JP2013229336A - バッテリ昇温システム - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの安全性の確保と迅速な昇温との両立を図ることができるバッテリ昇温システムを提供する。
【解決手段】制御装置15は、バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuまたは下限電圧Vbdを超えないようにバッテリ11と蓄電装置13との間で電力を授受する周波数とバッテリ11のバッテリ発熱量との関係を示すデータをバッテリ11のバッテリ温度Tb毎に予め記憶しており、当該関係に基づいてバッテリ11のバッテリ温度Tbに応じてバッテリ発熱量が最大となる最適周波数を決定し、当該最適周波数でバッテリ11と蓄電装置13との間の電力の授受を切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリを早期に昇温するためのバッテリ昇温システムに関し、特にバッテリの安全性を確保しながら早期に昇温するものに適している。
従来より、電源の温度を迅速に上昇させる電圧変換装置が、例えば特許文献1で提案されている。具体的に、特許文献1では、温度センサで検出された直流電源の温度が基準値よりも低いとき、昇圧動作および降圧動作を繰り返し行なうように昇圧コンバータを制御する制御装置を備えた構成が提案されている。
そして、昇圧コンバータが制御装置の制御に従って昇圧動作および降圧動作を繰り返し行なうことで直流電源の温度が基準値以上に上昇すると、制御装置は昇圧動作および/または降圧動作からなる通常動作を行うように昇圧コンバータを制御する。
特開2005−312160号公報
しかしながら、直流電源としてリチウムイオン電池等の充電可能な電池を使う場合、氷点下のような低温時には電池の内部抵抗が上昇する。このため、電池に大電流を流して低い周波数で昇降圧を繰り返すと電池の電圧変動が大きくなってしまう。このとき、電池の電圧が上下限値を超えると、電池の安全性が問題となる。
例えば、リチウムイオン電池においては、リチウムイオン電池を構成する材料にもよるが、電池の上限電圧を上回る過充電となった場合、電池の正極では電解液の酸化や結晶構造の破壊が起こり、負極ではリチウムの析出が起こってしまう。また、電池の下限電圧を下回る過放電となった場合、負極の集電体である銅が溶出してしまう。
もちろん、リチウムイオン電池に限らず、充電可能な電池において上記と同様に過充放電時に電池が故障する問題が生じる。
本発明は上記点に鑑み、バッテリの安全性の確保と迅速な昇温との両立を図ることができるバッテリ昇温システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、バッテリ昇温システムにおいて、制御装置(15)は、バッテリ(11)のバッテリ電圧(Vb)が上限電圧(Vbu)または下限電圧(Vbd)を超えないようにバッテリ(11)と蓄電装置(13)との間で電力を授受する周波数とバッテリ(11)のバッテリ発熱量との関係を示すデータをバッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)毎に予め記憶しており、当該関係に基づいてバッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)に応じてバッテリ発熱量が最大となる最適周波数を決定し、当該最適周波数でバッテリ(11)と蓄電装置(13)との間の電力の授受を切り替えることを特徴とする。
これによると、制御装置(15)はバッテリ電圧(Vb)が上限電圧(Vbu)と下限電圧(Vbd)との間で変化するように電圧変換器(12)にバッテリ(11)と蓄電装置(13)との間で電力を授受させるので、バッテリ(11)が過充電または過放電によって故障しないようにすることができる。また、制御装置(15)はバッテリ発熱量が最大となる最適周波数でバッテリ(11)と蓄電装置(13)との間の電力の授受を切り替えているので、バッテリ(11)の内部発熱によりバッテリ(11)を迅速に昇温させることができる。以上により、バッテリ(11)の安全性の確保と迅速な昇温との両立を図ることができる。
請求項2に記載の発明では、制御装置(15)は、周波数とバッテリ(11)のバッテリ発熱量との関係を示すデータをバッテリ(11)の残存容量毎に記憶しており、データの中からバッテリ(11)の残存容量に応じたデータを選択すると共に、当該データにおいてバッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)に応じてバッテリ発熱量が最大となる最適周波数を決定し、当該最適周波数でバッテリ(11)と蓄電装置(13)との間の電力の授受を切り替えることを特徴とする。
これによると、バッテリ温度(Tb)だけでなくバッテリ(11)の残存容量に応じた最適周波数で電力の授受を切り替えているので、バッテリ(11)をさらに迅速に昇温させることができる。
請求項3に記載の発明では、バッテリ昇温システムにおいて、制御装置(15)は、バッテリ(11)のバッテリ電圧(Vb)が上限電圧(Vbu)または下限電圧(Vbd)を超えないようにバッテリ(11)と蓄電装置(13)との間で電力を授受する周波数とバッテリ(11)に流れるバッテリ電流(Ib)との関係をバッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)毎に予め記憶しており、当該関係に基づいてバッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)に応じてバッテリ発熱量が最大となる最適周波数を決定し、当該最適周波数でバッテリ(11)と蓄電装置(13)との間の電力の授受を切り替えることを特徴とする。これにより、請求項1と同様の効果を得ることができる。
請求項4に記載の発明では、制御装置(15)は、周波数とバッテリ(11)のバッテリ電流(Ib)との関係を示すデータをバッテリ(11)の残存容量毎に記憶しており、データの中からバッテリ(11)の残存容量に応じたデータを選択すると共に、当該データにおいてバッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)に応じてバッテリ電流(Ib)が最大となる最適周波数を決定し、当該最適周波数でバッテリ(11)と蓄電装置(13)との間の電力の授受を切り替えることを特徴とする。これにより、請求項2と同様の効果を得ることができる。
請求項5に記載の発明では、制御装置(15)は、バッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)の変化に応じて最適周波数を変更すると共に変更した最適周波数でバッテリ(11)と蓄電装置(13)との間の電力の授受を切り替えることを特徴とする。
これによると、バッテリ発熱量が最大となる最適周波数をバッテリ温度(Tb)の変化に伴って変更できるので、最適周波数を変更しない場合よりも早くバッテリ温度(Tb)を上昇させることができる。
請求項6に記載の発明では、制御装置(15)は、バッテリ電圧(Vb)が所定の電圧(Vd)を下回る場合、電力の授受を行わないことを特徴とする。
これにより、バッテリ(11)が利用されることでバッテリ(11)が過放電の状態にならないようにすることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係るバッテリ昇温システムを備えた負荷駆動装置の全体構成図である。 コンデンサ電圧Vc、バッテリ電圧Vb、リアクトル電流IL、電圧変換器に入力する駆動信号のタイミングチャートである。 制御装置の昇温制御の内容を示したフローチャートである。 第2実施形態において、周波数とバッテリのインピーダンスとの関係を示した図である。 第2実施形態において、周波数とバッテリのバッテリ電流との関係を示した図である。 第2実施形態において、周波数とバッテリ発熱量との関係を示した図である。 第2実施形態に係る制御装置の昇温制御の内容を示したフローチャートである。 第2実施形態において、周波数を一定とした場合および可変とした場合の時間に対するバッテリ温度Tbの関係を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、第1実施形態は参考例であり、第2実施形態が特許請求の範囲に記載した発明の実施形態に相当する。また、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示されるバッテリ昇温システムは、充電可能な電源を早期昇温するためのシステムであり、例えばハイブリッド車やプラグインハイブリッド車等の電気自動車に適用することができる。
図1は、本実施形態に係るバッテリ昇温システムを備えた負荷駆動装置の全体構成図である。この図に示されるように、負荷駆動装置は、バッテリ昇温システム10と、インバータ20と、負荷30と、を備えている。
バッテリ昇温システム10は、バッテリ11と、電圧変換器12と、蓄電装置13と、ドライバ回路14と、制御装置15と、を備えて構成されている。
バッテリ11は、最小単位である図示しない電池セルが直列に複数接続されて構成された電池群である。電池セルとして、充電可能なリチウムイオン二次電池が用いられる。このようなバッテリ11はインバータやモータ等の負荷30を駆動するための電源として用いられる。
バッテリ11の近傍には温度検出器16が備えられており、温度検出器16で検出されたバッテリ温度が温度検出器16から制御装置15に出力される。また、バッテリ11のバッテリ電圧は図示しない電圧検出器によって検出され、バッテリ11に流れるバッテリ電流は電流検出器17により検出される。これらバッテリ電圧およびバッテリ電流は各検出器からそれぞれ制御装置15に出力される。本実施形態では、バッテリ温度をTbとし、バッテリ電圧をVbとし、バッテリ電流をIbとする。
電圧変換器12は、制御装置15からの指令に応じてバッテリ11と蓄電装置13との間で電圧変換を行う昇圧コンバータである。すなわち、電圧変換器はDC−DCコンバータである。このような電圧変換器12は、リアクトル12aと、スイッチング素子12b、12c(図1のQc1、Qc2)と、ダイオード素子12d、12e(図1のD1、D2)とを含んでいる。
リアクトル12aは、一端がバッテリ11の正極側に接続され、他端が一方のスイッチング素子12bと他方のスイッチング素子12cとの接続点に接続されている。リアクトル12aに流れるリアクトル電流は電流検出器18によって検出され、電流検出器18から制御装置15に出力される。本実施形態では、リアクトル電流をILとする。なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、リアクトル電流が特許請求の範囲の「変換電流」に対応する。
各スイッチング素子12b、12cはそれぞれIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、インバータ20の電源ラインとグランドラインとの間に直列接続されている。具体的には、一方のスイッチング素子12bのコレクタがインバータ20の電源ラインに接続され、エミッタが他方のスイッチング素子12cのコレクタに接続されている。また、スイッチング素子12cのエミッタは、インバータ20のグランドラインに接続されている。そして、各スイッチング素子12b、12cのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード素子12d、12eがそれぞれ接続されている。各ダイオード素子12d、12eは、いわゆるFWD(Free Wheeling Diode)である。
蓄電装置13は、電圧変換器12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ20に供給するコンデンサである。この蓄電装置13はインバータ20の入力側に設けられていると共に、インバータ20の電源ラインとグランドラインとに接続されている。そして、蓄電装置13であるコンデンサの両端の電圧がコンデンサ電圧として図示しない電圧検出器で検出され、当該電圧検出器から制御装置15に出力される。本実施形態では、コンデンサ電圧をVcとする。
ドライバ回路14は、制御装置15から入力した指令に従って電圧変換器12の各スイッチング素子12b、12cとインバータ20とに駆動信号を出力することで、電圧変換器12とインバータ20とを駆動する回路である。なお、このドライバ回路14は、制御装置15に含められていても良い。
制御装置15は、負荷駆動装置の外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)から負荷30の駆動に係る指令に従ってドライバ回路14に電圧変換器12とインバータ20を駆動させる装置である。ECUは、図示しないCPU、ROM、EEPROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータがROM等に記憶されたプログラムに従って所定の機能を実行する装置である。
また、制御装置15は、バッテリ11のバッテリ温度Tbが基準値よりも低いとき、電圧変換器12を制御することでバッテリ11と蓄電装置13との間で電力を授受してバッテリ11を昇温させる機能を備えている。本実施形態では基準値をTthとする。この基準値は、バッテリ11の昇温が必要な温度であり、例えば0℃に設定されている。これにより、バッテリ11が氷点下に晒されている状況でバッテリ11を昇温させることができる。なお、基準値Tthはバッテリ11を構成する電池セルに応じて適宜設定することが好ましい。
バッテリ11の昇温の際、制御装置15はバッテリ電圧Vbが上限電圧または下限電圧を超えないように電圧変換器12を制御してバッテリ11と蓄電装置13との間で電力の授受を切り替えさせる。すなわち、制御装置15はバッテリ電圧Vbが上限電圧と下限電圧との間の範囲内に収まるように電力の授受を切り替える。これにより、バッテリ11が過充電または過放電の状態とならないようにする。
なお、「バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上限電圧を超えない」とは、バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上限電圧を上回らないという意味であり、「バッテリ11のバッテリ電圧Vbが下限電圧を超えない」とは、バッテリ11のバッテリ電圧Vbが下限電圧を下回らないという意味である。
そして、バッテリ11のバッテリ温度Tbが基準値Tthを超えると、制御装置15は負荷30を駆動するようにドライバ回路14を介して電圧変換器12およびインバータ20を制御する。つまり、制御装置15は、蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcを昇圧させる昇圧動作と、蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcを降圧させる降圧動作と、からなる通常動作を行うようにドライバ回路14を介して電圧変換器12およびインバータ20を制御する。
なお、本実施形態では、上限電圧をVbuとし、下限電圧をVbdとする。制御装置15の作動については、後で具体的に説明する。また、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、コンデンサ電圧が特許請求の範囲の「蓄電電圧」に対応する。
インバータ20は、ドライバ回路14からの信号に応じて、蓄電装置13からの直流電圧を交流電圧に変換して負荷30を駆動する回路である。また、インバータ20は、負荷30が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、変換した直流電圧を蓄電装置13を介して電圧変換器12に供給する機能も備えている。
このようなインバータ20は、U相アーム21と、V相アーム22と、W相アーム23と、を備えている。これら各アーム21〜23は、電源ラインとグランドラインとの間に並列に接続されている。
U相アーム21は直列に接続されたスイッチング素子21a、21bで構成され、V相アーム22は直列に接続されたスイッチング素子22a、22bで構成され、W相アーム23は直列に接続されたスイッチング素子23a、23bで構成されている。各スイッチング素子21a、21b、22a、22b、23a、23bのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード素子21c、21d、22c、22d、23c、23dがそれぞれ接続されている。なお、各スイッチング素子21a、21b、22a、22b、23a、23bは例えばIGBTであり、各ダイオード素子21c、21d、22c、22d、23c、23dはFWDである。
また、各相アーム21〜23の中間点は、負荷30であるモータの各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータは3相の永久磁石モータであり、U相、V相、W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成されている。そして、U相コイルの他端がスイッチング素子21a、21bの中間点に、V相コイルの他端がスイッチング素子22a、22bの中間点に、W相コイルの他端がスイッチング素子23a、23bの中間点にそれぞれ接続されている。
このような構成のインバータ20の各スイッチング素子21a、21b、22a、22b、23a、23bは、制御装置15によってドライバ回路14を介してスイッチング制御され、負荷30であるモータが指令されたトルクを出力するようにモータの各相に流す電流が制御される。
負荷30は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのモータである。この負荷30をハイブリッド自動車のエンジンに連結することで、エンジンの回転力によって発電する発電機の機能とエンジン始動を行なう電動機の機能とを負荷30に持たせることもできる。
以上が、本実施形態に係るバッテリ昇温システム10および負荷駆動装置の全体構成である。
続いて、バッテリ昇温システム10の作動について、図1および図2を参照して説明する。図2は、コンデンサ電圧Vc、バッテリ電圧Vb、リアクトル電流IL、電圧変換器12に入力する駆動信号のタイミングチャートである。バッテリ昇温システム10は、上述のように制御装置15がドライバ回路14に指令を出し、ドライバ回路14が各素子に駆動信号を出力することによって動作する。
まず、蓄電装置13の昇圧時には、スイッチング素子12c(Qc2)がオンされる。これにより、バッテリ11→リアクトル12a→スイッチング素子12c(Qc2)の経路に電流が流れるので、リアクトル12aにエネルギーが蓄積される。
その後、スイッチング素子12c(Qc2)がオフされると、バッテリ11→リアクトル12a→ダイオード素子12d(D1)→蓄電装置13の経路に電流が流れる。バッテリ11→リアクトル12aに電流が流れる方向を正とすると、昇圧時には正の方向に電流が流れる。これにより、リアクトル12aのバッテリ11側の電圧はバッテリ電圧Vbとなるため、蓄電装置13に昇圧された電圧が蓄電される。
そして、図2に示されるように、スイッチング素子12c(Qc2)が所定のDutyでスイッチング駆動されると、昇圧時はバッテリ電圧Vbが徐々に低下し、コンデンサ電圧Vcは上昇する。昇圧後のコンデンサ電圧Vcは、Duty(=ton/(ton+toff))を用いて、Vc={1/(1−Duty)}×Vbで表される。tonはスイッチング素子12c(Qc2)のオン時間であり、toff:スイッチング素子12c(Qc2)のオフ時間である。一方、蓄電装置13の昇圧にバッテリ11のエネルギーが利用されるので、バッテリ電圧Vbは下降していく。これが昇圧動作である。
蓄電装置13の降圧時には、スイッチング素子12b(Qc1)がオンされる。これにより、蓄電装置13→スイッチング素子12b(Qc1)→リアクトル12a→バッテリ11の経路に電流が流れるので、リアクトル12aにエネルギーが蓄積される。
その後、スイッチング素子12b(Qc1)がオフされると、リアクトル12a→バッテリ11→ダイオード素子12e(D2)の経路に電流が流れる。上記のようにバッテリ11→リアクトル12aに電流が流れる方向を正とすると、降圧時には負の方向に電流が流れる。これにより、リアクトル12aのダイオード素子12e(D2)側の電圧は0Vとなるため、バッテリ11に降圧された電圧が蓄電される。
そして、図2に示されるように、スイッチング素子12b(Qc1)が所定のDutyでスイッチング駆動されると、降圧時はコンデンサ電圧Vcが徐々に低下し、バッテリ電圧Vbは上昇する。降圧後のバッテリ電圧Vbは、Duty(=ton/(ton+toff)、ton:スイッチング素子12b(Qc1)のオン時間、toff:スイッチング素子12b(Qc1)のオフ時間)を用いて、Vb=Duty×Vcで表される。一方、蓄電装置13のエネルギーがバッテリ11に移動するので、バッテリ電圧Vbは上昇していく。これが降圧動作である。
バッテリ昇温時には、上記の昇圧動作と降圧動作を繰り返してバッテリ11に電流を流し、バッテリ11の内部発熱によりバッテリ11を昇温させる。バッテリ11の内部抵抗をRとすると、バッテリ発熱量はバッテリ電流Ibを用いて(Ib)2×Rで表される。
次に、制御装置15の昇温制御について、図3のフローチャートを参照して説明する。まず、制御装置15は、図示しない電圧検出器からバッテリ11のバッテリ電圧Vbを取得し、バッテリ電圧Vbが所定の電圧を下回る場合(S100)、電力の授受つまり昇温動作を行わずに通常動作(S114)を行う。ここで、所定の電圧をVdとすると、Vdは車両のエンジンを始動できる電圧に設定されており、バッテリ電圧Vbの下限電圧Vbdよりも低く設定されている。具体的には、制御装置15がバッテリ電圧Vbやバッテリ電流Ib等から算出した残存容量(State of Charge;SOC)に基づいて設定されている。これにより、バッテリ11が車両に利用されることでバッテリ11が過放電の状態にならないので、車両が走行できなくなることを防止できる。
また、通常動作とは、電圧変換器12によりバッテリ11を必要に応じて昇圧し、インバータ20および及び負荷30を用いて走行、回生する制御である。
バッテリ電圧Vbが所定の電圧Vd以上の場合、制御装置15は温度検出器16により検出されたバッテリ温度Tbを取得する(S101)。なお、バッテリ温度Tbが基準値Tthより高いとき(S102)、バッテリ11を昇温させる必要がないので、通常動作に移行する(S114)。
そして、バッテリ温度Tbが基準値Tthより低いとき(S102)、S103〜S106の昇圧動作を行う。昇圧動作では、まず、バッテリ電圧Vbを昇圧して蓄電装置13であるコンデンサを充電する(S103)。
この後、バッテリ電圧Vbが下限電圧Vbdに到達したら(S104)、昇圧動作を終了し、S107以降の降圧動作に移行する。バッテリ電圧Vbが下限電圧Vbdに到達していない場合(S104)、蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcが上限値以上か否かを判定する(S105)。ここで、コンデンサ電圧Vcの上限値をVcuとする。上限値Vcuは例えばコンデンサの耐圧に設定されている。この判定により、蓄電装置13の故障を防止することができる。
そして、コンデンサ電圧Vcが上限値Vcuに到達する前に所定の時間が経過した場合(S106)、S107以降の降圧動作に移行する。これは、蓄電装置13であるコンデンサが容量不足になるとある時間から電流値が小さくなり、発熱量が低下して効率的に昇温できなくなるため、所定の時間で区切っている。これにより、蓄電装置13が飽和して電流を流せなくなり、発熱量が低下することを防止することができる。所定の時間が経過していない場合(S106)、S103に戻って昇圧動作を繰り返す。
以上のように、制御装置15は、バッテリ電圧Vbが下限電圧Vbdに到達したら電圧変換器12において蓄電装置13からバッテリ11へ電力を供給する。また、制御装置15は、コンデンサ電圧Vcが上限値Vcuに到達したら、電圧変換器12において蓄電装置13からバッテリ11へ電力を供給する。このように、バッテリ11のバッテリ電圧Vbや蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcをモニタして電力の授受を切り替えることにより、バッテリ11が過放電にならないようにすることができる。
続いて、降圧動作では、蓄電装置13を降圧してバッテリ11を充電する(S107)。バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuに到達したら(S108)、降圧動作を終了してS100と同様にバッテリ電圧Vbが所定の電圧Vd以上か否かを判定し(S111)する。バッテリ電圧Vbが所定の電圧Vdに達していない場合はバッテリ11が車両に利用されてバッテリ11が過放電の状態になることを防止するために通常動作に移行する(S114)。
また、バッテリ電圧Vbが所定の電圧Vdに達している場合(S111)、S101と同様にバッテリ温度を検出する(S112)。そして、バッテリ温度Tbが基準値Tthより高いとき(S113)、バッテリ11を昇温させる必要がないので、通常動作に移行する(S114)。一方、バッテリ温度Tbが基準値Tthに達していない場合(S113)、再び昇圧動作と降圧動作を繰り返すべく、S103に戻る。
バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuに到達していない場合(S108)、蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcが下限値以下か否かを判定する(S109)。ここで、コンデンサ電圧Vcの下限値をVcdとする。コンデンサ電圧Vcが下限値Vcdに到達していない場合はS107に戻り、降圧動作を繰り返す。また、所定の時間が経過していない場合も(S110)、S107に戻り、降圧動作を繰り返す。
一方、コンデンサ電圧Vcが下限値Vcdに到達する前(S109)に所定の時間が経過した場合(S110)、上記と同様にS111の処理を行う。これにより、蓄電装置13に流れる電流が小さくなり、発熱量が低下することを防止できる。
以上のように、制御装置15は、バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuに到達したら電圧変換器12においてバッテリ11から蓄電装置13へ電力を供給する。また、制御装置15は、コンデンサ電圧Vcが下限値Vcdに到達したら電圧変換器12においてバッテリ11から蓄電装置13へ電力を供給する。このように、バッテリ11のバッテリ電圧Vbや蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcをモニタして電力の授受を切り替えることにより、バッテリ11が過充電にならないようにすることができる。
以上説明したように、本実施形態では、制御装置15によってバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuと下限電圧Vbdとの間で変化するように電圧変換器12を制御している。これにより、バッテリ11が過充電または過放電にならないようにすることができる。この場合、蓄電装置13のコンデンサ電圧Vcが上限値Vcuと下限値Vcdとの間で変換するように電圧変換器12を制御しているので、より確実にバッテリ11の故障を回避できる。したがって、バッテリ11の安全性を確保することができる。
また、制御装置15によってバッテリ11と蓄電装置13との間で電力の授受を繰り返している。このような電力の授受によりバッテリ11で内部発熱が起こるので、バッテリ11を迅速に昇温させることができる。
以上のようにして、バッテリ11の安全性の確保と迅速な昇温との両立を図ることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuまたは下限電圧Vbdを超えないようにバッテリ11と蓄電装置13との間で電力を授受する周波数とバッテリ11のバッテリ発熱量との関係を示すデータをバッテリ11のバッテリ温度Tb毎に制御装置15の記憶手段に予め記憶している。
そして、制御装置15は、当該関係に基づいてバッテリ11のバッテリ温度Tbに応じてバッテリ発熱量が最大となる最適周波数を決定し、当該最適周波数でバッテリ11と蓄電装置13との間の電力の授受を切り替えることが特徴となっている。
なお、本実施形態に係るバッテリ昇温システム10を備えた負荷駆動装置は、第1実施形態の図1で示された構成と同じである。
まず、周波数とバッテリ発熱量との関係について説明する。「周波数」は上記のように「バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuまたは下限電圧Vbdを超えないようにバッテリ11と蓄電装置13との間で電力を授受する周波数」であるが、つまり昇圧動作および降圧動作を1周期とした動作を1秒間に繰り返す回数である。以下、単に周波数という。一方、「バッテリ発熱量」は、バッテリ11の内部抵抗Rとバッテリ電流Ibとを用いて(Ib)2×Rで表される。
低温時におけるバッテリ11の直流抵抗は非常に高くなる。このとき、バッテリ11に電流を流すとバッテリ11の上下限電圧に到達しやすくなる。例えば、上限電圧Vbuは1電池セル当たり4.2Vであり、下限電圧Vbdは1電池セル当たり2.5Vである。バッテリ11は上下限電圧を超えると劣化しやすくなるため、上下限電圧を超えるような大電流は流さない方が良い。一方、低温でもバッテリ11の交流抵抗(インピーダンス)は周波数が100Hz〜1kHzでは小さくなり、大きな電流で昇降圧してもバッテリ電圧Vbが上下限電圧を超えにくい。上記のように、バッテリ発熱量は(Ib)2×Rで表されるため、バッテリ11に大電流を流した方が発熱量は大きくなる。したがって,バッテリ11のインピーダンスを測定し、インピーダンスが低くなる周波数で昇降圧すると良い。
具体的に、図4を参照して説明する。図4は、周波数とバッテリ11のインピーダンスとの関係をバッテリ温度Tb毎に示した図である。この図に示されるように、バッテリ温度Tb毎にインピーダンスが異なるものの、周波数が100Hz〜1kHzの間では各バッテリ温度Tbで低インピーダンスとなっている。したがって、インピーダンスが低くなる100Hz〜1kHzの範囲で昇降圧することが考えられる。
図5は、周波数とバッテリ11の電流との関係をバッテリ温度Tb毎に示した図である。図5では、−30℃と−10℃の関係について示してある。この図に示されるように、バッテリ11のバッテリ温度Tbによってバッテリ電流Ibが最大となる周波数は異なっている。例えば、−30℃のような極低温時には1kHz以下ではバッテリ電圧Vbが上下限電圧に到達するためバッテリ11に電流が流せなくなる。−10℃になると、−30℃よりもインピーダンスが小さくなるため、1kHz以下でもバッテリ電圧Vbは上下限電圧に到達しない。このようにバッテリ電圧Vbが上下限電圧に到達しない場合、周波数を低くするほど流せるバッテリ電流Ibは大きくなる(di=V/L×dt)。しかし、低い周波数では蓄電装置13であるコンデンサの容量により飽和して電荷を貯めることができなくなるため、バッテリ11に電流を流せなくなる。周波数を高くすると、昇降圧する時間(dt)が短くなるため、バッテリ11に流せる電流は小さくなる。バッテリ11に流す電流は、各スイッチング素子12b、12cのDutyをそれぞれ調整することで変更することができる。
図6は、周波数とバッテリ11のバッテリ発熱量との関係をバッテリ温度Tb毎に示した図である。図6についても、図5と同様に−30℃と−10℃の関係について示してある。上記のようにバッテリ発熱量はバッテリ電流Ibと内部抵抗R(インピーダンス)により決まる。早く昇温するためには大きなバッテリ発熱量が得られる周波数で昇降圧すると良い。そこで、本実施形態では、各バッテリ温度Tbでバッテリ発熱量が最大となる周波数とDutyをマップ化し、これを制御装置15に予め記憶しておく。
また、高SOCではバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuを超えやすく、低SOCでは下限電圧Vbdを超えやすくなる。したがって、SOC毎に周波数とバッテリ11のバッテリ発熱量との関係およびDutyのマップを作成しておき、高SOC及び低SOCではDutyを小さくしてバッテリ電圧Vbが上下限電圧を超えないようにする。なお、図5および図6に示される各図はSOCが60%のデータである。したがって、図6に示されるグラフがSOC毎に用意され、SOC毎のデータが予め制御装置15に記憶されている。また、図5や図6に示される特性はリチウムイオン二次電池の正極や負極の材料によって電池毎に異なるため、電池毎にデータを取得することが必要である。
次に、本実施形態に係る制御装置15の昇温制御について、図7のフローチャートを参照して説明する。まず、制御装置15はS200からS202の各ステップを行う。なお、S200は図3のS100に対応し、S201は図3のS101に対応し、S202は図3のS102に対応している。
そして、バッテリ温度Tbが基準値Tthより低いとき(S202)、バッテリ温度TbとSOCから昇降圧する周波数とDutyを予め測定したマップから決定する(S203)。すなわち、制御装置15はバッテリ電圧Vbやバッテリ電流Ibから常にSOCを算出しており、S203時点のSOCに応じた周波数とバッテリ発熱量とのマップを選択する。さらに、選択したマップにおいてS201で取得したバッテリ温度Tbからバッテリ発熱量が最大となる最適周波数を決定し、この最適周波数を実現するための各スイッチング素子12b、12cのDutyも決定する。このように、バッテリ11のバッテリ温度Tbおよびバッテリ11のSOCに応じてバッテリ発熱量が最大となる最適周波数と各スイッチング素子12b、12cのDutyを決定する。
この後、決定した周波数とDutyで電圧変換器12の各スイッチング素子12b、12cを駆動することで、バッテリ11と蓄電装置13との間で昇降圧を繰り返してバッテリ11を昇温する(S204)。このとき、リアクトル12aやスイッチング素子12b、12cおよびダイオード素子12d、12eで損失が発生するため、バッテリ11のSOCは徐々に低下する。そこで、取得したバッテリ電圧Vbが所定の電圧Vdより低くなった場合(S205)、車両が走行できなくなることを防ぐため、昇温を中止して通常制御に戻す(S208)。
また、昇降圧を繰り返しながらバッテリ温度Tbを検出し(S206)、バッテリ温度Tbが基準値Tthに到達した場合(S207)、通常制御に戻す(S208)。なお、バッテリ温度Tbを検出するタイミングは1回昇降圧する毎でも良いし、一定期間昇降圧を繰り返した後でも良い。
一方、バッテリ温度Tbが基準値Tthに到達していない場合(S207)、S203に戻り、現在のSOCから最適周波数を選択してDutyを決定し、昇高圧を繰り返し行う。そして、バッテリ温度Tbが基準値Tthに到達した場合(S206、S207)、通常制御に戻す(S208)。このようにして、バッテリ11を昇温させる。
以上説明したように、本実施形態では、バッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuと下限電圧Vbdとを超えないようにバッテリ11のバッテリ温度Tbおよびバッテリ11のSOCに応じてバッテリ発熱量が最大となる最適周波数と各スイッチング素子12b、12cのDutyを決定している。また、これら最適周波数およびDutyで制御装置15によって電圧変換器12を制御している。このため、バッテリ11と蓄電装置13との間で電力を授受させたとしても、バッテリ11が過充電または過放電によって故障しないようにすることができ、ひいてはバッテリ11の安全性を確保することができる。
また、本実施形態では、制御装置15によってバッテリ発熱量が最大となる最適周波数でバッテリ11と蓄電装置13との間の電力の授受を切り替えている。この場合、バッテリ温度Tbだけでなくバッテリ11のSOCに基づいた最適周波数で電力の授受を切り替えているので、バッテリ11をさらに迅速に昇温させることができる。
ここで、早期に昇温するためにバッテリ温度Tbが上昇したら周波数およびDutyを変更することで、常に最大発熱量でバッテリ11を昇温することができる。すなわち、周波数を常に一定にするのではなく、可変とする。
この場合、図7に示されるフローチャートのS203〜S207において、S203で、バッテリ11のバッテリ温度Tbの変化に応じて最適周波数を変更し、変更した最適周波数でバッテリ11と蓄電装置13との間の電力の授受を切り替える。
図8は、周波数を一定とした場合および可変とした場合の時間に対するバッテリ温度Tbの関係を示した図である。この図に示されるように、周波数を可変とした場合のバッテリ温度Tbに対する基準値を時点t1ではTth1とし、時点t2ではTth2としている。このように、時間が経過するに伴って、バッテリ温度Tbに対する基準値をTth1からTth2に可変しているので、バッテリ温度Tbに応じてバッテリ発熱量が最大となる最適周波数を選択することができ、常にバッテリ発熱量を最大にすることができる。
このように、バッテリ発熱量が最大となる最適周波数をバッテリ温度Tbの変化に伴って変更することで、最適周波数を変更しない場合よりも速くバッテリ温度Tbを上昇させることができる。なお、最適周波数の変更は何段階かに分けても良いし、リニアに変更しても良い。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示されたバッテリ昇温システム10および負荷駆動装置の構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明の特徴を含んだ他の構成とすることもできる。例えば、図3に示されるフローチャートのS100や図7に示されるフローチャートのS200は無くても良い。また、所定時間に関係なくバッテリ電圧Vbおよびコンデンサ電圧Vcをモニタすることで昇圧動作と降圧動作とを繰り返しても良いので、S106およびS110は無くても良い。
第1実施形態では、バッテリ電圧Vbおよびコンデンサ電圧Vcをモニタすることで昇圧動作と降圧動作とを切り替えていたが、制御装置15によって電圧変換器12に流れる変換電流ILを取得し、変換電流ILが上限電流に到達したら電圧変換器12においてバッテリ11から蓄電装置13への電力の授受を切り替えても良い。これにより、電圧変換器12に過電流が流れて電圧変換器12が故障しないようにすることができる。
第2実施形態では、バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上下限電圧(Vbu、Vbd)を超えないようにバッテリ11と蓄電装置13との間で電力を授受する周波数とバッテリ11のバッテリ発熱量との関係をバッテリ11のバッテリ温度Tb毎に制御装置15に予め記憶していた。しかしながら、周波数とバッテリ発熱量との関係ではなく、周波数とバッテリ電流Ibとの関係を採用しても良い。すなわち、バッテリ11のバッテリ電圧Vbが上限電圧Vbuまたは下限電圧Vbdを超えないようにバッテリ11と蓄電装置13との間で電力を授受する周波数とバッテリ11に流れるバッテリ電流Ibとの関係をバッテリ11のバッテリ温度Tb毎に予め記憶しており、当該関係に基づいてバッテリ11のバッテリ温度Tbに応じてバッテリ発熱量が最大となる最適周波数を決定し、当該最適周波数でバッテリ11と蓄電装置13との間の電力の授受を切り替えることもできる。
また、第2実施形態では、SOC毎およびバッテリ温度Tb毎に周波数とバッテリ発熱量との関係がマップ化されていたが、SOCを考慮せずにバッテリ温度Tb毎だけの周波数とバッテリ発熱量との関係がマップ化されていても良い。周波数とバッテリ電流Ibとの関係についても同様である。
バッテリ昇温システムを構成するバッテリ11を車載充電器を介して家庭用電源等に接続し、充電することも考えられる。しかし、車載充電器を家庭用電源等に接続せずに外部のコンデンサに接続することで、このコンデンサを利用してコンデンサとバッテリ11との間で電力の授受を行うことによりバッテリ11を昇温することもできる。また、DC/DCコンバータを利用して、バッテリ11と補機用バッテリとの間で電力の授受を行うことによりバッテリ11を昇温することもできる。
上記各実施形態では、バッテリ昇温システムをハイブリッド車やプラグインハイブリッド車等の電気自動車に適用することについて説明したが、これはシステムの適用の一例であり、車両に限らず充電可能な電源を利用して装置を作動させる場合に適用することができる。
10 バッテリ昇温システム
11 バッテリ
12 電圧変換器
13 蓄電装置
14 ドライバ回路
15 制御装置
20 インバータ
30 負荷

Claims (6)

  1. 充電可能なバッテリ(11)と、
    蓄電装置(13)と、
    前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間で電圧変換を行う電圧変換器(12)と、
    前記バッテリ(11)の温度が基準値よりも低いとき、前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間で電力を授受して前記バッテリ(11)を昇温するように前記電圧変換器(12)を制御する制御装置(15)と、を備えるバッテリ昇温システムであって、
    前記制御装置(15)は、前記バッテリ(11)のバッテリ電圧(Vb)が上限電圧(Vbu)または下限電圧(Vbd)を超えないように前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間で電力を授受する周波数と前記バッテリ(11)のバッテリ発熱量との関係を示すデータを前記バッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)毎に予め記憶しており、当該関係に基づいて前記バッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)に応じて前記バッテリ発熱量が最大となる最適周波数を決定し、当該最適周波数で前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間の電力の授受を切り替えることを特徴とするバッテリ昇温システム。
  2. 前記制御装置(15)は、前記周波数とバッテリ(11)のバッテリ発熱量との関係を示すデータを前記バッテリ(11)の残存容量毎に記憶しており、前記データの中から前記バッテリ(11)の残存容量に応じたデータを選択すると共に、当該データにおいて前記バッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)に応じて前記バッテリ発熱量が最大となる最適周波数を決定し、当該最適周波数で前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間の電力の授受を切り替えることを特徴とする請求項1に記載にバッテリ昇温システム。
  3. 充電可能なバッテリ(11)と、
    蓄電装置(13)と、
    前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間で電圧変換を行う電圧変換器(12)と、
    前記バッテリ(11)の温度が基準値よりも低いとき、前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間で電力を授受して前記バッテリ(11)を昇温するように前記電圧変換器(12)を制御する制御装置(15)と、を備えるバッテリ昇温システムであって、
    前記制御装置(15)は、前記バッテリ(11)のバッテリ電圧(Vb)が上限電圧(Vbu)または下限電圧(Vbd)を超えないように前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間で電力を授受する周波数と前記バッテリ(11)に流れるバッテリ電流(Ib)との関係を前記バッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)毎に予め記憶しており、当該関係に基づいて前記バッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)に応じて前記バッテリ発熱量が最大となる最適周波数を決定し、当該最適周波数で前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間の電力の授受を切り替えることを特徴とするバッテリ昇温システム。
  4. 前記制御装置(15)は、前記周波数とバッテリ(11)のバッテリ電流(Ib)との関係を示すデータを前記バッテリ(11)の残存容量毎に記憶しており、前記データの中から前記バッテリ(11)の残存容量に応じたデータを選択すると共に、当該データにおいて前記バッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)に応じて前記バッテリ電流(Ib)が最大となる最適周波数を決定し、当該最適周波数で前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間の電力の授受を切り替えることを特徴とする請求項3に記載にバッテリ昇温システム。
  5. 前記制御装置(15)は、前記バッテリ(11)のバッテリ温度(Tb)の変化に応じて前記最適周波数を変更すると共に変更した最適周波数で前記バッテリ(11)と前記蓄電装置(13)との間の電力の授受を切り替えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載にバッテリ昇温システム。
  6. 前記制御装置(15)は、前記バッテリ電圧(Vb)が所定の電圧(Vd)を下回る場合、前記電力の授受を行わないことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のバッテリ昇温システム。
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