCCH品質、及び、オフセット値利用推定PDCCH品質のそれぞれにおける、ALの分布を示す図である。 理想PDCCH品質、W−CQI流用PDCCH品質、算出式利用推定PDCCH品質、及び、オフセット値利用推定PDCCH品質のそれぞれにおける、上限超過率を示す図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)無線通信システムの構成、(2)無線基地局の動作、(3)作用・効果、(4)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(1)無線通信システムの構成
(1.1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。
図1に示す無線通信システム10は、3GPPで策定された規格であるLTE(Long Term Evolution)に基づく構成を有する。無線通信システム10は、無線基地局1A、無線基地局1B及び無線基地局1Cと、無線端末2A、無線端末2B及び無線端末2Cとを含む。図1において、無線端末2Aは、無線基地局1Aが提供するセル3A内に存在する。また、無線端末2Bは、無線基地局1Bが提供するセル3B乃に存在し、無線端末2Cは、無線基地局1Cが提供するセル3C内に存在する。セル3A乃至3Cは、複数のセクタ(図示せず)に分割されている。
無線基地局1Aは、セル3A内に存在する無線端末2Aとの間で通信を行う。同様に、無線基地局1Bは、セル3B内に存在する無線端末2Bとの間で通信を行い、無線基地局1Cは、セル3C内に存在する無線端末2Cとの間で通信を行う。
(1.2)無線基地局の構成
図2は、無線基地局1Aの構成を示す図である。図2に示す無線基地局1Aは、制御部102、記憶部103、有線通信部104、無線通信部105及びアンテナ107を含む。なお、無線基地局1B及び無線基地局1Cも、無線基地局1Aと同様の構成である。
制御部102は、例えばCPUによって構成され、無線基地局1が具備する各種機能を制御する。記憶部103は、例えばメモリによって構成され、無線基地局1における制御などに用いられる各種情報を記憶する。有線通信部104は、図示しないルータ等を介して上位ネットワークに存在するアクセスゲートウェイ等に接続される。
無線通信部105は、アンテナ107を介して、無線端末2Aからの無線信号を受信するとともに、無線端末2Aに対して無線信号を送信する。
次に、制御部102の具体的な制御について説明する。制御部102は、無線基地局1Aによって提供されるセル3Aを構成する所定のセクタ(以下、「自セクタ」と称する)内に存在する無線端末2Aが要求するチャネル品質に応じて、当該無線端末2Aに対して、下り方向の無線リソースである、1又は複数のリソースブロック(RB)を割り当てる。RBは、2種類の無線チャネル、具体的には、制御情報チャネル(PDCCH)と、共有データチャネル(PDSCH)とにより構成される。PDCCHの領域は、RBの先頭から最大3つのOFDMシンボルであり、PDSCHの領域は、PDCCHに続くOFDMシンボルである。本実施形態において、割り当て対象となるRBは、周波数帯域が連続している。
自セクタ内の各無線端末が要求するチャネル品質は異なっている。制御部102は、各無線端末が要求するチャネル品質に応じて、当該無線端末に対して割り当て対象となるRB、及び、当該RBの数を設定し、割り当てる。具体的には、制御部102は、自セクタ内の各無線端末に対して、RB内のPDSCHとPDCCHとを割り当てる。また、制御部102は、各無線端末が要求するチャネル品質に応じて、変調方式、符号化率、再送回数、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)等の通信方式を設定する。
以下、PDSCH及びPDCCHの割り当ての詳細を説明する。
図3は、PDSCH割り当ての一例を示す図である。図3は、自セクタ内の無線端末2Aが複数の無線端末#1乃至#Nである場合の例である。図3において、制御部102は、自セクタ内に存在する無線端末#1に対して、チャネル品質が当該無線端末#1によって要求されるレベル以上となる周波数帯域に対応するPDSCHを割り当てる。
同様に、制御部102は、自セクタ内に存在する無線端末#2乃至#Nに対して、チャネル品質が当該無線端末#2乃至#Nによって要求されるレベル以上となる周波数帯域に対応するPDSCHを割り当てる。
PDCCHには、PDSCHに含まれるユーザデータを受信するために必要な様々な情報が含まれる。このため、無線端末は、PDCCH内の情報を受信することができない場合には、PDSCH内のユーザデータを受信することができない。したがって、PDCCHは、非常に重要な無線チャネルである。
具体的には、PDCCHは、下り方向の無線リソースにおける各種制御情報や、無線端末毎のDCI(Downlink Control Information)を含む。1つのTTI(Transmission Time Interval)におけるPDCCH内には、複数の無線端末に対応するDCIが収容可能である。
1つのTTIにおけるPDCCH内に1つの無線端末に対応するDCIを繰り返して収容する場合の繰り返し回数は、Aggregation Level(AL)と称される。
制御部102が、無線端末毎のDCIに対してALを決定することにより、繰り返しによる符号化率の調節が実現され、特性を改善させることができる。しかし、上述したように、PDCCHの領域は、RBの先頭から最大3つのOFDMシンボルである。このため、ALが高い場合、換言すれば、DCIの繰り返し回数が多いほど、1つのTTIにおけるPDCCH内に収容可能なDCIに対応する無線端末の数は減少する。すなわち、ALと、1つのTTIにおけるPDCCH内に収容可能なDCIに対応する無線端末の数とはトレードオフの関係にある。
また、PDCCHの領域に対応するOFDMシンボルの数が多いほど、1つのTTIにおけるPDCCH内に収容可能なDCIに対応する無線端末の数は増加するものの、PDSCHの領域に対応するOFDMシンボルが減少することにより、PDSCHの符号化率が低下する。このため、ALと、PDSCHの受信性能とはトレードオフの関係にある。
制御部102は、PDCCH内のREG(Resource Element Group)を無線端末に割り当てる。図4は、PDCCH内のREG割り当ての一例を示す図である。
制御部102は、まず、DCI毎に誤り訂正符号化を行い、ALに対応する回数だけ繰り返されたDCIを、一次元領域に並べる。この際、制御部102は、一次元領域におけるDCIの収容位置を、当該DCIが有する固有の値、例えば、対応する無線端末のRNTIや、ALによって擬似ランダム的に決定される候補の中から選択する。この処理を全てのDCIについて行った結果、DCIが割り当てられなかった一次元領域については、そのまま情報がない状態となる。次に、制御部102は、PDCCHの領域としてのOFDMシンボル内の領域を、REGに分割する。更に、制御部102は、一次元領域のビット系列の8ビットを単位としてインターリーブ処理を行ったものを、割り当て位置に対応するREGに対して、周波数の低いREGから順次に収容していく。これにより、DCIは、PDCCHにおいて、擬似ランダム的にREG単位で収容されることになり、周波数ダイバーシティ効果が得られることになる。
(1.3)無線基地局によるPDCCHの品質推定
本実施形態では、上述した無線端末2Aに対するRBの割り当てに先立って、制御部102は、自セクタに対応するPDCCHの品質を推定する。
図5は、理想とする、自セクタに対応するPDCCHの品質(理想PDCCH品質)、無線端末2Aにおいて測定されたW−CQI(測定W−CQI)をPDCCHの品質としたもの(W−CQI流用PDCCH品質)、及び、自セクタに対応するW−CQIの対応関係を示す図である。
従来、自セクタに対応するPDCCHとして用いられていた、W−CQI流用PDCCH品質は、図5に示すように、理想PDCCH品質よりも2[dB]程度低い値となっている。本実施形態では、自セクタに対応するPDCCHの品質の推定値を、W−CQI流用PDCCH品質よりも理想PDCCH品質に近似させる。なお、図5において、W−CQI流用PDCCH品質がW−CQIよりも低くなっている原因は、SINRをCQIに変換する際の量子化の際の端数切り捨ての影響である。
以下、自セクタに対応するPDCCHの品質推定に必要となる、PDCCHの干渉のモデル化について説明する。
自セクタに対応するPDSCHでは、自セクタと周波数帯域が同一である他のセクタ(他セクタ)に対応するPDCCHの電力が干渉となる。自セクタに対応するi番目のRB内のPDSCHがj番目の他セクタにおけるi番目のRB(RBi)内のPDSCHによって受ける干渉電力Ii,jは、j番目の他セクタに対応するPDSCHの送信電力をTxPowerj、j番目の他セクタに対応するPDSCHの伝送損失電力をPathlossjとすると、j番目の他セクタにおけるi番目のRBが利用されていない場合(Not Usage RBi at Sectorj)と利用されている場合(Usage RBi at Sectorj)とにおいて、以下の式(1)で表される。
Figure 2013243730
式(1)と、j番目の他セクタにおけるi番目のRB(RBi)に対応するチャネルの電力(ChanelPoweri,j)とを用いると、全ての他セクタにおけるi番目のRB(RBi)を原因とする、自セクタ(Serving Sector)に対応するPDSCHの干渉電力Iiは、以下の式(2)で表される。
Figure 2013243730
なお、LTEでは下り方向の通信における参照信号の配置が6パターンであるため、他セクタにおいて利用されていないRBについても、自セクタにおいて1/6の確率で干渉となるが、本実施形態では、当該干渉はないものとしている。
一方、自セクタに対応するPDCCHでは、上述した通り、利用されているREGと利用されていないREGとが存在する。また、他セクタに対応するPDSCHについても、同様に、利用されているREGと利用されていないREGとが存在する。
図6は、自セクタに対応するPDCCHの利用状況と他セクタに対応するPDCCHの利用状況との一例を示す図である。自セクタに対応するPDCCHの利用率をα、他セクタに対応するPDCCHの利用率をβとすると、自セクタに対応するPDCCHにおいて利用されているREGと、他セクタに対応するPDCCHにおいて利用されているREGとが重なる、換言すれば、同一の周波数帯域となる確率は、ランダム性が十分高いと仮定すれば、αに関わらずβとなる。
式(1)、式(2)、j番目の他セクタに対応するPDCCHの利用率βj、j番目の他セクタにおける全てのRBに対応するチャネルの電力の平均(AverageChanelPowerj)を用いると、自セクタ(Serving Sector)に対応するPDSCHの干渉電力Iは、以下の式(3)で表される。
Figure 2013243730
自セクタに対応するPDCCHの品質の推定のために、図2に示すように、制御部102は、W−CQI受信処理部152、PDCCH利用率取得部154及びPDCCH品質推定部156を含む。
制御部102は、算出式を利用した、自セクタに対応するPDCCHの品質の推定と、オフセット値を利用した、自セクタに対応するPDCCHの品質の推定とを行う。
算出式を利用した、自セクタに対応するPDCCHの品質の推定の場合には、以下の処理が行われる。
無線端末2Aは、自セクタに対応する下り方向の所定の無線リソースに含まれるPDSCHの平均の品質(SINR:Signal to Interference and Noise Ratio)であるW−CQIを測定する。更に、無線端末2Aは、測定したW−CQI(測定W−CQI)を、無線基地局1Aに向けて送信する。
無線基地局1Aの制御部102内のW−CQI受信処理部152は、無線端末2Aからの自セクタに対応する測定W−CQIを、アンテナ107及び無線通信部105を介して受信する。
制御部102内のPDCCH利用率取得部154は、過去の自セクタに対応するPDCCHの利用率αを取得する。
具体的には、PDCCH利用率取得部154は、自セクタに対応するRBを割り当てる毎に、自セクタに対応するPDCCH内の全てのREGのうち、DCIを収容したREGを特定し、PDCCH内の全てのREGの領域に対する、DCIを収容したREGの領域の比率を、自セクタに対応するPDCCHの利用率αとして算出する。更に、PDCCH利用率取得部154は、算出した自セクタに対応するPDCCHの利用率αを、記憶部103に記憶させる。その後、PDCCH利用率取得部154は、自セクタに対応するPDCCHの品質の推定のために、記憶部103に記憶された自セクタに対応するPDCCHの利用率αを読み出す。
制御部102内のPDCCH品質推定部156は、W−CQI受信処理部152によって受信された、自セクタに対応する測定W−CQIと、PDCCH利用率取得部154によって読み出された、過去の自セクタに対応するPDCCHの利用率αとに基づいて、自セクタに対応するPDCCHの品質(SINR)を推定する。
なお、PDCCH品質推定部156は、PDCCH利用率取得部154によって読み出された、過去の自セクタに対応するPDCCHの利用率αが複数存在する場合には、それらの平均値を利用率αとしてもよい。
具体的には、自セクタに対応するPDCCHのSINRは、自セクタに対応するPDCCHの信号電力(Signal Power)と、自セクタに対応するPDCCHの干渉電力(InterferencePower)と、雑音電力(Noise Power)とを用いて、以下の式(4)により定義される。
Figure 2013243730
更に、式(4)に式(3)を代入すると、以下の式(5)となる。
Figure 2013243730
本実施形態では、雑音電力(Noise Power)が無視できるほど小さいと仮定すると、式(5)は、以下の式(6)に変換される。
Figure 2013243730
式(6)には、j番目の他セクタに対応するPDCCHの利用率βjが含まれている。しかしながら、LTEの規格上、無線基地局1Aは、j番目の他セクタに対応するPDCCHの利用率βjを直接に取得することができない。そこで、本実施形態では、一般にPDCCHの利用率は、セクタ間で大きく異ならないことに鑑み、j番目の他セクタに対応するPDCCHの利用率βjが、過去の自セクタに対応するPDCCHの利用率αと等しいと仮定する。このような仮定の下では、式(6)は、以下の式(7)に変換される。
Figure 2013243730
式(7)の右辺における1/αを除いた部分は、一般に、PDSCHが全て利用されていることを考慮して、自セクタに対応するPDSCHの利用率と他セクタに対応するPDSCHの利用率が、何れも1であると仮定すると、自セクタに対応する測定W−CQIである。したがって、PDCCH品質推定部156は、式(7)に、自セクタに対応する測定W−CQIと、過去の自セクタに対応するPDCCHの利用率αとを代入することにより、自セクタに対応するPDCCHの推定のSINRを算出することができる。
なお、式(7)はデシベル値では、
Figure 2013243730
となる。ここで、Estim.SINRは、自セクタに対応するPDCCHの推定のSINRのデシベル値、SINRWCQIは、自セクタに対応する測定W−CQIのデシベル値である。
一方、オフセット値を利用した、自セクタに対応するPDCCHの品質の推定の場合には、以下の処理が行われる。
記憶部103には、計算機シミュレーションにより予め求められた、自セクタに対応するPDCCHのSINRと、自セクタに対応する測定W−CQIとの差がオフセット値として記憶されている。
図7は、オフセット値の一例を示す図である。図7に示すオフセット値は、自セクタに対応するPDCCHの領域を構成するOFDMシンボルの数に対応づけられて記憶部103に記憶されている。オフセット値は、対応するOFDMシンボル数が多いほど、大きくなる。これは、自セクタに対応するPDCCHの領域を構成するOFDMシンボルの数が多いほど、自セクタ及び他セクタに対応するPDCCHの利用率が低下し、その結果、式(7)及び式(8)より明らかなように、自セクタに対応するPDCCHの推定のSINRが大きくなることによる。
PDCCH品質推定部156は、自セクタに対応するPDCCHの領域を構成するOFDMシンボルの数を特定し、当該OFDMシンボル数に対応するオフセット値を記憶部103から読み出す。
オフセット値(Offset)を利用した、自セクタに対応するPDCCHの推定のSINRの算出式は、デシベル値では、以下の式(9)となる。
Figure 2013243730
PDCCH品質推定部156は、式(9)に、自セクタに対応する測定W−CQIのデシベル値と、記憶部103から読み出したオフセット値とを代入することにより、自セクタに対応するPDCCHの推定のSINRをデシベル値で算出することができる。
(2)無線基地局の動作
図8は、無線基地局1Aにおける算出式を利用したPDCCH品質推定の動作を示すフローチャートである。
ステップS101において、無線基地局1A内の制御部102は、無線端末2Aからの自セクタに対応する測定W−CQIを受信する。
ステップS102において、制御部102は、記憶部103に記憶されている、過去の自セクタに対応するPDCCHの利用率αを取得する。
ステップS103において、制御部102は、算出式である式(7)又は式(8)を利用して、自セクタに対応する測定W−CQIと、過去の自セクタに対応するPDCCHの利用率αとに基づいて、自セクタに対応する推定のPDCCHの品質(SINR)を算出する。
図9は、無線基地局1Aにおけるオフセット値を利用したPDCCH品質推定の動作を示すフローチャートである。
ステップS201において、無線基地局1A内の制御部102は、無線端末2Aからの自セクタに対応する測定W−CQIを受信する。
ステップS202において、制御部102は、記憶部103に記憶されている、オフセット値を取得する。
ステップS203において、制御部102は、式(9)に基づき、自セクタに対応する測定W−CQIとオフセット値とを加算して、自セクタに対応する推定のPDCCHの品質(SINR)を算出する。
(3)作用・効果
図10は、理想PDCCH品質、W−CQI流用PDCCH品質、算出式である式(7)又は式(8)を利用した場合の推定のPDCCH品質(算出式利用推定PDCCH品質)、及び、オフセット値を利用した場合の推定のPDCCH品質(オフセット値利用推定PDCCH品質)の対応関係を示す図である。
図10に示すように、本実施形態において得られる算出式利用推定PDCCH品質及びオフセット値利用推定PDCCH品質は、何れも、従来、自セクタに対応するPDCCHとして用いられていた、W−CQI流用PDCCH品質よりも、理想PDCCH品質に近い値となっている。すなわち、算出式利用推定PDCCH品質及びオフセット値利用推定PDCCH品質は、何れも、従来よりも適切なPDCCHの推定値となっている。
図11は、理想PDCCH品質、W−CQI流用PDCCH品質、算出式利用推定PDCCH品質、及び、オフセット値利用推定PDCCH品質のそれぞれにおける、PDCCHの利用率を示す図である。図11に示すように、算出式利用推定PDCCH品質、及び、オフセット値利用推定PDCCH品質におけるPDCCHの利用率は、W−CQI流用PDCCH品質におけるPDCCHの利用率よりも、理想PDCCH品質におけるPDCCHの利用率に近い値となっている。
図12は、理想PDCCH品質、W−CQI流用PDCCH品質、算出式利用推定PDCCH品質、及び、オフセット値利用推定PDCCH品質のそれぞれにおける、ALの分布を示す図である。図12に示すように、算出式利用推定PDCCH品質、及び、オフセット値利用推定PDCCH品質におけるALの分布は、W−CQI流用PDCCH品質におけるALの分布よりも、ALが小さい方へ移動しており、理想PDCCH品質におけるALの分布に近くなっている。
図13は、理想PDCCH品質、W−CQI流用PDCCH品質、算出式利用推定PDCCH品質、及び、オフセット値利用推定PDCCH品質のそれぞれにおける、PDCCHにDCIが入りきらなかった率(上限超過率)を示す図である。図13に示すように、算出式利用推定PDCCH品質、及び、オフセット値利用推定PDCCH品質における上限超過率は、W−CQI流用PDCCH品質における上限超過率よりも顕著に少なくなっており、理想PDCCH品質における上限超過率に近い値となっている。
このように、本実施形態の無線通信システム10では、無線基地局1Aは、自セクタに対応する推定のPDCCHの品質として、算出式利用推定PDCCH品質や、オフセット値利用推定PDCCH品質を求めることにより、従来のW−CQI流用PDCCH品質よりも、理想PDCCH品質に近い推定値を取得することが可能となる。
(4)その他の実施形態
上記算出式利用推定PDCCH品質、及び、オフセット値利用推定PDCCH品質のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述した実施形態では、セル3A乃至3Cは、複数のセクタに分割されていたが、分割されていない場合にも、同様に本発明を適用することができる。この場合、無線基地局1Aが提供する自セルであるセル3Aに対応するPDSCH及びPDCCHでは、自セルと周波数帯域が同一である他のセル(他セル)に対応するPDCCH及びPDCCHの電力が干渉となる。無線基地局1A内の制御部102は、当該干渉に応じて、上述した自セクタに対応する算出式利用推定PDCCH品質及びオフセット値利用推定PDCCH品質に代えて、自セルに対応する算出式利用推定PDCCH品質及びオフセット値利用推定PDCCH品質を求める。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
本発明の通信制御方法は、無線リソースの品質を適切に推定することが可能であり、通信制御方法として有用である。
1A〜1C:無線基地局、2A〜2C:無線端末、3A〜3C:セル、10:無線通信システム、102:制御部、103:記憶部、104:有線通信部、105:受信部、106:送信部、107:アンテナ、152:W−CQI受信処理部、154:PDCCH利用率取得部、156:PDCCH品質推定部。

Claims (3)

  1. 所定のセル又はセクタに対応する下り方向の無線リソースが、無線端末に対する最小割り当て単位であって、制御情報伝送用の無線リソースである制御情報チャネルとユーザデータ伝送用の無線リソースである共有データチャネルとにより構成されるリソースブロックに分割されているLTE(Long Term Evolution)の移動通信システムにて、前記無線端末との間で通信を行う無線基地局における通信制御方法であって、
    前記無線基地局が、前記無線端末からの前記所定のセル又はセクタに対応する前記下り方向の所定の無線リソースに含まれる前記共有データチャネルの平均の品質を受信するステップと、
    前記無線基地局が、前記所定のセル又はセクタに対応する前記制御情報チャネルの利用率を取得するステップと、
    前記無線基地局が、前記共有データチャネルの平均の品質に前記制御情報チャネルの利用率の逆数を乗算して、前記無線端末における、前記所定のセル又はセクタに対応する前記制御情報チャネルの品質を推定するステップと
    を備える通信制御方法。
  2. 前記所定のセル又はセクタに対応する前記共有データチャネルの全ての帯域と、前記所定のセル又はセクタ以外のセル又はセクタに対応する前記共有データチャネルの全ての帯域とが、ユーザデータの伝送に使用されている請求項1に記載の通信制御方法。
  3. 前記所定のセル又はセクタに対応する前記共有データチャネルの利用率と、前記所定のセル又はセクタ以外のセル又はセクタに対応する前記共有データチャネルの利用率とが同一であり、前記所定のセル又はセクタに対応する前記制御情報チャネルの利用率と、前記所定のセル又はセクタ以外のセル又はセクタに対応する前記制御情報チャネルの利用率とが同一である請求項1又は2に記載の通信制御方法。
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