JP2013237658A - アディポネクチン産生促進用組成物 - Google Patents

アディポネクチン産生促進用組成物 Download PDF

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将央 辻
Yoshihiko Narita
佳彦 成田
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貴志 爲廣
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博史 細川
Atsuko Yamato
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Abstract

【課題】アディポネクチン分泌不全に由来する動脈硬化、肥満症、糖尿病、若しくはメタボリック症候群の予防または改善用することができ、または皮膚マトリックス成分の産生を促進できるアディポネクチン産生促進活性剤およびそれらを含有する医薬品、健康食品、化粧品および皮膚外用剤の提供。
【解決手段】インチンコウの水、低級アルコール、含水メタノールまたは含水エタノールなどの水性溶媒抽出物を有効成分として含むアディポネクチン産生促進用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、アディポネクチン産生促進用組成物に関する。より詳細には、本発明は、インチンコウ(茵陳蒿)抽出物を有効成分とするアディポネクチン産生促進用組成物ならびにそれを含む医薬品、健康食品および化粧品に関する。
近年、我が国では、食事の欧米化、生活習慣の変化、交通機関の発達および交通手段の多様化に伴い、高カロリー食の摂取、過食、不規則な食生活および運動不足に起因して、肥満または糖尿病が急激に増加しているといわれている。さらに肥満は、合併症としてメタボリックシンドローム(代謝症候群)、いわゆる糖尿病、高脂血症や動脈硬化症をもたらすことが知られている。
従来、脂肪組織は、余剰のエネルギーを貯蔵するための組織であると考えられてきたが、脂肪細胞に過剰の脂肪が蓄積して細胞自体が肥大化し、肥大脂肪細胞から過剰に分泌されるTNFα、レジスチン,FFAなどの作用の結果、インスリン抵抗性が惹起されることが知られている(非特許文献1)。
悪玉アディポカインがインスリン抵抗性惹起性であるのに対し、インスリン感受性増強作用を有する善玉アディポカインの役割が注目されている(非特許文献2)。
上記の善玉アディポカインの代表的な物質がアディポネクチンであり、このアディポネクチンは、AMPK(AMP-activated protein kinase)を骨格筋および肝臓において活性化することにより、脂肪酸の燃焼と糖の取り込みを促進しインスリン抵抗性を改善することが知られている(非特許文献3)。
また、このアディポネクチンに関しては、高脂肪食による肥満などの環境因子によりアディポネクチンの欠乏が惹起され、インスリン抵抗性の原因となっていることも知られている(非特許文献4および5)。
すなわち、アディポネクチンは脂肪組織から分泌されるホルモンであり、動脈硬化を予防したり、インスリン感受性を亢進させる主要な効果を有するが、過度の肥満など、内臓脂肪が異常に蓄積した場合、このアディポネクチンの分泌が抑制され、メタボリックシンドロームや心血管病および2型糖尿病の発症の主要な原因になるといわれている(非特許文献6)。
すなわち、上記のメタボリックシンドロームの治療が急務となっている昨今、アディポネクチン受容体を活性化する薬剤や、γ型PPAR(以下、PPARγともいう)アンタゴニストなど抗糖尿病薬であり、抗肥満薬にもなる薬の開発が所望されている。よって、アディポネクチン受容体の作動薬や受容体増加薬は、新規の効果的な抗糖尿病薬、抗炎症薬および抗動脈硬化薬として期待できる(非特許文献1)。
また、糖尿病薬として用いられているトログリタゾン(trogritazone)やピオグリタゾン(pioglitazone)などのチアゾリジン誘導体は、特に、血中アディポネクチン濃度を上昇させ、これが糖代謝異常の改善につながり、肥満にともなう合併症を改善することが明らかとなっている(非特許文献7)。
しかしながら、一方で、上記のチアゾリジン誘導体は、前駆脂肪細胞の分化を促進し、小型脂肪細胞の数自体を顕著に増加させ、ひいてはさらなる肥満を引き起こすという副作用を示すことが知られている(非特許文献6)。
他方、小型脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンが、皮膚のマトリックス成分であるコラーゲンやヒアルロン酸の産生を高めることが知られている(非特許文献8)。
そこで、前駆脂肪細胞の分化を促進し、アディポネクチンの産生を促進することにより、皮膚マトリックス成分の減少にともなうシワ、たるみ、ハリや弾力の低下などの皮膚トラブルを改善できると考えられている。
かかる観点から、前駆脂肪細胞の分化を促進してアディポネクチンの産生を促進する素材が数多く開発されている(特許文献1、2および3)。
一方、インチンコウは、第14改正日本薬局方にも収載されているキク科(Compositae)ヨモギ属(Artemisia L.)のカワラヨモギ(Artemisia capillaris Thunberg)の頭花であり、本州から琉球、朝鮮、フィリピン、中国、ネパールに分布している。
インチンコウは、古くから抗糸状菌活性、利胆作用、胆汁分泌増強とともに、顕著な解熱および利尿作用を有することが知られ、漢方および生薬材料として用いられており、またカワラヨモギの葉部はヨモギと同様に草餅の材料として利用されているが(非特許文献9)、インチンコウのアディポネクチン産生促進作用に関しては何ら報告されていない。
特開2006−45210号公報 特開2009−256309号公報 特開2004−315379号公報
門脇孝ら、第128回日本医学会シンポジウム記録集、2004、34〜45 Yamauchiら、Nature Medicine、2001、7、941〜946 Yamauchiら、Nature Medicine、2002、8、856〜863 Kubota N.ら、J. Biol. Chem..2002、277、25863〜25866 Hara. K.ら、Diabetes、2002、51、536〜540 Kadowaki T. & Yamauchi T.、Endocrine Reviews、2005、26(3)、439〜451 門脇孝編、糖尿病 病態の分子生物学、(株)南山堂、東京、2004年 Biofactors 31、2007、229−236 堀田満編、世界有用植物辞典、(株)平凡社、東京、1989年
本発明は、アディポネクチン産生促進用組成物、およびそれを含有する医薬、健康食品および化粧品を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、前駆脂肪細胞の分化、すなわち、脂肪細胞の増加を過度に促進することなく、アディポネクチンの産生促進作用を有する植物抽出物を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、新規なアディポネクチン産生促進用組成物を探索する目的で、鋭意研究した結果、驚くべきことにインチンコウの水性溶媒抽出物が、アディポネクチンの産生を促進する作用を有することを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明によれば、インチンコウの水性溶媒抽出物を有効成分として含むことを特徴とするアディポネクチン産生促進用組成物が提供される。
また、本発明によれば、前記水性溶媒が、水、低級アルコールまたはその混合物であり、好ましくは前記水性溶媒が、含水メタノールまたは含水エタノールであり、さらに好ましくは前記水性溶媒が、40〜60%メタノールまたは40〜60%エタノールである前記組成物が提供される。
また、本発明によれば、前記組成物が、アディポネクチン分泌不全に由来する動脈硬化、肥満症、糖尿病またはメタボリック症候群の予防または改善用である、前紀組成物が提供される。
また、本発明によれば、前記組成物が、アディポネクチン産生促進ひいては皮膚マトリックス成分の産生を促進する、前記組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、前記組成物を含む化粧品、健康食品および医薬品が提供される。
上記のように、本発明によるインチンコウは古来食用として利用されてきたカワラヨモギに由来する。したがって、本発明によるアディポネクチン産生促進用組成物は、インチンコウの抽出物を有効成分とし、該抽出物は優れたアディポネクチン産生促進作用を有しているので、アディポネクチン分泌不全に伴う動脈硬化、肥満症、糖尿病およびメタボリックシンドローム、ならびにこれらに伴う様々な合併症の予防または改善を目的とする組成物として使用できる。
さらにアディポネクチンが、皮膚のマトリックス成分であるコラーゲンやヒアルロン酸の産生を高めることから、本発明によるインチンコウの水性溶媒抽出物を、コラーゲン収縮力低下抑制剤として、皮膚のシワ、タルミおよび弾力性の低下の予防および/または治療に用いることができる。
本発明に用いられるインチンコウは、カワラヨモギの地上部の全草を刈り取り、乾燥後、脱穀機で頭花と茎を分離し、頭花を再度乾燥することにより得られ、本発明に用いられるインチンコウは、市場で入手可能なインチンコウをそのまま、または細断もしくは粉砕したものを利用できる。
本発明で用いられる水性溶媒としては、水、含水もしくは非含水の低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよび2−メチル−2−プロパノールなどが挙げられる。
なかでも、抽出効率およびコストの点からメタノールまたはエタノール、あるいは含水メタノールまたは含水エタノールが好ましく、40%〜60%メタノールもしくは40%〜60%エタノールがより好ましい。
これらの抽出溶媒は、抽出材料に対して、2〜15倍(重量)程度、好ましくは3〜10倍(重量)程度、より好ましくは4〜8倍(重量)程度用いられる。
抽出温度は、室温〜溶媒の沸点程度の温度の間で任意に設定できるが、例えば室温〜抽出溶媒の沸点の温度、好ましくは40℃〜60℃の温度範囲で、振盪下もしくは非振盪下に、抽出材料を抽出溶媒に浸漬することによって行うのが適当である。
上記の抽出は、20分間〜4時間ほど、好ましくは30分間〜2時間ほど行うのが適当である。また、40℃より低い温度で抽出することも可能であるが、その場合には上記の時間よりも長時間抽出するのが好ましい。
抽出操作は、同一材料について1回だけ行ってもよいが、複数回、例えば2〜4回程度繰り返すのが抽出量の点から好ましい。
抽出混合物から固形物をろ去して、常法により濃縮することにより抽出エキスが得られる。
濃縮は、40〜60℃で減圧下に行うのが好ましく、抽出液がタール状となるまで、または乾固するまで減圧濃縮してドライエキスとしてもよい。
抽出エキスは、そのまま本発明の組成物を調製するのに用いてもよいが、粉末状または凍結乾燥品などとして用いてもよい。これらの粉末または凍結乾燥品などの固形物は、当該分野で公知の方法により得られる。
したがって、本発明における抽出物は、抽出液、抽出液濃縮エキス、ドライエキスおよびそれらを固化して得られる固形物のいずれをも包含する。
なお、抽出液は、濃縮する前後に精製処理に付してもよい。
すなわち、インチンコウの抽出液はそのままでも使用することができるが、水や極性溶媒に溶解し、変性や分解のない範囲で、脱色、脱臭精製処理に付してもよい。
精製方法としては、クロマトグラフ法、イオン交換クロマトグラフ法、溶媒による分配抽出などを、単独でまたは組み合わせて採用することができる。例えば、クロマトグラフ法としては、活性炭、順相もしくは逆相担体またはイオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーまたは遠心液体クロマトグラフィーなどのいずれか、またはそれらを組み合わせて行う方法が挙げられる。この際の担体、溶出溶媒などの精製条件は、各種クロマトグラフィーに対応して適宜選択することができる。
本発明の抽出物は、そのままの状態で、または適当な媒体で希釈して、あるいは医薬品の製造分野で公知の方法により、固形剤(例えば散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤)、半固形剤、液剤または乳剤など、種々の形態に製剤化して、使用することができる。
これらの製剤には、適当な担体を添加してもよく、そのような担体としては、当業者に周知の医薬的に許容される賦形剤、結合剤または崩壊剤などが挙げられる。
賦形剤としては、例えば、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトールなどの糖アルコール、精製白糖、白糖、トレハロース、乳糖、還元麦芽糖水アメ、粉末還元麦芽糖水アメ、ブドウ糖、麦芽糖などの糖類、コーンスターチ、結晶セルロース、粉末セルロース、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素などが挙げられる。
結合剤としては、例えば、アラビアゴム末、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポビドン(PVP)、ビニルピロリドン共重合体(コポリビドン)、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリル酸系高分子、プルラン、デキストリン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、トラガント末、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)などが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、コーンスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分α化デンプンなどが挙げられる。
上記の製剤には、医薬品の分野で通常用いられている他の添加剤、例えば、滑沢剤、流動化剤、抗酸化剤、保存剤、着色剤、pH調節剤、甘味剤、香料、界面活性剤、可塑剤、矯味剤、吸着剤、防腐剤、湿潤剤および/または帯電防止剤などを適宜使用してもよい。
固形剤は、必要に応じてヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドンなどの水溶性基剤(または高分子)、エチルセルロースなどの水不溶性基剤(または高分子)、腸溶性基剤、胃溶性基剤、糖類などでコーティングしてもよい。
上記の固形剤は慣用の方法で製造することができる。例えば有効成分と担体とを混合して粉末剤を調製してもよく、あるいは有効成分と担体とを混合・造粒し、必要により造粒物を整粒して粒剤(細粒剤または顆粒剤)を調製するか、または造粒物を含む混合物(特に、造粒物と担体との混合物)を打錠することにより錠剤を調製できる。カプセル剤は前記の粒剤をカプセルに充填することにより調製できる。また、マイクロカプセル剤は当業者に周知の方法により調製できる。
液剤および外用剤とする場合の担体としては、水性媒体(精製水、エタノール含有精製水など)、アルコール類(エタノール、グリセリンなど)、水溶性高分子などが用いられる。
半固形製剤とする場合の担体としては、油性基剤(植物油などの脂質、ワセリン、流動パラフィンなど)、親水性基剤(乳剤性基剤)などが用いられる。
上記の液剤は、有効成分を担体に溶解または分散させ、必要により濾過または滅菌処理し、所定の容器に充填することにより調製できる。半固形剤も、慣用の方法、例えば有効成分と担体とを混合し、必要により滅菌処理し、所定の容器に充填したり、基材に塗布したりすることにより調製できる。
有効成分としての本発明によるインチンコウの水性溶媒抽出物の使用量は、その形態および使用者の年齢、症状などにより異なるが、固形物または半固形物として使用する場合には、成人で1日1〜3回、1回につき、例えば1mg〜1gの割合、より好ましくは10mg〜500mgの割合で用いることができる。
本発明による上記のインチンコウの水性溶媒抽出物を化粧品用組成物として用いる場合の抽出物の濃度は、例えば化粧品中に0.001重量%〜10重量%の割合、より好ましくは0.1重量%〜3.0重量%の割合である。
具体的には、本発明によるインチンコウの水性溶媒抽出物を含む化粧品としては、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ジェル、ローション、オイル、パック、ミストおよび顔面用化粧シートなどの基礎化粧料、ファンデーション、頬紅などのメークアップ化粧品などが挙げられる。
これらの化粧品は、当業者に公知の方法に従って製造することができ、その際に、本発明の効果を損なわない範囲で当業者に周知の添加剤を任意に添加してもよい。
そのような添加剤としては、油脂類、ロウ類、鉱物油、脂肪酸類、アルコールおよび多価アルコール類、エステル類、金属セッケン類、ガム質および糖類などの水溶性高分子化合物、界面活性剤、各種ビタミン類、各種アミノ酸類、植物または動物系原料由来の種々の添加物、海藻類、動物系原料由来の素材、海洋成分、微生物培養代謝物、無機顔料、紫外線吸収/遮断剤、美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、メラニン色素還元/分解物質、細胞賦活物質、収斂剤、活性酸素消去剤、抗酸化剤、過酸化脂質生成抑制剤、抗炎症剤、抗菌・殺菌・消毒薬、保湿剤、香料、色素、その他ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、清涼剤、安定化剤、乳化剤、動・植物性蛋白質およびその分解物、動・植物性多糖類およびその分解物、動・植物性糖蛋白質およびその分解物、血流促進剤、抗炎症剤・消炎剤・抗アレルギー剤、創傷治療剤、増泡剤、増粘剤、酵素および精製水(例えばミリポア(登録商標)水、イオン交換水、イオン交換蒸留水および電子水)などが挙げられる。
また、本発明によるインチンコウの水性溶媒抽出物は、水で抽出した場合には、清涼飲料水としてそのまま飲用することができ、エタノールで抽出した場合には抽出溶媒を減圧留去して得られる抽出物を食品に添加して、健康食品としても使用できる。
そのような健康食品としては、クッキー、ジェリー、せんべい、うどん、ビスケット、飴、清涼飲料水などが挙げられる。
その場合は、健康食品中に抽出物を固形物換算で、例えば0.01重量%〜5.0重量%の割合、より好ましくは0.1重量%〜1.0重量%の割合で用いることができる。
以下に、試験例、実施例などにより、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず本発明のインチンコウの水性溶媒抽出物の抽出例を示す。
実施例1
インチンコウの乾燥物の粉砕物50gに50%エタノール500mlを加え、50℃で1時間抽出した。この操作を3回繰り返した後、抽出液を集め、ろ過し、50℃で減圧濃縮した後に凍結乾燥し、粉末状の抽出物7.5gを得た。
次にインチンコウの水性溶媒抽出物のアディポネクチン産生促進作用と、分化の指標として脂肪蓄積作用を評価した試験方法を示す。
試験例1
アディポネクチン産生促進作用の評価
実施例1で得られた抽出物を試料として用いた。
正常ヒト前駆脂肪細胞(エーディア製)を10%のFBSと2mMグルタミンを添加したPBM培地(PBM増殖培地、PBMはエーディア製)で4日間培養した後、細胞をEDTA−トリプシン液で回収し、PBM増殖培地に8×104cells/mlの細胞濃度で懸濁し、予めコラーゲンでコートした96ウェルプレート(Corning製)に98μlずつ分注した。
湿度90%以上、CO25%の存在下、37℃で約3日間コンフルエントになるまで培養した後、PBM分化培地[PBM増殖培地にインスリン(20μg/ml)とデキサメタゾン(0.2μM)を添加した培地]を100μl/ウェルずつ分注した。さらに試料をDMSOで希釈して5mg/mlとし、この試料液を2μl/ウェルで添加した。
コントロールには2μlのDMSOのみを添加した。
14日間培養した後、培養上清中のアディポネクチンの量をELISA法で測定した。この定量には、大塚製薬製の[ヒトアディポネクチンELISAキット]を用いて、上清の6倍希釈液についてキット付属の使用説明書に記載されている測定に従って行った。プレートリーダー(Biorad製)で測定した試料上清の450nmにおける吸光度を[Abs−Test]、コントロールでの吸光度を[Abs−Ctrl]とし、下記の式により活性化度(%)を算出した。
活性化度(%)=[Abs−Test]/[Abs−Ctrl]×100
試験例2
脂肪蓄積作用の評価
試験例1で培養したプレートから培地をアスピレーターで吸引除去し、PBS緩衝液で細胞を(100μl/ウェルを2回)洗浄した。このプレートに10%ホルマリン溶液を50μl/ウェル加え10分間放置し固定した後、PBS緩衝液で(100μl/ウェルを2回)洗浄した。
Oil Red O(和光純薬製)150mgに100%イソプロパノール50mlを加え10分間振り混ぜて保存溶液とする。この保存溶液を精製水で60%に希釈し、10〜30分後にろ過したOil Red O (ORO)溶液を上記のプレートに30μl/ウェル添加し、室温で20分間放置後、この溶液をアスピレーターで除去して60%イソプロパノールで(100μl/ウェルを2回)洗浄した。このプレートに100%イソプロパノールを50μl/ウェル添加し、細胞内の脂肪滴に取り込まれたORO色素を溶出し、プレートリーダー(Biorad製)を用いて540nmでの吸光度を測定した。試料の吸光度を[Abs−OilTest]、コントロールでの吸光度を[Abs−OilCtrl]とし、下記の式により活性化度(%)として算出した。
活性化度(%)=[Abs−OilTest]/[Abs−OilCtrl]×100
上記の試験例1および2で得られたそれぞれの評価結果を以下の表に示す。
インチンコウの水性溶媒抽出物の脂肪蓄積作用とアディポネクチン産生促進作用
上記の表より、インチンコウの水性溶媒抽出物を添加した場合、前駆脂肪細胞の脂肪滴の蓄積は殆どみられないが、培養上清中に分泌されるアディポネクチンの産生が著しく促進されていることが明らかとなった。
以下に、本発明に係るインチンコウの水性溶媒抽出物を有効成分とするアディポネクチン産生促進用組成物を配合した処方の実施例を示す。
実施例2
クリーム
精製水にプロポレングリコールを加え、加熱して70℃に保ち水相を調製した。一方、他の成分を混合して過熱溶融し、70℃に保ち油相を調製した。得られた油相を、上記の水相に攪拌しながら添加して分散予備乳化を行った。ついで、ホモミキサーで分散系の乳化分子を細かく、且つ均一化した後、よく攪拌しながら急冷し、クリーム1kgを得た。
実施例3
内服液
上記の配合成分を常法により均一に混合し、内服液1kgを得た。
実施例4
化粧水の調製
上記の配合成分を常法により均一に混合し、化粧水1kgを調製した。
実施例5
乳液の調製
上記の配合成分を常法により均一に混合し、乳液1kgを調製した。
実施例6
クリームの調製
に従って、常法によりクリーム1kgを調製した。
実施例7
エッセンスの調製
上記の配合成分を常法により均一に混合し、エッセンス1kgを調製した。
実施例8
当該分野で公知の方法に従って、実施例1で得られたインチンコウの水性溶媒抽出物1重量部を乳糖25重量部と混合し、ゼラチンカプセルに充填し、1カプセル中に抽出物が100 mg含有されるゼラチンカプセル剤を得た。
実施例9
米粉50重量部、砂糖5重量部、全卵10重量部、実施例1で得られたインチンコウの水性溶媒抽出物1重量部を秤量した。
全卵に砂糖を混合した後、予め篩に通した米粉を加え、軽く混ぜ合わせて生地を作り、これを適当な形に成形し、オーブンで焼き上げて、せんべい100gを作った。
実施例10
小麦粉100重量部、塩4重量部、実施例1で得られたインチンコウの水性溶媒抽出物5重量部および水45重量部を秤量し、常法に従ってこれらをよく混合して、うどん1.5kgを製造した。
実施例11
錠剤の製造
上記の配合成分を常法により均一に混合し、整粒して8mmφ杵および臼を備えた打錠機にて打錠し、1錠200mgの錠剤1kgを製造した。
本発明によるアディポネクチン産生促進用組成物は、インチンコウの抽出物を有効成分とし、該抽出物は優れたアディポネクチン産生促進作用を有しているので、アディポネクチン分泌不全に伴う動脈硬化、肥満症、糖尿病およびメタボリックシンドローム、ならびにこれらに伴う様々な合併症の予防または改善を目的とする組成物として使用できる。さらにアディポネクチンが、皮膚のマトリックス成分であるコラーゲンやヒアルロン酸の産生を高めることから、本発明による組成物を、コラーゲン収縮力低下抑制剤として、皮膚のシワ、タルミおよび弾力性の低下の予防および/または治療に用いることができる。

Claims (10)

  1. インチンコウの水性溶媒抽出物を有効成分として含むことを特徴とするアディポネクチン産生促進用組成物。
  2. 前記水性溶媒が、水、低級アルコールまたはその混和物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記水性溶媒が、含水メタノールまたは含水エタノールである請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記水性溶媒が、40〜60%メタノールまたは40〜60%エタノールである請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
  5. 前記組成物が、アディポネクチン分泌不全に由来する動脈硬化、肥満症または糖尿病の予防または改善用である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
  6. 前記組成物が、メタボリック症候群の予防または改善用である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
  7. 前記組成物が、アディポネクチン産生促進ひいては皮膚マトリックス成分の産生を促進する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
  8. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物を含む化粧品。
  9. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物を含む健康食品。
  10. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物を含む医薬品。
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