JP2013229466A - 太陽電池セル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともpn接合と電極を有するシリコン基板601を用いた太陽電池セルであって、電界励起発光(EL)法により暗部として観察されるセルの個体識別情報部604がシリコン基板601の基板面に形成されてなる。
【選択図】図6
Description
〔1〕 少なくともpn接合と電極を有するシリコン基板を用いた太陽電池セルであって、電界励起発光(EL)法により暗部として観察されるセルの個体識別情報部がシリコン基板面に形成されてなることを特徴とする太陽電池セル。
〔2〕 前記セルの個体識別情報部は、金属汚染箇所であることを特徴とする〔1〕に記載の太陽電池セル。
〔3〕 前記セルの個体識別情報部の数が1〜40であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の太陽電池セル。
〔4〕 前記セルの個体識別情報部のシリコン基板面における大きさが2〜20mmであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の太陽電池セル。
〔5〕 前記セルの個体識別情報部は、シリコン基板の前記pn接合形成面とは反対面側に形成されることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の太陽電池セル。
〔6〕 前記セルの個体識別情報部がバスバー電極直下のシリコン基板に形成されていることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の太陽電池セル。
〔7〕 前記セルの個体識別情報部の配置パターンは、当該太陽電池セルの個体識別情報を示すものであることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の太陽電池セル。
〔8〕 少なくともpn接合と電極を有するシリコン基板を用いた太陽電池セルの製造方法であって、特定の金属不純物をシリコン基板面の所定位置に付着させた状態で熱拡散処理を行い、前記金属不純物をシリコン基板に拡散させて、電界励起発光(EL)法により暗部として観察されるセルの個体識別情報部をシリコン基板面に形成することを特徴とする太陽電池セルの製造方法。
〔9〕 前記金属不純物は、Feであることを特徴とする〔8〕に記載の太陽電池セルの製造方法。
〔10〕 前記シリコン基板面への前記金属不純物の付着は、該金属不純物からなる部材をシリコン基板面の所定位置に接触させることにより行うことを特徴とする〔8〕又は〔9〕に記載の太陽電池セルの製造方法。
〔11〕 前記熱拡散処理は、前記pn接合となる拡散層を形成する熱処理、又は反射防止膜形成前の熱酸化処理と兼ねて行われることを特徴とする〔8〕〜〔10〕のいずれかに記載の太陽電池セルの製造方法。
図6は、本発明に係る太陽電池セルの構成例を示す断面図である。
本発明の太陽電池セルは、図6に示すように、第1導電型のシリコン基板601と、シリコン基板601の受光面側に設けられる第1導電型と反対の導電型(第2導電型)の高濃度選択拡散層であるエミッタ層603と、エミッタ層603上に設けられる反射防止膜605と、反射防止膜605上に設けられる受光面電極607と、シリコン基板601の非受光面(裏面)の所定位置にシリコン基板601内に特定の金属不純物が拡散した状態で設けられるセルの個体識別情報部604と、シリコン基板601の非受光面側に設けられる裏面電極606とを備える。
なお、セルの個体識別情報部604は、通常時には肉眼では見えないため、太陽電池セルの美観を損ねることがない。
高純度シリコンにホウ素あるいはガリウムのようなIII族元素をドープし、比抵抗0.1〜5Ω・cmとしたアズカット単結晶{100}p型シリコン基板601の表面のスライスダメージを、濃度5〜60質量%の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような高濃度のアルカリ、もしくは、ふっ酸と硝酸の混酸などを用いてエッチングする。単結晶シリコン基板は、CZ法、FZ法いずれの方法によって作製されてもよいが、より安価に作製できるCZ法の方が好ましい。
次に、オキシ塩化リンを用いた気相拡散法(例えば、800〜950℃、窒素と酸素の混合ガス雰囲気中で保持時間0〜4時間程度の熱処理条件)によりエミッタ層(n+層)603を形成する。一般的なシリコン太陽電池は、pn接合を受光面にのみ形成する必要があり、これを達成するためにシリコン基板601同士を2枚重ね合わせた状態で熱処理したりして、裏面にpn接合ができないような工夫を施す必要がある。また、上記気相拡散法に限らず、リンなどのドープ材を含む拡散剤をシリコン基板601の一表面上のみに塗布して熱処理し、エミッタ層603を形成してもよい。
拡散処理後、表面にできたガラスをふっ酸などで除去し、受光面側に反射防止膜605の形成を行う。反射防止膜605としては、SiNx、SiO2、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、硫化亜鉛等が用いられ、膜厚は50〜150nm程度(材料の屈折率に依存する)で十分な反射防止効果が得られる。SiNx膜を用いる場合は、プラズマCVD装置を用い約100nm製膜する。反応ガスとして、モノシラン(SiH4)及びアンモニア(NH3)を混合して用いることが多いが、NH3の代わりに窒素を用いることも可能であり、また、プロセス圧力の調整、反応ガスの希釈、更には、基板に多結晶シリコンを用いた場合には基板のバルクパッシベーション効果を促進するため、反応ガスに水素を混合することもある。
製膜後、5〜30分間、500〜900℃の温度で熱処理することで、Al電極と基板の電気的接触性(コンタクト抵抗)が改善される。
受光面電極607も蒸着法、スパッタ法、スクリーン印刷法いずれかの方法で形成される。スクリーン印刷法の場合は、Ag粉末とガラスフリットを有機物バインダと混合したAgペーストをスクリーン印刷した後、熱処理によりSiNx膜にAg粉末を貫通させ(ファイアースルー)、受光面電極607とシリコン基板601を導通させる。
厚さ200μm、比抵抗1Ω・cmの、ホウ素ドープ{100}p型アズカットシリコン基板6枚に対し、熱濃水酸化カリウム水溶液によりダメージ層を除去後、水酸化カリウム/2−プロパノール水溶液中に浸漬しテクスチャ形成を行い、引き続き塩酸/過酸化水素混合溶液中で洗浄を行った。
次に、図8に示すFe製のロッド部材803(円形先端部の径5mm)を所定パターンで配置した治具を用いて、ロッド部材803の先端部をシリコン基板裏面に接触させ、次いで石英ボートへ裏面同士を重ねて移載した。
次に、シリコン基板について、オキシ塩化リン雰囲気下、870℃で熱処理し、エミッタ層(n+層)を形成した。シート抵抗は約36Ωとなった。熱拡散処理後、ふっ酸にてシリコン基板におけるガラスを除去し、洗浄、乾燥した。
以上の処理の後、プラズマCVD装置を用いて、シリコン基板にSiNx膜を受光面反射防止膜として約95nm形成した。
次いで、シリコン基板の裏面のほぼ全面にAlペーストをスクリーン印刷法にて印刷し、200℃のホットプレート上で乾燥させた。
引続き、裏面Ag電極、受光面Ag電極をスクリーン印刷法にて順次形成し乾燥させた。この後、ベルト炉にて850℃に加熱した空気雰囲気下で熱処理を行い、シリコン基板と電極の電気的接触の改善を行った。
実施例1において、シリコン基板にテクスチャ形成、洗浄後、金属不純物の付与を行わず、そのままシリコン基板の裏面同士を重ねて移載してエミッタ層を形成し、それ以外は実施例1と同じ条件で太陽電池セルを作製した。
実施例1は、意図的に汚染物質(特定の金属不純物)を付着させ拡散させたものの、形成されたセルの個体識別情報部(金属汚染箇所)が小さかったため、太陽電池特性の低下は見られず、比較例1と同等であった。
102、301、501、607 受光面電極(フィンガー電極)
103、203、304、403、504、601 シリコン基板
201、401 裏面バスバー電極
202、305、606 裏面電極
302、502、605 反射防止膜(パッシベーション膜)
303、503、603 拡散層(エミッタ層)
402、506 裏面フィンガー電極
505 パッシベーション膜
602 金属不純物(汚染源)
604 セルの個体識別情報部(金属汚染箇所)
801 基盤
802 開口部
803 ロッド部材
Claims (11)
- 少なくともpn接合と電極を有するシリコン基板を用いた太陽電池セルであって、電界励起発光(EL)法により暗部として観察されるセルの個体識別情報部がシリコン基板面に形成されてなることを特徴とする太陽電池セル。
- 前記セルの個体識別情報部は、金属汚染箇所であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池セル。
- 前記セルの個体識別情報部の数が1〜40であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池セル。
- 前記セルの個体識別情報部のシリコン基板面における大きさが2〜20mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池セル。
- 前記セルの個体識別情報部は、シリコン基板の前記pn接合形成面とは反対面側に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池セル。
- 前記セルの個体識別情報部がバスバー電極直下のシリコン基板に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池セル。
- 前記セルの個体識別情報部の配置パターンは、当該太陽電池セルの個体識別情報を示すものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池セル。
- 少なくともpn接合と電極を有するシリコン基板を用いた太陽電池セルの製造方法であって、特定の金属不純物をシリコン基板面の所定位置に付着させた状態で熱拡散処理を行い、前記金属不純物をシリコン基板に拡散させて、電界励起発光(EL)法により暗部として観察されるセルの個体識別情報部をシリコン基板面に形成することを特徴とする太陽電池セルの製造方法。
- 前記金属不純物は、Feであることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池セルの製造方法。
- 前記シリコン基板面への前記金属不純物の付着は、該金属不純物からなる部材をシリコン基板面の所定位置に接触させることにより行うことを特徴とする請求項8又は9に記載の太陽電池セルの製造方法。
- 前記熱拡散処理は、前記pn接合となる拡散層を形成する熱処理、又は反射防止膜形成前の熱酸化処理と兼ねて行われることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の太陽電池セルの製造方法。
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