JP2013231630A - 揮発性有機化合物の成分分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低濃度汚染地であっても、土中への貫入に伴ってVOCsを測定するMIPシステムを利用しながら、その場でクロマトグラフィーの測定をスムーズに行えるようにする。
【解決手段】貫入具からMIP用の第一検出器までの間のガスラインに、計量管として使用可能である十分な長さの容積域を確保しながら、その前後で六方コックを経由させることで、普段はMIP分析を滞りなくできるようにしておくとともに、六方コックの残り1つの経路を通過するように、キャリアガスを送出する送出機と、ガスクロマトグラフィー用の分離カラム及び第二検出器との間を繋いでおく。MIPの測定中に、必要に応じて六方コックを切り替えることで、その容積域に確保された分のガスについてガスクロマトグラフィーを開始する。
【選択図】図1

Description

この発明は、地表から深度20〜30mまでの地盤中の有機化合物による汚染状況を調査確認する方法に関する。
有害物質を使用する工場などの有害物質使用特定施設を設置した者や、不法投棄の現場などの揮発性有機化合物が土壌中に染みこんだと推測される土地で修復事業その他の事業を行う者は、土壌汚染対策法に基づき、土壌中の汚染状況を調べなければならないことがある。その具体的な測定にあたっては、ボーリングによって地中の土壌を採取し、その試料について土壌汚染対策法に定める項目(以下、「指定基準項目」という。)の成分分析を実施しなければならない。土壌汚染対策法に定められたこの分析法は、ボーリングにより得られた土壌サンプルに水を入れ、土壌中の有機化合物を水に溶出させ、その溶出した溶液中の有機化合物量を測定するため、試料採取と分析に時間がかかっていた。
これに対して、ボーリング作業を行うその現場で地質の状態を測定する手段が提案されている。例えば、CPT(Cone Penetration Test:コーン貫入試験)は、ボーリング装置の先端にセンサーを取り付けて、深度の進行とともに先端抵抗、周面摩擦、間際水圧などをその場で測定することが出来る(例えば、特許文献1)。
また、化学的な性質を測定する手段として、100℃前後に加熱できる電源ヒーターと、気体のみを透過する樹脂膜を土中に貫入するコーンの外周近傍に取り付け、土壌中の揮発性有機化合物(VOCs)をヒータで加熱蒸発させ、膜を透過させてコーン内へ取り込み、窒素などの不活性キャリアガスにより地上のガスクロマトグラフ分析装置まで運んで、その膜の深度におけるVOCs量をその場で測定する計測機器(MIP(membrane interface probe:膜界面サンプリング分析法))がある(例えば、非特許文献1、2)。
再表2005/066421号公報
「CPT(コーン貫入試験)手法による土壌汚染調査手法の開発」土木学会誌、Vol.88 No.9 2003 p50-p52 「VOCにより汚染された土壌のMIPによる汚染調査手法」第38回地盤工学研究発表会(秋田)2003年7月 p2277-p2278
しかしながら、従来のMIPシステムでは、地上に設置した各種の検出器((1)電気伝導度検出器、(2)光イオン化検出器、(3)水素炎イオン化検出器など)によって、揮発性有機化合物のうち、(1)塩素化炭化水素類、(2)オレフィン系炭化水素や芳香族炭化水素のように二重結合を持つ炭化水素類、(3)炭素化合物の各総量を測定するものであり、その成分の内訳まではわからないため、汚染状況の正確な把握や汚染対策手法の立案が難しい。特に、不法投棄現場には大量に存在することが多いトルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素と同じ芳香族でも、指定基準項目のひとつであるベンゼンによる汚染であるのかを区別することができない。
そこで現在のMIPで行っている分析をクロマトグラフィーに変更したり、クロマトグラフィーを併用したりすることが考えられるが、従来のMIPシステムによる使用条件ではキャリアガス中のVOCs含有率が低いために、内訳を分析することが難しかった。
また、MIPの通常の測定からクロマトグラフィーの測定への切り替えを行うにあたり、複数のコックやバルブを統一してスムーズに切り替えることができなければ、MIPシステムの連続測定中におけるガス流速等の測定条件が変化して値が不確実になるおそれもあった。
さらに、低濃度汚染地では、膜から取り込まれたガス濃度が低いため、MIPシステム自体の測定が難しい場合もあり、その低濃度試料ガスをさらに成分分けして測定することが極めて困難になった。これは、MIPシステム自体が深度別のVOCs総量濃度プロファイルを早いレスポンスで得ることに主眼に置いているため、キャリアガスの量が多く、VOCs濃度は低くなる条件設定であることによる。このため、従来のMIPシステムをそのままクロマトグラフィーに変更させても事実上測定はほとんど不可能であった。
そこでこの発明は、低濃度汚染地であっても、土中への貫入に伴ってVOCsを測定するMIPシステムを利用しながら、クロマトグラフィーの測定をスムーズに行えるようにすることを目的とする。
この発明は、貫入具からMIP用の第一検出器までの間のラインに、計量管として使用可能である容積域を確保しながら、その前後で六方以上の多方コックのそれぞれ一対の接続口間を経由させることで、普段はMIPによる化合物の総量の分析を滞りなくできるようにしておくとともに、多方コックのさらに別の一対の接続口間を通過するように、キャリアガスを送出する送出機と、ガスクロマトグラフを構成する分離カラム及び第二検出器との間を繋いでおく。MIPの測定中に、必要に応じて多方コックを切り替えることで、その容積域に確保された分のガスについてガスクロマトグラフの測定操作を開始することができる。多方コックを用いることにより切り替えは一箇所だけで済むため、複数の流路切り替えが同時に行え、切り替えによる影響を最小限に抑えることができる。また、前記容積域が確保されているため、常に一定量の試料ガスをクロマトグラフに導入でき、人による誤差を最小限に押さえることができる。
切り替えの内容は具体的には次のような変更となる。まず、切り替えに用いる六方以上の接続口を有する多方コックを用意する。個々の接続口は、内部で他の接続口に繋がっており、コックを切り替えることで、他の接続口へ繋がるように変更できる。典型的な六方コックとして、それぞれの接続口が正六角形のそれぞれの頂点の位置にあり、隣接する二つの接続口のうち一方に繋がる状態と、他方に繋がる状態とを切り替えることができるものを例にとり説明する。また、仮にそれぞれの接続口を時計回りにa,b,c,d,e,fとする。すなわち、(a−b、c−d、e−f)の繋がりと(b−c、d−e、f−a)の繋がりを切り替えるものとする。
上記貫入具から上記第一検出器までの間の移送経路について、計量管として使用可能な容積域を確保し、その前後で、一の多方コックの一対の接続口の組み合わせの間(接続口間という。以下同じ)(a→b、e→f)をそれぞれ経由するものとする。また別途、不活性のキャリアガスの送出機と、分離カラム及びそれに繋がる第二検出器とを設けて、その間を前記六方コックの残る二つの接続口(c→d)を経由するものとする。そして、六方コックを切り替えると、前記貫入具から上記第一検出器への移送が前記六方コックの一対の接続口(a→f)のみ通過するように変更となる。これと同時に、前記送出機から送り出されたキャリアガスが前記六方コックの他の一対の接続口(c→b)を通過して、前記容積域を通過した後に、前記六方コックの残る一対の接続口(e→d)を通過して前記第二検出器へ到達するように変更となるように配置する。
実際には、切り替え前と切り替え先との接続が上記のようになれば、上記のような六方コックでなくてもよいし(例えば、a−d:b−c:e−f、b−e:c−d:f−a、c−f:a−b:d−e、の3パターンを切り替える六方コックがある)、八方コックや十方コック、十二方コックなどの一部を使用しても実施可能である。
この発明では、前記第一検出器へVOCsを同伴していないゼロ調整ガスを導入する切替コックを設けるとよい。具体的には四方以上の接続口を有する第二多方コックを設ける。ゼロ調整ガス自体はキャリアガスと同様に不活性ガスを用いるとよい。この発明にかかる膜界面サンプリング測定システムでは、MIPをクロマトグラフィーと並行して行うために、従来のMIPに比べて成分分析実施の時間が長くかかるため、MIPの測定値のゼロベースが変動しやすくなるが、従来のMIPでは1箇所の貫入と各深度の分析が終了するまでゼロベースが確認できなかった。このため、切替コック(第二多方コック、又は四方コック)を一時的に切り替えて、適宜VOCsを同伴しないゼロ調整ガスを第一検出器に供給してゼロの値を確定させた後に、毎回のMIPの値を測定することで、ゼロベースの変動を抑えた安定した結果を得ることができる。
またこの発明では上記第一ガスラインをステンレス製とし、かつ90℃以上110℃以下に加熱するガスライン加熱装置を設けておくことが好ましい。キャリアガスの量を従来のMIPと同量としていたのでは、VOCsの含有率が低くなりすぎて測定に支障を来してしまう。そのためキャリアガスの量を従来より絞る必要があるが、従来から用いられているフッ素樹脂製のガスラインでは、キャリアガスが少なくなることでガスライン中での吸着や凝縮が起こりやすくなり、第一検出器で測定されるピークがブロードになりやすくなってしまう。そこでガスラインを、加熱機構を設けたステンレス製にすることでこの吸着及び凝縮を防ぐことができる。これにより、土壌中のVOCs濃度変化を速いレスポンスで、鋭いピークとして搬送することができ、同時に試料ガス濃度を高めることができる。
さらにこの発明では、上記のMIPによる化合物の総量の分析及びそれから移行すべき多方コックを切り替えてのガスクロマトグラフの測定操作を、貫入の進行を測定する深さごとに停止して行うようにするとともに、キャリアガスの量を、貫入を進めながらMIPやガスクロマトグラフを測定する場合に比べて10分の1以下に低下させることにより、MIP及びガスクロマトグラフの感度を大幅に向上させることができる。すなわち、進行を一旦止めて行うことで、リアルタイム測定でありながら高感度のMIP測定及びガスクロマトグラフィー測定を行うことができる。
さらにまたこの発明では、前記多方コックと、クロマトグラフを測定する第二検出器に繋がる前記分離カラムとの間の第二ガスラインに、その内部にあるガスを冷却してVOCsを凝縮可能な冷却機構と、凝縮した液体又は固体を一時蓄積可能なトラップ管と、その凝縮したVOCsを気化可能な再加熱機構とを設けておくと望ましい。クロマトグラフの感度を上げるために計量管の容積域を単純に増やしただけでは、その容積域分のガスが分離カラムを埋め尽くしてしまい、第二検出器への到達時刻を分けることができなくなってしまう。しかし、容積域を拡大するとともに、その分のガスを分離カラムに送る前に、一旦トラップ管にてVOCs成分のみを凝縮させれば、その液体又は固体を一気に気化することで、従来通りの長さの分離カラムで十分に化合物を分離させることができる。従って、計量管としての容積域を、キャピラリーガスクロマトグラフにおける試料導入限度量(0.5〜1.0mL)より十分に大きくした場合でも試料ガス全量中のVOCsのみを低温濃縮でき、キャピラリーガスクロマトグラフで測定可能な試料容積以下に減容でき、測定が可能となる。それにより、定量下限値を1桁以上、下げることができる。さらにまた、容積域に活性炭などからなる吸着剤を設けて、通常時はその吸着剤にVOCsを蓄積しておき、上記六方コックの切り替えとともにこの吸着剤を加熱して蓄積したVOCsを放出させて、その放出したVOCsを前記冷却機構で低温濃縮、減容した上でガスクロマトグラフに導入、測定することで、定量下限値濃度を大幅に下げることができる。
この発明により、貫入具を土中へ進行させてMIPの測定をし、その結果を見て特にVOCsの総量が多い箇所が検出されたら、その場でクロマトグラフィーの測定を行うことができる。クロマトグラフィーの測定は、容積域に保存してあった分のVOCsを用いるため、クロマトグラフィーを測定している間もMIPを止めなくてもよい。さらに、一箇所のクロマトグラフィー測定が終わった後ならば、一旦六方コックを戻して再び容積域にガスを溜めておくことで、再び次の必要とする箇所でクロマトグラフィー測定を実施することができる。この発明にかかる膜界面サンプリング測定システムにより、従来ならば、深度別のVOCs濃度分布が不明のまま、特定深度の限定されたボーリングサンプルを研究室に持って帰って手間のかかる溶出量試験を行っていたものを、本手法では、VOCs高濃度域を確実に捕捉しながら、そのVOCs量の内訳の解析をその場で行うことができ、効率的な調査を可能とする。
(a)第一の実施形態における通常時の運用形態図、(b)第一の実施形態におけるガスクロへの移行時の運用形態図 (a)第二の実施形態における通常時の運用形態図、(b)第二の実施形態におけるガスクロへ移行してVOCsを凝縮させる際の運用形態図 (a)第二の実施形態における凝縮させたVOCsを加熱蒸発させて分離カラムへ導入する際の運用形態図、(b)第二の実施形態における四方コックを切り替えてゼロ値補正を行う際の運用形態図 (a)第三の実施形態における通常時の運用形態図、(b)第三の実施形態における吸着剤に吸着させる際の運用形態図、(c)第三の実施形態における脱着後の凝縮を行う際の運用形態図、(d)第三の実施形態におけるクロマトグラフィー測定時の運用形態図 (a)実施例で検出したPIDの値の変遷を示すグラフ、(b)実施例で検出したDELCDの値の変遷を示すグラフ (a−1)実施例における12.0メートルでのPIDクロマトグラム、(a−2)同深度でのDELCDクロマトグラム、(b−1)13.0メートルでのPIDクロマトグラム,(b−2)同深度でのDELCDクロマトグラム
以下、この発明について詳細に説明する。この発明の第一の実施形態にかかる膜界面サンプリング測定システム(MIPシステム)の構成を図1(a)(b)に示す。
図1(a)はシステムの使用開始時点における動作形態である。土中に貫入させる貫入具11は、コーン先端13よりやや上方に開口部15を有しており、内部には地上から開口部15付近まで到達して地上まで戻ってくる第一ガスライン12を有している。開口部15は樹脂製の膜17で覆われている。この膜は揮発性有機化合物のガスを透過しうるものであり、例えばジオプローブ社製膜である。開口部15のすぐ下には、電気により周壁を加熱可能なヒータ16が設けてある。このヒータ16によって周囲の土壌が加熱されて、土壌に含まれるVOCsがガス化し、膜17を透過して、第一ガスライン12に取り込まれる。第一ガスラインには窒素ガスやアルゴンなどの不活性なキャリアガスを送り込んであり、取り込まれたVOCsはこのキャリアガスに乗って地上まで送られる。なお、図では例としてNガスとして記載する。
なお、コーン先端13にはCPTに用いられる先端抵抗、周面摩擦、間際水圧などを測定する各種のセンサを設けていてもよい。設けていると、MIPとともにCPTの測定も同時に進めることが出来るため、一度に得られる情報量は増えるが、CPT試験は土壌の性質によっては実施できないため、必ずしも併用する必要はない。砂礫が中心の土壌ではCPTを行うと機器が破損しやすいので使用を避けるべきであるが、そうでない場合には、土壌の性質を確認しながら測定を進行できるメリットを有する。
この実施形態にかかる膜界面サンプリング測定システムでは、上記のCPT用センサの有無に関わらず、貫入具11を徐々に土中に貫入させながら、あるいは一時停止させながら、ヒータ16により土壌を加熱してVOCsを取り込み、第一ガスライン12を通してキャリアガスに乗せて地上へVOCsを移送して、貫入の進行とともにVOCs量を測定していく。この貫入の速度が速すぎると、後述するガスクロマトグラフィー測定への切り替えが間に合わなくなったり、ガスクロマトグラフの複数回の測定ができなくなったりするため、従来のMIPシステムよりも低速であったり、一時停止したりすることが求められる。具体的な貫入速度としては、0.5cm/sec以上2.0cm/sec以下程度である。
上記の第一ガスライン12を含む経路全体には、図示しないが全体を暖めるリボンヒータを備える。ガスラインに取り込んだVOCsは沸点が常温以上であるものがほとんどであるため、ガスライン内部で凝縮液化することを防ぐことが望ましいためである。このリボンヒータの加熱によるガスライン内の温度は100℃程度であると望ましい。
上記の第一ガスライン12は、従来MIPシステムに用いられる通りのフッ素樹脂製でも実施可能である。ただし、SUS304などのステンレス製であるとより好ましい。この発明にかかる膜界面サンプリング測定システムでは、従来のそれにくらべてVOCs濃度をあげるためにキャリアガスによる移送速度も従来より遅くする。そのため、従来通りのフッ素樹脂製管の内表面にVOCs成分が吸着し脱着することによる検出ピークのブロード化が無視できないものになることがあるため、吸着を起こしにくい加熱したステンレス製の管であることが望ましい。
なお、移送経路19に用いるガスラインの径は、大きいと開口部15から取り込んだVOCs量に対し希釈ガス量が増加すると共に、第一検出器25での応答特性が悪くなる。また、径が小さいと開口部15から第一検出器25までの圧力損失が大きく成り、開口部15の内圧が高くなってしまい、外部からのVOCsの取り込みができなくなる。第一ガスライン12の内径は、特に限定されないが、系全体の圧力損失を把握する観点から移送経路19と同程度のものを使用すると良い。具体的には、内径0.8mm程度であるとよい。
上記の第一ガスライン12の復路地上側端、すなわち貫入具11の地上部端部から、計測機器群20への移送経路19には、除湿器18が設けてあり、キャリアガスとVOCsガスとの混合ガスに含まれる水蒸気を除去する。これは膜17からVOCsを取り込む際に、土壌中の水を水蒸気として大量に取り込んでしまうため、この混合ガスをそのまま検出器に導入すると水の影響が強すぎるためである。また、移送経路19にも第一ガスライン12と同様に凝縮を防ぐためのリボンヒータが設けてあると好ましく、移送経路19の内部もフッ素樹脂製ではなく加熱したステンレス製であることが好ましい。
上記の計測機器群20は、MIPシステムとして深度に応じた化合物量を測定するための第一検出器25と、後述する切り替え後にクロマトグラフィー測定をするための分離カラム41及び第二検出器42と、クロマトグラフィーのために不活性なキャリアガスを送出する送出機31とを有する。これらが、上記の移送経路19から繋がる六方コック21に繋がっている。なお、経路全体はリボンヒータなどでVOCsの凝縮を防ぐ程度の加熱が可能であるようにする。
説明のため、例として用いる六方コック21のそれぞれの接続口を時計回りに順に接続口21a〜接続口21fとする。六方コック21は、これら6つの接続口を有し、接続口間の流路をまとめて切り替え可能なコックの一種である。具体的には、a−b,c−d,e−fを繋ぐ状態と、b−c、d−e、f−aを繋ぐ状態とを、切り替え可能である。すなわち、隣接する接続口21同士を繋ぐ組み合わせを切り替えるものである。コック自体の大きさは特に限定されないが、内部のガスライン部の径が大きすぎると内部でガスが停留しうるおそれがあるため第一ガスライン12と同程度のものが良く、ガスライン全体の圧力損失を増大させず、また、取り込まれたVOCsがガスライン内で対流してVOCsのスムースな移送の妨害をしないことが望ましい。移送経路19からのガスラインは接続口21aに接続され、六方コック21内を(a→b)のように経由して、計量管として利用可能な長さを確保した容積域22へ通じる。前記容積域22からのラインは接続口21eに接続され、六方コック21内を(e→f)のように経由してMIPライン23へ繋がり、MIP測定を行う第一検出器25へ到達する。すなわち、前記容積域22は六方コック21の一点(b)から出て反対側の点(e)に繋がっていることで、膜17から取り込まれたVOCsは六方コック21を経由して、計量管となり得る容積域22の分だけガスを確保しながら、再び六方コック21を経由して第一検出器25でMIPの測定を可能とする。
一方、前記のラインで使っていない(c→d)のラインは、送出機31からの第二ガスライン32と、分離カラム41へ通じる第二ガスライン33とを繋いでいる。分離カラム41は、第二検出器42へ通じ、ガスクロマトグラフィーを測定可能とする機構である。通常時は送出機31から送り込まれたキャリアガスがそのまま第二検出器42で測定される。
なお、この六方コックはフッ素樹脂製のものを採用することが好ましい。また、上記のように移送経路19−容積域22−MIPライン23のラインと第二ガスライン32−第二ガスライン33のラインとの組み合わせから、移送経路19−MIPライン23のラインと第二ガスライン32−容積域22−第二ガスライン33のラインとの組み合わせに切り替えることができるのであれば、隣接する接続口同士のみを繋げる六方コックでなくても採用可能である。さらに、八方コックや十方コック、十二方コックなどの六方以上の多方コックを、いくつかの接続口を使用しなかったり、あるいはいくつかの接続口間を短絡したりすることでも利用可能である。
上記計量管として利用可能な容積域22とは、後述するクロマトグラフィー測定を行うための試料を確保しておくための容積分を確保した管である。ただし、実際にガスラインの途中に径が膨らんだ計量管部分が設けられると、容積域22内部で試料ガスの対流が起こり、容積分の試料がスムースに移送できない場合がある。このため、前後のガスラインと内径が変わらないままで、長さだけを確保することによって必要な容積を確保するものであるとよい。ただし、この容積域22が大きすぎると、後述する分離カラム41でガスクロマトグラフィー測定を行おうとしても成分に分けようとするサンプルだけで分離カラム41が埋め尽くされてしまい、化合物ごとのピークを検出できなくなってしまう。このため、容積域22の容積は1ml以下が好ましい。一方で、少なすぎるとサンプル量が足らずにガスクロマトグラフで測定しにくくなるため、測定対象の濃度レベルに対応して0.5〜1.0mlの範囲で選択することが好ましい。
上記の容積域22及びMIPライン23も、上記の第一ガスライン12及び移送経路19と同様に、VOCsの凝縮を防ぐためのリボンヒータが設けてあると好ましく、同様にステンレス製であると好ましい。ただ、容積域22は一定温度に保ち、分析すべき混合ガス量が変動しないようすることが重要である。特に容積域22に確保されたガスはそのままガスクロマトグラフィー測定に用いるため、吸着が起こると混合ガス濃度が低下したり、脱着のタイミングがずれて試料ガスが一度に注入できずガスクロマトグラムのピークがブロードになりやすくなってしまう。
上記のMIPライン23から第一検出器25に送られたキャリアガスとVOCsとは、第一検出器25でMIPシステムとしての測定を行う。この第一検出器25が備える測定機能は、DELCD(Dry Electric Conductivity Detector(電気伝導度検出器):主に塩素系炭化水素類の測定)、PID(Photo-Ionization Detector(光イオン化検出器):主に二重結合炭化水素類の測定)、FID((Flame Ionization Detector(水素炎イオン化検出器):主に炭化水素類の測定)である。できるだけこれらの要素の全てを測定できる検出器であることが望ましい。また、その他ECD(Electron Capture Detector(電子捕獲型検出器))など各種の検出器と置き換えることも可能である。この第一検出器25では、上記の貫入具11の貫入の進行とともに、その深度におけるVOCs量を測定する。なお、図示しないが当然に第一検出器25は表示装置を備えており、測定中にリアルタイムでVOCs量の測定結果を観測できる。
この発明にかかるシステムの運用者は、前記の第一検出器25による観測データの推移を観測しつつ、信号の値が一定の基準値以上となった場合や、特にピークの前触れであると判断された場合など、必要に応じて、上記の六方コック21を切り替えて、第二検出器42によりその切り替え時の深度におけるガスクロマトグラフィーの測定を開始する。
図1(b)はこの切り替え後の運用形態を示す。移送経路19から到達したキャリアガスとVOCsとの混合ガスは、六方コック21において(a→f)のようにMIPライン23へ直通される。一方、送出機31から第二ガスライン32へ送出されたキャリアガスは六方コック21において(c→b)のように流れて、容積域22に確保されていたその時点におけるVOCsの試料となる混合ガスを押し出していく。押し出された混合ガスは、六方コック21において(e→d)のように流れて、第二ガスライン33を通り、ガスクロマトグラフィー測定を行うための分離カラム41を通り、第二検出器42へ至る。
この切り替えは六方コック21一つを変更するだけで済むので、それぞれの経路変更にタイムラグが生じることはない。切り替えは瞬時におこなわれ、切り替え後も混合ガスは次々に供給されるため、第一検出器25におけるMIPの測定が途切れることはない。また、容積域22の容積自体が僅か1ml以下であるので、容積域22がMIPライン23から切り離されても、MIPの測定結果に大きな落差は生じにくい。
上記の分離カラム41は、ガスクロマトグラフィー測定を行うため、化合物ごとに移送速度が変わる内径の細いキャピラリーカラムからなる。このキャピラリーカラムの容積は、少なくとも上記の容積域22よりも十分大きいことが必要である。分離カラム41で化合物ごとの移動時間が変わっても、その後から引き続いて大量の同じ混合ガスが供給されたのでは、ガスクロマトグラムとして化合物ごとのピークを検出できなくなってしまうためである。
上記の分離カラム41を、化合物ごとに異なる所要時間をかけて通過したVOCsは、第二検出器42として設けられた、DELCD、PID、FIDによって検出される。これにより、化合物毎に到達時間が異なったピークとして検出されるガスクロマトグラムを得ることができる。このガスクロマトグラムは、上記の切り替えの時点における膜17の深度での、VOCsの内訳を示すものである。
なお、このガスクロマトグラフィーの測定を行っている間も、貫入具11の進行と第一検出器25によるMIPの測定は続行可能である。ただしこのときにMIPの測定でさらにガスクロマトグラフィーを測定すべき値が検出されても、すぐにガスクロマトグラフィーの再開はできず、一旦六方コック21の配置を戻して、容積域22にその深度におけるVOCsを含んだ混合ガスを確保する。このように二点目のガスクロマトグラフィー測定をしようとする際にまだ一点目のガスクロマトグラフィーの測定が終わっていない場合は、貫入具11の進行を一時的に停止してもよい。
この六方コック21を元に戻すときは、第二検出器42で測定されるガスクロマトグラムにおいて測定すべきピークがすべて出ていることを確認してから行うことが望ましい。
また、MIPライン23から第一検出器25に別途ゼロ補正用の不活性ガスを導入してゼロ値を補正するための四方コック(第二多方コック)52を設けている。なお、四方以上の接続口を有する多方コックであれば利用可能である。通常時は、不活性ガスを送出する送出機51と繋がった接続口52cが、単純に排出する接続口52dへ繋げてあり、MIPライン23と繋がった接続口52aが、第一検出器25へ繋げてある(図1(a)下部の状態である。)。ゼロ値を補正するときは、四方コック52を切り替えて、送出機51と繋がった接続口52cが、第一検出器25へ繋がるようにして、ゼロ値となる電気信号を観測させる。その間、一時的にMIPライン23と繋がった接続口52aは、単純に排出する接続口52dへ繋がる(図1(b)下部の状態である。)。特に、次の観測までの時間待ちの時にゼロ値の補正を行うとよい。
この四方コック52の動作を詳細に説明する。
これは四つの接続口52a〜dを有し、そのうちの隣接する二つずつを経由させ、その二つの組み合わせを切り替えることができるコックである、六方コック21の接続口21fに繋がるMIPライン23が、接続口52aに接続されており、(a→b)のように四方コック52を経由して、第一検出器25へ到達する。図1(a)はこの状態での動作形態を示す。一方、別途に不活性のゼロ補正ガスを送出する送出機51を設けてあり、この送出機51からのラインが四方コック52の接続口52cに繋がっており、(c→d)のように四方コック52を経由して系外へ排出されている。
この四方コック52を切り替えると図1(b)のような動作形態となる。MIPライン23を流れてきた混合ガスは四方コック52を(a→d)のように経由して、一時的に排出される。一方、送出機51から送り込まれたゼロ調整ガスは、四方コック52を(c→b)のように経由して、第一検出器25へ供給される。このときに第一検出器25で測定され、出力される電気的な値が、VOCsがゼロの際の値、すなわちゼロ値となる。このゼロ値を確認したら、すぐに四方コック52を元に戻して、第一検出器25でのMIP測定を再開し、再開後の測定にあたっては、先に確認したゼロ値をベースとして値を補正する。この切り替えは一定時間ごとに行ってもよいし、各深度でのMIP測定を行う前に毎回切り替えてもよい。
なお、この第一の実施形態では、測定速度を優先する場合は測定中も貫入を続行させるが、感度を優先させる場合は、MIPでの測定を行う深さごとに貫入を停止し、キャリアガスの量を極端に低下させるとよい。貫入継続の場合は実際の深さと測定されるガスを採取した深さとのズレを最小限に留めて即応性を高めるためにキャリアガスにある程度の流量が求められるが、貫入を停止する場合には即応性を必要としないからである。具体的には、貫入継続の場合のキャリアガスの流量は20ml/min以上30ml/min以下であると好ましい。また、貫入を停止させる場合のキャリアガスの流量は30ml/min以下であると好ましく、10ml/min以下であると検出精度上より好ましい。一方で、貫入を停止させる場合の下限は、検出精度の点からは吸着が無視できる範囲で遅いほど好ましいが、実際には1ml/min以上が現実的な値となる。
次に第二の実施形態の運用手順について、図2(a)(b)、図3(a)(b)を用いて説明する。この実施形態は、第一の実施形態の構成に加えて、容積域22で確保するVOCs量を増やし、第二ガスライン33の途中にVOCsを一旦凝縮させてから蒸発させてガスクロマトグラフィーの感度を上昇させる機構を設け、MIPライン23から第一検出器25に別途ゼロ補正ガスを導入してゼロ値を補正するための四方コック52を設けている。
まず、VOCsを凝縮、蒸発させる機構について説明する。六方コック21と分離カラム41との間の第二ガスライン33に、キャピラリを曲げて、凝縮した液または固体を溜めるトラップ管34を設け、このトラップ管34を常時冷却しておく。次に、ガスクロマトグラフィーの測定を行うために六方コック21を切り替えこのトラップ管34を通過するVOCsを液化凝縮させてトラップ管34に蓄える。このときの動作形態を図2(b)に示す。なお、トラップ管34は、液体が溜まってもガスの通過ができるように容積域22の容積との差を調整しておくことが望ましい。この冷却を行う冷却手段35の冷却温度はVOCs成分を大部分凝縮させ、その他の空気成分や炭酸ガス等は凝縮しない温度が好ましく、具体的な冷却手段は、例えば砕いたドライアイスを含むエタノールのような寒剤を満たした容器にトラップ管34を浸漬させるなど、直接かつ急速にトラップ管34を冷却する機構が望ましい。
上記の容積域22に確保されていたVOCsのほぼ全量をトラップ管34で凝縮し終わったら、次はトラップ管34を加熱してこれらを速やかに蒸発させる。その間も送出機31からキャリアガスは送り込まれているので、VOCsは速やかにまとめて分離カラム41へ導入される。これにより、分離カラム41へ導入される時間幅が短くなるため、分離カラム41で生じる移動時間の差が明瞭になり、第二検出器42で観測されるガスクロマトグラフのピークを鋭く、明確なものとすることができる。
上記の凝縮後の加熱を行う加熱手段36としては、速やかにトラップ管34を100℃近くまで温度上昇できるものであることが望ましい。例えば、十分な量の熱湯を満たした容器を予め用意しておき、それに漬けるといった手段が利用可能である。このときの形態を図3(a)に示す。
この第二の実施形態では、一旦トラップ管34でVOCsを液化または固化し、空気は通過するため、計量管となりうる容積域22の体積が、分離カラム41の総体積に対し、測定可能注入量を上回っていても問題なく実施可能であり、むしろ容積域22の体積がより多い方が、液化または固化によって溜めることができるVOCsの量が増えるので、クロマトグラフィーの定量下限値を下げることができる。具体的には、10ml以上の容積域22を確保していてもよい。
四方コック52の動作は上記の第一の実施形態と同様である。
このような一旦凝縮を行う実施形態では、第一の実施形態に比べて、クロマトグラフィーを測定する際の分析感度を10倍以上に向上させることができる。
上記の第二の実施形態において、容積域22の部分に、活性炭などの吸着剤を設けてもよい。通常時は容積域22を通過するVOCsを吸着させて蓄えておき、六方コック21を切り替えてガスクロマトグラフィーを実施する際には、その活性炭を200℃前後まで加熱してVOCsを吸着剤から脱着させて、上記のトラップ管34に送り込む。このとき、吸着剤が容積域22を通過するVOCsの全量を吸着してしまうため、活性炭吸着時には、第一検出器25で通常のMIPとしての測定が出来なくなる。
図1、図2でのMIP法による測定では、開口部からVOCsを取り込むタイミングはごく限定された時間である。開口部周辺は、ヒータによって加熱されており、加熱後の経過時間によっては開口部から取り込むVOCsの種類は、最初は沸点の低い物質から取り込まれ、徐々に高い物質に変化していくことが考えられる。活性炭によるVOCsの吸着捕集する場合には、図2の場合よりはかなり多めの試料を捕集でき、その分捕集時間を長く設定できる。長く設定することで、各深度の沸点の異なるVOCsの取りこぼしを減らし対象深度の汚染全体を把握することに優れている。ただ、活性炭では、水分も吸収してしまい、トラップ管34で凝縮してしまい、測定限度以上のガス量になることも考えられる。そのため、除湿器18で十分除湿する必要があるが、除湿の程度によって試料採取量が決まってくる。
また吸着剤を用いて濃縮する場合には、別の測定形態も可能である。この第三の実施形態における計測機器群20の状態を図4(a)〜(d)に示す。通常時には混合ガスが容積域22を通過しないように六方コック21をa→fとなるようにし、四方コックをa→bとなるようにして、混合ガスが吸着剤26を通過しないようにする。この状態が図4(a)である。このとき、吸着剤中のVOCsは脱着されており残留しておらず、常温状態である。これにより、吸着剤26を設置していても、第一検出器25における測定値はMIPの測定値を、第二検出器42には単なるキャリアーガスを流している状態である。このMIPの測定値を観察し、クロマトグラフィーを測定しようとすべき状況になったら、貫入の進行を一時停止して、六方コック21と四方コック52の両方を切り替える。この状態が図4(b)である。混合ガスは六方コック21をa→bのように経由して、吸着剤26へ到達し、これにVOCsを吸着させる。VOCsの殆どが吸着された混合ガスの残りは、六方コック21をe→fのように経由した後、四方コック52をa→dのように経由して、第一検出器25へではなく、ガスメーター53で活性炭を通過したガス量を計測した後、系外へ排出される。ガスクロマトグラフィーで測定したVOCs量の絶対量をガス量で除すことで、ガス中のVOCs濃度を計算できる。この段階での混合ガスの残りにはVOCsがほとんど含まれていないため、第一検出器25へ導入してもほとんど計測にならないので、この時間を利用して送出機51から送り込まれたゼロ補正ガスを第一検出器25に導入しゼロ値の確認を行っておく。
十分な量のVOCsが吸着剤に吸着されたら、再び六方コック21と四方コック52とを切り替えて、図4(c)のようにする。コックの位置は図4(a)と同じであるが、この段階では吸着剤26に十分な量のVOCsが吸着されている。この切り替えに合わせて、吸着剤26を200℃前後まで加熱して、VOCsを脱着させる。この加熱は、図示しないが例えば吸着剤26の周囲に設けたリボンヒーターなどの加熱脱着手段によって行うと良い。この脱着したVOCsは、送出機31から送出されたキャリアガスに乗って、六方コック21をe→dのように経由し、冷却手段35で冷却しているトラップ管34へ導入される。脱着の完了までには多少の時間がかかるが、いつの時点で脱着したかに関係なく、VOCsの大半がここで凝縮され液化または固化する。
この吸着剤26からの脱着と、トラップ管34での凝縮が完了したら、冷却手段35を加熱手段36に切り替える。加熱手段36により蒸発して分離カラム41へ送り込まれるVOCsの内訳は、吸着操作中の混合ガスのすべてが吸着されており、一瞬のデータではなく、その深度におけるVOCsの状況を反映したデータを得られる。ただ、活性炭では、水分も吸収してしまうので、トラップ管34で水も凝縮固化してしまい、測定限度以上のガス量になることも考えられる。そのため、除湿器18で十分除湿する必要があるが、除湿の程度によって試料採取量が決まってくる。なお、加熱手段36の使用と並行して、吸着剤26の加熱を停止して、次の吸着の準備のために常温まで空冷させる。
以下、この発明にかかる発明を具体的に実施した例を挙げて説明する。具体的には、図1(a)(b)に示すシステムを用いて、不法投棄地内での実証試験を行った。
試料濃度の最大化と試験条件を合わせる必要から、貫入具に導入するキャリアガス流量は従来の一般的なMIPシステムに比して2/3倍となる27ml/分、開口部のヒータ設定温度を100℃とした。また、貫入具は連続貫入ではなく、50cm毎に静止させ、開口部のヒータ温度が100℃以上になってからの総VOCs濃度を監視し、濃度が上昇した段階で成分分析を開始した。MIPはジオプローブ社製を使用した。
MIP−CPTによる第一検出器により測定したPID、DELCDの出力信号の値を図5(a)及び(b)にそれぞれ記載する。深さ3.5メートル、9.0メートル、12.0メートルおよび13.0メートルで、六方コックを切り替えて、第二検出器によるガスクロマトグラフィー測定した。そのうち、深さ12.0メートルと13.0メートルでのガスクロマトグラムを図6に示す。図6(a−1)が12.0メートルでのPID、図6(a−2)が同深度でのDELCDであり、図6(b−1)が13.0メートルでのPID,図6(b−2)が同深度でのDELCDである。このうち特に、公定法ではほとんど化合物が検出されない13.0メートルでは、キャリアーガス流量を5.6ml/分という通常のMIPシステムでは設定しない極めて絞った流量にして検出精度を引き上げて測定した。
ガスクロマトグラフィーを解析した結果、それぞれの深度において検出された化合物の量を表1に示す。さらに、MIP−CPT調査場所の直近における土壌溶出量試験を行う公定法分析の結果を併せて表2に示す。
Figure 2013231630
Figure 2013231630
本発明の方法により、検出できた物質は、1,2-ジクロロエタン、シス-1,2-ジクロロエチレン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ベンゼン,トルエン,キシレンであり、公定法である溶出試験で検出されている物質はすべて検出されている。また、深度13.0メートルでは、システムのキャリアーガス設定をごく少量にすることで、公定法では極めて低い測定値にもかかわらず、MIPシステムでは鮮明なガスクロマトグラムが得られ、検出感度を大幅に増大できた。特に、公定法では検出されないベンゼンの存在を明確に検出することができた。
11 貫入具
12 第一ガスライン
13 コーン先端
15 開口部
16 ヒータ
17 膜
18 除湿器
19 移送経路
20 計測機器群
21 六方コック
21a〜f 接続口
22 容積域(計量管)
23 MIPライン
25 第一検出器
26 吸着剤
31 送出機
32 第二ガスライン
33 第二ガスライン
34 トラップ管
35 冷却手段
36 加熱手段
41 分離カラム
42 第二検出器
51 送出機
52 四方コック
52a〜d 接続口
53 ガスメーター
out 排出路

Claims (5)

  1. 地盤に貫入させる貫入具の周壁の一部に開口部を設け、その開口部を揮発性有機化合物(VOCs)ガス透過性である膜で覆い、前記開口部の近傍の周囲を加熱しうるヒータを設けて、前記貫入具内部に前記膜の内側と地上とを往復するよう第一ガスラインを配して、前記ヒータにより加熱蒸発させた土壌中のVOCsが上記膜を透過して第一ガスラインに取り込み可能とし、地上から前記第一ガスラインに不活性のキャリアガスを送り込むことで、取り込んだVOCsを地上に設けた第一検出器まで移送させて、前記貫入具の進行とともにその深度におけるVOCsの変化量を前記第一検出器で測定可能な膜界面サンプリング測定システムであって、
    上記貫入具から上記第一検出器までの間の移送経路について、計量管として使用可能な容積域を確保して、その前後で、六方以上の接続口を有する多方コックのそれぞれ一対の接続口間を経由するものとし、
    別途、不活性のキャリアガスの送出機と、分離カラム及びそれに繋がる第二検出器とを設けて、その間を前記多方コックの別の一対の接続口間を経由するものとし、
    前記多方コックを切り替えると、前記貫入具から上記第一検出器への移送が前記多方コックの一対の接続口間のみ通過するように変更となり、かつ、前記送出機から送り出されたキャリアガスが前記多方コックの他の一対の接続口間を通過して前記容積域を通過した後に前記多方コックのさらに他の一対の接続口間を通過して前記第二検出器へ到達するように変更となるよう配置し、
    上記貫入具を地盤に貫入させながら前記第一検出器でVOCs量の変化を測定し、必要に応じて上記多方コックを切り替えることでその時点の貫入深さにおいて前記容積域に蓄積されたVOCsについてのガスクロマトグラフィーを前記第二検出器で測定することが可能となる膜界面サンプリング測定システム。
  2. 上記多方コックから第一検出器へ繋がるラインに、VOCsを同伴していない不活性ガスの送出機と、外気への排出路とへ繋がる四方以上の接続口を有する別の第二多方コックを設け、切り替えにより前記送出機からの不活性ガスを上記第一検出器へ導入可能となる、請求項1に記載の膜界面サンプリング測定システム。
  3. 前記多方コックと前記分離カラムとの間を繋ぐ第二ガスラインに、凝縮した液体または固体を一時蓄積可能なトラップ管と、そのトラップ管にあるガスを冷却してVOCsを液化凝縮可能な冷却手段と、その凝縮したVOCsを気化可能な加熱手段とを備えた請求項1又は2に記載の膜界面サンプリング測定システム。
  4. 上記容積域に吸着剤を設けてVOCsを蓄積可能とし、上記多方コックの切り替えに伴い前記吸着剤を加熱して蓄積したVOCsを放出させることができる加熱脱着手段を備えた請求項3に記載の膜界面サンプリング測定システム。
  5. 請求項4に記載の膜界面サンプリング測定システムを用い、貫入具の進行とともに前記第一検出器でVOCsの総量の推移を測定するにあたり、上記VOCsが上記容積域を通過しないように上記多方コックをセットしておき、かつ上記多方コックから上記第一検出器へ通過するように上記第二多方コックをセットしておき、
    上記第二検出器でガスクロマトグラフィーを測定する際には、貫入を停止するとともに上記多方コックと上記第二多方コックを切り替えて、VOCsを含む混合ガスが経由する上記吸着剤にVOCsを吸着させて、吸着させた残りのガスが上記第二多方コックから外気への排出路に繋がるようにした後、
    上記吸着剤を上記加熱脱着手段で加熱して脱着させたVOCsを、上記トラップ管で冷却して液化凝縮させ、その後、凝縮したVOCsを加熱手段で加熱して第二検出器にてクロマトグラフィーを測定する、クロマトグラフィーの測定方法。
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