JP2013230950A - 発射薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】メタルジェット衝撃のような過大衝撃に対して安全性を示し、且つ、圧力指数の低い発射薬組成物の提供。
【解決手段】(a)ニトロセルロース、(b)硝酸エステル基、ニトロ基、ニトラミン基、及び/又はアジド基を有する活性可塑剤、(c)ニトログアニジン、及び(d)環状ニトラミン化合物を含有する発射薬組成物であって、該発射薬組成物全体に対する(a)成分の含有量が20〜55質量%であり、(b)成分の含有量が15〜30質量%であり、(c)成分と(d)成分の合計含有量が20〜60質量%であり、かつ、(c)成分の含有量/(d)成分の含有量が1.0以上であることを特徴とする前記発射薬組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、榴弾砲や野戦砲用の発射薬組成物に関する。
近年、環境或いは人に対する観点から、発射薬等の取扱い時の安全性及び不慮の事故の時の周囲に対する安全性が注目されるようになってきており、燃焼性能は従来並(トリプルベース)であるが発射薬の感度を大幅に低下させた発射薬組成が求められている。外部からの脅威を想定した時の各種衝撃に対する感度については、銃弾に対する感度や成型炸薬ジェットに対する感度(メタルジェット衝撃感度)が想定されている。成型炸薬ジェット試験は、弾薬に小型爆弾のメタルジェットが命中した時の反応の程度を決定する試験である。成型炸薬が衝突する衝撃力は、銃弾が衝突する衝撃に比べ、はるかに大きいため、発射薬が爆轟反応(衝撃波を伴う激しい反応)を示すことが懸念されている。
高エネルギー化を図るため、環状ニトラミン化合物を含有させた発射薬が研究されている。環状ニトラミン化合物は、一般的に発射薬エネルギーが高く、熱的安定性に優れるといった利点を有する。しかしながら、環状ニトラミン化合物を含有した発射薬の燃焼特性については、圧力指数が高くなることが知られている。
ここでいう圧力指数とは、下記式:
r=aP
{式中、rは、燃焼速度であり、aは、係数であり、Pは、圧力であり、そしてnは、圧力指数である。}中のnの値である。
発射薬に求められる圧力指数は、一般に1.0以下が好ましいとされている。長射程用の発射薬のように高密度装填化されたものについては、更に低い圧力指数が求められる。以下の特許文献1にも同様の記載がある。圧力指数が1.0より高い発射薬を使用すると、射撃する場合に、砲内圧力が非常に高くなり、砲の許容圧力範囲内で所望の弾丸初速を達成する設計が不可能になり、実用化は非常に困難である。
環状ニトラミン化合物を用いた発射薬として、従来、不活性なバインダーや可塑剤によって、安全性を高めた発射薬が知られている。例えば、以下の特許文献2には、不活性物質を使用した発射薬組成物が開示され、かかる発射薬組成物は、発射薬エネルギーが大きく、低い火炎温度を持つことを特徴としている。しかしながら、この組成物には、着火性(火付き)を悪くする要因である不活性物質が使用されており、更に、トリプルベース並みの発射薬エネルギーを得るために、圧力指数を上げる要因である高エネルギー物質の環状ニトラミン化合物が多く配合されている。
以下の特許文献3には、ニトロセルロースを20〜35質量%、可塑剤を16〜30質量%、環状ニトラミン化合物を46〜64質量%、ニトログニジンを0〜18質量%、そして固形添加剤を0〜18質量%含有しているニトラミン系発射薬が開示され、かかる発射薬は衝撃に対する安全性が高いことを特徴としている。しかしながら、高感度の環状ニトラミン化合物を多く配合しているため、衝撃力が小さな銃弾の被弾に対しては安全性を示すものの、ジェット衝撃のような過大衝撃に対して激しい反応に至る可能性がある。また、ニトログアニジン/環状ニトラミン化合物の値が0〜0.4であり、圧力指数を上げる要因である環状ニトラミン化合物が多く配合されている。
以下の特許文献4には、シクロトリメチレントリニトラミン(RDX)、ニトロセルロース、ニトログアニジン、及びエネルギー可塑剤からなるニトラミン系発射薬が開示され、かかる発射薬は、燃焼温度が低く、取り扱い安全性が高い発射薬組成物であることを特徴としている。しかしながら、ニトログアニジン+RDXの配合量が32.5〜66.5質量%であり、かつ、ニトログアニジン/RDXの値が1.0未満であり、RDXを多く配合している。
また、特許文献4には、落槌衝撃に対する感度は提示されているが、ジェット衝撃に対する感度を低減させるための組成配合方法については記載されていない。
特開昭58−223683号公報 特開2000−272989号公報 特開2008−110892号公報 特開2010−202449号公報
本発明が解決しようとしている課題は、メタルジェット衝撃のような過大衝撃に対しても安全性を示し、且つ、圧力指数の低い発射薬組成物を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、以下の構成によって前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1](a)ニトロセルロース、(b)硝酸エステル基、ニトロ基、ニトラミン基、及び/又はアジド基を有する活性可塑剤、(c)ニトログアニジン、及び(d)環状ニトラミン化合物を含有する発射薬組成物であって、該発射薬組成物全体に対する(a)成分の含有量が20〜55質量%であり、(b)成分の含有量が15〜30質量%であり、(c)成分と(d)成分の合計含有量が20〜60質量%であり、かつ、(c)成分の含有量/(d)成分の含有量が1.0以上であることを特徴とする前記発射薬組成物。
[2]前記成分(a)の含有量が20〜30質量%である、前記[1]に記載の発射薬組成物。
[3]前記成分(a)であるニトロセルロース中の窒素量は11.0〜13.5質量%である、前記[1]又は[2]に記載の発射薬組成物。
[4]前記成分(b)が、ジエチレングリコールジナイトレート(DEGDN)、トリエチレングリコールジナイトレート(TEGDN)、トリメチロールエタントリナイトレート(TMETN)、及びビス−2、2−ジニトロプロピルホルマール混合物(BDNPA/F)のいずれか又は2種類以上である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の発射薬組成物。
[5]前記成分(d)が、シクロトリメチレントリニトラミン(RDX)、及び/又はシクロテトラメチレンテトラニトラミン(HMX)である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の発射薬組成物。
[6]前記成分(d)の重量平均粒子径が9μm以下である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の発射薬組成物。
[7]前記(c)成分と(d)成分の合計含有量が40〜60質量%である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の発射薬組成物。
[8]前記(c)成分の含有量/(d)成分の含有量が1.3〜3.0である、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の発射薬組成物。
本発明に係る発射薬組成物は、異常に圧力を上げる要因となる圧力指数が改善されており、かつ、メタルジェット衝撃のような過大衝撃に対しても爆轟しない。
NGu/RDX値と圧力指数の関係を示すグラフである。 成型炸薬ジェット試験方法を示す概略図である。 成型炸薬の概略図である。 NGu/RDX値とメタルジェットに対する衝撃感度の関係を示すグラフである。
以下、本発明を、その好ましい態様に基いて、詳細に説明する。
本発明は、(a)ニトロセルロース、(b)硝酸エステル基、ニトロ基、ニトラミン基、及び/又はアジド基を有する活性可塑剤、(c)ニトログアニジン、及び(d)環状ニトラミン化合物を含有する発射薬組成物であって、該発射薬組成物全体に対する(a)成分の含有量が20〜55質量%であり、(b)成分の含有量が15〜30質量%であり、(c)成分と(d)成分の合計含有量が20〜60質量%であり、かつ、(c)成分の含有量/(d)成分の含有量が1.0以上であることを特徴とする前記発射薬組成物である。これらの成分の配合割合は、異常な圧力上昇の要因となる圧力指数の改善とメタルジェット衝撃のような過大衝撃に対する安全化を目的として設定し、規定されたものである。
(a)成分であるニトロセルロース中の窒素量は、原材料を捏和し、発射薬形状を成型できるものであれば特に制限はない。発射薬としてのエネルギー、及び製造時に使用する溶剤に対する溶解性を確保する観点から、ニトロセルロース中の窒素量は、11.0〜13.5質量%が好ましく、12.0〜13.2質量%がより好ましい。また、発射薬組成物全体に対する(a)成分であるニトロセルロースの含有量(配合量)は、機械強度の観点から、20質量%以上で、火薬のエネルギーを十分確保する観点から、55重量%以下である。また、(a)成分の含有量が35質量%以下であることは、発射薬の物性が軟らかくなり、衝撃に対する感度が低くなるため、特に好ましい。
(b)成分である活性可塑剤としては、ブタントリオールトリナイトレート(BTTN)、トリメチロールエタントリナイトレート(TMETN)、トリメチロールプロパントリナイトレート(TMPTN)、ジエチレングリコールジナイトレート(DEGDN)、トリエチレングリコールジナイトレート(TEGDN)、ブタンジオールジナイトレート(BDDN)、メチルニトラトエチルニトラミン、エチルニトラトエチルニトラミンやブチルニトラトエチルニトラミンなどのニトラトエチルニトラミン類、ビスー2,2−ジニトロプロピルアセタールとビス−2,2−ジニトロプロピルホルマールの混合物(BDNPA/F)のいずれか又は2種類以上を用いることができる。より威力が高く、かつ安全性の高い発射薬とするためには、(b)成分として、ジエチレングリコールジナイトレート(DEGDN)、トリエチレングリコールジナイトレート(TEGDN)、トリメチロールエタントリナイトレート(TMETN)、及びビス−2、2−ジニトロプロピルホルマール混合物(BDNPA/F)から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。(b)成分として、トリエチレングリコールジナイトレート(TEGDN)又はこれを含む2種類以上の活性可塑剤を選ぶことが特に好ましい。
(b)成分である活性可塑剤の含有量(配合量)は発射薬の機械的物性が向上し、さらに、製造性が非常に優れる観点から、15〜30質量%であり、好ましくは20〜25質量%である。
(c)成分は、ニトログアニジンである。
(d)成分である環状ニトラミン化合物としては、シクロトリメチレントリニトラミン(RDX)、シクロテトラメチレンテトラニトラミン(HMX)のいずれか又は両者の混合物を用いることができる。(d)成分である環状ニトラミン化合物は、特開2006−151791号公報に記載されたものであることができる。高圧下での圧力指数の変動を小さくするため、発射薬中のニトラミン化合物の粒径分布は、環状ニトラミン化合物全体の99体積%が33ミクロン(μm)以下であり、平均粒径が9ミクロン(μm)以下であることが好ましい。より好ましくは、環状ニトラミン化合物全体の99体積%が32ミクロン(μm)以下であり、平均粒径が9ミクロン(μm)以下である。また、粒径4ミクロン(μm)以下の粒径の細かい粒子が多いほど、圧力指数の変動が低く抑えられる。このため、粒径4ミクロン(μm)以下のものを全体の16体積%以上含むことが好ましく、粒径3ミクロン(μm)以下のものを16体積%以上含むことがより好ましい。ここでいう平均粒径とは、は、粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50体積%となる点の粒子径(累積中位径)である。
環状ニトラミン化合物を粉状にする方法としては、例えば、特許第2802388号公報、特開2002−179490号公報、特開2002−179491号公報、国際公開WO99/18050、米国特許第4770728号明細書、特開昭61−37239号公報に記載の方法が挙げられる。環状ニトラミン化合物粒子同士の凝集を防止し、粒径分布を小さくするために、粉の表面は、ニトラミン被覆率を2以上にすることが好ましく、より好ましくは3以上にすることである。ここでいうニトラミン被覆率とは、(RDX以外の発射薬原料由来の炭素濃度)/(RDXの炭素濃度)によって求められる値のことであり、特開2002−179490号公報に記載の方法により求めることができる。
前記したように、環状ニトラミン化合物の粒径分布は体積基準の粒度分布である。発射薬原材料を捏和又は混和する前の環状ニトラミン化合物の粒度分布は、例えば、環状ニトラミン化合物を水に分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置にて測定して求めることができる。
発射薬原材料を捏和又は混和する前の粉又は発射薬中の環状ニトラミン化合物の粒径は、環状ニトラミン化合物を溶解させないが、環状ニトラミン化合物以外の発射薬原料を、環状ニトラミン化合物の粒度分布測定に影響しない程度である少なくとも97質量%以上、溶解させる溶媒を用いて除去した後、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定する。前記粒径分布測定に用いる溶媒としては、環状ニトラミン化合物を溶解させないが、環状ニトラミン化合物以外の発射薬原料を溶解させ、これらを除去できる溶媒であれば、どのような溶媒でも構わない。
前記粒径分布測定に用いる溶媒としては、例えば、アセトン、酢酸エチル、及びテトラヒドロフランの内の1種以上の溶媒とエタノール又はメタノールとの混合溶媒をが挙げられる。粉又は発射薬中の環状ニトラミン化合物ができるだけ溶解しないように予め環状ニトラミン化合物を溶解させた飽和溶液を、かかる溶媒として用いる方法は好ましい方法である。この溶媒に、環状ニトラミン化合物以外の発射薬原料を、環状ニトラミン化合物の粒度分布測定に影響しない程度である少なくとも97重量%以上、溶解させた後、これをろ過し、ろ過残渣である固形物を水又は水とメタノールの混合液中に分散させ、これをレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。粒径分布測定に用いる溶媒の種類、量を選ぶために、ろ過した固形分、及び/又はろ液をHPLC分析又はGPC分析し、環状ニトラミン化合物以外の発射薬原料が首尾よく除去できたかどうかを確認することが好ましい。
固形エネルギー物質である(c)成分であるニトログアニジンと(d)成分である環状ニトラミン化合物の含有量(配合量)及び配合比率(含有割合)に関して、(c)成分と(d)成分の合計含有量は、発射薬組成物全体に対して20〜60質量%であり、かつ、(c)成分の含有量/(d)成分の含有量は、1.0以上である。かかる含有量と配合比率を満たせば、圧力指数を1.0以下に抑え、かつ、メタルジェット衝撃を与えても爆轟に至る虞がない発射薬組成物となる。(a)成分であるニトロセルロースの含有量(配合割合)との兼ね合いで、(c)成分と(d)成分の合計含有量が40〜60質量%であることが特に好ましい。
前記した(c)成分の含有量/(d)成分の含有量の値は、圧力指数を抑制し、メタルジェットに対する発射薬の衝撃感度を良好にするうえで、非常に重要な要件である。(c)/(d)の値が1.0以下であると、圧力指数を上げる環状ニトラミン化合物の割合が高くなり、発射薬全体の圧力指数が高くなる。また、高感度の環状ニトラミン化合物を多く配合するため、約8000m/sで衝突するメタルジェットの衝撃力に対して、爆轟を伴う反応を起こし易くなる。他方、低感度活性可塑剤を配合した組成物において、(c)/(d)の値が、1.0以上であれば、圧力指数は1.0以下に抑えられ、かつ、メタルジェット衝撃を与えても爆轟しない発射薬組成物が得られる。(c)/(d)の値は、野戦砲やりゅう弾砲用発射薬として充分な火薬力を確保するため、1.3〜3.0であることが特に好ましい。
本発明の発射薬組成物は、(a)成分〜(d)成分の他、安定剤、消炎剤等、既知の添加剤をさらに含有することができる。安定剤としては、例えば、エチルセントラリット、ジフェニルアミン、及び2−ニトロジフェニルアミンのいずれか単独又は2種以上の混合物が挙げられる。
また、消炎剤としては、硫酸カリウム、硝酸カリウム、又は氷晶石のようなアルカリ金属塩等が挙げられる。
本発明の発射薬(組成物)の製造は、溶剤成型法により、捏和機(各成分(素材)を混合し、捏ねることで、圧伸成型前の捏和薬を作製する)に、ニトロセルロース、ニトログアニジン、環状ニトラミン、活性可塑剤、及び添加剤を所定量投入し、アセトン、アルコール、酢酸エチル、ジエチルエーテル等の溶剤を、ニトロセルロースが溶解する程度の量で投入する。
捏和時間は、約3〜5時間程度必要であり、捏和後の捏和薬を圧伸機に投入する。
圧伸機に投入し捏和薬を、3〜10MPaの範囲の圧力で圧伸し、得られた圧伸薬を所望の形状に裁断し、風せい後、乾燥して発射薬組成物を得る。
発射薬の形状は、性能面から求められるあらゆる形状であることができる。例えば、柱状発射薬、単孔発射薬、7孔管状発射薬、6角7孔発射薬、19孔管状発射薬、6角19孔発射薬、37孔管状発射薬、6角37孔発射薬、ロゼッタ7孔発射薬、ロゼッタ19孔発射薬、ロゼッタ37孔発射薬、棒状火薬、スリットを入れた火薬等が挙げられる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
以下の実施例では以下の略号を用いる。
RDX:シクロトリメチレントリニトラミン
NGu:ニトログアニジン
TEGDN:トリエチレングリコールジナイトレート
DBP:ジブチルフタレート
ECL:エチレセントラリット
実施例1〜4、及び比較例1〜4では、窒素量12.6質量%のニトロセルロースを使用しており、実施例5では、窒素量13.0質量%のニトロセルロースを使用した。
[圧力指数]
材料及び配合比を変えて発射薬のサンプルを作製し、圧力指数の測定を測定した。各サンプルにおける材料の配合比及び圧力指数の測定結果を、以下の表1に示す。
[発射薬の製造]
発射薬は、各成分(素材)の種類、配合比を変えており、すべて溶剤圧伸法により作製した。発射薬形状は、正確な圧力指数のデータを取得するため、複雑な形状ではなく、同一web寸法の単孔管状の発射薬に統一した。
[密閉ボンブ試験]
成型後の発射薬について、2.49×10−4の密閉ボンブ試験器を使用して圧力指数を求めた。密閉ボンブ試験器の中に、2×10g/mに調整した薬量の発射薬を中央に配置し、着火剤として、点火玉と点火薬(黒色1.3g)を使用した。発生する最大圧力は、200〜250MPaであり、圧力指数を算出するときの圧力領域として50〜200MPa間で実施した。
実施例1〜5、及び比較例1と2は、使用材料を統一した条件において、その配合比率を変えたものである。NGu/RDXの比率が小さくなるほど圧力指数は大きくなった。
比較例3と4は、不活性物質を配合したものである。不活性可塑剤を配合することによって、発射薬のエネルギーが低下した。発射薬のエネルギーを合わせるためには、高エネルギー物質であるRDXを多く配合してエネルギーを補填する必要があった。そのため、比較例3と4における不活性物質を配合した組成では、NGu/RDX値は小さくなり、圧力指数が上昇した。NGu/RDX値と圧力指数の関係を図1に示す。
Figure 2013230950
[メタルジェット衝撃感度]
メタルジェットに対する衝撃感度を調査するため、以下の手順で材料及び配合比を変えた発射薬のサンプルを作製し、STANAG4256に記載されている安全性評価試験である「成型炸薬ジェット(SCJ)試験」を実施した。図2に、成型炸薬ジェット試験の試験配置図を示す。成型炸薬を架台上に設置し、成型炸薬の直線上に当該火薬をいれた装薬缶を設置し、適正な侵徹長となるスタンドオフ(成型炸薬から装薬缶までの距離)を設定した。
各サンプルにおける材料の配合比及びメタルジェット衝撃感度の測定結果を、以下の表2に示す。
[発射薬の製造]
以下の表2に示す実施例6〜10、及び比較例5と6の発射薬では、各成分(素材)の種類、配合比を変えており、すべて溶剤圧伸法により作製した。実施例6〜9、及び比較例5と6では、窒素量12.6質量%のニトロセルロースを使用しており、実施例10では、窒素量13.0質量%のニトロセルロースを使用している。発射薬形状は、すべて6角19孔管状であった。
[炸薬の仕様]
試験用成型炸薬として、密度1.60〜1.65のHMX系PBX炸薬を使用した。図3に成型炸薬の概略図を示す。成型炸薬用の容器とライナーとして、内径φ34、高さ74mmのポリメタクリル酸メチル樹脂の容器と、内径φ32、ライナー角42°の円錐形銅ライナーを使用した。性能確認として、爆轟速度とメタルジェットの侵徹長(鋼板にメタルジェットを貫通させ、入射した距離を測定する)を計測し、STANAGで規定された基準を満足する成型炸薬であることを確認した(爆轟速度は7500〜8500m/sであった)。
反応レベルの形態は、STANAGにおいて6種類に分類されており、反応が烈しい順に、「爆轟」、「部分爆轟」、「爆発」、「爆燃」、「燃焼」、「反応なし」となっている。爆轟、及び部分爆轟は、反応速度が音速を超えるほどの反応形態であり、STANAG4256には、メタルジェット衝撃に対する火薬の反応は、爆轟や部分爆轟のような激しい反応を起こしてはいけないと明記されている。火薬の反応レベルは、高速度ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラによる視覚評価、金属管の金属破片数、破片重量、火薬の反前後の重量、爆風圧力、内部圧力による定量評価によって、評価・判定した。また、爆轟の有無は、金属管近傍に設置している証拠板(薄い鋼板)の爆痕、変形状況によっても判断した。
実施例6〜10、及び比較例5と6では、使用する材料の配合比率を変えた場合の発射薬に対し、メタルジェット衝撃を与えたときの火薬の反応レベルを確認した。結果を以下の表2に示す。NGu/RDX値が1.0以上では、爆轟することなく、爆発以下の反応レベルを示した。これに反し、NGu/RDX値が1.0未満では、高感度、高エネルギーのRDXを多量に配合していることから、メタルジェット衝撃において爆轟の反応レベルを示した。図4に、NGu/RDX値とメタルジェットに対する衝撃感度の関係を示す。
縦軸の数字は、SCJ試験における反応レベルを数字に置き換えたものである。爆轟を5.0、部分爆轟を4.0、爆発を3.0、爆燃を2.0、燃焼を1.0として置き換えた。
Figure 2013230950
本発明に係る発射薬組成物は、異常に圧力を上げる要因となる圧力指数が改善されており、かつ、メタルジェット衝撃のような過大衝撃に対しても爆轟しないため、取扱い時の安全性及び不慮の事故の時の周囲に対する安全性が高い発射薬として好適に利用可能である。

Claims (8)

  1. (a)ニトロセルロース、(b)硝酸エステル基、ニトロ基、ニトラミン基、及び/又はアジド基を有する活性可塑剤、(c)ニトログアニジン、及び(d)環状ニトラミン化合物を含有する発射薬組成物であって、該発射薬組成物全体に対する(a)成分の含有量が20〜55質量%であり、(b)成分の含有量が15〜30質量%であり、(c)成分と(d)成分の合計含有量が20〜60質量%であり、かつ、(c)成分の含有量/(d)成分の含有量が1.0以上であることを特徴とする前記発射薬組成物。
  2. 前記成分(a)の含有量が20〜30質量%である、請求項1に記載の発射薬組成物。
  3. 前記成分(a)であるニトロセルロース中の窒素量は11.0〜13.5質量%である、請求項1又は2に記載の発射薬組成物。
  4. 前記成分(b)が、ジエチレングリコールジナイトレート(DEGDN)、トリエチレングリコールジナイトレート(TEGDN)、トリメチロールエタントリナイトレート(TMETN)、及びビス−2、2−ジニトロプロピルホルマール混合物(BDNPA/F)のいずれか又は2種類以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発射薬組成物。
  5. 前記成分(d)が、シクロトリメチレントリニトラミン(RDX)、及び/又はシクロテトラメチレンテトラニトラミン(HMX)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発射薬組成物。
  6. 前記成分(d)の重量平均粒子径が9μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発射薬組成物。
  7. 前記(c)成分と(d)成分の合計含有量が40〜60質量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発射薬組成物。
  8. 前記(c)成分の含有量/(d)成分の含有量が1.3〜3.0である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発射薬組成物。
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