JP2013240250A - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造が容易でコギングトルクの低い回転電機を提供する。
【解決手段】 本発明のある実施形態においては、回転子200と固定子100とフレーム部材300とを備えている回転電機1000が提供される。回転子は永久磁石を備えるものであり、固定子は略T字形状の複数のコアピース部材12、18を備えている。複数のコアピース部材は、環状配置となるように互いに組み合わせて一体構造にされる。フレーム部材の内側面310は複数のコアピース部材のうちの少なくともいくつかに接している。複数のコアピース部材は標準コアピース部材18と縮小コアピース部材12を有している。本発明の別の実施形態の回転電機1200は、固定子400が複数のコアピース部材42、48を備えており、複数のコアピース部材は標準コアピース部材48と拡大コアピース部材42を有している。
【選択図】図4

Description

本発明は永久磁石式回転電機に関する。さらに詳細には本発明は、複数のコアピース部材を組み合わせた固定子を有する永久磁石式回転電機に関する。
電動機などの回転電機では、小型化のために残留磁束密度の高い永久磁石を適用したり、高い密度で巻線を施したりする手法が採用されている。巻線の密度を高めるための一つの手法として、固定子の磁束を通すコア(固定子コア)を、コアピースと呼ばれる複数の部材により作製し、これらを環状に組み合わせる分割コアの手法が知られている。この手法では、コアピースを環状に組み合わせる前の段階で巻線を施すことができるため、巻線の占積率を高めることができる。
分割コアの手法には、一般に、一体構造の固定子を製造する場合に比べ、固定子の寸法精度を高めることが難しいという課題がある。最も典型的には、複数のコアピースを組み上げた固定子では内側面の真円度が悪化してしまう。真円度が悪化すると、固定子と回転子の間のギャップの形状が不均一となり磁気エネルギーの周方向の分布がアンバランスとなる。そして、この磁気的なアンバランスのために、永久磁石を含む回転子のトルク変動(コギングトルク)の波形には、回転子が1周する間に磁極の数だけ脈動する成分(いわゆる極数成分)が重畳することとなる。このように、分割コアの手法では、低下した寸法精度のためにコギングトルクのpeak to peak値が増大してしまう。
分割コアの手法においてコギングトルクの増加を抑える手法として、例えば特許文献1(特開2009−177907号公報)では、コアピースを外部から保持するフレーム内側面の形状を略多角形などとすることが開示されている。特許文献1では、固定子に加わるフレーム部材からの応力を制御し、固定子の内側面形状を真円に近づけることが提案されている。
特開2009−177907号公報
しかし、たとえば特許文献1における手法では、フレームの内側面を略多角形に加工する必要があり、所期の効果を得るための十分な精度で加工すると、その内側面を円筒面に加工するよりもコストが増大してしまう。
そこで本願の発明者らは、加工が容易な円筒面となるようにされた内側面を有するフレーム部材を利用してその内側面により各コアピースを保持することを前提として、固定子が回転子に面している内側面の真円度が悪化する原因を分析した。そしてその原因が2つの要因に大別できることができることを見出した。
第1の要因はフレーム部材の内側面形状の乱れである。フレーム部材の内側面形状は、円筒面となるように製造されてはいるものの、製造工程に起因する雑多な原因のために、ある部分がわずかに突出していたり、わずかに凹んでいたりする場合がある。そのような実際のフレーム部材を利用して、焼きばめ等でコアピースを固定すると、フレームからの応力が不均一にコアピースに作用し、コアピースは、所定の位置から外れた位置に固定される。
第2の要因はコアピース同士の嵌め合いである。実際のコアピース同士の嵌め合い部には若干の隙間を持たせることが多い。これは、コアの打抜きに使用する金型のショット数増加に伴う金型の磨耗で打抜き後のコアピースの形状が徐々に大きくなってしまうことを考慮したものである。つまり、実際のコアピースは、若干の隙間を意図的に持たせることにより、金型のショット数が増加した際にも、コアピース同士を嵌め合わせることができるようにされている。しかし、この隙間があるために、コアピースをフレーム部材により固定する際にコアピースがわずかながら移動する余地が残ってしまう。そしてフレーム部材からの上述の応力の不均一が作用すると、その応力の不均一がわずかなものであっても、コアピースは所定の位置から大きくずれてしまう。だからといって金型の摩耗は回避できないため、ショット数の増加に伴う金型の磨耗を勘案するとコアピースの嵌め合い形状を変更することは得策ではない。
図1は、従来の8極12スロットの表面磁石型回転電機の固定子900の構成を示す概略断面図である。図1(a)はコアピース8を組み合わせた固定子900がフレーム部材300により保持されている全体図であり、図1(b)はそのうちの一つのコアピース8を抜き出したものである。図1(b)のような形状となるように作製された12個のコアピース8それぞれに巻線(図示しない)を施す。そして図1(a)のように組み合わせて回転子200の周囲をなす環状に配置し、フレーム部材300を、コアピースの外側面に対し、焼きばめ等により固定する。こうしてフレーム部材300により、コアピース8、8が互いに固定される。また、各コアピース8のフレーム部材300の内側面310に対し接すべき面82は、所定の半径Rの円筒面の一部をなす円筒面要素となっている。各コアピース8には、例えば隣接するコアピース8と接する面に、互いに嵌めあいの関係となる凸部86および凹部88が形成されている。一般に、コアピース8は、図1(b)の形状に電磁鋼板を金型により打ち抜いて積み重ねられる。上記第1の要因は、フレーム部材300の内側面310の真円度に関連している。つまり、このフレーム部材300は内側面310が円筒面となるように作製されているが、実際には加工精度の影響によりわずかに真円からずれていることが上記第1の要因である。また、上記第2の要因は、コアピース8同士の嵌め合いにおける凸部86および凹部88の形状精度に許容誤差を残さざるを得ないことと関連している。
理想的には、加工精度を向上させることにより第1の要因への対策ができれば、第2の要因も解消する。しかし、フレーム部材300の内側面310を機械加工により円筒面とするべく作製しても、なおその際の残余の形状誤差が問題となるのが実情である。しかも、その形状誤差を極限まで削減することは、加工コストの上昇を伴い生産量を低下させることとなる。
本発明は、複数のコアピースを利用する分割コアの手法を採用する永久磁石式の回転電機において、製造が容易でコギングトルクを軽減した構造を提供することにより、高性能な回転電機を低廉に提供することに貢献するものである。
本願の発明者は、比較的真円度が悪いフレーム部材を用いてもその真円度の悪さが固定子の内側面形状に影響を及ぼしにくい手法を検討した。具体的には、真円度を高めるために特殊な加工をしないようなフレーム部材300を採用できるようにするために、フレーム部材300の内側面310の真円度が固定子の内側面の形状に影響しにくいような構成を探索することとした。そして最終的に機械加工に過度な精度を要さず加工コストの上昇につながりにくい構造の回転電機を創出した。
すなわち、本発明のある態様においては、永久磁石を含む回転子と、該回転子を周方向に取り囲む環状配置となるように互いに組み合わせて一体構造にされる略T字形状の複数のコアピース部材を備える固定子と、円筒面をなすべく作製された内側面を有し、前記固定子における前記複数のコアピース部材のうちの少なくともいくつかに対し該内側面が接することにより前記複数のコアピース部材を前記環状配置に保持するためのフレーム部材とを備えてなり、前記複数のコアピース部材は、前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が所定の半径の円筒面の一部をなす円筒面要素となっている標準コアピース部材と、前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が該標準コアピース部材の前記円筒面要素より奥まって形成されている縮小コアピース部材とを有しているものであり、前記固定子は、前記フレーム部材の前記内側面の各位置のうち理想的円筒面から内側に突出している位置に対応する前記環状配置の周方向位置に前記縮小コアピース部材を配置したものである回転電機が提供される。
また、本発明のある態様においては、永久磁石を含む回転子と、該回転子を周方向に取り囲む環状配置となるように互いに組み合わせて一体構造にされる略T字形状の複数のコアピース部材を備える固定子と、円筒面をなすべく作製された内側面を有し、前記固定子における前記複数のコアピース部材のうちの少なくともいくつかに対し該内側面が接することにより前記複数のコアピース部材を前記環状配置に保持するためのフレーム部材とを備えてなり、前記複数のコアピース部材は、前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が所定の半径の円筒面の一部をなす円筒面要素となっている標準コアピース部材と、前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が該標準コアピース部材の前記円筒面要素より突出して形成されている拡大コアピース部材とを有しているものであり、前記固定子は、前記フレーム部材の前記内側面の各位置のうち理想的円筒面から外側に奥まっている位置に対応する前記環状配置の周方向位置に前記拡大コアピース部材を配置したものである回転電機も提供される。
本発明の各態様において、フレーム部材の内側面は、円筒面をなすべく作製されている。この内側面は、円筒面となるように任意の加工手段によって形状が整えられているものの、加工精度の影響により幾何学的に完全な円筒面となっているわけではない。そのため、この内側面は、真円度などの指標により相対的な形状精度や寸法精度が評価される現実の物体の表面である。また、コアピース部材のフレーム部材の内側面に対し接すべき面は、フレーム部材の内側面に対して対向する配置となる面であって、もし内側面が理想的な円筒面であったときに内側面に接することとなる面と同様の位置に形成される面をいう。なお、本出願において、明示的な関心をもって形状精度や寸法精度を取り扱う形状はフレーム部材の内側面、その内側面に接すべきコアピース部材の面、そして、回転子に対向するコアピース部材の内側面のみである。ただし、このことは、他の形状が幾何学的に理想的なものであることを意味してはいない。
本発明のいずれかの態様においては、製造が容易な永久磁石式回転電機においてコギングトルクを低減させることが可能となる。
従来の8極12スロットの表面磁石型回転電機の固定子の構成を示す概略断面図である。図1(a)はコアピースを組み合わせた固定子がフレーム部材により保持されている全体図であり、図1(b)はそのうちの一つのコアピースを抜き出したものである。 従来および本発明の実施形態における回転電機におけるフレーム部材の製造例の内側面の形状精度の実測の測定例のグラフである。 従来の固定子の内側面の形状を同様に実測した測定例のグラフである。 本発明の実施形態における回転電機の主要部分を、回転軸を横切って示す概略断面図である。 本発明の実施形態の縮小コアピース部材の構造例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態の回転電機に採用される固定子の具体的構造を示す概略断面図である。 本発明の実施形態の回転電機に採用される固定子の具体的構造を示す概略断面図である。 本発明の実施形態の回転電機に採用される固定子の具体的構造を示す概略断面図である。 本発明の実施形態における回転電機の主要部分を、回転軸を横切って示す概略断面図である。 本発明の実施形態における回転電機に採用される固定子の拡大コアピース部材の具体的構造を示す概略断面図である。 本発明の実施形態と比較例の実際の固定子の内側面の真円度の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る回転電機およびその製造方法の実施形態を図面に基づいて説明する。当該説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示されてはいない。さらに、本実施形態において説明する回転電機の極数、スロット数、回転子や回転子の形状などは説明のための例示のものに過ぎない。
[フレーム部材と固定子の内側面の形状精度]
図2は、従来および本実施形態の回転電機におけるフレーム部材300の製造例の内側面の形状精度の実測の測定例のグラフである。図2は、測定点が中心に近くプロットされているほどフレーム部材300の内側面が内側に突出していることを示している。図2に示すように、フレーム部材300の内側面は、必ずしも幾何学的に理想的な円とはならない。図2に示した実測例では、紙面上の方向を時計の文字盤で示した場合の12時、3時、6時、および9時の4つの位置が、内側に向かって突出している。
図3は、従来の固定子900(図1)の内側面の形状を同様に実測した測定例のグラフである。この形状測定の対象の固定子900は、単一の種類のコアピース部材8のみを組み合わせて図1のように作製した従来の回転電機の固定子である。その際、図2にて実測したフレーム部材300そのものを利用している。図3と図2の比較から、固定子900の内側面にフレーム部材300の内側面の形状が反映されているといえる。具体的には、固定子900の内側面も上記4つの位置において内側に突出し、真円度が悪化していることを確認した。従来の固定子900を用いて回転電機を構成すると、コギングトルクに極数成分が重畳し、コギングトルクのpeak to peak値も増大してしまう。
[第1実施形態:縮小コアピース部材]
そこで本実施形態においては、コアピース部材8と同様の形状の標準コアピース部材18に加え、形状が変更されたコアピース部材をも採用することとした。図4は、本実施形態の回転電機1000の主要部分を、回転軸を横切って示す概略断面図である。回転電機1000は回転子200と固定子100とフレーム部材300とを備えている。回転子200は永久磁石(図示しない)を備えており、例えば表面の円筒面状に極数に応じた数だけ貼り付けられている。固定子100は略T字形状の複数のコアピース部材12、18を備えている。複数のコアピース部材12、18は、回転子200を周方向に取り囲む環状配置となるように互いに組み合わせて一体構造にされる。フレーム部材300は複数のコアピース部材12、18を上記環状配置となるように保持している。つまり、複数のコアピース部材12、18の一体構造は、フレーム部材300により維持される。フレーム部材300は円筒面をなすべく作製された内側面310を有している。そして、フレーム部材300は固定子100における複数のコアピース部材12、18のうちの少なくともいくつかに対し内側面310が接している。この内側面310により、複数のコアピース部材12、18が環状配置に保持されている。
複数のコアピース部材12、18は、標準コアピース部材18と縮小コアピース部材12を有している。標準コアピース部材18は、フレーム部材300の内側面310に対し接すべき面182が所定の半径Rの円筒面の一部をなす円筒面要素となっている。
図5は、縮小コアピース部材12の構造例を示す概略断面図である。比較のため、図56には標準コアピース部材18の面182も示している。図5に示すように、縮小コアピース部材12では、フレーム部材300の内側面310に対し接すべき面122が、標準コアピース部材18の上記円筒面要素より奥まって形成されている。
再び図4に戻ると、固定子100は、縮小コアピース部材12が配置されている環状配置の周方向位置は、フレーム部材300の内側面310の各位置のうち理想的円筒面から内側に突出している位置に対応させている。典型的には、フレーム部材300が図2に示した4つの位置を内側に突出させているものである場合、縮小コアピース部材12は、各突出位置に対応させて、12時、3時、6時、および9時の位置に配置される。
このような縮小コアピース部材12の位置を決定するためには、必要に応じて、作製されたフレーム部材300の形状を全数測定して、個別のフレーム部材300の作製ばらつきに応じて縮小コアピース部材12の配置を決定することも可能である。ただし、実際に同一の製造工程で作製されたいくつかのフレーム部材300を対象に内側面の形状を測定したところ、図2と同様の測定値の分布がいずれのフレーム部材300においても測定された。本願の発明者らは、フレーム部材300において真円度が悪化している技術的理由については必ずしも特定していないものの、再現性つまり系統的な誤差が生じることを確認している。このため、フレーム部材300の製造品のすべてを対象にした内側面310の形状測定は通常、必要にはならないと推測している。
回転電機1000においては、従来であればフレーム部材300から強い応力が加わることで内側に突出しやすかった周方向の位置に、4つの縮小コアピース部材12が配置される。これらの縮小コアピース部材12に対する内側面310からの応力は、少なくとも、標準コアピース部材18をそこに配置した場合に比べて低減されておりあまり加わらない。その結果縮小コアピース部材12の内側への突出は抑制され、固定子100の内側面の形状がより真円に近づくこととなる。
[縮小コアピース部材の具体的形状]
上述したように、縮小コアピース部材12は、フレーム部材300の内側面310に対し接すべき面122が、標準コアピース部材18の円筒面要素である面182より奥まって形成されている。縮小コアピース部材12の面122は、より具体的ないくつかの形状とすることができる。図6〜図8は、本実施形態の回転電機に採用される固定子の具体的構造を示す概略断面図である。図6〜図8それぞれの(a)は固定子の全体を示し、(b)は縮小コアピース部材の構造を示す。
図6に示すように、本実施形態の一例の縮小コアピース部材12Aは、フレーム部材300の内側面310に対し接すべき面122Aが、回転子200の回転中心220を軸とし、所定の半径Rより小さい半径R1の円筒面の一部をなす面である。
図7に示すように、本実施形態の別例の縮小コアピース部材12Bは、フレーム部材300の内側面310に対し接すべき面122Bが、回転子200の回転中心220を軸とする所定の半径Rの円筒面の一部をなす円筒面要素から、その一部を平面124により切り取って得られる面となっている。
図8に示すように、本実施形態のさらに別例の縮小コアピース部材12Cは、フレーム部材300の内側面310に対し接すべき面122Cが、回転子200の回転中心220より遠くに軸を有し、所定の半径Rより大きい半径R2の円筒面の一部をなす面となっている。
ここに述べた幾何学的形状の面122A〜Cは、縮小コアピース部材12の面122のための非限定的な例である。具体例として示した面122A〜Cまたは他の形状の面122を採用することにより、実際に製造されるフレーム部材300の形状に応じ固定子100の内側面の形状精度を高めることが可能となる。
[第2実施形態:拡大コアピース部材]
本発明は、第1実施形態と関連する別の実施形態として実施することもできる。第2実施形態の回転電機1200は、回転子200、フレーム部材300が回転電機1000と同様に構成されている。第1実施形態との相違点は、固定子400が第1実施形態の固定子100とは変更されていることである。以下、第2実施形態を第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図9は、本実施形態における回転電機1200の主要部分を、回転軸を横切って示す概略断面図である。固定子400は、標準コアピース部材48と拡大コアピース部材42を有している。標準コアピース部材48は、フレーム部材300の内側面310に対し接すべき面482が所定の半径の円筒面の一部をなす円筒面要素となっている。これに対し、拡大コアピース部材42は、フレーム部材300の内側面310に対し接すべき面422が標準コアピース部材48の上記円筒面要素より突出して形成されている。そして、固定子400は、拡大コアピース部材42が配置されている環状配置の周方向位置を、フレーム部材300の内側面310の各位置のうち理想的円筒面から外側に奥まっている位置に対応させて配置したものである。
回転電機1200においては、標準コアピース部材48を配置したときにフレーム部材300から浮いてしまい、固定のための応力が殆ど加わらないためにずれやすかった周方向の位置に拡大コアピース部材42が配置される。この拡大コアピース部材42には、内側面310の適度な応力が加わるため、拡大コアピース部材42は適正な位置に配置され、固定子400の内側面の形状がより真円に近づくこととなる。
[拡大コアピース部材の具体的形状]
拡大コアピース部材42は、フレーム部材300の内側面310に対し接すべき面122が、標準コアピース部材48の円筒面要素である面482より突出して形成されている。拡大コアピース部材42の面422は、より具体的ないくつかの形状とすることができる。図10は、本実施形態の回転電機に採用される固定子400の拡大コアピース部材の具体的構造を示す概略断面図である。
図10(a)は、本実施形態の一例の拡大コアピース部材42Aの構造を示す概略断面である。拡大コアピース部材42Aは、フレーム部材300の内側面310に対し接すべき面422Aが、回転子200の回転中心220を軸とし、所定の半径Rより大きい半径R3の円筒面の一部をなす面である。
図10(b)は、本実施形態の一例の拡大コアピース部材42Bの構造を示す概略断面である。拡大コアピース部材42Bは、フレーム部材300の内側面310に対し接すべき面422Bが、回転子200の回転中心220より近くに軸を有する所定の半径Rより小さい半径R4の円筒面の一部をなす面である。
ここに述べた幾何学的形状の面422AおよびBは、拡大コアピース部材42の面422のための非限定的な例である。具体例として示した面422AおよびBまたは他の形状の面422を採用することにより、実際に製造されるフレーム部材300の形状に応じ固定子400の内側面の形状精度を高めることが可能となる。
[測定例]
次に、第1実施形態において、4つのコアピース部材の外側面の半径をその他の8つのコアピース部材の外側面の半径よりも50μm小さくした縮小コアピース部材12Aを利用して固定子の実施例サンプルを作製し、図3と同様の真円度を測定した。測定した実施例サンプルのフレーム部材300は、図2と同様の精度で同様の真円度を有すると信じることができる工程で作製されたものであり、事前に真円度を測定したところ、図2と同様の形状であった。その測定結果を真円度のグラフとして図11に示す。図11には、比較のため、従来の固定子900の測定例(図3)を比較例サンプルとして示す。図11の真円度の値は、図3における形状の最も内側に突出した位置と最も外側に奥まっている位置との双方の中心軸からの距離の差である。したがって、真円度は値が小さいほど真円に近いことを示す指標である。なお、上記の外側面の半径における50μmの相異は、製造工程において意図的に形状を変更して造り分けることにより得られた値である。
図11に示すように、実施例サンプルの真円度は、比較例サンプルの場合に比べ約40%程度小さくなり、固定子の内側面の形状精度が大きく改善された。
[変形例]
図6〜図8に示した縮小コアピース部材12A、12B、および12Cは、それぞれを採用する固定子100A、100B、および100Cにおいて、単一種類の形状のものであることは要さない。例えば固定子100Aにおいて、縮小コアピース部材12Aには、互いに異なる半径の外側面有する複数種の縮小コアピース部材12Aが含まれている場合がある。
さらに、上記第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせた構成も本出願の実施形態の一つとなる。例えば、標準コアピース部材18に加えて縮小コアピース部材12Aと拡大コアピース部材42Aとを一つの回転電機の固定子に採用することもできる。
そして、上記第1実施形態における所定の半径Rと(図6〜8)と第2実施形態の所定の半径R(図10)は、同一のフレーム部材300に対しても同一である必要はない。したがって、例えば、全く同一の固定子の作製例が、図4の固定子100に該当すると同時に図9に示した固定子400にも該当する場合がある。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態および実施例は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づき定められるべきものである。また、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明の回転電機は電動機等の動力源として利用可能である。
18、48 標準コアピース部材
1000、1200 回転電機
200 回転子
220 回転中心
300 フレーム部材
310 内側面
100、100A、100B、400 固定子
12、12A、12B、12C 縮小コアピース部材
122、122A、122B、122C、182 内側面に対し接すべき面
124 平面
42、42A、 42B 拡大コアピース部材
422、422A、422B、482 内側面に対し接すべき面
R1、R2 半径

Claims (7)

  1. 永久磁石を含む回転子と、
    該回転子を周方向に取り囲む環状配置となるように互いに組み合わせて一体構造にされる略T字形状の複数のコアピース部材を備える固定子と、
    円筒面をなすべく作製された内側面を有し、前記固定子における前記複数のコアピース部材のうちの少なくともいくつかに対し該内側面が接することにより前記複数のコアピース部材を前記環状配置に保持するためのフレーム部材と
    を備えてなり、
    前記複数のコアピース部材は、
    前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が所定の半径の円筒面の一部をなす円筒面要素となっている標準コアピース部材と、
    前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が該標準コアピース部材の前記円筒面要素より奥まって形成されている縮小コアピース部材と
    を有しているものであり、
    前記固定子は、前記フレーム部材の前記内側面の各位置のうち理想的円筒面から内側に突出している位置に対応する前記環状配置の周方向位置に前記縮小コアピース部材を配置したものである
    回転電機。
  2. 前記縮小コアピース部材は、前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が、前記回転子の回転中心を軸とし、前記所定の半径より小さい半径の円筒面の一部をなす面である
    請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記縮小コアピース部材は、前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が、前記回転子の回転中心を軸とする前記所定の半径の円筒面の一部をなす円筒面要素から一部を平面により切り取って得られる面である
    請求項1に記載の回転電機。
  4. 前記縮小コアピース部材は、前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が、前記回転子の回転中心より遠くに軸を有する前記所定の半径より大きい半径の円筒面の一部をなす面である
    請求項1に記載の回転電機。
  5. 永久磁石を含む回転子と、
    該回転子を周方向に取り囲む環状配置となるように互いに組み合わせて一体構造にされる略T字形状の複数のコアピース部材を備える固定子と、
    円筒面をなすべく作製された内側面を有し、前記固定子における前記複数のコアピース部材のうちの少なくともいくつかに対し該内側面が接することにより前記複数のコアピース部材を前記環状配置に保持するためのフレーム部材と
    を備えてなり、
    前記複数のコアピース部材は、
    前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が所定の半径の円筒面の一部をなす円筒面要素となっている標準コアピース部材と、
    前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が該標準コアピース部材の前記円筒面要素より突出して形成されている拡大コアピース部材と
    を有しているものであり、
    前記固定子は、前記フレーム部材の前記内側面の各位置のうち理想的円筒面から外側に奥まっている位置に対応する前記環状配置の周方向位置に前記拡大コアピース部材を配置したものである
    回転電機。
  6. 前記拡大コアピース部材は、前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が、前記回転子の回転中心を軸とし、前記所定の半径より大きい半径の円筒面の一部をなす面である
    請求項5に記載の回転電機。
  7. 前記拡大コアピース部材は、前記フレーム部材の前記内側面に対し接すべき面が、前記回転子の回転中心より近くに軸を有する前記所定の半径より小さい半径の円筒面の一部をなす面である
    請求項5に記載の回転電機。
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