JP2013242966A - 有機elパネルを発光源として備えた標識 - Google Patents

有機elパネルを発光源として備えた標識 Download PDF

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Abstract

【課題】ケーシング内に複数の有機ELパネルが設けられた標識において、表示部の視認性を確保するための技術を提供する。
【解決手段】有機ELパネルを発光源として備えた標識は、ケーシングと、ケーシング内に並べて配置された複数の有機ELパネルを含む発光部と、ケーシングの少なくとも一部に設けられて有機ELパネルから発せられた光を外部に透過可能な表示部と、前記ケーシングにおける内部空間のうち、発光部の外縁よりも外周側に位置する発光部非設置領域に設けられ、有機ELパネルが発した光を拡散させる拡散手段と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機ELを発光源として備えた、高速道路やサービスエリア、パーキングエリアさらに一般道路等に設置される車両誘導標識等の標識に関する。
近年のLED(発光ダイオード)や有機EL(有機発光ダイオード=OLED)等のエレクトロルミネッセンス照明は消費電力が小さく、多数の照明を必要とする道路交通設備への利用が期待されている。特にLEDは、高効率・高寿命等の特性に優れるため信号機や路肩やトンネル内の警告等など道路標識として普及が加速してきている。
有機ELも、点光源であるLEDに対して薄型の面発光であり、かつLEDと同様に高効率であるとの利点を活かし道路標識としての利用が見込まれている(特許文献1、特許文献2参照)。
特開2001−272937号公報 特開2004−270443号公報
本発明者らは、バックライトとして有機ELパネルを用いた標識を製造すべく検討したところ、所定の大きさの標識において、標識を構成するケーシング(筐体)の内部に有機ELパネルを隙間無く設置するのが難しかった。特に、有機ELパネルを複数枚並べる場合に、ケーシング端部周辺に中途半端な未設置の箇所が発生しやすく、それに起因して輝度むらが生じることで、標識の視認性を損なうといった課題が生じる。
本発明は上記課題を解決するものであり、ケーシング内に複数の有機ELパネルが設けられた標識において、表示部の視認性を確保することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る有機ELパネルを発光源として備えた標識は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明に係る標識は、ケーシングと、前記ケーシング内に並べて配置された複数の有機ELパネルを含む発光部と、前記ケーシングの少なくとも一部に設けられ、前記有機ELパネルから発せられた光を外部に透過可能な表示部と、前記ケーシングにおける内部空間のうち、前記発光部の外縁よりも外周側に位置する発光部非設置領域に設けられ、前記有機ELパネルが発した光を拡散させる拡散手段と、を有する。
また、前記ケーシングは、前記表示部が設けられる表示部設置面と、前記表示部設置面に対向する背面と、前記表示部設置面および前記背面の縁部同士を連結する側面とを有する箱体であって、前記拡散手段は、前記発光部の外縁近傍から前記側面側に向かって広がりつつ前記表示部設置面に向かって斜めに延伸する拡散板を含んでいてもよい。
また、前記ケーシングは、前記表示部が設けられる表示部設置面と、前記表示部設置面に対向する背面と、前記表示部設置面および前記背面の縁部同士を連結する側面とを有する箱体であって、前記拡散手段は、少なくとも前記ケーシングの側面の内側に設けられていてもよい。
また、前記拡散手段は、前記側面のうち、前記有機ELパネルの発光面が含まれる仮想平面と前記側面が交差することでなす交差線を境に前記表示部設置面側の領域に設けられていてもよい。
また、前記拡散手段は、前記側面に設けられた拡散板を含んでいてもよい。また、前記拡散手段は、前記側面の表面粗さを他の領域に比べて粗くした粗面部を含んでいてもよい。
本発明によれば、ケーシング内に複数の有機ELパネルが設けられた標識において、表示部の視認性を確保することが可能である。
実施形態に係る有機ELを用いた内部照明式の標識の外観正面図である。 実施形態に係る標識の分解斜視図である。 有機電界発光素子の構造例を示す断面の模式図である。 実施形態に係るケーシングの断面図である。 実施形態に係るケーシングの断面図である。 実施形態に係るケーシングの断面図である。 実施形態に係る標識の変形例を示す図である。 実施形態に係る拡散板の構成例のバリエーションについて示す第1の図である。 実施形態に係る拡散板の構成例のバリエーションについて示す第2の図である。 実施形態に係る拡散板の構成例のバリエーションについて示す第3の図である。 実施形態に係る拡散板の構成例のバリエーションについて示す第4の図である。 実施形態に係る拡散板の構成例のバリエーションについて示す第5の図である。
以下に図面を参照して、本発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、実施形態に係る有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)パネルを用いた内部照明式の標識100の外観正面図である。図2は、実施形態に係る標識100の分解斜視図である。標識100は、例えば、高速道路やサービスエリア、パーキングエリア、一般道路等に設置される車両誘導標識である。標識100は、ケーシング(筐体)1と、ケーシング1内に設けられた発光部2、表示部3とを備える。標識100のケーシング1は、例えば鋼管等の支柱に取り付けて設置されている。発光部2は、複数の有機ELパネル4を含んで構成された発光デバイスである。
1. ケーシング
ケーシング1は発光部2を格納・保持し、また、外部からの熱、雨、風、飛来物などから発光部2を保護する役割を有する。ケーシング1は、少なくともその一部から、発光部2が発する光を放出するための開口部11が形成されている。ケーシング1の大きさ、形
状、材質等は、要求される仕様に応じて適宜変更することができる。ケーシング1を構成する材料としては、例えばアルミやスチール等の金属板、アクリル板などの硬化プラスチック板等が挙げられる。特に鳥や飛び石、車両等の衝突に対しての安全性(破片が飛び散らない)、軽量で割れにくく壁状構造物への配線・取付けが容易である観点から、アルミやスチール等の金属板が好ましい。
本実施形態におけるケーシング1は、いわゆる箱形状を有しており、その一面に開口部11が形成されている。この開口部11には、ケーシング1の内部に収容されている有機ELパネル4が発した光を外部に透過する表示部3が、開口部11を覆うように嵌め込まれている。以下、ケーシング1を形成する面のうち、表示部3が設けられている面をケーシング1の「表示部設置面」と定義し、符号12によって示す。また、表示部設置面12を正面とした場合の「背面」を符号13によって示し、表示部設置面(正面)12および背面13の縁部同士を連結する側面を符号14によって示す。ケーシング1の内部構造については、後から詳しく説明する。
2. 発光部
発光部2は、複数の有機ELパネル4および基材5を有する(図2を参照)。図2に示すように、基材5は平板状に形成されており、ケーシング1の開口面(正面)12および背面13に沿って設置されている。基材5には、複数の有機ELパネル4が、並んで配置されている。
2.1 有機ELパネル
有機ELパネル4は、有機発光材料を利用し、有機発光材料層に電流を流すことにより励起子(エキシトン)を生成後、それが安定化する際に光を放出(蛍光・燐光どちらでもよい)する有機電界発光素子を含む。
2.2 有機電界発光素子
有機電界発光素子の構成に関しては特に限定されないが、一般的な構成について、図3を参照して説明する。図3は、有機電界発光素子の構造例を示す断面の模式図である。図3において、41は基板、42は陽極、43は正孔注入層、44は正孔輸送層、45は発光層、46は正孔阻止層、47は電子輸送層、48は電子注入層、49は陰極を表す。注入層や輸送層等を含まないものであっても、またその他の機能を有する層が含まれていてもよく、さらに各構成層は、単層であっても複数層であってもよい。
また、上記構成層の製膜方法も特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法等の乾式成膜法、又はスピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等の湿式成膜法が挙げられる。
有機電界発光素子の基板材料は、特に限定はされないが、石英ガラス、無アルカリガラスやソーダ石灰ガラス等のガラス板、アルミやスチール等の金属板・金属箔、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリメタクリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォンなどのプラスチックフィルムやシート等が挙げられる。特に鳥や飛び石、車両等の衝突に対しての安全性(破片が飛び散らない)、軽量で割れにくく標識への配線・取付が容易である観点から、アルミやスチール等の金属シート、金属箔、プラスチックフィルムやシート、ガラスの場合は薄肉フレキシブル化したものを基板とすることが好ましい。基板の厚みは特に限定はされず、目的に応じて自由に設定することができるが、通常0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であって、通常4mm以下、好ましくは3mm以下、より好
ましくは2mm以下である。
有機電界発光素子の陽極材料は、特に限定されないが、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属及びその合金、インジウム及び/又はスズの亜鉛酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等が挙げられる。また、上記基板が導電材料である場合には、基板と陽極は同一であってもよい。
有機電界発光素子の陰極材料は、特に限定されないが、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の金属又はそれらの合金が挙げられる。また、有機ELの消灯時に生じる外部からの光の反射をより抑制するために、陰極を粗表面にすることもできる。
有機電界発光素子の発光層には、発光材料のほか、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、或いは電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)が含まれることが好ましい。例えば、発光材料をドーパント材料とし、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物等、又はその混合物をホスト材料するものが挙げられる。
発光層の発光材料は特に限定されず、蛍光発光材料でも、燐光発光材料であってもよい。内部量子効率の観点から、燐光発光材料が好ましい。また、蛍光発光材料と燐光発光材料を組合せて使用してもよいが、素子としての発光効率は蛍光発光材料の効率から大きく影響を受けるため、単色を混合して白色等を作る場合には、全てが燐光発光材料であることが好ましい。発光層における発光材料の割合は、特に限定されないが、通常0.05重量%以上、通常35重量%以下である。
発光材料の分子量は、特に限定されないが、通常10000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下、また、通常100以上、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは400以上の範囲である。
発光層の膜厚は、特に限定されないが、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、最も好ましくは10nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下、最も好ましくは70nm以下の範囲である。
上述の構成層のほか、正孔注入層、正孔阻止層、電子注入層、保護層等の材料、形態、調整方法についても、特に限定されない。またこれ以外の構成を有してもよく、その材料、形態、調製方法も、有機電界発光素子として用いられているものを適宜利用することができる。
2.3 封止材
有機ELパネル4における有機電界発光素子は、封止材によって封止されていても良い。有機電界発光素子を封止する方法は、発光領域を覆うように封止することができれば特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂を用いて、ウェットラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押出しラミネート法、熱ラミネート法等によって有機電界発光素子を封止する方法が挙げられる。
封止材の種類は、特に限定されず、例えば緩衝機能を発揮し、また破損しても破片が飛び散らないポリマー材料などが好ましく、また紫外線、酸素、水分等の有機電界発光素子の劣化源の侵入を抑制する添加剤等がポリマー材料に含有されていることが更に好ましい。
また、紫外線や熱による劣化を抑制するために、封止材に紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等を添加してもよい。これらの添加剤の量は特に限定されないが、1000ppm以下が好ましい。上記範囲であれば、紫外線や熱による劣化を抑制できるとともに、樹脂の特性を維持することができる。
封止材の膜厚は、通常200μm以上、好ましくは300μm以上、より好ましくは400μm以上であり、通常1mm以下、好ましくは800μm以下、より好ましくは600μm以下である。上記範囲であれば、紫外線、酸素、水分等の劣化源の侵入を抑制し、素子を保護する緩衝機能を得ることができる。封止材は、380nm以下の光線透過率が15%以下であることが好ましく、8%以下がより好ましい。上記範囲であれば、紫外線による発光材料等の劣化を抑制することができる。
2.4 拡散フィルム
有機ELパネル4は、その発光面に拡散フィルムを備えることが好ましい。拡散フィルムを有機ELパネル4の発光面に備えることで、発光面からの発光にかかる輝度ムラを解消することが可能となり、好ましい。
拡散フィルムは、平行光線透過率及び全光線透過率が特定の範囲内のものが好ましい。平行光線透過率は、通常85%以下、好ましくは75%以下、さらに好ましくは65%以下、特に好ましくは50%以下であり、通常15%以上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上である。また、全光線透過率は、通常99%以下、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下であり、通常20%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは35%以上である。上記範囲であると、各有機ELパネルにおける輝度ムラを解消することが可能となる。
なお、平行光線透過率及び全光線透過率とは、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して測定された値であり、以下の式の関係にある。
p=Tt−Td
(Tt:全光線透過率(%) Td:拡散透過率(%) Tp:平行光線透過率(%))
t=100−R−A
(Tt:全光線透過率 R:全光線反射率 A:吸収率)
拡散フィルムの材料は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体エチレン・四フッ化エチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体等のフッ素系炭化水素樹脂;ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA等の多価アルコールとビスアルキルカーボネート、ビスアリールカーボネート、ホスゲン等の炭酸エステル類から合成されるポリカーボネートが挙げられる。特にフッ素系炭化水素樹脂が好ましく、ETFEがさらに好ましい。
拡散フィルムの厚みは、特に限定されないが、通常50μm以上、200μm以下、好ましくは100μm以下である。上記範囲であると、コスト、及びラミネート時のシワ等の発生を抑制することができる。
拡散フィルム材料に、上述の平行光線透過率を低減する特性を付与する方法は、特に限定されないが、使用する樹脂の本来の特性を利用するほか、例えばフィルム表面に凹凸構造を形成する方法や、フィルム樹脂内部にフィラーを分散させる方法が挙げられる。
2.5 有機ELパネルの面積・厚み
本発明において有機ELパネル4は、通常2,500mm2以上の面積を有し、5,0
00mm2以上の面積を有することが好ましい。各有機ELパネル4の面積が大きいほど
、大型照明とする際に必要となる有機ELパネル4が少なくなり、各パネル間に存在する非発光部分の割合も少なくなり、結果として輝度むらが生じにくい状態となるためである。また、有機ELパネル4は、5mm以下の厚みであることが好ましく、3mm以下の厚みであることがより好ましく、1mm以下の厚みであることが更に好ましい。このような膜厚とすることで、薄くて施工が容易な有機電界発光装置とすることが可能となる。
3. 表示部
図1、図2に示されるように、表示部3は、光を透過する光透過性(透光性)材料を用いて構成されており、道路標示が記載されている表示面31を有する。表示部3は、例えばアクリル樹脂、繊維シート等の材料を用いて製造することができる。
表示部3の構成は特に限定されず、透明基材と有色フィルムの積層体、白色基材と有色フィルムの積層体、並びに、透明基材、白色フィルムおよび白色以外の有色フィルムの積層体など、任意に選択することができる。中でも、透明基材、白色フィルム、白色以外の有色フィルムの積層体が好ましい。
表示部3は、発光部2が発する光を透過しケーシング1の外部に光を放出する。表示部3は、少なくとも透明基材、白色の有色フィルム、及び、白色以外の有色フィルムがこの順に積層された構造を有する。好ましくは、発光部2側から透明基材、白色の有色フィルム、及び、白色以外の有色フィルムの順に積層された構造を有する。表示部3は、理由やメカニズムは定かではないが、このような特定の順序で積層された3層構造を有することで、発光部2を構成する各有機ELパネル4間に存在する非発光部分に起因する輝度むらを低減することができる。
本発明において表示部の輝度むらがないとは、表示部の同色の領域において、輝度の最大値と最小値との比率が0.85以上、好ましくは0.9以上のことをいう。表示部3においては、表示部3の中心から面積で80%以上の領域、即ち表示部3の周縁から一定の距離にあたる面積を合算して20%以下となる領域を除外した領域において輝度むらが無いことが好ましい。
3.1 透明基材
透明基材は、発光部2の有機ELパネル4が発する光を透過するものであり、また、本発明の発光部2を3層構造とするための基材である。また、ケーシング1において、光を放出可能な一面(一部)が開口部である態様の場合には、透明基材で開口部を塞ぐことによりケーシング1を封止し、格納された有機ELパネル4を外部要因から保護する必要がある。そのような態様の場合には、透明基材は、太陽光線や雨水に曝され、鳥や飛び石等の衝突が起こり得る過酷な屋外環境に設置されることを考慮し、耐候性・耐衝撃性に優れるものが好ましい。具体的な例として、石英ガラス、無アルカリガラスやソーダ石灰ガラス等のガラス板、アクリル板、ポリカーボネートなどのプラスチック板等が挙げられる。特に鳥や飛び石、車両等の衝突に対しての安全性(破片が飛び散らない)、軽量で割れにくく、表示部表面への配線・取付が容易である観点から、アクリル板などのプラスチック板が好ましく、ガラス板の場合は薄肉フレキシブル化したものを基材として用いることが好ましい。
透明基材は、有機ELパネル4が発する光を透過することが必要であり、可視光(360〜830nm)の透過率が、通常75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、なかでも好ましくは95%以上、特に好まし
くは97%以上である。透明基板の厚みは特段限定されないが、照明全体を薄くする観点からは薄い方が好ましく、耐候性を十分に有するためにはある程度の厚みがあることが好ましい。また、輝度むらの解消の観点からもある程度の厚みを有していることが好ましく、通常1mm以上、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2mm以上であり、通常20mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。
3.2 白色の有色フィルム
白色の有色フィルムは、発光部2の有機ELパネル4が発する光を透過するものであり、上記の透明基材と後述の白色以外の有色フィルムとで3層構造の表示部を構成する。本発明において白色とは、XYZ表色系において、X、YおよびZがそれぞれ70以上であることをいう。75以上が好ましく、80以上がより好ましい。なお、本発明においてXYZ表色系におけるX,YおよびZの値は、エックスライト(X−rite)社製SP64により以下の条件により測定できる。
光の入射角度:0°、受光角度:2°、測定波長域:400〜700nm
白色の有色フィルムとしては、可視光を散乱させる機能を持つ光透過性のフィルムであれば特段限定されない。光透過性のフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのフィルムが挙げられる。
また、光透過性のフィルムに可視光を散乱させる機能を付与する方法としては、例えば、フィルムの表面を適度に荒らす方法、フィルム中にフィラーを含有させる方法、などが挙げられる。
白色の有色フィルムの厚みは特段限定されないが、通常10μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上であり、通常2000μm以下、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは400μm以下、最も好ましくは300μm以下である。
白色の有色フィルムは光を散乱するフィルムとしての機能も有することから、平行線透過率、全光線透過率及び拡散透過率が特定の範囲内のものが好ましい。平行光線透過率は、通常50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下であり、通常1%以上、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上である。全光線透過率は、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上であり、通常100%以下、好ましくは99%以下、より好ましくは95%以下である。また、拡散透過率は通常10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、通常60%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下である。上記範囲であると、表示部3における輝度むらを解消することが可能となる。
なお、これらの透過率は、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して測定された値であり、以下の式の関係にある。
Tp=Tt−Td
(Tt:全光線透過率(%) Td:拡散透過率(%) Tp:平行光線透過率(%))
Tt=100−R−A
(Tt:全光線透過率 R:全光線反射率 A:吸収率)
3.3 白色以外の有色フィルム
白色以外の有色フィルムは、発光部2の有機ELパネル4が発する光を透過するものであり、上記の透明基材と白色の有色フィルムとで3層構造の表示部を構成する。また、上記白色の有色フィルムと、白色以外の有色フィルムの配置により、文字や模様を表示することが可能となる。本発明において白色以外とは、前記定義による白色以外に存在するす
べての色を意味し、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、黒、及びグレーなどが挙げられる。加えて、これらの色からなる中間色、例えば桃、黄緑、青緑なども含まれる。
本発明の有機電界発光装置を案内標識、道路標識などの標識として用いる場合には、白色以外の有色フィルムの色としては、赤、橙、黄、緑、青、紫が好ましく、視感度の高さからは緑が特に好ましい。なお、白色以外の有色フィルムの色については、光源を当てた際のその発光色を、xy色度図(CIE 1931)で判断する。例えば、緑色の有色フィルムについては、xy色度図(CIE 1931)における「GREEN」または「YELLOWISH GREEN」に区分される光を発するフィルムである。
白色以外の有色フィルムは、光透過性の所望の色が付与されたフィルムを適宜用いればよい。これらは、市販されているものを用いることもできる。光透過性のフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのフィルムが挙げられる。
白色以外の有色フィルムの厚みは特段限定されないが、通常20μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは70μm以上であり、通常300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下である。本実施形態において、表示部3は矩形の平面形状を有する平板部材であるが、他の形状を有していても良い。また、図1および図2に示される表示部3の表示面31には、便宜上、矢印記号が表示されているが、言うまでもなくその他のあらゆる内容の標識を表示させることができる。
図4〜図6は、実施形態に係るケーシング1の断面図である。図4は、ケーシング1の表示部設置面12および背面13に平行な切断面に沿ってケーシング1を切断した断面図である。図5は、ケーシング1の表示部設置面12および背面13に直交し、且つ長辺方向の側面14に平行な切断面に沿ってケーシング1を切断した断面図である。図6は、ケーシング1の表示部設置面12および背面13に直交し、且つ短辺方向の側面14に平行な切断面に沿ってケーシング1を切断した断面図である。
図4〜図6を参照して、ケーシング1の内部構造について詳しく説明する。ケーシング1の表示部設置面12には、略一面に開口部11が形成されている。そして、ケーシング1の開口部11には、該開口部11を覆うようにして表示部3が設置されている。表示部3は、表示面31が外部に面して配置されている。
発光部2における基材5は、ケーシング1の表示部設置面12および背面13に平行に固定されており、基材5に実装される複数の有機ELパネル4は、その発光面40が、表示部3の非表示面32に面するように配置されている。表示部3の非表示面32は、標識に関する記号、文字等が記載された表示面31の裏側の面である。
各有機ELパネル4の発光面40から発せられた光は、表示部3に対して非表示面32側から入射する。表示部3は、有機ELパネル4からの光を透過することができるため、非表示面32側から入射した有機ELパネル4からの光は、表示面31から外部に向けて出射される。このようにして、有機ELパネル4の発する光が、ケーシングの開口部11に設けられた表示部3を透過することによって、ケーシング1の外部に放出される。
図4に示す鎖線は、表示部3を平面視した際の外縁(外形)S3を示している。また、図4に示す破線は、発光部2(有機ELパネル4)の外縁(外形)S4を示している。図4〜図6に示されるように、表示部3における周縁領域の背面位置には有機ELパネル4が設けられていない。このように有機ELパネル4を配置すると、表示部3における周縁
領域の背面位置にも有機ELパネル4を配置する場合に比べて、有機ELパネル4の設置数を減ずることが可能である。但し、単に有機ELパネル4の設置数を減らしただけでは、表示部3における端部領域が暗くなり、表示部3の視認性が悪化することが懸念される。
そこで、本実施形態に係る標識100では、表示部3の周縁領域に対応する位置に有機ELパネル4を配置しなくても、表示面31の周縁領域の視認性が悪化しないように、すなわち表示部3の周縁領域に輝度むらが生じないように、ケーシング1の内部に拡散板6を設けるようにした。以下、ケーシング1における内部空間のうち、発光部2の外縁(図4中、破線S4にて図示)よりも外周側に位置する領域を、「発光部非設置領域AE」と称する。本実施形態においては、ケーシング1における内部空間のうち、発光部非設置領域AEに拡散板6を配置する。そして、有機ELパネル4から発せられた光を、発光部非設置領域AEに配置されている拡散板6によって拡散させることで、表示部3の周縁領域における輝度むらの発生を低減し、標識100の視認性が悪化することを抑制する。拡散板6は、本発明でいう拡散手段に対応する。
なお、発光部2の大きさは、ケーシング1の大きさよりも小さい方が好ましく、発光部2の端部からケーシングの側面までの距離は通常1cm以上、好ましくは2cm以上、より好ましくは5cm以上であり、通常20cm以下、好ましくは15cm以下、より好ましくは10cm以下である。下限値以上であることによりケーシング1内に熱が篭りづらく、有機ELパネル4の発光性能が低下しづらい。また、上限値以下であることにより、表示部2の周辺部輝度の低下を抑制することができ、視認性の低下を防ぐことができる。
発光部2の形状は、通常、ケーシング1の形状に合わせて発光部2の端部からケーシング1の側面までの距離はほぼ均等とするが、発光部2の端部からケーシング1の側面までの距離が異なる部分がある場合には、上記距離は平均距離を意味する。また、発光部2と表示部3との距離は通常1cm以上、好ましくは2cm以上、より好ましくは5cm以上であり、通常20cm以下、好ましくは15cm以下、より好ましくは10cm以下である。上記下限値以上であることにより、ケーシング内に熱が篭りづらく、有機ELパネル4の発光性能が低下しづらいと共に、有機ELパネル4相互の輝度差、複数の有機ELパネル4の間や有機ELパネル4とケーシング側面との間に存在しうる発光しない箇所と発光する箇所(有機ELパネル4)との輝度差を減少しやすい。また、上限値以下であることにより、パネルの発光性能を発揮しやすい。
本実施形態においては、ケーシング1の内壁面のうち、表示部3が設けられていない表示部非設置面の少なくとも一部に有機ELパネル4が発した光を拡散させる拡散手段としての拡散板6を設置している。なお、ケーシング1における表示部非設置面とは、表示部設置面12以外のいずれかの面を指しており、ここでは側面14と背面13とが表示部非設置面に該当する。また、本実施形態に係る標識100は、ケーシング1の内面のうち、少なくとも表示部非設置面の一部に、有機ELパネル4が発した光を拡散させる拡散手段が設けられていればよく、表示部3が設けられる表示部設置面12に当該拡散手段を形成することが阻害されるものではない。
図4〜6に示す構成例においては、拡散板6が、ケーシング1の側面14の内側に接する様に設けられている。拡散板6としては、特定の材料に限定されるものではないが、ここでは発泡ポリカーボネート樹脂を採用している。発泡ポリカーボネート樹脂により形成された拡散板6によれば、拡散板6を形成する樹脂と気泡とにおける屈折率の差を利用して、有機ELパネル4が発した光を拡散させることができる。
拡散板6は、ケーシング1の側面14の一部として形成されてもよいし、側面14とは
別部材の拡散板として設けられてもよい。有機ELパネル4から発せられた光の一部は拡散板6に到達し、この拡散板6において拡散される。そして、拡散板6において拡散された光の多くは、表示部3の周縁領域を透過してケーシング1の外部に放出される。これにより、表示部3の内側領域に対応する位置に配置された有機ELパネル4から発せられた光を、ケーシング1の側面14において拡散し、その拡散光に表示部3の周縁領域を透過させることができる。その結果、ケーシング1の内部において、発光部非設置領域AEに有機ELパネル4が設けられていなくても、表示面31の周縁領域が暗くなることを抑制することができる。その結果、表示面31における周縁領域の視認性が悪化することを回避できる。
ところで、有機ELパネル4の発光面40から発せられる一次光は、発光面40の位置(高さ)を基準として表示部設置面12側の領域に向かって出射される。そこで、本実施形態においては、ケーシング1における側面14のうち、有機ELパネル4の発光面40が含まれる仮想平面P1と側面14が交差することでなす交差線L1を境に表示部設置面12側の領域(以下、「第1領域」という)に拡散板6を設けるようにした(図5、図6を参照)。このような拡散板6の配置態様によれば、ケーシング1の側面14のうち、有機ELパネル4における発光面40からの一次光が照射される部分には確実に拡散板6を配置することができる。つまり、有機ELパネル4が発した光を効率的に拡散させることのできる適切な位置、領域に拡散板6を設けることができる。
以上のように、本実施形態に係る標識100によれば、表示部3の周縁領域の背面位置にも有機ELパネル4を設置する場合に比べて、有機ELパネル4の設置数を減らすことができるので、標識100の製造コスト(イニシャルコスト)およびランニングコストを低減することができる。そして、ケーシング1の内部に拡散板6を設けることで表示部3の周辺部に輝度不足が起こることを抑制することができる。従って、標識100は、表示部3の視認性を確保しつつ、従来に比べてコスト低減を実現することが可能である。
なお、ケーシング1の内部に設けられる拡散手段は、有機ELパネル4が発した光を拡散反射することができればよく、特定のものに限定されない。つまり、上記の構成例では、拡散板6として発泡ポリカーボネート樹脂による拡散板を採用したが、拡散板の材料はこれには限定されず、樹脂、ガラス、および金属等が使用できる。また、樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、ウレタン等が好ましく例示される。また、樹脂に可視光を散乱させる機能を付与する方法としては、樹脂を発泡させる方法、表面に凹凸構造を形成する方法、表面を適度に荒らす方法、フィラーを含有させる方法などが挙げられる。
フィラーの種類は、光散乱を生じさせることができるものであれば特段限定されない。例えば、無機フィラーとして、上述した酸化チタンの他、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の金属塩などを一例として挙げることができる。このうち、入射光を効率良く散乱させる観点から、無機フィラーとしては、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素などが特に好ましい。
ここで、無機フィラーを含む樹脂によって拡散板6を形成する場合、無機フィラーの数平均粒径は30〜600nmであることが好ましく、50〜300nmであることがより好ましく、また、樹脂中における無機フィラーの含有量は3〜30質量%程度であることが好ましい。ガラスおよび金属については、表面に凹凸構造を形成する方法や、表面を適度に荒らす方法などが例示される。無機フィラーを含む樹脂をガラスおよび/または金属に塗布しても、ガラスおよび/または金属と発泡樹脂を積層しても、ガラスと金属とを積
層してもよい。なお、無機フィラーを含む樹脂をケーシング1の内壁面に塗布することで拡散板6を形成してもよいし、当該樹脂からなる拡散板6を板状に形成してケーシング1の内部に設置してもよい。また、ケーシング1の内壁面の一部として拡散板6を一体に形成してもよい。無機フィラーを含む樹脂からなる拡散板6をケーシング1の内璧面、特に表示部3が設けられていない表示部非設置面に配置することで、有機ELパネル4が発した光の拡散効果を好適に発揮することができる。
以下、実施形態に係る標識100の変形例について説明する。図7は、実施形態に係る標識100の変形例を示す図である。図7は、図5に対応する断面図であり、ケーシング1の開口面12および背面13に直交し、且つ長辺方向の側面14に平行な切断面に沿ってケーシング1を切断した断面図である。本変形例では、ケーシング1の内部に設けられる拡散部の配置領域、および拡散部の構造が上述までの構成例と相違する。本変形例においては、有機ELパネル4によって発せられた光を拡散させる拡散手段として、粗面部6Aがケーシング1の内部に設けられている。
粗面部6Aは、前述の拡散板6と同様、ケーシング1の内壁面のうち、表示部3が設けられていない表示部非設置面に形成されており、他の領域に比べて表面粗さを粗くする目粗し処理が施されている。このように、粗面部6Aの表面粗さを他の領域に比べて粗くすることで、有機ELパネル4から発せられた光を四方八方に散乱させることができる。従って、ケーシング1の表示部非設置面に拡散板6を設ける場合と同様、粗面部6Aによって拡散させた有機ELパネル4からの光が表示部3の周縁領域を透過するようになる。これにより、表示部3の周縁領域が暗くなることを抑制し、表示部3における表示面31の視認性を確保することができる。
ここで、粗面部6Aは、ケーシング1における側面14の第1領域、側面14における交差線L1よりも背面13側の領域(以下、「第2領域」という)、および背面13に形成されている。この変形例では、側面14の第1領域に加えて、側面14の第2領域および背面13に粗面部6Aを形成したので、例えば側面14の第1領域において拡散(散乱)した後の拡散光(散乱光)を粗面部6Aにおいて再び拡散させることが可能である。そして、粗面部6Aにおいて拡散させた有機ELパネル4からの光が、表示部3の周縁領域を透過してケーシング1の外部に放出されることで、表示面31の周縁領域が暗くなることを抑制し、視認性が低下することを回避できる。なお、ケーシング1に設ける粗面部6Aは、ケーシング1の内部に配置される有機ELパネル4の外縁S4およびケーシング1の内壁面の距離やその他の諸条件に応じて、適正な値となるように調整してもよい。粗面部6Aの表面粗さは、例えばJIS B0601に準拠して測定することができる。
また、本変形例において、粗面部6Aを形成した領域に上述した拡散板6を設けるようにしてもよい。更に、標識100は、ケーシング1における上記表示部非設置面に対して、粗面部6Aおよび拡散板6を組み合わせて配置してもよい。
<拡散板の他の構成例>
次に、拡散板6に関する他の構成例について説明する。図8〜図12は、本実施形態に係る拡散板6の構成例のバリエーションについて示す図である。各図において、(a)は、図5に対応する図であり、ケーシング1の開口面12および背面13に直交し、且つ長辺方向の側面14に平行な切断面に沿ってケーシング1を切断した場合の断面を示している。また、(b)は、図6に対応する図であり、ケーシング1の開口面12および背面13に直交し、且つ短辺方向の側面14に平行な切断面に沿ってケーシング1を切断した場合の断面を示している。
図5及び図6に示す構成例では、拡散板6をケーシング1の側面14に接した状態で側
面14に沿って配置する態様を例に挙げて説明したが、ここでは拡散板6を側面14から離反した状態で配置する態様について説明する。図8〜図12の各図に示す拡散板6は、ケーシング1内における発光部2の外縁S4近傍から側面14側に向かって広がりつつ表示部設置面12に向かって斜めに延伸する態様で設置されている。例えば、図8〜図12の各図に示すように、拡散板6の基端部は発光部2の外縁S4や基材5の縁部に連結され、その先端部はケーシング1の側面14と表示部設置面12とからなる隅部近傍に連結されていてもよい。
図8に示す構成例では、拡散板6が基端側から先端側に向かって直線的に延伸した平板形状をなしている。図9〜図12に示す拡散板6の各形態は、図8に示す拡散板6の変形例である。まず、図9及び図10に示す拡散板6は共に曲面形状を有し、図9に示す拡散板6は上に凸の曲面をなし、図10に示す拡散板6は下に凸の曲面をなしている。また、図11に示す拡散板6はジグザグ形状を有し、図12に示す拡散板6は波形状を有している。なお、図11および図12に示すジグザグ状および波形状の拡散板6は、図5および図6に示す様にケーシング1の側面14に接しても、図9および図10に示す様に湾曲してもよい。
以上のように、図8〜図12に示した標識100によれば、ケーシング1における発光部非設置領域AEに、発光部2の外縁S4近傍から側面14側に向かって広がりつつ表示部設置面12に向かって斜めに延伸する拡散板6を設置したので、各有機ELパネル4から発光部非設置領域AEに射出された光を、拡散板6によって拡散させることができる。このようにして拡散板6が拡散させた光の多くは表示部3の周縁領域を透過して外部に放出されるため、表示面31の周縁領域における輝度むらが生じることを抑制できる。従って、標識100の表示部3における周縁領域の背面に有機ELパネル4が設けられていなくても、表示部3の周縁領域における視認性が悪化することを抑制できる。
<実施例>
以下、本発明の実施例をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、視認性の評価は、白地に緑色の文字(3cm角及び5cm角)を記載した標識を暗所に設置し、標識から5mはなれた場所から目視にて以下の基準で行う。
◎:端部から15cm以内に記載した3cm角の文字が読める。
○:端部から15cm以内に記載した3cm角の文字は読めないが、5cm角の文字が読める。
×:文字が読めない。
(実施例1)
1mm厚の透明アクリル板上に50μm厚の拡散フィルム(白色塩化ビニルフィルム、x=82、y=86、z=82)を貼り、その一部分に50μm厚の緑色表示フィルム(塩化ビニルフィルム)を貼ることで、表示部を得る。
拡散フィルム(アクリル系樹脂、100μm厚)を貼り合わせた有機ELパネル(横50mm×縦100mm)に、5mm間隔(非発光部分)で、横5枚、縦4枚ずつ(合計20枚)並べることで、発光部を得る。
作製する発光部と表示部との距離を20mmにしてケーシングの中央部に固定し、ケーシング内部の端部に拡散板を配置することで、有機EL標識を得る。
(実施例2、3、及び比較例)
拡散板の設置態様、及びその材料を表1に示した通りにする以外は実施例1と同様の標識を作製する。なお、実施例1及び2における「側面に設置」とは、拡散板6をケーシング1の側面14に沿って設置する態様を指す(図5及び6参照)。また、実施例3におけ
る「斜めに設置」とは、拡散板6をケーシング1の発光部非設置領域AEに斜めに設置する態様を指す(図8参照)。
Figure 2013242966
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施形態には種々の変更を加え得る。また、本発明に係る屋外標識の実施形態および変形例は、可能な限りこれらを組み合わせることができる。
1 ケーシング
11 開口部
12 表示部設置面
2 発光部
3 表示部
31 表示面
32 非表示面
4 有機ELパネル
40 発光面
41 基板
42 陽極
43 正孔注入層
44 正孔輸送層
45 発光層
46 正孔阻止層
47 電子輸送層
48 電子注入層
49 陰極
5 基材
6 拡散板
6A 粗面部
100 標識

Claims (6)

  1. ケーシングと、
    前記ケーシング内に並べて配置された複数の有機ELパネルを含む発光部と、
    前記ケーシングの少なくとも一部に設けられ、前記有機ELパネルから発せられた光を外部に透過可能な表示部と、
    前記ケーシングにおける内部空間のうち、前記発光部の外縁よりも外周側に位置する発光部非設置領域に設けられ、前記有機ELパネルが発した光を拡散させる拡散手段と、
    を有する、有機ELパネルを発光源として備えた標識。
  2. 前記ケーシングは、前記表示部が設けられる表示部設置面と、前記表示部設置面に対向する背面と、前記表示部設置面および前記背面の縁部同士を連結する側面とを有する箱体であって、
    前記拡散手段は、前記発光部の外縁近傍から前記側面側に向かって広がりつつ前記表示部設置面に向かって斜めに延伸する拡散板を含む、
    請求項1に記載の標識。
  3. 前記ケーシングは、前記表示部が設けられる表示部設置面と、前記表示部設置面に対向する背面と、前記表示部設置面および前記背面の縁部同士を連結する側面とを有する箱体であって、
    前記拡散手段は、少なくとも前記ケーシングの側面の内側に設けられている、
    請求項1に記載の標識。
  4. 前記拡散手段は、前記側面のうち、前記有機ELパネルの発光面が含まれる仮想平面と前記側面が交差することでなす交差線を境に前記表示部設置面側の領域に設けられている、
    請求項3に記載の標識。
  5. 前記拡散手段は、前記側面に設けられた拡散板を含む、請求項3又は4に記載の標識。
  6. 前記拡散手段は、前記側面の表面粗さを他の領域に比べて粗くした粗面部を含む、請求項3又は4に記載の標識。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016094706A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 日鐵住金建材株式会社 照明内蔵型遮音壁

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