JP2013239790A - 表面実装型圧電発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型化高周波化に対応させ、耐衝撃性能の優れた表面実装型圧電発振器を提供する。
【解決手段】 平面視矩形状の収納部と複数の配線部が形成された絶縁性のベース1と、集積回路素子2と、平面視矩形状の圧電振動素子3とを有する表面実装型圧電発振器であって、ベースの収納部の一短辺側で圧電振動素子の一短辺と接合する保持台と、ベースの収納部の他短辺側の一部で、保持台と同じ高さかそれより低い圧電振動素子の他短辺用の第1枕台と、ベースの収納部の両長辺側の一部で、第1枕台と同じ高さかそれより低い圧電振動素子の両長辺用の第2枕台と第3枕台とを有しており、前記ベースの収納部の他短辺側と両長辺側のうち第1枕台と第2枕台と第3枕台が形成されていない他の領域には、各枕台より低い位置に形成された集積回路素子用の第1配線部、第2配線部、第3配線部が形成されてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 平面視矩形状の収納部と複数の配線部が形成された絶縁性のベース1と、集積回路素子2と、平面視矩形状の圧電振動素子3とを有する表面実装型圧電発振器であって、ベースの収納部の一短辺側で圧電振動素子の一短辺と接合する保持台と、ベースの収納部の他短辺側の一部で、保持台と同じ高さかそれより低い圧電振動素子の他短辺用の第1枕台と、ベースの収納部の両長辺側の一部で、第1枕台と同じ高さかそれより低い圧電振動素子の両長辺用の第2枕台と第3枕台とを有しており、前記ベースの収納部の他短辺側と両長辺側のうち第1枕台と第2枕台と第3枕台が形成されていない他の領域には、各枕台より低い位置に形成された集積回路素子用の第1配線部、第2配線部、第3配線部が形成されてなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、絶縁性のベース上に圧電振動素子と集積回路素子が実装された表面実装型圧電発振器に関するものであって、特に表面実装型圧電発振器のパッケージ構造を改善するものである。
水晶振動板等の圧電振動素子を用いた圧電発振器は、安定して精度の高い発振周波数を得ることができるため、電子機器等の基準周波数源として多種の分野で使用されている。表面実装型圧電発振器では、特許文献1にも示すように、絶縁性のベースとしてセラミック多層基板を用い、当該ベースの収納部に発振回路用の集積回路素子を配置するとともに、当該集積回路素子の上方に水晶振動板を支持固定し、蓋により気密封止を行ったものである。このような構成はC−MOS等のインバータ増幅器(発振用増幅器)を内蔵したワンチップの集積回路素子のカスタム化により比較的部品点数が少なく、シンプルな構成であり、低コスト化に寄与している。
しかしながら、この様な表面実装型圧電発振器では落下などの衝撃が加わると、圧電振動素子が撓んで集積回路素子と接触して圧電振動素子自身を破損させたり、ベースと集積回路素子の配線部分を傷つけたりするという問題があった。これは表面実装型圧電発振器が小型化低背化されるか、あるいは高周波化により薄型化された圧電振動子を用いるとより顕著な問題となってくる。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、小型化高周波化に対応させながら、耐衝撃性能の優れたより信頼性の高い表面実装型圧電発振器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の特許請求項1に示すように、平面視矩形状の収納部が構成され、前記収納部に複数の配線部が形成された絶縁性のベースと、前記ベースの配線部の一部と電気的に接続される集積回路素子と、前記集積回路素子と同じ収納部に収納されるとともに前記集積回路素子の上部に配置され、前記ベースの配線部の他の一部と導電性接合材を介して電気的に接続される平面視矩形状の圧電振動素子とを有する表面実装型圧電発振器であって、前記ベースの収納部には、前記ベースの収納部の一短辺側に前記圧電振動素子の一短辺と接合される圧電振動素子用の配線部が形成された保持台と、前記ベースの収納部の一短辺側に対向する他短辺側の一部に、前記保持台と同じ高さかそれより低い前記圧電振動素子の一短辺に対向する他短辺用の第1枕台と、前記ベースの収納部の一長辺側の一部に、前記第1枕台と同じ高さかそれより低い前記圧電振動素子の一長辺用の第2枕台と、前記ベースの収納部の一長辺側に対向する他長辺側の一部に、前記第2枕台と同じ高さの前記圧電振動素子の一長辺に対向する他長辺用の第3枕台とを有しており、前記ベースの収納部の他短辺側のうち前記第1枕台が形成されていない他短辺側の他の領域には、前記第1枕台より低い位置に形成された集積回路素子用の第1配線部が形成されており、前記ベースの収納部の一長辺側のうち前記第2枕台が形成されていない一長辺側の他の領域には、前記第2枕台より低い位置に形成された集積回路素子用の第2配線部が形成され、前記ベースの収納部の他長辺側のうち前記第3枕台が形成されていない他長辺側の他の領域には、前記第3枕台より低い位置に形成された集積回路素子用の第3配線部が形成されてなることを特徴とする。
上記構成により、前記ベースの収納部には、前記ベースの収納部の一短辺側に前記圧電振動素子の一短辺と接合される圧電振動素子用の配線部が形成された保持台と、前記ベースの収納部の一短辺側に対向する他短辺側の一部に、前記保持台と同じ高さかそれより低い前記圧電振動素子の一短辺に対向する他短辺用の第1枕台と、前記ベースの収納部の一長辺側の一部に、前記第1枕台と同じ高さかそれより低い前記圧電振動素子の一長辺用の第2枕台と、前記ベースの収納部の一長辺側に対向する他長辺側の一部に、前記第2枕台と同じ高さの前記圧電振動素子の一長辺に対向する他長辺用の第3枕台とを有していることで、表面実装型圧電発振器では落下などの衝撃が加わると、最初に自由端である圧電振動素子の他短辺が第1枕台に接触し、さらに圧電振動素子の2つの長辺(一長辺と他長辺)に撓みが生じても、第2枕台と第3枕台に接触させることで、この撓みがさらに拡大することが抑制できる。その結果、圧電振動素子と集積回路素子とが接触することがなくなり、圧電振動素子自身を破損させない。
また、前記ベースの収納部の他短辺側のうち前記第1枕台が形成されていない他短辺側の他の領域には、前記第1枕台より低い位置に形成された集積回路素子用の第1配線部が形成されており、前記ベースの収納部の一長辺側のうち前記第2枕台が形成されていない一長辺側の他の領域には、前記第2枕台より低い位置に形成された集積回路素子用の第2配線部が形成され、前記ベースの収納部の他長辺側のうち前記第3枕台が形成されていない他長辺側の他の領域には、前記第3枕台より低い位置に形成された集積回路素子用の第3配線部が形成されているので、前記第1乃至第3の配線部は前記第1乃至第3の枕台により圧電振動素子が直接接触することがなくなるため、第1乃至第3の配線部を傷つけることが一切なくなる。しかも前記第1乃至第3の配線部は、前記第1乃至第3の枕台に隣接するベースの収納部の他短辺側、あるいは一長辺側、他長辺側に沿って形成されているので、各配線部の形成に伴ってベースの収納部の面積を不要に拡大することがない。
以上のように、本発明は、小型化高周波化に対応させながら、耐衝撃性能の優れたより信頼性の高い表面実装型圧電発振器を提供することができる。
以下、本発明による好ましい実施形態につきセラミック多層基板のベースを用いた表面実装型水晶発振器(表面実装型圧電発振器)を例にとり図面とともに説明する。図1乃至図4は本発明の実施例を示し、図1は本発明の実施例を示した封止前の表面実装型圧電発振器の平面図であり、図2は図1のA−A線に沿った断面図であり、図3は図1の集積回路素子を搭載し圧電振動素子を搭載する前のベースの平面図である。図4は変形例を示す集積回路素子を搭載し圧電振動素子を搭載する前のベースの平面図である。
表面実装型水晶発振器6は、上部のみが開口した凹部を有する絶縁性のセラミック多層基板からなるベース1と、ベース1の凹部の内底面111に収納される集積回路素子2と、同じくベース1の凹部の集積回路素子の上部に収納される圧電振動素子3と、ベースの開口部に接合される蓋4とからなる。この表面実装型水晶発振器では、ベース1と蓋4とが後述する封止材5を用いて加熱溶融接合されて気密封止され、表面実装型水晶発振器6が構成されている。
セラミック多層基板のベース1は全体として直方体で、最下層であるアルミナ等の絶縁性のセラミック材料からなる平面視矩形状の一枚板の底部11と、この底部11上に積層した下部中間層のセラミック材料の平面視枠形状の堤部12と、この底部12上に積層した上部中間層のセラミック材料の平面視枠形状の堤部13と、最上層のセラミック材料の平面視枠形状の堤部14とから構成され、平面視矩形状で断面視凹形の収納部10を有する箱状体に形成されている。収納部10の周囲には堤部(側壁部)12,13,14が形成されており、堤部14の上面(端面)は平坦に形成されている。収納部10は平面視矩形状であり第1の収納部10a(下部収納部)と第2の収納部10b(上部収納部)からなり、それぞれ集積回路素子2と圧電振動素子3が収納される。なお、セラミック多層基板として本形態のように4層構造のベースに限定されるものではなく、ベースの収納部の構造に応じて単層や2層や3層の構成でもよく、5層以上で構成してもよい。
セラミック多層基板のベース1の最上層である堤部14の上面(端面)は平坦であり、後述する蓋4との接合領域(金属膜)14aである。この接合領域14aは、タングステンあるいはモリブデン等のメタライズ材料からなるメタライズ層と、このメタライズ層に積層されたニッケル層と、このニッケル層に積層された金層とから構成される。タングステンあるいはモリブデンは厚膜印刷技術を活用してメタライズ技術によりセラミック焼成時に一体的に形成され、メタライズ層上にニッケル層、金層の順でメッキ形成される。
ベース1の外周壁の四隅には上下方向に伸長する複数のキャスタレーションC1,C2,C3,C4が形成されている。当該キャスタレーションはベースの外周壁に対して円弧状の切り欠きが上下方向に形成された構成である。なお、接合領域14aはベースの堤部12,13,14を上下に貫通接続する導電ビアV2やキャスタレーションC2上部に形成された図示しない配線パターンのいずれか少なくとも一方により、ベース底面側に形成された図示しない搭載用外部端子パッドに電気的に導出されている。当該搭載用外部端子パッドをアース接続することにより、後述する金属製の蓋が接合領域14a、導電ビアやキャスタレーション上部の配線パターン等を介して接地され、表面実装型水晶発振器の電磁気的なシールド効果を得ることができる。
ベース1の内部において、下方面には前記堤部(側壁部)12,13により構成され、集積回路素子2を収納する平面視略矩形状の第1の収納部10aが形成されている。第1の収納部10aは、前記堤部(側壁部)12により構成された集積回路素子の本体を収納する部分(内底面111)と、前記堤部(側壁部)13により構成されるとともに一部の堤部(側壁部)12の上面部が露出した下中段部121に接続される集積回路素子のワイヤを収納する部分とから構成されている。また第1の収納部10aの上方には前記堤部(側壁部)14により構成された平面視矩形状の第2の収納部10bが形成されている。
第2の収納部10bの一短辺101b側には、前記堤部(側壁部)13の一部の上面部が露出して上中段部131として構成された後述する圧電振動素子の一短辺3Aと接合される圧電振動素子用の配線部(第4内部端子パッドNT7,NT8)が形成された保持台10cが形成されており、第2の収納部の他短辺102b側の一部(本形態では中央部分のみ)には、同じ上中段部として構成された後述する圧電振動素子の他短辺3B用の第1枕台10dが第1の収納部10aを介して保持台10cと対向位置に形成されている。第2の収納部の一長辺103b側の一部(本形態では中央部分のみ)には、同じ上中段部として構成された後述する圧電振動素子の一長辺3C用の第2枕台10eが形成されており、第2の収納部の他長辺104b側の一部(本形態では中央部分のみ)には、同じ上中段部として構成された後述する圧電振動素子の他長辺3D用の第3枕台10fが第1の収納部10aを介して第2枕台10eと対向位置に形成されている。これら第2枕台10e,10fは、一長辺103bと他長辺104bのうち前記保持台10cの第2の収納部10b側の端部までの距離と第1枕台10dの第2の収納部10b側の端部までの距離が均等になる約1/2の位置に形成している。また、これらの第1枕台10dと第2枕台10eと第3枕台10fとは同じ高さで構成されているが、保持台10cに対して圧電振動素子用の配線部(第4内部端子パッドNT7,NT8)の厚みの分だけ低く形成されている。なお、第2枕台10eと第3枕台10fとは、第1枕台10dに対して低く構成してもよい。
また上述の各枕台(第1枕台10d、第2枕台10e、第3枕台10f)として、第2の収納部の各辺(他短辺102b、一長辺103b、他長辺104b)に一つだけ構成したものを開示しているが、第2の収納部の各辺(他短辺102b、一長辺103b、他長辺104b)に2つ以上に分割して構成してもよい。この時より好ましくは第2の収納部の各辺(他短辺102b、一長辺103b、他長辺104b)に対して等間隔で分割することで落下衝撃時の応力を均等に分散させるうえでより望ましい。図4では例えば第1枕台を他短辺102bの1/4の位置で3分割に構成した。
セラミック多層基板のベース1の堤部(側壁部)12の上面(前記第1の収納部10aの下中段部121)には、後述する集積回路素子2と接続される集積回路素子用の配線部(複数の矩形状の内部端子パッドNTとこれらを延出する配線パターンH)が並んで形成されている。つまり第2の収納部の他短辺側102bのうち第1枕台10dが形成されていない他短辺側の他の領域(本形態では両端部)には、第1枕台より低い位置である下中段部121の上面に形成された集積回路素子用の第1配線部(第2内部端子パッドNT3,NT4と、これらをそれぞれ延出する第2配線パターンH3,H4)が形成され、第2の収納部の一長辺側103bのうち第2枕台10eが形成されていない一長辺側の他の領域(本形態では保持台10c側)には、第2枕台より低い位置である下中段部121の上面に形成された集積回路素子用の第2配線部(第3内部端子パッドNT5と、これを延出する第3配線パターンH5)が形成され、第2の収納部の他長辺側104bのうち第3枕台10fが形成されていない他長辺側の他の領域(本形態では保持台10c側)には、第3枕台より低い位置である下中段部121の上面に形成された集積回路素子用の第3配線部(第3内部端子パッドNT6と、これを延出する第3配線パターンH6)が形成されている。
より具体的には図3に示すように、セラミック多層基板のベース1の堤部(側壁部)12の上面(前記第1の収納部10aの下中段部121)の内部端子パッドNTとして、後述する圧電振動素子3と電気的に接続されかつ集積回路素子2の第1パッド21,22と接続される2つの第1内部端子パッドNT1,NT2と、後述する集積回路素子2の第2パッド23,24と接続される2つの第2内部端子パッドNT3,NT4と、後述する集積回路素子2の第3パッド25,26と接続される2つの第3内部端子パッドNT5,NT6とが形成されている。また後述する集積回路素子2の交流出力である第2パッド23と接続される第2内部端子パッドNT3(交流出力用の内部端子パッド)と、集積回路素子2のアースである第2パッド24と接続される第2内部端子パッドNT4(グランド用の内部端子パッド)については、第1の収納部10aのうちベース1の一短辺側101に対向する他短辺側102に形成されている。セラミック多層基板のベース1の堤部(側壁部)12の上面(前記第1の収納部10aの下中段部121)の配線パターンHとして、第1内部端子パッドNT1,NT2をそれぞれ延出する第1配線パターンH1,H2と、第2内部端子パッドNT3,NT4をそれぞれ延出する第2配線パターンH3,H4と、第3内部端子パッドNT5,NT6をそれぞれ延出する第3配線パターンH5,H6とが形成されている。
セラミック多層基板のベース1の最下層である底部11の下面には、外部部品や外部機器と接続される複数の搭載用外部端子パッドが形成されている。またこれらの各搭載用外部端子パッドは図示しない導電ビアやキャスタレーション上部に形成された図示しない配線パターンのいずれか少なくとも一方により、第1の収納部10aの下中段部121に形成された各々の配線パターンHの一つに電気的に導出されている。なお、搭載用外部端子パッドの一部は、後述する集積回路素子2の交流出力と接続される第2内部端子パッドNT3(交流出力用の内部端子パッド)と接続され、最終的に交流出力外部端子として構成されている。
セラミック多層基板のベース1の堤部(側壁部)13の上面(前記第2の収納部10bの上中段部131)には、後述する圧電振動素子3の端部を保持搭載する保持台10cが形成されており、その上面には後述する圧電振動素子3の励振電極と接続される第4内部端子パッドNT7,NT8が形成されている。より具体的には、後述する圧電振動素子3の一方の励振電極31と接続される第4内部端子パッドNT7は、第1配線パターンH1と堤部13を貫通接続する図示しない導電ビアにより電気的に導出されているとともに、後述する圧電振動素子3の他方の励振電極32と接続される第2内部端子パッドNT8は、第1配線パターンH2と堤部13を貫通接続する図示しない導電ビアにより電気的に導出されている。また後述する圧電振動素子3の各接続電極33,34と接合される第4内部端子パッドNT7,NT8(圧電振動素子用の内部端子パッド)については、第2の収納部10bのうちベース1の一短辺側101に形成されている。
以上のような構成のベース1は周知のセラミック積層技術やメタライズ技術を用いて形成され、前記各内部端子パッド、搭載用外部端子パッド、および配線パターンは前述の接合領域14a形成と同様にタングステンあるいはモリブデン等によるメタライズ層の上面にニッケルメッキ層、金メッキ層の各層が形成された構成である。
第1の収納部10aに搭載される集積回路素子2は、平面視矩形状でC−MOS等のインバータ増幅器(発振用増幅器)を内蔵したワンチップの集積回路素子であり、圧電振動素子3とともに発振回路を構成する。図3に示すように、集積回路素子2のパッドは、例えば矩形状で形成されており、集積回路素子の第1辺2Aの中央付近に形成された2つの第1パッド21,22と、第1辺2Aの端部付近(対向する角部付近)に形成された2つの第3パッド25,26と、第1辺2Aに対向する第2辺2Bの端部付近(対向する角部付近)に形成された2つの第2パッド23,24とが形成されている。これらのパッドのうち第1パッド21,22は後述する圧電振動素子3の励振電極と電気的に接続され、第2パッドのうちの一方の第2パッド23は交流出力となるように構成され、他方の第2パッド24はアースとして構成されている。集積回路素子2は、例えば集積回路素子2の底面側をベース2の第1の収納部10aの内底面111とダイボンディング接合(機械的な接合)されるとともに、金等の金属ワイヤWを介して、集積回路素子2の上面側の複数のパッド21〜26とベース1に形成された内部端子パッドNT1〜NT6とを例えばワイヤボンディング接合(電気的に接合)されている。
集積回路素子2の上方には所定の間隔を持って圧電振動素子3が搭載される。圧電振動素子3は一短辺3Aとこれに対向する他短辺3B、一長辺3Cとこれに対向する他長辺3Dとを有する平面視矩形状のATカット水晶振動板である。圧電振動素子3の表裏面には、対向した状態で励振電極31,32が形成され、励振電極31,32の延出端部には圧電振動素子3の上側主面と下側主面とが端面を介して共通接続する接続電極33,34が形成されている。これらの電極は、例えば、クロムまたはニッケルの下地電極層と、銀または金の中間電極層と、クロムまたはニッケルの上部電極層とから構成された積層薄膜、クロムやニッケルの下地電極層と、銀または金の上部電極層とから構成された積層薄膜である。これら各電極は真空蒸着法やスパッタリング法等の薄膜形成手段により形成することができる。
圧電振動素子3とベース1との接合は、例えばペースト状であり銀フィラー等の金属微小片を含有するシリコーン系の導電樹脂接着剤(導電性接合材)Sを用いている。図1に示すように、導電性樹脂接着剤Sは、前記第4内部端子パッドNT7、および第4内部端子パッドNT8の上面に塗布されるとともに、導電性樹脂接着剤Sを圧電振動素子3と保持台10cの間に介在させ硬化させることで、お互いを電気的機械的に接合している。以上により、ベース1の第1の収納部10a(内底面111や下中段部121の上面に形成された内部端子パッドNTと配線パターンH、集積回路素子2、金属ワイヤWなど)から圧電振動素子3の一端部の隙間を設けながら、圧電振動素子3の対向する他端部を前記ベースの保持台10cに接合して、ベース1の第2の収納部10bの内部で片持ち保持される。この時、圧電振動子3の他短辺3Bの一部と第1枕台10d、圧電振動素子3の一長辺3Cの一部と第2枕台10e、圧電振動素子3の他長辺3Dの一部と第3枕台10fとがそれぞれ重畳するように配置されている。
ベース1を気密封止する蓋4は、例えば、コバール等からなるコア材に金属ろう材(封止材)が形成された構成であり、この金属ろう材からなる封止材5がベース1の接合領域(金属膜)14aと接合される構成となる。金属製の蓋の平面視外形はセラミックベースの当該外形とほぼ同じであるか、若干小さい構成となっている。
収納部10に集積回路素子2と圧電振動素子3が格納されたベース1の接合領域14aに対して金属製の蓋4にて被覆し、金属製の蓋4の封止材5とベースの接合領域14aを溶融硬化させ、気密封止を行うことで表面実装型水晶発振器6の完成となる。
上記実施形態により、表面実装型水晶発振器6では落下などの衝撃が加わると、最初に自由端である圧電振動素子3の他短辺3Bが第1枕台10dに接触し、さらに圧電振動素子3の2つの長辺(一長辺103bと他長辺104b)に撓みが生じても、第2枕台10eと第3枕台10fに接触させることで、この撓みがさらに拡大することが抑制できる。その結果、圧電振動素子3と集積回路素子2とが接触することがなくなり、圧電振動素子3自身を破損させない。このような圧電振動素子3の撓みの問題は、薄型化された高周波向けの圧電振動素子で顕著な問題となり、これらの不具合を改善する上で特に有効である。
また、第1配線部(第2内部端子パッドNT3,NT4と、これらをそれぞれ延出する第2配線パターンH3,H4)と、第2配線部(第3内部端子パッドNT5と、これを延出する第3配線パターンH5)と、第3配線部(第3内部端子パッドNT6と、これを延出する第3配線パターンH6)とは、第1枕台10dと第2枕台10eと第3枕台10fにより圧電振動素子3が直接接触することがなくなるため、第1配線部(第2内部端子パッドNT3,NT4と、これらをそれぞれ延出する第2配線パターンH3,H4)と、第2配線部(第3内部端子パッドNT5と、これを延出する第3配線パターンH5)と、第3配線部(第3内部端子パッドNT6と、これを延出する第3配線パターンH6)を傷つけることが一切なくなる。特に集積回路素子2の上面側の複数のパッド21〜26とベース1に形成された内部端子パッドNT1〜NT6とを金属ワイヤWを介してワイヤボンディング接合(電気的に接合)したものでは、その金属ワイヤWを破損することが一切なくなる。第1配線部(第2内部端子パッドNT3,NT4と、これらをそれぞれ延出する第2配線パターンH3,H4)と、第2配線部(第3内部端子パッドNT5と、これを延出する第3配線パターンH5)と、第3配線部(第3内部端子パッドNT6と、これを延出する第3配線パターンH6)は、第1枕台10dと第2枕台10eと第3枕台10fに隣接するベースの第2の収納部10bの一短辺101b側、あるいは一長辺103b側、他長辺104b側に沿って形成されているので、各配線部の形成に伴ってベースの第2の収納部10bの面積を不要に拡大することがない。
以上により、表面実装型水晶発振器6の小型化高周波化に対応させながら、耐衝撃性能の優れたより信頼性の高いものとすることができる。
なお、本発明の実施形態では、導電性接合材として、シリコーン系の導電樹脂接着剤を例にしているが、他の導電性樹脂接着剤でもよく、金属バンプや金属メッキバンプのバンプ材、ろう材等を用いてもよい。また、集積回路素子とベースとの電気的接続構成は、ワイヤバンプを用いた構成に限らず、金属バンプを用いたフリップチップボンディング構成であってもよい。また、金属ろう材による封止を例にしたが、これに限定されるものではなく、シーム封止、ビーム封止(例えば、レーザビーム、電子ビーム)やガラス封止等でも適用することができる。
本発明は、その思想または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、表面実装型圧電振動発振器に適用できる。
1、7 ベース
2 集積回路素子
3 圧電振動素子
4 蓋
5 封止材
6、8 表面実装型水晶発振器
S 導電樹脂接着剤(導電性接合材)
W 金属ワイヤ
2 集積回路素子
3 圧電振動素子
4 蓋
5 封止材
6、8 表面実装型水晶発振器
S 導電樹脂接着剤(導電性接合材)
W 金属ワイヤ
Claims (1)
- 平面視矩形状の収納部が構成され、前記収納部に複数の配線部が形成された絶縁性のベースと、
前記ベースの配線部の一部と電気的に接続される集積回路素子と、
前記集積回路素子と同じ収納部に収納されるとともに前記集積回路素子の上部に配置され、前記ベースの配線部の他の一部と導電性接合材を介して電気的に接続される平面視矩形状の圧電振動素子とを有する表面実装型圧電発振器であって、
前記ベースの収納部には、
前記ベースの収納部の一短辺側に前記圧電振動素子の一短辺と接合される圧電振動素子用の配線部が形成された保持台と、
前記ベースの収納部の一短辺側に対向する他短辺側の一部に、前記保持台と同じ高さかそれより低い前記圧電振動素子の一短辺に対向する他短辺用の第1枕台と、
前記ベースの収納部の一長辺側の一部に、前記第1枕台と同じ高さかそれより低い前記圧電振動素子の一長辺用の第2枕台と、
前記ベースの収納部の一長辺側に対向する他長辺側の一部に、前記第2枕台と同じ高さの前記圧電振動素子の一長辺に対向する他長辺用の第3枕台とを有しており、
前記ベースの収納部の他短辺側のうち前記第1枕台が形成されていない他短辺側の他の領域には、前記第1枕台より低い位置に形成された集積回路素子用の第1配線部が形成されており、
前記ベースの収納部の一長辺側のうち前記第2枕台が形成されていない一長辺側の他の領域には、前記第2枕台より低い位置に形成された集積回路素子用の第2配線部が形成され、
前記ベースの収納部の他長辺側のうち前記第3枕台が形成されていない他長辺側の他の領域には、前記第3枕台より低い位置に形成された集積回路素子用の第3配線部が形成されてなることを特徴とする表面実装型圧電発振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012109979A JP2013239790A (ja) | 2012-05-11 | 2012-05-11 | 表面実装型圧電発振器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012109979A JP2013239790A (ja) | 2012-05-11 | 2012-05-11 | 表面実装型圧電発振器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013239790A true JP2013239790A (ja) | 2013-11-28 |
Family
ID=49764490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012109979A Pending JP2013239790A (ja) | 2012-05-11 | 2012-05-11 | 表面実装型圧電発振器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013239790A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017050773A (ja) * | 2015-09-03 | 2017-03-09 | 日本電波工業株式会社 | 表面実装型水晶発振デバイス |
US10418969B2 (en) | 2014-04-11 | 2019-09-17 | Seiko Epson Corporation | Electronic device, electronic apparatus, and vehicle |
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2012
- 2012-05-11 JP JP2012109979A patent/JP2013239790A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10418969B2 (en) | 2014-04-11 | 2019-09-17 | Seiko Epson Corporation | Electronic device, electronic apparatus, and vehicle |
JP2017050773A (ja) * | 2015-09-03 | 2017-03-09 | 日本電波工業株式会社 | 表面実装型水晶発振デバイス |
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