JP2013228298A - 無接点センサ及びシフトレバー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検出ばらつきを少なく抑えることができる静電容量式の無接点センサ及びシフトレバー装置を提供する。
【解決手段】シフトレバー装置の基板に切り欠き孔6を設け、切り欠き孔6の幅方向一方に複数の検出部7を設け、切り欠き孔6の幅方向他方にGND8を設けることにより、検出部7及びGND8を対向配置する。切り欠き孔6の内部に、シフトレバーと連動する被検出部9を移動可能に設け、検出部7及びGND8間に被検出部9が位置すると静電容量が変化することを利用して、被検出部9の位置、つまりシフトレバーの操作位置を検出する。
【選択図】図2
【解決手段】シフトレバー装置の基板に切り欠き孔6を設け、切り欠き孔6の幅方向一方に複数の検出部7を設け、切り欠き孔6の幅方向他方にGND8を設けることにより、検出部7及びGND8を対向配置する。切り欠き孔6の内部に、シフトレバーと連動する被検出部9を移動可能に設け、検出部7及びGND8間に被検出部9が位置すると静電容量が変化することを利用して、被検出部9の位置、つまりシフトレバーの操作位置を検出する。
【選択図】図2
Description
本発明は、無接点により変位量を検出する無接点センサ及びシフトレバー装置に関する。
従来から周知のように、種々の装置や機器には、非接触により検出対象を検出できる無接点センサが搭載されているものが数多くある。この種の無接点センサとしては、例えば静電容量センサがある。静電容量センサは、主に人が指等で触れたことを検出するタッチ検出に使用されることが多いが、タッチ検出の場合、例えば外気(湿度)の影響、タッチ面の汚れ、人の指の大きさなど、様々な外的要因が多い。よって、閾値を可変できるマイクロコンピュータを載せ、検出精度を確保することが多いが、この構成では構造の複雑化や部品コスト増を招く。
そこで、人が触れることのない閉じた空間(ケース内)において静電容量センサを使用し、検出対象の変位量を検出する技術が考案されている(例えば特許文献1等参照)。図14に、特許文献1に開示されたダイヤル81の操作量を検出する無接点センサ82を図示する。プリント回路基板83には、環状の駆動電極84と、駆動電極84の周囲に複数配置された検出電極85とが設けられている。ダイヤル81の裏面には、検出電極85と隙間を隔てて対向する環状のリング電極86が設けられている。リング電極86には、半径方向に突出する突出部87が少なくとも1つ形成されている。そして、突出部87が検出電極85に向き合うと、これらの間の静電容量が変化することを利用し、ダイヤル81の操作量(回転量)を検出する。
特許文献1の無接点センサ82は、静電容量センサをタッチ検出で使用するのではなく、周囲環境が安定している閉じた空間内で使用することになる。よって、無接点センサ82は、検出ばらつきに強いセンサとして使用することが可能となる。
しかし、特許文献1のダイヤル81は、例えば面方向にずれたり、高さ方向に傾いたりする可能性がある。これら状況が無接点センサ82に起こると、複数の検出電極85と突出部87との間隔が一律に一定にならないので、無接点センサ82の検出精度が悪化してしまう問題があった。よって、検出ばらつきに強い静電容量式の無接点センサの開発ニーズがあった。
本発明の目的は、検出ばらつきを少なく抑えることができる静電容量式の無接点センサ及びシフトレバー装置を提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明では、検出対象の変位量を無接点により検出する無接点センサにおいて、基材の面方向に沿って形成された凹部と、前記凹部内を移動可能な可動式の被検出部と、前記凹部の幅方向の一方に形成された複数の検出部と他方に形成されたGNDとからなり、前記被検出部によって静電容量が変化する静電容量検出部と、前記静電容量検出部から出力される出力信号を基に、前記被検出部の変位量を求める信号処理部とを備えたことを要旨とする。
本発明の構成によれば、基材に凹部を設け、凹部の幅方向の一方に複数の検出部を設け、他方にGNDを設けるので、各検出部及びGND間の距離は安定して決まる。そして、検出対象と連動する可動式の被検出部を凹部内に設け、検出部及びGND間に被検出部が入ると、静電容量が変化することを利用して、被検出部(検出対象)の変位量を求める。ところで、検出部が検出する静電容量は、仮に被検出部がGND側に寄っても或いは検出部側に寄っても変化しない特性がある。よって、被検出部の凹部内での位置が検出精度に影響を及ぼさないので、検出ばらつきの抑制に効果が高くなる。
本発明では、前記基材は、基板であることを要旨とする。この構成によれば、基板を利用して無接点センサを設けるので、部品の配置スペースの有効利用に効果が高くなる。
本発明では、前記信号処理部は、1チップのICからなる静電容量センサであることを要旨とする。この構成によれば、市場に広く出回っている汎用の静電容量センサを使用すれば、センサにかかるコストが安価に済む。
本発明では、前記信号処理部は、1チップのICからなる静電容量センサであることを要旨とする。この構成によれば、市場に広く出回っている汎用の静電容量センサを使用すれば、センサにかかるコストが安価に済む。
本発明では、前記凹部は、貫通した孔であり、複数の前記検出部及び前記GNDは、前記孔の縁において前記基材の表面、当該孔の縁において前記基材の裏面、及び前記孔の内面の3面に亘り形成されていることを要旨とする。この構成によれば、検出部及びGNDの形成面を広くとることが可能となるので、変位量の検出精度確保に効果が高くなる。
本発明では、シフトレバーの操作位置を検出するシフトレバー装置において、基材の面方向に沿って形成された凹部と、前記シフトレバーの操作に連動して前記凹部内を移動可能な被検出部と、前記凹部の幅方向の一方に形成された複数の検出部と他方に形成されたGNDとからなり、前記被検出部によって静電容量が変化する静電容量検出部と、前記静電容量検出部から出力される出力信号を基に、前記被検出部の位置から前記シフトレバーの操作位置を求める信号処理部とを備えたことを要旨とする。
本発明によれば、静電容量変化を利用した変位量検出において、検出ばらつきを少なく抑えることができる。
以下、本発明を具体化した無接点センサ及びシフトレバー装置の一実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1に示すように、変速機を有する車両には、変速機のシフト位置を切り換える際に操作するシフトレバー装置1が搭載されている。本例のシフトレバー装置1は、シフトレバー2の操作位置を電気信号により変速機に出力して、変速機を駆動するシフトバイワイヤ式である。本例のシフトレバー装置1は、シフトレバー2を直線方向に操作してレンジ位置切換操作を行うタイプに、シフトレバー2でのシーケンシャル操作も可能な機能が付いたストレート型となっている。レンジ位置切換操作は、自動変速機のレンジ位置をP、R、N、Dのいずれかに切り換える操作である。シフトレバー2は、同図左側のゲート3aにおいてレンジ位置切換操作が可能で、同図右側のゲート3bにおいてシーケンシャル操作が可能である。なお、シフトレバー2が検出対象に相当する。
図1に示すように、変速機を有する車両には、変速機のシフト位置を切り換える際に操作するシフトレバー装置1が搭載されている。本例のシフトレバー装置1は、シフトレバー2の操作位置を電気信号により変速機に出力して、変速機を駆動するシフトバイワイヤ式である。本例のシフトレバー装置1は、シフトレバー2を直線方向に操作してレンジ位置切換操作を行うタイプに、シフトレバー2でのシーケンシャル操作も可能な機能が付いたストレート型となっている。レンジ位置切換操作は、自動変速機のレンジ位置をP、R、N、Dのいずれかに切り換える操作である。シフトレバー2は、同図左側のゲート3aにおいてレンジ位置切換操作が可能で、同図右側のゲート3bにおいてシーケンシャル操作が可能である。なお、シフトレバー2が検出対象に相当する。
図2及び図3に示すように、シフトレバー装置1には、シフトレバー2のシーケンシャル操作を検出する無接点センサ4が設けられている。無接点センサ4には、シフトレバー装置1用の基板5(図3参照)に貫設された切り欠き孔6が設けられている。切り欠き孔6は、面方向に細長く延びる孔である。シフトレバー2がスライド操作式の場合、切り欠き孔6は、図2に示す直線状をとる。また、シフトレバー2が回転軸を有する円弧操作式の場合、切り欠き孔6は、図3にようにレバー操作に対応した円弧状をとる。なお、基板5が基材に相当し、切り欠き孔6が凹部及び貫通した孔に相当する。
図2に示すように、切り欠き孔6における幅方向(図2のY方向)の一対の縁部のうち、一方には、静電容量を検出する複数の検出部7…が設けられ、他方には、接地用のGND8が設けられている。検出部7及びGND8は、例えば無電解めっきにより形成された金属製の薄い膜からなる。検出部7及びGND8は、一定の間隔をおいて切り欠き孔6の幅方向に等距離に対向配置されている。複数(図2は8つ)の検出部7は、切り欠き孔6の長手方向(図2のX方向)に沿って等間隔に配置されている。GND8は、切り欠き孔6の縁部一帯に亘り形成されている。なお、検出部7及びGND8が静電容量検出部を構成する。
図3の円内に示すように、各検出部7は、切り欠き孔6の周縁において基板5の表面に形成された第1めっき層7a、同じく切り欠き孔6の周縁において基板5の裏面に形成された第2めっき層7b、切り欠き孔6の内面に形成された第3めっき層7cの3面に亘り形成されている。第1めっき層7a及び第2めっき層7bは、基板5上の配線接続部分として使用される。GND8も、検出部7と同様に、第1めっき層8a、第2めっき層8b及び第3めっき層8cの3面からなる。第1めっき層8a及び第2めっき層8bも、基板5上の配線接続部分として使用される。
図2〜図4に示すように、切り欠き孔6の内部には、検出部7及びGND8間の静電容量を変化させる可動式の被検出部9が、切り欠き孔6の長手方向に沿って往復動可能に取り付けられている。シフトレバー2がゲート3aからゲート3bに倒し操作(セレクト操作)されると、シフトレバー2に設けられた係止突(図示略)が被検出部9の凹部(図示略)に係止し、被検出部9がシフトレバー2と連動可能となる。被検出部9は、シーケンシャル操作されるシフトレバー2に連動することにより、切り欠き孔6内を長手方向に往復移動可能である。
被検出部9は、例えばめっき処理を施した部材、金属片等を使用した場合、検出部7及びGND8間の静電容量を小さくする。また、被検出部9は、例えばプラスチック、ガラス等を使用した場合、検出部7及びGND8間の静電容量を大きくする。被検出部9の移動方向の長さL1は、2つの検出部7と同時に対向できる長さに形成されている。被検出部9が検出部7及びGND8の間に入り込むと、この箇所における静電容量が変化(図4は静電容量が小さくなる例を示す)する。
図2に示すように、無接点センサ4には、静電容量変化を検出可能な静電容量センサ10が設けられている。静電容量センサ10には、複数のA/Dポート11…が設けられ、これらA/Dポート11に各検出部7が電気配線により接続されている。なお、静電容量センサ10が信号処理部に相当する。
静電容量センサ10は、各A/Dポート11から各々の検出部7に電圧(高周波)を印加する。被検出部9が検出部7を通過する際、検出部7に印加されている電圧が被検出部9の通過に伴い変化する。即ち、検出部7及びGND8間の静電容量が被検出部9により変化する。静電容量センサ10は、この電圧変化を、被検出部9による検出部7及びGND8間の静電容量変化(以下、静電容量検出信号Vxと記す)として検出する。静電容量検出信号Vxは、被検出部9の移動に応じて周期が1周期分のsin波をとる信号である。また、静電容量検出信号Vxは、検出部7に印加した電圧が被検出部9の通過に伴い抜けるまでの時間であるとも言えるし、検出部7に印加した高周波の振れ幅の変化であるとも言える。静電容量センサ10は、この静電容量検出信号Vxを基に被検出部9の変位量(位置)を求め、被検出部9(即ち、シフトレバー2)の位置情報として位置検出信号Voutを、出力端子12から他ECUに出力する。なお、静電容量検出信号Vxが出力信号に相当する。
図5に示すように、静電容量検出信号Vxは、隣に位置する検出部7から出力される静電容量検出信号Vxに対し、位相差が所定値(本例は90°)ずれるように設定されている。これは、検出部7の隣同士の間隔W1や被検出部9の長さL1を調整することにより、適宜設定可能である。静電容量センサ10は、隣同士の検出部7から検出される静電容量検出信号Vxのアークタンジェントを計算することにより、被検出部9(即ち、シフトレバー2)の位置を算出する。
次に、本例の無接点センサ4の動作を、図6及び図7を用いて説明する。
シフトレバー2がシーケンシャル操作されたとき、この操作に連動して被検出部9が切り欠き孔6内を移動する。被検出部9が検出部7を通過すると、その検出部7において被検出部9による静電容量変化が発生し、その検出部7に繋がるA/Dポート11では、被検出部9の動きに応じて出力が1周期分のsin波をとる静電容量検出信号Vxが得られることになる。
シフトレバー2がシーケンシャル操作されたとき、この操作に連動して被検出部9が切り欠き孔6内を移動する。被検出部9が検出部7を通過すると、その検出部7において被検出部9による静電容量変化が発生し、その検出部7に繋がるA/Dポート11では、被検出部9の動きに応じて出力が1周期分のsin波をとる静電容量検出信号Vxが得られることになる。
図6に示すように、静電容量センサ10は、検出部7ごとに取得する静電容量検出信号Vxを基に、被検出部9の位置、つまりシフトレバー2の操作位置を検出する。本例の場合、隣同士の検出部7から取得する90度位相がずれた静電容量検出信号Vx1,Vx2のアークタンジェントを計算することにより、被検出部9の位置、つまりシフトレバー2のレンジ位置を算出する。そして、静電容量センサ10は、この算出結果である位置検出信号Voutを出力端子12から他ECUに出力する。
以上により、本例においては、基板5に切り欠き孔6を設け、切り欠き孔6の幅方向一方に複数の検出部7を設け、切り欠き孔6の幅方向他方にGND8を設け、切り欠き孔6内を移動する被検出部9を、検出部7により静電容量式で検出することで、被検出部9の位置、つまりシフトレバー2の操作位置を検出する。ところで、図2に示すように、検出部7により検出される静電容量は、被検出部9及び検出部7間の隙間Waと、被検出部9及びGND間の隙間Wbとの総和(Wa+Wb)により求まる。即ち、図7(a)のように被検出部9が検出部7側に寄っても、逆に図7(b)のように被検出部9がGND8側に寄っても、結局のところ隙間のWa+Wbが同じであれば、検出部7で検出される静電容量は変化せず、一義的に決まる。よって、被検出部9にきっちりとした位置合わせを必要としないので、被検出部9の位置が無接点センサ4の検出精度に影響を及ぼさないことになる。従って、本例の構造を有する無接点センサ4は、検出ばらつきに強いセンサと言える。
また、本例の場合、固定側である基板5に検出部7及びGND8を設け、可動側であるシフトレバー2には、単なる固形片からなる被検出部9を取り付けるだけでよい。よって、無接点センサ4の構造が簡素で済み、部品コストの抑制にも効果が高くなる。また、被検出部9をGND8に接続する構成をとらずに済むので、構造簡素化及びコスト削減に一層寄与する。
次に、本例の切り欠き孔6の形成手順を、図8〜図10を用いて説明する。
まず、図8(a),(b)に示すように、基板5の所定位置に切り欠き孔6を形成する。なお、切り欠き孔6には、隣り合う検出部7同士の境目となる箇所に突出部13を複数形成しておく。続いて、図9(a),(b)に示すように、切り欠き孔6において、孔内面だけでなく、基板5の表面及び裏面に所定量はみ出す部位まで、無電解めっきを施す。これにより、切り欠き孔6の孔周縁及び内面の一帯にめっき層14が形成される。そして、突出部13と、切り欠き孔6の左右の端部15,16とを切削して削除する。これにより、図10(a),(b)に示すように、基板5には、孔周囲に複数の検出部7及びGND8がめっきされた切り欠き孔6が形成される。
まず、図8(a),(b)に示すように、基板5の所定位置に切り欠き孔6を形成する。なお、切り欠き孔6には、隣り合う検出部7同士の境目となる箇所に突出部13を複数形成しておく。続いて、図9(a),(b)に示すように、切り欠き孔6において、孔内面だけでなく、基板5の表面及び裏面に所定量はみ出す部位まで、無電解めっきを施す。これにより、切り欠き孔6の孔周縁及び内面の一帯にめっき層14が形成される。そして、突出部13と、切り欠き孔6の左右の端部15,16とを切削して削除する。これにより、図10(a),(b)に示すように、基板5には、孔周囲に複数の検出部7及びGND8がめっきされた切り欠き孔6が形成される。
以上により、本例の場合は、切り欠き孔6の内面において、隣り合う検出部7同士の境目に突出部13を予め形成しておき、同形状をとる切り欠き孔6の内周面一帯にめっきを施し、その後、めっきの不要部分を取り除くことにより、基板5に複数の検出部7及びGND8のめっき層を形成する。よって、部分的に何度もめっきを施す工程を採用せずに済むので、複数の検出部7及びGND8のめっき層を、簡素な構成で基板5に形成することが可能となる。
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)基板5に切り欠き孔6を設け、切り欠き孔6の幅方向の一方に複数の検出部7…のめっき層を設け、他方にGND8のめっき層を設けるので、各検出部7及びGND8間の距離は一律に決まる。そして、シフトレバー2と連動する可動式の被検出部9を設け、検出部7及びGND8間に被検出部9が入ると、その間の静電容量が変化することを利用して、被検出部9の変位量、つまりシフトレバー2の位置を求める。ところで、検出部7が検出する静電容量は、仮に被検出部9が切り欠き孔6の内部において検出部7側に寄っても或いはGND8側に寄っても変化しない。このため、被検出部9の切り欠き孔6内での位置が無接点センサ4の検出精度に影響を及ぼさないので、検出ばらつきの抑制に効果が高くなる。
(1)基板5に切り欠き孔6を設け、切り欠き孔6の幅方向の一方に複数の検出部7…のめっき層を設け、他方にGND8のめっき層を設けるので、各検出部7及びGND8間の距離は一律に決まる。そして、シフトレバー2と連動する可動式の被検出部9を設け、検出部7及びGND8間に被検出部9が入ると、その間の静電容量が変化することを利用して、被検出部9の変位量、つまりシフトレバー2の位置を求める。ところで、検出部7が検出する静電容量は、仮に被検出部9が切り欠き孔6の内部において検出部7側に寄っても或いはGND8側に寄っても変化しない。このため、被検出部9の切り欠き孔6内での位置が無接点センサ4の検出精度に影響を及ぼさないので、検出ばらつきの抑制に効果が高くなる。
(2)本例の無接点センサ4は、基板5に設けた切り欠き孔6と、切り欠き孔6に設けためっき層からなる複数の検出部7及びGND8と、切り欠き孔6内を動く被検出部9とからなる。よって、無接点センサ4の構造が簡素で済み、コスト削減にも寄与する。また、被検出部9をGND8に接続する構造をとる必要もないので、構造簡素化及びコスト削減に一層寄与する。
(3)基板5に切り欠き孔6を設けて無接点センサ4を形成するので、基板5を利用したセンサ形成が可能となり、部品の配置スペースの有効利用や部品点数削減等に効果が高くなる。
(4)静電容量センサ10は、一つの素子で複数個所を測定することができる。よって、1直線において検出部7を8つ連続して配置し、これらに沿って被検出部9を移動可能とすることにより、例えばストロークセンサや回転センサ等を実現することができる。
(5)無接点センサ4を静電容量式とすれば、市場に広く出回っている汎用の静電容量センサ10を使用することができ、センサにかかるコストが安価に済む。
(6)検出部7及びGND8のめっき層を、基板5の表面−裏面−内面の3面に亘る形状とした。このため、検出部7及びGND8の形成面を広くとることが可能となるので、無接点センサ4の検出精度確保に一層効果が高くなる。
(6)検出部7及びGND8のめっき層を、基板5の表面−裏面−内面の3面に亘る形状とした。このため、検出部7及びGND8の形成面を広くとることが可能となるので、無接点センサ4の検出精度確保に一層効果が高くなる。
(7)検出部7ごとに得られる静電容量検出信号Vxを、隣の検出部7の静電容量検出信号Vxに対して位相差を90°持たせる波形とした。このため、変位量検出に好適なタイミングで各検出部7から信号出力させることが可能となるので、変位量検出の最適化に効果が高くなる。
(8)図8〜図10に示す製造方法を用いて切り欠き孔6にめっき層を形成するようにすれば、基板表面−孔内面−基板裏面に亘る3面のめっき層を、無駄の少ない簡素な製法により切り欠き孔6に形成することができる。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・被検出部9の位置計算方法は、隣同士に位置する検出部7で取得する2つの静電容量検出信号Vxのアークタンジェントを計算する方法に限定されない。例えば、1つの検出部7で1位置を検出する場合、図11(a)で示すようなスレッショルドVkを設定し、どの静電容量検出信号VxがスレッショルドVk以上となるか否かを確認することにより、被検出部9の位置を判定してもよい。
・被検出部9の位置計算方法は、隣同士に位置する検出部7で取得する2つの静電容量検出信号Vxのアークタンジェントを計算する方法に限定されない。例えば、1つの検出部7で1位置を検出する場合、図11(a)で示すようなスレッショルドVkを設定し、どの静電容量検出信号VxがスレッショルドVk以上となるか否かを確認することにより、被検出部9の位置を判定してもよい。
また、1つの検出部7で複数位置を検出する場合、静電容量センサ10は、静電容量検出信号Vxがどの範囲にあるのかを確認することにより、被検出部9の位置を判定してもよい。例えば、図11(b)に示すように、それぞれの静電容量検出信号Vxの半交流波において、位相0°〜90°で範囲Va,Vb,Vc,Vd,Veに分け、静電容量検出信号Vxが範囲Va〜Veのどれに入っているのかを確認することにより、被検出部9の位置を検出してもよい。
・図12に示すように、被検出部9は、特性が逆の素材を複数(図11は2つ)組み合わせてもよい。この場合、静電容量検出信号Vxが半波ではなく交流波(正弦波)をとるので、検出精度の確からしさを確保することができる。
・被検出部9は、直方体形状に限定されず、例えば球形状などの他形状に変更可能である。
・図13(a)に示すように、被検出部9は、途中で厚さ(板厚)を変えることにより、異なる静電容量を発生可能としてもよい。また、図13(b)に示すように、被検出部9は、両端が尖った略楕円形状でもよい。
・図13(a)に示すように、被検出部9は、途中で厚さ(板厚)を変えることにより、異なる静電容量を発生可能としてもよい。また、図13(b)に示すように、被検出部9は、両端が尖った略楕円形状でもよい。
・図12や図13(a)の例において、被検出部9の素材を変えたり形状を変えたりするなどの変化の段数は、2段に限らず、3段以上としてもよい。
・凹部は、貫通する孔に限定されず、底を有する穴でもよい。
・凹部は、貫通する孔に限定されず、底を有する穴でもよい。
・検出部7及びGND8は、基板5の表面−裏面−孔内面の3面に亘る形状(断面コ字形状)に限定されない。例えば、めっきを孔内面のみに形成するなど、他の形状に変更してもよい。
・基板5は、シフトレバー装置1に予め搭載された基板であることに限定されず、無接点センサ4専用に設けた基板でもよい。
・基材は、基板5に限定されず、基板以外の他の部材を使用してもよい。
・基材は、基板5に限定されず、基板以外の他の部材を使用してもよい。
・静電容量検出信号Vxは、図示に例示した波形をとることに限らず、他の波形形状に変更可能である。
・信号処理部は、1チップICからなる静電容量センサ10に限定されず、複数の素子を組み合わせたデバイスから構築されてもよい。
・信号処理部は、1チップICからなる静電容量センサ10に限定されず、複数の素子を組み合わせたデバイスから構築されてもよい。
・無接点センサ4を複数設けて、多重系としてもよい。
・シフトレバー装置1は、ストレート型に限定されず、シフトレバー2がホームポジションに戻るタイプでもよい。また、ゲート3a,3bの形状も適宜変更可能である。
・シフトレバー装置1は、ストレート型に限定されず、シフトレバー2がホームポジションに戻るタイプでもよい。また、ゲート3a,3bの形状も適宜変更可能である。
・検出部7は、少なくとも2つあればよい。この場合でも、本発明の作用効果を得ることはできる。
・無接点センサ4は、シーケンシャル操作を検出するセンサに限定されず、レンジ位置切換操作(シフトレバー2の直線操作)を検出センサとしてもよい。
・無接点センサ4は、シーケンシャル操作を検出するセンサに限定されず、レンジ位置切換操作(シフトレバー2の直線操作)を検出センサとしてもよい。
・無接点センサ4は、シーケンシャル操作のみを検出センサに限定されない。例えば、無接点センサ4をゲート3a,3bの両用に設けて、シーケンシャル操作及びレンジ位置切換操作の両方を検出するようにしてもよい。
・無接点センサ4は、シフトレバー装置1に搭載されることに限定されず、例えばレバーコンビネーションスイッチ等の他の機器や装置に変更可能である。よって、検出対象もシフトレバー2に限定されず、他の物品に変更可能である。
1…シフトレバー装置、2…検出対象としてのシフトレバー、4…無接点センサ、5…基材としての基板、6…凹部及び貫通した孔を構成する切り欠き孔、7…静電容量検出部を構成する検出部、8…静電容量検出部を構成するGND、9…被検出部、10…信号処理部としての静電容量センサ、Vx…出力信号としての静電容量検出信号。
Claims (5)
- 検出対象の変位量を無接点により検出する無接点センサにおいて、
基材の面方向に沿って形成された凹部と、
前記凹部内を移動可能な可動式の被検出部と、
前記凹部の幅方向の一方に形成された複数の検出部と他方に形成されたGNDとからなり、前記被検出部によって静電容量が変化する静電容量検出部と、
前記静電容量検出部から出力される出力信号を基に、前記被検出部の変位量を求める信号処理部と
を備えたことを特徴とする無接点センサ。 - 前記基材は、基板である
ことを特徴とする請求項1に記載の無接点センサ。 - 前記信号処理部は、1チップのICからなる静電容量センサである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無接点センサ。 - 前記凹部は、貫通した孔であり、
複数の前記検出部及び前記GNDは、前記孔の縁において前記基材の表面、当該孔の縁において前記基材の裏面、及び前記孔の内面の3面に亘り形成されている
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の無接点センサ。 - シフトレバーの操作位置を検出するシフトレバー装置において、
基材の面方向に沿って形成された凹部と、
前記シフトレバーの操作に連動して前記凹部内を移動可能な被検出部と、
前記凹部の幅方向の一方に形成された複数の検出部と他方に形成されたGNDとからなり、前記被検出部によって静電容量が変化する静電容量検出部と、
前記静電容量検出部から出力される出力信号を基に、前記被検出部の位置から前記シフトレバーの操作位置を求める信号処理部と
を備えたことを特徴とするシフトレバー装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012100923A JP2013228298A (ja) | 2012-04-26 | 2012-04-26 | 無接点センサ及びシフトレバー装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018092411A1 (ja) * | 2016-11-21 | 2018-05-24 | アルプス電気株式会社 | 入力装置 |
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2012
- 2012-04-26 JP JP2012100923A patent/JP2013228298A/ja active Pending
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