JP2013226594A - ポーラス構造体、その製造方法及びポーラス構造体製造装置 - Google Patents

ポーラス構造体、その製造方法及びポーラス構造体製造装置 Download PDF

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淳一 市川
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良脩 矢原
Tatsuro Hayashida
達郎 林田
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Abstract

【課題】従来よりも製造時における安全性に優れ、かつ方向性気孔の配置制御を簡易に、かつ正確に行え得るポーラス構造体、その製造方法及びポーラス構造体製造装置を提供すること。
【解決手段】ポーラス金属1では、パイプ材2と、パイプ材外壁2bを被覆するように形成された基材3とを備え、パイプ材外壁2bの界面と、基材3とが一体化され、基材3内に方向性気孔を基材3の長手方向に沿って配置させるようにした。これによりポーラス金属1では、従来、方向性気孔を作製する際に用いていた水素ガスが不要となり、その分、従来よりも製造時における安全性に優れ、また、予め用意した任意のパイプ材を基材材料(溶湯)内に並べて方向性気孔を形成することから、方向性気孔の配置制御を簡易に、かつ正確に行え得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポーラス構造体、その製造方法及びポーラス構造体製造装置に関する。更に詳しくは、軽量であり、強度等の諸物性に優れ、基材を貫通する方向性気孔を有するポーラス構造体、その製造方法及びポーラス構造体製造装置に関する。
いわゆるポーラス金属は、緻密材金属として、最も軽量かつ、高い比強度を有するマグネシウム合金をはるかに超える物性を有する金属として注目されている。例えば、省エネルギー化の観点から、自動車、航空機等の車両、機体部品にポーラス金属を採用することにより、軽量化を図ることができる。さらに、ポーラス金属をこれらの車両部品に採用することにより、制振性、断熱性等の車両の機能性を向上させることが期待されている。
ところで、ポーラス金属は、その内部及び外部表面に種々の大きさ、長さを有する気孔(ポア)を複数有する多孔質構造をとっている。このため、ポーラス金属は、比表面積が大きく、高いエネルギー吸収能等の特性を有する機能性材料として活用されている。
一方、ポーラス金属は、その内部に球形の気孔(ポア)を有していることから、球形の気孔(ポア)周囲は、応力集中を受ける。このため、多くのポーラス金属は、単位質量あたりの強度(比強度)が緻密材金属に比較して低下してしまうという問題点があった。
そこで、ポーラス金属の内部に存在している気孔(ポア)を一方向に整列させるように制御したポーラス金属が提案されている。このポーラス金属は、その内部に存在している気孔(ポア)が一方向に整列されるように制御されているため、気孔の長手方向に力学的な負荷をかけた場合であっても、気孔周囲に応力集中が起こらない。このため、その比強度が緻密材金属に比較して低下しないことが知られている。このようなポーラス金属の内部に存在している気孔を緻密に制御したポーラス金属として、いわゆるロータス金属が提案されている。なお、ロータス(レンコン)金属の名前の由来は,方向性を持った気孔(ポア)が蓮根に似ていることに由来する。
ところで、気孔を有する金属材料の製造方法としては、ドリル等の切削機器を用いて金属加工を施すことにより気孔を形成する方法やレーザー等を照射することにより気孔を形成する方法が提案されている。
また、ロータス金属の製造方法として、金属の固相と液相間での水素ガスの溶解度差を利用し、溶融金属を一方向により凝固する方法が提案されている(特許文献1)。この製造方法は、液体金属と比較して固体金属中の水素ガスの固溶度が小さい場合に、凝固時に固溶しきれない水素ガスが気泡となって発生することを利用するものである。なお、本件特許出願人は、文献公知発明が記載された刊行物として、以下の刊行物を提示する。
特開2000−239760号公報
しかしながら、上記気孔を有する金属材料の製造方法は、ドリル等の切削機器やレーザー等の光学機器を用いなければならない。しかも、上記製造方法は、金属材料の気孔率、気孔径、配置等を制御するためには多くの工程が必要となっていた。このような観点から、簡易かつ容易に気孔を有する金属材料を製造することができる方法が切望されてきた。
ロータス金属の製造方法に採用されている加圧ガス法は、溶融金属を加圧下で水素ガスを溶解させるものであり、加圧のための加圧ガスチャンバー必要となる。この加圧ガスチャンバーは、複雑かつ高価な装置であり、しかも水素ガス自体が暴爆性を有するため取扱いが困難である。また、水素ガスを使用しなくても製造可能となるように上記製造方法に採用されている化合物の熱分解法においては、溶融金属に水素ガスと溶解させるために、溶湯への水素を含む化合物粉末の添加した場合には、気孔(ポア)形成のメカニズムを制御することが困難である。
本発明は、かかる技術的事情に鑑みてなされたものであって、従来よりも製造時における安全性に優れ、かつ方向性気孔の配置制御を簡易に、かつ正確に行え得るポーラス構造体、その製造方法及びポーラス構造体製造装置を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、従来のポーラス構造体の製造方法と全く異なる視点より、ポーラス構造体の気孔率、その気孔径、配置を簡易かつ容易に制御することができる他、気孔周囲のミクロ組織を緻密に制御することができるポーラス構造体の製造方法を提供することを課題とする。
本件発明者等は、鋭意検討を行った結果、ポーラス構造体を構成する部材として、パイプ材と、このパイプ材の長手方向外壁を被覆する基材とを採用し、上記パイプ材と上記基材の物性を規定することによって、一体化できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下の技術的事項から構成される。
本発明の請求項1のポーラス構造体は、パイプ材と、パイプ材外壁を被覆するように形成された基材とを備え、パイプ材外壁の界面と、前記基材とが一体化され、前記パイプ材によって前記基材内に方向性気孔が形成されていることを特徴とする。
また、請求項2のポーラス構造体は、上記パイプ材は前記基材内に疎密に配置されていることを特徴とする。
また、請求項3のポーラス構造体は、前記基材の外周面側に配置された前記パイプ材は、前記基材の中心部側に配置された前記パイプ材に比して、前記方向性気孔の開口が小さく選定されていることを特徴とする。
また、請求項4のポーラス構造体は、前記パイプ材の内径が20μm〜200mmであることを特徴とする。
また、請求項5のポーラス構造体は、前記基材及び/又はパイプ材がアルミニウム、マグネシウム、チタン、ニッケル、金、銀、銅、鉛、モリブデン、亜鉛及び鉄から選ばれるいずれか一つの金属を成分として含有することを特徴とする。
また、請求項6のポーラス構造体は、請求項1〜5いずれかに記載のポーラス構造体を加熱して、前記ポーラス構造体中の前記パイプ材成分の組成分布及び/又は組織分布を制御して得られることを特徴とする。
また、請求項7の構造材料又は機能材料は、請求項1〜6いずれかに記載のポーラス構造体を備えたことを特徴とする。
また、請求項8の輸送機器軽量構造材又は機械移動体は、請求項1〜6いずれかに記載のポーラス構造体を備えたことを特徴とする。
また、請求項9のポーラス構造体の製造方法は、固液共存状態又は液体状態のいずれかの基材材料とする工程と、前記固液共存状態又は前記液体状態の前記基材材料とパイプ材とを合わせる工程と、前記固液共存状態又は前記液体状態の前記基材材料と、前記パイプ材を合わせた状態で冷却する工程とを備えることを特徴とする。
また、請求項10のポーラス構造体の製造方法は、前記固液共存状態又は前記液体状態の前記基材材料とパイプ材とを合わせる工程における前記固液共存状態又は前記液体状態の前記基材材料の温度をTとし、前記パイプ材の融点又は液相線温度をTpとしたとき、T≦Tpの関係を満たすことを特徴とする。
また、請求項11のポーラス構造体製造装置は、固液共存状態又は液体状態のいずれかの基材材料を貯留する貯留手段と、パイプ材を保持する保持手段と、前記貯留手段の前記基材材料と前記保持手段の前記パイプ材とを合わせた状態で冷却する冷却手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、従来よりも製造時における安全性に優れ、簡易に、かつ正確に気孔率、気孔径及び気孔の配置を制御することができるポーラス構造体、その製造方法及びポーラス構造体製造装置を実現し得る。
ポーラス金属のモデル構造を示した図である。 ポーラス金属の製造方法の各工程を示した図である。 ポーラス金属の製造装置の概略図である。 実施例により製造されたポーラス金属の写真である(正面図1,斜視図)。 実施例により製造されたポーラス金属の写真である(正面図2)。 実施例により製造されたポーラス金属の写真である(斜視図)。 他の実施の形態によるポーラス金属の構成を示す概略図である。 板状のポーラス金属を製造可能なポーラス金属製造装置の構成を示す概略図である。 セミソリッドスラリーを用いてポーラス金属を製造する際の各工程の説明に供する概略図である。 セミソリッドスラリーを用いて製造されたポーラス金属の断面構成を示す写真である。
<ポーラス金属>
本発明のポーラス構造体は、一又は複数のパイプ材と、パイプ材の軸方向の外壁を被覆する基材とを備え、その基材の長手方向に貫通する方向性気孔を備えていることを特徴とするものである。ここでは、ポーラス構造体のうち、例えば基材及びパイプ材がともに金属系材料でなるポーラス金属について、以下詳細に説明するが、本発明はこれに限らず、基材又はパイプ材のいずれか一方が金属系材料でなり、他方がシリコンなどの非金属系材料でなるポーラス構造体や、或いは基材及びパイプ材がともに非金属系材料でなるポーラス構造体であってもよい。
(パイプ材)
パイプ材は、ポーラス構造体としてのポーラス金属の方向性気孔を形成するための部材である。パイプ材は、一端側及び他端側が開口とされた円管状や角管状などの管状部材からなり、一端から他端に亘って軸方向に延びる中空領域が壁部によって形成された構成を有する。パイプ材の軸方向(長手方向)の外壁は、その基材によって被覆されており、その外壁と基材の界面が溶融し、金属結合して一体となる。そして、パイプ材の内壁により囲まれた中空領域が、ポーラス金属の方向性気孔となる。すなわち、本発明のポーラス金属は、パイプ材内部の空間をそのまま活用し、ポーラス金属の方向性気孔を形成している。
図1に本発明のポーラス金属のモデル構造を示した。図1において、ポーラス金属1は、パイプ材2と基材3から構成されており、パイプ材2のパイプ材内壁2aに囲まれた一端及び他端間の中空領域が、ポーラス金属の基材3を貫通する方向性気孔となっている。パイプ材2は、ポーラス金属1の一端部から他端部まで貫通しており、ポーラス金属1の一端部側に一方の方向性気孔口4aを形成し、他端側に他方の方向性気孔口4bを形成している。図1において、2bは、パイプ材2のパイプ材外壁を示している。そして、当該パイプ材外壁2bが基材3と一体化してポーラス金属1を形成している。
ここで、ポーラス金属1が有している方向性気孔とは、パイプ材2のパイプ材内壁2aに囲まれた中空領域であり、パイプ材2が有する一定の方向をもった気孔をいう。この気孔は、パイプ材2のパイプ材内壁2aに囲まれた中空領域であるため、ポーラス金属1の使用形態に応じて、パイプ材2の種類を適宜採択するだけで、所望した長さを有し、かつ方向性を有する最適な気孔を簡易にポーラス金属1に形成することができる。
また、パイプ材2の軸方向の長さを基材3で被覆される部位よりも、さらに長いものとすることにより、方向性気孔が基材3を貫通し、パイプ材2の一端及び他端が基材3から露出したポーラス金属1を製造することができる。
パイプ材の軸方向の長さは、ポーラス金属の用途により適宜設定することができ、特に制限されるものではない。
パイプ材2の軸方向と直交する方向の断面形状は、その内壁から形成される内形形状と、その外壁から形成される外形形状とから構成される。パイプ材2の内壁により形成される内形形状及びその外壁より形成される外形形状は、適宜設定することができ、特に制限されるものではない。例えば、円形、楕円形等の円系形状、三角形、四角形、五角形等の多角形系形状、星型形状、サイクロイド形状等その他機械工学的、人間工学的、数学的に制御された形状であってもよい。具体的には、内形形状を六角形とし、外形形状を円形とした均一な複数のパイプ材を採用することにより、ポーラス金属1の方向性気孔の断面形状に「三次元ハニカム形状」を付与することもできる。そして、ポーラス金属1の長手方向に対して垂直に負荷がかかった場合であっても、応力集中を低減させることができるという観点から、上記断面形状の中でも、円形が特に好ましい。
パイプ材として、内形形状及び外形形状を有するパイプ材2を採択し、このパイプ材2を複数個使用することによって、ポーラス金属1に存在する複数の方向性気孔を均一なものとすることができる。本発明は、均一なパイプに限定するものでなく、所望する特性を発現させるために不均一なものとすることもできる。
従来のポーラス金属は、水素ガス等の圧力の制御により気孔を形成しているため、その気孔サイズ、気孔分布が均一となっていないものであった。しかしながら、本発明のポーラス金属1は、均一形状、均一気孔を有するパイプ材2を使用することにより、パイプ材内壁2aにより囲まれた中空領域をそのままポーラス金属1の方向性気孔とすることができる。このように本発明のポーラス金属1は、その構成部材であるパイプ材2の採択により、ポーラス金属1が有する方向性気孔の方向を統一することができるだけでなく、その方向性気孔の位置や、気孔の大きさ、気孔率の制御を自由自在に行うことができる。
パイプ材2の形状は、そのパイプ材外壁2bより形成される外形形状と、そのパイプ材内壁2aより形成される内形形状が同一であっても、異なっていてもよく、これらの外形形状と内形形状をポーラス金属1の用途に応じて、適宜自由に組み合わせることができる。例えば、パイプ材2のパイプ材外壁2bにより形成される外形形状及びパイプ材内壁2aにより形成される内形形状が共に円形としてもよいし、パイプ材2の外壁より形成される外形形状を四角形とし、その内形形状を円形としてもよい。そして、好ましいパイプ形状の外形は、ポーラス金属1の製造工程における凝固の際の温度分布の均一性、基材溶湯の充填性の観点から、円形であることが望ましい。
パイプ材2のパイプ材外壁2bより形成される外形形状及びパイプ材内壁2aより形成される内形形状の大きさは、ポーラス金属1の用途に応じて適宜設定することができる。例えば、上記外形形状及び内径形状が円形である場合、ポーラス金属1の最大気孔率は、パイプ材2の内径と、その外径との差、さらに基材3に対するパイプ材の収容数により定められる。パイプ材2の内径に対して、肉厚を薄くすることにより、ポーラス金属1の気孔率を大きくするこができ、一方、パイプ材2の肉厚に対して、パイプ材2の内径が小さい場合には、その肉厚が厚いものとなり、基材溶湯の浸食により、ポーラス金属1の方向性気孔が溶損しやすいものとなる。
また、ポーラス金属1に必要とされる物理的性質に応じて、パイプ材2の外壁と内壁の材料と異なるものとしてもよい。また、パイプ材2の内壁のみをパイプ材2及び基材3が溶融した段階でも溶融しない材料としてもよい。さらに、パイプ材2の外壁の界面に、基材3の界面との一体性を向上させるための材料を添加してもよい。
パイプ材2の内壁は、取り囲む中空領域がポーラス金属1の方向性気孔となるように形成されていれば良く、基材3の界面とパイプ材2の外壁の界面が溶融し一体化する際に溶解することなく、内壁としてその形状が残存することができればよい。パイプ材2の内壁のみをパイプ材2の材質と異ならせることも可能である。
パイプ材2に使用することができる材料としては、その外壁がポーラス金属1の基材3と一体化することができ、しかもその内壁がポーラス金属形成時にパイプ材2の管形状を維持することができるものであれば特に制限されるものではない。例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニッケル、金、銀、銅、鉛、モリブデン、亜鉛、鉄等の金属成分として含有する材料を採用することができる。さらに、上記金属成分を所定の割合で含有したステンレス鋼等の合金からなる材料であってもよい。また、これらの材料にシリコンを含有していてもよい。すなわち、これら金属元素を含む炭化物や、窒化物、酸化物(セラミックスなど)のような化合物を含有した材料であってもよい。
(基材)
基材3は、上記パイプ材2の外壁を被覆する部材であり、かつポーラス金属1のベースとなる部材である。基材3の形態は、ポーラス金属1の用途に応じて、適宜設計することができ、特に制限されるものではない。基材3の形態は、ポーラス金属1を製造するために必要とされる形状を製造することができる鋳型を使用して、種々の基材3の形態とすることができる。例えば、基材3の形態として、円柱、角柱等の通常の幾何的な形状の他、LSI基盤放熱盤、軸受け、自動車の各種機械部品、消音装置等の工業製品、生体硬組織代替材料(人工骨)、人工歯根等の生体材料、合板の充填材及び複合材料の母材等の形状に適合するように、必要となる基材の形態を採用することができる。また、必要に応じて、ポーラス金属1として、あらかじめ長尺の構造材を製造しておき、その後、この構造材をスライスすることにより所望の構造材とすることも可能である。さらに、上記スライスされた構造材を塑性変形して、曲げ、筒状にすることによって、放射状に気孔を配置したポーラス金属とすることも可能である。
ここで、パイプ材内壁2aの融点又は液相線温度(これらを纏めて融点・液相線温度Tpと表記する)と、固液共存状態又は液体状態の基材材料とパイプ材とを合わる工程における基材材料の温度Tとの関係は、次の関係式、T≦Tpを満たすことが好ましい。
このように基材材料の温度Tをパイプ材内壁2aの融点・液相線温度Tp以下とすれば、パイプ材2が液体状態とならず、基材3内にてパイプ材内壁2aの形状を維持し得る。かくして、このような温度条件に従って基材材料の温度Tを調整することで、パイプ材外壁2bの界面と、基材3とが一体化され、パイプ材2によって基材3内に方向性気孔が形成されたポーラス金属を製造し得る。なお、パイプ材2が合金系材料からなり、固液共存状態となる場合、例えば、基材材料の温度Tがパイプ材内壁2aの固相線温度以上であり、パイプ材2が固液共存状態になっていてもよい。この場合でも、パイプ材2が、液体状態又は固液共存状態の基材内にて、パイプ材内壁2aの形状を維持できれば、パイプ材外壁2bの界面と、基材3とが一体化した際に、パイプ材2によって基材3内に方向性気孔を形成し得、本発明のポーラス金属を製造できる。
なお、パイプ材内壁2aの融点(T)は、基材3の融点(T)より高いものであるか、又は等しいことがポーラス金属1に方向性気孔の気孔を形成するための好ましい条件となる。
後述するように、本発明のポーラス金属1は、パイプ材2が設置された鋳型に、基材3が溶融した溶湯を注湯し、その後、冷却をし、パイプ材2及び基材3を凝固させて製造されるものである。したがって、基材材料の温度Tが、パイプ材内壁2aの融点・液相線温度Tpよりも高い場合には、ポーラス金属の製造時に、パイプ材内壁2aが溶解することにより潰れてしまい、ポーラス金属に所望する方向性気孔が形成し得ず、本発明のポーラス金属を製造し難い。パイプ材内壁2aの融点・液相線温度Tpが、上記基材材料の温度Tよりも高い場合には、パイプ材内壁2aが溶融しないため、ポーラス金属の方向性気孔を形成することができる。
因みに、パイプ材内壁2aの融点(T)と、上記基材3の融点(T)とが等しい場合(T=T)には、ポーラス金属の製造時に、パイプ材内壁2aが溶融せずに、パイプ材外壁2b部分のみが溶融するよう、基材材料を加熱する温度Tを調整すればよく、この場合でもパイプ材外壁2bと基材3とを一体化させつつ、基材3内に方向性気孔を形成することができる。例えば、パイプ材2の肉厚が厚い場合には、パイプ材内壁2aの融点(T)と、上記基材3の融点(T)とが等しいときでも、基材3の温度がパイプ材内壁2aまで到達し難くなるため、パイプ材内壁2aが溶融せずに、パイプ材外壁2b部分のみが溶融しパイプ材外壁2bと基材3とを一体化させることができる。
このような観点から、本発明のポーラス金属1に採用することができる基材3の材料としては、上記で説明した物理的性質を満たすものであれば、特に制限されるものではない。例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニッケル、金、銀、銅、鉛、モリブデン、亜鉛、鉄等の金属成分として含有する材料を採用することができる。さらに、上記金属成分を所定の割合で含有した合金からなる材料であってもよい。また、シリコンのような非金属を主体にしていてもよい。なお、パイプ材と同一の材料を採用してもよい。この場合、基材及びパイプ材ともにシリコンなどの非金属系材料で形成したポーラス構造体では、パイプ材外壁の界面と、基材とが原子同士の結合によって一体化され、パイプ材によって基材内に方向性気孔が形成されている構成となり得る。
一方、基材又はパイプ材のいずれかをアルミニウムなどの金属系材料で形成し、他方のパイプ材又は基材をシリコンなどの非金属系材料で形成したポーラス構造体では、パイプ材外壁の界面と、基材とが原子同士の結合によって一体化され、パイプ材によって基材内に方向性気孔が形成されている構成となり得る。
これらの材料の中でも、ポーラス金属1の軽量化の観点から、アルミニウム、マグネシウム、及びこれらの成分を含有する合金が好ましい。また、ポーラス金属1の強度及び製造コストの観点から、鉄鋼、鋳鉄が好ましい。特に高温における強度を保持する観点から、ニッケル、チタン、及びこれらの成分を含有する合金が好ましい。さらに、熱伝導性及び電気伝導性の観点より、銅及びその合金が好ましい。
本発明のポーラス金属1は、上記これらの関係式を満たすように、パイプ材2と基材3に採用する材料を適宜選択したり、或いはパイプ材2の形状、本数、配置などを適宜選定したり、さらに所定の基材3とパイプ材とを適宜自由に組み合わせることによって、必要に応じた物理的性質を備えたものとすることができる。
<加熱処理ポーラス金属>
本発明のポーラス金属1は、さらに加熱処理が施されることにより、パイプ材2に使用されている成分の原子が基材3に分散し、基材3中で溶解することにより加熱処理ポーラス金属とすることができる。このような加熱処理ポーラス金属は、基材3中にパイプ材2の原子が適度に分散しているため、原料となった加熱処理前のポーラス金属1と比較して、化学的性質及び物理的性質が大きく異なる。
たとえば、パイプ材2として銅、基材としてアルミニウムを採択し、これらの材からなるポーラス金属1を製造し、さらに、このポーラス金属1を所定の温度にて加熱することにより、パイプ材2に含有される銅成分が、基材3であるアルミニウム材に均一又は不均一に分散した加熱処理ポーラス金属を製造することができる。加熱処理ポーラス金属は、その加熱処理温度を適宜制御することにより、ポーラス金属中のパイプ材成分の組成分布及び/又は組織分布を自由に制御することができるものとなっている。例えば、ポーラス金属1の基材3としてシリコン含有アルミニウム、パイプ材として純アルミニウムを使用した場合には、加熱処理を施すことにより、基材3に含まれるシリコンがパイプ材側に移動し、基材3とパイプ材2との界面付近には、シリコン濃度が基材よりも低いものとなった中間層を形成することができる。
加熱処理に適切な温度は、パイプ材2の内壁が溶解しない温度であり、かつ基材3中にパイプ材2の金属成分が分散することができる温度であれば、特に制限されるものでない。例えば、基材3として、アルミニウム合金、パイプ材2として銅(Cu)を使用した場合には、溶体化処理のため、共晶溶融が避けられる200〜548℃の範囲に設定することが好ましい。かつ可能な限り高い温度(例えば、547℃)に設定することにより、いわゆるα相への銅(Cu)成分の固溶量を増加させることが可能となる。このような所定の溶体化処理後、当該溶融化しているポーラス金属を室温まで急冷することにより、基材3のα相に銅(Cu)成分を過飽和に固溶させる。その後、150〜200℃にて時効処理を行うことにより、過飽和に固溶した銅(Cu)成分が準安定相として析出する。この準安定相がポーラス金属を構成する基材3の降伏強度を顕著に向上させる。このように本発明のポーラス金属においては、基材3及びパイプ材2の種類応じて、その加熱処理温度を適宜設定することにより、パイプ材2に含まれる成分を準安定相として析出させ、ポーラス金属の強度をきわめて増加させることが可能である。
<ポーラス金属の製造方法>
次にポーラス金属の製造方法について説明する。本発明のポーラス金属の製造方法は、以下の工程を備えることを特徴とする。図2にポーラス金属の製造方法の一例を示し、各工程のモデルを示した。図2において、工程(a)は、鋳型14にパイプ材10を設置する工程である。工程(b)は、パイプ材10が設置された鋳型14に、溶融した基材である溶湯12を注湯する工程と、溶湯12が注湯された鋳型14を冷却する工程である。なお、工程(c)は、加熱処理ポーラス金属を製造する際に行われる熱処理工程を示す。因みに、ポーラス金属の他の製造方法については後述し、ここでは、以下、上記の工程(a)及び工程(b)を中心に説明し、工程(c)については上記の「加熱処理ポーラス金属」にて説明したことから説明を省略する。また、ここでは、図2に示すように、工程(a)のパイプ設置工程、工程(b)の溶湯注湯・冷却工程、工程(c)の熱処理・完成工程の順に行う製造方法について先ず初めに説明し、その後、他の実施の形態として、工程(d)の溶湯注湯工程、工程(e)のパイプ設置工程、工程(f)の熱処理・完成工程を順に行う製造方法について説明する。
(ポーラス金属製造装置)
図3に本発明のポーラス金属の製造方法に用いるポーラス金属製造装置Dの概略を示した。図3において、このポーラス金属製造装置Dは、基材が溶融した溶湯12を注入するための鋳型14を備え、この鋳型14の上部が、るつぼ22と係合している。るつぼ22は、貯留手段としての鋳型14の上端側に支持されており、るつぼ22の周囲には、加熱手段たるヒーター24が備え付けられており、さらに、ヒーター24の外側側面には、ポーラス金属製造装置Dの系内18の温度を保持するための断熱材26が設置されている。
パイプ材10の下部末端には、末端を固定するための保持手段たるダミーバー20cが配置されている。このダミーバー20cは、鋳型14によって把持されており、鋳型14の内部空間を上下方向に移動可能に配置されている。鋳型14の中央部から下端外側には、冷却手段としての冷却銅ブロック28が、鋳型14に接触して配置されている。冷却銅ブロック28にチューブが接続されており、当該チューブを通じて、循環冷却水30が一定の流量にて流出されている。なお、循環冷却水30の流量は、流量計32により測定され、その流量が制御されている。ポーラス金属製造装置Dの系内18の温度、ポーラス金属製造装置Dにおける溶湯12の温度、及びパイプ材10の下部最末端の温度は、それぞれK型熱電対16a〜16cにより制御されている。このような構成を有したポーラス金属製造装置Dでは、パイプ材10が設置されたダミーバー20cが下降することによって、鋳型14内の溶湯12及びパイプ材10も下方に移動してゆき、当該溶湯12が鋳型14を通過する際に当該冷却銅ブロック28によって冷却凝固されて基材が生成され、かくして、基材内部にパイプ材10が配置されたポーラス金属を連続して製造し得るようになされている。
(パイプ材の設置工程)
本発明のポーラス金属の製造方法は、工程(a)鋳型14に複数のパイプ材10を設置する工程を備えることを特徴とする。この工程に使用することができる鋳型14は、通常の鋳型製造に使用することができるものであれば、特に制限されるものではないが、金属溶湯と反応せず耐熱性のある金属,セラミックス又はカーボンを使用することが好ましい。さらには、砂型、アルミナ等をコーティングした鋼材、銅を例示することができる。
そして、本発明のポーラス金属のうち長尺で断面形状が長手方向で変化しないものは、連続鋳造方式により製造することが好ましい。連続鋳造方式で使用する鋳型14は,上記の材質で凝固過程の基材が滑らかに移動できるように,平滑な表面を持つことが好ましい。
次に、上記鋳型14に複数のパイプ材10を設置する。パイプ材10の最も下方に位置するパイプ材10の断面を鋳型14の底面となるダミーバー20cに固定する。パイプ材10の最下末端断面を鋳型14の底面であるダミーバー20cに固定する際には、パイプ材10最下末端断面と、鋳型14の底面であるダミーバー20cとの間に隙間が生じないように設置する。すなわち、図2では、パイプ材10と鋳型14との界面100に隙間が生じないようパイプ材10を設置する。この場合、ダミーバー20cの面にてパイプ材10の最下末端断面を封止する手法の他、例えば、パイプ材10の最下末端断面をペンチ等で潰して封止するなど、その他の手法によってパイプ材10の最下末端断面を封止してもよい。
例えば、パイプ材10と鋳型14が接する面100に隙間が生じている場合には、当該隙間より基材の溶湯12が入り込んでしまうため、パイプ材10の中空部が塞がれてしまい、その結果、ポーラス金属の方向性気孔を形成することができないからである。パイプ材10は、ポーラス金属の用途に応じて、単数であってもよいし、複数であってもよい。
また、パイプ材10の材質、パイプ材10の横手方向の垂直断面の形状、その大きさは、必要に応じて適宜採択することができる。また、ポーラス金属の気孔を制御して、ポーラス金属断面に存在する気孔の模様を変化させることもできる。たとえば、一方向性を持つ気孔を形成したもの、放射状を持つ方向性気孔を形成したもの、集中形状を持つ気孔を形成したもの、ランダムな気孔を形成したポーラス金属を製造することができる。
(基材の溶湯を注湯する工程)
次に、本発明のポーラス金属の製造方法において、工程(b)には、上記鋳型14にパイプ材10の外壁を被覆するための基材の溶湯12を注湯する工程と備える。上記工程において、複数のパイプ材10が鋳型14に設置されており、鋳型14内部に基材を溶融させた溶湯12を注湯する。基材を溶融させた溶湯12は、パイプ材内壁2aの融点・液相線温度Tp以下の温度Tに設定されている。
基材材料(溶湯12)の温度Tを設定する際には、鋳型14に設置されたパイプ材10の内壁の融点・液相線温度Tpを超えて加熱しないことが重要である。溶湯12の粘度は、鋳型14に基材の溶湯12を注湯したときに鋳型全体に溶湯が広く行き渡るような範囲であれば特に制限されるものではないが、例えば、動粘度1.0〜7.0(x10−7/s)が好ましい。上記粘度が、かかる範囲であることにより、パイプ間隙に溶湯12が浸透し易くなり、基材とパイプ材間における未充填部の発生原因とならないため好ましい。
鋳型14に設置されたパイプ材10の外壁は、基材が溶融した溶湯12が注湯されることにより、当該溶湯12によって被覆される。そして、図2に示すように、パイプ材10の外壁と基材3との界面200が形成される。当該界面200は、パイプ材10と基材3との接合面となり、パイプ材10と基材3が一体化する。すなわち、方向性気孔を有するパイプ材10と基材3が上記界面において金属結合し、一体となってポーラス金属1が形成される。
パイプ材10と基材3との界面における各部材の相状態は、共に液体あるいは固液共存状態であることが好ましいが、パイプ材10と基材3が一体化できればよく、例えば、基材3の界面が液体であり、パイプ材10の界面が固体であっても良い。
なお、上記工程(b)において、ポーラス金属製造装置Dの系内18の温度、溶湯12の温度及びパイプ材10末端の冷却温度の制御が重要となる。これらの温度制御は、K型熱電対16a〜16cに行い、ヒーター24、冷却銅ブロック28に循環冷却水30の水量を流量計32によって、調整することにより行うことができる。
(鋳型を冷却する工程)
さらに、図2において、本発明のポーラス金属の製造方法における工程(b)には、上記パイプ材10(図1中、パイプ材2に相当)が設置され、溶湯12が注湯された鋳型14を冷却する工程を備える。かかる冷却工程により、既に溶融しているパイプ材10の内壁以外の部分及び溶湯12が固体化する。パイプ材10と基材3が溶融した溶湯12との界面200が凝固することにより、パイプ材10と基材3が一体化する。
冷却する温度は、特に制限されるものではないが、結晶粒を粗大化させないという観点から、基材材料とパイプ材とを合わる工程における基材材料の温度Tから20〜10℃低い温度であれば良い。鋳型14内部を冷却するために冷却速度は、特に制限されるものではないが、結晶粒を粗大化させないとう観点から、10℃/s以上であることが好ましい。
さらに、本発明においては、凝固時に急冷を行うことにより、基材及びパイプ材の合金の種類によっては、アモルファス化し、その後の熱処理によって、準結晶化、ナノ結晶化が起こる可能性もあり、ポーラス金属に特異的な新規の特性を付与することが可能となる。
<他のポーラス金属の製造方法>
なお、上述した実施の形態においては、パイプ材10を鋳型14に設置した後(パイプ材の設置工程)、溶融した基材である溶湯12を当該鋳型14に注湯する(基材の溶湯を注湯する工程)ようにした場合について説明したが、本発明はこれに限らず、図2に示すように、初めに工程(d)にて基材の溶湯を注湯する工程を行い、その後工程(e)にてパイプ材の設置工程を行ってもよい。この場合、工程(f)として上記工程(c)と同じように加熱処理ポーラス金属を製造する際に行われる熱処理工程を行ってもよい。
具体的には、先ず始めに基材の溶湯12が注湯された鋳型14に、一端側の開口を封止部材で封止したパイプ材を、当該一端側から挿入してゆき(工程(d))、溶湯12内にパイプ材を配置させ、その状態のまま溶湯を冷却凝固させることにより(工程(e))、基材内にパイプ材が配置された本発明のポーラス金属を製造するようにしてもよい。なお、この場合には、基材の一端部を削ることで、封止部材により封止されたパイプ材の一端側の方向性気孔を開口させることができ、かくして、一端部から他端部までパイプ材の方向性気孔が開口したポーラス金属を製造することができる。
<効果>
以上の構成において、ポーラス金属1では、複数のパイプ材2と、パイプ材外壁2bを被覆するように形成された基材3とを備え、パイプ材外壁2bの界面と、基材3とが金属結合によって一体化され、基材3内に方向性気孔を基材3の長手方向に沿って配置させるようにした。これによりポーラス金属1では、従来、方向性気孔を作製する際に用いていた水素ガスが不要となり、その分、従来よりも製造時における安全性に優れ、また、予め用意した任意のパイプ材を基材材料(溶湯)内に並べて方向性気孔を形成することから、方向性気孔の配置制御を簡易に、かつ正確に行え得る。
以上、本発明によれば、軽量であり、強度等の諸物性にも優れ、かつ用途に応じて基材やパイプ材を自由自在に採択し得、さらには、製造時における安全性や簡易性、正確性にも優れ、任意に気孔率、気孔径及び気孔の配置を制御し得るポーラス金属、その製造方法及びポーラス金属製造装置を実現し得る。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
ここでは、検証試験として、上記製造方法に従って、実際にポーラス金属を製造した。ポーラス金属を製造するための鋳型として、グラファイト製鋳型を準備した。次に、パイプ材として、工業用純アルミ二ウムを採択し、このパイプを7本準備した。なお、この純度99.6%のアルミニウムパイプ材は、内径が3.0mmであり、パイプ材の外径は、4.0mmである。
次に、保持手段にこれら37本のパイプ材を互いに0.5mmの間隔を空けてハニカム状に配置させて保持させた。なお、パイプ材には、溶湯に挿入される側となる一端側の方向性気孔に、水ガラスとアルミナでなる封止部材を詰め、溶湯に挿入する際に、方向性気孔内に溶湯が侵入しようにした。さらに、パイプ材であるアルミニウム材と基材との結合状態を良好とするために、パイプ材に表面処理を施した。
基材としてAl−13mass%Siを採択し、溶融させ、溶解後600℃で保持し、アルミニウム溶湯とした。このアルミニウム溶湯内にアルミニウム材(パイプ材)を挿入して凝固させた。鋳型の冷却は、炉外で自然冷却によって行った
このようにして製造したポーラス金属の写真を図4A及び図4Bに示す。図4A及び図4Bに示したように、上記検証試験にて製造されたポーラス金属41aは、製造前におけるパイプ材42の方向性気孔Hが溶損することなく、当該方向性気孔Hの開口形状をそのままにして、基材43aとパイプ材42の外壁とが金属結合等により一体化していることが確認できた。また、基材43a内に配置されたこれら方向性気孔Hは、ポーラス金属41aの一端部から他端部まで貫通しているオープン・ポーラス構造であることが確認できた。
さらに、上記検証試験で得られたポーラス金属41aは、均一なパイプ材42を使用したが、これら均一の形状を有する方向性気孔Hが、製造後でもそのまま基材43aに形成されており、さらに製造時に所望した位置に方向性気孔Hを正確に配置できていることが確認できた。これらの結果より、本発明のポーラス金属は、方向性気孔Hを形成するためのパイプ材42を適宜採択することにより、ポーラス金属41aの気孔率、気孔の大きさ等を緻密に制御できることが確認できた。
次に、他の検証試験として、上記と材質が同じ19本のパイプ材を用意し、上述した検証試験のような浸漬法とは違う連続鋳造法にて他のポーラス金属を製造したところ、図5及び図6に示すようなポーラス金属41bが製造できた。なお、ここでは、内径が3mm、外径が4mmの工業用純アルミ二ウムでなるパイプ材42を用いた。
この検証試験では、ポーラス金属41bの製造過程において、中心部に1本のパイプ材42を配置し、この中心部のパイプ材42を取り囲むようにして6本のパイプ材42を配置し、さらにこれら6本のパイプ材42を取り囲むようにして12本のパイプ材42を配置して、各パイプ材間に0.8mmの隙間を等間隔に空けて溶湯内に配置させ、当該溶湯を冷却凝固させた。具体的に、この連続鋳造法では、Al−13mass%Siを採択し、これを680℃にて溶融させ、640℃で保持し、アルミニウム溶湯とした。また、パイプ材の配置間隔0.8mmとし、鋳造からの引出速度を2.6mm/sとした。
これにより得られたポーラス金属41bは、図5及び図6に示すように、製造過程にて所望する位置に配置させてパイプ材42がそのまま配置され、かつパイプ材42の各方向性気孔Hの開口形状もそのままにして、各パイプ材42の外壁と基材43bとが金属結合等により一体化されていることが確認できた。
<他の実施の形態によるポーラス金属>
なお、上述した実施の形態においては、複数のパイプ材を用いる際、方向性気孔の開口径が全て同じパイプ材を用いてポーラス金属を製造するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、方向性気孔の開口径が異なる複数のパイプ材を用いてポーラス金属を製造するようにしてもよい。
ここで、図7Aは他の実施の形態によるポーラス金属45aを示し、このポーラス金属45aは、例えば断面四辺状の基材43を有し、方向性気孔Hの開口径が異なる複数のパイプ材46a,46b,46cがこの基材43内に規則的に配置された一例を示す。実際上、この基材43には、外側面に沿って引かれたた四辺状の第1の仮想線La1上に、24本のパイプ材46aがその方向性気孔Hの中心を一致させ、隣接するパイプ材46a間の間隔を均等にして規則的に配置されている。
また、この基材43には、外側面に沿って引かれ、かつ第1の仮想線La1よりも径が小さな四辺状の第2の仮想線La2上に、8本のパイプ材46bがその方向性気孔Hの中心を一致させて、互いに隙間を設けて規則的に配置されている。この第2の仮想線La2上に配置された8本のパイプ材46bは、第1の仮想線La1上に配置されたパイプ材46aよりも径が大きく形成されている。
さらに、この基材43には、基材43の中心を通り、第2の仮想線La2内に直線状に引かれた第3の仮想線La3上に、2本のパイプ材46cがその方向性気孔Hの中心を一致させて、隙間を設けて規則的に配置されている。この第3の仮想線La3上に配置された2本のパイプ材46cは、第2の仮想線La2上に配置されたパイプ材46bよりも径が大きく形成されている。
このようにこのポーラス金属45aでは、基材43の中心部にゆくに従ってパイプ材46a,46b,46cの方向性気孔Hの開口径が大きくなるよう選定されており、中心部付近に大きな径の方向性気孔Hが配置されている分だけ軽量化を図ることができるとともに、外側面付近に小さな径の方向性気孔Hが配置されていることから、その分、中空領域が少なくなりねじり応力や曲げ応力等の機械的強度が保たれた角柱状の構造体となり得る。かくして、このようなポーラス金属45aでは、パイプ材の気孔径、気孔の配置、基材での気孔率を選定することで、機械的強度を制御することができる。
因みに、上述した実施の形態においては、外郭形状が四辺状の基材43を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、図7Bに示すように、外郭形状が円形状でなる基材48を有したポーラス金属45bでもよい。この場合、基材48には、外側面に沿って引かれた円形状の第1の仮想線Lb1上に、12本のパイプ材47aがその方向性気孔Hの中心を一致させ、隣接するパイプ材47a間の間隔を均等にして規則的に配置されている。
また、この基材48には、外側面に沿って引かれ、かつ第1の仮想線Lb1よりも径が小さな円形状の第2の仮想線Lb2上に、8本のパイプ材47bがその方向性気孔Hの中心を一致させて、等間隔に隙間を設けて規則的に配置され、さらに中心部にも1本のパイプ材47cが配置されている。この第2の仮想線Lb2上に配置された8本のパイプ材47bは、第1の仮想線Lb1上に配置されたパイプ材47aよりも径が大きく形成されている。また、中心部のパイプ材47cは、第2の仮想線Lb2上に配置されたパイプ材47bよりも径が大きく形成されている。
このようにこのポーラス金属45bでも、基材43の中心部にゆくに従ってパイプ材47a,47b,47cの方向性気孔Hの開口径が大きく選定されており、中心部付近に大きな径の方向性気孔Hが配置されている分だけ軽量化を図ることができるとともに、外側面付近に小さな径の方向性気孔Hが配置されていることから、その分、中空領域が少なくなりねじり応力や曲げ応力等の機械的強度が保たれた円柱状の構造体となり得る。かくして、このようなポーラス金属45bでも、パイプ材の気孔径、気孔の配置、基材での気孔率を選定することで、機械的強度を制御することができる。
上述した実施の形態においては、基材の外周面側に配置されたパイプ材が、基材の中心部側に配置されたパイプ材に比して、方向性気孔の開口が小さく選定されている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、複数のパイプ材が基材内に疎密に配置されていればよく、例えば基材の一方の半体でパイプ材が密となり気孔率が大きく、他方の半体でパイプ材が粗となり気孔率が小さく選定されていてもよく、また基材の上体と下体とでパイプ材の疎密を変えて、気孔率を上体と下体とで変更してもよい。このようにパイプ材の気孔径や、気孔の配置、基材での気孔率を適宜選定することで、機械的強度を制御した所望のポーラス構造体を製造し得る。
<板状のポーラス金属について>
次に、板状のポーラス金属の製造について以下説明する。この場合、図8Aに示すようなポーラス金属製造装置50を用いることにより板状のポーラス金属56を製造し得る。このポーラス金属製造装置50は、板状のポーラス金属56を連続鋳造可能な双ローラ式であり、第1鋳造ローラ51a及び第2鋳造ローラ51bが互いの周面が所定の間隔で平行対峙するように配置されており、これら第1鋳造ローラ51a及び第2鋳造ローラ51b間上部に基材の溶湯53が貯留可能な貯留手段52が設けられている。第1鋳造ローラ51a及び第2鋳造ローラ51bは、図示しない回転駆動機構により回転駆動され、装置中心部にて対向する周面が上方から下方へ向けて移動し得るようになされている。
かかる構成に加えて、このポーラス金属製造装置50には、第1鋳造ローラ51a及び第2鋳造ローラ51b間の上方に、これら対向する第1鋳造ローラ51a及び第2鋳造ローラ51b間の隙間に複数のパイプ材54を鉛直状態で送り込む保持手段(図示せず)が設けられている。第1鋳造ローラ51a及び第2鋳造ローラ51bには、ローラ回転軸方向に向けて一列に並んだパイプ材54が周面間に上方から下方へ挿通されるとともに、周面間に溶湯53が注入され得るようになされている。第1鋳造ローラ51a及び第2鋳造ローラ51b間に注湯された溶湯53は、冷却手段となる第1鋳造ローラ51a及び第2鋳造ローラ51bの周面間をパイプ材54とともに通過する際に、板状に成形されつつ冷却されて凝固し得る。
これによりポーラス金属製造装置50は、図8Bに示すように、断面が四辺状で、かつパイプ材54の軸方向に延びた板状のポーラス金属56を製造し得る。このようにして製造されたポーラス金属56でも、パイプ材54の外壁の界面と、基材55とが一体化され、基材55内にて方向性気孔が一列に規則的に並んだ状態に配置された構成となり得る。かくして、このような製造方法であっても、従来のような水素ガスを用いる必要がないことから、従来よりも製造時における安全性に優れ、かつ所望する方向性気孔の配置制御を簡易に、かつ正確に行え得るものである。
なお、板状および棒状のポーラス金属については、図8Aに示すようなポーラス金属製造装置の他、板状の金属材を製造する際に用いる、例えばヘズレット(Hazelett)や、プロペルチ(Properzi)、DC鋳造のような従来から知られている製造装置についても用いることができる。このような製造装置であっても、基材の溶湯内にパイプ材を設置し得る保持手段を設けることで、上述した板状のポーラス金属を製造し得る。
<固液共存状態のセミソリッドスラリーを用いてポーラス金属を製造する製造方法>
上述した実施の形態においては、液相線以上の温度で基材を加熱して液体状態とした溶湯を用いて本発明のポーラス金属を製造した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、基材を固相線以上、液相線以下の温度にして固液共存状態としたセミソリッドスラリーを用いて本発明のポーラス金属を製造するようにしてもよい。このようなセミソリッドスラリーを用いたポーラス金属は以下のようにして製造することができる。
図9Aに示すように、冷却板65aが傾斜状態で設置された傾斜冷却台65を用意し、るつぼ60に入れた基材の溶湯62を、傾斜冷却台65の冷却板65aに注湯して冷却板65aを介して他のるつぼ66で回収する。この際、溶湯62は、冷却板65a上を流れることで冷却され、固相線以上、液相線以下の温度となり、固液共存状態のセミソリッドスラリー67となり得る。次の、図9Bに示すように、基材のセミソリッドスラリー67が入ったるつぼ66を、ポーラス金属製造装置70の基台71に設置する。
ここで、ポーラス金属製造装置70は、基台71上に設置された支柱72間に保持手段73を備えており、当該保持手段73によって複数のパイプ材75を所定位置に規則的に配置させた状態で保持し得るようになされている。ポーラス金属製造装置70は、るつぼ66内のセミソリッドスラリー67に、保持手段73によって複数のパイプ材75が位置制御された状態で挿入され、るつぼ66内のセミソリッドスラリー67をそのまま冷却凝固させて基材とし得る。これにより、ポーラス金属製造装置70は、図9Cに示すように、パイプ材75の外壁の界面と、基材78とが一体化され、かつ基材78内にパイプ材75の方向性気孔Hが基材78の長手方向に沿って配置されたポーラス金属77を製造し得る。なお、エリアER1は、ポーラス金属77の一部断面部分を拡大して示した概略図であり、図中の円形状物質は、固液共存状態のときに粒状化した初晶を示し、パイプ材75の外壁と基材78のミクロ組織が溶融接合された概略図を示すものである。
このように、基材78を固液共存状態のセミソリッドスラリー67とすることで、液相線以上の温度で加熱を要する溶湯62をそのまま用いるときより、基材78を加熱する温度を下げることができる。セミソリッドスラリー67内にパイプ材75を配置させた際には、パイプ材75を取り囲むセミソリッドスラリー67の温度が、溶湯62のときと比べて格段的に低いことから、その分、パイプ材75への熱負荷が低減でき、パイプ材75の外壁が溶湯62内に入れたときよりも溶融し難くなり、パイプ材75の方向性気孔Hの溶損を防止し得る。従って、セミソリッドスラリー67内にパイプ材75を配置させてポーラス金属77を製造する場合には、基材78の溶湯62内にパイプ材75を配置させた際、溶湯62によってパイプ材75の方向性気孔Hが溶損してしまうような肉厚や材質のパイプ材75であっても、方向性気孔Hが溶損することなく、パイプ材75の外壁だけを基材78と溶融接合させて、基材78内に方向性気孔Hの形状そのままに規則的に配置されたポーラス金属77を製造できる。
そして、上記製造方法によって製造されたポーラス金属では、例えば壁部の肉厚が薄いパイプ材を用いることができるので、その分、各パイプ材の方向性気孔間の隙間を小さくし得、基材内での気孔率を一段と大きくさせることができる。
また、セミソリッドスラリーを用いたポーラス金属1でも、従来、方向性気孔を作製する際に用いていた水素ガスが不要となり、その分、従来よりも製造時における安全性に優れ、さらに、予め用意した任意のパイプ材を基材材料(セミソリッドスラリー)内に並べて方向性気孔を形成することから、方向性気孔の配置制御を簡易に、かつ正確に行え得る。
なお、上述した実施の形態においては、セミソリッドスラリーとして、溶湯から温度を下げてゆき作製した半凝固スラリーを用いて、パイプ材の外壁と基材とを半凝固接合させながら凝固させて金属結合させるようにした場合について説明したが、本発明はこれに限らず、セミソリッドスラリーとして固体の基材から温度を上げてゆき作製した半溶融スラリーを用いて、パイプ材の外壁と基材とを半溶融接合させながら凝固させて金属結合させるようにしてもよい。
ここでは、セミソリッドスラリーの作製法として傾斜冷却盤を例示したが、本発明はこれに限定するものではなく、機械的撹拌や電磁撹拌など他のセミソリッドスラリーを用いることも可能である。さらに、固液共存状態であれば粒状化したセミソリッドスラリーに限らず、単に固液共存温度域で保持した状態なども可能である。
次に、このようなセミソリッドスラリーを用いて、実際に本発明のポーラス金属を製造した。ここでは、図9Aに示した傾斜冷却台65や、図9Bに示したポーラス金属製造装置70を用いてポーラス金属を製造した。先ず始めに、基材としてAl−4mass%Cuを採択し、これを溶解させてアルミニウム溶湯を作製し668℃まで加熱した。次いで、このアルミニウム溶湯を傾斜冷却台65の冷却板65a上に流し、初晶を粒状化させ、一旦凝固させて前駆体である基材を作製した。次いで、この基材を648℃の固液共存温度で加熱して、基材から固液共存状態であるセミソリッドスラリーを作製した。
次いで、Al(A1050)でなり、内径が3mm、外径が4mmの複数のパイプ材を用意し、これらパイプ材を所定の位置に配置してセミソリッドスラリー中に挿入しそのまま凝固させることによりポーラス金属を作製した。なお、パイプ材には、セミソリッドスラリーに挿入される側となる一端側の方向性気孔に、水ガラスとアルミナでなる封止部材を詰め、セミソリッドスラリーに挿入する際に、方向性気孔内にセミソリッドスラリーが侵入しないようにした。
そして、作製したポーラス金属について、パイプ材と基材との境界を中心に断面の写真を撮影したところ、図10に示すような写真が得られた。
図10から、パイプ材75の方向性気孔Hが溶損することなく、そのままの形状を維持できていることが確認できた。また、図10から、上記製造方法によって、パイプ材75の外壁75bと基材78とが金属結合して一体化したポーラス金属が製造できることが確認できた。
1 ポーラス金属(ポーラス構造体)
2,10 パイプ材
3 基材
4a,4b 方向性気孔口
D ポーラス金属製造装置
12 溶湯
14 鋳型(るつぼ)
16a K型熱電対(ポーラス金属装置系内)
16b K型熱電対(溶湯)
16c K型熱電対(ダミーバー付近)
18 ポーラス金属装置系内
20a 蓋
20c ダミーバー(保持手段、パイプ材下端部)
22 るつぼ
24 ヒーター
26 断熱材
28 冷却銅ブロック
30 循環冷却水
32 流量計
本発明のポーラス金属は、軽量であり、強度等の諸物性に優れており、方向性気孔を備えているので、応力集中の発生による比強度の低下を防止することができる。したがって、自動車、航空機、船舶等の輸送機器用軽量構造材料として利用することができ、輸送機器関連産業の発展に大きく貢献することができる。また、本発明のポーラス金属は、機械の移動体用軽量材料、軸受材料、衝撃吸収材等の機械部品として利用することができる他、長手方向と幅方向で異なる導電率を有するため、電子関連部品としても利用することができる。さらに、本発明のポーラス金属は、人工歯、人工骨等のインプラントとして生体材料、さらにはハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)等のインバーターに用いるヒートシンクとして利用することができる。

Claims (11)

  1. パイプ材と、
    パイプ材外壁を被覆するように形成された基材とを備え、
    前記パイプ材外壁の界面と、前記基材とが一体化され、前記パイプ材によって前記基材内に方向性気孔が形成されている
    ことを特徴とするポーラス構造体。
  2. 前記パイプ材は、前記基材内に疎密に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のポーラス構造体。
  3. 前記基材の外周面側に配置された前記パイプ材は、前記基材の中心部側に配置された前記パイプ材に比して、前記方向性気孔の開口が小さく選定されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のポーラス構造体。
  4. 前記パイプ材の内径が、20μm〜200mmである
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のポーラス構造体。
  5. 前記基材及び/又はパイプ材が、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニッケル、金、銀、銅、鉛、モリブデン、亜鉛及び鉄から選ばれるいずれか一つの金属を成分として含有する
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のポーラス構造体。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載のポーラス構造体を加熱して、前記ポーラス構造体中の前記パイプ材成分の組成分布及び/又は組織分布を制御して得られる
    ことを特徴とするポーラス構造体。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載のポーラス構造体を備えたことを特徴とする構造材料又は機能材料。
  8. 請求項1〜6いずれか1項に記載のポーラス構造体を備えたことを特徴とする輸送機器軽量構造材。
  9. 固液共存状態又は液体状態のいずれかの基材材料とする工程と、
    前記固液共存状態又は前記液体状態の前記基材材料とパイプ材とを合わせる工程と、
    前記固液共存状態又は前記液体状態の前記基材材料と、前記パイプ材とを合わせた状態で冷却する工程と
    を備えることを特徴とするポーラス構造体の製造方法。
  10. 前記固液共存状態又は前記液体状態の前記基材材料とパイプ材とを合わせる工程における前記固液共存状態又は前記液体状態の前記基材材料の温度をTとし、前記パイプ材の融点又は液相線温度をTpとしたとき、T≦Tpの関係を満たす
    ことを特徴とする請求項9に記載のポーラス構造体の製造方法。
  11. 固液共存状態又は液体状態のいずれかの基材材料を貯留する貯留手段と、
    パイプ材を保持する保持手段と、
    前記貯留手段の前記基材材料と前記保持手段の前記パイプ材とを合わせた状態で冷却する冷却手段と
    を備えることを特徴とするポーラス構造体製造装置。
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