JP2013236290A - 水晶振動片、水晶デバイス、及び水晶振動片の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、振動数の継時変化を抑えると共に、製品ごとに最適な周波数継時特性の調整をすることができる水晶振動片、水晶デバイス、及び水晶振動片の製造方法を提供する。
【解決手段】水晶振動片(130)は、所定の振動数で振動する振動部(134)と、振動部に形成される励振電極(131)と、を有する。励振電極は、振動部の表面に形成されるクロム層(154)と、クロム層の表面に形成され複数の層よりなる金属膜(161)と、により形成され、金属膜が少なくとも金層、銀層及びパラジウム層(151、152、152)を含む。
【選択図】 図2
【解決手段】水晶振動片(130)は、所定の振動数で振動する振動部(134)と、振動部に形成される励振電極(131)と、を有する。励振電極は、振動部の表面に形成されるクロム層(154)と、クロム層の表面に形成され複数の層よりなる金属膜(161)と、により形成され、金属膜が少なくとも金層、銀層及びパラジウム層(151、152、152)を含む。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複数の層により形成された励振電極を有する水晶振動片、水晶デバイス、及び水晶振動片の製造方法に関する。
所定の振動数で振動する水晶振動片が知られている。水晶振動片には励振電極が形成され、励振電極に電圧がかけられることにより水晶振動片は振動させられる。このような水晶振動片では、振動数の継時変化が問題になる。また、励振電極に化学的安定性が高い金(Au)を使用すれば振動数の継時変化を抑えられるが、製造コストが高くなるという問題がある。
このような問題に対して、特許文献1では金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)の3元系合金を励振電極に用いることを開示している。金(Au)は、振動数の継時変化に影響を及ぼさず、銀(Ag)は継時変化により振動数を減少させ、パラジウム(Pd)は継時変化により振動数を増加させる。このように振動数の継時変化に対して異なる性質を有する金属により合金を形成して振動数の継時変化を抑えることができる旨を特許文献1は開示している。
しかし、特許文献1では製品に要求される周波数継時特性に応じた金(Au)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)の濃度を細かく調整することが困難である。すなわち、金(Au)は継時変化を抑えられるが製造コストが高くなるという問題があるため、各製品に要求される周波数継時特性に応じた濃度が調整されることが好ましいが、個々の製品で周波数継時特性を調整する場合には金(Au)の濃度が異なる多数の種類の合金を用意しなければならず、これにより製品の開発費用が高くなってしまうという問題がある。また、銀(Ag)及びパラジウム(Pd)の濃度も製品ごとに最適な濃度に調整されることが好ましいため、金(Au)と同様の問題が生じている。
本発明は、振動数の継時変化が抑えられ、製品ごとに最適な周波数継時特性の調整をすることができる水晶振動片及び水晶デバイスを提供することを目的とする。
第1観点の水晶振動片は、所定の振動数で振動する振動部と、振動部に形成される励振電極と、を有する。励振電極は、振動部の表面に形成されるクロム層と、クロム層の表面に形成され複数の層よりなる金属膜と、により形成され、金属膜が少なくとも金層、銀層及びパラジウム層を含む。
第2観点の水晶振動片は、第1観点において、金属膜が、クロム層の表面に金層が形成され、金層の表面に銀層が形成され、銀層の表面にパラジウム層が形成されることにより形成される。
第3観点の水晶振動片は、第1観点において、金属膜が、クロム層の表面に金層が形成され、金層の表面に銀層が形成され、銀層の表面に金層が形成され、銀層の表面に形成された金層の表面にパラジウム層が形成される。
第4観点の水晶振動片は、第1観点において、金属膜が、クロム層の表面に金層が形成され、金層の表面にパラジウム層が形成され、パラジウム層の表面に銀層が形成され、銀層の表面にパラジウム層が形成される。
第5観点の水晶振動片は、第1観点において、所定の振動数で振動する振動部と、振動部に形成される一対の励振電極と、を有し、励振電極が、振動部の表面に形成されるクロム層と、クロム層の表面に形成され複数の層よりなる金属膜と、により形成され、金属膜が、金、銀及びパラジウムの中の2つの金属により構成される合金層と、金、銀及びパラジウムの中の合金層に用いられない金属により構成された金属層と、を含む。
第6観点の水晶振動片は、第5観点において、合金層が銀―パラジウム合金層であり、金属層が金層であり、金層がクロム層の表面に形成され、銀―パラジウム合金層が金層の表面に形成される。
第7観点の水晶振動片は、第5観点において、合金層が金―銀合金層であり、金属層がパラジウム層であり、金―銀合金層がクロム層の表面に形成され、パラジウム層が金―銀合金層の表面に形成される。
第8観点の水晶振動片は、第5観点において、合金層が金―パラジウム合金層であり、金属層が銀層であり、金―パラジウム合金層がクロム層の表面に形成され、銀層が金―パラジウム合金層の表面に形成される。
第9観点の水晶振動片は、第1観点から第8観点において、金属膜の表面に金属膜と同様の構成の少なくとも1つの金属膜が形成される。
第10観点の水晶振動片は、第1観点から第9観点において、金属膜の表面であり励振電極の最表面に金層が形成される。
第11観点の水晶振動片は、第10観点において、励振電極の最表面に形成される金層が、励振電極の一方のみに形成される。
第12観点の水晶デバイスは、第1観点から第11観点の水晶振動片と、水晶振動片を載置するベース板と、振動部を密封するリッド板と、を有する。
第13観点の水晶振動片の製造方法は、所定の振動数で振動する振動部を有する複数の水晶振動片を含む水晶ウエハを用意する工程と、水晶振動片の表面にクロム層を形成し、クロム層の表面に少なくとも金層、銀層、及びパラジウム層を含む金属膜を形成し、金属膜の表面に金層を形成することにより電極を形成する電極形成工程と、金属膜の表面に形成された金層を削ることにより振動数を調整する振動数調整工程と、を有する。
本発明の水晶振動片、水晶デバイス、及び水晶振動片の製造方法によれば、振動数の継時変化を抑え、製品ごとに最適な周波数継時特性の調整をすることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
(第1実施形態)
<水晶デバイス100の構成>
図1は、水晶デバイス100の分解斜視図である。水晶デバイス100は、リッド板110と、ベース板120と、水晶振動片130と、により構成されている。水晶振動片130には例えばATカットの水晶振動片が用いられる。ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。以下の説明では、ATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。すなわち、水晶デバイス100においては水晶デバイス100の長辺方向をX軸方向、水晶デバイス100の高さ方向をY’軸方向、X及びY’軸方向に垂直な方向をZ’軸方向として説明する。
<水晶デバイス100の構成>
図1は、水晶デバイス100の分解斜視図である。水晶デバイス100は、リッド板110と、ベース板120と、水晶振動片130と、により構成されている。水晶振動片130には例えばATカットの水晶振動片が用いられる。ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。以下の説明では、ATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。すなわち、水晶デバイス100においては水晶デバイス100の長辺方向をX軸方向、水晶デバイス100の高さ方向をY’軸方向、X及びY’軸方向に垂直な方向をZ’軸方向として説明する。
水晶振動片130は、所定の振動数で振動し、矩形形状に形成される振動部134と、振動部134の+Y’軸側及び−Y’軸側の面に形成された励振電極131と、各励振電極131から−X軸側に引き出された引出電極132と、を有している。振動部134の+Y’軸側の面に形成されている励振電極131から引き出される引出電極132は、励振電極131から−X軸側に引き出され、さらに振動部134の+Z’軸側の側面を介して振動部134の−Y’軸側の面にまで引き出されている。振動部134の−Y’軸側の面に形成されている励振電極131から引き出される引出電極132は、励振電極131から−X軸側に引き出され、さらに振動部134の−Z’軸側の側面を介して振動部134の+Y’軸側の面にまで引き出されている。
ベース板120には、+Y’軸側の面の周囲に封止材142(図2(a)参照)を介してリッド板110に接合される接合面122が形成されている。また、ベース板120の+Y’軸側の面の中央には、接合面122から−Y’軸方向に凹んだ凹部121が形成されている。凹部121には一対の接続電極123が形成されており、各接続電極123は導電性接着剤141(図2(a)参照)を介して水晶振動片130の引出電極132に電気的に接続される。また、ベース板120の−Y’軸側の面には、水晶デバイス100をプリント基板等へ実装するための実装端子124が形成されている。接続電極123は、ベース板120をY’軸方向に貫通して形成される貫通電極125を介して実装端子124に電気的に接続されている。
リッド板110は、−Y’軸側の面に+Y’軸方向に凹んだ凹部111が形成されている。また、凹部111を囲むように接合面112が形成されている。接合面112は封止材142(図2(a)参照)を介してベース板120の接合面122に接合される。
図2(a)は、図1のA−A断面図である。ベース板120の接合面122とリッド板110の接合面112とが封止材142を介して接合されることにより、水晶デバイス100内には密閉されたキャビティ101が形成される。水晶振動片130は、引出電極132が導電性接着剤141を介してベース板120の接続電極123に電気的に接合されることによりキャビティ101内に配置されている。これにより、励振電極131は実装端子124に電気的に接続される。
図2(b)は、図2(a)の点線181の拡大図である。水晶振動片130に形成される励振電極131は、複数の金属の層により形成される。励振電極131は、まず水晶振動片130の振動部134の+Y’軸側及び−Y’軸側の表面にクロム(Cr)層154が形成される。さらにクロム層154の表面には第1金属層151が形成され、第1金属層151の表面には第2金属層152が形成され、第2金属層152の表面には第3金属層153が形成される。この第1金属層151、第2金属層152、及び第3金属層153の組み合わせを金属膜161とする。励振電極131は、クロム層154と、金属膜161とにより形成される。励振電極131は、複数の金属膜161を有していても良く、図2(b)では、クロム層154と、3層の金属膜161とにより形成された励振電極131が示されている。第1金属層151、第2金属層152、及び第3金属層153の各層は、互いに重複しない金(Au)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)のいずれかの金属により形成される。例えば水晶振動片130では、第1金属層151が金(Au)により形成され、第2金属層152が銀(Ag)により形成され、第3金属層153がパラジウム(Pd)により形成されることができる。
振動部134は、水晶材等の材料により形成される。クロム(Cr)はこれらの材料に良く密着するため、振動部134の表面に形成される。第1金属層151に用いられる金(Au)は酸化等を起こしにくく化学的に安定であり、振動数の継時変化を起こしにくい。第2金属層152を構成する銀(Ag)は、酸化、硫化等の化学変化を起こしやすく、振動数を時間と共に減少させる方向に作用させる。第3金属層153を構成するパラジウム(Pd)は、内部応力等を蓄積しやすく、時間と共にこの内部応力が緩和されることにより振動数を時間と共に増加させる。これら3種の金属が組み合わされて励振電極131が形成された場合、銀(Ag)とパラジウム(Pd)との性質が互いに打ち消し合い、金(Au)が励振電極131を安定させようとするため、励振電極131全体としては振動数の継時変化が抑えられる。
水晶振動片130では、金(Au)の励振電極131における質量比が20〜70質量%であることが好ましい。金(Au)の質量比が上がれば励振電極131の材料費が上がり、金(Au)の質量比が下がれば水晶振動片130の振動数のバラツキが大きくなる。金(Au)の質量比の範囲はこれらのことを考慮したものである。また、銀、パラジウム(Pd)の合計の励振電極131における質量比は30〜80質量%とされることが好ましく、銀(Ag)とパラジウム(Pd)との質量比は2:8〜8:2であることが好ましい。銀(Ag)とパラジウム(Pd)とは互いにその性質を打ち消し合うため、銀(Ag)とパラジウム(Pd)との質量比は近いほど好ましい。
水晶振動片が所定の振動数に調整される場合、振動部の厚さに対して励振電極が所定の質量に調整されることが求められる。一般的には励振電極131の金(Au)の厚さは1000〜3000Å(オングストローム)に形成される。例えば水晶振動片130の振動数を26MHzとして励振電極131を全て金(Au)で形成する場合、励振電極131の厚さは1600Å(オングストローム)となる。金(Au)の好ましい質量比である30〜80質量%を考慮した場合には、励振電極131の厚さは約1800Å〜約2600Åとなる。また、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)の各金属層の合計の厚さは、各金属層の励振電極全体に対する質量比に比例する。
水晶振動片130では、励振電極131が金(Au)層、銀(Ag)層、及びパラジウム(Pd)層が幾重にも積み重ねられていることにより形成されている。各層が薄く何層も形成されると、励振電極131が金(Au)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)の3元系合金として形成されているのと同様に考えることができる。そのため、金(Au)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)の3元系合金が使用された場合と同様に水晶振動片130の振動数の継時変化を抑えることができる。
<水晶デバイス100の製造方法>
図3は、水晶デバイス100の製造方法が示されたフローチャートである。以下、図3のフローチャートに従って、水晶デバイス100の製造方法について説明する。
図3は、水晶デバイス100の製造方法が示されたフローチャートである。以下、図3のフローチャートに従って、水晶デバイス100の製造方法について説明する。
ステップS101では、水晶ウエハW130が用意される。ステップS101は、水晶ウエハW130を用意する工程である。ステップS101では、平板状のATカットの水晶材により形成された水晶ウエハW130にエッチングを行うことにより、水晶ウエハW130に複数の水晶振動片130の外形が形成される。
ステップS102では、水晶ウエハW130に励振電極131及び引出電極132が形成される。ステップS102は、電極形成工程である。励振電極131及び引出電極132は、水晶ウエハW130にスパッタ又は真空蒸着等を行うことにより形成する。
図4は、励振電極131及び引出電極132が形成された水晶ウエハW130の平面図である。水晶ウエハW130には複数の水晶振動片130が形成されている。水晶振動片130は、水晶振動片130を囲むように水晶ウエハW130をY’軸方向に貫通する貫通溝162が形成されることにより水晶振動片130の外形が形成される。また、各水晶振動片130には水晶振動片130の−X軸側の辺の中央に連結部163が形成されており、各水晶振動片130は連結部163を介して水晶ウエハW130に連結されている。
図5(a)は、スパッタリング装置200の概略側面図である。ステップS102における励振電極131及び引出電極132は、例えばスパッタリング装置200を用いて水晶ウエハW130にスパッタを行うことにより形成することができる。スパッタリング装置200は、水晶ウエハW130が載置される筐体220及びスパッタが行われる処理室230を備えている。水晶ウエハW130は複数の保持爪221により保持されて筐体220に載置されており、筐体220が処理室230内に進むことにより水晶ウエハW130にスパッタが行われる。また、スパッタリング装置200には処理室230外から処理室230内にかけてレール223が配置されており、筐体220は筐体220の下部に形成されている車輪222によりレール223を伝って処理室230内に運ばれる。
図5(b)は、スパッタリング装置220の概略上面図である。水晶ウエハW130は筐体220に載置されて−X軸方向に進むことにより、処理室230内に搬送される。処理室230内には4組のターゲット部がX軸方向に並んで配置されており、各ターゲット部は互いにY’軸方向に向かい合う一対のターゲット板を含んでいる。水晶ウエハW130へのスパッタは、水晶ウエハW130が一対のターゲット板の間を通過することにより行われる。例えばターゲット板に不活性ガスを衝突させるとターゲット板を形成するターゲット材がターゲット板から飛び出す。水晶ウエハW130が一対のターゲット板の間を通過するときにターゲット板から飛び出したターゲット材が水晶ウエハW130に積層されることによりスパッタが行われる。また、水晶ウエハW130が各ターゲット部を通過する時間を調整することにより水晶ウエハW130に形成される金属膜の厚さを調節することができる。
処理室230内で最も+X軸側に配置されるターゲット部231aのターゲット板232aは、例えばクロム(Cr)により形成される。また、ターゲット部231aの−X軸側の隣にはターゲット部231bが配置される。ターゲット部231bのターゲット板232bは、例えば金(Au)により形成される。さらに、ターゲット部231bの−X軸側の隣にはターゲット部231cが配置され、ターゲット部231cの−X軸側の隣にはターゲット部231dが配置される。ターゲット部231cのターゲット板232cは、例えば銀(Ag)により形成され、ターゲット部231dのターゲット板232dは、例えばパラジウム(Pd)により形成される。筐体220が処理室230内を+X軸方向又は−X軸方向に移動することにより、これらの金属が水晶ウエハW130にスパッタされ、水晶ウエハW130の表面に励振電極131及び引出電極132が形成される。
図3に戻って、ステップS201では、ベースウエハW120が用意される。ステップS201では、まず平板状に形成されたベースウエハW120が準備される。ベースウエハW120は例えば水晶材又はガラス等を基材としており、ベースウエハW120にエッチングを行うことにより、凹部121及び貫通電極125を形成するためのベース板120を貫通する孔を形成する。その後、ベースウエハW120に接続電極123、実装端子124、及び貫通電極125を形成する。ベースウエハW120に形成される接続電極123、貫通電極125、及び実装端子124の各電極は、例えばベースウエハW120の基材の表面にクロム(Cr)層を形成し、クロム層の表面に金(Au)層を形成することにより形成する。
図6(a)は、ベースウエハW120の+Y’軸側の面の平面図である。ベースウエハW120には複数のベース板120が形成されており、各ベース板120には凹部121、接続電極123、及び貫通電極125が形成されている。また、各ベース板120はX軸方向及びZ’軸方向に並んで形成されており、図6(a)では互いに隣接したベース板120の境界にスクライブライン171が示されている。スクライブライン171は後述されるステップS405でウエハが切断される位置を示した線である。各ベース板120の凹部121には接続電極123が形成されている。
図6(b)は、ベースウエハW120の−Y’軸側の面の平面図である。ベースウエハW120の−Y’軸側の面には、実装端子124が形成されている。実装端子124は貫通電極125を介して接続電極123に電気的に接続される。
図3に戻って、ステップS301では、リッドウエハW110が用意される。リッドウエハW110には複数のリッド板110が形成されており、各リッド板110には凹部111が形成される。
図7は、リッドウエハW110の平面図である。リッドウエハW110には複数のリッド板110が形成され、各リッド板110の−Y’軸側の面には凹部111及び接合面112が形成される。また、図7では、隣接する各リッド板110の間が二点鎖線で示されており、この二点鎖線がスクライブライン171になる。
ステップS401では、ベースウエハW120に水晶振動片130が載置される。水晶ウエハW130の連結部163を折り取ることにより個々の水晶振動片130が形成される。ステップS401では、この水晶振動片130をベースウエハW120の各凹部121にそれぞれ導電性接着剤141を介して載置する。
図8(a)は、水晶振動片130が載置されたベースウエハW120の部分断面図である。図8(a)には、図6(a)及び図6(b)のB−B断面を含む断面図が示されている。引出電極132と接続電極123とが導電性接着剤141を介して互いに電気的に接続されることにより、水晶振動片130はベースウエハW120の凹部121に載置される。また、これにより励振電極131と実装端子124とが電気的に接続される。
ステップS402では、水晶振動片130の振動部134の振動数が調べられる。振動部134の振動数の測定は、各ベース板120の−Y’軸側に形成されている一対の実装端子124にそれぞれプローブ172が当てられることにより行われる。
図8(b)は、図6(b)の点線182の拡大平面図である。図8(b)に示されるベースウエハW120は、ステップS402で水晶振動片130がベースウエハW120に載置された状態である。図8(b)では、一対のプローブ172が1つのベース板120の一対の実装端子124にそれぞれ接触させられることにより、振動部134の振動数が調べられている状態が示されている。図8(b)において、実装端子124は、貫通電極125を介して水晶振動片130の励振電極131に電気的に接続されている。また、1つの実装端子124は他の実装端子124に電気的に接続されていないため、水晶振動片130の振動数の測定では他の実装端子124の影響を受けることなく正確に測定することができ好ましい。
ステップS403では、水晶振動片130の振動数が調整される。ステップS403は、振動数調整工程である。ステップS402では水晶振動片130の振動数が調べられたが、ここで水晶振動片130の振動数が目的の振動数と異なっていた場合には、水晶振動片130の振動数が調整される。振動数の調整は、例えば励振電極131の最表面をアルゴン(Ar)ガスによるスパッタにより削ることにより行うことができる。
ステップS404では、ベースウエハW120とリッドウエハW110とが接合される。ベースウエハW120とリッドウエハW110とは、ベースウエハW120の接合面122又はリッドウエハW110の接合面112に封止材142が塗布された後に、ベースウエハW120の接合面122とリッドウエハW110の接合面112とが封止材142を挟んで互いに向かい合うように接合される。
図8(c)は、ベースウエハW120、水晶振動片130、及びリッドウエハW110の部分断面図である。図8(c)では、図6(a)及び図6(b)のB−B断面を含む断面図が示されている。ベースウエハW120にリッドウエハW110が載置されることで、各水晶デバイス100内に密閉されたキャビティ101が形成される。
ステップS405では、ベースウエハW120及びリッドウエハW110が切断される。ステップS405における切断は、スクライブライン171にダイシング等を行うことにより行われる。これにより個々に分割された水晶デバイス100が形成される。
水晶振動片130では、励振電極131の各金属層の厚さを筐体220が各ターゲット部を通過する時間を調整することにより調整できる。各金属層の厚さは励振電極131に於ける各金属層を構成する金属の濃度に比例するため、製品ごとに各金属層の厚さを調整することにより金(Au)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)の各濃度を調整することを容易に行うことができる。これにより、各製品に要求される周波数継時特性に応じて励振電極を形成することが容易になり、製造コスト及び製品の開発費用を低く抑えることができる。
<水晶振動片130の変形例>
水晶振動片130では、励振電極131の金属膜161を構成する第1金属層151、第2金属層152、及び第3金属層153の配列が異なっていても良い。以下に金属膜における第1金属層151、第2金属層152、及び第3金属層153の配列が金属膜161とは異なる水晶振動片130a及び水晶振動片130bについて説明する。
水晶振動片130では、励振電極131の金属膜161を構成する第1金属層151、第2金属層152、及び第3金属層153の配列が異なっていても良い。以下に金属膜における第1金属層151、第2金属層152、及び第3金属層153の配列が金属膜161とは異なる水晶振動片130a及び水晶振動片130bについて説明する。
図9(a)は、水晶振動片130aの部分断面図である。図9(a)では、水晶振動片130aの図2(a)の点線181に相当する部分が示されている。水晶振動片130aは、振動部134に励振電極131aが形成される。励振電極131aは、振動部134の表面に形成されるクロム(Cr)層と、クロム(Cr)層の表面に形成される金属膜161aと、金属膜161aの表面にさらに形成される金属膜161aと、により形成されている。金属膜161aは、第1金属層151と、第1金属層151の表面に形成される第2金属層152と、第2金属層152の表面にさらに形成される第1金属層151と、第1金属層151の表面に形成される第3金属層153と、により構成されている。
図9(b)は、水晶振動片130bの部分断面図である。図9(b)は、水晶振動片130bの図2(a)の点線181に相当する部分が示されている。水晶振動片130bは、振動部134に励振電極131bが形成される。励振電極131bは、振動部134の表面に形成されるクロム(Cr)層と、クロム(Cr)層の表面に形成される金属膜161bと、金属膜161bの表面にさらに形成される金属膜161bと、により形成されている。金属膜161bは、第1金属層151と、第1金属層151の表面に形成される第2金属層152と、第2金属層152の表面に形成される第3金属層153と、第3金属層153の表面に形成される第2金属層152と、により構成されている。
(第2実施形態)
図3に示されたフローチャートのステップS102の電極形成工程では、金属膜161の最表面にさらに化学的に安定である金層155が形成されることにより電極が形成されても良い。以下に、励振電極の最表面に金層が形成された水晶振動片330a及び水晶振動片330bについて説明する。以下の説明では、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
図3に示されたフローチャートのステップS102の電極形成工程では、金属膜161の最表面にさらに化学的に安定である金層155が形成されることにより電極が形成されても良い。以下に、励振電極の最表面に金層が形成された水晶振動片330a及び水晶振動片330bについて説明する。以下の説明では、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
図10(a)は、水晶振動片330aの部分断面図である。図10(a)は、図8(a)の点線183に相当する部分を示している。水晶振動片330aは+Y’軸側及び−Y’軸側の面に励振電極331が形成されている。励振電極331は、振動部134の表面にクロム層154が形成され、クロム層154の表面に金属膜161が3層に亘って形成されている。さらに励振電極331の最表面には金層155が形成されている。
図10(b)は、水晶振動片330bの部分断面図である。図10(b)は、図8(a)の点線183に相当する部分を示している。水晶振動片330aは、+Y’軸側の面に励振電極331が形成され、−Y’軸側の面に励振電極131(図2(b)参照)が形成されている。水晶振動片330bの振動数の調整は水晶振動片330bがベースウエハW130に載置された後に行われるため、振動数の調整は水晶振動片330bの+Y’軸側の面の励振電極331の最表面に形成されている金層155のみをスパッタすることにより行われる。
水晶振動片330a及び水晶振動片330bでは、図3に示されたフローチャートのステップS403の振動数調整工程において金層155がアルゴン(Ar)ガス等でスパッタされて削られることにより水晶振動片の振動数が調整される。また、ステップS102で金層155を厚めに形成しておき、スパッタにより金層155を削る場合に金層155の下層の金属膜161が表面に露出しないようにされることが望ましい。このように、励振電極の最表面に化学的に安定である金(Au)層が形成されることによりスパッタに伴う励振電極の変質を防ぐことができ、酸化等の励振電極への影響を回避することができる。
(第3実施形態)
励振電極には、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)のうちの2種類の金属が合金として用いられても良い。これは、例えば1種類の金属の濃度のみを調整したい場合等に用いることができる。以下に、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)のうちの2種類の金属が合金として用いられた励振電極を有する水晶振動片430a及び水晶振動片430bについて説明する。以下の説明では、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
励振電極には、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)のうちの2種類の金属が合金として用いられても良い。これは、例えば1種類の金属の濃度のみを調整したい場合等に用いることができる。以下に、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)のうちの2種類の金属が合金として用いられた励振電極を有する水晶振動片430a及び水晶振動片430bについて説明する。以下の説明では、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
<水晶振動片430aの構成>
図11(a)は、水晶振動片430aの部分断面図である。図11(a)は、図2(a)の点線181に相当する部分が示されている。水晶振動片430aは、振動部134の+Y’軸側及び−Y’軸側の表面に励振電極431aが形成されている。励振電極431aは、振動部134の表面にクロム層154が形成され、クロム層154の表面に金属膜461aが形成される。金属膜461aは、合金層451a及び合金層451aの表面に形成される金属層452aにより形成される。合金層451a及び金属層452aの組み合わせは、銀(Ag)―パラジウム(Pd)合金層及び金(Au)層、金(Au)―銀(Ag)合金層及びパラジウム(Pd)層、又は金(Au)―パラジウム(Pd)層及び銀(Ag)層とすることができる。励振電極431aは、クロム層154と、このような金属膜461aが3層積み重なることにより形成される。
図11(a)は、水晶振動片430aの部分断面図である。図11(a)は、図2(a)の点線181に相当する部分が示されている。水晶振動片430aは、振動部134の+Y’軸側及び−Y’軸側の表面に励振電極431aが形成されている。励振電極431aは、振動部134の表面にクロム層154が形成され、クロム層154の表面に金属膜461aが形成される。金属膜461aは、合金層451a及び合金層451aの表面に形成される金属層452aにより形成される。合金層451a及び金属層452aの組み合わせは、銀(Ag)―パラジウム(Pd)合金層及び金(Au)層、金(Au)―銀(Ag)合金層及びパラジウム(Pd)層、又は金(Au)―パラジウム(Pd)層及び銀(Ag)層とすることができる。励振電極431aは、クロム層154と、このような金属膜461aが3層積み重なることにより形成される。
<水晶振動片430bの構成>
図11(b)は、水晶振動片430bの部分断面図である。図11(b)は、図2(a)の点線181に相当する部分が示されている。水晶振動片430bは、振動部134の+Y’軸側及び−Y’軸側の表面に励振電極431bが形成されている。励振電極431bは、振動部134の表面にクロム層154が形成され、クロム層154の表面に金属膜461bが形成される。金属膜461bは、金属層451b及び金属層451bの表面に形成される合金層452bにより形成される。金属層451b及び合金層452bの組み合わせは、金(Au)層及び銀(Ag)―パラジウム(Pd)合金層、パラジウム(Pd)層及び金(Au)―銀(Ag)合金層、又は銀(Ag)層及び金(Au)―パラジウム(Pd)層とすることができる。励振電極431bは、クロム層154と、このような金属膜461bが3層積み重なることにより形成される。
図11(b)は、水晶振動片430bの部分断面図である。図11(b)は、図2(a)の点線181に相当する部分が示されている。水晶振動片430bは、振動部134の+Y’軸側及び−Y’軸側の表面に励振電極431bが形成されている。励振電極431bは、振動部134の表面にクロム層154が形成され、クロム層154の表面に金属膜461bが形成される。金属膜461bは、金属層451b及び金属層451bの表面に形成される合金層452bにより形成される。金属層451b及び合金層452bの組み合わせは、金(Au)層及び銀(Ag)―パラジウム(Pd)合金層、パラジウム(Pd)層及び金(Au)―銀(Ag)合金層、又は銀(Ag)層及び金(Au)―パラジウム(Pd)層とすることができる。励振電極431bは、クロム層154と、このような金属膜461bが3層積み重なることにより形成される。
水晶振動片430a及び水晶振動片430bでは、2元の合金層と金属層とにより励振電極が形成されることにより、第1実施形態と同様に3元の合金が用いられる場合に比べて製品の製造コスト及び開発費用を低減させることができる。また、図5(b)に示されるスパッタリング装置において、ターゲット部はクロム(Cr)用、金属層用、合金層用の3種類のみを用意すればよく、4種類のターゲット部を使用する場合よりは、スパッタリング装置の初期投資費用を低く抑えることができる。
(第4実施形態)
励振電極は、基板W130が載置された筐体220を図5(b)に示される処理室230の中を何度も往復させることにより連続的に何層もの金属層を形成することで形成されることができる。以下に、ステップS102の電極形成工程について第1実施例とは異なる励振電極形成の実施例について説明する。以下の説明では、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
励振電極は、基板W130が載置された筐体220を図5(b)に示される処理室230の中を何度も往復させることにより連続的に何層もの金属層を形成することで形成されることができる。以下に、ステップS102の電極形成工程について第1実施例とは異なる励振電極形成の実施例について説明する。以下の説明では、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
例えば図5(b)において、ターゲット板232aがクロム(Cr)、ターゲット板232bが第1金属層151を形成する金(Au)、ターゲット板232cが第2金属層152を形成する銀(Ag)、ターゲット板232dが第3金属層153を形成するパラジウム(Pd)により形成されているとする。図5(b)の状態から筐体220が−X軸方向に進むことにより基板W130の表面にクロム(Cr)が形成される。さらに、筐体220が−X軸方向に進むと、クロム(Cr)層の表面に金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)の順に各金属層が形成される。
図12(a)は、励振電極が形成されている途中の水晶振動片530の部分断面図である。筐体220がスパッタリング装置200の+X軸側から+X軸側に移動することにより、図12(a)に示されるように水晶振動片530の振動部134の表面に、クロム(Cr)層154、第1金属層151、第2金属層152、及び第3金属層153の順で金属の層が形成されていく。
筐体220は、ターゲット部231dまで進んだ後に+X軸方向に進行方向を変えて、ターゲット部231c及びターゲット部231bにおいて基板W130にさらに第2金属膜152及び第1金属膜152を積層する。その後、また−X軸方向に進行方向を変えてターゲット部231c及びターゲット部231dにおいて基板W130に第2金属膜152及び第3金属膜153を積層する。
図12(b)は、水晶振動片530の部分断面図である。基板W130に形成される電極は、筐体220をターゲット部231bとターゲット部231dとの間を複数回往復させることにより多数の金属の層を形成することができる。図12(b)の水晶振動片530では、筐体220がターゲット部231bとターゲット部231dとの間を3回往復してターゲット部231bで金属層の形成を終了させることで、多数の金属層により成る励振電極531が形成されている。
このように、水晶振動片の励振電極は、複数のターゲット部の間を何度も往復させることにより、効率的に複数の金属層を積層させて形成することができる。金属層の積層数には制限がなく、何層でも積層することができる。また、筐体220が各ターゲット部を通過する時間を調整することにより各金属層の厚さを調整することができ、これにより各金属層の励振電極における濃度を調整することができる。また、各ターゲット部の配置を調整することにより各金属層の積層の順番を決めることができる。さらに、第2実施形態に示されるように、金(Au)層の励振電極の最表面への形成は、金(Au)により形成されるターゲット板を含むターゲット部で励振電極の形成を終えることにより行うことができる。
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
100 … 水晶デバイス
101 … キャビティ
110 … リッド板
111 … 凹部
112 … 接合面
120 … ベース板
121 … 凹部
122 … 接合面
123 … 接続電極
124 … 実装端子
125 … 貫通電極
130、130a、130b、330a、330b、430a、430b … 水晶振動片
131、131a、131b、331、431a、431b、531 … 励振電極
132 … 引出電極
134 … 振動部
141 … 導電性接着剤
142 … 封止材
151 … 第1金属層
152 … 第2金属層
153 … 第3金属層
154 … クロム層
155 … 金層
161、161a、161b … 金属膜
162 … 貫通溝
163 … 連結部
171 … スクライブライン
200 … スパッタリング装置
220 … 筐体
221 … 保持爪
222 … 車輪
223 … レール
230 … 処理室
231a〜231d … ターゲット部
232a〜232d … ターゲット板
451a、452b … 合金層
451b、452a … 金属層
101 … キャビティ
110 … リッド板
111 … 凹部
112 … 接合面
120 … ベース板
121 … 凹部
122 … 接合面
123 … 接続電極
124 … 実装端子
125 … 貫通電極
130、130a、130b、330a、330b、430a、430b … 水晶振動片
131、131a、131b、331、431a、431b、531 … 励振電極
132 … 引出電極
134 … 振動部
141 … 導電性接着剤
142 … 封止材
151 … 第1金属層
152 … 第2金属層
153 … 第3金属層
154 … クロム層
155 … 金層
161、161a、161b … 金属膜
162 … 貫通溝
163 … 連結部
171 … スクライブライン
200 … スパッタリング装置
220 … 筐体
221 … 保持爪
222 … 車輪
223 … レール
230 … 処理室
231a〜231d … ターゲット部
232a〜232d … ターゲット板
451a、452b … 合金層
451b、452a … 金属層
Claims (13)
- 所定の振動数で振動する振動部と、
前記振動部に形成される励振電極と、を有し、
前記励振電極が、前記振動部の表面に形成されるクロム層と、前記クロム層の表面に形成され複数の層よりなる金属膜と、により形成され、
前記金属膜が少なくとも金層、銀層及びパラジウム層を含む水晶振動片。 - 前記金属膜は、前記クロム層の表面に金層が形成され、前記金層の表面に銀層が形成され、前記銀層の表面にパラジウム層が形成される請求項1に記載の水晶振動片。
- 前記金属膜は、前記クロム層の表面に金層が形成され、前記金層の表面に銀層が形成され、前記銀層の表面に金層が形成され、前記銀層の表面に形成された金層の表面にパラジウム層が形成される請求項1に記載の水晶振動片。
- 前記金属膜は、前記クロム層の表面に金層が形成され、前記金層の表面にパラジウム層が形成され、前記パラジウム層の表面に銀層が形成され、前記銀層の表面にパラジウム層が形成される請求項1に記載の水晶振動片。
- 所定の振動数で振動する振動部と、
前記振動部に形成される一対の励振電極と、を有し、
前記励振電極が、前記振動部の表面に形成されるクロム層と、前記クロム層の表面に形成され複数の層よりなる金属膜と、により形成され、
前記金属膜が、金、銀及びパラジウムの中の2つの金属により構成される合金層と、金、銀及びパラジウムの中の前記合金層に用いられない金属により構成された金属層と、を含む水晶振動片。 - 前記合金層は銀―パラジウム合金層であり、前記金属層は金層であり、
前記金層は前記クロム層の表面に形成され、前記銀―パラジウム合金層は前記金層の表面に形成される請求項5に記載の水晶振動片。 - 前記合金層は金―銀合金層であり、前記金属層はパラジウム層であり、
前記金―銀合金層は前記クロム層の表面に形成され、前記パラジウム層は前記金―銀合金層の表面に形成される請求項5に記載の水晶振動片。 - 前記合金層は金―パラジウム合金層であり、前記金属層は銀層であり、
前記金―パラジウム合金層は前記クロム層の表面に形成され、前記銀層は前記金―パラジウム合金層の表面に形成される請求項5に記載の水晶振動片。 - 前記金属膜の表面に前記金属膜と同様の構成の少なくとも1つの金属膜が形成される請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の水晶振動片。
- 前記金属膜の表面であり前記励振電極の最表面に金層が形成される請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の水晶振動片。
- 前記励振電極の最表面に形成される金層は、前記励振電極の一方のみに形成される請求項10に記載の水晶振動片。
- 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の水晶振動片と、
前記水晶振動片を載置するベース板と、
前記振動部を密封するリッド板と、
を有する水晶デバイス。 - 所定の振動数で振動する振動部を有する複数の水晶振動片を含む水晶ウエハを用意する工程と、
前記水晶振動片の表面にクロム層を形成し、前記クロム層の表面に少なくとも金層、銀層、及びパラジウム層を含む金属膜を形成し、前記金属膜の表面に金層を形成することにより電極を形成する電極形成工程と、
前記金属膜の表面に形成された前記金層を削ることにより前記振動数を調整する振動数調整工程と、
を有する水晶振動片の製造方法。
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JP2015162700A (ja) * | 2014-02-26 | 2015-09-07 | 京セラクリスタルデバイス株式会社 | 圧電振動素子及び圧電デバイス |
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