JP2013235860A - 窓システム及びその中の導光フィルム - Google Patents

窓システム及びその中の導光フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 従来型の太陽光誘導装置の照明効果は理想的ではない。
【解決手段】
本発明は、フィルム基部と、少なくとも1つの微細構造と、を含む導光フィルムに関する。微細構造は、フィルム基部のある側面上に配置され、第1の表面、及び第2の表面を備える。第1の傾斜角は第1の表面と、基準面と、の間であり、基準面はフィルム基部に垂直であり、第2の傾斜角は第2の表面と、基準面と、の間である。85〜120度の出射角を有する出射光線の総エネルギーが、0〜180度の出射角を有する出射光線の総エネルギーの40%を上回る。したがって、この導光フィルムは、入射光線を室内にほぼ水平に誘導し、かつ眩しさを回避することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、窓システム及びその中の導光フィルムに関し、より詳細には、窓システム及び入射光の方向を変更することのできる導光フィルムに関する。
従来型の太陽光誘導装置は、プレート、シャッタ、又はフィルムなどのさまざまなタイプのものであり、部屋の窓上又は窓の付近に配置され、部屋の外側の太陽光線を室内に誘導するために使用される。太陽光線は、室内の天井にある反射器を照射するように向けられる。次いで、太陽光線は、反射器によって反射され、室内照明又は補助照明として使用される。さらに、一部の従来型の太陽光誘導装置では、太陽光線が、天井の反射器によって反射されることなく室内に直接誘導される。
従来型の太陽光誘導装置は、太陽光の直接光線及び拡散光線を天井の反射器に引き込み及び/又は反射によって誘導し、それにより、部屋の内部を均一に照明し、不快な眩しさを低減させることができる。さらに、従来型の太陽光誘導装置を使用すると、日中に照明装置が使用するエネルギーを節減することができる。
従来型の太陽光誘導装置の欠点を、次のように説明する。天井に反射器がない場合、太陽光線を窓から遠く離れた空間に向けることができない。すなわち、室内に誘導された太陽光線は、窓付近で床又は天井に当たる。したがって、照明効果が理想的ではなくなる。
したがって、上記の問題を解決するための、窓システム及びその中の導光フィルムを提供する必要がある。
本発明は、フィルム基部(film base)と、少なくとも1つの微細構造と、を備える導光フィルムを対象とする。フィルム基部は、第1の側面、及び第1の側面の反対側にある第2の側面を有する。微細構造は、フィルム基部の第1の側面又は第2の側面上に配置され、第1の表面、及び第1の表面の上方に第2の表面を備える。第1の傾斜角が、第1の表面と、基準面と、の間にあり、基準面はフィルム基部に垂直であり、第2の傾斜角が、第2の表面と基準面と、の間にある。
それにより、複数の入射光線が、導光フィルムを通過した後に複数の出射光線になる。出射角は、出射光線と、導光フィルムと、の間の角度と定義される。出射光線が下向きかつ導光フィルムと平行であるときに、出射角は0度と定義され、出射光線が上向きかつ導光フィルムと平行であるときに、出射角は180度と定義される。85〜120度の出射角を有する出射光線の総エネルギーは、0〜180度の出射角を有する出射光線の総エネルギーの40%を上回る。
本発明において、導光フィルムが、入射光線を室内にほぼ水平に誘導し、かつ眩しさを回避することができる。
本発明はさらに、第1の保護プレートと、第2の保護プレートと、導光フィルムと、を備える窓システムを対象とする。第2の保護プレートは、第1の保護プレートに固定される。導光フィルムは、上述の導光フィルムと同じものであり、第1の保護プレートと、第2の保護プレートと、の間の収容空間内に配置される。導光フィルムは、第1の保護プレート又は第2の保護プレートに取り付けられ、フィルム基部、及び少なくとも1つの微細構造を備える。
本発明の第1の実施形態に係る導光フィルムの斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る導光フィルムの側面図である。 図2の部分拡大図である。 本発明の第1の実施形態の別のタイプの導光フィルムの図である。 本発明に係る導光フィルムの実際の利用をシミュレーションするための試験装置の概略図である。 本発明の第2の実施形態に係る導光フィルムの部分拡大側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る導光フィルムの部分拡大側面図である。 本発明の第4の実施形態に係る窓システムの側面図である。 本発明の第5の実施形態に係る窓システムの側面図である。 本発明の第6の実施形態に係る導光フィルムの部分拡大側面図である。 本発明の第7の実施形態に係る窓システムの側面図である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導光フィルムの斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る導光フィルムの側面図である。図3は、図2の部分拡大図である。導光フィルム1は、フィルム基部11、及び少なくとも1つの微細構造12を備える。この実施形態では、導光フィルム1は、複数の微細構造12を備える。フィルム基部11は、第1の側面111及び第2の側面112を有し、第2の側面112は第1の側面111の反対側にある。
微細構造12は、フィルム基部11の第2の側面上112に配置され、第1の表面121及び第2の表面122を備える。第2の表面122は、第1の表面121の上方にある。基準面20が、フィルム基部11の第1の側面111又は第2の側面112に垂直な想像面(phantom plane)として定義される。すなわち、導光フィルム1が直立するとき、基準面20は水平な想像面である。第1の傾斜角θは、、第1の表面121と、基準面20と、の間である。第2の傾斜角θは、第2の表面122と、基準面20と、の間である。
図3及び図4に示すように、この実施形態では、第1の傾斜角θの値が21〜25度であり、第2の傾斜角θの値が20〜28度である。好ましくは、第1の傾斜角θの値は第2の傾斜角θの値とは異なり、その場合、第1の傾斜角θは23度であり、第2の傾斜角θは24度である。
この実施形態では、微細構造12の断面がほぼ三角形であり、第1の表面121が第2の表面122と交差する。しかし、微細構造12はさらに、図4に示すように湾曲角取り部(curved chamfer)123を備えることができる。湾曲角取り部123は、第1の表面121と、第2の表面122との間に配置され、第1の表面121及び第2の表面122に隣接する。
フィルム基部11の材料は、微細構造12の材料と同じものである。それらは、1.35〜1.65の屈折率を有する、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリルベースポリマー、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、又はそれらのコポリマーなどの光透過性材料から形成される。フィルム基部11の材料は、微細構造12の材料とは異なってもよいことを理解されたい。
実際の利用中、複数の入射光線30が、導光フィルム1を通過した後に複数の出射光線31になる。この実施形態では、導光フィルム1が部屋の窓のガラス(図示せず)に取り付けられ、入射光線30が部屋の外側の太陽光線であり、出射光線が部屋の内側の太陽光線である。微細構造12は入射光線30に面する。
図2に示すように、出射角θは、出射光線31と、導光フィルム1と、の間の角度と定義される。出射光線(すなわち出射光線32)が下向きかつ導光フィルム1と平行であるときに、出射角θは0度と定義される。出射光線(すなわち出射光線33)が水平かつ基準面20と平行であるときに、出射角θは90度と定義される。出射光線(すなわち出射光線34)が上向きかつ導光フィルム1と平行であるときに、出射角θは180度と定義される。
入射角θは、入射光線30と、基準面20と、の間の角度と定義される。入射光線30が下向きのときに、入射角θは正と定義され、入射光線(図示せず)が水平かつ基準面20と平行であるときに、入射角θは0度と定義され、入射光線(図示せず)が上向きのときに、入射角θは負と定義される。
図2に示すように、入射光線30は、微細構造12の第2の表面122を通じて屈折により微細構造12に入り、微細構造12の第1の表面121によって反射される。次いで、反射された入射光線30は、フィルム基部11を通過して、出射光線31になる。入射光線30は、第1の傾斜角θ及び第2の傾斜角θの特定の設計により、第1の表面121によって反射されることに留意されたい。出射光線31は、特定の範囲の出射角θ内に集中し、すなわち、特定の範囲の出射角を有する出射光線31の総エネルギーは、他の範囲の出射角を有する他の出射光線31と比較したとき、ピークとなる。
この実施形態では、入射光線30の入射角θが30〜60度であり、85〜120度の出射角を有する出射光線31の総エネルギーが、0〜180度の出射角を有する出射光線31の総エネルギーの40%を上回る。
他の実施形態では、入射光線30の入射角θが30〜60度であり、85〜120度の出射角を有する出射光線31の総エネルギーが、0〜180度の出射角を有する出射光線31の総エネルギーの50%、60%、又は70%を上回る。
図5は、本発明に係る導光フィルムの実際の利用をシミュレーションするための試験装置の概略図である。試験装置6は、4つの光源61、62、63、64、及び37個の受光器65を含む。導光フィルム1が、試験装置6の中心に配置され、光源61、62、63、64が、導光フィルム1の左側に配置され、受光器65が、導光フィルム1の右側に配置される。受光器65は、半円形の外観を形成するように導光フィルム1を取り囲み、それらの間の間隔は等しく、したがって受光器65は、出射光線31のエネルギー(例えばルーメン)を0から180度まで5度ごとに測定することができる。
光源61は、入射光線を30度の角度で発生させるために使用され、光源62は、入射光線を40度の角度で発生させるために使用され、光源63は、入射光線を50度の角度で発生させるために使用され、光源64は、入射光線を60度の角度で発生させるために使用される。光源61、62、63、64は、同時にオンにされる。
シミュレーションパラメータは、次のとおりである。導光フィルム1のフィルム基部11の屈折率は1.59である。導光フィルム1のサイズは、10×10mmである。光源61、62、63、64それぞれの直径は4mmである。受光器65それぞれの直径は13mmである。光源61、62、63、64と、導光フィルム1と、の間の距離は100mmである。受光器65と、導光フィルム1と、の間の距離は157mmである。
以下の表1は、導光フィルム1のシミュレーション結果を示す。表1では、θ 0°〜180°のエネルギー比(73.86%)は、0から180度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜180°のエネルギー比(65.90%)は、90から180度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜105°のエネルギー比(44.97%)は、90から105度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜120°のエネルギー比(65.74%)は、90から120度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 85°〜120°のエネルギー比(70.32%)は、85から120度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。
θ 90°〜180°/θ 0°〜180°のエネルギー比(89.23%)は、θ 90°〜180°のエネルギー比(65.90%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(73.86%)との比を表す。θ 90°〜105°/θ 0°〜180°のエネルギー比(60.89%)は、θ 90°〜105°のエネルギー比(44.97%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(73.86%)との比を表す。θ 90°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比(89.00%)は、θ 90°〜120°のエネルギー比(65.74%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(73.86%)との比を表す。θ 85°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比(95.21%)は、θ 85°〜120°のエネルギー比(70.32%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(73.86%)との比を表す。
Figure 2013235860
表1に示すように、この実施形態の第1の傾斜角θ(23度)及び第2の傾斜角θ(24度)の特定の設計のため、θ 85°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比は95.21%であり、これは、出射光線31の95.21%が、85〜120度の出射角内に向けられることを意味する。そのような範囲の85〜120度の出射角が望ましいのは、120度よりも大きな角度を有する出射光線31は、窓の付近で天井に当たり、85度未満の角度を有する出射光線31は、人間の目を直接照射して、眩しさを生じさせるためである。したがって、導光フィルム1は、入射光線30を室内にほぼ水平に誘導し、かつ眩しさを回避することができる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る導光フィルムの部分拡大側面図である。この実施形態の導光フィルム2は、第1の実施形態の導光フィルム1(図3)とほぼ同じものであり、同じ数字が同じ要素に割り当てられている。この実施形態の導光フィルム2と、第1の実施形態の導光フィルム1と、の違いは、この実施形態では、第1の傾斜角θの値が17〜23度であり、第2の傾斜角θの値が35〜45度であるところにある。好ましくは、第1の傾斜角θの値は20度であり、第2の傾斜角θの値は40度である。
以下の表2は、導光フィルム2のシミュレーション結果を示す。表2では、θ 0°〜180°のエネルギー比(72.11%)は、0から180度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜180°のエネルギー比(52.74%)は、90から180度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜105°のエネルギー比(31.81%)は、90から105度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜120°のエネルギー比(52.08%)は、90から120度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 85°〜120°のエネルギー比(56.80%)は、85から120度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。
θ 90°〜180°/θ 0°〜180°のエネルギー比(73.14%)は、θ 90°〜180°のエネルギー比(52.74%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(72.11%)との比を表す。θ 90°〜105°/θ 0°〜180°のエネルギー比(44.11%)は、θ 90°〜105°のエネルギー比(31.81%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(72.11%)との比を表す。θ 90°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比(72.22%)は、θ 90°〜120°のエネルギー比(52.08%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(72.11%)との比を表す。θ 85°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比(78.76%)は、θ 85°〜120°のエネルギー比(56.80%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(72.11%)との比を表す。
Figure 2013235860
表1と比較すると、第2の実施形態のθ 85°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比(78.76%)は、第1の実施形態のθ 85°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比(95.21%)未満である。しかし、第2の実施形態の第1の傾斜角θと、第2の傾斜角θと、の和は、第1の実施形態の第1の傾斜角θと、第2の傾斜角θと、の和よりも大きく、そのことが導光フィルム2の加工をより容易にしている。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る導光フィルムの部分拡大側面図である。この実施形態の導光フィルム3は、第1の実施形態の導光フィルム1(図3)とほぼ同じものであり、同じ数字が同じ要素に割り当てられている。この実施形態の導光フィルム3と、第1の実施形態の導光フィルム1と、の違いは、この実施形態では、微細構造12がフィルム基部11の第1の側面上111に配置されており、フィルム基部11の第2の側面112が入射光線30に面するところにある。さらに、第1の傾斜角θの値が3〜5度であり、第2の傾斜角θの値が27〜33度である。好ましくは、第1の傾斜角θの値は4度であり、第2の傾斜角θの値は30度である。
以下の表3は、導光フィルム3のシミュレーション結果を示す。表3では、θ 0°〜180°のエネルギー比(86.92%)は、0から180度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜180°のエネルギー比(84.96%)は、90から180度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜105°のエネルギー比(23.52%)は、90から105度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜120°のエネルギー比(65.91%)は、90から120度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 85°〜120°のエネルギー比(65.98%)は、85から120度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。
θ 90°〜180°/θ 0°〜180°のエネルギー比(97.74%)は、θ 90°〜180°のエネルギー比(84.96%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(86.92%)との比を表す。θ 90°〜105°/θ 0°〜180°のエネルギー比(27.06%)は、θ 90°〜105°のエネルギー比(23.52%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(86.92%)との比を表す。θ 90°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比(75.83%)は、θ 90°〜120°のエネルギー比(65.91%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(86.92%)との比を表す。θ 85°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比(75.91%)は、θ 85°〜120°のエネルギー比(65.98%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(86.92%)との比を表す。
Figure 2013235860
図8は、本発明の第4の実施形態に係る窓システムの側面図である。窓システム4は、第1の保護プレート41、第1の保護プレート42、及び導光フィルム1を備える。第2の保護プレート42は、第1の保護プレート41に固定されて、閉空間を形成する。導光フィルム1は、第1の実施形態の導光フィルム1(図1〜4)と同じものであり、第1の保護プレート41と、第2の保護プレート42と、の間の収容空間内に配置される。導光フィルム1は、フィルム基部11、及び少なくとも1つの微細構造12を備える。第1の保護プレート41、第2の保護プレート42、フィルム基部11、及び微細構造12は光透過性であり、第2の保護プレート42は入射光線30に面する。好ましくは、第1の保護プレート41及び第2の保護プレート42の材料はガラスである。
導光フィルム1は、第1の保護プレート41又は第2の保護プレート42に取り付けられる。この実施形態では、フィルム基部11の第1の側面111が、第1の保護プレート41に取り付けられ、微細構造12が、フィルム基部11の第2の側面上112に配置され、第1の傾斜角θの値が21〜25度であり、第2の傾斜角θの値が20〜28度である。好ましくは、第1の傾斜角θの値は23度であり、第2の傾斜角θの値は24度である。
導光フィルム1は、第2の実施形態の導光フィルム2で置き換えてもよいことを理解されたい。導光フィルム2のフィルム基部11の第1の側面111が、第1の保護プレート41に取り付けられ、微細構造12が、フィルム基部11の第2の側面上112に配置され、第1の傾斜角θの値が17〜23度であり、第2の傾斜角θの値が35〜45度である。好ましくは、第1の傾斜角θの値は20度であり、第2の傾斜角θの値は40度である。
図9は、本発明の第5の実施形態に係る窓システムの側面図である。窓システム5は、第1の保護プレート41、第1の保護プレート42、及び導光フィルム3を備える。第2の保護プレート42は、第1の保護プレート41に固定されて、閉空間を形成する。導光フィルム3は、第3の実施形態の導光フィルム3(図7)と同じものであり、第1の保護プレート41と、第2の保護プレート42と、の間の収容空間内に配置される。導光フィルム3は、フィルム基部11、及び少なくとも1つの微細構造12を備える。第1の保護プレート41、第2の保護プレート42、フィルム基部11、及び微細構造12は光透過性であり、第2の保護プレート42は入射光線30に面する。好ましくは、第1の保護プレート41及び第2の保護プレート42の材料はガラスである。
導光フィルム3は、第2の保護プレート42に取り付けられる。この実施形態では、フィルム基部11の第2の側面112が、第2の保護プレート42に取り付けられ、微細構造12が、フィルム基部11の第1の側面上111に配置され、第1の傾斜角θの値が3〜5度であり、第2の傾斜角θの値が27〜33度である。好ましくは、第1の傾斜角θの値は4度であり、第2の傾斜角θの値は30度である。
図10は、本発明の第6の実施形態に係る導光フィルムの部分拡大側面図である。この実施形態の導光フィルム6は、第1の実施形態の導光フィルム1(図3)とほぼ同じものであり、同じ数字が同じ要素に割り当てられている。この実施形態の導光フィルム6と第1の実施形態の導光フィルム1の違いを、次のように説明する。
この実施形態では、フィルム基部11の材料が、微細構造12の材料とは異なってよい。フィルム基部11は、1.35〜1.65の屈折率を有する、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリルベースポリマー、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、又はそれらのコポリマーなどの光透過性プラスチック材料から形成される。微細構造12は、1.9〜2.6の屈折率を有する、酸化チタン(TiO)又は五酸化タンタル(Ta)などの光透過性金属酸化物から形成される。フィルム基部11上に金属酸化物の層が形成され、次いで、微細構造12を形成するようにエッチングされる。フィルム基部11の材料は、微細構造12の材料と同じものでもよく、それらはいずれも金属酸化物であることを理解されたい。
第1の傾斜角θの値は、第2の傾斜角θの値以下である。第1の傾斜角θの値と第2の傾斜角θの値の和は、63〜87度である。第1の傾斜角θの値は11〜19度であり、第2の傾斜角θの値は52〜68度である。好ましくは、第1の傾斜角θの値は15度であり、第2の傾斜角θの値は60度である。
以下の表4は、さまざまなタイプの導光フィルム6のシミュレーション結果を示し、表中、nは微細構造12の屈折率であり、シミュレーション結果はエネルギー比である。表4では、これらのタイプは、左から右に順に、第1のタイプ(第1の傾斜角θ1の値が15度であり、第2の傾斜角θ2の値が60度であり、微細構造12の屈折率が2.3である)、第2のタイプ(第1の傾斜角θ1の値が15度であり、第2の傾斜角θ2の値が52度であり、微細構造12の屈折率が2.3である)、第3のタイプ(第1の傾斜角θ1の値が15度であり、第2の傾斜角θ2の値が66度であり、微細構造12の屈折率が2.3である)、第4のタイプ(第1の傾斜角θ1の値が11度であり、第2の傾斜角θ2の値が60度であり、微細構造12の屈折率が2.3である)、第5のタイプ(第1の傾斜角θ1の値が15度であり、第2の傾斜角θ2の値が60度であり、微細構造12の屈折率が2.1である)、及び第6のタイプ(第1の傾斜角θ1の値が15度であり、第2の傾斜角θ2の値が60度であり、微細構造12の屈折率が2.6である)である。
表4では、最も左の第1のタイプを例にとると、θ 0°〜180°のエネルギー比(64.9%)は、0から180度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜180°のエネルギー比(64.8%)は、90から180度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜105°のエネルギー比(20.6%)は、90から105度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 90°〜120°のエネルギー比(55.2%)は、90から120度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。θ 85°〜120°のエネルギー比(55.2%)は、85から120度までの受光器65によって測定された出射光線31の総エネルギーと、光源61、62、63、64によってもたらされた総エネルギーとの比を表す。
θ 90°〜180°/θ 0°〜180°のエネルギー比(99.8%)は、θ 90°〜180°のエネルギー比(64.8%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(64.9%)との比を表す。θ 90°〜105°/θ 0°〜180°のエネルギー比(31.8%)は、θ 90°〜105°のエネルギー比(20.6%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(64.9%)との比を表す。θ 90°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比(85.0%)は、θ 90°〜120°のエネルギー比(55.2%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(64.9%)との比を表す。θ 85°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比(85.0%)は、θ 85°〜120°のエネルギー比(55.2%)と、θ 0°〜180°のエネルギー比(64.9%)との比を表す。
Figure 2013235860
表4に示すように、最も左の第1のタイプを例にとると、第1の傾斜角θ(15度)、第2の傾斜角θ(60度)、及び屈折率の特定の設計のため、θ 85°〜120°/θ 0°〜180°のエネルギー比は85%であり、これは、出射光線31の85%が、85〜120度の出射角内に向けられることを意味する。好ましい一実施形態では、導光フィルム6が、部屋のより高い窓、例えば採光窓のところにあってよい。したがって、導光フィルム6は、入射光線30を室内にほぼ水平に誘導し、かつ眩しさを回避することができる。さらに、この実施形態の第1の傾斜角θと第2の傾斜角θの和(63°〜87°)は、第1の実施形態の第1の傾斜角θと第2の傾斜角θの和(47°)よりも大きく、そのことが導光フィルム6の加工をより容易にしている。
図11は、本発明の第7の実施形態に係る窓システムの側面図である。窓システム7は、第1の保護プレート41、第1の保護プレート42、及び導光フィルム6を備える。第2の保護プレート42は、第1の保護プレート41に固定されて、閉空間を形成する。導光フィルム6は、第6の実施形態の導光フィルム6(図10)と同じものであり、第1の保護プレート41と、第2の保護プレート42と、の間の収容空間内に配置される。導光フィルム6は、フィルム基部11、及び少なくとも1つの微細構造12を備える。第1の保護プレート41、第2の保護プレート42、フィルム基部11、及び微細構造12は光透過性であり、第2の保護プレート42は入射光線30に面する。好ましくは、第1の保護プレート41及び第2の保護プレート42の材料はガラスである。
導光フィルム6は、第1の保護プレート41に取り付けられる。この実施形態では、フィルム基部11の第1の側面111が、第1の保護プレート41に取り付けられ、微細構造12が、フィルム基部11の第2の側面上112に配置される。微細構造12は、1.9〜2.6の屈折率を有する、酸化チタン(TiO)又は五酸化タンタル(Ta)などの光透過性金属酸化物から形成される。第1の傾斜角θの値は、第2の傾斜角θの値以下である。第1の傾斜角θの値と第2の傾斜角θの値の和は、63〜87度である。第1の傾斜角θの値は11〜19度であり、第2の傾斜角θの値は52〜68度である。好ましくは、第1の傾斜角θの値は15度であり、第2の傾斜角θの値は60度である。
以上、本発明のいくつかの実施形態を、図示し説明してきたが、当業者の手でさまざまな修正及び改善を行うことができる。したがって、本発明の実施形態は、限定的な意味で説明されているのではなく、例示として説明されている。本発明は、図示の特定の形態に限定すべきではないこと、また本発明の趣旨及び範囲を維持するあらゆる修正が、添付の特許請求の範囲において規定される範囲内に含まれることが意図される。

Claims (34)

  1. 導光フィルムであって、
    第1の側面、及び前記第1の側面の反対側にある第2の側面を有するフィルム基部と、
    前記フィルム基部の前記第1の側面又は前記第2の側面上に配置され、第1の表面、及び前記第1の表面の上方の第2の表面を備える、少なくとも1つの微細構造であって、第1の傾斜角は前記第1の表面と、基準面と、の間であり、前記基準面が前記フィルム基部に垂直であり、第2の傾斜角は前記第2の表面と、前記基準面と、の間である、少なくとも1つの微細構造と、
    を備え、
    それにより、複数の入射光線が、前記導光フィルムを通過した後に複数の出射光線になり、出射角が、前記出射光線と、当該導光フィルムと、の間の角度と定義され、前記出射光線が下向きかつ前記導光フィルムと平行であるときに、前記出射角が0度と定義され、前記出射光線が上向きかつ前記導光フィルムと平行であるときに、前記出射角が180度と定義され、85〜120度の前記出射角を有する前記出射光線の総エネルギーが、0〜180度の前記出射角を有する前記出射光線の総エネルギーの40%を上回る、
    導光フィルム。
  2. 前記導光フィルムが部屋の窓のガラスに取り付けられ、前記入射光線が前記部屋の外側の太陽光線であり、前記出射光線が前記部屋の内側の太陽光線である、請求項1に記載の導光フィルム。
  3. 前記微細構造の断面がほぼ三角形である、請求項1に記載の導光フィルム。
  4. 前記微細構造がさらに湾曲角取り部を備え、前記湾曲角取り部が、前記第1の表面と、前記第2の表面と、の間に配置され、前記第1の表面及び前記第2の表面に隣接する、請求項3に記載の導光フィルム。
  5. 前記入射光線が下向きであり、前記出射光線の50%超が上向きである、請求項1に記載の導光フィルム。
  6. 入射角が、前記入射光線と、前記基準面と、の間の角度と定義され、前記入射光線が下向きのときに、前記入射角が正と定義され、前記入射光線の前記入射角が30〜60度である、請求項1に記載の導光フィルム。
  7. 前記第1の傾斜角の値が、前記第2の傾斜角の値とは異なる、請求項1に記載の導光フィルム。
  8. 前記少なくとも1つの微細構造が、前記フィルム基部の前記第2の側面上に配置され、前記第1の傾斜角の値が21〜25度であり、前記第2の傾斜角の値が20〜28度である、請求項1に記載の導光フィルム。
  9. 前記微細構造が前記入射光線に面する、請求項8に記載の導光フィルム。
  10. 前記第1の傾斜角の値が23度であり、前記第2の傾斜角の値が24度である、請求項8に記載の導光フィルム。
  11. 前記少なくとも1つの微細構造が、前記フィルム基部の前記第2の側面上に配置され、前記第1の傾斜角の値が17〜23度であり、前記第2の傾斜角の値が35〜45度である、請求項1に記載の導光フィルム。
  12. 前記微細構造が前記入射光線に面する、請求項11に記載の導光フィルム。
  13. 前記第1の傾斜角の値が20度であり、前記第2の傾斜角の値が40度である、請求項11に記載の導光フィルム。
  14. 前記少なくとも1つの微細構造が、前記フィルム基部の前記第2の側面上に配置され、前記少なくとも1つの微細構造の屈折率が1.9〜2.6であり、前記第1の傾斜角の値が、前記第2の傾斜角の値以下である、請求項1に記載の導光フィルム。
  15. 前記第1の傾斜角の値と、前記第2の傾斜角の値と、の和が63〜87度である、請求項14に記載の導光フィルム。
  16. 前記第1の傾斜角の値が11〜19度であり、前記第2の傾斜角の値が52〜68度である、請求項14に記載の導光フィルム。
  17. 前記微細構造が前記入射光線に面する、請求項14に記載の導光フィルム。
  18. 前記微細構造が光透過性金属酸化物から形成される、請求項14に記載の導光フィルム。
  19. 前記光透過性金属酸化物が、酸化チタン(TiO)又は五酸化タンタル(Ta)である、請求項18に記載の導光フィルム。
  20. 前記少なくとも1つの微細構造が、前記フィルム基部の前記第1の側面上に配置され、前記第1の傾斜角の値が3〜5度であり、前記第2の傾斜角の値が27〜33度である、請求項1に記載の導光フィルム。
  21. 前記フィルム基部の前記第2の側面が前記入射光線に面する、請求項20に記載の導光フィルム。
  22. 前記第1の傾斜角の値が4度であり、前記第2の傾斜角の値が30度である、請求項20に記載の導光フィルム。
  23. 85〜120度の前記出射角を有する前記出射光線の総エネルギーが、0〜180度の前記出射角を有する前記出射光線の総エネルギーの50%を上回る、請求項1に記載の導光フィルム。
  24. 85〜120度の前記出射角を有する前記出射光線の総エネルギーが、0〜180度の前記出射角を有する前記出射光線の総エネルギーの60%を上回る、請求項1に記載の導光フィルム。
  25. 85〜120度の前記出射角を有する前記出射光線の総エネルギーが、0〜180度の前記出射角を有する前記出射光線の総エネルギーの70%を上回る、請求項1に記載の導光フィルム。
  26. 第1の保護プレートと、
    前記第1の保護プレートに固定された第2の保護プレートと、
    前記第1の保護プレートと、前記第2の保護プレートと、の間の収容空間内に配置された導光フィルムであって、前記第1の保護プレート又は前記第2の保護プレートに取り付けられた導光フィルムとを備え、
    前記導光フィルムが、第1の側面、及び前記第1の側面の反対側にある第2の側面を有するフィルム基部、並びに
    前記フィルム基部の前記第1の側面又は前記第2の側面上に配置され、第1の表面、及び前記第1の表面の上方の第2の表面を備える、少なくとも1つの微細構造であって、第1の傾斜角は前記第1の表面と基準面の間であり、前記基準面が前記フィルム基部に垂直であり、第2の傾斜角は前記第2の表面と前記基準面の間である、少なくとも1つの微細構造
    を備え、
    それにより、複数の入射光線が、前記導光フィルムを通過した後に複数の出射光線になり、出射角が、前記出射光線と、前記導光フィルムと、の間の角度と定義され、前記出射光線が下向きかつ前記導光フィルムと平行であるときに、前記出射角が0度と定義され、前記出射光線が上向きかつ前記導光フィルムと平行であるときに、前記出射角が180度と定義され、85〜120度の前記出射角を有する前記出射光線の総エネルギーが、0〜180度の前記出射角を有する前記出射光線の総エネルギーの40%を上回る、
    窓システム。
  27. 前記入射光線が部屋の外側の太陽光線であり、前記出射光線が前記部屋の内側の太陽光線である、請求項26に記載の窓システム。
  28. 前記第1の保護プレート、前記第2の保護プレート、前記フィルム基部、及び前記微細構造が光透過性であり、前記第2の保護プレートが前記入射光線に面する、請求項26に記載の窓システム。
  29. 前記フィルム基部の前記第1の側面が、前記第1の保護プレートに取り付けられ、前記少なくとも1つの微細構造が、前記フィルム基部の前記第2の側面上に配置され、前記第1の傾斜角の値が21〜25度であり、前記第2の傾斜角の値が20〜28度である、請求項26に記載の窓システム。
  30. 前記フィルム基部の前記第1の側面が、前記第1の保護プレートに取り付けられ、前記少なくとも1つの微細構造が、前記フィルム基部の前記第2の側面上に配置され、前記第1の傾斜角の値が17〜23度であり、前記第2の傾斜角の値が35〜45度である、請求項26に記載の窓システム。
  31. 前記フィルム基部の前記第1の側面が、前記第1の保護プレートに取り付けられ、前記少なくとも1つの微細構造が、前記フィルム基部の前記第2の側面上に配置され、前記第1の傾斜角の値が11〜19度であり、前記第2の傾斜角の値が52〜68度である、請求項26に記載の窓システム。
  32. 前記フィルム基部の前記第2の側面が、前記第2の保護プレートに取り付けられ、前記少なくとも1つの微細構造が、前記フィルム基部の前記第1の側面上に配置され、前記第1の傾斜角の値が3〜5度であり、前記第2の傾斜角の値が27〜33度である、請求項26に記載の窓システム。
  33. 前記少なくとも1つの微細構造の屈折率が1.9〜2.6である、請求項26に記載の窓システム。
  34. 前記微細構造が光透過性金属酸化物から形成され、前記光透過性金属酸化物が、酸化チタン(TiO)又は五酸化タンタル(Ta)である、請求項26に記載の窓システム。
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