JP2013227828A - 無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザが判断しにくい携帯機のLF受信系の故障を容易にコストアップを招くことなく検知可能な無線通信システムを得る。
【解決手段】携帯機2は、CPU20と、複数の受信アンテナ26a〜26cおよびLF受信回路240と、複数の受信アンテナ26a〜26cごとに受信電界強度を測定するRSSI回路2402とを備え、複数の受信アンテナ26a〜26cは、互いに磁束検出方向の異なるコイルアンテナからなり、CPU20は、複数の受信アンテナ26a〜26cごとの各受信電界強度測定値のベクトル和より求めた、車載機1のLF送信アンテナ31と携帯機2との間の距離の変化量に基づいて、携帯機2の複数のLF受信系の故障状態を検出する故障検出手段を有する。
【選択図】図3

Description

この発明は、車両に搭載された無線通信機能を有する車載機と、車両のユーザによって携帯される無線通信機能を有する携帯機とを備え、車載機と携帯機との間で通信を行う無線通信システムに関するものである。
車載機と携帯機との間で通信を行う無線通信システムとして、従来から、車両のドアの施錠や解錠を、車両のユーザが所有する携帯機からの遠隔操作によって行うキーレスエントリシステムが知られている。
また、携帯機を操作することなく、ドアの施錠や解錠を行うスマートキーレスエントリシステムも良く知られている。
車載機および携帯機を備えたキーレスエントリシステムにおいて、携帯機に内蔵されたRSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度測定器)機能を使用して、携帯機と車載機との距離を測定し、あらかじめ定められた距離閾値を超えるか否かに応じて、ドアの施解錠の許可または禁止や、イグニション操作の許可または禁止を判定している(たとえば、特許文献1及び特許文献2参照)。
上記従来システムにおいては、車載機と携帯機との間でLF(Low Frequency)通信を行う際に、携帯機が故障検出(診断)機能を備えていないので、携帯機を落下した際の衝撃による故障や出荷後の経年劣化による故障が発生した場合に、車両のユーザは、スマートキーレスエントリシステムの動作異常によって気付く場合を除いて、故障発生を認識することができない。すなわち、携帯機が全く機能しなければ、ユーザは直ちに異常に気付くことができる。
しかし、携帯機のLF受信回路は、携帯機の向きの違いによる受信感度低下を回避するために、通常は互いにアンテナコイルの向きを90度ずらした3系統の受信アンテナと、各受信アンテナに対応した受信回路とを備えているので、すべての受信アンテナ系統が同時に故障せずに部分的に故障する場合が考えられる。
このように、携帯機の受信機能が部分的に故障した場合には、スマートキーレスエントリシステムとして、特定の携帯機の向きで受信感度が低下するものの完全に通信不能には至らず、それなりに動作し続けるので、ユーザはシステムの故障に気付きにくい。
また、スマートキーレスエントリシステムにおいては、3系統の受信アンテナの受信電界強度(RSSI値)を測定し、3系統のアンテナの受信電界強度のベクトル和に基づき送信アンテナからの距離を求めることにより、車両に対する携帯機の位置を推定してスマートキーレスエントリシステムの動作に反映させている。
たとえば、携帯機が車内に位置すると推定された場合には、施錠要求に対して携帯機の車内閉じ込め警告を発するなどの警報動作判定に利用している。
また、携帯機が車外に位置すると推定された場合には、車両の駆動動力源(エンジンやモータ)の始動操作を受け付けない、などの制御判定に利用している。
したがって、携帯機の受信機能に部分的な故障が発生した場合でも、正しく携帯機の位置が検出することができず、スマートキーレスエントリシステムとしては、誤った判定結果に基づいて誤動作する可能性がある。
このような誤判定が発生する条件としては、車両における携帯機の位置、携帯機の故障により生じる携帯機の位置推定のズレ量、携帯機の向きによる受信信号を故障受信系統ア
ンテナが受ける割合などがあげられ、異常動作の再現が難しい場合も多い。
したがって、ユーザは、スマートキーレスエントリシステムの動作時に違和感を覚えても、故障と判断することができずに放置する状況が起こり、たまたま悪条件が揃った際に、無視できない程度のスマートキーレスエントリシステムの誤判定(携帯機の閉じ込めなど)が発生し、不満を覚えることが想定される。
さらに、受信用の3系統のうちの1系統は、携帯機の電池が切れた場合の応急用のトランスポンダ(transponder)送受信用と兼用している場合が多く、この兼用系統が故障した場合に気付かないで放置していると、携帯機の電池切れの際に応急措置がとれず、ユーザが車両を動かすことが困難になってしまう。
複数の携帯機が所持されているとき、故障していない携帯機が残っている場合、警告表示をしながらシステムとしては動作し続けることになると考えられるが、故障警告表示は故障携帯機を特定出来る様になっていない。ユーザにしてみると何か分らない故障警告が出るものの、システムとしては通常動作を続けるので、放置し続けてしまい前述の様な問題に遭遇することが考えられる。
特開2006−319845号公報 特開2011−223499号公報
従来の無線通信システムは、複数の受信系統を有する携帯機の機能を診断する故障検出手段を備えていないので、複数の受信系統のうちの一部機能が故障しても故障発生状態を検知することができず、種々の不具合が生じるという課題があった。
また、仮に受信アンテナに故障検出用の回路を設けると、携帯機のLF受信回路が複雑になりコストアップを招くうえ、故障検出中にLF受信が不可能になるという課題があった。
また、仮に故障を検出しても所持された複数の携帯機のうち、故障していないものがある場合、故障警告をしながらシステムとしての動作を続けることが考えられ、現状故障警告表示ではユーザが携帯機の故障を認識出来ず、放置されてしまう恐れがある。
さらに、故障発生に備えて、仮に携帯機の電池切れ時の対処用に独立したLF通信系を準備すると、携帯機のコストアップおよび大型化を招くうえ、外観設計の自由度を損なうという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、特に構造を複雑化せずに、携帯機故障時のLF送信アンテナから携帯機までの計測距離の変化量に着目して、コストアップを招くことなく、ユーザが判断しにくい携帯機故障を容易に検知可能にする無線通信システムを得ることを目的とするものである。
この発明の無線通信システムは、車両に搭載された無線通信機能を有する車載機と、車両のユーザによって携帯され、車載機との間で無線通信機能を有する携帯機とにより構成され、車載機は携帯機から受信した認証コードと車載機に記憶された認証コードとの照合を行うようにした無線通信システムであって、車載機は、車載機CPUと、認証コードを記憶する車載機メモリと、電界強度測定用信号および認証要求信号をLF送信アンテナを
介して携帯機に送信するLF送信回路と、携帯機からの認証応答信号を受信する受信回路とを備え、携帯機は、携帯機CPUと、認証コードを記憶する携帯機メモリと、電界強度測定用信号および認証要求信号を受信する複数の受信アンテナおよび受信回路からなるLF受信系と、携帯機メモリ内の認証コードを含む認証応答信号を車載機に送信する送信回路と、複数の受信アンテナごとに電界強度測定用信号の受信電界強度を測定する電界強度測定部とを備え、携帯機の複数の受信アンテナは、互いに磁束検出方向の異なるコイルアンテナからなり、携帯機CPUは、電界強度測定部で測定した複数の受信アンテナごとの各受信電界強度測定値をベクトル和することでLF送信アンテナと携帯機との間の距離を算出し、この算出した距離の変化量に基づいてLF受信系の故障状態を検出する故障検出手段を含むものである。
この発明によれば、スマートキーレスシステム等に適用される無線通信システムにおいて、携帯機の一部の受信アンテナなどの受信系統の故障が生じ、たとえ違和感があってもユーザによる故障判定が困難なような場合でも、多大なコストを要することなく故障を検出し、ユーザに伝えることができる。
この発明の実施の形態1に係る無線通信システムを概略的に示す平面構成図である。 この発明の実施の形態1に係る無線通信システムの車載機の回路構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る無線通信システムの携帯機の回路構成を示すブロック図である。 この発明に使用される受信アンテナのコイル構造を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1による受信アンテナの故障検出処理を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態1による受信アンテナの故障検出処理を示すタイミングチャート図である。 この発明の実施の形態2に係る無線通信システムの車載機の回路構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る無線通信システムの携帯機の回路構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態7による故障復帰判定処理を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態7による故障復帰判定処理を示すタイミングチャート図である。 この発明の実施の形態8による故障復帰禁止処理を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態8による故障復帰禁止処理を示すタイミングチャート図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1における無線通信システムについて、スマートキーレスエントリシステムの場合を例にとって図1〜図6に基づき詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係るスマートキーレスエントリシステムを概略的に示す平面構成図、図2はスマートキーレスエントリシステムの車載機の回路構成を示すブロック図、図3はスマートキーレスエントリシステムの携帯機の回路構成を示すブロック図である。
図1において、スマートキーレスエントリシステムは、概して、車両100に搭載された車載機1と、車両100のユーザ200が携帯する携帯機2とにより構成される。
車両100には、車載機1と協働する他の回路要素として、制御装置4と、LF送信アンテナ31a〜31c(総称する場合は添字を省略)と、RF受信アンテナ32と、リクエストスイッチ33a、33bと、スタートスイッチ34と、イモビライザ(Immobiliser)機能を実現するためのトランスポンダ通信用アンテナ35と、カーテシスイッチ36a、36bとが設けられている。
車載機1は、RF受信アンテナ32を介して携帯機2からの無線信号を受信し、認証コードの照合が一致した場合に、制御装置4を介してドアの解錠操作または施錠操作などを行う。
また、車載機1は、ユーザ200によるドアの開閉動作やリクエストスイッチ33a、33bまたはスタートスイッチ34の操作に応答して、LF送信アンテナ31a〜31cから携帯機2に対してLF信号の近距離送信を行い、携帯機2の位置検知などを行う。
LF送信アンテナ31aは車両100の室内、LF送信アンテナ31b、31cは車両100の左右ドア部に設置されており、リクエストスイッチ33a、33bは、ユーザ200が操作しやすいように車両100の左右ドア部に設置されている。
LF送信アンテナ31a〜31cは携帯機2に対して無線送信を行い、RF受信アンテナ32は携帯機2からの無線信号を受信する。
リクエストスイッチ33a、33bは、ユーザ200の施錠および開錠の意思を受け付け、スタートスイッチ34は、ユーザ200の操作によるエンジン始動や走行スタンバイ状態への移行要求を受け付ける。
トランスポンダ通信用アンテナ35は、携帯機2が電池切れの場合に、携帯機2との間で、イモビライザ機能を実現するためのトランスポンダ通信(携帯機2への電力供給を兼ねる)を行う。
カーテシスイッチ36a、36bは、車両100のドアの開閉を検知し、ドアが開いた
状態のままでの施錠を防止する。
制御装置4は、車両100のイグニションスイッチ(図示せず)に関する制御を行うとともに、車両100のドアの施錠および解錠を制御する。
図1に示したスマートキーレスエントリシステムにおいて、車載機1は携帯機2から送られてくる信号を受信し、受信信号の内容に応じて、イグニッション操作の許可または禁止を判定し、制御装置4に対してイグニション操作の許可または禁止を指示する。
また、車載機1は携帯機2からの受信信号の内容に応じて、ドアの施錠または解錠を判定し、制御装置4に対してドアの施錠または解錠を指示する。
さらに、車載機1は携帯機2からの受信信号の内容に応じて、携帯機2が車載機1との操作許可圏内に位置するか否かを判定し、制御装置4に対して、警報用ブザー(図示せず)の駆動許可または駆動禁止や、警告用ランプ(図示せず)の点灯または消灯を指示する。
なお、以下の説明において、車載機1から携帯機2への通信は、LF通信方式(Low Frequency Communication Method)を使用し、変調処理後の信号を使用するものとする。
また、携帯機2から車載機1への通信は、代表的に、最も一般的なRF通信方式(Radio Frequency Communication Method)を使用し、変調処理後の信号を使用するものとする。
さらに、携帯機2の電池切れの場合に備え、車載機1と携帯機2との間で双方向LF通信(以下、「トランスポンダ通信」という)を使用するものとする。
図2は図1内の車載機1の回路構成を示すブロック図であり、図1と同様のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。
図2において、車載機1は、各種演算処理機能を有する車載機CPU10(以下、単に「CPU10」という)と、CPU10に属するROMおよびRAMを含む車載機メモリ11(以下、単に「メモリ11」という)と、LF送信回路12と、RF受信回路13と、スイッチ入力回路17と、トランスポンダ通信用回路18とを備えている。
CPU10には、LF送信回路12を介してLF送信アンテナ31a〜31cが接続され、RF受信回路13を介してRF受信アンテナ32が接続され、スイッチ入力回路17を介してリクエストスイッチ33a、33b、スタートスイッチ34、およびカーテシスイッチ36a、36bが接続され、トランスポンダ通信用回路18を介してトランスポン
ダ通信用アンテナ35が接続されている。
メモリ11内には、携帯機2から送信されてくる認証応答信号のデータを認証する(携帯機200からの後述する認証コード221の照合を行う)ための認証コード111が記憶されており、メモリ11は、受信データの認証時に認証コード111をCPU10に入力する。
なお、メモリ11内には、トランスポンダ通信時の認証コード(図示せず)も記憶されるが、認証コード110は、トランスポンダ通信時の認証コードにも兼用され得る。
CPU10は、車載機1の統合的な制御を行い、あらかじめメモリ11に記憶されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。
LF送信回路12は、変調回路121および増幅回路122を備えている。LF送信回路12内の変調回路121は、CPU10からの送信信号(電界強度測定用信号および認証要求信号)をLF周波数帯の搬送波で変調し、変調後の送信信号を生成する。
また、LF送信回路12内の増幅回路122は、変調回路121により変調された送信信号を増幅してLF送信アンテナ31a〜31cに送る。
LF送信アンテナ31a〜31cは、増幅回路122による増幅後の送信信号を気中に送信する。
3つのLF送信アンテナ31a〜31cのうち、1つのLF送信アンテナ31aは、車両100の車室内への送信に使用され、他の2つのLF送信アンテナ31b、31cは、車外への送信に使用される。
RF受信回路13は、RF復調回路131および増幅回路132を備えている。RF受信回路13内の増幅回路132は、気中の無線信号を受信するRF受信アンテナ32に接続され、RF受信アンテナ32から入力される受信信号を増幅する。
また、RF受信回路13内のRF復調回路131は、増幅回路132による増幅後の受信信号を復調し、得られた復調信号をCPU10に入力する。
トランスポンダ通信用回路18は、CPU10からの送信指令に応答して、携帯機2へのLF送信信号を生成し、トランスポンダ通信用アンテナ35は、LF送信信号を気中に送信する。
また、トランスポンダ通信用回路18は、トランスポンダ通信用アンテナ35を介して受信した気中の無線信号を復調してCPU10に入力する。
図3は図1に示す携帯機2の回路構成を示すブロック図である。
図3において、携帯機2は、各種演算処理機能を有する携帯機CPU20(以下、単に「CPU20」という)と、ユーザ200の操作信号をCPU20に入力する入力回路2
1と、CPU20に属するROMおよびRAMを含む携帯機メモリ22(以下、単に「メモリ22」という)と、RF送信回路23と、LF通信回路24と、RF送信アンテナ25と、3つのLF受信アンテナ26a、26b、26c(以下、単に「受信アンテナ26a、26b、26c」または「アンテナ26a、26b、26c」という。また、総称する場合は添字を省略する)と、LED表示器27とを備えている。
スマートキーレスエントリシステムにおいては、車載機1側のLF送信アンテナ31aに対する携帯機2の向きおよび位置により、携帯機2における磁束の向きも変化することから、一方向の受信アンテナのみでは磁束を捉えられない状況が発生するので、複数の方向の受信アンテナ26a〜26cを設置することにより、受信不能に陥らないように工夫されている。
また、各受信アンテナ26a〜26cは、後述の図4に示すように、互いに磁束検出方向の異なるコイルアンテナからなる。
3つのLF受信アンテナ26a、26b、26cのうち、1つの受信アンテナ26cは、携帯機2の電池が切れた場合に車載機1と携帯機2との間で通信するためのトランスポンダ通信用の送受信アンテナの機能を兼ねている。
LF通信回路24内において、トランスポンダ機能選択回路241およびトランスポンダ機能回路242は、通常時には動作せず、携帯機2が電池切れの際のみに車載機1側からの送信電力に応答して動作する。トランスポンダ機能選択回路241およびトランスポンダ機能回路242によるトランスポンダ通信機能が有効化された際には、アンテナ26cは送受信アンテナとして機能する。
CPU20は、携帯機2の統合的な制御を行い、あらかじめメモリ22内に記憶されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。
メモリ22内のROMには、認証コード221があらかじめ記憶されている。認証コード221は、携帯機2から車載機1への送信時に、車載機1において携帯機2を認証する(認証コード111と照合する)ために必要なデータである。また、メモリ22内のROMには、受信アンテナ26a〜26cおよびLF受信回路240からなる3つのLF受信系に断線故障が生じた場合に、それを検出するための断線故障検出プログラム222が記憶されている。
CPU20は、メモリ22内に記憶された断線故障検出プログラム222を実行することにより、LF送信アンテナと携帯機との間の距離の変化量に基づいてLF受信系の故障状態を検出する故障検出手段201を含む。
RF送信回路23は、CPU20からの送信信号に基づき、RF周波数帯の搬送波を変調した送信信号(認証コード221、認証応答信号および電界強度測定値)を生成し、RF送信アンテナ25は、RF送信回路23からの送信信号を気中に送信する。
なお、ここでは図示を省略するが、RF送信回路23は、CPU20からの送信信号をRF周波数帯の搬送波で変調する変調回路と、変調後の送信信号を増幅する増幅回路とを備えている。
LF通信回路24は、LF受信回路240と、トランスポンダ機能選択回路241と、トランスポンダ機能回路242と、トランスポンダ機能回路242に属するメモリ243とを備えている。LF受信回路240は車載機1から送信された電界強度測定用信号および認証要求信号を3つの受信アンテナ26a〜26cを介して受信する。
メモリ243内には、認証コード2430が記憶されており、トランスポンダ機能回路242が有効化されたときに、メモリ243内の認証コード2430がトランスポンダ機能回路242に入力される。このとき、認証コード2430は、アンテナ26cを介して車載機1に送信される。
なお、図3においては、CPU20に接続されたメモリ22と、トランスポンダ機能回路242に接続されたメモリ243とを、個別に構成した例を示しているが、トランスポンダ機能用のメモリ243を、車載機1への認証応答用のメモリ22を兼用してもよい。
この場合、CPU20は、メモリ243にアクセス可能となり、認証コード221は認証コード2430と同一値となるので、メモリ22内の認証コード221は不要となる。
LF受信回路240は、増幅回路2400と、LF復調回路2401と、電界強度測定部(RSSI回路)2402とを備えている。
増幅回路2400および電界強度測定部(RSSI回路)2402は、それぞれ、各受信アンテナ26a〜26cに対応して並列構成されているものとする。
増幅回路2400は、気中の無線信号を受信するアンテナ26a〜26cからの受信信号を増幅する。LF復調回路2401は、増幅後の受信信号を復調し、得られた復調信号をCPU20に入力する。電界強度測定部(RSSI回路)2402は、増幅回路2400での増幅度合いに基づき、各アンテナ26a〜26cごとの受信電界強度(RSSI値Ra〜Rc)を測定し、受信電界強度信号をCPU20に入力する。
トランスポンダ機能選択回路241は、アンテナ26cからの気中の無線信号に基づきトランスポンダ通信用の電力供給を検出すると、アンテナ26cの入力経路を、LF受信回路240の選択状態(図3に示した状態)からトランスポンダ機能回路242へと切り替え接続し、LF通信回路24をトランスポンダ機能動作に切替える。
トランスポンダ機能回路242は、トランスポンダ機能選択回路241がトランスポンダ機能動作を選択した際に、気中の無線信号を受信するアンテナ26cから入力される受信信号と、認証コード2430とに基づき、車載機1と携帯機2とが相互認証を行うのに必要な暗号演算を行い、演算結果をアンテナ26cから気中へと無線送信する。
相互認証するのに必要なデータである認証コード2430は、メモリ243のROMに記憶されている。
入力回路21は、携帯機2のユーザ200による操作入力(ドアやトランクを施錠または解錠する操作入力など)を検出し、操作入力に応じた信号をCPU20に入力する。
LED表示器27は、ユーザ200が携帯機2を操作して施錠や開錠を行ったとき、操作を受付てRF送信していることをユーザ200に知らせるためのもので、CPU20により駆動される。
スマートキーレスエントリシステムの携帯機2において、アンテナ26a〜26cは、互いに指向性による死角を補い合うように、各々のコイルの向きが互いにほぼ90度だけ異なるようにレイアウトされる。
このとき、アンテナ26a、26b、26cは、それぞれが独立部品で構成される場合と、複数のコイルが一体構成される場合がある。
一例として、図4を参照しながら、3つのアンテナ26a〜26cが一体構成された場合のアンテナ構造について説明する。
図4は図3に示したアンテナ26a〜26cのコイル構造を製造時の第1〜第3段階に分けて示す斜視図である。
まず、図4(a)のように、直方体(互いの面が90度)のコイルボビン260上の一方向に対し、アンテナ26aのコイル26a0が巻かれる。
次に、図4(b)のように、コイルボビン260上の90度ずらした方向に、アンテナ26bのコイル26b0が巻かれる。最後に、図4(c)のように、コイルボビン260上のさらに90度ずらした方向に、アンテナ26cのコイル26c0が巻かれる。
こうして複数の受信アンテナ26a〜26cは、各コイル26a0〜26c0が互いにほぼ90度ずつずれて直交する方向となるように、単一のコイルボビン260に巻回されて構成される。
車載機1の送信アンテナ31a〜31cから携帯機2に送信される電界強度測定用信号および認証要求信号は、LF帯波を用いていることから磁束の性質を有する。
携帯機2の受信アンテナ26a〜26cとしては上記したようにコイルアンテナが使用されるので、携帯機2の受信感度は強い指向性を有し、磁束がコイル26a0〜26c0に直行する向きで最大となり、磁束がコイル26a0〜26c0に並行になると最小となる。携帯機2が磁束内にあるときコイル26a0〜26c0のいずれかが磁束を受け続けて起電力が発生する。
携帯機2の受信アンテナ26a〜26cは、車載機1からの電界強度測定用信号を受信して、各アンテナ26a〜26cの受信電界強度測定(RSSI)値をベクトル和することにより、携帯機2はその向きによらず、その位置の磁束の電界強度を得ることが出来る。この電界強度より車載機1のLF送信アンテナ31a〜31cと携帯機2との間の距離が分り、車両100に対する携帯機2の位置を推定することが出来る。
ここで、この発明の実施の形態1による携帯機2のLF受信系の故障検出原理について説明する。
携帯機2は、3方向用のLF受信系の内1つもしくは2つが故障すると、3つの受信系の電界強度測定(RSSI)値のベクトル和を基に求めるLF送信アンテナ31から携帯機2までの距離が正しく検出出来なくなる。この故障は携帯機の位置が動いている時に、短い間隔で距離測定を繰返し、その距離の変化量を観察し、その変化量が通常有り得ないくらい大きくなることに基づき故障判定できる。
ユーザ200が乗降などで携帯機2が移動中、携帯機2が受信する磁束の向きは変化し続ける。また、携帯機2の位置の移動距離は外乱要因が無い限り唐突に変化することはない。よって、短い時間間隔で携帯機2の位置推定を行い、急激な位置変化が確認された場合、LF受信系(各々の受信アンテナ26a〜26c、LF受信回路240)の故障と判定することができる。
次に、図5および図6を参照しながら、図1〜図4に示したこの発明の実施の形態1による携帯機2の故障検出動作について、さらに具体的に説明する。
この発明の実施の形態1に係る無線通信システムの故障検出手段201は、互いに90度の向きに配置された各受信アンテナ26a〜26cの、受信電界強度(RSSI)値をベクトル和して求めた車載機1の送信アンテナ31a〜31cから携帯機2までの距離が、携帯機2のLF受信系に故障が無い限り、有り得ない急変をしないことを利用したものである。
ここでは、具体例として車載機1のLF送信アンテナ31aからの送信により、トランスポンダ通信兼用の受信アンテナ26cの断線故障を検出する場合を例にとって説明する。
図5はこの発明の実施の形態1による受信アンテナ26cの故障検出処理を示すフローチャートであり、CPU20と協働するメモリ22内にあらかじめ記憶された断線故障検出プログラム222による処理を示している。
また、図6はこの発明の実施の形態1による受信アンテナ26cの故障検出処理を示すタイミングチャートである。
図5において、ステップS101は、CPU20が、まず、RSSI回路2402から
各アンテナ26a〜26cの受信電界強度(RSSI値Ra〜Rc)を取得して、その3つの受信電界強度のベクトル和を算出する。ステップS102は、受信電界強度のベクトル和を基にLF送信アンテナ31aから携帯機2までの距離Laを求める。ステップS103は、算出した距離Laの前回値から今回値への距離変化量△Laを算出する。ステップS104は、ステップS102で求めた距離Laの今回値を前回値として記憶する。
ステップS105は、第1の比較処理により、ステップS103で求めた距離の変化量△Laが閾値Th1(距離変化量が故障判定可能か判断の判定値=故障判定実施判断用の第1の閾値)よりも大きいか否かを判定する。ステップS105において、△La>Th1(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS106の第2の比較処理に移行する。
一方、ステップS105において、△La≦Th1(すなわち、NO)と判定されれば、故障カウンタC1を前回値保持とし、ステップS111の故障判定処理に移行する。
続いて、ステップS106は、第2の比較処理により、ステップS103で求めた距離変化量△Laが第1の閾値Th1よりも大きなレベルの閾値Th2(距離変化量が故障の可能性有りの判定値=異常変化判定用の第2の閾値)よりも大きいか否かを判定する。ステップS106において、△La>Th2(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS107の第3の比較処理に移行する。
一方、ステップS106において、△La≦Th2(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS110に進んで故障カウンタC1をデクリメント(−1)し、ステップS111の故障判定処理に移行する。
続いて、ステップS107は、第3の比較処理により、ステップS103で求めた距離変化量△Laが第2の閾値Th2よりも大きなレベルの閾値Th3(距離変化量が明らかに故障か判定用の判定値=故障時変動量判定用の第3の閾値)よりも大きいか否かを判定する。ステップS107において、△La>Th3(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS108に移行して故障カウンタC1に所定値UP1を加算し、ステップS111の故障判定処理に移行する。
一方、ステップS107において、△La≦Th3(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS109に進んで故障カウンタC1をインクリメント(+1)し、ステップS111の故障判定処理に移行する。
ステップS111は、故障カウンタC1の値が閾値Th4(実際の故障時に到達し得る回数=故障確定閾値の第4の閾値)以上であるか否かを判定する。ステップS111において、C1<Th4(すなわち、NO)と判定されれば、故障が発生していないものと見なし、図5の処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS111において、C1≧Th4(すなわち、YES)と判定されれば、携帯機2のLF受信系の故障と見なし、ステップS112に進んで故障を記憶して、図5の処理ルーチンを終了する。
このように、車載機1の送信アンテナ31aからのLF送信時の故障判定を対象とした場合、送信アンテナ31aから携帯機2までの距離の変化量△Laが、第1の閾値Th1(距離変化が故障判定可能かの判定値)を越えていれば、距離変化量△Laのチェックを行う(ステップS105)。
距離変化量△Laが第1の閾値Th1を越え、第2の閾値Th2(距離変化量が故障の可能性有りの判定値)以下の場合(ステップS106のNO)、故障カウンタC1をデクリメント(−1)(ステップS110)する。
距離変化量△Laが第2の閾値Th2を越え、かつ第3の閾値Th3(距離変化量が明
らかに故障レベル)以下の場合(ステップS107のNO)、故障カウンタC1をインクリメント(+1)(ステップS109)する。
そして、距離変化量△Laが第3の閾値Th3(距離変化量が明らかに故障レベル)を越える場合、故障カウンタC1に所定値UP1を加算する(ステップS108)。
故障カウンタC1のカウンタ値が第4の閾値Th4(実際の故障時に到達し得る回数)以上になれば故障を記憶し、携帯機2や車載機1に警報または表示して伝達する。
なお、図5の断線故障検出プログラムは、RSSI回路2402からRSSI値(受信電界強度)がCPU20に入力されるごとに1回のみ実行される。
図6は故障検出処理(図5)の具体的な動作例を示したタイミングチャートである。
図6のタイミングチャートにおいては、携帯機2がLF送信アンテナ31aの近傍を移動中で、図6(a)(b)(c)に示すように3つのLF受信アンテナ26a〜26cの受信電界強度RSSIが各々変動している状態で、アンテナ26cのRSSI値が正常時と故障時の場合について、LF送信アンテナ31aと携帯機2との間の距離Laと、その距離変化量△Laと、故障カウンタC1の動作の違いを示している。
図6(d)に示すように、3つのアンテナ26a〜26cのベクトル和から算出したLF送信アンテナ31aから携帯機2までの距離Laは、アンテナ26cが正常時と故障時の場合について明らかに異なる。
図6(c)に示したアンテナ26cのRSSI値が正常時は、図6(e)に示すように距離Laの変化量△Laは小さく、故障の可能性のある第2の閾値Th2を一度越えただけで、図6(g)に示すように故障カウンタC1も直ぐにデクリメントされ故障確定閾値Th4には至らない。
一方、図6(c)に示したアンテナ26cのRSSI値が故障時は、図6(f)に示すように距離Laの変化量△Laが大きく、半数近くのタイミングで故障の可能性のある第2の閾値Th2を越えており、明らかに故障レベルの第3の閾値Th3を3回越え、図6(h)に示すように故障カウンタC1≧Th4に達した時点で故障が確定される。
なお、以上の説明では、3つのアンテナ26a〜26cのうち、アンテナ26cの故障時を例にとって説明したが、他のアンテナ26a、26bの故障時も同様に検出することができる。
以上のように、この発明の実施の形態1に係る無線通信システムは、携帯機2の互いに磁束検出方向の異なるコイルアンテナからなる複数の受信アンテナ26a〜26cで、車載機1のLFアンテナ32から送信してくる電界強度測定用信号を受信し、その受信した信号の受信電界強度を電界強度測定部2402で測定する。そして携帯機2の故障検出手段201は電界強度測定(RSSI)値から求まるLF送信アンテナ32から携帯機2までの距離の変化量の判定結果に基づいて、携帯機2のLF受信系の故障状態を検出するようにしているから、携帯機2の一部の受信アンテナなどの受信系統に故障が生じて、ユーザによる故障判定が困難なような場合でも、多大なコストを要することなく故障を検出してユーザに伝えることができる。
これにより、ユーザが故障と知らずに無線通信システムを使用し続けた際に、故障した受信アンテナの電界強度が異常なことに起因して、スマートキーレスシステムが携帯機2の位置を正しく把握できずに生じる異常動作に悩まされなくて済み、ユーザクレームを減少させることができる。
特に、故障アンテナがトランスポンダ通信兼用のLF受信アンテナ26cであって、携帯機2の電池切れ時用のバックアップ機能と兼用されている場合、電池切れでバックアップ機能を使うまで故障に気付かないという不具合を防止することができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2における無線通信システムについて、スマートキーレスエントリシステムの場合を例にとって図7及び図8に基づき詳細に説明する。
図7はこの発明の実施の形態2に係るスマートキーレスエントリシステムの車載機の回路構成を示すブロック図、図8はスマートキーレスエントリシステムの携帯機の回路構成を示すブロック図である。
実施の形態1では、携帯機2の受信系の故障判定処理や故障記憶処理を行う故障検出手段201は、携帯機2内のCPU20に設けていたが、実施の形態2の発明は、携帯機2と通信する車載機1内のCPU10に設けたものである。
図7の車載機1において、故障検出手段101は車載機CPU10に設けられ、故障検出手段101で故障判定処理や故障記憶処理を行うための断線故障検出プログラム112はメモリ11に設けられている。また故障を表示するためのLED表示器14がCPU10に接続されている。なお、LED表示器14の代わりに警報用ブザーを用いたり、併用して用いてもよい。
その他の構成は実施の形態1の図2と同じにつき、同じまたは相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
図8の携帯機2においては、携帯機2内のCPU20に設けていた故障検出手段201はなく、またメモリ22に設けていた断線故障検出プログラム222もない。その他の構成は実施の形態1の図3と同じにつき、同じまたは相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
このような構成において、車載機1のCPU10内の故障検出手段101で携帯機1のLF受信系の故障を判定する場合、携帯機2の電界強度測定部2402で測定された各電界強度測定値(RSSI値)はCPU20へ入力され、電界強度測定値(RSSI値)は認証応答信号と共にRF送信回路23およびRF送信アンテナ25を介してRF送信アンテナ25から車載機1へ送信される。
車載機1のRF受信アンテナ32は携帯機2から送信された受信電界強度値(RSSI値Ra〜Rc)を受信し、RF受信回路13を介して車載機1内のCPU10に入力されることになる。
車載機CPU10の故障検出手段101は、実施の形態1の故障検出手段201と同様に、受信電界強度のベクトル和から車載機1のLFアンテナ31と携帯機2との間の距離を求め、この距離の変化量に基づいて携帯機2の複数のLF受信系の故障状態を検出する。
なお、以上は携帯機2から車載機1に対して電界強度測定値(RSSI値)を送信していたが、携帯機2のCPU20は、各受信電界強度のベクトル和、もしくはベクトル和から求めた車載機1のLFアンテナ31と携帯機2との間の距離の変化量を求め、この求めたベクトル和または距離の変化量を車載機1に送信するようにしてもよい。
その場合、故障検出手段101は、受信電界強度のベクトル和から距離の換算(図5に示すフローチャートのステップS102)、もしくは距離の変化量の算出(図5に示すフローチャートのステップS103)からスタートし、この距離の変化量に基づいて複数のLF受信系の故障状態を検出することになる。
実施の形態3.
次に実施の形態3の発明について説明する。実施の形態3の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
故障した携帯機2が移動しているときに、故障検出を行っても携帯機2の該当故障LF
受信系のLF受信アンテナ26a〜26cの向きと、磁束の向きが適切でないと故障は検出出来ない。故障しているLF受信系のLF受信アンテナ26a〜26cの受信磁束が、増減する様な向きに携帯機2が動かないと、距離変動量の大きな変化が発生しない。つまり、携帯機2が普通に移動していると、なかなか故障カウンタC1が故障確定である第4の閾値Th4に達しない。
これを解決する為に、実施の形態3の発明は、短時間当たりの距離変化量が明らに異常なレベルの場合は、故障カウンタC1のカウント方法を、1UPずつ加算するのでなく大きくカウントアップする。また、距離変化量が正常レベルの場合でも携帯機2の向きが、たまたま故障検出し辛い場合もあるので、一気に故障カウンタC1をクリアせず,徐々にデクリメントさせるなどの対策を行う。
実施の形態4.
次に実施の形態4の発明について説明する。実施の形態4の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
上記したとおり携帯機2のLF受信系の故障検出を行うには、車載機1は短い時間間隔でLF送信を繰返し、携帯機2はそれに応じて距離変化量を観察する必要があり、車両100のバッテリーや携帯機2の電池消耗が懸念される。また、携帯機2が動いているとき(磁束に対して携帯機2の向きが変わるとき)に故障検出を行う必要がある。つまり、携帯機2が動いているときを見計らって、短時間に繰返し距離測定を行う必要がある。
図5に示す故障判定処理の間隔は、携帯機2の距離変化を判断出来る例えば100ms毎程度に実施する必要が有り、常時その様なタイミングで通信を続けると、車両100のバッテリーや携帯機2の電池消費が大きくなり非現実的となる。
この電池消耗は、例えば長い時間間隔で携帯機2の距離変化量を観察し、大きな距離変化が見られたら、短い時間間隔に切替えて距離測定を繰返すことで、解決することができる。
そこで、実施の形態4の発明は、LF送信アンテナ31と携帯機2との間の距離の測定を、まず携帯機2の移動判定が可能な、例えば数秒毎(第1の周期)で行い、100ms毎の距離変化に換算すると、距離の変化量が第1の閾値Th1より小さいレベルの第5の閾値(携帯機2が移動し始めたことを判断する判定値)以上になった時に、距離の測定周期を数秒毎(第1の周期)から100ms毎(第2の周期)に切り替えて、図5に示す故障判定処理を行うことで電池消耗を低減することができる。
実施の形態5.
次に実施の形態5の発明について説明する。実施の形態5の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
実施の形態5の発明は、LF送信アンテナ31と携帯機2との間の距離の測定を、携帯機2が移動している可能性の高い、車両100のドアが閉状態から開状態、または開状態から閉状態になったときから開始し、測定した距離の変化量に基づいて携帯機2のLF受信系の故障判定を行うものである。このようにすることで車載機1および携帯機2の電池消耗を低減することができる。
また、LF送信アンテナ31と携帯機2との間の距離の測定を、携帯機2が移動している可能性の高い、車両のリクエストスイッチ33a、33bの施錠・開錠操作が行われたときから開始し、測定した距離の変化量に基づいて携帯機2のLF受信系の故障判定を行うようにする。このようにすることで車載機1および携帯機2の電池消耗を低減することができる。
以上のように車両100のドアの開閉タイミングや、スマートキーレスシステムの施錠
・開錠リクエストスイッチ33a、33bの操作時を起点として、短時間間隔の距離測定を繰返し始めることにより電池消耗を低減することができる。
実施の形態6.
次に実施の形態6の発明について説明する。実施の形態6の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
短時間間隔で距離変化量を判定しているときに、たまたま外乱ノイズを受けると、誤った距離変化を検出してしまうことが考えられる。そこで、車載機1からLF送信を行っていない時に携帯機2で電界強度測定を行うことで、影響のあるノイズを受けていないかを検出することが出来、そのタイミングでの故障検出を中断することが出来る。
実施の形態6の発明は、携帯機2の電界強度測定部2402が、車載機1のLF送信回路12からLF送信を行っていない期間に、複数の受信アンテナ26a〜26cの各受信電界強度測定を行うことにより、携帯機2の置かれている空間の電界強度測定を行う。そして空間の電界強度測定結果が、故障判定が可能か判断する第6の閾値(ノイズが所定レベル以下であることの判定値)を超えている時は故障検出を中断し、電界強度測定結果が第6の閾値を超えていない時のみ、車載機1からのLF送信の受信電界強度測定値を測定するようにする。なお、ノイズの検出は特許文献2に記載の技術を利用できる。
このようにすることで、誤った距離変化量を検出することがなくなる。
実施の形態7.
次に実施の形態7の発明について説明する。実施の形態7の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
複数の携帯機2がほぼ同時に故障確定する確立は低く、外乱ノイズの影響を受けた可能性が高い。短時間に複数の携帯機2の故障判定条件が成立した場合でも、直ぐに故障確定せずに、保留し検出をやり直すことで、外乱による故障誤検出を防止する。
実施の形態7の発明は、万が一、故障を誤検出してしまった場合に備えて、正常復帰条件を設けておくことで、突発ノイズ等の原因で、故障検出処置が続きスマートキーレスシステムの機能が損なわれることを防ぐようにしたものである。
携帯CPU20または車載機CPU10は、復帰条件を満たす回数をカウントする故障復帰カウンタC2(図示を省略)を有し、一度携帯機2のLF受信系の故障判定条件が確定しても、故障確定状態から復帰条件を満たした場合、故障発生履歴を記憶し、システムを正常復帰させるようにする。
以下、復帰判定の実施例について、図9のフローチャートおよび図10のタイミングチャートに基づいて説明する。
図9において、ステップS201からステップS205までは、図5に示すステップS101からステップS105と同じであり、携帯機2が移動中で故障判定可能な状態であるかを判断している。
図9のステップS205において、距離の変化量△Laが閾値Th1(距離変化量が故障判定可能か判断の判定値=故障判定実施判断用の第1の閾値)よりも大きい(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS206の第2の比較処理に移行する。
一方、ステップS205において、△La≦Th1(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS209の復帰処理判定に移行する。
ステップS206は、第2の比較処理により、距離変化量△Laが閾値Th1よりも大きなレベルの閾値Th2(距離変化量が故障の可能性有りの判定値=異常変化判定用の第2の閾値)よりも小さいか否かを判定し、距離変化量△Laが異常のものでないかを判断
している。
ステップS206において、△La≦Th2(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS207に進んで復帰カウンタC2をインクリメント(+1)し、ステップS209の復帰処理判定に移行する。
一方、ステップS206において、△La>Th2(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS208に移行して復帰カウンタC2を0クリアする。
続いて、ステップS209は、復帰カウンタC2の値が閾値Th7(正常復帰させる条件のカウント値である第7の閾値)以上であるか否かを判定する。ステップS209において、C2≧Th7(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS210に移行し、故障記憶フラグをクリアすると共に故障履歴フラグは保持して、図9の処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS209において、C2<Th7(すなわち、NO)と判定されれば、図9の処理ルーチンを終了する。
図10は復帰処理(図9)の具体的な動作例を示したタイミングチャートである。
図10のタイミングチャートにおいては、携帯機2がLF送信アンテナ31aの近傍を移動中で、図10(a)(b)(c)に示すように3つのLF受信アンテナ26a〜26cの受信電界強度RSSIが各々変動している状態で、3つのアンテナ26a〜26cのベクトル和から算出したLF送信アンテナ31aから携帯機2までの距離Laは、図10(d)に示すようになっている。
距離Laの変化量△Laは、図10(e)に示すように故障判定可能か判断の判定値である第1の閾値Th1を越えたり越えなかったりしている。距離変化量△Laが第1の閾値Th1を越えた場合は、図10(f)に示すように復帰カウンタC2はカウントUPしていき、復帰カウンタC2のカウント値が第7の閾値Th7に達したら復帰を確定し、図10(g)のように故障記憶フラグをクリアして正常時に戻す。一方、図10(h)に示すように故障履歴フラグは故障のまま保持しておく。
このように携帯機2のLF受信系の故障判定条件が一度確定しても、携帯CPU20または車載機CPU10は、故障確定状態から復帰条件(距離変化量△Laが第2の閾値Th2を越えずに、第1の閾値Th1を越える回数が所定回数に達した場合)を満たした場合、故障発生履歴を記憶し、システムを正常復帰させるようにする。
実施の形態8.
次に実施の形態8の発明について説明する。実施の形態8の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
折角、携帯機2の故障が検出出来ても、故障箇所が半断線等の状態で、正常復帰条件を満たして復帰してしまい、故障・正常判定を繰返してしまう恐れがある。
実施の形態8の発明は、正常復帰の回数をカウントし、正常復帰回数制限を設けることで半故障状態を検出することが出来るようにしたものである。
実施の形態8の発明において、携帯機CPU20または車載機CPU10は、携帯機2のLF受信系の故障確定状態から復帰条件を満たし復帰した回数をカウントする故障復帰回数カウンタC3(図示を省略)を有し、故障復帰回数カウンタC3が本当に故障していると判断する第8の閾値Th8に達した時点で、故障状態からの復帰を禁止するようにする。
また、故障カウンタC1の値、復帰カウンタC2の値、故障復帰回数カウンタC3の値、および各種の閾値は、車載機1のメモリ11または携帯機2のメモリ22に記憶するか、両方のメモリ11、22に記憶している。
図11はこの発明の実施の形態8によるLF受信系の故障復帰禁止処理を示すフローチャートであり、携帯機CPU20または車載機CPU10による処理を示している。
また、図12はこの発明の実施の形態8による故障復帰禁止処理を示すタイミングチャートである。
図11および図12において、故障記憶フラグF1は、LF受信系の故障が確定したら故障記憶フラグF1をセットし、故障復帰条件が成立したら故障記憶フラグF1をクリアする。また、故障記憶フラグF1がセットされている間、システムはLF受信系が故障時の処理を行う。
故障履歴フラグF2は、LF受信系が一度でも故障確定した履歴を残す。故障が確定したら故障記憶フラグF1と併せて故障履歴フラグF2もセットする。また、故障復帰条件が確定しても故障履歴フラグF2はクリアしない。
故障復帰禁止フラグF3は、LF受信系の故障が確定して故障記憶フラグF1がセットされた状態で故障復帰条件が成立して故障記憶フラグF1がクリアされた回数を故障復帰回数カウンタC3でカウントし、カウント値が第8の閾値に達したときに、故障復帰禁止フラグF3をセットする。
故障復帰禁止フラグF3がセットされていれば、たとえ故障復帰条件が成立しても故障記憶フラグF1のクリアを行わない。これにより、故障状態からの復帰を禁止する。第8の閾値は故障確定状態からの復帰回数の制限を示している。
図11において、ステップS301は、故障が確定しているか否かを判定し、故障が確定していれば(YES)、ステップS302に移行して故障記憶フラグF1をセットすると共に、故障履歴フラグF2もセットする。
ステップS303は、故障復帰が確定しているか否かを判定し、故障復帰が確定していれば(YES)、ステップS304に移行して故障記憶フラグF1がセットされているか否か判定する。もし、ステップS303において、故障復帰が確定していなければ(NO)、ステップS308に移行する。
ステップS304において、故障記憶フラグF1がセットされていれば(YES)、ステップS305に移行して故障復帰禁止フラグF3がセットされているか否か判定する。もし、ステップS304において、故障記憶フラグF1がセットされていなければ(NO)、ステップS308に移行する。
ステップS305において、故障復帰禁止フラグF3がセットされていれば(YES)ステップS308に移行する。もし、ステップS305において、故障復帰禁止フラグF3がセットされていなければ(NO)、ステップS306に移行して故障記憶フラグF1をクリアする。続いてステップS307に進み、故障復帰回数カウンタC3をインクリメント(+1)する。
ステップS308は、故障復帰回数カウンタC3の値が閾値Th8(第8の閾値)以上であるか否かを判定する。ステップS308において、C3≧Th8(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS309に移行し、故障復帰禁止フラグF3をセットして図11の処理ルーチンを終了する。
もしステップS308において、C3<Th8(すなわち、NO)と判定されれば、図11の処理ルーチンを終了する。
図12は故障復帰禁止判定処理(図11)の具体的な動作例を示したタイミングチャートである。
図12のタイミングチャートにおいて、図12(a)は図6のフローチャートに基づき故障検出カンタC1が第4の閾値Th4を越え、故障が確定している状態を示している。また、図12(b)は図9のフローチャートに基づき故障復帰カウンタC2が第7の閾値
Th7を超え、故障が復帰している状態を示している。
このような状態で、図12(c)に示す故障記憶フラグF1は、故障が確定した時にセットされ、故障が復帰した時にクリアされている。また、故障履歴フラグF2は図12(d)に示すように故障が一度確定した時にセットされ、故障が復帰してもクリアされずにセット状態を維持している。図12(e)は故障復帰回数カウンタC3のカウント状態を示し、故障記憶フラグF1が一度セットされた後にクリアされる度にカウントUPしている。故障復帰回数カウンタC3のカウント値が第8の閾値Th8に達した時に、図12(f)に示すように故障復帰禁止フラグF3はセットされ、復帰禁止を確定している。
このように実施の形態8の発明は、一旦故障が確定した後に、故障箇所が半断線等の状態で正常復帰条件を満たして復帰してしまい、故障・正常判定を繰返している場合でも、故障確定状態から復帰した回数を携帯機CPU20または車載機CPU10に設けた故障復帰回数カウンタC3でカウントし、故障復帰回数カウンタC3が本当に故障していると判断する第8の閾値に達した時点で、故障状態からの復帰を禁止するようにしているから半故障状態を検出することが出来る。
実施の形態9.
次に実施の形態9の発明について説明する。実施の形態9の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
携帯機2が車両100に複数登録されている場合、幾つかの携帯機2が故障しても正常な携帯機2が残っていれば、故障警告表示をした上でスマートキーレスシステム機能を維持させることが考えられる。ユーザ200はこの警告表示が携帯機2の故障とは認識出来ず、またキーレスシステム機能に支障が無いのでそのまま放置してしまい、故障に気付かなかったときと同様の問題に直面することになる。
実施の形態9の発明は、携帯機2の故障検出時に、携帯機2のLED表示器27または車載機1のLED表示器14に、システム異常の警告と併せて携帯機2の電池切れ警告を行い、ユーザ200に携帯機2に問題があることを認識させるようにしたものである。
なお、表示器はLED表示器に限らず、ユーザ200に認識させるものあれば、どのような表示器でもよい。
実施の形態10.
次に実施の形態10の発明について説明する。実施の形態10の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
実施の形態10の発明は、故障を検出した携帯機2のLED表示器27を点滅させることで、携帯機2の故障をユーザ200に認識させるようにしたものである。
ただし、通常携帯機2は鞄やポケットの中に入れて使用される為、LED表示器27を点滅させても気付かれない場合が多い。その場合、携帯機2がユーザ200の目に触れるタイミングに携帯機2のLED表示器27を点滅させたり、ブザーを併用するなどで解決できる。
実施の形態11.
次に実施の形態11の発明について説明する。実施の形態11の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
実施の形態11の発明は、故障を検出した携帯機2のLED表示器27を点滅させて携帯機2の故障をユーザ200に認識させる場合、携帯機2を取り出させて注目させる手段として、スマートキーレスシステムでユーザ200のドア施錠・開錠要求を受付けるための、車両100のリクエストスイッチ33a、33bの操作に対して、わざと反応しないよう操作入力を受付けないようにしたものである。
このようにすることで、ユーザ200に対して携帯機2を取り出させ、入力回路21のキーレスエントリーの施錠・開錠スイッチを操作させる。この操作のときに、ユーザ200に携帯機2のLED表示器27の点滅を気付かせることが出来る。
実施の形態12.
次に実施の形態12の発明について説明する。実施の形態12の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
実施の形態12の発明は、故障を検出した携帯機2のLED表示器27を点滅させて携帯機2の故障をユーザ200に認識させる場合、携帯機2を取り出させて注目させる手段として、リクエストスイッチ33a、33bの操作は受付けるが、操作の受付けエリアを正常時より極端に狭くするようにしたものである。このようにすることで、ユーザ200に携帯機2を取り出させると共に、併せて携帯機2の電池切れを連想させる効果も期待出来る。
実施の形態13.
次に実施の形態13の発明について説明する。実施の形態13の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
実施の形態13の発明は、故障を検出した携帯機2のLED表示器27を点滅させて携帯機2の故障をユーザ200に認識させる場合、携帯機2を取り出させて注目させる手段として、ユーザ200が携帯機2の入力回路21のキーレスエントリーの施錠・開錠のスイッチを操作したとき、携帯機2のRF送信回路23の送信出力を下げ、到達距離を短くするようにしたものである。このようにすることで、ユーザ200に携帯機2の電池切れを連想させて着目させ、確実に携帯機2のLED表示器27の点滅を気付かせることが出来る。
実施の形態14.
次に実施の形態14の発明について説明する。実施の形態14の構成は実施の形態1または2と同じ構成である。
実施の形態14の発明は、車両100の運転中、携帯機2のLED表示器27が点滅を続けると、運転に支障が出ることが考えられるので、車両100が走行可能状態になったら、LED表示器27の点滅を止め、消灯するようにしたものである。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1:車載機、 2:携帯機、
4:制御装置、 10:車載機CPU、
11:車載機メモリ、 12:LF送信回路、
13:RF受信回路、 14:LED表示器、
17:スイッチ入力回路、 18:トランスポンダ通信用回路、
20:携帯機CPU、 21:入力回路、
22:携帯機メモリ、 23:RF送信回路、
24:LF通信回路、 25:RF送信アンテナ、
26a〜26c:アンテナ(LF受信アンテナ)、 27:LED表示器、
31a〜31c:LF送信アンテナ、 32:RF受信アンテナ、
33a、33b:リクエストスイッチ、 35:トランスポンダ通信用アンテナ、
100:車両、 101:故障検出手段、
111:認証コード、 112:断線故障検出プログラム、
200:ユーザ、 201:故障検出手段、
221:認証コード、 222:断線故障検出プログラム、
240:LF受信回路、 241:トランスポンダ機能選択回路、
242:トランスポンダ機能回路、 2402:電界強度測定部(RSSI回路)。


Claims (19)

  1. 車両に搭載された無線通信機能を有する車載機と、前記車両のユーザによって携帯され、前記車載機との間で無線通信機能を有する携帯機とにより構成され、前記車載機は前記携帯機から受信した認証コードと前記車載機に記憶された認証コードとの照合を行うようにした無線通信システムであって、
    前記車載機は、車載機CPUと、認証コードを記憶する車載機メモリと、電界強度測定用信号および認証要求信号をLF送信アンテナを介して前記携帯機に送信するLF送信回路と、前記携帯機からの認証応答信号を受信する受信回路とを備え、
    前記携帯機は、携帯機CPUと、認証コードを記憶する携帯機メモリと、前記電界強度測定用信号および前記認証要求信号を受信する複数の受信アンテナおよび受信回路からなるLF受信系と、前記携帯機メモリ内の認証コードを含む認証応答信号を前記車載機に送信する送信回路と、前記複数の受信アンテナごとに前記電界強度測定用信号の受信電界強度を測定する電界強度測定部とを備え、
    前記携帯機の複数の受信アンテナは、互いに磁束検出方向の異なるコイルアンテナからなり、前記携帯機CPUは、前記電界強度測定部で測定した複数の受信アンテナごとの各受信電界強度測定値をベクトル和することで前記LF送信アンテナと前記携帯機との間の距離を算出し、この算出した距離の変化量に基づいて前記LF受信系の故障状態を検出する故障検出手段を含むことを特徴とする無線通信システム。
  2. 車両に搭載された無線通信機能を有する車載機と、前記車両のユーザによって携帯され、前記車載機との間で無線通信機能を有する携帯機とにより構成され、前記車載機は前記携帯機から受信した認証コードと前記車載機に記憶された認証コードとの照合を行うようにした無線通信システムであって、
    前記車載機は、車載機CPUと、認証コードを記憶する車載機メモリと、電界強度測定用信号および認証要求信号をLF送信アンテナを介して前記携帯機に送信するLF送信回路と、前記携帯機からの認証応答信号を受信する受信回路とを備え、
    前記携帯機は、携帯機CPUと、認証コードを記憶する携帯機メモリと、前記電界強度測定用信号および前記認証要求信号を受信する複数の受信アンテナおよび受信回路からなるLF受信系と、前記携帯機メモリ内の認証コードを含む認証応答信号を前記車載機に送信する送信回路と、前記複数の受信アンテナごとに前記電界強度測定用信号の受信電界強度を測定する電界強度測定部とを備え、
    前記携帯機の複数の受信アンテナは、互いに磁束検出方向の異なるコイルアンテナからなり、前記携帯機CPUは、前記電界強度測定部で測定した複数の受信アンテナごとの各受信電界強度測定値を、前記送信回路を介して前記車載機に送信し、
    前記車載機CPUは、前記携帯機から送信された受信電界強度測定値をベクトル和することで前記LF送信アンテナと前記携帯機との間の距離を算出し、この算出した距離の変化量に基づいて前記携帯機のLF受信系の故障状態を検出する故障検出手段を含むことを特徴とする無線通信システム。
  3. 複数の受信アンテナおよび受信回路からなるLF受信系は、3個の受信アンテナおよび受信回路からなる3つのLF受信系で構成され、前記3個の受信アンテナは直方体のコイルボビンに互いにほぼ90度ずつずらした方向に巻回されたコイルで構成されてなる請求項1または請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 故障検出手段は、LF送信アンテナと携帯機との間の距離の時間当たりの変化量が、故障判定実施判断用の第1の閾値を超え、且つ前記第1の閾値より大きな異常変化判定用の第2の閾値を超えたときに、前記携帯機のLF受信系の故障を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  5. 故障検出手段は、LF送信アンテナと携帯機との間の距離の時間当たりの変化量が、故障判定実施判定用の第1の閾値を超え、且つ前記第1の閾値より大きな異常変化判定用の第2の閾値を超えた場合に、カウンタ値をインクリメントする第1の故障カウンタを有し、前記第1の故障カウンタが第4の閾値に達した時点で、前記携帯機のLF受信系の故障を確定して記憶することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  6. 故障検出手段は、LF送信アンテナと携帯機との間の距離の時間当たりの変化量が、故障判定実施判断用の第1の閾値を超え、且つ前記第1の閾値より大きな異常変化判定用の第2の閾値以下の場合、カウント値をデクリメント(−1)し、前記変化量が、前記第2の閾値を超え、且つ前記第2の閾値より大きな明らかに故障時の変動量判定用の第3の閾値以下の場合、カウント値をインクリメント(+1)し、前記変化量が、前記第3の閾値を越えた場合、カウント値に第1の所定加算値UP1を加算する第1の故障カウンタを有し、前記第1の故障カウンタが第4の閾値に達した時点で、前記携帯機のLF受信系の故障を確定して記憶することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  7. LF送信アンテナと携帯機との間の距離の測定を、前記携帯機の移動判定が可能な第1の周期で行い、前記距離の変化量が第1の閾値より小さい第5の閾値以上になったとき、前記第1の周期より短い第2の周期に切り替えて距離の測定を行い、前記距離の変化量に基づいて前記携帯機のLF受信系の故障判定を行うことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  8. LF送信アンテナと携帯機との間の距離の測定を、車両のリクエストスイッチで施錠または開錠操作が行われたときから開始し、前記距離の変化量に基づいて前記携帯機のLF受信系の故障判定を行うことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  9. LF送信アンテナと携帯機との間の距離の測定を、車両ドアの開閉タイミングを起点として開始し、前記距離の変化量に基づいて前記携帯機のLF受信系の故障判定を行う事を特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  10. 電界強度測定部は、車載機のLF送信回路からLF送信を行っていない期間に、複数の受信アンテナの各受信電界強度測定を行うことにより、携帯機の置かれている空間の電界強度測定を行い、前記空間の電界強度測定結果が、故障判定が可能か判断する第6の閾値を超えていないときのみ、前記車載機からのLF送信の受信電界強度測定値を測定するようにした請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  11. 携帯機CPUまたは車載機CPUは、一度携帯機のLF受信系の故障判定条件が確定した故障確定状態から復帰条件を満たす回数をカウントする故障復帰カウンタを有し、前記故障復帰カウンタのカウント値が正常復帰条件の第7の閾値に達した場合、故障発生履歴を記憶し、システムを正常復帰させることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  12. 携帯機CPUまたは車載機CPUは、携帯機のLF受信系の故障確定状態から復帰条件を満たし復帰した回数をカウントする故障復帰回数カウンタを有し、前記故障復帰回数カウンタのカウント値が本当に故障していると判断する第8の閾値に達した時点で、故障状態からの復帰を禁止することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  13. 携帯機または車載機に表示器を設け、携帯機のLF受信系の故障が確定した場合に、前記表示器にシステムの故障警告表示を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  14. 携帯機のLF受信系の故障が確定した場合、表示器にLF受信系の故障警告表示と併せて携帯機の電池切れ警告表示を行うことを特徴とする請求項13に記載の無線通信システム。
  15. 携帯機にLED表示器を設け、携帯機のLF受信系の故障が確定した場合に、前記LED表示器を点滅させることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  16. 携帯機にLED表示器を設け、携帯機のLF受信系の故障が確定した場合に、前記LED表示器を点滅させると共に、前記LED表示器を点滅させていても、車両が走行可能状態になっている間、前記LED表示器を消灯するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  17. 車両のドアに施錠・開錠リクエストスイッチを設け、携帯機のLF受信系の故障が確定した場合、前記施錠・開錠リクエストスイッチの入力を受付けないようにすることにより、LED表示器の点滅を気付かせるようにした請求項15に記載の無線通信システム。
  18. 車両のドアに施錠・開錠リクエストスイッチを設け、携帯機のLF受信系の故障が確定した場合、前記施錠・開錠リクエストスイッチの開錠受付エリアを正常時より狭くすることにより、LED表示器の点滅を気付かせるようにした請求項15に記載の無線通信システム。
  19. 携帯機にキーレスボタンの入力回路を設け、携帯機のLF受信系の故障が確定した場合、前記入力回路の操作時のRF送信出力を正常時より下げることにより、LED表示器の点滅を気付かせるようにした請求項15に記載の無線通信システム。
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