JP2013239291A - 蓄電池用外装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐電解液性を有する蓄電池用外装材の提供を目的とする。
【解決手段】基材層11、第1接着層12、金属箔層13、腐食防止処理層14、第2接着層15、シーラント層16が順次積層され、少なくとも第2接着層15が、接着樹脂と金属組成物を含有する接着樹脂層であり、前記金属組成物は、V≦V+2.0(ただし、Vは前記金属組成物の標準電極電位(単位:V)、Vは金属箔層13の標準電極電位(単位:V)である。)の関係を満たし、前記接着樹脂層における前記接着樹脂と前記金属組成物の合計量100質量%に対する前記金属組成物の割合が0.05〜95質量%である蓄電池用外装材1。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電池用外装材に関する。
ニッケル水素電池、鉛蓄電池等の水系電池は、水の電気分解電圧による制約からセル単位の電圧は1.2V程度が限界である。近年、携帯機器の小型化や、自然発電エネルギーの有効活用が求められていることから、より高い電圧が得られ、エネルギー密度が高いリチウムイオン電池の必要性が増してきている。リチウムイオン電池等の蓄電池に用いられる蓄電池用外装材(以下、単に「外装材」ということがある。)としては、製品の薄型化、多様化の要求に低コストで対応できる点から、アルミニウム箔に樹脂フィルムを積層したラミネート型の外装材を袋状にして用いることが多くなっている。
ラミネート型の外装材としては、例えば、外層から基材層、第1接着層、金属箔層、腐食防止処理層、第2接着層、シーラント層が順次積層された構成の外装材が知られている。
しかし、ラミネート型の外装材では、電池内からシーラント層、第2接着層を浸透してきた電解液が、金属箔層のシーラント層側の表面を腐食させ、金属箔層とシーラント層の接着性を低下させて剥離を生じさせることがある。また、電池製造時等、外装材の基材層表面に電解液が付着すると該電解液が基材層、第1接着層に浸透するため、金属箔層の基材層側の表面が腐食して基材層が剥離することがある。そのため、外装材には優れた耐電解液性を有していることが求められる。
一方、リチウムイオン二次電池に用いられる電解液は、水と反応するとフッ酸を発生させる。フッ酸は、外装材において金属箔層とシーラント層間の接着性を低下させ、剥離を生じさせる問題がある。そこで、フッ酸による金属箔層とシーラント層の剥離を抑制するため、シーラント層に金属酸化物を含有させ、該金属酸化物によってフッ酸をシーラント層にトラップする外装材が提案されている(特許文献1)。
特許第3137061号公報
しかし、シーラント層等を形成する樹脂フィルムに金属酸化物を含有させる方法は、該樹脂フィルムを形成する樹脂と金属酸化物の分散性、及び密着性を充分に得ることが困難であり、充分な耐電解液性が得られないことがある。
本発明は、優れた耐電解液性を有する蓄電池用外装材の提供を目的とする。
本発明の蓄電池用外装材は、基材層の一方の面側に、少なくとも第1接着層、金属箔層、第2接着層、シーラント層が順次積層され、
少なくとも前記第2接着層が、接着樹脂と金属組成物を含有する接着樹脂層であり、
前記金属組成物は、V≦V+2.0(ただし、Vは前記金属組成物の標準電極電位(単位:V)、Vは前記金属箔層の標準電極電位(単位:V)である。)の関係を満たし、
前記接着樹脂層における前記接着樹脂と前記金属組成物の合計量100質量%に対する前記金属組成物の割合が0.05〜95質量%であることを特徴とする。
本発明の蓄電池用外装材は、前記金属組成物が、金属単体、金属酸化物、金属石鹸及び金属錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記接着樹脂は、ウレタン樹脂であることが好ましい。
また、前記金属箔層は、アルミニウム箔層であることが好ましい。
また、前記金属箔層の少なくとも片面には腐食防止処理層が設けられていることが好ましい。
本発明の蓄電池用外装材は、優れた耐電解液性を有している。
本発明の蓄電池用外装材の一例を示した断面図である。
本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等についても同様である。
以下、本発明の蓄電池用外装材の一例を図1に基づいて説明する。
本実施形態の蓄電池用外装材1(以下、「外装材1」という。)は、図1に示すように、基材層11の一方の面側に、第1接着層12、金属箔層13、腐食防止処理層14、第2接着層15及びシーラント層16が順次積層された積層体である。外装材1は、基材層11が最外層、シーラント層16が最内層となるように使用される。
(基材層11)
基材層11は、蓄電池を製造する際のシール工程における耐熱性を付与し、成型加工や流通の際に起こりうるピンホールの発生を抑制する役割を果たす。特に大型用途のリチウムイオン電池に用いる外装材の場合等は、耐擦傷性、耐薬品性、絶縁性等も付与できる。
基材層11は、絶縁性を有する樹脂により形成された樹脂フィルムからなる層が好ましい。該樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。前記樹脂フィルムは、延伸フィルムであってもよく、無延伸フィルムであってもよい。基材層11は、これらの樹脂フィルムの単層フィルムであってもよく、これらの樹脂フィルムを2種以上使用した積層フィルムであってもよい。
基材層11としては、前記したもののなかでも、ポリアミドフィルム及びポリエステルフィルムの少なくとも一方が好ましく、成型性に優れることから、ポリアミドフィルムがより好ましい。
ポリエステルフィルムを形成するポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
ポリアミドフィルムを形成するポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612等が挙げられる。
基材層11の厚さは、6〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。基材層11の厚さが下限値以上であれば、耐ピンホール性、絶縁性が向上する。基材層11の厚さが上限値以下であれば、成型性が向上する。
基材層11の第1接着層12側の面には、接着強度の向上を補助するためにカップリング剤をコーティングしてもよい。
(第1接着層12)
第1接着層12は、基材層11と金属箔層13の間に配置され、それらとの接着性を有する層である。
第1接着層12を形成する接着樹脂としては、基材層11及び金属箔層13との接着性を有しているものであればよく、機械的強度、耐溶剤性等の調整が容易な点から、ウレタン樹脂が好ましい。
ウレタン樹脂を形成するポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、含リンポリオール、含ハロゲンポリオール等が挙げられる。これらポリオールは1種でもよく、2種以上であってもよい。
ウレタン樹脂を形成するイソシアネート硬化剤としては、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアナート(H12MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、リジンエステルトリイソシアネート、ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。これらイソシアネート硬化剤は1種でもよく、2種以上であってもよい。
ウレタン樹脂としては、水酸基を有する基を側鎖に有するポリエステルポリオール及びアクリルポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種と、脂肪族系イソシアネート硬化剤で形成されるウレタン樹脂(以下、「ウレタン樹脂(A)」という。)が好ましい。第1接着層12にウレタン樹脂(A)を用いることで、より優れた耐電解液性が得られ、基材層11に電解液が付着しても基材層11が金属箔層13から剥離し難くなる。
水酸基を有する基を側鎖に有するポリエステルポリオール(以下、「ポリエステルポリオール(a1)という。」は、繰り返し単位の末端の水酸基に加えて、側鎖にも水酸基を有するポリエステルポリオールである。
ポリエステルポリオール(a1)としては、二塩基酸の1種以上と、水酸基を3つ以上有する化合物の1種以上を反応させることで得られるポリエステルポリオールが挙げられる。水酸基を3つ以上有する化合物の水酸基のうちの未反応のものが、ポリエステルポリオール(a1)の側鎖の水酸基となる。
二塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸等の脂肪族系二塩基酸;イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系二塩基酸等が挙げられる。
水酸基を3つ以上有する化合物としては、例えば、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
また、ポリエステルポリオール(a1)は、前記二塩基酸及び水酸基を3つ以上有する化合物に加えて、必要に応じてジオールを反応させたものであってもよい。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール等の脂肪族系ジオール;シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリコール等の脂環式系ジオール;キシリレングリコール等の芳香族系ジオール等が挙げられる。
また、前記ポリエステルポリオールの両末端の水酸基に、2官能以上のイソシアネート化合物の1種以上を反応させて鎖伸長したポリエステルウレタンポリオールを用いてもよい。また、これらイソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体を用いて鎖伸長したポリエステルウレタンポリオールでもよい。
水酸基を有する基を側鎖に有するアクリルポリオール(以下、「アクリルポリオール(a2)」という。)は、繰り返し単位の末端の水酸基に加えて、側鎖にも水酸基を有するアクリルポリオールである。
アクリルポリオール(a2)としては、例えば、少なくとも水酸基含有アクリルモノマーと(メタ)アクリル酸を共重合して得られる、(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位を主成分とする共重合体が挙げられる。
水酸基含有アクリルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基含有アクリルモノマー及び(メタ)アクリル酸と共重合する成分としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。);(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等が挙げられる。)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有モノマー;(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマーが挙げられる。
ポリオールとして、少なくとも末端以外に水酸基が配置されているポリエステルポリオール(a1)、アクリルポリオール(a2)を使用すると、主鎖の末端のみに水酸基があるポリオールに比べて架橋点が増えることで、耐電解液性が向上すると考えられる。特にアクリルポリオール(a2)は、主鎖に対して無秩序に水酸基を有する基が側鎖として配置されるため、架橋点がより増えるので、特に優れた耐電解液性が得られる点で好ましい。
脂肪族系イソシアネート硬化剤は、芳香環を有しない2官能以上のイソシアネート化合物である。脂肪族系イソシアネート硬化剤は、立体構造が形成され難いので、より緻密な接着層を形成できる。また、芳香環を有しないことにより紫外線によるベンゼン環のキノイド化が起きず、黄変を抑制できることから、意匠性を考慮する用途にも適している。
脂肪族系イソシアネート硬化剤としては、例えば、前記したイソシアネート化合物のなかで芳香環を有しないものが挙げられる。また、これらイソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体を用いてもよい。なかでも、より優れた耐電解液性が得られることから、HDI、IPDIが好ましい。また、自己修復性能に優れることに加え、水酸基との反応性はIPDIよりもHDIの方が高いため、量産適性の点では、HDIが特に好ましい。
脂肪族系イソシアネート硬化剤としてHDIを使用する場合は、HDIによる優れた耐電解液性が得られる範囲内で、TDI、MDI、IPDI、XDI等を添加することが好ましい。これにより、充分な接着性が得られやすくなる。
ウレタン樹脂におけるポリオールが有する水酸基に対するイソシアネート硬化剤が有するイソシアネート基のモル比(NCOインデックス:NCO/OH)は、0.5〜50が好ましく、1〜20がより好ましい。NCOインデックスが下限値以上であれば、優れた耐電解液性が得られやすい。NCOインデックスが上限値以下であれば、基材層11との密着性を確保しやすい。
第1接着層12を形成する接着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、より優れた接着性が得られることから、20℃以下が好ましい。
第1接着層12には、接着強度の向上を補助するためにカップリング剤を添加してもよい。
第1接着層12の厚さは、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。第1接着層12の厚さが下限値以上であれば、優れた耐電解液性が得られやすい。また、第1接着層12の厚さが上限値以下であれば、基材層11を薄型化しやすく延伸性能が得られやすい。
(金属箔層13)
金属箔層13としては、アルミニウム、ステンレス鋼等の各種金属箔を使用することができる。なかでも、防湿性、延展性等の加工性、コストの面から、アルミニウム箔が好ましい。
アルミニウム箔としては、例えば、公知の軟質アルミニウム箔が使用でき、耐ピンホール性、及び成型時の延展性の点から、鉄を含むアルミニウム箔が好ましい。
鉄を含むアルミニウム箔(100質量%)中の鉄の含有量は、0.1〜9.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。鉄の含有量が下限値以上であれば耐ピンホール性、延展性が向上する。鉄の含有量が上限値以下であれば、柔軟性が向上する。
また、アルミニウム箔としては、成型時の延展性を付与できる点から、焼鈍処理を施した軟質アルミニウム箔がさらに好ましい。
アルミニウム箔は、耐電解液性の点から、脱脂処理が施されていることが好ましい。また、製造工程の簡便化の観点から、表面がエッチングされていないアルミニウム箔が好ましい。
脱脂処理としては、大きく区分するとウェットタイプとドライタイプに分けられ、製造工程の簡便化の点から、ドライタイプが好ましい。
ドライタイプの脱脂処理としては、例えば、アルミニウム箔を焼鈍処理する工程において、その処理時間を長くすることで脱脂処理を行う方法が挙げられる。アルミニウム箔を軟質化するために施される焼鈍処理の際に同時に行われる脱脂処理程度でも充分な耐電解液性が得られる。また、該脱脂処理の他にも、フレーム処理、コロナ処理等が挙げられる。さらに、特定波長の紫外線を照射して発生する活性酸素により、汚染物質を酸化分解及び除去する脱脂処理を採用してもよい。
ウェットタイプの脱脂処理としては、例えば、酸脱脂やアルカリ脱脂等が挙げられる。酸脱脂に使用する酸としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸等の無機酸が挙げられる。これらの酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルカリ脱脂に使用するアルカリとしては、例えば、エッチング効果が高いものとして水酸化ナトリウム等が挙げられる。また、弱アルカリ系や界面活性剤を配合したものが挙げられる。ウェットタイプの脱脂処理は、浸漬法やスプレー法で行われる。
金属箔層13の厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性の点から、9〜200μmが好ましく、15〜150μmがより好ましい。
特に好ましい金属箔層13は、厚さ15〜150μmの焼鈍処理した軟質アルミニウム箔である。具体的には、JIS規格で8021材、8079材が好ましい。
(腐食防止処理層14)
腐食防止処理層14は、アンカーとして機能し、金属箔層13とシーラント層16の密着力を向上させ、また電解液や、電解液と水分の反応により発生するフッ酸による金属箔層13の腐食を抑制する役割を果たす。
腐食防止処理層14としては、例えば、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理、あるいはこれらを組み合わせた処理によって形成される層が挙げられる。
熱水変成処理によって形成される層としては、例えば、トリエタノールアミンを添加した沸騰水中に金属箔を浸漬処理するベーマイト処理によって形成される層が挙げられる。陽極酸化処理によって形成される層としては、例えば、アルマイト処理によって形成される層が挙げられる。化成処理によって形成される層としては、例えば、クロメート処理、ジルコニウム処理、チタニウム処理、バナジウム処理、モリブデン処理、リン酸カルシウム処理、水酸化ストロンチウム処理、セリウム処理、ルテニウム処理、あるいはこれらを組み合わせた処理によって形成される層が挙げられる。また、腐食防止処理層14は、湿式型の処理で形成された層であってもよく、前記した処理剤を樹脂成分と混合した塗布型タイプの処理剤によって形成された層であってもよい。
また、腐食防止処理層14としては、前記化成処理で形成した層以外にも、純粋なコーティング手法のみで形成した層であってもよい。例えば、金属箔の腐食防止効果(インヒビター効果)を有し、かつ環境側面的にも好適な材料である、平均粒径100nm以下の酸化セリウムのような希土類元素系酸化物のゾルによって形成される層が挙げられる。
腐食防止処理層14としては、性能及び入手性の点から、前記した層のなかでも、塗布型のクロメート処理、ジルコニウム処理、又はチタニウム処理によって形成される層が好ましい。
(第2接着層15)
第2接着層15は、金属箔層13とシーラント層16を接着する層である。外装材1では、第2接着層15が、接着樹脂と、後述する金属組成物を含有する接着樹脂層である。外装材1は、第2接着層15を形成する接着樹脂の種類によって、熱ラミネート構成とドライラミネート構成の2種類に大別される。
ドライラミネート構成の第2接着層15を形成する接着樹脂としては、例えば、第1接着層12で挙げた接着樹脂と同じ接着樹脂が挙げられる。
熱ラミネート構成の第2接着層15を形成する接着樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂を酸でグラフト変性させた酸変性ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度、中密度又は高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ホモ、ブロック又はランダムポリプロピレン;プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。
グラフト変性する酸としては、カルボン酸、エポキシ化合物、酸無水物等が挙げられ、無水マレイン酸が好ましい。
酸変性ポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱ラミネート構成の第2接着層15の接着樹脂としては、電解液が浸透してきてもシーラント層16と金属箔層13の密着力を維持しやすい点から、ポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸でグラフト変性させた無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂がより好ましく、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが特に好ましい。
熱ラミネート構成の第2接着層15の接着樹脂には、エラストマーが配合されていてもよい。熱ラミネート構成の第2接着層15を押出成型により形成する場合、押出成型時に発生する応力等によって接着樹脂がMD方向(機械搬送方向)に配向しやすい。接着樹脂にエラストマーが配合されることで、第2接着層15の異方性が緩和され、冷間成型時のクラックによる延伸白化耐性が向上し、濡れ性の改善によって密着力が高まり、また製膜性、ヒートシール強度等の特性が向上する。
前記エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等が挙げられる。エラストマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
配合するエラストマーの平均粒径は、酸変性ポリプロピレン系樹脂等との相溶性に優れ、第2接着層15の異方性を緩和する効果に優れる点から、200nm以下が好ましい。なお、前記平均粒径は、電子顕微鏡により、エラストマーの断面を拡大した写真を撮影し、画像解析によって分散したエラストマーの平均粒径を測定することで測定される。
第2接着層15の接着樹脂に前記エラストマーを配合する場合、接着樹脂(100質量%)中の前記エラストマーの配合量は、1〜25質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。エラストマーの配合量が下限値以上であれば、酸変性ポリプロピレン系樹脂等との相溶性に優れ、また第2接着層15の異方性を緩和する効果に優れる。エラストマーの配合量が上限値以下であれば、第2接着層15が電解液によって膨潤することを抑制しやすい。
熱ラミネート構成の第2接着層15は、前記接着樹脂を有機溶媒に分散させたディスパージョンタイプの接着樹脂液を用いて形成したものであってもよい。
第2接着層15に含有される金属組成物は、金属組成物の標準電極電位V(単位:V)と金属箔層13の標準電極電位V(単位:V)がV≦V+2.0の関係を満たす金属組成物(以下、「金属組成物(B)」という。)である。第2接着層15に金属組成物(B)が含有されていることで、シーラント層16側から浸透してきた電解液が第2接着層15中の金属組成物(B)を腐食させることで変質し、金属を腐食させる能力が小さくなる。そのため、該電解液が金属箔層13の第2接着層15側に到達しても金属箔層13が腐食され難くなる。そのため、優れた耐電解液性が得られ、金属箔層13とシーラント層16が剥離し難くなる。
金属組成物(B)は、より優れた耐電解液性が得られることから、V≦V+1.5の関係を満たすものがさらに好ましい。
なお、前記標準電極電位は、サイクリックボルタンメトリー法で測定した値である。金属組成物(B)が粉体のものについては、該粉体をセルロース含有ペーストに混ぜて焼き付けたものについて測定した値である。
金属組成物(B)としては、金属単体、金属酸化物、金属石鹸及び金属錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
金属組成物(B)を形成する金属としては、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、亜鉛、クロム、鉄等が挙げられる。なかでも、金属組成物の標準電極電位がより高いことから、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム、バリウムが好ましい。
金属組成物(B)の具体例としては、金属箔層13の種類によっても異なるが、例えば、以下のものが挙げられる。
金属単体としては、例えば、前記した金属の単体が挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化マンガン、二酸化マンガン等が挙げられる。
金属石鹸としては、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛、オクチルサン亜鉛等が挙げられる。
金属錯体としては、例えば、アセチルアセトン金属錯体等が挙げられる。
第2接着層15中の接着樹脂と金属組成物(B)の合計量100質量%に対する金属組成物(B)の割合は、0.05〜95質量%であり、0.1〜80質量%が好ましく、0.5〜70質量%がより好ましく、1.0〜60質量%がさらに好ましい。
前記金属組成物(B)の割合が前記範囲内であれば、優れた耐電解液性が得られる。
第2接着層15には、接着樹脂及び金属組成物(B)に加えて、接着樹脂及び金属組成物(B)以外の他の成分が含有されてもよい。例えば、接着強度の向上を補助するためにカップリング剤を添加してもよい。
ドライラミネート構成の第2接着層15の厚さは、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
熱ラミネート構成の第2接着層15の厚さは、1〜40μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
(シーラント層16)
シーラント層16は、外装材1の最内層であり、熱溶着性のフィルムからなり、電池組み立て時に熱溶着される層である。
シーラント層16を構成するフィルムの成分としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸等でグラフト変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。なかでも、水蒸気バリア性に優れる点、ヒートシールによって過度に潰れることなく電池形態を形成しやすい点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。ポリプロピレンとしては、例えば、第2接着層15において例示したポリプロピレンが挙げられる。
シーラント層16は、前記した各種樹脂が混合されたフィルムにより形成してもよい。
シーラント層16は、単層フィルムであってもよく、多層フィルムであってもよい。
シーラント層16は、押出成型により形成したフィルムを使用する場合、該フィルムの押出し方向に分子が配向する傾向があるため、配向による異方性を緩和するためにエラストマーを配合してもよい。これにより、外装材1を冷間成型して凹部を形成する際にシーラント層16が白化し難くなる。
シーラント層16に配合するエラストマーとしては、第2接着層15で挙げたものと同じものが挙げられ、好ましい態様も同じである。
シーラント層16が積層フィルムである場合は、そのいずれかの層のみにエラストマーを配合してもよく、全ての層に配合してもよい。例えば、シーラント層16がランダムポリプロピレン/ブロックポリプロピレン/ランダムポリプロピレンの3層構成の場合、エラストマーは、ブロックポリプロピレンの層のみに配合してもよく、ランダムポリプロピレンの層のみに配合してもよく、ランダムポリプロピレンの層とブロックポリプロピレンの層の両方に配合してもよい。
シーラント層16には、滑り性を付与する目的で滑剤を配合してもよい。これにより、外装材1に冷間成型によって凹部を形成する際、外装材1において延伸率の高い凹部の辺や角となる部分が必要以上に延伸され難くなる。そのため、金属箔層13と第2接着層15間が剥離したり、シーラント層16と第2接着層15においてクラックによる破断や白化が生じたりすることが容易に抑制される。
シーラント層16に滑剤を配合する場合、シーラント層16(100質量%)中の滑剤の配合量は0.001〜0.5質量%が好ましい。滑剤の配合量が0.001質量%以上であれば、冷間成型時にシーラント層16が白化することを抑制する効果が得られやすい。滑剤の配合量が0.5質量%以下であれば、シーラント層16の第2接着層15側の表面に滑剤がブリードして密着強度が低下することを抑制しやすい。
外装材1では、前述したように、第2接着層15が、接着樹脂と金属組成物(B)を含有する接着樹脂層であることで、金属箔層13とシーラント層16が電解液によって剥離することを抑制できる。第2接着層15を形成する接着樹脂と金属組成物(B)とは、分散性及び密着性に優れているので、充分な接着性を確保しつつ優れた耐電解液性を安定して得ることができる。
第2接着層15の接着樹脂は、金属組成物(B)の分散性及び密着性の点から、ウレタン樹脂であることが好ましい。すなわち、第2接着層15は、ウレタン樹脂を用いたドライラミネート構成とすることが好ましい。
(製造方法)
以下、外装材1の製造方法について説明する。ただし、外装材1の製造方法は以下に記載する方法には限定されない。
外装材1の製造方法としては、例えば、下記工程(I)〜(III)を有する方法が挙げられる。
(I)金属箔層13上に腐食防止処理層14を形成する工程。
(II)金属箔層13における腐食防止処理層14を形成した側と反対側に、第1接着層12を介して基材層11を貼り合わせる工程。
(III)金属箔層13の腐食防止処理層14側に、第2接着層15を介してシーラント層16を貼り合わせる工程。
工程(I):
金属箔層13の一方の面に、腐食防止処理剤を塗布し、乾燥、硬化、焼付けを行って腐食防止処理層14を形成する。腐食防止処理剤としては、例えば、塗布型クロメート処理用の腐食防止処理剤等が挙げられる。
腐食防止処理剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、ダイコート、バーコート、キスコート、コンマコート等が挙げられる。
なお、金属箔層13には、未処理の金属箔を使用してもよく、ウェットタイプ又はドライタイプの脱脂処理を施した金属箔を使用してもよい。
工程(II):
金属箔層13における腐食防止処理層14を形成した側と反対側に、第1接着層12を形成する接着樹脂を用いて基材層11を貼り合わせる。
貼り合わせる方法としては、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウェットラミネーション等の手法が挙げられる。
工程(II)では、接着性の促進のため、室温〜100℃の範囲でエージング(養生)処理を行ってもよい。
工程(III):
基材層11、第1接着層12、金属箔層13及び腐食防止処理層14がこの順に積層された積層体の腐食防止処理層14側に、第2接着層15を介してシーラント層16を貼り合わせる。
ドライラミネート構成の場合は、前述したドライラミネート用の接着樹脂と金属組成物(B)を含む樹脂組成物を使用し、前記積層体の腐食防止処理層14側に、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウェットラミネーション等の手法でシーラント層16を貼り合わせる。
熱ラミネート構成の場合、ドライプロセスでは、例えば、熱ラミネート用の接着樹脂と金属組成物(B)を含む樹脂組成物を用いて、前記積層体の腐食防止処理層14側に押出ラミネート法によって第2接着層15を形成し、サンドイッチラミネーションによってシーラント層16を積層する。
また、ウェットプロセスでは、酸変性ポリオレフィン系樹脂等の接着樹脂と金属組成物(B)を溶媒に分散させた接着樹脂液を前記積層体の腐食防止処理層14上に塗工し、接着樹脂の融点以上の温度で溶媒を揮発させ、接着樹脂を溶融軟化させて焼き付けを行った後、シーラント層16を熱ラミネーション等の熱処理により積層する。
以上説明した工程(I)〜(III)により、外装材1が得られる。
なお、外装材1の製造方法は、前記工程(I)〜(III)を順次実施する方法には限定されない。例えば、工程(II)を行ってから工程(I)を行ってもよい。また、工程(III)を行った後に工程(II)を行ってもよい。また、腐食防止処理層14の形成と、シーラント層16の積層をインラインで連続的に行ってもよい。
以上説明した本発明の外装材は、少なくとも第2接着層を、接着樹脂と金属組成物(B)を特定の比率で含有する接着樹脂層とすることで、優れた耐電解液性が得られ、金属箔層とシーラント層の電解液による剥離を抑制できる。
なお、本発明の外装材は、前記外装材1には限定されない。例えば、第2接着層15に加えて、第1接着層12も、接着樹脂と金属組成物(B)を含有する接着樹脂層としてもよい。第1接着層12が前記接着樹脂層であれば、基材層11と金属箔層13が電解液によって剥離することを抑制できる。
第1接着層12に金属組成物(B)を含有させる場合、好ましい態様は第2接着層15の場合と同じである。
また、金属箔層の両面に腐食防止処理層が形成されていてもよい。金属箔層の基材層側にも腐食防止処理層が形成されていれば、金属箔層の基材層側が電解液で腐食されることを抑制することがさらに容易になる。また、金属箔層の両面に腐食防止処理層が形成されていなくてもよい。
本発明の外装材は、より優れた耐電解液性が得られる点から、金属箔層の少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられていることが好ましく、少なくとも金属箔層のシーラント層側に腐食防止処理層が形成されていることがより好ましい。
本発明の外装材により形成する蓄電池としては、例えば、パソコン、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラ、衛星、潜水艦、電気自動車、電動自転車等に用いられる蓄電池が挙げられる。蓄電池としては、これらの用途に用いられるリチウムイオン電池が好ましい。
蓄電池は、本発明の外装材を袋状等にした容器体内に、正極、セパレータ、負極、電解液、並びにリード及びタブシーラントからなるタブを有する蓄電池用内容物を、前記タブの一部が外部に位置するように収容して密封することで製造される。蓄電池は、本発明の外装材を有する以外は、公知の形態を採用できる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
<使用材料>
本実施例で使用した材料を以下に示す。
[基材層11]
フィルムA−1:厚さ25μmのナイロン6フィルム。
[第1接着層12]
接着樹脂B−1:DIC社製の商品名「アクリディック」(アクリルポリオール(a2)と、芳香族系イソシアネート硬化剤であるトリレンジイソシアネートを、NCOインデックスが2となるように混合したウレタン樹脂。
[金属箔層13]
金属箔C−1:軟質アルミニウム箔8079材(東洋アルミニウム社製、厚さ40μm)。
[腐食防止処理層14]
処理剤D−1:溶媒として蒸留水を使用し、固形分濃度10質量%に調整した「ポリリン酸ナトリウム安定化酸化セリウムゾル」。酸化セリウム100質量部に対して、リン酸塩は10質量部とした。
[第2接着層15]
樹脂組成物E−1:DIC社製の商品名「アクリディック」(アクリルポリオール(a2)と、芳香族系イソシアネート硬化剤であるトリレンジイソシアネートを、NCOインデックスが2となるように混合したウレタン樹脂と、硫酸バリウムを含有する樹脂組成物。ウレタン樹脂と硫酸バリウムの合計量100質量%に対する硫酸バリウムの割合は0.05質量%とした。
樹脂組成物E−2:硫酸バリウムの割合を30質量%とする以外は樹脂組成物E−1と同じ樹脂組成物。
樹脂組成物E−3:硫酸バリウムの割合を90質量%とする以外は樹脂組成物E−1と同じ樹脂組成物。
樹脂組成物E−4:硫酸バリウムの割合を98質量%とする以外は樹脂組成物E−1と同じ樹脂組成物。
樹脂組成物E−5:硫酸バリウムの代わりに亜鉛粉を含有させる以外は樹脂組成物E−1と同じ樹脂組成物。
樹脂組成物E−6:硫酸バリウムの代わりに銅粉を含有させる以外は樹脂組成物E−1と同じ樹脂組成物。
樹脂組成物E−7:硫酸バリウムを含有させない以外は樹脂組成物E−1と同じ樹脂組成物。
[シーラント層16]
フィルムF−1:厚さ40μmのポリオレフィンフィルム。
<外装材の作成>
金属箔C−1の一方の面に処理剤D−1を塗布、乾燥して、金属箔層13の一方の面に腐食防止処理層14を形成した。次いで、金属箔層13における腐食防止処理層14の反対面に、接着樹脂B−1を含む塗布液をグラビアコート法にて塗布後、ドライラミネート法によりフィルムA−1を貼り合わせ、第1接着層12を介して基材層11を積層した。その後、60℃、6日間のエージングを行った。次に、得られた積層体の腐食防止処理層14側に、樹脂組成物E−1〜E−7のいずれかを含む塗布液をグラビアコート法にて塗布後、ドライラミネート法によりフィルムF−1を貼り合わせ、第2接着層15を介してシーラント層16を積層した。その後、60℃、4日間のエージングを行った。
腐食防止処理層14を有さない外装材は、腐食防止処理層14を形成しない以外は前記と同様の方法で作成した。
<標準電極電位の測定>
標準電極電位は、サイクリックボルタンメトリー法により測定した。
<耐電解液性の評価>
各例で得られた外装材を電解液(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネート=1/1/1(質量比)に対してLiPF(六フッ化リン酸リチウム)を1.5Mとなるように溶解した電解液)に浸漬し、85℃にて1週間放置した。その後、金属箔層13とシーラント層16との剥離強度を、引っ張り試験機により測定した。剥離強度(N/mm)の測定は、JIS K6854に準拠し、引張速度100mm/分の条件で、T型剥離によって行った。
評価は、以下の基準に従って行った。
「◎」:電解液浸漬前と比較して強度低下が10%未満。
「○」:電解液浸漬前と比較して強度低下が10%以上20%未満。
「×」:電解液浸漬前と比較して強度低下が20%以上。
<実施例1〜5及び比較例1〜3>
前記作成方法により、表1に示す構成の外装材を作成した。耐電解液性の評価結果を表1に示す。
なお、表1におけるVは第2接着層15に用いた金属組成物の標準電極電位、Vは金属箔層13の標準電極電位である。また、腐食防止処理層14の欄における「−」は、腐食防止処理層14を形成していないことを意味する。
Figure 2013239291
表1に示すように、第2接着層15を、接着樹脂と金属組成物(B)を特定の比率で含有する接着樹脂層とした実施例1〜5では、優れた耐電解液性が得られた。また、金属箔層13のシーラント層16側に腐食防止処理層14を形成した実施例3では、特に優れた耐電解液性が得られた。
一方、金属組成物(B)の割合が95質量%を超える比較例1、標準電極電位が条件を満たさない銅粉を金属組成物(B)の代わりに用いた比較例2、及び金属組成物(B)を用いていない比較例3では、充分な耐電解液性が得られなかった。
1・・・蓄電池用外装材、11・・・基材層、12・・・第1接着層、13・・・金属箔層、14・・・腐食防止処理層、15・・・第2接着層、16・・・シーラント層。

Claims (5)

  1. 基材層の一方の面側に、少なくとも第1接着層、金属箔層、第2接着層、シーラント層が順次積層され、
    少なくとも前記第2接着層が、接着樹脂と金属組成物を含有する接着樹脂層であり、
    前記金属組成物は、V≦V+2.0(ただし、Vは前記金属組成物の標準電極電位(単位:V)、Vは前記金属箔層の標準電極電位(単位:V)である。)の関係を満たし、
    前記接着樹脂層における前記接着樹脂と前記金属組成物の合計量100質量%に対する前記金属組成物の割合が0.05〜95質量%であることを特徴とする蓄電池用外装材。
  2. 前記金属組成物が、金属単体、金属酸化物、金属石鹸及び金属錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の蓄電池用外装材。
  3. 前記接着樹脂がウレタン樹脂である請求項1又は2に記載の蓄電池用外装材。
  4. 前記金属箔層がアルミニウム箔層である請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電池用外装材。
  5. 前記金属箔層の少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電池用外装材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2015156327A1 (ja) * 2014-04-09 2017-04-13 凸版印刷株式会社 蓄電装置用外装材、蓄電装置、及びエンボスタイプ外装材の製造方法

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