JP2013231671A - 放射線検出器およびその製造方法 - Google Patents

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弘 堀内
Hiroyuki Aida
博之 會田
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Abstract

【課題】外囲器を強固な構造とすることなく、シンチレータ層を保護し、信頼性を確保できる放射線検出器を提供する。
【解決手段】X線検出器10は、光を電気信号に変換する光検出部12、および光検出部12に接して外部から入射したX線13を光に変換するシンチレータ層23を有するX線検出部14を備える。さらに、X線検出器14は、シンチレータ層23との間に隙間36をあけてX線検出部14を覆う蓋体29を有し、光検出部12およびX線検出部14を密閉するケース27を備えている。光検出部12には配線41を接続する。ケース27を外囲器44で覆い、外囲器44から配線41を貫通させる。海綿状物質および発泡体のいずれか一方により形成された緩衝体38を、蓋体29とシンチレータ層23との間の隙間36に配置する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、放射線を検出する放射線検出器およびその製造方法に関する。
新世代のX線診断用画像検出器として、アクティブマトリックスや、CCDおよびCMOS等の固体撮像素子を用いた平面形の放射線検出器であるX線検出器が注目を集めている。この平面形のX線検出器にX線を照射することにより、X線撮影像またはリアルタイムのX線画像がデジタル信号として出力される。
X線検出器は、光を電気信号に変換する固体撮像素子を有する光検出部、およびこの光検出部に接して外部から入射したX線を光に変換するシンチレータ層を有するX線検出部を備えている。そして、入射X線によりシンチレータ層で変換された光が固体撮像素子に到達することで電荷に変換され、この電荷が出力信号として読み出され、所定の信号処理回路等にてデジタル画像信号に変換される。
また、口腔内に挿入して画像を収集する歯科用途として用いられるX線検出器では、光検出部および放射線検出部を外囲器で覆い、光検出部に接続された配線が外囲器を貫通されている。
特開2010−112743号公報
一般的に、シンチレータ層は構造的に外力に対する強度が低いため、外力が加えられる可能性の高い歯科用途や工業用途のX線検出器においては、シンチレータ層を保護するために外囲器を堅固な構造とする必要がある。
しかしながら、外囲器を堅固な構造とした場合、シンチレータ層の外力に対する信頼性は向上するが、X線検出器が大形化し、X線透過率等の諸特性の劣化が発生する。さらには、口腔内に挿入して画像を収集する歯科用途の検出器においては、口腔内でX線検出器を使用する際の患者側の負担が増加する。しかも、外囲器を貫通する配線が破損しやすくなるため、外囲器に対して配線を保護する保護部材を用いる必要が生じる。
本発明が解決しようとする課題は、外囲器を強固な構造とすることなく、シンチレータ層を保護し、信頼性を確保できる放射線検出器およびその製造方法を提供することである。
本実施形態の放射線検出器は、光を電気信号に変換する光検出部、および光検出部に接して外部から入射した放射線を光に変換するシンチレータ層を有する放射線検出部を備える。さらに、放射線検出器は、シンチレータ層との間に隙間をあけて放射線検出部を覆う蓋体を有し、光検出部および放射線検出部を密閉するケースを備えている。光検出部には配線を接続する。ケースを外囲器で覆い、外囲器から配線を貫通させる。海綿状物質および発泡体のいずれか一方により形成された緩衝体を、蓋体とシンチレータ層との間の隙間に配置する。
第1の実施形態を示す放射線検出器の断面図である。 第2の実施形態を示す放射線検出器の断面図である。 第3の実施形態を示す放射線検出器の断面図である。 第1の実施形態の放射線検出器と従来例との解像度を比較した結果を示す表である。 第1の実施形態の放射線検出器と従来例との落下試験の結果を示す表である。 第1の実施形態の放射線検出器と従来例との加圧試験の結果を示す表である。 従来例を示す放射線検出器の断面図である。
以下、第1の実施形態を、図1を参照して説明する。
図1において、10は平面形の放射線検出器としてのX線検出器で、このX線検出器10は、間接方式のX線平面画像検出器である。このX線検出器10は、光11を電気信号に変換する固体撮像素子である光検出部12、および外部から入射した放射線としてのX線13を光11に変換する放射線検出部としてのX線検出部14を備えている。
光検出部12は、基板17を有し、この基板17の表面中央域には、光11を電気信号に変換するフォトダイオード等の複数の光電変換素子18が一次元もしくは二次元的に複数配列された受光部19が形成されている。基板17の表面周辺域の一辺には、光電変換素子18と電気的に接続された電極パッド20が形成されている。
X線検出部14は、光検出部12の受光部19上に形成されたシンチレータ層23、このシンチレータ層23上に形成された反射層24、およびシンチレータ層23全体を覆う保護層25を備えている。シンチレータ層23には、光検出部12の受光部19側に対して反対側の面に、X線13が入射する放射線入射面としてのX線入射面23aが形成されている。そして、シンチレータ層23は、例えば、CsI等のハロゲン化合物やGOS等の酸化物系化合物等から構成される高輝度蛍光物質で形成されている。特にCsI等のハロゲン化合物を用いる場合には、短冊状の柱状結晶構造を有するシンチレータ層23を真空蒸着法にて形成することにより、解像度特性の改善等を図ることができる。反射層24は、シンチレータ層23で変換された光11のうち、X線入射面23a側に向かった光を光検出部12へ向けて反射させ、光11の利用効率を高める。
また、光検出部12およびX線検出部14はケース27内に密閉された状態に収容されている。ケース27は、光検出部12を一面上に配置して固定する基台28、およびこの基台28との間に光検出部12およびX線検出部14を密閉状態に収容する蓋体29を備えている。
基台28の一面上には、光検出部12が固定された側部に外部接続用電極パッド30が設けられている。光検出部12の電極パッド20と外部接続用電極パッド30とが配線31によって電気的に接続され、これら電気接続部分が主に樹脂材料で構成される絶縁層32で覆われている。基台28の他面には、外部接続用電極パッド30と電気的に接続された端子33が設けられている。
蓋体29は、シンチレータ層23のX線入射面23aに対向する表面部34、およびこの表面部34の周辺の4辺から基台28の方向へ向けて一体に突出形成された側壁部35を有している。蓋体29の表面部34は、シンチレータ層23のX線入射面23aとの間に、蓋体29の外力に対する弾性変形領域内における最大撓み量以下とする隙間36をあけて配置されている。蓋体29の側壁部35の先端部は、基台28の一面上に接合層37で接合固定されている。そして、蓋体29は、遷移金属元素よりも軽元素を主成分とする例えばアルミニウム等の物質で構成されている。
また、蓋体29の表面部34とシンチレータ層23のX線入射面23aとの間の隙間36には、黒色染料や黒色顔料等の黒色材料を含有した海綿状物質および発泡体のいずれか一方により形成された緩衝体38が配置されている。そして、緩衝体38は、遷移金属元素よりも軽元素を主成分とする物質であって、例えばポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、EVA、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂のいずれか1つを主成分として構成されている。
また、基台28の端子には、光検出部12に電源を供給したり入出力信号を送受信するための配線41が接続されている。
また、ケース27の全体および配線41の一部を一体に覆って外囲器44が形成されている。この外囲器44は、遷移金属元素よりも軽元素を主成分とする例えばポリエステル等の物質で構成されている。例えば、外囲器44は、物質が樹脂である場合、ホットメルトモールディング等の樹脂モールド手法で形成されている。外囲器44からは、外囲器44を貫通して配線41が導出されている。
そして、蓋体29を構成する物質の弾性係数より外囲器44を構成する物質の弾性係数が小さく、外囲器44を構成する物質の弾性係数より緩衝体38を構成する物質の弾性係数が小さい関係を有している。すなわち、蓋体29を構成する物質の弾性係数をA、外囲器44を構成する物質の弾性係数をB、緩衝体38を構成する物質の弾性係数をCとすると、弾性係数はA>B>Cの関係を有している。
このように構成されたX線検出器10では、入射するX線13によりシンチレータ層23で変換された光11が光電変換素子18に到達することにより、光電変換素子18で電荷に変換されて蓄積される。光電変換素子18に蓄積された電荷は、各光電変換素子18に対応した図示しない信号ラインから、各光電変換素子18に対応した電極パッド20、配線31、基台28の外部接続用電極パッド30、端子33および配線41を経由して、順次出力信号として読み出される。読み出された出力信号を所定の信号処理回路等にてデジタル画像信号に変換する。
また、X線検出器10は、図1に示す第1の実施形態に限らず、図2に示す第2の実施形態、図3に示す第3の実施形態のように構成してもよい。なお、第2および第3の実施形態において、第1の実施形態と同じ構成については同一符号を用いてその説明を省略する。
図2に示す第2の実施形態では、第1の実施形態に対して緩衝体38の構成が異なる。緩衝体38は、蓋体29の表面部34とシンチレータ層23のX線入射面23aとの間の隙間36だけでなく、シンチレータ層23に対向する蓋体29の内面全体を覆って配置されている。このように、シンチレータ層23に対向する蓋体29の内面全体を覆うことにより、蓋体29の内面での光の反射を防止できる。
図3に示す第3の実施形態では、第2の実施形態の蓋体29を多層構造としたものである。蓋体29は、外側層の蓋体部29aと内側層の蓋体部29bを有している。なお、第3の実施形態では外側層の蓋体部29aと内側層の蓋体部29bとの2層構造であるが、3層以上の多層に構成してもよい。
そして、各実施形態のX線検出器10によれば、次の第1ないし第3の効果が得ることができる。
まず、第1の効果について説明する。
蓋体29とシンチレータ層23との間の隙間36に低弾性係数の海綿状物質もしくは発泡体で形成される緩衝体38が設置されることから、X線検出部10に外力が加えられた場合、緩衝体38が外力を緩和するため、構造的に外力に対する強度が低いシンチレータ層23への応力集中が緩和される。
また、緩衝体38の海綿状物質もしくは発泡体を構成する物質を、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、EVA、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂のいずれか1つを主成分とする樹脂材料とした場合、安価で高い緩衝性を有する形状が得られ、かつ有機物であることから高いX線透過率も得ることができる。
また、緩衝体38が蓋体29およびシンチレータ層23のいずれにも接するため、緩衝体38と蓋体29との間や緩衝体38とシンチレータ層23との間に隙間が生じるのを防止できる。緩衝体38と蓋体29との間や緩衝体38とシンチレータ層23との間に隙間があってその隙間のばらつきがあると、X線透過率や光学特性(反射・吸収)に影響が生じ、画像にも影響することになる。そのため、緩衝体38が蓋体29およびシンチレータ層23のいずれにも接することにより、X線透過率や光学特性(反射・吸収)が一定になり、画像への影響も防止できる。
また、蓋体29とシンチレータ層23との間に蓋体29の外力に対する弾性変形領域内での最大撓み量以下の隙間36が存在することから、蓋体29の表面部34側から外力が加わった場合、その外力を蓋体29で受け止めるとともに、弾性変形領域内で撓んだ蓋体29がシンチレータ層23に接して外力の一部をシンチレータ層23でも受け止める。これにより、X線検出器10の全体に応力を分散させ、構造的に外力に対する強度が低いシンチレータ層23に応力集中が発生しないことから、蓋体29や外囲器44を堅固な構造とせずに外力に対する信頼性の確保ができ、X線検出器10の小サイズ化が可能となる。
しかも、蓋体29や外囲器44を堅固な構造とせずに外力に対する信頼性の確保ができるため、機械的強度は劣るが、X線透過率の高い遷移金属元素よりも軽元素を主成分とする物質で蓋体29、緩衝体38および外囲器44を構成することができる。そして、蓋体29、緩衝体38および外囲器44は体積密度が低いことから、X線検出器10の特性改善も可能となる。すなわち、X線13に対する出力信号強度の改善による低被爆化が可能となる。
さらに、X線検出器10の全体に大きな外力が加えられるホットメルトモールディング等の樹脂モールド手法でも外囲器44を形成することが可能となるため、図7に示す一例とする従来例に比べて小型で信頼性の高い検出器の形成が可能となる。
ここで、図7に示す従来例について説明する。なお、上述した各実施形態の構成に相当する構成については同じ符号を用いて説明する。外囲器44が第1の部材44aと第2の部材44bとの2つに分割された成形品で構成され、これら第1の部材44aと第2の部材44bとが接合層50で接合されている。外囲器44を構成する物質が高弾性率(金属や高硬度の樹脂等)であるため、外囲器44から導出されている配線41を保護する保護部51を用いている。
したがって、各実施形態のX線検出器10は、外囲器44を樹脂モールド以外の方法で形成した場合に必要となる接合層50や外囲器44を構成する物質が高弾性率(金属や高硬度の樹脂等)である場合に必要となる配線41の曲げ・引張りに対する保護部51の存在しない外囲器44を形成できることから、小型で信頼性の高い検出器の形成が可能となる。
ここで、ホットメルトモールディング等の樹脂モールド手法で外囲器44を形成した場合、接合層50および保護部51の存在しない外囲器44を形成できることから、接合層50や保護部51に含まれる成分の外部流出が無いため、特にX線検出器10の使用環境が厳しく、かつX線検出器10からの流出成分が人体へ影響を及ぼす恐れのある歯科用途のX線画像検出器に対して有効となる。
次に、第2の効果について説明する。
外囲器44を構成する物質の弾性係数が蓋体29を構成する物質の弾性係数より小さいことから、外囲器44が蓋体29よりも柔軟となるため、特に口腔内に挿入して画像を収集する歯科用途において、口腔内でX線検出器10を使用する際の患者側の負担を軽減することができる。
さらに、X線検出器10に落下等の衝撃が加えられた場合にも、外囲器44が衝撃吸収作用を持つことから、X線検出器10の耐衝撃に対する信頼性を改善することができる。
次に、第3の効果について説明する。
入射するX線13によりシンチレータ層23で変換された光11は、光検出部12の光電変換素子18に到達する発光成分だけでなく、他方向への発光成分が存在する。このため、反射層47や短冊状の柱状結晶構造を有するシンチレータ層23を形成した場合においても、シンチレータ層23で変換された光11の一部は、少なくともシンチレータ層23から周辺へ漏れる発光成分となり、巨視的には、シンチレータ層23自体が1つの光源と見なされる。そして、シンチレータ層23から周辺へ漏れる発光成分が、外囲器44の内面で反射され、再度、入射光として光電変換素子18に検出されることになるため、それに伴う解像度の特性劣化が発生する。特に、小型化が要求される主に口腔内に挿入して画像を収集する歯科用途のX線検出器10では、外囲器44がシンチレータ層23と近接しているため、外囲器44の内面からの反射光の影響を受け易い。
第2および第3の実施形態のX線検出器10では、黒色材料を含有した海綿状物質もしくは発泡体で形成される緩衝体38で蓋体29の内面全体を覆うため、X線13をシンチレータ層23で光11に変換した際に生じるシンチレータ層23から周辺へ漏れる発光成分が緩衝体38で吸収され、X線検出器10の解像度等の特性劣化を防止することができる。
このように、実施形態のX線検出器10によれば、第1ないし第3の効果が得ることができる。
次に、X線検出部14に外力が加えられた場合は、材料力学的に蓋体29は、一様分布荷重の4辺固定モデルで近似可能であることから、蓋体29の外力に対する最大撓み量をωmax、最大曲げ応力をσmaxとすると、
ωmax=α・p・a4/E・h3 …(1)
σmax=β・p・a2/h2 …(2)
α:構造体の最大撓み係数
β:構造体の最大応力係数
p:単位面積当りの荷重
E:構造体のヤング率
a:構造体の短辺長
h:構造体の板厚
となる。そのため、蓋体29に外力に対する弾性変形領域における最大撓みを生じさせる単位面積当りの荷重をpe、蓋体29に外力に対する弾性変形領域における最大撓み量をωeとすると、(1)式および(2)式から、
ωe=α・pe・a4/E・h3 …(3)
pe=σe・h2/β・a2 …(4)
となり、これら(3)式および(4)式から、
ωe=α・σe・a2/β・E・h …(5)
α:構造体の最大撓み係数
β:構造体の最大応力係数
σe:構造体の耐力
E:構造体のヤング率
a:構造体の短辺長
h:構造体の板厚
で表される。
このため、蓋体29とシンチレータ層23のX線入射面23aとの間の隙間36の寸法をωe以下とすれば、X線検出器10に加えられた外力が除去された場合、蓋体29の形状は、X線検出器10に外力が加えられる前の状態に戻り、蓋体29とシンチレータ層23のX線入射面23aとの間の隙間36が維持される。蓋体29がシンチレータ層23のX線入射面23aに直接的もしくは間接的に接することによる光学的な影響を受けないため、安定したX線検出器10の諸特性が得られる。
また、蓋体29を構成する物質をX線透過率の高いアルミニウム等の軽元素から成る金属とした場合、X線検出器10の外力に対する信頼性と電磁波に対する信頼性の向上が得られ、さらに、蓋体29の水蒸気透過率をゼロとすることが可能となるため、特に潮解性のあるCsI等のハロゲン化合物をシンチレータ層23とした場合においてもX線検出器10の諸特性の劣化が生じない。
例えば、図1に示される第1の実施形態の構成において、
シンチレータ層23の外形寸法:40mm(L)・30mm(W)
シンチレータ層23の材質:CsI(Tl Dope)
反射層24の材質:TiO2
保護層25の材質:ポリパラキシリレン
緩衝体38の材質:ポリウレタンスポンジ(黒色)
蓋体29の材質:Al(5052−H34)
蓋体29の板厚:0.5mm
蓋体29とシンチレータ層23との間の隙間36の寸法:0.4mm
蓋体29の外形寸法:45mm(L)・35mm(W)
接合層37の材質:エポキシ系樹脂
外囲器44の材質:ポリエステル
外囲器44の板厚:1.0mm
外囲器44の形成方法:ホットメルトモールディング
とすると、第1の実施形態の構成におけるωeは、
α=0.03
β=0.5
σe=215N/mm2
E=70kN/mm2
a=35mm
h=0.5mm
という蓋体29の短辺長、蓋体29の板厚、Al(5052−H34)の機械的特性と(5)式から、
ωe≒0.45mm
となる。
また、図7に示す従来例の構成において、
シンチレータ層23の外形寸法:40mm(L)・30mm(W)
シンチレータ層23の材質:CsI(Tl Dope)
保護層25の材質:ポリパラキシリレン
外囲器44とシンチレータ層23との間の隙間36の寸法:0.5mm
外囲器44の材質:Al(5052−H34)
外囲器44の外形寸法:48mm(L)・38mm(W)
外囲器44の板厚:1.5mm
接合層50の材質:エポキシ系樹脂
とすると、従来例の構成におけるωeは、
α=0.03
β=0.5
σe=215N/mm2
E=70kN/mm2
a=38mm
h=1.5mm
という外囲器44の短辺長、外囲器44の板厚、Al(5052−H34)の機械的特性と(5)式から、
ωe≒0.18mm
となる。
そして、図4ないし図6の表には、上述した図1に示す第1の実施形態の構成と図7に示す従来例の構成において、画像特性(解像度)、落下試験、加圧試験の特性比較を実施した結果を示す。
画像特性(解像度)の特性評価条件は、管電圧:70kV、管電流:100mA、SID:1000mm、X線照射時間:0.1sの同一条件とする。また、感度比および解像度(MTF)比は、従来例の値を1とした場合の比率である。
落下試験の試験方法は、所定高さから、所定回数の自由落下をX線検出器10に繰り返した後、X線検出器10の破損の有無を確認する。試験条件は、落下高さ:1.5m、落下面:コンクリート床、落下回数:30回である。
加圧試験の試験方法は、X線検出器10のシンチレータ層23の形成面側の全面に圧力を加えた後、X線検出器10の破損の有無を確認する。
そして、第1の実施形態の構成においては、従来例の構成に比べて、画像特性(解像度)、落下試験、加圧試験とも改善が観測された。そのため、X線検出器10の諸特性および信頼性の改善に対する効果が明確であると言える。
このようなX線検出器10の諸特性および信頼性の改善に対する効果は、第1の実施形態が次の構成を有しているからと言える。すなわち、X線検出部14が4辺に側壁構造を有する蓋体29を有するケース27により密閉され、かつ蓋体29とシンチレータ層23との間の隙間36に海綿状物質もしくは発泡体で形成された緩衝体38が設置されること。緩衝体38が黒色染料や黒色顔料等の黒色材料を含有すること。隙間36は、蓋体29の外力に対する弾性変形領域内での最大撓み量以下であり、かつ隙間36に設置される緩衝体38は蓋体29およびシンチレータ層23のいずれにも接すること。蓋体29を構成する物質の弾性係数より外囲器44を構成する物質の弾性係数が小さく、外囲器44を構成する物質の弾性係数より緩衝体38を構成する物質の弾性係数が小さい関係を有していること(すなわち、蓋体29を構成する物質の弾性係数をA、外囲器44を構成する物質の弾性係数をB、緩衝体38を構成する物質の弾性係数をCとすると、弾性係数はA>B>Cの関係を有していること)。そして、これら構成を有することにより、第1の実施形態は、上述の効果を得ることができる。
なお、図2に示す第2の実施形態および図3に示す第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の構成を有するため、上述の効果を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 放射線検出器としてのX線検出器
11 光
12 光検出部
13 放射線としてのX線
14 放射線検出部としてのX線検出部
23 シンチレータ層
27 ケース
29 蓋体
36 隙間
38 緩衝体
41 配線
44 外囲器

Claims (8)

  1. 光を電気信号に変換する光検出部と、
    前記光検出部に接して外部から入射した放射線を光に変換するシンチレータ層を有する放射線検出部と、
    前記シンチレータ層との間に隙間をあけて前記放射線検出部を覆う蓋体を有し、前記光検出部および前記放射線検出部を密閉するケースと、
    前記光検出部に接続された配線と、
    前記ケースを覆い、前記配線が貫通された外囲器と、
    海綿状物質および発泡体のいずれか一方により形成され、前記蓋体と前記シンチレータ層との間の隙間に配置された緩衝体と
    を具備していることを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記蓋体と前記シンチレータ層との間の隙間は、前記蓋体の外力に対する弾性変形領域内での最大撓み量以下であり、
    前記蓋体と前記シンチレータ層との間の隙間に配置される前記緩衝体は、前記蓋体および前記シンチレータ層のいずれにも接する
    ことを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
  3. 前記緩衝体、前記蓋体および前記外周器は、遷移金属元素よりも軽元素を主成分とする物質から構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の放射線検出器。
  4. 前記蓋体を構成する物質の弾性係数より前記外囲器を構成する物質の弾性係数が小さく、前記外囲器を構成する物質の弾性係数より前記緩衝体を構成する物質の弾性係数が小さい
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の放射線検出器。
  5. 前記緩衝体は、黒色染料および黒色顔料のいずれか一方の黒色材料を含有する
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の放射線検出器。
  6. 前記緩衝体は、前記放射線検出部に対向する前記蓋体の内面全体を覆っている
    ことを特徴とする請求項5記載の放射線検出器。
  7. 前記緩衝体は、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、EVA、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂のいずれか1つを主成分とする
    ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか一記載の放射線検出器。
  8. 光を電気信号に変換する光検出部を形成する工程と、
    前記光検出部に接して外部から入射した放射線を光に変換するシンチレータ層を有する放射線検出部を形成する工程と、
    海綿状物質および発泡体のいずれか一方で形成される緩衝体を前記シンチレータ層上に設置する工程と、
    前記シンチレータ層との間に前記緩衝体を介在して前記放射線検出部を覆う蓋体を有するケースで前記光検出部および前記放射線検出部を密閉する工程と、
    前記光検出部に配線を接続する工程と、
    前記ケースを覆い、前記配線が貫通する外囲器を形成する工程と
    を具備していることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
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