JP2013235783A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スリーブ状の本体胴部14aとその前端部に外挿固定された前側リング部材15とを有するボディ11の内側に、その後側から挿入されるケーブル50の導体51aと電気的に接続して、ボディ前端部を嵌合する相手側コネクタの端子に接触させる端子21が組み込まれ、本体胴部14aと前側リング部材15との間に、本体胴部と前側リング部材とを電気的に接続する導電性の接触子18が設けられているコネクタを提供する。
【選択図】図9
Description
図13において、コネクタ110は、金属製スリーブ状のボディ111の前端部内側に、端子ピン112が複数組み込まれた構成になっている。図示例のコネクタ110は、ボディ111にその後側から内挿されている電気ケーブル130の端末部に組み立てられている。
前記電気ケーブル130は、導体をシースで被覆したインナーケーブル133を外被134によって、複数本一括被覆した多芯のメタルケーブルである。コネクタ110の端子ピン112は、その後端部に取り付けられたインナーケーブル133の導体と電気的に接続されている。
胴部材114のフランジ部116には、該フランジ部116を胴部材114前後方向に貫通するボルト孔116aが形成されている。前側リング部材115には、その後端面から窪む雌ねじ穴115aが形成されている。前側リング部材115は、胴部材114のフランジ部116後側からボルト孔116aに通したボルト117のねじ軸部117aを、前側リング部材115の雌ねじ穴115aにねじ込んで締め付けることで、ボルト117によって胴部材114に締結固定される。
また、前側リング部材115後端部と胴部材114前端部との間には、前側リング部材115後端部と胴部材114との境界からボディ111内側への浸水を防ぐOリング118が設けられている。
上述のコネクタ110にあっては、前側リング部材115と胴部材114とは、ボルト117を介して電気的に接続される。ボルト117は、ねじ軸部117aが突出された頭部117bにワッシャ部117cが一体に形成されたワッシャ付きボルトである。胴部材114のフランジ部116のボルト孔116a内面には、胴部材114の外表面と同様の表面処理が施されている。前側リング部材115の雌ねじ穴115a内面は、耐蝕性の表面処理はされておらず、前側リング部材115の形成金属材料が露出している。ボルト117は、胴部材114のフランジ部116のボルト孔116aに通したねじ軸部117aを前側リング部材115の雌ねじ穴115aにねじ込んで締め付ける際に、ワッシャ部117cが胴部材114のフランジ部116表面の耐蝕性表層部を削り取り、胴部材114の形成金属材料に接することで、胴部材114と電気的に接続される。また、ボルト117は、ねじ軸部117aが雌ねじ穴115a内周の雌ねじ部に螺着されて前側リング部材115とも電気的に接続される。したがって、ボルト117を用いて締結固定した前側リング部材115と胴部材114とは、ボルト117を介して電気的に接続される。
第1の発明は、スリーブ状の本体胴部とその前端部に外挿固定された前側リング部材とを有するボディの内側に、その後側から挿入されるケーブルの導体と電気的に接続して、前記ボディ前端部を嵌合する相手側コネクタの端子に接触させる端子が組み込まれ、前記本体胴部と前記前側リング部材との間に、前記本体胴部と前記前側リング部材とを電気的に接続する導電性の接触子が設けられているコネクタを提供する。
第2の発明は、前記本体胴部及び前記前側リング部材は、導電性金属部材に電気絶縁性の耐蝕性表層部を形成したものであり、前記本体胴部及び前記前側リング部材の互いに対面する位置に前記耐蝕性表層部の非形成部が確保され、該非形成部に露出する前記導電性金属部材の露出面に前記接触子が当接されている第1の発明のコネクタを提供する。
第3の発明は、前記接触子が、導電性金属によって形成されたばね部材であり、前記本体胴部と前記前側リング部材とに弾性付勢力を以て当接されている第1又は2の発明のコネクタを提供する。
第4の発明は、前記接触子が、前記本体胴部と前記前側リング部材との間にその周方向全周にわたって介装するリング状に形成されている第1〜3のいずれか1つの発明のコネクタを提供する。
第5の発明は、前記接触子が、導電性の防水用Oリングである第1又は2の発明のコネクタを提供する。
第6の発明は、前記接触子から、前記本体胴部と前記前側リング部材との境界部の後端露呈部側に配置された防水用Oリングをさらに有する第1〜5のいずれか1つの発明のコネクタを提供する。
第7の発明は、前記前側リング部材は、本体胴部の前端から前側に突出した部分の内側に、本体胴部にその後側から引き込まれる接地線を電気的に接続するための接地線取付部を有する第1〜6のいずれか1つの発明のコネクタを提供する。
図1〜図3に示すように、前記コネクタ10は、スリーブ状のボディ11の前端部内側に、端子ピン12(端子。接続端子)を電気絶縁性のピン支持部材16に複数取り付けたピン支持ユニット25と、接地ピン13とが組み込まれた概略構成となっている。また、このコネクタ10は、そのボディ11を構成するボディ本体14と前側リング部材15との間に介装されて、ボディ本体14と前側リング部材15との間の電気導通(電気的接続)を確保するボディ部接触子18(図3参照)も有する。
前記コネクタ10は、例えば、図3に示すようにボディ11に電気ケーブル50(以下、単にケーブルとも言う)を内挿していない状態(以下、仮組み状態とも言う)、すなわちケーブル50先端部に組み立てていない状態で現場に供給(搬入)して、図9に例示したようにケーブル50先端部に組み立てることができる。
ボディ本体14、前側リング部材15、及び後端ナット部材20は、例えばアルミニウム合金等の導電性金属によって形成されている。また、ボディ本体14、前側リング部材15は、耐蝕性の確保のため例えばアルマイト処理、塗装といった表面処理を行なっており、その表面(部材表面)のほぼ全体にわたって電気絶縁性の耐蝕性表層部を有する。
ボディ本体14の、前側リング部材15を固定するボルト17(図4参照。後述)を通すためのボルト孔14c内面もその全体が耐蝕性表層部によって形成されている。
接触子収容溝14f内面には、ボディ本体14を形成する導電性金属部分(以下、本体導体金属部とも言う)が露出されている。
前側リング部材15は、その表面(部材表面)のうち、該前側リング部材15に形成された接地ピン挿通孔15e(図5(b)参照)の内面、ボディ本体14の接触子収容溝14fに対面する部位(図8の導体金属露出面15g)、上述のボルト17がねじ込まれる雌ねじ穴15a(図4参照)内面以外の全体に耐蝕性表層部を有する。接地ピン挿通孔15e内面、ボディ本体14の接触子収容溝14fに対面する部位、雌ねじ穴15a内面には、前側リング部材15を形成する導電性金属部分(以下、リング部材導体金属部とも言う)が露出されている。
但し、本発明に係る実施形態のコネクタとしては、例えば、後端ナット部材20のリング状のナット部20a内側の雌ねじ部20cと、該雌ねじ部20cを螺合した本体胴部14a後端部外周の雄ねじ部14iとにそれぞれ露出された導電性金属部分同士が接触して、後端ナット部材20がボディ本体14に電気的接続された構成も採用可能である。
このコネクタ10は、ハンドリング性の確保のため、ボディ11の前記本体胴部14aの外周両側に突設された取っ手14dを有している。
図4に示すように、ボディ本体14のフランジ部14bには、該フランジ部14bをコネクタ前後方向(図4において左右方向)に貫通するボルト孔14cが形成されている。
ボルト17は、フランジ部14bのボルト孔14cに通した軸部17aの先端側を、前側リング部材15のリング本体15rにその後端面15bから穿設された非貫通穴である雌ねじ穴15aにねじ込んで前側リング部材15を前記フランジ部14bに締め付け固定している。ボルト17の頭部17bは、フランジ部14bにその後側(図2(a)、(c)、(d)、図4において右側)から当接されている。
但し、このコネクタ10は、ボディ本体14及び前側リング部材15の導体金属部同士がボディ部接触子18を介して電気的に接続されるため、ボディ本体14及び前側リング部材15の導体金属部同士のボルト17を介した電気的接続は確保されなくても良い。したがって、前側リング部材15の雌ねじ穴15aは耐蝕性表層部が無くリング部材導体金属部が露出した構成に限定されず、その内面全体に耐蝕性表層部を形成して耐蝕性を高めた構成としても良い。
なお、ボディ本体14のフランジ部14bに対する前側リング部材15のリング本体15rのボルト固定箇所は4カ所に限定されず、3カ所あるいは5以上の箇所であっても良い。
コネクタ10のボディ11内側に設けられた複数の端子ピン12は、ボディ11内側に取り付けられた電気絶縁性の樹脂製のピン支持部材16に固定されている。このコネクタ10のボディ11の前端部内側には、ピン支持部材16に端子ピン12を固定してなるピン支持ユニット25が組み込まれている。端子ピン12は、ピン支持部材16を介して、ボディ11の前端部内側に、ボディ11の軸線と平行な軸線を以て支持されている。
図示例のケーブル50は、接地線55を、外被54内に1本だけ設けた構成になっているが、外被54内に設ける接地線55の本数は複数本であっても良い。
但し、ケーブル50は、例えば、接地線55の外周に、合成樹脂被覆層の形成あるいはテープ状材料の巻き付け等によって半導電層を設けた半導電層付き接地線を外被54内に設けた構成も採用可能である。
図3に示すように、コネクタ10は、ピン支持部材16に電力ピン21と制御線ピン22とを取り付けた構成のピン支持ユニット25をボディ11内側前端部に組み込んだ構成になっている。
但し、ピン支持ユニット25に設ける電力ピン21及び制御線ピン22の本数と、ケーブル50の電力伝送用ケーブル51及び制御線53の本数とは適宜設定可能である。また、コネクタ10としては、端子ピン12として制御線ピン22が存在せず、電力ピン21及び制御線ピン22のうち電力ピン21のみがピン支持部材16に取り付けられた構成のピン支持ユニットを具備する構成も採用可能である。
図3に示すように、ピン支持部材16は、電力ピン21が取り付け(固定)られたプレート状のベース部16aを有する。このピン支持部材16は、前記ベース部16aを本体胴部14aの軸線に垂直の向きでコネクタ10のボディ11内側に固定して、ボディ11内側に組み込まれている。
ピン支持部材16のベース部16aは、その外周部が、前記ボディ11の前側リング部材15のリング本体15r内側に位置する本体胴部14a前端と、前記リング本体15r内面側に突設され前記本体胴部14aから前側(図3左側)に離隔した位置に配置された押さえ突部15cとの間に挟み込まれてボディ11に固定されている。前側リング部材15の押さえ突部15cは、前側リング部材15のリング本体15rの軸線方向中央部に設けられている。
電力ピン21は、前記当接突部21aから後側の部分である後側突出部21bを、ピン支持部材16のベース部16aをその厚み方向(ベース部16aの前後方向)に貫通するピン挿入孔16dに挿入している。この電力ピン21には、その後端面から先端に向かって形成された図示略の雌ねじ孔にねじ軸23cをねじ込んで螺着した導体取付部材23が取り付けられている。導体取付部材23は、前記ねじ軸23cが突設された端部壁23bから前記ねじ軸23cとは反対の側に、ケーブル50の電力伝送用ケーブル51(図9参照)端末に口出しした導体51aを固定して電気的に接続するための導体取付部23aを有する。
図9に示すように、電力ピン21は、導体取付部材23を介して、該導体取付部材23の導体取付部23aに固定した電力伝送用ケーブル51の導体51aと電気的に接続される。
この導体取付部材23の導体取付部23aを、以下、電力ピン圧縮リング部とも言う。
導体取付部23aとしては、例えば、端部壁23bから前記ねじ軸23cとは反対の側に突出されて、電力伝送用ケーブル51端末に口出しされた導体51aに圧着固定される圧着固定用突片や、端部壁23bから前記ねじ軸23cとは反対の側に突出されて、電力伝送用ケーブル51端末に口出しされた導体51aがはんだ付けされるはんだ付け用突片等も採用可能である。
導体取付部材23の導体取付部23aは、端部壁23bから前記ねじ軸23cとは反対の側に突出された突片であり、例えば圧縮、圧着、あるいははんだ付け等の固定方法によって電力伝送用ケーブル51端末に口出しされた導体51aを固定でき、導体51aと電気的に接続できるものである。
そして、ピン支持ユニット25においては、電力ピン21及び導体取付部材23が、導体取付部材23のねじ軸23cの電力ピン21に対する締め付けによって、前記当接突部21aと導体取付部材23の端部壁23bとの間にベース部16aを挟み込んでベース部16aに取り付けられている。
また、図1、図2(d)、図3に示すように、ピン支持部材16は、ベース部16aからその後面側に突出されて、導体取付部材23の端部壁23b及び導体取付部23aを収容する後側カバー筒部16gを有する。
制御線ピン22の後端部は、ケーブル50の制御線53先端に口出しされた導体53a(図9参照)を固定して電気的に接続するための導体取付部22dとされている。また、この制御線ピン22の導体取付部22dから前側の部分は、棒状の制御線ピン本体22eとされている。制御線ピン本体22eは、その先端部が制御線ピン収容筒部16cからピン支持部材16前側に突出されている。
また、制御線ピン22をピン支持部材16に固定するための手段としては、制御線ピン22の軸線方向中央部をピン支持部材16に脱着可能に固定できるものであれば良く、上述のピン固定ねじ22bに限定されない。
図9に示すように、図示例の制御線ピン22の導体取付部22dは、制御線53先端に口出しされた導体53aに外挿して圧縮することで制御線53先端の導体53aに固定されるスリーブ状の圧縮リング部(以下、制御ピン圧縮リング部とも言う)である。制御ピン圧縮リング部22dは、その後端開口部から、制御線53先端に口出しされた導体53aを内挿できる。図示例の制御線ピン22は、制御ピン圧縮リング部22dをかしめて圧縮(圧縮変形)することで、制御ピン圧縮リング部22dに内挿された制御線53先端の導体53aに固定でき、また、この固定によって制御線53の導体53aに電気的に接続できる。
導体取付部22dとしては、例えば、制御線ピン22の制御線ピン本体22eから後側に突出されて、制御線53先端に口出しされた導体53aに圧着固定される圧着固定用突片や、制御線ピン本体22eから後側に突出されて、制御線53先端に口出しされた導体53aがはんだ付けされるはんだ付け用突片も採用可能である。
導体取付部材23の導体取付部23aは、制御線ピン本体22eから後側に突出された突片であり、例えば圧縮、圧着、あるいははんだ付け等の固定方法によって電力伝送用ケーブル51端末に口出しされた導体51aを固定でき、導体51aと電気的に接続できるものである。
接地ピン13は、その後端部を、前側リング部材15の接地ピン固定部15dに固定して、接地ピン固定部15dに該接地ピン固定部15dからコネクタ前側(図3左側)に向かって突出状態に取り付けられている。
接地ピン13は、棒状の接地ピン本体13cと、この接地ピン本体13cの後端部の外周にフランジ状に突設されたフランジ状突部13aとを有する。フランジ状突部13aは、接地ピン本体13cの後端から先端側に若干ずれた位置に形成されている。
接地ピン13は、接地ピン本体13cにおけるフランジ状突部13aから後側の部分である後側突出部13bを、前側リング部材15の接地ピン固定部15dを前側リング部材15の軸線方向(図3においてコネクタ前後方向)に貫通する接地ピン挿通孔15eに挿入している。
図9に示すように、接地ピン13は、接地線取付部材26を介して、該接地線取付部材26の接地線取付部26aに固定した接地線55と電気的に接続される。
接地線取付部26aとしては、電力ピン21に取り付けられている導体取付部材23の導体取付部23aとして採用可能な構成を採用できる。接地線取付部26aとしては、接地線55に圧着固定可能な圧着固定用突片や、接地線55をはんだ付け可能なはんだ付け用突片等も採用可能である。
接地線取付部材26の接地線取付部26aは、端部壁26bからねじ軸26cとは反対の側に突出された突片であり、例えば圧縮、圧着、あるいははんだ付け等の固定方法によって接地線55を固定でき、接地線55と電気的に接続できるものである。
接地ピン13のフランジ状突部13aは、接地ピン固定部15dの前側(図3左側)に配置され、接地線取付部26aの端部壁26bは接地ピン固定部15dの後側に配置されている。接地線取付部材26のねじ軸26cは端部壁26bの前端面中央部から突出されている。
そして、接地ピン13及び接地線取付部材26は、接地線取付部材26のねじ軸26cの接地ピン13に対する締め付けによって、前記フランジ状突部13aと接地線取付部材26の端部壁26bとの間に接地ピン固定部15dを挟み込んで接地ピン固定部15dに固定して取り付けられている。
前側リング部材15の接地ピン固定部15d、接地ピン13、接地線取付部材26、及び接地ピン接触子27は、ケーブル50に設けられた接地線55を前側リング部材15(具体的にはその導体金属部)に電気的に接続するための接地線取付部28を構成する。
図5(a)、(b)は、接地ピン接触子27の一例を示す。
図5(a)、(b)に例示した接地ピン接触子27は、例えばベリリウム銅等の導電性金属からなるシート状金属材料に折曲加工等を行なって形成したリング状のばね部材である。
なお、図示例のリング状の接地ピン接触子27は、その周方向の1箇所に、シート状金属材料の両端が互いに連結されずに相対変位が許容された状態となっている不連続部(図示略)を有する構造とされている。
内周側アーチ状接触部27aのその周方向に概ね均等の3以上の箇所には、該内周側アーチ状接触部27aの軸線方向に沿って延在するスリット27cが形成されている。
外周側板状接触部27bは、内周側アーチ状接触部27aの断面両端に沿って、リング状の内周側アーチ状接触部27aの周方向全周にわたって延在するリブ状に形成されている。
接地ピン13の後側突出部13bと接地ピン挿通孔15e内面との間に介装して、接地ピン13とリング部材導体金属部との間の電気導通を確保する接地ピン接触子としては、接地ピン13の後側突出部13b及び接地ピン挿通孔15e内面に弾性付勢によって当接する構成であれば良く、その具体的形状には特に限定は無い。
例えば、接地ピン接触子としては、既述の接地ピン接触子27について外周側板状接触部27bを省略し、板状張出部27bを外周側接触部として機能させる構成も採用可能である。
接地ピン接触子としては、例えば、接地ピン13の後側突出部13bと接地ピン挿通孔15e内面との間の隙間の周方向の一部にのみ配置された個片状の部材であっても良い。
但し、接地ピン13の後側突出部13b及び接地ピン挿通孔15e内面に対する接触部分を出来るだけ大きく確保する点では、個片状の接地ピン接触子に比べてリング状の接地ピン接触子27の方が有利である。
接地線取付部28としては、必ずしも接地線55を接地ピン13を介してリング部材導体金属部に電気的に接続する構成である必要は無く、例えば、前側リング部材15のリング本体15r内側に突設され、接地線55を直接固定して電気的に接続する突部等であっても良い。
前記防水用Oリング19は、前記ボディ接触子18から、本体胴部14aと前側リング部材15との境界部(合わせ目)の後端露呈部11a側に配置され、該防水用Oリング19から後端露呈部11aとは反対の境界部前端11b側への浸水を防ぐ。
この防水用Oリング19は、前記Oリング嵌合溝14tに沿う延在方向に垂直の一部を前端筒部14eの周面から突出させて本体胴部14aに取り付けられている。
なお、コネクタとしては、防水用Oリング19は、前側リング部材15のリング本体15r内周面の周方向全周に形成されたOリング嵌合溝に嵌合して、リング本体15r内周面から突出させて設けた構成も採用可能である。
また、境界部前端11bは、本体胴部14a前端外周と前側リング部材15のリング本体15r内周面との境界を指す。
図示例のコネクタ10にあっては、前記ボディ部接触子18は、本体胴部14aの前端筒部14e外周にその周方向に周設された接触子収容溝14fによって、本体胴部14aの前端筒部14eと前側リング部材15の後側外挿筒部15fとの間に確保された隙間に収容されている。
なお、図示例のリング状のボディ部接触子18は、シート状金属材料を折曲加工等を行なってリング状に成形したものである。但し、このボディ部接触子18は、その周方向の1箇所に、シート状金属材料の両端が互いに連結されずに相対変位が許容された状態となっている不連続部(図示略)を有する構造とされている。
一方、前側リング部材15の後側外挿筒部15fの前記接触子収容溝14fに対面する部分にも、耐蝕性表層部15hが形成されていない非形成部が確保され、この非形成部にリング部材導体金属部が露出されている。この非形成部に露出するリング部材導体金属部が形成する面を、以下、導体金属部露出面15hとも言う。
図7、図8に示すように、このボディ接触子18は、断面アーチ状の外周側アーチ状接触部18aと、この外周側アーチ状接触部18aの断面両端から互いに対向する方向に張り出された内周側板状接触部18bとを有する。
図示例のコネクタ10のケーブル固定部31は、ケーブル50を一対のケーブル把持部材33の間に把持固定する構成のもの(ケーブル把持部)である。
図2(d)、図3、図9に示すように、前記ケーブル固定部31は、ボディ11後端部の後端ナット部材20の後側に、一対のボルト32と、一対のケーブル把持部材33とを用いて組み立てられている。
ケーブル固定部31の一対のボルト32は、そのねじ軸部32bを、前記後端ナット部材20の一対のリブ状突壁部20bにそれぞれ形成された貫通孔20dに1本ずつ通し、一対のリブ状突壁部20bの間隔方向及びナット部20aの内側孔の軸線方向に垂直の方向に延在させて互いに平行に設けられている。各ボルト32のねじ軸部32bは、リブ状突壁部20bの貫通孔20dにその軸線方向にスライド移動自在に内挿されている。
そして、ケーブル固定部31は、各ボルト32のねじ軸部32bに螺着したナット34の締め付けによって、これらボルト32にその長手方向にスライド移動自在に外挿した一対のケーブル把持部材33の間にケーブル50を把持固定する。また、一対のケーブル把持部材33の間にケーブル50を把持固定したケーブル固定部31は、ナット34の締め付けを緩めることで、一対のケーブル把持部材33によるケーブル50の把持固定を解除できる。
図1、図2(c)〜(e)に示すように、後端ナット部材20のナット部20aの外周には、その周方向の複数箇所に、ナット部20aの内側孔の中心軸線に平行に延在する平坦な工具係合面20fが形成されている。後端ナット部材20は、前記工具係合面20fに工具を係合させてボディ本体14に対する回転(軸回り回転)操作を容易に行なうことができ、この回転操作によってボディ本体14に対する脱着作業を行える。
ケーブル固定具としては、図示例のケーブル固定部31のように、ボディ11に対するケーブル50の固定と固定解除とを切り替え可能な構成(以下、固定解除可能型ケーブル固定具とも言う)を好適に採用できる。この固定解除可能型ケーブル固定部としては、例えば、ボディの後端部に、本体胴部の中心軸線の仮想延長に垂直の向きでボルトが複数螺着され、これらボルトの回転操作によって各ボルト先端に設けられたケーブル把持部材を互いに接近させ、ケーブルを複数方向から把持固定する構成のもの等も採用可能である。
図9に例示したように、本体胴部14a内側にその後側から引き込まれたケーブル50の先端部に組み立てた態様(コネクタ組立体)は、本発明に係る実施形態のコネクタ10の一態様である。また、仮組み状態のコネクタ10も、本発明に係る実施形態のコネクタ10の一態様である。
この組み立て方法にあっては、まず、現場に搬入した仮組み状態のコネクタ10のボディ本体14から前側リング部材15及びピン支持ユニット25を取り外す。また、ボディ本体14から取り外した後側ナット部材20をケーブル50に外挿する。
ピン支持ユニット25は、ボディ本体14から前側リング部材15を取り外すと同時に、ボディ本体14からの取り外しが可能となる。また、ピン支持ユニット25は、ボディ本体14から取り外した後、電力ピン21、導体取付部材23、制御線ピン22をピン支持部材16から取り外して解体する。また、前側リング部材15は、ボディ本体14から取り外した後、接地ピン13、接地線取付部材26、接地ピン接触子27を取り外す。
電力ピン21用の導体取付部材23の導体取付部23a、制御線ピン22の導体取付部22d、接地線取付部材26の接地線取付部26aは、ケーブル50の導体を固定して電気的に接続するための導体接続端子部として機能する。
次いで、前側リング部材15の接地ピン挿入孔15eに前側リング部材15前側から挿入した接地ピン13を螺着して締め付けて、接地ピン13及び接地線取付部材26を前側リング部材15の接地ピン固定部15dに固定し、接地線取付部28を組み立てる。
接地ピン13は、その後端突出部13bを、接地ピン挿入孔15e内の接地ピン接触子27の内側に挿入する。後端突出部13bは、その外径が、接地ピン接触子27の内周側アーチ状接触部27a(図5(b)参照)の最小内径よりも若干大きい円筒状に形成されている。後端突出部13bは、接地ピン接触子27の内周側アーチ状接触部27a内側に圧入する。これにより、後端突出部13b外周面に、接地ピン接触子27の内周側アーチ状接触部27aが確実に接触する。
これにより、ピン支持ユニット25及び前側リング部材15をボディ本体14に組み付けることができる。
次に、ケーブル固定部31によって本体胴部14aに対してケーブル50を固定する。
これにより、図9に示すように、ケーブル10の先端部にコネクタ10が組み立てられて、コネクタ付きケーブル50Aの組み立てが完了する。
このため、このコネクタ10は、本体胴部14及び前側リング部材15の導体金属部露出面14g、15gやボディ接触子18の電食を防ぐことができ、ボディ本体14が接地線55と電気的に接続された状態を長期にわたって安定に維持できる。
ばね部材構造のボディ接触子(以下、ばね構造ボディ接触子とも言う)としては、本体胴部14aの導体金属部露出面と該導体金属部露出面に対面配置された前側リング部材15の導体金属部露出面とに弾性付勢によって当接して、本体胴部14aと前側リング部材15のリング本体15rとの間に介装される構成であれば良く、その具体的構造に特には限定は無い。
このばね構造ボディ接触子は、本体胴部14aの導体金属部露出面に弾性付勢によって当接される胴部当接部と、前側リング部材15の導体金属部露出面に弾性付勢によって当接される前側リング部材当接部とを有するものである。図7、図8に例示したボディ接触子18は、内周側板状接触部18bが胴部当接部、外周側アーチ状接触部18aが前側リング部材当接部として機能する。
また、ばね構造ボディ接触子としては、例えば図10に示すように、既述の接地ピン接触子27の内周側と外周側とを反転させた断面構造のリング状のもの(ボディ接触子18A)等も採用可能である。
前側リング部材当接部18fは、接地ピン接触子27の内周側アーチ状接触部27aのアーチ状の断面における頂部を外周側、両端を内周側とした断面構造となっている。
但し、コネクタのボディとしては、前側リング部材15のリング本体15rに接触子収容溝を形成し、この接触子収容溝にボディ接触子を収容した構成も採用できる。この場合は、接触子収容溝の溝底面を、リング部材導体金属部が露出する導体金属部露出面とし、本体胴部14aの前記接触子収容溝に対面する部分に本体導体金属部が露出する導体金属部露出面を確保し、接触子収容溝に収容したボディ接触子を、接触子収容溝の溝底面(導体金属部露出面)と、本体胴部14aの導体金属部露出面とに当接させる。
また、前側リング部材15のリング本体15rに形成した接触子収容溝に収容するばね構造ボディ接触子としては、例えば、既述のボディ接触子18や、板ばね構造のばね構造ボディ接触子について、胴部当接部と前側リング部材当接部とを反転した構成のもの、すなわち既述の前側リング部材当接部と同様の構成の胴部当接部と、既述の胴部当接部と同様の構成の前側リング部材当接部とを有する構成のもの等も好適に採用できる。
図11に例示したコネクタ10Bは、既述のように、本体胴部14aに接触子収容溝14fが形成されていない。前側リング部材15は、ボディ本体14の前端筒部14e及びフランジ部14bに対面配置されている面において、導体金属部露出面15nのみにリング部材導体金属部が露出された構成となっている。
但し、コネクタとしては、本体胴部14aと、該本体胴部14aに外挿固定した前側リング部材15との間に、導電性Oリング18B以外に、別途、ボディ接触子及び/又は防水用Oリングが設けられた構成も採用可能である。
コネクタのボディにおけるボディ接触子の設置位置は、例えば、図3における前側リング部材15の後端面15bと、ボディ本体14のフランジ部14bの前記後端面15bに対面する部分との間であっても良い。この場合は、例えば、前側リング部材15の後側外挿筒部15f後端面、及びボディ本体14のフランジ部14bの前記後側外挿筒部15f後端面に対面する部分の一方又は両方に形成した接触子収容溝によって、ボディ接触子を収容する隙間を確保する。
また、前側リング部材15の後端面15bと、ボディ本体14のフランジ部14bの前記後端面15bに対面する部分との間に、ボディ接触子に加えて防水用Oリング19も設ける場合、防水用Oリング19は、ボディ接触子から、本体胴部14と前側リング部材15との境界部(合わせ目)の後端露呈部11a側に配置される。
本発明に係る実施形態のコネクタとしては、上述の実施形態の、船内給電パッケージへ陸側電源から給電するための給電用ケーブル先端に組み立てられる給電用のコネクタに限定されない。このコネクタとしては、例えばワイヤハーネス用の電気コネクタ、屋内配線用の電気コネクタ等、導電性金属部材に電気絶縁性の表層部を形成した表層部付き金属部材同士を接合させた接合部を有するコネクタに広く適用可能である。
本発明に係る実施形態のコネクタは、導電性金属部材に電気絶縁性の表層部を形成した絶縁層付き金属部材(例えば上述の実施形態のボディ本体14及び前側リング部材15)同士を固定した金属部材ユニット(例えば上述の実施形態のボディ11)と、相手側コネクタの端子に接触させる端子とを有するコネクタに広く適用可能である。そして、このコネクタは、絶縁層付き金属部材の互いに対面する面に前記導電性金属部材を露出させた露出部が確保され、両側の絶縁層付き金属部材の間に、前記露出部に当接させた導電性の接触子が挟み込まれた構成が採用される。
Claims (7)
- スリーブ状の本体胴部とその前端部に外挿固定された前側リング部材とを有するボディの内側に、その後側から挿入されるケーブルの導体と電気的に接続して、前記ボディ前端部を嵌合する相手側コネクタの端子に接触させる端子が組み込まれ、
前記本体胴部と前記前側リング部材との間に、前記本体胴部と前記前側リング部材とを電気的に接続する導電性の接触子が設けられているコネクタ。 - 前記本体胴部及び前記前側リング部材は、導電性金属部材に電気絶縁性の耐蝕性表層部を形成したものであり、前記本体胴部及び前記前側リング部材の互いに対面する位置に前記耐蝕性表層部の非形成部が確保され、該非形成部に露出する前記導電性金属部材の露出面に前記接触子が当接されている請求項1に記載のコネクタ。
- 前記接触子が、導電性金属によって形成されたばね部材であり、前記本体胴部と前記前側リング部材とに弾性付勢力を以て当接されている請求項1又は2に記載のコネクタ。
- 前記接触子が、前記本体胴部と前記前側リング部材との間にその周方向全周にわたって介装するリング状に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクタ。
- 前記接触子が、導電性の防水用Oリングである請求項1又は2に記載のコネクタ。
- 前記接触子から、前記本体胴部と前記前側リング部材との境界部の後端露呈部側に配置された防水用Oリングをさらに有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタ。
- 前記前側リング部材は、本体胴部の前端から前側に突出した部分の内側に、本体胴部にその後側から引き込まれる接地線を電気的に接続するための接地線取付部を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタ。
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