JP2013231150A - シンチレータ材料及びx線検出器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化学式M1−xRExF2+x−wで表されるフッ化物単結晶からなり、前記化学式でMがBe、Mg、Ca、Sr、Baの群から選択される1又は2以上の第2族金属元素であり、REが希土類元素であり、0<x≦0.4であり、0≦w≦0.5であるシンチレータ材料を用いることによって前記課題を解決できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、以下の構成を有する。
(3)0.05≦x≦0.3であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のシンチレータ材料。
(4)Mの一部が第3族金属元素、第4族金属元素、第5族金属元素、第13族金属元素、第14族金属元素の群から選択されるいずれか1又は2以上の元素で置換されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のシンチレータ材料。
(6)Fの一部がCl、Br、Iの郡から選択されるいずれか1又は2以上の元素であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のシンチレータ材料。
(7)板状、立方体状、線状又は円柱状のいずれかの形状とされていることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のシンチレータ材料。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態であるシンチレータ材料及びX線検出器について説明する。
本発明の実施形態であるシンチレータ材料は、化学式M1−xRExF2+x−wで表されるフッ化物単結晶であって、MがBe、Mg、Ca、Sr、Baの群から選択される一又は二以上の第2族金属元素であり、REが希土類元素であり、0<x≦0.4であり、0≦w≦0.5である。
また、REの一部がSc、Y及び希土類元素の群から選択されるいずれか1又は2以上の元素であってもよい。
更にまた、Fの一部がCl、Br、Iの郡から選択されるいずれか1又は2以上の元素であってもよい。
これらの構成としても、高量子効率で赤色発光させることができ、また、大径化した単結晶を生成できる。
本発明の実施形態であるシンチレータ材料は、溶融凝固法により、例えば、次にようにして、成長させることができる。
まず、所定の材料を所定のモル比で量りとる。
次に、秤量した材料を、るつぼの中で混合し、真空ポンプで真空にした後CF4(>99.99%)雰囲気とし、徐々に溶解させた後、徐々に冷却する。
以上の工程により、本発明の実施形態である化学式M1−xRExF2+x−wで表されるフッ化物の単結晶体からなるシンチレータ材料を製造することができる。
まず、所定の材料を所定のモル比で量りとり、るつぼの中で混合し、真空ポンプで真空にした後、CF4(>99.99%)雰囲気とし、徐々に溶解させた後、徐々に冷却して、略円板状の単結晶を形成する。
次に、前記単結晶から棒状の種結晶を切り出す。
次に、高周波発振器(30kW)に接続された高周波コイルにより、るつぼを加熱して、るつぼ内で混合材料をゆっくり溶融する。
これにより、棒の一端側から棒の周りに単結晶を形成することができる。
次に、略円柱状とした単結晶の所定の面を所定の方法により研磨する。
以上の工程により、本発明の実施形態である化学式M1−xRExF2+x−wで表されるフッ化物の単結晶体からなるシンチレータ材料を製造することができる。
ブリッジマン法による結晶育成は例えば以下のようである。
るつぼ内に所定の材料を所定のモル比で量りとり、るつぼの中で撹拌した後、チャンバ内にるつぼを設置する。
その後真空ポンプにより高真空にすることで効率的に水分を除去し、その高真空を保ったまま、るつぼ周囲に配置された抵抗加熱型の加熱源に通電し、るつぼ内の材料を溶解する。なお、前記加熱源は上方が材料の融点より温度が高く下方が材料の融点より温度が低い温度勾配を有している。
材料が溶解した後、融点より温度が高い上方から融点より温度の低い下方に向かいるつぼを移動させる。この際、融点、あるいはそれよりも温度が低い所に来た溶液が単結晶化し、これを連続的に行うことで単結晶を連続的に育成することができる。
また、これらの製造方法で成長させる単結晶体は安定性が高く相転移もないので、単結晶体の切り出し時におけるクラックを十分に抑制でき、第2相の発生も抑制できるため大型単結晶化が可能である。また、前記単結晶は、比較的低温で結晶成長させることが可能であるとともに、その製造コストも低くすることができる。
本発明の実施形態であるX線検出器は、本発明の実施形態であるシンチレータ材料と、フォトダイオードと、を有する。これにより、X線励起により、高輝度赤色発光させることができるシンチレータ材料と、赤色波長領域を効率よく吸収するフォトダイオードと、を有し、高感度なX線検出器とすることができる。
(実施例1)
まず、BaF2(形状:粉末、純度:99.99%以上)と、EuF3(形状:粉末、純度:99.99%以上)とを原料として準備した。
次に、秤量したBaF2およびEuF3を、るつぼの中で混合し、真空ポンプで真空にした後CF4(>99.99%)雰囲気とし、徐々に溶解させた後、徐々に冷却して、溶融凝固法により円板状の単結晶(実施例1サンプル)を作製した。
図1は、実施例1サンプルを示す写真である。
図1に示すように、実施例1サンプルの単結晶の直径は4cmであった。また、厚さは0.5cmであった。
次に、切り出した試料の全面を鏡面研磨して、特性評価用の実施例1サンプルとした。
従来のシンチレータ材料であるBGO(比較例1サンプル)、PET用シンチレータ材料であるLGSO(比較例2サンプル)、LYSO(比較例3サンプル)を準備し、実施例1と同様に、1.5×1.5×4.5mm3の大きさの試料を切り出してから、切り出した試料の全面を鏡面研磨して、それぞれ特性評価用の比較例1〜3サンプルとした。
次に、実施例1サンプルの透過スペクトルを測定した。
図2は、実施例1サンプルの透過スペクトルを示すグラフである。
400〜1800nmの波長領域で約90%の透過率(transmittance)であった。可視光から近赤外の領域の光の透過率が高かった。
図3は、実施例1、比較例3サンプルの発光スペクトルである。
LYSO(比較例3サンプル)が410nmの発光ピーク波長を有する青〜紫色の発光を示したのに対し、実施例1サンプルは、700nm付近の第1の発光ピーク波長、590nm付近の第2の発光ピーク波長、690nm付近の第3の発光ピーク波長、620nm付近の第4の発光ピーク波長及び645nm付近の第5の発光ピーク波長を有する赤色の発光を示した。
図4は、実施例1サンプルのX線励起の発光スペクトルを示すグラフである。
Ba0.875Eu0.125F2.125(実施例1サンプル)は、595nm付近の第1の発光ピーク波長、702nm付近の第2の発光ピーク波長、624nm付近の第3の発光ピーク波長、694nm付近の第4の発光ピーク波長及び655nm付近の第5の発光ピーク波長を有する赤色の発光を示した。
実施例1、比較例1〜3サンプルの量子効率は、表1に示す結果となった。実施例1サンプル(BaEuF)の量子効率が0.943と最も良かった。
波長350nmで約42%の反射率は、長波長化するに従い、減少し、610nmでほぼ0%の反射率となった。さらに長波長化すると、増加し、1100nmで約18%の反射率となった。
量子効率は、波長350nmで約50%であり、長波長化するに従い、増加し、640nmで約95%となった。さらに長波長化すると、減少し、1100nmで約5%となった。
Claims (8)
- 化学式M1−xRExF2+x−wで表されるフッ化物単結晶からなり、前記化学式でMがBe、Mg、Ca、Sr、Baの群から選択される1又は2以上の第2族金属元素であり、REが希土類元素であり、0<x≦0.4であり、0≦w≦0.5であることを特徴とするシンチレータ材料。
- MがBaであり、REがEuであることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータ材料。
- 0.05≦x≦0.3であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシンチレータ材料。
- Mの一部が第3族金属元素、第4族金属元素、第5族金属元素、第13族金属元素、第14族金属元素の群から選択されるいずれか1又は2以上の元素で置換されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシンチレータ材料。
- REの一部がSc、Y及び希土類元素の群から選択されるいずれか1又は2以上の元素であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシンチレータ材料。
- Fの一部がCl、Br、Iの群から選択されるいずれか1又は2以上の元素であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシンチレータ材料。
- 板状、立方体状、線状又は円柱状のいずれかの形状とされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシンチレータ材料。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のシンチレータ材料と、フォトダイオードと、を有することを特徴とするX線検出器。
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