JP2013230998A - 共沸または共沸様組成物、およびクロロメタンまたはヘキサフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

共沸または共沸様組成物、およびクロロメタンまたはヘキサフルオロプロペンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クロロメタン(R40)およびヘキサフルオロプロペン(HFP)を含む混合物から、R40およびHFPを効率よく分離する方法を提供する。
【解決手段】R40の22〜60モル%とHFPの78〜40モル%からなる共沸様組成物、および、R40とHFPをその合計量中のHFPの含有量が54モル%を超えて含む初期混合物を蒸留して、R40とHFPの合計量中のHFPの含有量が、該初期混合物におけるそれより低い第1留分と、R40とHFPの合計量中のHFPの含有量が、該初期混合物におけるそれより高い第2留分に分離し、第2留分からR40濃度が低下したHFPを得る工程を含む、HFPの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンからなる共沸または共沸様組成物、および、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの混合物から2クロロメタンまたはヘキサフルオロプロペンを製造する方法に関する。
2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)は、温室効果ガスである1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)に代わる新しい冷媒として、近年大きな期待が寄せられている。なお、本明細書において、ハロゲン化炭化水素については化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に代えてその略称を用いる。
HFO−1234yfの製造方法としては、例えば、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)を相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液で脱フッ化水素させて得られる1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)を原料とし、水素により還元して製造する方法が知られている。
しかし、上記の方法では、反応工程数が多く、中間生成物や最終生成物の蒸留精製が必要である。一方、クロロフルオロカーボン類を含む原料から熱分解を伴う1回の反応でHFO−1234yfを製造する方法が提案されている。このような方法として、例えば、特許文献1には、クロロメタン(R40)とクロロジフルオロメタン(R22)および/またはテトラフルオロエチレン(TFE)との混合物を加熱分解して、HFO−1234yfを得る方法が提示されている。R40とR22および/またはTFEとの混合物は、熱分解および脱塩化水素反応によりジフルオロカルベン(FC:)とR40とを含む反応混合物を生成し、これらの反応混合物は、直接付加反応して、あるいは1種または2種以上の中間体を経て、テトラフルオロプロペン、特にHFO−1234yfへと転化されると考えられる。
米国特許第2931840号明細書
本発明者らの検討によると、上記方法によりHFO−1234yfを製造する場合、得られる反応混合物中には、目的物質のHFO−1234yfや未反応原料以外に、TFE、1,1−ジフルオロエチレン(VdF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、オクタフルオロシクロブタン(RC318)等の多種の副生物が含まれるが、その生成量は製造条件により様々であることがわかった。また、R40はR22やTFEより反応性が低く、未反応原料として反応混合物中に多く残留する傾向がわかった。
このような反応混合物から目的物質のHFO−1234yfを収率良く得るためには、HFO−1234yfと未反応原料であるR40や副生物を効率よく分離しそれらを有効利用することが望まれる。例えば、未反応原料はもとより、副生物のうちでもR22のように熱分解してFC:を発生しうる含フッ素化合物であるTFE、HFP、CTFE、RC318等については、上記熱分解を伴う合成反応へのリサイクル使用がHFO−1234yfの生産効率を上げる点で有効であると考えられる。さらに、TFE、VdF、HFP、CTFE等は各種フッ素樹脂原料としても有効利用できる。
ここで、目的物質のHFO−1234yfや上記各種有用成分を上記反応混合物中から取り出す方法として、蒸留が挙げられるが、R40とHFPは沸点が近いことが知られており、両者の分離は容易でないと想定された。
本発明は、上記観点からなされたものであり、クロロメタン(R40)およびヘキサフルオロプロペン(HFP)を含む混合物から、R40およびHFPを効率よく分離する方法を提供することを目的とする。
本発明は、クロロメタンを46モル%、ヘキサフルオロプロペンを54モル%含有する共沸組成物を提供する。
また、本発明は、クロロメタンを22〜60モル%、ヘキサフルオロプロペンを78〜40モル%含有する共沸様組成物を提供する。
本発明は、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンを含む混合組成物であって、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量が前記混合組成物中90モル%以上であり、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンとの含有割合がモル比でクロロメタン/ヘキサフルオロプロペン=46/54である混合組成物を提供する。
本発明は、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンを含む混合組成物であって、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量が前記混合組成物中90モル%以上であり、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンとの含有割合がモル比でクロロメタン/ヘキサフルオロプロペン=22/78〜60/40である混合組成物を提供する。
本発明は、上記本発明の共沸組成物または共沸様組成物を含む冷媒を提供する。
本発明は、主としてクロロメタンとヘキサフルオロプロペンからなる初期混合物であって、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のクロロメタンの含有割合がモル比で46%を超える初期混合物を蒸留して、
クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のクロロメタンの含有割合が、前記初期混合物におけるクロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のクロロメタンの含有割合より低い第1留分と、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のクロロメタンの含有割合が、前記初期混合物におけるクロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のクロロメタンの含有割合より高い第2留分に分離し、前記第2留分からヘキサフルオロプロペン濃度が低下したクロロメタンを得る工程を含む、クロロメタンの製造方法を提供する。
さらに、本発明は、主としてクロロメタンとヘキサフルオロプロペンからなる初期混合物であって、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のヘキサフルオロプロペンの含有割合がモル比で54%を超える初期混合物を蒸留して、
クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のヘキサフルオロプロペンの含有割合が、前記初期混合物におけるクロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のヘキサフルオロプロペンの含有割合より低い第1留分と、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のヘキサフルオロプロペンの含有割合が、前記初期混合物におけるクロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のヘキサフルオロプロペンの含有割合より高い第2留分に分離し、前記第2留分からクロロメタンの濃度が低下したヘキサフルオロプロペンを得る工程を含む、ヘキサフルオロプロペンの製造方法を提供する。
本発明によれば、クロロメタン(R40)およびヘキサフルオロプロペン(HFP)を含む混合物から、R40およびHFPを効率よく分離することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[共沸組成物]
本発明のR40とHFPからなる共沸組成物は、R40の含有割合が46モル%であり、HFPの含有割合が54モル%の組成物であって、圧力1.011×10Paにおける沸点が34℃である。共沸組成物は、該組成物を繰り返し蒸発、凝縮させた場合、組成に変化がなく、極めて安定した組成を維持でき、長期保存や移送の場合に有利である。なお、共沸組成物は、以下の式で示される比揮発度が1.00である。
(比揮発度を求める式)
比揮発度=(気相部におけるHFPのモル%/気相部におけるR40のモル%)/(液相部におけるHFPのモル%/液相部におけるR40のモル%)
[共沸様組成物]
本発明のR40とHFPからなる共沸様組成物は、R40の含有割合が22〜60モル%であり、HFPの含有割合が78〜40モル%の組成物である。蒸発、凝縮を繰り返した場合の組成の変動が小さい。なお、本明細書において、共沸様組成物とは、上記式で求められる比揮発度が1.00±0.30の範囲にある組成物をいう。また、本発明のR40とHFPからなる共沸様組成物は、圧力が1.011×10Paにおける沸点が34〜36℃である。
本発明の共沸様組成物は、上記本発明の共沸組成物とほぼ同等に取り扱え、共沸組成物と同等の安定した組成を維持でき、長期保存や移送の場合に有利である。なお、以下の説明において共沸様組成物は、共沸組成物を含むものとして記載する。
[混合組成物]
本発明の第1の実施形態の混合組成物は、R40とHFPを含む混合組成物であって、R40とHFPの合計量が前記混合組成物中90モル%以上であり、R40とHFPとの含有割合がモル比でR40/HFP=46/54である。
本発明の第2の実施形態の混合組成物は、R40とHFPを含む混合組成物であって、R40とHFPの合計量が前記混合組成物中90モル%以上であり、R40とHFPとの含有割合がモル比でR40/HFP=22/78〜60/40である。
本発明の混合組成物は、R40およびHFP以外のその他の成分を10モル%未満含んでいてもよい。上記その他の成分としては、ハイドロクロロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、クロロフルオロカーボン類、フルオロカーボン類が挙げられる。具体的には、R22、TFE、RC318、CTFE、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド(HFPO)、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエタン、トリフルオロプロペン、ジフルオロエタン、ヘプタフルオロプロペン、クロロジフルオロエチレン、クロロエチレン、クロロテトラフルオロエタン、クロロフルオロメタン、およびジフルオロメタンが挙げられる。上記その他の成分は5モル%以下が好ましく、3モル%以下がより好ましい。
本発明の共沸または共沸様組成物および混合組成物においては、R40およびHFPを上記組成範囲で含有するこれらの組成物が得られれば、その由来は特に制限されない。本発明の共沸または共沸様組成物および混合組成物は、例えば、R40と、熱分解してFC:を発生しうる含フッ素化合物、具体的には、R22、TFE、HFP、RC318、CTFE、トリフルオロエチレン、HFPO等、との熱分解を伴うHFO−1234yfの合成反応により得られる反応混合物から、蒸留により分取されたR40およびHFPからなる留分やR40およびHFPを主成分とする留分等を用いて以下の方法により製造することができる。
また、本発明の共沸または共沸様組成物および混合組成物は、このようなR40と、R22等の熱分解してFC:を発生しうる含フッ素化合物との、熱分解を伴うHFO−1234yfの合成反応における、原料成分として使用可能である。
すなわち、本発明の共沸または共沸様組成物および混合組成物は、R40と、R22等の熱分解してFC:を発生しうる含フッ素化合物との、熱分解を伴うHFO−1234yfの合成反応の反応混合物から、目的物質のHFO−1234yfを蒸留等で精製する際に分取される留分から得られ、これを同合成反応にリサイクルして使用することが可能であり、このような使用により同合成反応における目的物質のHFO−1234yfの生産効率を上げることが可能となる。
[R40およびHFPの共沸様組成物とR40またはHFPの製造方法]
本発明は、主としてR40とHFPからなる初期混合物を蒸留する工程を利用して、該初期混合物中のR40とHFPの合計量中のR40およびHFPの含有割合に応じて、高度に精製されたR40、または、高度に精製されたHFPを、それぞれ製造する方法を提供する。なお、これらの製造方法においては、いずれも同時にR40およびHFPの共沸様組成物が得られる。
本発明の製造方法において、上記初期混合物中の、R40とHFPの含有割合は、R40とHFPが共沸組成物となる上記含有割合を除けばいかなる含有割合であってもよい。また、上記初期混合物としては、初期混合物中のR40とHFPの合計含有量が90質量%以上、さらには95質量%以上であるものが好ましい。
ここで、初期混合物における、R40とHFPの合計量中のR40の含有割合がモル比で46%を超える場合には、該初期混合物から、高度に精製されたR40を製造できる。以下、この製造方法を、本発明の第1の実施形態の製造方法という。第1の実施形態の製造方法において、初期混合物における、R40とHFPの合計量中のR40の含有割合はモル比で46%を超え100%未満であれば特に制限されない。
また、初期混合物における、R40とHFPの合計量中のHFPの含有割合がモル比で54%を超える場合には、該初期混合物から、高度に精製されたHFPを製造できる。以下、この製造方法を、本発明の第2の実施形態の製造方法という。第2の実施形態の製造方法において、初期混合物における、R40とHFPの合計量中のHFPの含有割合はモル比で54%を超え100%未満であれば特に制限されない。
本発明の第1の実施形態の製造方法および第2の実施形態の製造方法における初期混合物としては、それぞれ上記条件を満たす初期混合物であれば特に制限されないが、例えば、R40と、熱分解してFC:を発生しうる含フッ素化合物、具体的には、R22、TFE、HFP、RC318、CTFE、トリフルオロエチレン、HFPO等、との熱分解を伴うHFO−1234yfの合成反応により得られる反応混合物から、蒸留により分取されたR40およびHFPからなる留分やR40およびHFPを主成分とする留分等が挙げられる。
なお、上記HFO−1234yfの合成反応により得られる上記留分を、本発明の製造方法において、蒸留工程に供する初期混合物として用いる場合には、必ずしもR40およびHFP以外の成分が完全に除去されている必要はない。すなわち、該留分(初期混合物)は、R40およびHFP以外のその他の化合物を本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよく、具体的には、R22、TFE、RC318、CTFE、トリフルオロエチレン、HFPO、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエタン、トリフルオロプロペン、ジフルオロエタン、ヘプタフルオロプロペン、クロロジフルオロエチレン、クロロエチレン、クロロテトラフルオロエタン、クロロフルオロメタン、ジフルオロメタン等を含有していてもよい。上記その他の化合物の含有量は、初期混合物中10モル%未満が好ましい。
本発明の第1の実施形態の製造方法は、主としてR40とHFPからなる初期混合物であって、R40とHFPの合計量中のR40の含有割合がモル比で46%を超える初期混合物を蒸留して、R40とHFPの合計量中のR40の含有割合が、前記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のR40の含有割合より低い第1留分と、R40とHFPの合計量中のR40の含有割合が、前記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のR40の含有割合より高い第2留分に分離し、前記第2留分からHFP濃度が低下したR40を得る工程を含む。
第1の実施形態における蒸留の条件としては、R40とHFPの合計量中のR40の含有割合が、上記記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のR40の含有割合より低い第1留分と、R40とHFPの合計量中のR40の含有割合が、上記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のR40の含有割合より高い第2留分に分離できる条件であれば特に制限されない。用いる蒸留塔としては、中空の蒸留塔でもよく、多段式の蒸留塔であってもよい。蒸留はバッチ式で行われても、連続式で行われてもよい。蒸留の圧力条件は、大気圧〜5MPaとすることが好ましい。温度条件としては、塔頂温度として−30〜70℃が好ましい。
第1の実施形態の製造方法における蒸留を、多段式の蒸留塔を用いて行う場合、通常、上記初期混合物は蒸留塔の中段から供給され、R40とHFPの合計量中のR40の含有割合が、上記記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のR40の含有割合より低い第1留分が蒸留塔の塔頂からの留出液として得られる。また、R40とHFPの合計量中のR40の含有割合が、上記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のR40の含有割合より高い第2留分が塔底からの缶出液として得られる。
これは、上記の通り、圧力1.011×10PaにおけるR40とHFPの共沸様組成物の沸点が34〜36℃であり、またR40の沸点は46℃であることによる。塔頂から留出液として得られる、R40とHFPの合計量中のR40の含有割合が、上記記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のR40の含有割合より低い第1留分は、通常、R40とHFPの共沸様組成物を含む混合組成物として得られる。このような第1留分に対して、必要に応じてさらに蒸留を繰り返し行うことで、最終的にR40とHFPの共沸組成物を得ることも可能である。
また、この場合、塔底から缶出液として得られるR40とHFPの合計量中のR40の含有割合が、上記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のR40の含有割合より高い第2留分は、必要に応じてさらに蒸留を繰り返すことで、よりHFP濃度が低い高純度のR40とすることができる。
このようにして本発明の第1の実施形態の製造方法により得られる、高純度のR40は、例えば、上記R40と、R22等の熱分解してFC:を発生しうる含フッ素化合物との、熱分解を伴うHFO−1234yfの合成反応の原料R40として使用できる。
本発明の第2の実施形態の製造方法は、主としてR40とHFPからなる初期混合物であって、R40とHFPの合計量中のHFPの含有割合がモル比で54%を超える初期混合物を蒸留して、R40とHFPの合計量中のHFPの含有割合が、前記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のHFPの含有割合より低い第1留分と、R40とHFPの合計量中のHFPの含有割合が、前記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のHFPの含有割合より高い第2留分に分離し、前記第2留分からR40の濃度が低下したHFPを得る工程を含む。
第2の実施形態における蒸留の条件としては、R40とHFPの合計量中のHFPの含有割合が、上記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のHFPの含有割合より低い第1留分と、R40とHFPの合計量中のHFPの含有割合が、上記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のHFPの含有割合より高い第2留分に分離できる条件であれば特に制限されない。用いる蒸留塔としては、中空の蒸留塔でもよく、多段式の蒸留塔であってもよい。蒸留はバッチ式で行われても、連続式で行われてもよい。蒸留の圧力条件は、大気圧〜5MPaとすることが好ましい。温度条件としては、塔頂温度として−30〜70℃が好ましい。
第2の実施形態の製造方法における蒸留を、多段式の蒸留塔を用いて行う場合、通常、上記出発材料は蒸留塔の中段から供給され、R40とHFPの合計量中のHFPの含有割合が、上記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のHFPの含有割合より低い第1留分が蒸留塔の塔頂からの留出液として得られる。また、R40とHFPの合計量中のHFPの含有割合が、上記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のHFPの含有割合より高い第2留分が塔底からの缶出液として得られる。
これは、上記の通り、圧力1.011×10PaにおけるR40とHFPの共沸様組成物の沸点が34〜36℃であり、またHFPの沸点は44℃であることによる。塔頂から留出液として得られる、R40とHFPの合計量中のHFPの含有割合が、上記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のHFPの含有割合より低い第1留分は、通常、R40とHFPの共沸様組成物を含む混合組成物として得られる。このような第1留分に対して、必要に応じてさらに蒸留を繰り返し行うことで、最終的にR40とHFPの共沸組成物を得ることも可能である。
また、この場合、塔底から缶出液として得られるR40とHFPの合計量中のHFPの含有割合が、上記初期混合物におけるR40とHFPの合計量中のHFPの含有割合より高い第2留分は、必要に応じてさらに蒸留を繰り返すことで、よりR40濃度が低い高純度のHFPとすることができる。
このようにして本発明の第2の実施形態の製造方法により得られる、高純度のHFPは、例えば、上記R40と、R22等の熱分解してFC:を発生しうる含フッ素化合物との、熱分解を伴うHFO−1234yfの合成反応における、原料成分(熱分解してFC:を発生しうる含フッ素化合物)として使用できる。高純度のHFPは、さらに、FEP(TFE−HFP共重合体)、VdF−HFP共重合体等のフッ素樹脂原料としても有用である。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<気液平衡の測定>
R40とHFPを表1に示す質量比で混合して得られる混合物1〜7を、500mLの圧力計付きオートクレーブに入れ、圧力が1.011×10Paとなるように徐々に外部ヒータによって加熱した。オートクレーブ内の圧力が所定の1.011×10Paとなった後、一定時間保持してオートクレーブ内の組成を安定化させた。気相および液相から混合物1〜7のサンプルを採取し、ガスクロマトグラフィーでR40とHFPを分析し、両者の組成比を測定した。両者の組成比から上に説明した比揮発度を求める式により比揮発度を求めた。
表1に混合物1〜7の気相部、液相部の組成および比揮発度をそれぞれ示した。混合物1〜7のようにオートクレーブに仕込む混合物中のHFPの比率を少しずつ増加させたところ、表1に示すように比揮発度の値が徐々に減少した。混合物4の場合、気相および液相の組成は、R40が46モル%、HFPが54モル%で一致した。このときの気相温度は34℃であり、比揮発度の値が1.00となった。HFPの比率をさらに増加させると比揮発度は1.00以下の値へと減少した。
表1には示されていないが、比揮発度が1.00±0.30となる範囲のR40とHFPの組成を、上記同様にしてR40とHFPの組成を漸次変化させながら気相と液相における両者のモル%を測定することで求めた。結果は、圧力が1.011×10Paの場合に、R40とHFPの含有割合が、R40/HFPで示されるモル比で22/78〜60/40の組成物において、比揮発度が1.00±0.30であった。
Figure 2013230998
[実施例1]
初期混合物として、R40とHFPからなる混合物であり、該混合物全量中R40を
75モル%、HFPを25モル%含む初期混合物Aを準備する。この初期混合物Aを300g/hrの速度で高さ2m、内径4.5cm蒸留塔に供給し、運転圧力0.5MPa、塔頂温度10℃で連続的に蒸留を行う。塔頂より193g/hrの速度で留出液を抜き出し、塔底より107g/hrの速度で缶出液を抜き出す。抜き出した留出液、缶出液のそれぞれについてガスクロマトグラフィーで組成を分析する。留出液および缶出液の組成の分析結果を下記表2にモル%で示す。
表2に示すように、初期混合物として、R40とHFPの合計量中のR40の含有割合がモル比で46%を超える混合物を用いて蒸留を行えば、塔頂からは、該初期混合物よりHFP濃度が高くR40濃度が低い、R40とHFPの共沸様組成物が得られ、塔底からは該初期混合物よりHFP濃度が低く、純度の高いR40が得られることがわかる。
[実施例2]
初期混合物として、R40とHFPからなる混合物であり、該混合物全量中R40を
25モル%、HFPを75モル%含む初期混合物Bを準備する。この初期混合物Bを300g/hrの速度で高さ2m、内径4.5cmの精留塔に供給し、運転圧力0.5MPa、塔頂温度19℃で連続的に蒸留を行う。塔頂より139g/hrの速度で留出液を抜き出し、塔底より161g/hrの速度で缶出液を抜き出す。抜き出した留出液、缶出液のそれぞれについてガスクロマトグラフィーで組成を分析する。留出液および缶出液の組成の分析結果を下記表2にモル%で示す。
表2に示すように、初期混合物として、R40とHFPの合計量中のHFPの含有割合がモル比で54%を超える混合物を用いて蒸留を行えば、塔頂からは、該混合物よりR40濃度が高くHFP濃度が低い、R40とHFPの共沸様組成物が得られ、塔底からはR40濃度が低く、純度の高いHFPが得られることがわかる。
Figure 2013230998

Claims (6)

  1. クロロメタンを46モル%、ヘキサフルオロプロペンを54モル%含有する共沸組成物。
  2. クロロメタンを22〜60モル%、ヘキサフルオロプロペンを78〜40モル%含有する共沸様組成物。
  3. クロロメタンとヘキサフルオロプロペンを含む混合組成物であって、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量が前記混合組成物中90モル%以上であり、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンとの含有割合がモル比でクロロメタン/ヘキサフルオロプロペン=46/54である混合組成物。
  4. クロロメタンとヘキサフルオロプロペンを含む混合組成物であって、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量が前記混合組成物中90モル%以上であり、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンとの含有割合がモル比でクロロメタン/ヘキサフルオロプロペン=22/78〜60/40である混合組成物。
  5. 主としてクロロメタンとヘキサフルオロプロペンからなる初期混合物であって、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のクロロメタンの含有割合がモル比で46%を超える初期混合物を蒸留して、
    クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のクロロメタンの含有割合が、前記初期混合物におけるクロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のクロロメタンの含有割合より低い第1留分と、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のクロロメタンの含有割合が、前記初期混合物におけるクロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のクロロメタンの含有割合より高い第2留分に分離し、前記第2留分からヘキサフルオロプロペン濃度が低下したクロロメタンを得る工程を含む、クロロメタンの製造方法。
  6. 主としてクロロメタンとヘキサフルオロプロペンからなる初期混合物であって、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のヘキサフルオロプロペンの含有割合がモル比で54%を超える初期混合物を蒸留して、
    クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のヘキサフルオロプロペンの含有割合が、前記初期混合物におけるクロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のヘキサフルオロプロペンの含有割合より低い第1留分と、クロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のヘキサフルオロプロペンの含有割合が、前記初期混合物におけるクロロメタンとヘキサフルオロプロペンの合計量中のヘキサフルオロプロペンの含有割合より高い第2留分に分離し、前記第2留分からクロロメタンの濃度が低下したヘキサフルオロプロペンを得る工程を含む、ヘキサフルオロプロペンの製造方法。
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