JP2013241690A - 不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波シールド特性、抗菌性、および通気性に優れた安価な不織布を提供する。
【解決手段】磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトを含有する事を特徴とする不織布。
【選択図】なし

Description

本発明は不織布、特に電磁波シールド性、抗菌性、および通気性に優れた不織布に関する。
近年様々な電気・電子機器の利用の増加に伴い、これらの機器から発生する電磁波による様々な障害が問題となっている。これらの電磁波は電気・電子機器の誤動作や雑音の原因となり、また、人体に埋め込まれた心臓ペースメーカーに深刻な影響を与えるばかりでなく、電磁波アレルギーを発生させるなど直接、人体に健康被害を与えるなどの問題を抱えている。
一般的には電磁波の発生源を金属等の導電性筐体で囲うことにより電磁波の遮蔽が図れることから、各種の電磁波シールド材が提案されている。特開平05−48289号公報(特許文献1)や、特開平10−310976号公報(特許文献2)には金属や金属で被覆した糸で製織した電磁波シールド性を有する織布や不織布が提案されている。また、特開平10−22683号公報(特許文献3)にはフェライトの微粉末を分散した半硬化状態の樹脂のシートで形成されていることを特徴とする電磁波シールドシートが提案されている。しかし、該電磁波シールド性を有する織布や不織布は、通気性が十分とは言えず、また、抗菌性が充分でないため、長期間の使用時は定期的に洗濯や殺菌を行うなどのメンテナンスが必要であり、高価でもあるため、感染症や放射能汚染など、短期間での取替え、更新、焼却することが必要な用途には不向きであった。
特開2007−21770号公報(特許文献4)には、抗菌性を示す金属を含む電磁波シールド層と多孔質層を含む積層体を用いた、抗菌性電磁波シールド積層体が提案されている。しかし、銀からなる電磁波シールド塗料は安価とは言えず、また同公報は、主として壁材を意図したものであって、十分な通気性が得られるものではなかった。
一方、特開2003−166155号公報(特許文献5)には、特定の量の防カビ剤が付着した不織布が提案されており、該防カビ剤の一例としてアパタイトが記載されている。
特開平05−48289号公報 特開平10−310976号公報 特開平10−22683号公報 特開2007−21770号公報 特開2003−166155号公報
本発明の課題は、電磁波シールド性、抗菌性、および通気性に優れた安価な不織布を提供することである。
上記の課題は、磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトを含有する事を特徴とする不織布により達成された。
磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトを含有する事を特徴とする不織布により、電磁波シールド性、抗菌性、および通気性に優れた安価な不織布を提供することが出来る。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明の不織布が含有する磁性微粒子としては、鉄、コバルト、ニッケルなどの希土類元素の塩、鉄、コバルト、ニッケルなどの希土類元素の酸化物やFePd、FePt、CoPtなどの磁性合金など様々な磁性微粒子を用いることが出来るが、マグネタイト、亜鉛フェライト、ニッケルフェライト、ニッケルマンガンフェライト、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、銅亜鉛フェライトなどのフェライト類は、高周波電磁波吸収性が高いことから、良好な電磁波シールド性が得られ、好ましく用いることが出来る。フェライト類の中でも、マグネタイトは、安価で環境負荷が少ないことから、特に好ましく用いることが出来る。上記した磁性微粒子の形状は多面体状、球状、円柱状、楕円体状などの種々の形状のものを用いることが出来、磁性微粒子の平均粒径は、粒子の形状が球状であると仮定した時の平均直径で1〜500nmの範囲であることが好ましい。
本発明の不織布が含有するアスペクト比が8以上の針状アパタイトとは、円柱形、あるいは多角柱形の構造を有し、円形または多角形の直径に対する円柱または多角柱の高さの比をアスペクト比とした場合、アスペクト比が8以上のものを指す(以下、簡単化のため、針状アパタイトの円または多角形の直径を短軸長、円柱または多角柱の高さを長軸長と呼び、長軸長/短軸長=アスペクト比と呼ぶことにする。)。本発明に用いられる針状アパタイトの短軸長としては1nm〜10μmの範囲が好ましく、長軸長としては10nm〜1mmの範囲で用いることが好ましい。本発明に用いられる針状アパタイトのアスペクト比は、好ましくは10以上であり、より好ましくは12以上であり、アスペクト比の上限は特には定めない。本発明で用いられる針状アパタイトは、直線状の針である場合の他、屈曲して曲線状の繊維様の形態であっても良く、繊維様アパタイトの長軸長は、繊維の長さを意味する。アパタイトは、一般式Ca(PO3−x(COZ(xは0〜3、Zはフッ素、塩素またはOH基)で表されるリン酸カルシウム化合物であり、種々の天然および合成アパタイトが知られているが、本発明で用いられるアスペクト比が8以上の針状アパタイトは合成アパタイトが好ましく用いられる。
本発明の磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトを含有することを特徴とする不織布において、アスペクト比10以上の針状アパタイトの製造方法として様々な方法が知られている。例えば、特開昭57−117621号公報にはヒドロキシアパタイトとリン酸アンモニウムの混合液を1500℃に加熱溶融して、紡糸ノズルから押し出し紡糸する方法が開示され、特開昭61−75817号公報にはアパタイトとバインダー分散液を紡糸ノズルから押し出し紡糸する方法など機械的に紡糸する方法により繊維状の針状アパタイトを製造する方法が開示されている。また、特開2001−287903号公報や特開2002−274822号公報には水熱合成による方法が、特開平07−2506号公報や特開2005−154181号公報にはリン酸八カルシウムなどのアパタイトの前駆体をアルカリ加水分解する方法が開示されている。本発明ではこれらいずれの方法で製造された針状アパタイトでも用いることが可能であるが、中でも特開2005−154181号公報などアパタイト前駆体をアルカリ加水分解する方法が好ましい。
本発明において、不織布は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フェノール系繊維などの合成繊維、ガラス繊維、金属繊維、アルミナ繊維、ケイ酸化合物素繊維などの無機繊維、木材パルプ、麻パルプ、コットンリンターパルプなどの天然繊維、再生繊維、あるいはこれらの繊維に親水性や難燃性などの機能を付与した繊維などを使用し、各種製造方法によって製造することが出来る。本発明の不織布の好ましい繊度は、0.1〜10デニールの範囲であり、好ましい繊維長は、1〜100mmの範囲である。また、本発明の不織布の好ましい坪量は、5〜250g/mの範囲である。
本発明の不織布において、不織布の製造方法については特に制限はなく、目的・用途に応じて、乾式法、湿式抄造法、メルトブローン法、スパンボンド法などで得られたウェブをウォータージェット法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法などの物理的方法、サーマルボンド法などの熱による接着方法、レジンボンドなどの接着剤による方法で強度を発現させる方法を適宜組み合わせて製造することが出来る。
本発明の磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトを含有することを特徴とする不織布において、磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトは、それぞれ別個の粒子として不織布中に含有させることも出来るし、磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトとを複合した複合粒子を予め形成した後、不織布中に含有させることも出来る。ここで、磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトとの複合粒子として、様々な形態の複合粒子を用いることが出来る。例えば、磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトとが、直接、結着して複合粒子を形成しても良いし、磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトが、アスペクト比が8以上の針状アパタイト以外の他の結着剤を介して結着することにより複合粒子を形成していても良い。ここで、結着剤としては、例えば、酸化チタンや酸化ケイ素などの無機の結着剤やポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンなどの有機の結着剤を用いることが出来る。また、アスペクト比が8以上の針状アパタイトの結晶内部に磁性微粒子を含有するコンポジット型の複合粒子を用いることも出来る。アスペクト比が8以上の針状アパタイトの結晶内部に磁性微粒子を含有するコンポジット型の複合粒子は、磁性微粒子の存在下でアスペクト比が8以上の針状アパタイトを合成することなどにより製造することが出来る。
本発明において、磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトを不織布に含有させる方法として、磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトをそれぞれ、単独に、あるいは同時に不織布基材中または、不織布基材上に、塗布、浸漬することにより含有させる方法や、不織布基材を構成する繊維に予め塗布、浸漬した後、抄紙することにより不織布を形成する方法など、様々な方法を用いることが出来る。
本発明の不織布中の磁性微粒子の好ましい含有量は、不織布1m当たり0.2g〜20gであり、本発明の不織布中のアスペクト比が8以上の針状アパタイトの好ましい含有量は、不織布1m当たり0.5g〜50gの範囲である。また、本発明の不織布中の磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトの好ましい比率は、磁性微粒子10質量部に対して針状アパタイトが20から100質量部の範囲である。
本発明の不織布が含有する他の成分としては、抗菌作用を有する化合物を含有させることも出来る。抗菌性を有する好ましい化合物として銀、銅、亜鉛等の金属とその化合物やこれらの金属を担持させた酸化チタンやゼオライトなどの無機多孔質化合物、アンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミドのような第4アンモニウム塩、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールなどのイミダゾール化合物、メルカプトピリジン−N−オキシド化合物、イソチアゾロン化合物、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾロン化合物などの有機化合物が挙げられる。また、上記の抗菌性を有する化合物は、本発明で用いる磁性微粒子やアスペクト比が8以上の針状アパタイトに直接担持させることも出来る。
本発明において、電磁波シールド性はIEC規格(IEC62333−1、IEC62333−2)に従い周波数100Hz〜1000MHzの範囲の高周波ノイズの電磁波シールド性を求めることにより評価することが出来る。高周波ノイズの電磁波シールド性は、例えば、アンリツ(株)製スペクトラムアナライザーMS623A測定機を用いて、100×100mm角の正方形に切り抜いた不織布片に周波数100Hz〜1000MHzの範囲の高周波ノイズを通過させ、不織布が無い場合の高周波ノイズの電界強度に対する不織布を通過させた場合の高周波ノイズの電界強度であるSE値を測定することにより以下の式を用いて求めることが出来る。
SE=20×log10/E (単位:dB)
ここで
(不織布片が無い場合の高周波ノイズの電界強度)
E(不織布片がある場合の高周波ノイズの電界強度)
本発明において、抗菌性の評価は、JIS L1902に記載の抗菌効力試験、例えば、大腸菌(E−coli IFO3301)に対するJIS L1902−1990のハローテスト抗菌効力試験を用いて菌を一定期間培養後の菌の増殖阻止効果を評価することが出来る。
本発明の不織布において、通気性はJIS L1096記載の方法に従って測定されるフラジール通気度によって求めることが出来る。フラジール通気度は、例えば、フラジール形通気度試験機、例えば株式会社安田精機製作所製No.415フラジール形通気度試験機を用いてクランプに固定された不織布試験片に135Paの差圧を設けた時に通過する空気量(単位はcm/cm・s=cm/秒である。)として求めることが出来る。本発明において通気性が良好であるとは、フラジール通気度が50cm/秒以上であり、より好ましくは100cm/秒以上であり、上限は特には設けないが、好ましくは800cm/秒であり、これより大きな通気度では電磁波シールド性や抗菌性の確保が困難になる場合がある。
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。
(実施例1)
30℃に温調され、攪拌羽根を1000rpmで回転させて攪拌されている下記の水溶液(1)に、25質量%水酸化アンモニウム水溶液を2質量部/分の流速で50分間添加し、生成した沈殿物をデカンテーション、水洗、乾燥して黒色粉末(1)を得た。黒色粉末のXRDおよびSEM画像の測定により、黒色粉末(1)が、ニッケルフェライトからなる平均粒径が10nmの球状の磁性微粒子(1)であることが分かった。
<水溶液(1)>
塩化第二鉄六水和物 Fe(III)Cl・6HO 8.0質量部
塩化第一鉄四水和物 Fe(II)Cl・4HO 1.5質量部
塩化ニッケル六水和物 Ni(II)Cl・6HO 3.5質量部
蒸留水を加えて全量 100質量部
特開2005−154181号公報の実施例に記載の方法を参考にして、下記のアパタイト前駆体水溶液(1)を95℃で6時間加熱後、3N水酸化ナトリウム水溶液100質量部を添加し、60rpmの回転数で95℃、3時間、溶液を攪拌羽根で攪拌し白色分散液(1)を得た。白色分散液(1)を静置し、生成した沈殿物を吸引ろ過、水洗、乾燥して白色粉末(1)を得た。白色粉末(1)のXRDおよびSEM画像の測定により、白色粉末(1)が、ヒドロキシアパタイトからなる平均短軸長0.2μm、平均長軸長18μm、アスペクト比90の針状のアパタイト(1)であることが分かった。
<アパタイト前駆体水溶液(1)>
蒸留水 2000質量部
塩化カルシウム二水和物 16質量部
リン酸アンモニウム 12質量部
尿素 32質量部
ポリエステル繊維(ユニチカ社製、#4080、繊度2デニール、繊維長5mm)50質量部に、針葉樹晒クラフトパルプ10質量部と蒸留水を加えてに混合し、不織布基材水分散物(1)を調製した。
<不織布基材分散物(1)>
ポリエステル繊維 50質量部
針葉樹晒クラフトパルプ 10質量部
蒸留水を加えて 100質量部
上記の不織布基材分散物(1)100質量部に、下記磁性微粒子+アパタイト分散液(1)100質量部を添加、混合し、水性スラリーを調製した。上該水性スラリーから円網抄紙機を用いて坪量100g/mの本発明の不織布(1)を作製した。
<磁性微粒子+アパタイト分散液(1)>
磁性微粒子(1) 10質量部
アパタイト(1) 20質量部
ポリビニルアルコール 5質量部
蒸留水を加えて 100質量部
(実施例2)
特開2006−199810号公報の実施例に記載の方法を参考にして下記のアパタイト前駆体水溶液(2)を25℃で2時間、超音波分散機で攪拌後、塩化カルシウム2水和物5質量部と25質量%水酸化アンモニウム5質量部を加え、4時間、超音波分散機で攪拌し白色分散液(2)を得た。白色分散液(2)を静置し、生成した沈殿物を吸引ろ過、水洗、乾燥して白色粉末(2)を得た。白色粉末(2)のXRDおよびSEM画像の測定により、白色粉末(2)が、ヒドロキシアパタイトからなる平均短軸長22nm、平均長軸長260nm、アスペクト比12の針状のアパタイト(2)であることが分かった。
<アパタイト前駆体水溶液(2)>
蒸留水 500質量部
リン酸カルシウム2水和物 5質量部
25質量%水酸化アンモニウム 5質量部
実施例1の磁性微粒子+アパタイト分散液(1)の代わりに、下記の磁性微粒子+アパタイト分散液(2)を用いる以外は、実施例1と同様にして、本発明の不織布(2)を作製した。
<磁性微粒子+アパタイト分散液(2)>
磁性微粒子(1) 10質量部
アパタイト(2) 20質量部
ポリビニルアルコール 5質量部
蒸留水を加えて全量 100質量部
(実施例3)
60℃に温調され、攪拌羽根を1000rpmで回転させて攪拌されている下記の磁性アパタイト前駆体分散液(3)に、25質量%水酸化アンモニウム水溶液を0.5質量部/分の流速で50分間添加し、生成した沈殿物をデカンテーション、水洗、乾燥して灰白色粉末(3)を得た。灰白色粉末(3)のXRDおよびSEM画像の測定により、灰白色粉末(3)がヒドロキシアパタイトからなる平均短軸長25nm、平均長軸長400nm、アスペクト比16の針状アパタイト上に平均粒径15nmのマグネタイトの磁性微粒子が形成された複合粒子である磁性アパタイト(3)であることが分かった。
<磁性アパタイト前駆体分散液(3)>
実施例2の白色粉末(2)(針状アパタイト) 5.00質量部
塩化第二鉄水和物Fe(III)Cl・6HO 0.80質量部
塩化第一鉄Fe(II)Cl・4HO 0.30質量部
蒸留水を加えて 100質量部
実施例1の磁性微粒子+アパタイト分散液(1)の代わりに、下記の磁性アパタイト分散液(3)を用いる以外は、実施例1と同様にして、本発明の不織布(3)を作製した。
<磁性アパタイト分散液(3)>
磁性アパタイト(3) 30質量部
蒸留水を加えて全量 100質量部
(実施例4)
50℃に温調され、攪拌羽根を1000rpmで回転させて攪拌されている下記の水溶液(4)に、25質量%水酸化アンモニウム水溶液を2質量部/分の流速で50分間添加し、生成した沈殿物をデカンテーション、水洗、乾燥して黒色粉末(4)を得た。黒色粉末のXRDおよびSEM画像の測定により、黒色粉末(4)が、ニッケルマンガンフェライトからなる平均粒径10nmの球状の磁性微粒子(4)であることが分かった。
<水溶液(4)>
塩化第二鉄六水和物Fe(III)Cl・6HO 8.0質量部
塩化第一鉄四水和物Fe(II)Cl・4HO 1.5質量部
塩化ニッケル六水和物 Ni(II)Cl・6HO 3.5質量部
塩化マンガン四水和物 Mn(II)Cl・4HO 2.0質量部
蒸留水を加えて全量 100質量部
特開2005−154181号公報に記載の方法を参考にして、下記のアパタイト前駆体分散液(4)を95℃で6時間加熱後、3N水酸化ナトリウム水溶液100質量部を添加し、60rpmの回転数で95℃、3時間、溶液を攪拌羽根で攪拌し灰白色分散液(4)を得た。灰白色分散液(4)を静置し、生成した沈殿物を吸引ろ過、水洗、乾燥して灰白色粉末(4)を得た。灰白色粉末(4)のXRDおよびSEM画像の測定により、灰白色粉末(4)が、ニッケルマンガンフェライトからなる磁性微粒子を結晶内部に包含する平均短軸長0.25μm、平均長軸長12μm、アスペクト比48の針状の磁性アパタイト(4)であることが分かった。
<アパタイト前駆体分散液(4)>
蒸留水 2000質量部
磁性微粒子(4) 20質量部
塩化カルシウム二水和物 16質量部
リン酸アンモニウム 12質量部
尿素 32質量部
実施例1の磁性微粒子+アパタイト分散液(1)の代わりに、下記の磁性アパタイト分散液(4)を用いる以外は、実施例1と同様にして、本発明の不織布(4)を作製した。
<磁性アパタイト分散液(4)>
磁性アパタイト(4) 30質量部
蒸留水を加えて 100質量部
(比較例1)
特開2007−314356号公報の実施例に記載の方法を参考にして下記のアパタイト前駆体分散液(5)を25℃30分間、超音波分散機で攪拌後、遠心分離により上澄みを除去した後の沈殿物に、1質量%のドデシル硫酸ナトリウム200質量部を加えて、塩化カルシウム2水和物5質量部と25質量%水酸化アンモニウム5質量部を加え、25℃5分間、超音波分散機で攪拌した後に上澄みを除去する操作を2度行った後、200℃で24時間加熱し、白色粉末(5)を得た。白色粉末(5)のXRDおよびSEM画像の測定により、白色粉末(5)が、ヒドロキシアパタイトからなる平均短軸長100nm、平均長軸長400nm、アスペクト比が4の針状のアパタイト(5)であることが分かった。
<アパタイト前駆体分散液(5)>
蒸留水 5000質量部
硝酸カルシウム4水和物Ca(NO・4HO 200質量部
25質量%水酸化アンモニウム 3質量部
リン酸水素二アンモニウム 180質量部
実施例1の磁性微粒子+アパタイト分散液(1)を用いる代わりに、下記の磁性微粒子+アパタイト分散液(5)を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較の不織布(5)を作製した。
<磁性微粒子+アパタイト分散液(5)>
磁性微粒子(1) 10質量部
アパタイト(5) 20質量部
ポリビニルアルコール 5質量部
蒸留水を加えて 100質量部
(比較例2)
実施例1の磁性微粒子+アパタイト分散液(1)を用いる代わりに、下記の磁性微粒子+アパタイト分散液(6)を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較の不織布(6)を作製した。
<磁性微粒子+アパタイト分散液(6)>
磁性微粒子(1) 10質量部
和光純薬工業(株)製球状アパタイトHAP−C−BEAD 20質量部
(平均粒径40μm、アスペクト比1.0)
ポリビニルアルコール 5質量部
蒸留水を加えて 100質量部
(比較例3)
実施例1の磁性微粒子+アパタイト分散液(1)を用いる代わりに、下記の磁性微粒子+アパタイト分散液(7)を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較の不織布(7)を作製した。
<磁性微粒子+アパタイト分散液(7)>
磁性微粒子(1) 10質量部
岩瀬コスファ(株)製板状HAP 20質量部
(平均粒径20μm アスペクト比0.2)
ポリビニルアルコール 5質量部
蒸留水を加えて全量 100質量部
(比較例4)
ポリエステル繊維(ユニチカ社製、#4080、繊度2デニール、繊維長5mm)40質量部に10質量部の銀を無電解メッキ法により被覆した銀メッキポリエスエル繊維を作製した。上記の銀メッキポリエステル繊維50質量部に、針葉樹晒クラフトパルプ10質量部と蒸留水を加えてに混合し、下記の不織布基材水分散物(8)を調製し、円網抄紙機を用いて坪量100g/mの比較の不織布(8)を作製した。
<不織布基材水分散物(8)>
銀メッキポリエステル繊維 50質量部
針葉樹晒クラフトパルプ 10質量部
蒸留水を加えて全量 100質量部
本発明の不織布(1)〜(4)および比較の不織布(5)〜(8)の電磁波シールド性の評価はIEC規格(IEC62333−1、IEC62333−2)に従い、以下のように行った。本発明の不織布(1)〜(4)および比較の不織布(5)〜(8)を100×100mm角の正方形に切り抜き、電波暗箱の窓部にセットし、アンリツ(株)製のトラッキングジェネレータMH628Aを用いて発生させた100Hz〜1000MHzの範囲の高周波電波ノイズを不織布に照射した時の、高周波ノイズの電磁波シールド性を、アンリツ(株)製スペクトラムアナライザーMS623A測定機を用いて測定した。不織布片が無い場合の電界ノイズに対する、不織布片がある場合の電界ノイズの割合SEは、下式で表され、100Hz〜1000MHzの範囲の高周波電波ノイズを変化させた時の極小値を示すSE値の大小により電磁波シールド性を評価した。大きいSE値を与える程、不織布による電波ノイズの減少が大きく、電磁波シールド性が良好であることを意味し、極小のSE値の大きさに応じて以下の5段階で評価を行った。結果を表1に示す。
<SE値>
SE=20×log10/E (単位はdB)
ここで
(不織布片が無い場合の高周波ノイズの電界強度)
E(不織布片がある場合の高周波ノイズの電界強度)
<電磁波シールド性の評価>
5:40以上
4:30以上40未満
3:20以上30未満
2:10以上20未満
1:10未満
本発明の不織布(1)〜(4)および比較の不織布(5)〜(8)の抗菌性の評価はJIS L1902に記載の抗菌効力試験に従って、以下のように行った。大腸菌(E−coli IFO3301)を液体培地(ペプトン・イースト)で24時間前培養し、希釈して試験液を調製した。本発明の不織布(1)〜(4)および比較の不織布(5)〜(8)を40℃、90%RHの環境条件で1ヶ月間放置する。取り出した不織布から試験片20mm×20mmを切り取り、上記試験液を5滴(0.1ml)滴下し、乾燥しないようにカバーして、25℃で24時間経時した。経時後、試験片のそれぞれをNutrient Broth寒天培地上に押し当て、試験片上の菌を転写させて剥離し、38℃で24時間培養し、寒天培地上の菌の生育を観察した。抗菌性の評価は、次の通りとした。結果を表1に示す。
<抗菌性の評価>
5:寒天培地に菌の成育がない
4:寒天培地に5コロニー以下の菌の成育がある
3:寒天培地に100コロニー以下の菌の成育がある
2:寒天培地に100コロニーを超える菌の成育がある
1:寒天培地の全面に菌の成育がある
本発明の不織布(1)〜(4)および比較の不織布(5)〜(8)の通気性はJIS L1096記載の方法に従って(株)安田精機製作所製No.415フラジール形通気度試験機を用いて測定した(単位はcm/秒である)通気度に応じて5段階評価を行った。結果を表1に示す。
5:通気度200以上800未満
4:通気度100以上200未満
3:通気度50以上100未満
2:通気度50未満
1:全く通気せず
Figure 2013241690
表1の結果から、本発明の不織布は良好な電磁波シールド特性、抗菌性、通気性を有することが判る。
本発明の抗菌性と通気性を有するフレキシブルで安価な不織布は、医療用途として、マスク、フィルター、創傷被覆材(ガーゼ)、医療用パッチ、医療用テープ、手術室、病室のカーテン、シーツ、医療機器保護カバー、窓用カーテン、壁紙、あるいは、電磁波アレルギー(過敏症)対策衣服などに有効である他、医療用途以外にも、宿泊施設、公共施設、乗り物、電子機器の包装材料、水質や大気を改善するための各種環境浄化用フィルターなど、様々な用途に利用することが出来る。

Claims (1)

  1. 磁性微粒子とアスペクト比が8以上の針状アパタイトを含有する事を特徴とする不織布。
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