JP2013236854A - 電気炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力型電気炊飯器において、特に炊飯器本体肩部の強度を向上させる。
【解決手段】内鍋と、この内鍋を収容する内鍋収容口を有する炊飯器本体と、上記炊飯器本体の上記内鍋収容口の下部に設けられた内鍋加熱手段と、上記炊飯器本体の上記内鍋収容口の上部に開閉可能に設けられた蓋体と、この蓋体に設けられ、上記内鍋内を常圧よりも高い圧力に調整する圧力調整機構と、この圧力調整機構を作動制御する制御手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記炊飯器本体肩部の前後および左右の各々に補強部材を設け、それらを保護枠を挟む状態で取り付けることにより、肩部の強度を向上させた。
【選択図】 図2

Description

本願発明は、本体部の強度を向上させた圧力型電気炊飯器の構造に関するものである。
最近では、ヒータや電磁誘導加熱手段などの電気的な加熱手段で加熱し、所定値以上の高圧力下で炊飯できるようにした圧力型の電気炊飯器が人気を呼んでいる。
このような圧力型の電気炊飯器は、一般に蓋体側に内鍋内の圧力を所定の圧力に保つ調圧弁を備えた圧力調整機構および本体又は蓋体側に当該圧力調整機構を作動制御するマイコン式の制御手段などを装備している。従って、圧力調整機構の調圧弁が閉じていると、調圧弁による圧力調整によって常圧を上回る所定の高圧力を保った状態での効率的な炊飯を行うことができ、炊飯時間を短縮し、また吸水のための浸漬工程を省略したり、かつ短くしても、芯の無い美味しいご飯を炊き上げることができるといった利点が生じる(例えば特許文献1を参照)。
特開平9−103358号公報
上記のような圧力型の電気炊飯器においては、炊飯時の高い内部圧力により、蓋部を内側から押し上げる力により、炊飯器本体肩部の変形が生じやすく、蓋部と炊飯器本体側肩部との間に隙間を生じて蒸気漏れを生じさせる可能性がある。また、近年の炊飯器においては、同圧力構造の採用に加え、土鍋など内鍋の肉厚化による製品重量の増大により、梱包寸法が大きくなる傾向がある。
梱包寸法が大きくなると、当然ながら梱包コストも上昇する。
従来技術である上記特許文献1でも、蓋体が変形したり、この蓋体の閉塞状態を保持する掛止機構が急激に外れるのを防止するために、蓋本体の上板と下板との間に補強板を設けるとともに、同補強板は、蓋本体の一側を上記鍋本体に枢支し他側を鍋本体に掛止自在とするとともに、蓋本体の閉塞時に上記内蓋による鍋の密閉状態を保持して、鍋内の圧力により内蓋が上昇するのを阻止する構成を採用しているが、このような構成では、上述のような炊飯器本体肩部の変形は防止することはできない。
また、梱包寸法の縮小にも寄与し得ない。
この出願の発明は、このような問題を解決するためになされたもので、上記炊飯器本体の肩部に、前後の補強部材と左右の補強部材を設け、それらを保護枠を挟む状態で取り付けることにより、炊飯器本体肩部の強度を向上させた電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1の発明
この発明の電気炊飯器は、内鍋と、この内鍋を収容する内鍋収容口を有する炊飯器本体と、上記炊飯器本体の上記内鍋収容口の下部に設けられた内鍋加熱手段と、上記炊飯器本体の上記内鍋収容口の上部に開閉可能に設けられた蓋体と、この蓋体に設けられ、上記内鍋内を常圧よりも高い圧力に調整する圧力調整機構と、この圧力調整機構を作動制御する制御手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記炊飯器本体肩部の前後および左右に各々補強部材を設け、それらを保護枠を挟む状態で取り付けたことを特徴とするものである。
このような構成によると、炊飯器本体側肩部の強度、剛性が向上し、内鍋内の圧力が高くなって、蓋体を押し上げるような力が作用した時にも肩部が変形するようなことがなくなり、周方向の全体に亘って均一な水平度を保つことができるようになる。
その結果、蓋体と炊飯器本体側肩部との間のシール性も維持される。
また、左右両側の補強部材が、炊飯器幅方向の強度、剛性を向上させるから、梱包時における炊飯器幅方向の緩衝材の寸法を拡大させなくて済むようになる。
(2) 請求項2の発明
この発明の電気炊飯器は、上記請求項1記載の発明の構成において、前後の補強部材と左右の補強部材とは、保護枠縁部を介して一部が相互に重なり合うように取り付けられていることを特徴としている。
このような構成によると、取付状態において、前後および左右各々の各補強部材が相互に連結、リンクされる形で保護枠に対して取り付けられることになるから、肩部周方向の全体を一層均一かつ強固に補強することになる。
その結果、周方向の全体に亘って、より均一な水平度を保つことができるようになり、上述した蓋体と炊飯器本体側肩部との間のシール性も一段と高くなる。
また、炊飯器幅方向の強度、剛性も、より向上する。
(3) 請求項3の発明
この発明の電気炊飯器は、上記請求項1又は2記載の発明の構成において、左右の補強部材は、少なくとも炊飯器本体の左右幅方向最大寸法部分を含んで設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、特に炊飯器本体の左右幅方向最大寸法部分の強度、剛性が高くなる。
その結果、より確実に、梱包時における炊飯器幅方向の緩衝材の寸法を拡大させなくて済むようになる。
以上の結果、本願発明によると、次のような有益な効果を得ることができる。
(1) 従来の肩部構造に比べて、大きく強度が向上し、経年的な変形も生じないので、長期に亘って安定したシール性能を維持することができる。
したがって、製品の信頼性が高くなる。
(2) 製品の側面方向からの落下に対する耐衝撃力が向上し、梱包時の緩衝材の寸法を小さくすることができる。
その結果、販売・流通用のコストを削減することができる。
本願発明の実施の形態に係る電気炊飯器本体の構成を示す縦断面図である。 図1に示す電気炊飯器の炊飯器本体肩部における保護枠部分の構成を示す斜視図である。 図2に示す保護枠部分の構成を示す分解斜視図である。 図3の保護枠部に対して、さらに肩部材を組み合わせた図3と同様の分解斜視図である。 本願発明の実施の形態に係る電気炊飯器における肩部材部分の構成を示す平面図である。 本願発明の実施の形態に係る電気炊飯器の側部部分を示す一部断面図である。 同電気炊飯器の蓋体内の構成を示す下板上面側の斜視図である。 同電気炊飯器の内カバー上面部に設けられている圧力調整用球体弁部分の構成を示す斜視図である。 同電気炊飯器の内カバー上面部に設けられた圧力調整用球体弁とそれに対応して下板側に固定された電磁ソレノイドよりなる2組の圧力調整機構の構成(対応関係)を示す斜視図である。 同電気炊飯器の内カバー上面部に設けられた圧力調整用球体弁とそれに対応して下板側に固定された電磁ソレノイドよりなる2組の圧力調整機構の構成(対応関係)を示す平面図である。 同電気炊飯器の圧力調整機構1側の拡大断面図(図10のB−B)である。 同電気炊飯器の圧力調整機構2側の拡大断面図(図10のA−A)である。
以下、添付の図1〜図12の図面を参照して、本願発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1〜図12には、本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器の全体および要部の構成が示されている。
<炊飯器本体の構成>
本願発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における炊飯器本体1は、例えば図1に示すように、米および水を収容する内鍋3と、該内鍋3を任意に収納セットし得るように形成された下部側合成樹脂製の皿状の第1の保護枠(底壁部)4aおよびその上部側の上下両端側が開口した筒状の第2の保護枠(側壁部)4bよりなる内ケース4と、該内ケース4を保持する外部筺体である有底筒状の外ケース1aとによって構成されており、この炊飯器本体1の上部開口の一側(後部)には、該上部開口を開閉可能に覆蓋する蓋体2がヒンジユニット11を介して開閉自在に取り付けられている。
上記内ケース4の下部を構成している第1の保護枠4aの上面側には、例えば皿状のセラミック製等の遮熱プレート6が貼設されており、この遮熱プレート6の上方に内鍋3の底壁部(フラット面部およびアール面部)3aが載置されるようになっている。この遮熱プレート6の中央には、上記第1の保護枠4a中央のセンターセンサー嵌挿穴10aに対応するセンターセンサー嵌挿穴6aが設けられており、さらにその外周囲には、周方向に120゜の間隔を置いて、内鍋支持用の凸状パッキン6b,6b,6bを嵌装する嵌装孔が設けられている。そして、この嵌装孔内に、図示のようにシリコンゴム等の耐熱性が高く、弾性がある凸状パッキン6b,6b,6bが嵌装され、下部側第1の保護枠4aのポケット部との間で安定した固定状態に支持されている。
そして、その上部に内鍋3の底壁部3aの高台部分が当接する状態で内鍋3が後述する肩部材8部分に吊設されるようになっている。
ところで、この実施の形態の場合、上記第1の保護枠4aと第2の保護枠4bは、それぞれ相互に別体に構成されており、第1の保護枠4aの周壁部上端の段部41部分に、上記遮熱プレート6の開口部6c外周側フランジ部6dを介して、環状の枠部材42を嵌合し、該環状の枠部材42を介して、その上部42a部分に第2の保護枠4bの下端側を載置嵌合して、内鍋3を収納し得る内ケース構造とするようになっている。
第2の保護枠4bは、合成樹脂製の筒状部材40aを中心とし、その上端側に所定幅水平方向外方に張り出した肩部材および各種補強部材等取付用の取付縁部40c,40d,40e,40fを形成しているとともに、さらに同筒状部材40aの内周側には金属製の略同じ上下幅の筒状部材40bが所定の隙間を保って2重筒構造に一体化されている。
そして、内鍋側金属製の筒状部材40bの外周面には、炊飯および保温時において加熱手段として機能する例えばコードヒータ等よりなるヒータH1が設けられており、炊飯時および保温時において上記内鍋3の側壁部3bを有効かつ均一に加熱するようになっている。
さらに、同金属製の筒状部材40bの下端側には、嵌合時において上記下方側皿状の遮熱プレート6の開口部6c内周面に延設されて嵌合部を内外方向にシールするパッキン35が取り付けられており、第1の保護枠4aおよび遮熱プレート6の上端側に環状の枠部材42を介して第2の保護枠4bを嵌合した時に、同パッキン35のシール用縁部35aが遮熱プレート6の上端側開口部6cの内周面に隙間なく内接するようになっている(図6参照)。
一方、この時、上記環状の枠部材42の下端と上記遮熱プレート6の上端側開口部6cの外端側外周のフランジ部6dとの間には、所定上下寸法の隙間S1が形成され、同隙間S1を介して水分が外方に排出されるようになっている。
また、上記パッキン35の取付用基部35bの内周面側には、収納された内鍋3の側部3b下端部分と当接して内鍋3の中心位置を規制する凸状部35c,35c・・・が周方向に所定の間隔を保って設けられている。
一方、内鍋3の底壁部3aの外周面および該底壁部3aから側壁部3b面に至る間の湾曲面における外周面には、内部に誘起されるうず電流によって自己発熱が可能な、例えば銀ペースト等の金属製の第1,第2の誘導発熱体G1,G2が個別に貼設されている。
そして、上記内ケース4の底壁部である第1の保護枠4aの下方側にはコイル台9が設けられ、その周方向4方の下面部側にはフェライトコアが配置され、また、同コイル台9の上部側には、上記内鍋3の底壁部3aの下面側と側部湾曲面側の上記第1,第2の各誘導発熱体G1,G2位置に対応して各々リッツ線が同心状に巻成された第1,第2の2組のワークコイルC1,C2が配設されており、それにより通電時には内鍋3の上記第1,第2の誘導発熱体G1,G2にうず電流を誘起して、内鍋3を間接的に加熱するようになっている。
なお、上記第1,第2のワークコイルC1,C2の一端は、図示しない整流回路および平滑回路を介した電源ラインに、また他端は、図示しないIGBT(パワートランジスタ)のコレクタにそれぞれ接続されている。
また、上記外ケース1aは、例えば合成樹脂材で形成された上下方向に筒状のカバー部材により形成されており、該カバー部材(即ち、外ケース1a)の上端部は、合成樹脂製の方形環状の肩部材8の外周縁部分が嵌合状態で結合され、その内鍋側の円形の開口部が上述した炊飯器本体1の開口部外周縁を形成している。また、上記カバー部材(即ち、外ケース1a)の下端部には、合成樹脂製の底ケース1bが結合され、上記内ケース4の第1の保護枠(底壁部)4aとの間に所定の広さの断熱および通風空間部を形成している。
そして、上記内ケース4下方側の上記コイル台9の中央部には、上下方向に同心状に貫通したセンターセンサー嵌合口(センターセンサー収納空間部)が形成されており、該センターセンサー嵌合口に上下方向に昇降自在な状態で、かつ常時コイルスプリングにより上方に上昇付勢された状態でサーミスタ等の内鍋温度検知センサーよりなるセンターセンサーCSが設けられている。
ところで、上記内ケース4、外ケース1a、肩部材8、底ケース1bの各々は、高圧状態での炊飯がなされる圧力型の電気炊飯器の特性を考慮して、それぞれ十分な補強構造が採用されている。
中でも、高圧時には、フラットで平面方向の面積が大きい上記蓋体2に対して内鍋3側からの押し上げ圧力が大きく作用し、内ケース4と外ケース1aの上端側に支持されている炊飯器本体側肩部材8部分を強く上方に引き上げることになる。
その結果、蓋体2と炊飯器本体1側との間に隙間が生じやすくなり、この状態が繰り返されることにより経年的に変形が生じて、場合によっては隙間が生じ、圧力漏れを生じることも想定される。また、変形が生じると、見映えも悪くなる。
また、近年の電気炊飯器では本件のように土鍋等が採用されることから、内鍋の厚み増による重量増、この実施の形態のような圧力機能搭載による重量増などで、炊飯器本体の重量が増加する傾向にある。その為、市場での落下時の本体破損を避ける為に梱包箱内の緩衝材や梱包箱自体の寸歩が大きくなる傾向にある。現状の梱包時の緩衝材は上下に入れて対応するようにしている。その為、横方向に落とされた際の衝撃を緩和する為にパットの横方向の寸法を大きくすることによって対応をしている。そのため、梱包箱の寸法も大きくなり、当然コストも増大している。
そこで、この実施の形態では、上記肩部材8が取り付けられる基幹部材である内ケース4の上部側第2の保護枠4bに対して、前後一対の補強部材30,31と左右一対の補強部材32,33とを設け(何れも金属製)、それぞれ第2の保護枠4bの前後、左右各部をそれらによって上下両側から挟む状態で強固に取り付けるようにし、上記第2の保護枠4b部分の強度、剛性を大きく向上させることにより、上述のような問題を解決している(図2参照)。
今、図3、図4は、図1および図2に示す第2の保護枠4bの前後および左右の各々に対応する各一対の補強部材30,31、32,33をそれぞれ分解状態で示した斜視図であり、図4は、さらに肩部材8との対応を示したものである。また、図5は、第2の保護枠4bに対して前後左右各一対の補強部材30,31、32,33、ヒンジユニット取付片補強部材11a等を介して肩部材8を取り付けた状態の下面図、図6は同補強材等取付状態における要部の構成を示す部分的な断面図である。
前後一対の補強部材30,31は、図示のように、第2の保護枠4bの上端の前後両側の各取付縁部40c,40dの上面側に各々複数のネジを介して螺合締結されて一体化されているとともに、左右一対の補強部材32,33は、第2の保護枠4bの上端側左右取付縁部40e,40fの下面側に位置して同取付縁部40e,40fの下面に対して下方側から複数本のネジにより締結固定して一体化されている。
左右一対の補強部材32,33は、上記左右一対の補強部材取付縁部40e,40fの左右方向の幅と略同等の幅を有し、その幅方向の一側面側(筒状部40a側)に上記第2の保護枠4bの筒状部40aの円弧面に沿って係合する凹溝部32a,33aを有するとともに、他側面側には補強用の鉤状のリブ32f,33fを有し、かつ前後方向の長さが上記前後一対の補強部材取付縁部40c,40dの前後両端側まで届きかつ、同前後方向両端部32b,32c、33b,33cの内側部分が上記前後一対の補強部材取付縁部40c,40dの両端部下方まで所定長さ延設されて、同延設部32d,32e、33d,33e部分が上記前後一対の補強部材30,31の左右両端30a,30b、31a,31b部分と所定長さ(かつ所定幅)オーバラップするようになっており、両者の螺合取付状態では相互に強固に連結されて一体化されるようになっている。
この場合、上記前後一対の補強部材30,31および左右一対の補強部材32,33は、一対のものが同一形状、同一寸法のものとなっており、何れも1種類のものを製作すれば足りるので、部品の種類を増やさなくて済むし、組付作業も楽である。
このように、上記炊飯器本体肩部の基幹部材である第2の保護枠4bの前後および左右に各々補強部材30,31、32,33を設け、それらを第2の保護枠4bの上端側縁部部分を挟む状態で取り付けて補強するようにすると、炊飯器本体1側肩部の強度、剛性が向上し、内鍋3内の圧力が高くなって、蓋体2を押し上げるような力が作用した時にも肩部材8が変形するようなことがなくなり、周方向の全体に亘って均一な水平度を保つことができるようになる。
その結果、蓋体2と炊飯器本体1側肩部との間のシール性も維持される。
また、左右両側の補強部材32,33が、炊飯器幅方向の強度、剛性を向上させるから、梱包時における炊飯器幅方向の緩衝吸収材の寸法を拡大させなくて済むようになる。
また、この実施の形態では、同構成において、前後の補強部材30,31と左右の補強部材32,33とは、第1の保護枠4aの前後左右の取付縁部40c,40d、40e,40fを介して一部が相互に重なり合うように取り付けられている。
このような構成によると、上記取付状態において、前後および左右各々の各補強部材30,31、32,33が相互に連結、リンクされる形で第2の保護枠4bに対して一体に取り付けられることになるから、肩部周方向の全体を一層均一かつ強固に補強することになる。
その結果、周方向の全体に亘って、より均一な水平度を保つことができるようになり、上述した蓋体2と炊飯器本体1側肩部との間のシール性も一段と高くなる。
また、炊飯器幅方向の強度、剛性も、より向上する。
しかも、この実施の形態では、上記左右の補強部材32,33は、少なくとも炊飯器本体1の左右幅方向最大寸法部分を含んで設けられている。
このような構成によると、特に炊飯器本体1の左右幅方向最大寸法部分の強度、剛性が高くなる。
その結果、より確実に、梱包時における炊飯器幅方向の緩衝材の寸法を拡大させなくて済むようになる。
これらの結果、同構成によると、次のような有益な効果を得ることができる。
(1) 従来の肩部構造に比べて、大きく強度が向上し、経年的な変形も生じないので、長期に亘って安定したシール性能を維持することができる。
したがって、製品の信頼性が高くなる。
(2) 製品の側面方向からの落下に対する耐衝撃力が向上し、梱包時の緩衝材の寸法を小さくすることができる。
その結果、販売・流通用のコストを削減することができる。
なお、左右一対の補強部材32,33の前後には、第2の保護枠4bの取付用ボス部材40g,40gを挿通する穴32h,32h,33h,33hや水平方向の係合凹部32g,32g,33g,33gが設けられている。
一方、上記蓋体2は、その上部外周面を構成する合成樹脂製の上板21と、該上板21の内側(下側)に設けられた同じく合成樹脂製の下板22と、該下板22の本体部の内側(下側)にゴム製の第1のパッキン25を介して重合固定される蓋ヒータ(図示省略)を有する金属製の放熱板23と、該放熱板23の下方に設けられ、その外周縁部分に合成樹脂製の着脱可能な枠部材27を介してゴム製の第2のパッキンが取り付けられている金属製の内カバー24とから形成されている。
そして、耐圧力強度を高めるために、中心となる上記下板22本体部分の後端部22aの外周側部分を連結片22b、ネジ22cを介してヒンジユニット11側の連結片11cに係止しているとともに、同下板22の本体部上面には、所定の板厚、所定の構造の金属製の補強板および多数の補強リブを左右および前後に亘って設けることにより、当該蓋体2の全体を高強度の構造体に形成するようにしている。
すなわち、上記下板22は、その本体部後端側外周22aの中間部分が上方に向けてコ字状に曲成され、内側に前述したヒンジユニット11を収納しているとともに、その外周端側下降部はヒンジユニット11をカバーしている。
そして、これら下板22後端側外周22aの各部部分を取付ブラケットとして、上記蓋体2は、その後端側を、上記炊飯器本体1上部の開口部を形成している肩部材8に対してヒンジユニット11を介して回動自在に取付けられており、その開放端側(前端側)には、該蓋体2の所定位置に係合して該蓋体2の上下方向への開閉を行うロックおよびロック解除機構13が設けられている。
また、上記蓋体2の略中央部には、例えば図7〜図12に示すように、お粘成分を回収しながら蒸気のみを外部に逃がすとともに炊飯工程に応じて内鍋3内の圧力を常圧、中圧(第1の圧力)、高圧(第2の圧力)の3段階に調節する第1,第2の調圧ユニット26A,26Bが設けられている。
この第1,第2の2組の調圧ユニット26A,26Bは、内鍋3内から外部に向けて迂回する第1,第2の2組の蒸気逃し通路50,50a〜50c、50,50a〜50cと同第1,第2の各蒸気逃し通路50,50a〜50c、50,50a〜50cに設けた2組の圧力調整機構1,2よりなっている。そして、同2組の圧力調整機構1,2は、上記第1,第2の蒸気逃し通路50,50a〜50c、50,50a〜50c各々の内カバー24、放熱板23部分の蒸気入口50,50の下流側(上方部)に位置して、例えば図7〜図12に示すように、重さおよび大きさの異なる第1,第2の球体弁B1(大),B2(小)を設け、同第1,第2の球体弁B1,B2による蒸気逃し通路の開閉によって上記の3段階に調圧圧力を設定するようになっている。
これら第1,第2の球体弁B1,B2は、次に述べるように第1,第2の電磁ソレノイド(電磁プランジャ)ES1,ES2により電気的に選択して作動制御されるようになっている。
上記圧力調整機構1の第1の球体弁(大)B1はその自重により約1.2〜1.4気圧程度(以下、高圧という)に調圧出来るものであり、また圧力調整機構2の第2の球体弁体(小)B2は、その自重により約1.03〜1.1気圧程度(以下、中圧という)に調圧出来るものである。
すなわち、圧力調整機構1は第1の蒸気逃し通路50,50a〜50cの途中(上流部)に設けたバルブケーシングC1内の弁座V1の上部(凹溝部)に球体弁B1が着座する状態(通路閉状態)と同上部から逃げた状態(通路開状態)との2つの状態に駆動制御する電磁ソレノイドES1を備えて構成されており、第1の電磁ソレノイドES1がON作動することにより、上記高圧用の球体弁B1を蒸気抜き孔H1を有する弁座V1上に乗せる一方、ソレノイドES1がOFFすると、同第1の電磁ソレノイドES1に接続されたスライダーR1がパッキンP1を介して球体弁B1を略水平方向に押し、同球体弁B1を弁座V1の蒸気抜き孔H1から離脱させるように作動する(図11の矢印a,b参照)。
他方、圧力調整機構2は、第2の電磁ソレノイドES2と、その作動ロッドR2、同作動ロッドR2によりスライドされるアングル状のプッシャーロッドR3と、このプッシャーロッドR3により下方側に押されて球体弁B2を押えるプッシャーR4と、プッシャー外周のパッキンP2、そしてプッシャーロッドR3を押し下げる方向に付勢するスプリングSPとから構成されており、電磁ソレノイドES2がONすると、スプリングSPにより作動ロッドR2、プッシャーロッドR3が水平方向のソレノイドES2に近づく方向に動き、プッシャーロッドR3の回転軸XとスプリングSPの作用でプッシャーR4が垂直方向下向きに摺勤し、パッキンP2を介して約1.05気圧用の球体弁B2が弁座V2の蒸気抜き孔H2に押しつけられる方向に荷重をかける。
また第2の電磁ソレノイドES2がOFFすると、逆にプッシャーロッドR3がソレノイドES2から離れる方向に移動し、プッシャーロッドR3の回転軸Xを支点にプッシャーR4が垂直方向上向きに摺勤し、約1.05気圧用の球体弁B2はその自重によってのみ蒸気抜き孔H2を塞ぐことになる(図12の矢印a,b,c,d参照)。
なお、この圧力調整機構2の第2の電磁ソレノイドES2がONした時にプッシャーR4がパッキンP2を介して中圧用の球体弁B2を蒸気抜き孔H2側に押しつける時の荷重は、内鍋3内の圧力を1.2〜1.4気圧程度に上昇させ得る荷重に設定してあるため、この第2の電磁ソレノイドES2がONしている時には、中圧用の球体弁B2が内鍋3内の圧力を調整するために作用するので(リリーフ作用)、実際に内鍋3内に作用する圧力は約1.2気圧位が最大となる。
これら2つの圧力調整機構1,2を組み合わせることで、次のように常圧を含む中圧、高圧の3つの圧力制御を実現することが出来る。
(1)圧力調整機構1:OFFで、圧力調整機構2:OFFの時→常圧
(2)圧力調整機構1:ONで、圧力調整機構2:OFFの時→中圧
(3)圧力調整機構1:ONで、圧力調整機構2:ONの時→高圧
なお、上記蒸気逃し通路50,50a〜50cには、上記圧力調整機構とは別に沸とうセンサー(蒸気センサー)VSが設けられている。
また、上記放熱板23の外周側は、上方側に略直角に曲成されて筒状壁に形成されているとともに、該筒状壁の一部(中間)を扁平に重合して半径方向外方に凸部を形成し、同凸部部分にゴム製の第1のパッキン25の基部を嵌合している。
この第1のパッキン25の先端は、次に述べる内カバー24の外周縁部24aの上端に当接されるようになっている。
上記内カバー24の外周縁部24aは、図2に示すように、クランク状に曲成されて、上下方向の筒状壁と該筒状壁の上端から半径方向外方に向けて水平に延びるフランジ部とが形成されている。
そして、同筒状壁とフランジ部との間の外方側コーナー空間を利用して、図1、図6に示すように、ゴム製の第2のパッキン14が取り付けられている。この第2のパッキン14は、断面フック型形状の基部14aを合成樹脂製の固定用枠部材27の断面H型形状の内周側基部に係合する形で固定されており、同基部14aから下方に延びる筒状壁部が上記内カバー24の筒状壁部と平行になる形で嵌合されている。
そして、同筒状壁部の下端からは、さらに半径方向外方に延びる所定の幅の水平部14bが設けられ、該水平部14bの外周端には、後述する内鍋3の開口部外周縁のフランジ部3c上面に当接する第1のシール片14cと同内鍋3開口部のネック部の内周面に当接する第2のシール片14dとの2組のシール片が一体に設けられている。
そして、このような構成の第2のパッキン14は、上述した枠部材27の基部部分とその外周の把手片部分を介して上記内カバー24の外周側クランク状の外周縁部24aの内側に係合固定することによって、図示のように固定されている。
一方、上記蓋体2の上板21の前部中央には、当該炊飯器の操作部および表示部を構成する操作パネル60嵌合用の開口部が、またその下部側の中板20部分には、同操作パネル60嵌合用の凹溝部が形成されており、同開口部および凹溝部部分に上板21の外周面と連続する外周面を形成する形で、例えば透明なABS樹脂製の操作パネル(銘板)60が嵌合されてカバーされるようになっている。
該操作パネル60は、そのパネル部裏側に所定の深さの基板および液晶パネル収納ボックスを備えてなり、圧力調整機構1,2の制御手段としてのマイコンを備えた第2の電気基板(マイコン基板)60Bおよび液晶パネル60Aが上記上板21の開口部および中板20の凹溝部内に嵌合して収納されている。そして、その中央部には液晶パネル60Aの表示面に対応する透明窓を有するとともに、同透明窓の周囲に、タイマー炊飯用の炊飯予約スイッチ、炊飯スイッチ、保温スイッチ、取消スイッチ、炊飯メニュー(例えば白米、早炊き、おこわ、おかゆ、玄米その他のコースメニュー)を指定するメニュースイッチ、おこげ選択スイッチ、時計及びタイマーの時刻時・分設定スイッチの各種操作キーが設けられている。
一方、炊飯器器体1の内鍋収納口の開口部周縁を形成している上記肩部材8は、その内周側から外周側にかけて、内周壁81側を上記内ケース4の上記第2の保護枠4bの筒状部40a,40bの上端に対して係合され、上端側周方向の略全体に内鍋3のフランジ部3cを係合する内鍋係合用の段部82を形成している断面逆U字状の内鍋支持部と、該断面逆U字状の内鍋支持部の外周壁73に設けた係合凸部84を上記外ケース1aの上端に係合している断面逆U字状の肩枠部とからなり、それらを相互に連続一体化して構成されている。
上記内鍋係合用の段部82は、図6に示す左右方向の最大寸法位置(図5の矢印参照)では、把手溝を形成するために低く形成され、内鍋3のフランジ部3cとの間に指が入る隙間が形成されるようになっている。
また、上記肩枠部は、例えば図4および図5に示すように、前部8aおよび後部8c部分では比較的幅が広いが、左右最大寸法幅部分8d,8eでは、非常に幅が狭くなっている。
したがって、この部分では、第2の保護枠4bも含めて落下時の耐衝撃力が最も弱い。このため、上述のように左右一対の補強部材32,33を取り付けることにより補強している。これにより最大幅寸法を大きくすることなく、耐衝撃強度を向上させることができる。また、高圧時の変形も防止することができる。
しかし、圧力型電気炊飯器の場合、すでに述べたように蓋体2自体も補強され、重量も大きくなっている。したがって、肩部材8の強度アップは、単に圧力作用部のみに限られず、例えば後端肩枠部8c側のヒンジユニット取付片8bにおいても必要となる。
そこで、この実施の形態では、例えば図1、図4、図5に示すように、上記ヒンジユニット取付片8b部分の後端側から、図4のようなヒンジユニット取付片補強部材(以下、単にヒンジ片補強部材という)11aが挿入係合されて、組付時に締結一体化されるようになっている。
このヒンジ片補強部材11aは、上下方向に延びるヒンジユニット取付片8bの下部側、肩枠部8c下部の縦壁部分の嵌合溝に挿入嵌合されて、肩枠部8cの下面部と第2の保護枠4bの後部側補強部材取付用縁40d部分に螺合締結される上下2段、かつ左右一対の締結片71a,71a、72a,72aと上下方向に所定の幅を有して、ヒンジユニット取付片8bの背面側に締結一体化される本体部73とからなり、本体部73の左右両端側上部には、上記ヒンジユニット取付片8bの両端側背面部に位置して、ヒンジユニット11のヒンジ軸11bを嵌合支持するヒンジ軸支持片74a,74aが一体に設けられている。
そして、これを利用して、図1のようにヒンジユニット取付片8bおよび肩枠部8cが強固に補強されるとともにヒンジユニット11のヒンジ軸11bが安定した状態に支持される。
この結果、蓋体2の大きな重量にもかかわらず、肩部材8の後部の安定した剛性、形状が確保される。
1は炊飯器本体、2は蓋体、3は内鍋、4は内ケース、4aは第1の保護枠、4bは第2の保護枠、8は肩部材、30,31は前後一対の補強部材、32,33は左右一対の補強部材、40aは合成樹脂製の筒状部材、40bは金属製の筒状部材、40c,40dは前後一対の補強部材の取付縁部、40e,40fは左右一対の補強部材の取付縁部である。

Claims (3)

  1. 内鍋と、この内鍋を収容する内鍋収容口を有する炊飯器本体と、上記炊飯器本体の上記内鍋収容口の下部に設けられた内鍋加熱手段と、上記炊飯器本体の上記内鍋収容口の上部に開閉可能に設けられた蓋体と、この蓋体に設けられ、上記内鍋内を常圧よりも高い圧力に調整する圧力調整機構と、この圧力調整機構を作動制御する制御手段とを備えてなる電気炊飯器であって、上記炊飯器本体肩部の前後および左右に各々補強部材を設け、それらを保護枠を挟む状態で取り付けたことを特徴とする電気炊飯器。
  2. 前後の補強部材と左右の補強部材とは、保護枠縁部を介して一部が相互に重なり合うように取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器。
  3. 左右の補強部材は、少なくとも炊飯器本体の左右幅方向最大寸法部分を含んで設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の電気炊飯器。
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