JP2013226007A - 車両および車両の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】建物へ電力を出力可能な車両において、建物に設けられる発電設備を用いた売電システムのメリットを十分に享受可能とする。
【解決手段】車両10は、再充電可能な蓄電装置180と、蓄電装置180を充電可能な発電装置を形成するエンジン110およびモータジェネレータ130と、ECU240と、電力I/F部230とを備える。ECU240は、住宅に設けられる売電システムによる売電に関する売電情報と、上記発電装置の発電コストに関する発電情報とに基づいて蓄電装置180の充放電を制御する。電力I/F部230は、車両10の住宅への到着後、蓄電装置180に蓄えられた電力を住宅へ出力するためのものである。
【選択図】図2
【解決手段】車両10は、再充電可能な蓄電装置180と、蓄電装置180を充電可能な発電装置を形成するエンジン110およびモータジェネレータ130と、ECU240と、電力I/F部230とを備える。ECU240は、住宅に設けられる売電システムによる売電に関する売電情報と、上記発電装置の発電コストに関する発電情報とに基づいて蓄電装置180の充放電を制御する。電力I/F部230は、車両10の住宅への到着後、蓄電装置180に蓄えられた電力を住宅へ出力するためのものである。
【選択図】図2
Description
この発明は、車両および車両の制御方法に関し、特に、住宅等の建物へ電力を出力可能な車両およびその制御方法に関する。
特開2011−55589号公報(特許文献1)は、自動車から住宅へ電力を供給する電力供給システムを開示する。この電力供給システムにおいては、ハイブリッド自動車が住宅に接続されている場合に、燃料残量と走行可能距離とが検知される。そして、翌日走行分の燃料がある場合には、車両用蓄電池の電力全てが住宅へ供給される。翌日走行分の燃料がない場合には、走行分の電力以外が住宅へ供給される。
これにより、この電力供給システムによれば、適切な電力を車両から住宅へ供給することができるとされる(特許文献1参照)。
住宅等の建物に太陽光発電等の発電設備が設けられ、その発電設備により発電された電力を売電可能な場合、発電設備により発電された電力を建物内の負荷で消費してしまうと、売電量が減少する。そこで、上記のような電力供給システムを用いて車両から建物内の負荷へ電力を供給することによって、発電設備により発電された電力の売電量を増やすことができる。この場合、車両用蓄電池の充電量が多いほど車両から建物内の負荷へ多くの電力を供給できるので、発電設備により発電された電力の売電量をさらに増やすことができる。
しかしながら、車両用蓄電池の充電量を高めるように蓄電池の充放電を一律に制御すると、車両における発電コスト(たとえば、ハイブリッド自動車の燃料コストは発電コストに影響を与える。)が高い場合には、ユーザは売電システムによる売電のメリットを受けられない可能性がある。
それゆえに、この発明の目的は、建物へ電力を出力可能な車両において、建物に設けられる発電設備を用いた売電システムのメリットを十分に享受可能とすることである。
この発明によれば、車両は、建物へ電力を出力可能な車両である。建物は、発電設備と、売電システムとを含む。売電システムは、発電設備により発電された電力を売電可能である。車両は、再充電可能な蓄電装置と、蓄電装置を充電可能な発電装置と、制御装置と、出力部とを備える。制御装置は、売電システムによる売電に関する売電情報と発電装置の発電コストに関する発電情報とに基づいて蓄電装置の充放電を制御する。出力部は、蓄電装置に蓄えられた電力を建物へ出力するためのものである。
好ましくは、制御装置は、売電情報と発電情報とに基づいて、建物への到着時における蓄電装置の充電目標を設定する。
さらに好ましくは、売電情報は、売電システムによる売電価格を含む。制御装置は、発電コストが売電価格よりも低いとき、充電目標の基本値に対して充電目標を高める。
さらに好ましくは、制御装置は、建物の発電設備により発電される電力が予め定められた値よりも小さいとき、充電目標を基本値に維持する。
好ましくは、発電装置は、発電機と、発電機を駆動する内燃機関とを含む。制御装置は、発電コストが売電価格よりも低くなる動作点で内燃機関が動作するとき、充電目標を基本値に対して高める。
好ましくは、売電情報は、発電設備の発電量および建物の電力使用量に関する情報をさらに含む。制御装置は、発電設備の発電量および電力使用量に基づいて車両の発電装置による発電量を算出し、その算出値に基づいて充電目標を設定する。
好ましくは、発電設備は、太陽光発電設備である。
また、この発明によれば、制御方法は、建物へ電力を出力可能な車両の制御方法である。建物は、発電設備と、売電システムとを含む。売電システムは、発電設備により発電された電力を売電可能である。車両は、再充電可能な蓄電装置と、蓄電装置を充電可能な発電装置と、出力部とを含む。出力部は、蓄電装置に蓄えられた電力を建物へ出力するためのものである。そして、制御方法は、売電システムによる売電に関する売電情報と発電装置の発電コストに関する発電情報とに基づいて蓄電装置の充放電を制御するステップと、蓄電装置に蓄えられた電力を出力部から建物へ出力するためのステップとを含む。
また、この発明によれば、制御方法は、建物へ電力を出力可能な車両の制御方法である。建物は、発電設備と、売電システムとを含む。売電システムは、発電設備により発電された電力を売電可能である。車両は、再充電可能な蓄電装置と、蓄電装置を充電可能な発電装置と、出力部とを含む。出力部は、蓄電装置に蓄えられた電力を建物へ出力するためのものである。そして、制御方法は、売電システムによる売電に関する売電情報と発電装置の発電コストに関する発電情報とに基づいて蓄電装置の充放電を制御するステップと、蓄電装置に蓄えられた電力を出力部から建物へ出力するためのステップとを含む。
この発明においては、発電設備により発電された電力を売電可能な売電システムを有する建物へ電力を出力可能な車両において、売電システムの売電情報と車両側の発電情報とに基づいて蓄電装置の充放電が制御される。これにより、売電システムの売電情報だけでなく車両側の発電情報(発電コスト等)も考慮して、建物への到着後に車両から建物へ出力される電力量およびそれに応じた売電システムの売電量を設定可能である。
したがって、この発明によれば、建物に設けられる発電設備を用いた売電システムのメリットを十分に享受することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による電力システムの概略図である。図1を参照して、この電力システム1は、車両10と、住宅20と、送電線30と、パワーグリッド40とを備える。
図1は、この発明の実施の形態1による電力システムの概略図である。図1を参照して、この電力システム1は、車両10と、住宅20と、送電線30と、パワーグリッド40とを備える。
車両10は、発電装置と、発電装置によって発電された電力を蓄える蓄電装置と、蓄電装置に蓄えられた電力を住宅20へ出力可能な車両であり、たとえば、発電装置としてエンジンを搭載したハイブリッド車両や、発電装置として燃料電池を搭載した燃料電池車である。車両10は、たとえば、電力ケーブル15によって住宅20と電気的に接続可能であり、蓄電装置に蓄えられた電力を電力ケーブル15を介して住宅20へ出力可能である。なお、車両10から住宅20への電力伝送は、有線の電力ケーブル15に代えて、電磁誘導や磁場共鳴等を用いたワイヤレス送電手法を用いてもよい。また、車両10は、住宅20から電力を受けて蓄電装置を充電可能としてもよい。
住宅20は、送電線30に接続され、送電線30を介してパワーグリッド40から電力の供給を受ける。また、住宅20には、太陽光発電設備22が設けられる。そして、住宅20は、太陽光発電設備22により発電された電力をパワーグリッド40へ出力することによって売電することができる。
太陽光発電設備22は、たとえば住宅20の屋根に設置され、太陽光を受けて発電した電力を住宅20へ供給する。太陽光発電設備22により発電された電力は、住宅22内の負荷で消費可能であるとともに、パワーグリッド40へ出力して売電することができる。なお、以下では、太陽光発電設備22により発電された電力をパワーグリッド40へ売電可能なシステムを「売電システム」とも称する。
また、住宅20は、電力ケーブル15によって住宅20に電気的に接続された車両10から電力を受け、その受けた電力を住宅20内の負荷で消費することができる。車両10から住宅20への給電量が多いほど、太陽光発電設備22により発電された電力の住宅20内での消費量を少なくできるので、その結果、太陽光発電設備22により発電された電力のパワーグリッド40への売電量が多くなる。
パワーグリッド40は、系統電力を生成する多数の発電所および多数の電気負荷(住宅やビル、工場等)が接続される商用電力系統である。
図2は、図1に示した車両10の一例として示されるハイブリッド車両の全体ブロック図である。図2を参照して、車両10は、エンジン110と、動力分割装置120と、モータジェネレータ130,150と、伝達ギヤ140と、駆動軸160と、駆動輪170とを含む。また、車両10は、蓄電装置180と、昇圧コンバータ190と、インバータ200,210と、電圧コンバータ220と、電力インターフェース(I/F)部230とをさらに含む。さらに、車両10は、ECU(Electronic Control Unit)240と、通信装置250と、カーナビゲーション装置260とをさらに含む。
エンジン110およびモータジェネレータ130,150は、動力分割装置120に連結される。そして、車両10は、エンジン110およびモータジェネレータ150の少なくとも一方からの駆動力によって走行する。エンジン110が発生する動力は、動力分割装置120によって2経路に分割される。すなわち、一方は伝達ギヤ140を介して駆動軸160へ伝達される経路であり、もう一方はモータジェネレータ130へ伝達される経路である。
モータジェネレータ130は、交流回転電機であり、たとえば三相交流同期電動機である。モータジェネレータ130は、動力分割装置120によって分割されたエンジン110の動力を用いて発電する。蓄電装置180の充電状態(「SOC(State Of Charge)」とも称され、たとえば蓄電装置180の満充電状態に対する百分率で示される蓄電残量を示す。)が所定値(所定範囲でもよい。)を下回ると、エンジン110の出力を用いてモータジェネレータ130により発電が行なわれる。そして、モータジェネレータ130によって発電された電力は、インバータ200および昇圧コンバータ190において電圧変換され、蓄電装置180に蓄えられる。すなわち、エンジン110およびモータジェネレータ130は、蓄電装置180を充電可能な発電装置を形成する。
モータジェネレータ150は、交流回転電機であり、たとえば三相交流同期電動機である。モータジェネレータ150は、蓄電装置180に蓄えられた電力およびモータジェネレータ130により発電された電力の少なくとも一方を用いて車両10の駆動力を発生する。そして、モータジェネレータ150の駆動力は、伝達ギヤ140を介して駆動軸160に伝達される。なお、モータジェネレータ150と伝達ギヤ140との間に減速ギヤを設けてもよい。
なお、車両の制動時には、車両10の運動エネルギーを用いてモータジェネレータ150が駆動され、モータジェネレータ150が発電機として作動する。これにより、モータジェネレータ150は、制動エネルギーを電力に変換する回生ブレーキとして作動する。そして、モータジェネレータ150により発電された電力は、インバータ210および昇圧コンバータ190において電圧変換され、蓄電装置180に蓄えられる。
動力分割装置120は、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含む遊星歯車から成る。ピニオンギヤは、サンギヤおよびリングギヤと係合する。キャリアは、ピニオンギヤを自転可能に支持するとともに、エンジン110のクランクシャフトに連結される。サンギヤは、モータジェネレータ130の回転軸に連結される。リングギヤはモータジェネレータ150の回転軸および伝達ギヤ140に連結される。
蓄電装置180は、再充電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池によって構成される。蓄電装置180には、モータジェネレータ130,150によって発電される電力が蓄えられる。なお、住宅20(図1)から電力I/F部230(後述)を介して蓄電装置180を充電可能な場合には、蓄電装置180は、住宅20から供給される電力も蓄える。以下では、住宅20から車両10へ電力を供給可能な車両として説明する。なお、蓄電装置180として、大容量のキャパシタを用いてもよい。
昇圧コンバータ190は、ECU240からの制御信号に基づいて、インバータ200,210に与えられる直流電圧を蓄電装置180の電圧以上に調整する。昇圧コンバータ190は、たとえば電流可逆型の昇圧チョッパ回路によって構成される。
インバータ200は、ECU240からの制御信号に基づいて、モータジェネレータ130により発電された電力を直流電力に変換して昇圧コンバータ190へ出力する。インバータ210は、ECU240からの制御信号に基づいて、昇圧コンバータ190から供給される電力を交流電力に変換してモータジェネレータ150へ出力する。なお、エンジン110の始動時、インバータ200は、昇圧コンバータ190から供給される電力を交流電力に変換してモータジェネレータ130へ出力する。また、インバータ210は、車両の制動時、モータジェネレータ150により発電された電力を直流電力に変換して昇圧コンバータ190へ出力する。
電圧コンバータ220は、蓄電装置180から出力される電力をECU240からの制御信号に基づいて商用交流電力を生成し、その生成された商用交流電力を電力I/F部230へ出力する。また、電圧コンバータ220は、電力I/F部230から入力される電力を蓄電装置180の充電電力に変換して蓄電装置180を充電する。
電力I/F部230は、車両10と住宅20との間で電力を授受するための電力入出力部である。電力I/F部230は、住宅20のコンセントへ嵌合可能に構成されてもよいし、住宅20に接続される電力ケーブルのコネクタと嵌合可能に構成されてもよい。また、電力I/F部230をコイル等によって構成し、同様にコイル等によって構成された住宅20側の電力I/F部と電磁場を介して非接触で電力を授受してもよい。
通信装置250は、住宅20と無線通信を行なうための通信I/Fである。通信装置250は、住宅20の売電システムによる売電に関する売電情報(売電システムによる売電価格および売電量や、売電可能時間、住宅20の電力使用量等の情報等を含む。)を住宅20から受信してECU240へ出力する。
カーナビゲーション装置260は、目的地(帰宅先の住宅20等)までの走行に関する情報を有する。具体的には、カーナビゲーション装置260は、操作者が目的地を入力可能に構成され、現在地から目的地までの経路や所要時間、距離等の情報を有する。そして、カーナビゲーション装置260は、目的地までの走行に関する情報をECU240へ出力する。
ECU240は、昇圧コンバータ190およびインバータ200,210を駆動するための制御信号を生成してそれぞれ昇圧コンバータ190およびインバータ200,210へ出力する。また、ECU240は、電力I/F部230を介して蓄電装置180と住宅20との間で電力を授受するとき、電圧コンバータ220を駆動するための制御信号を生成して電圧コンバータ220へ出力する。
また、ECU240は、通信装置250によって受信された、住宅20の売電システムの売電情報と、エンジン110およびモータジェネレータ130によって形成される発電装置の発電コストに関する発電情報とに基づいて、蓄電装置180の充放電を制御する。詳しくは、ECU240は、カーナビゲーション装置260の情報に基づいて、住宅20において太陽光発電設備22により発電が行なわれている時間帯に帰宅するか否かを判定する。なお、太陽光発電設備22の発電時間帯は、住宅20の売電情報に含めることで住宅20から車両10のECU240へ通知することができる。そして、太陽光発電設備22の発電時間帯に帰宅可能と判定されると、ECU240は、車両10の上記発電装置(エンジン110およびモータジェネレータ130)による発電コストを算出する。
発電コストは、エンジン110の燃料コストに応じて変動する。車両10の発電装置による発電コストCGは、たとえば以下のように算出することができる。
燃料の発熱量をA(kcal/kg)、比重をB(kg/L)、エンジン110の熱効率をC、モータジェネレータ130の伝達効率をDとすると、燃料1Lあたりの発電量G(kJ/L)は次式にて算出される。
G(kJ/L)=A×4.18×B×C×D …(1)
したがって、燃料価格(ガソリン価格)をE(円/L)とすると、発電コストCG(円/kWh)は次式にて算出される。
したがって、燃料価格(ガソリン価格)をE(円/L)とすると、発電コストCG(円/kWh)は次式にて算出される。
CG(円/kWh)=E/G×3600 …(2)
そして、ECU240は、算出された車両10の発電コストCGが住宅20の売電システムの売電価格C1(円/kWh)よりも低いか否かを判定し、車両10の発電コストCGが売電システムの売電価格C1よりも低いとき、帰宅時の蓄電装置180の充電量が多くなるように蓄電装置180の充放電を制御する。たとえば、ECU240は、蓄電装置180の充電目標を基本値(通常時の充電目標値)よりも高める。これにより、住宅20における売電システムの売電価格よりも安価に生成される電力を帰宅後に車両10から住宅20へより多く供給することができる。その結果、住宅20の売電システムによる売電量を増やすことができ、ユーザは、売電システムのメリットを十分に享受することができる。
そして、ECU240は、算出された車両10の発電コストCGが住宅20の売電システムの売電価格C1(円/kWh)よりも低いか否かを判定し、車両10の発電コストCGが売電システムの売電価格C1よりも低いとき、帰宅時の蓄電装置180の充電量が多くなるように蓄電装置180の充放電を制御する。たとえば、ECU240は、蓄電装置180の充電目標を基本値(通常時の充電目標値)よりも高める。これにより、住宅20における売電システムの売電価格よりも安価に生成される電力を帰宅後に車両10から住宅20へより多く供給することができる。その結果、住宅20の売電システムによる売電量を増やすことができ、ユーザは、売電システムのメリットを十分に享受することができる。
図3は、図1に示した住宅20の電力系統を概略的に示したブロック図である。図3を参照して、住宅20は、太陽光発電設備22と、パワーコントローラ310と、住宅負荷320とを含む。太陽光発電設備22は、太陽光を受けて発電し、その発電された電力をパワーコントローラ310へ出力する。
パワーコントローラ310は、太陽光発電設備22、住宅負荷320およびパワーグリッド40(図1)間の電力の流れを制御する。具体的には、パワーコントローラ310は、太陽光発電設備22によって発電された電力を住宅負荷320へ供給する。また、住宅負荷320の消費電力が小さいために、または車両10から住宅負荷320へ電力が供給されるために、太陽光発電設備22によって発電された電力に余剰が生じたとき、パワーコントローラ310は、その余剰電力をパワーグリッド40へ出力して売電する。また、太陽光発電設備22および車両10から住宅負荷320へ供給される電力が不足するとき、パワーコントローラ310は、パワーグリッド40から電力を受けて住宅負荷320へ出力する。
住宅負荷320は、住宅20内の電気負荷を総括的に示したものである。住宅負荷320は、パワーコントローラ310から電力の供給を受ける。また、車両10が住宅20に電気的に接続されているとき、住宅負荷320は、車両10から電力の供給を受けることができる。
図4は、住宅負荷320の消費電力と、太陽光発電設備22により発電される電力との一日の推移の一例を示した図である。図4を参照して、横軸は時刻を示し、縦軸は電力を示す。実線L1は、住宅負荷320の消費電力を示し、点線L2は、太陽光発電設備22の発電電力を示す。太陽光発電設備22は、太陽光を受ける時間帯しか発電せず、太陽光発電設備22の発電電力は、正午近傍で極大値をとる。
いま、時刻thに車両10が住宅20に到着(帰宅)したものとする。領域Aは、車両10から住宅負荷320へ給電可能であり、かつ、太陽光発電設備22が発電可能な時間帯における住宅負荷320の消費電力量を示す。
太陽光発電設備22の発電電力を示す点線L2が実線L1を超える部分は、余剰電力として住宅20からパワーグリッド40へ売電される。領域Aの部分についても、車両10から住宅負荷320へ電力を供給すれば、その分だけ太陽光発電設備22の発電電力に余剰が発生し、パワーグリッド40への売電量を増やすことができる。
しかしながら、車両10から住宅負荷320へ電力を供給可能であっても、車両10の発電コストが売電システムによる売電価格よりも高い場合には、売電のメリットが出ない。そこで、この実施の形態1では、車両10の発電コストCGが売電システムの売電価格C1よりも低い場合に、車両10において住宅負荷320への給電用に発電された電力が蓄電装置180に蓄えられ、その蓄えられた電力が車両10の帰宅後に住宅負荷320へ供給される。具体的には、帰宅後に住宅負荷320へ供給される電力を確保すべく、蓄電装置180のSOCが帰宅時に高くなるように蓄電装置180の充放電が制御される。より詳しくは、蓄電装置180のSOCが帰宅時に高くなるようにSOCの制御目標が高められる。これにより、売電システムの利用者は、売電システムによる売電のメリットを十分に享受することができる。
図5は、蓄電装置180のSOCの時間的な変化の一例を示した図である。図5を参照して、SOCがしきい値SLに低下するまでは、走行モードはCD(Charge Depleting)モードに設定される。CDモードは、SOCを所定の目標に維持するためにはエンジン110を作動させないでモータジェネレータ150により走行する走行モードである。なお、走行モードがCDモードであっても、アクセルペダルが大きく踏込まれて大きな車両パワーが要求されればエンジン110は作動する。CDモードでの走行中は、車両の減速時等に回収される回生電力により一時的にSOCが増加することがあるものの、全体としては走行距離の増加に伴ないSOCが減少する。
時刻t1においてSOCがしきい値SLに低下すると、走行モードがCS(Charge sustaining)モードへ切替わる。CSモードは、SOCを所定の目標に維持するために、必要に応じてエンジン110を作動させてモータジェネレータ130により発電を行なう走行モードである。なお、走行モードがCSモードであっても、SOCが目標を上回っていればエンジン110は停止し得る。
従来であれば、しきい値SLをSOCの制御目標としてSLの近傍にSOCが維持された状態で帰宅するところ、この実施の形態1では、車両10の発電コストCGが住宅20の売電システムの売電価格C1よりも低い場合には、車両10が帰宅するまでに蓄電装置180のSOCが高められるように、SOCの制御目標が基本値のSLからSAに嵩上げされる。これにより、蓄電装置180のSOCがSAに近づくように蓄電装置180の充放電が制御される。
具体的には、SOCがSAを下回っている場合には(たとえばCSモード時)、エンジン110が始動することによってモータジェネレータ130により発電が行なわれ、帰宅予想時刻の時刻t2までに蓄電装置180のSOCがSA(>SL)に高められる。なお、SOCがSAよりも高い場合には(CDモード時)、SOCがSAに低下すると、走行モードがCSモードへ切替わるとともにSOCがSAに維持される。
なお、車両10の発電コストCGは、上記(1),(2)式に示されるようにエンジン110の熱効率に依存し、熱効率は、エンジン110の出力(エンジンパワー)によって変化する。そして、エンジンパワーは、車両状態や走行状況によって変化する。
図6は、エンジン110のパワーと熱効率との関係を示した図である。図6を参照して、横軸はエンジンパワーを示し、縦軸はエンジン110の熱効率を示す。エンジンパワーが小さい領域では、熱効率が低く、その結果、車両10の発電コストCGも低下する。
いま、エンジン110の燃料価格(ガソリン価格)をE(円/L)とすると、売電システムの売電価格C1(円/kWh)に対応する発電コストを実現する熱効率H1は、次式によって算出される。
H1=E×3600/C1/A/4.18/B/D …(3)
すなわち、この熱効率H1を超える動作点でエンジン110が作動していれば、売電システムの売電価格C1を下回る発電コストで発電することができる。そこで、この実施の形態1では、熱効率H1を達成するパワーP1をエンジンパワーが超える場合に、蓄電装置180のSOCの目標がSLからSAに嵩上げされる。
すなわち、この熱効率H1を超える動作点でエンジン110が作動していれば、売電システムの売電価格C1を下回る発電コストで発電することができる。そこで、この実施の形態1では、熱効率H1を達成するパワーP1をエンジンパワーが超える場合に、蓄電装置180のSOCの目標がSLからSAに嵩上げされる。
図7は、蓄電装置180のSOC制御を説明するための図である。図7を参照して、横軸は蓄電装置180のSOCを示し、縦軸は蓄電装置180の充放電電力を示す(正側が充電)。熱効率H1を達成するパワーP1をエンジンパワーが超える場合に、図7に示されるように、SOCの目標がSLからSAに変更される。そうすると、SOCがSAよりも低い場合には、点線に沿った充電電力が蓄電装置180に供給されるように、エンジン110およびモータジェネレータ130から成る発電装置による発電が制御される。なお、充電電力がPchg1よりも大きくなると、充電に伴なう損失が大きくなることにより燃費が悪化するので、充電電力をPchg1を大きくすることはしないこととする。
図8は、図2に示したECU240により実行されるSOC制御を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される一連の処理は、車両10が帰宅するまでの車両システムの作動中に一定時間毎または所定の条件が成立する毎にメインルーチンから呼び出されて実行される。
図8を参照して、ECU240は、蓄電装置180のSOCが低下したか否かを判定する(ステップS10)。一例として、SOCがしきい値SL(図5)に低下すると、SOCが低下したものと判定される。なお、SOCは、蓄電装置180の入出力電流や電圧に基づいて、種々の公知の手法を用いて算出可能である。
ステップS10においてSOCが低下したものと判定されると(ステップS10においてYES)、ECU240は、住宅20に設置された太陽光発電設備22(図1)の発電中に帰宅するか否かを判定する(ステップS20)。たとえば、車両10において、太陽光発電設備22の発電可能時間を通信装置250によって住宅20から取得し、カーナビゲーション装置260によって住宅20への帰宅時間を予測することによって、太陽光発電設備22の発電中に帰宅するか否かを判定することが可能である。
ステップS20において、太陽光発電設備22の発電中に帰宅するものと判定されると(ステップS20においてYES)、ECU240は、太陽光発電設備22の発電量が所定値δよりも多いか否かを判定する(ステップS30)。なお、太陽光発電設備22の発電量は、たとえば通信装置250によって住宅20から取得することが可能である。所定値δは、太陽光発電設備22の発電量が零でないことを判定するための値である。
ステップS30において、太陽光発電設備22の発電量が所定値δよりも多いと判定されると(ステップS30においてYES)、ECU240は、上記(3)式によって算出される熱効率H1を達成するパワーP1(図6)よりもエンジン110のパワーPEが大きいか否かを判定する(ステップS40)。なお、住宅20における売電システムの売電価格C1等も、たとえば通信装置250によって住宅20から取得することが可能である。そして、エンジン110のパワーPEがP1よりも大きいと判定されると(ステップS40においてYES)、ECU240は、蓄電装置180のSOC目標をSLからSAに嵩上げする(ステップS50)。
なお、ステップS10においてSOCは低下していないと判定された場合(ステップS10においてNO)、ステップS20において太陽光発電設備22の発電中に帰宅しないと判定された場合(ステップS20においてNO)、ステップS30において太陽光発電設備22の発電量が所定値δ以下であると判定された場合(ステップS30においてNO)、またはステップS40においてエンジン110のパワーPEがP1以下であると判定された場合(ステップS40においてNO)、ECU240は、ステップS60へ処理を移行する。
以上のように、この実施の形態1においては、太陽光発電設備22により発電された電力を売電可能な売電システムを有する住宅20へ電力を出力可能な車両10において、売電システムの売電情報(売電システムによる売電価格および売電量や、売電可能時間、住宅20の電力使用量等の情報等)と、車両10の発電コストに関する発電情報(燃料コスト等)とに基づいて、蓄電装置180の充放電が制御される。これにより、売電システムの売電情報だけでなく車両側の発電情報も考慮して、住宅20への帰宅後に車両10から住宅20へ出力される電力量およびそれに応じた売電システムの売電量を設定可能である。したがって、この実施の形態1によれば、住宅20に設けられる売電システムのメリットを十分に享受することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、太陽光発電設備22(図1)の発電中に帰宅する場合に、車両10の発電コストが太陽光発電設備22を用いた売電システムの売電価格よりも低いとき、帰宅時の蓄電装置180のSOCを高めるものとしたが、この考え方は、車両10の発電コストとパワーグリッド40(図1)からの買電料金との関係にも適用し得る。すなわち、太陽光発電設備22の発電が終了し、パワーグリッド40(図1)から買電する場合において、車両10の発電コストがパワーグリッド40からの買電価格(深夜電気料金は一般的に安価であるので、ここでは昼間電気料金とする。)よりも低いときは、帰宅時の蓄電装置180のSOCを高め、帰宅後に車両10から住宅20へ電力を供給するようにしてもよい。これにより、パワーグリッド40からの買電量を抑制することができる。
実施の形態1では、太陽光発電設備22(図1)の発電中に帰宅する場合に、車両10の発電コストが太陽光発電設備22を用いた売電システムの売電価格よりも低いとき、帰宅時の蓄電装置180のSOCを高めるものとしたが、この考え方は、車両10の発電コストとパワーグリッド40(図1)からの買電料金との関係にも適用し得る。すなわち、太陽光発電設備22の発電が終了し、パワーグリッド40(図1)から買電する場合において、車両10の発電コストがパワーグリッド40からの買電価格(深夜電気料金は一般的に安価であるので、ここでは昼間電気料金とする。)よりも低いときは、帰宅時の蓄電装置180のSOCを高め、帰宅後に車両10から住宅20へ電力を供給するようにしてもよい。これにより、パワーグリッド40からの買電量を抑制することができる。
図9は、住宅負荷320(図3)の消費電力の推移の一例を示した図である。図9を参照して、実線L1は、住宅負荷320の消費電力を示し、点線L2は、太陽光発電設備22の発電電力を示す。また、時刻thは、車両10の帰宅時刻であり、時刻tcは、昼間電気料金が適用される時間帯の終了時刻を示す。
領域Aは、車両10から住宅負荷320へ給電可能であり、かつ、太陽光発電設備22が発電可能な時間帯における住宅負荷320の消費電力量を示す。領域Bは、車両10から住宅負荷320へ給電可能であり、かつ、昼間電気料金時間帯において太陽光発電設備22による発電が行なわれない時間帯における住宅負荷320の消費電力量を示す。領域Aの部分だけでなく領域Bの部分についても、車両10から住宅負荷320へ電力を供給すれば、その分だけパワーグリッド40からの買電量を抑制することができる。
しかしながら、車両10から住宅負荷320へ電力を供給可能であっても、車両10の発電コストがパワーグリッド40からの買電価格よりも高い場合には、車両10から住宅20へ電力を供給するメリットが出ない。そこで、この実施の形態2では、車両10の発電コストCGがパワーグリッド40からの買電価格C2よりも低い場合に、車両10において住宅負荷320への給電用に発電された電力が蓄電装置180に蓄えられ、その蓄えられた電力が車両10の帰宅後に住宅負荷320へ供給される。具体的には、帰宅後に住宅負荷320へ供給される電力を確保すべく、蓄電装置180のSOCが帰宅時に高くなるように蓄電装置180の充放電が制御される。より詳しくは、蓄電装置180のSOCが帰宅時に高くなるようにSOCの制御目標が高められる。これにより、太陽光発電設備22による発電終了後のパワーグリッド40からの買電量を減らすことができる。
図10は、蓄電装置180のSOCの時間的な変化の一例を示した図である。図10を参照して、SOCがしきい値SLに低下するまでは、走行モードはCDモードに設定される。時刻t1においてSOCがしきい値SLに低下すると、走行モードがCSモードへ切替わる。
この実施の形態2では、車両10の発電コストCGが住宅20の売電システムの売電価格C1よりも低い場合に、蓄電装置180のSOCの制御目標が基本値のSLからSAへΔSAだけ嵩上げされる。さらに、車両10の発電コストCGがパワーグリッド40からの買電価格C2よりも低い場合には、SOCの制御目標がSAからSBへさらにΔSBだけ嵩上げされる。
図11は、エンジン110のパワーと熱効率との関係を示した図である。図11を参照して、エンジン110の燃料価格(ガソリン価格)をE(円/L)とすると、パワーグリッド40からの買電価格C2(円/kWh)に対応する発電コストを実現する熱効率H2は、次式によって算出される。
H2=E×3600/C2/A/4.18/B/D …(4)
すなわち、この熱効率H2を超える動作点でエンジン110が作動していれば、パワーグリッド40からの買電価格C2を下回る発電コストで発電することができる。そこで、この実施の形態2では、熱効率H2を達成するパワーP2をエンジンパワーが超える場合には、蓄電装置180のSOCの目標がSAからSBにさらに嵩上げされる。
すなわち、この熱効率H2を超える動作点でエンジン110が作動していれば、パワーグリッド40からの買電価格C2を下回る発電コストで発電することができる。そこで、この実施の形態2では、熱効率H2を達成するパワーP2をエンジンパワーが超える場合には、蓄電装置180のSOCの目標がSAからSBにさらに嵩上げされる。
図12は、実施の形態2におけるECU240により実行されるSOC制御を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される一連の処理も、車両10が帰宅するまでの車両システムの作動中に一定時間毎または所定の条件が成立する毎にメインルーチンから呼び出されて実行される。
図12を参照して、ECU240は、蓄電装置180のSOCが低下したか否かを判定する(ステップS110)。一例として、SOCがしきい値SL(図10)に低下すると、SOCが低下したものと判定される。
ステップS110においてSOCが低下したものと判定されると(ステップS110においてYES)、ECU240は、昼間電気料金時間帯(図9)に帰宅するか否かを判定する(ステップS120)。たとえば、カーナビゲーション装置260の情報を用いて帰宅時間を予測することによって、昼間電気料金時間帯に帰宅するか否かを判定することが可能である。
ステップS120において、昼間電気料金時間帯に帰宅するものと判定されると(ステップS120においてYES)、ECU240は、太陽光発電設備22の発電量が所定値δよりも多いか否かを判定する(ステップS130)。
太陽光発電設備22の発電量が所定値δよりも多いと判定されると(ステップS130においてYES)、ECU240は、上記(3)式によって算出される熱効率H1を達成するパワーP1(図11)よりもエンジン110のパワーPEが大きいか否かを判定する(ステップS140)。エンジン110のパワーPEがP1よりも大きいと判定されると(ステップS140においてYES)、ECU240は、さらに、上記(4)式によって算出される熱効率H2を達成するパワーP2(図11)よりもエンジン110のパワーPEが大きいか否かを判定する(ステップS150)。
エンジン110のパワーPEがP2よりも大きいと判定されると(ステップS150においてYES)、ECU240は、蓄電装置180のSOC目標の嵩上げ量ΔSOCをΔSA+ΔSB(図10)とする(ステップS160)。一方、ステップS150においてエンジン110のパワーPEがP2以下であると判定されると(ステップS150においてNO)、ECU240は、SOC目標の嵩上げ量ΔSOCをΔSA(図10)とする(ステップS170)。
ステップS130において、太陽光発電設備22の発電量が所定値δ以下であると判定されると(ステップS130においてNO)、ECU240は、エンジン110のパワーPEがパワーP2(図11)よりも大きいか否かを判定する(ステップS190)。エンジン110のパワーPEがP2よりも大きいと判定されると(ステップS190においてYES)、ECU240は、蓄電装置180のSOC目標の嵩上げ量ΔSOCをΔSA+ΔSB(図10)とする(ステップS200)。
そして、ステップS160,S170,S200のいずれかにおいてΔSOCが算出されると、ECU240は、蓄電装置180のSOC目標をSLからΔSOCだけ嵩上げする(ステップS180)。
なお、ステップS110においてSOCは低下していないと判定された場合(ステップS110においてNO)、ステップS120において昼間電気料金時間帯に帰宅しないと判定された場合(ステップS120においてNO)、ステップS140においてエンジン110のパワーPEがP1以下であると判定された場合(ステップS140においてNO)、またはステップS190においてエンジン110のパワーPEがP2以下であると判定された場合(ステップS190においてNO)、ECU240は、ステップS210へ処理を移行する。
以上のように、この実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに、この実施の形態2においては、太陽光発電設備22の発電が終了し、パワーグリッド40から買電する場合において、車両10の発電コストCGがパワーグリッド40からの買電価格C2(昼間電気料金)よりも低いときは、帰宅時の蓄電装置180のSOCが高められ、帰宅後に車両10から住宅20へ電力が供給される。したがって、この実施の形態2によれば、パワーグリッド40からの買電量を抑制することができる。
なお、上記においては、住宅20の売電システムは、太陽光発電設備22によって構成されるものとしたが、図13に示すように、住宅20Aにおいて、太陽光発電設備22に代えて、または太陽光発電設備22とともに(図示せず)、風力を受けて発電する風力発電設備330によって売電システムを構成してもよい。
また、上記においては、車両10の一例として、エンジン110およびモータジェネレータ130を発電装置として搭載したハイブリッド車両について説明したが、車両10は、たとえば、燃料電池および燃料タンク(水素タンク)を発電装置として搭載した燃料電池車であってもよい。
図14は、この発明の車両の一例として示される燃料電池車の全体ブロック図である。図14を参照して、車両10Aは、図2に示した車両10の構成において、エンジン110、動力分割装置120、およびモータジェネレータ130を含まず、伝達ギヤ140に代えて伝達ギヤ270を含む。また、車両10Aは、燃料電池280および燃料タンク290をさらに含み、ECU240に代えてECU240Aを含む。
燃料電池280および燃料タンク290は、車両に搭載された発電装置を形成する。燃料電池280は、燃料タンク290から供給される水素と酸化剤との化学反応によって発生する化学反応エネルギーから電気エネルギーを得る発電電池である。燃料タンク290は、燃料としての水素を蓄え、燃料電池280へ水素を供給する。
なお、上記の各実施の形態においては、車両10は、太陽光発電設備22の発電量や売電量、売電価格等を通信装置250によって住宅20から取得可能としたが、車載の日射センサの検出値や、DCM(Data Communication Module)を用いて取得された天気予報データを用いて、太陽光発電設備22の発電量や売電量等を車両10において予測してもよい。
なお、上記において、住宅20,20Aは、この発明における「建物」の一実施例に対応し、太陽光発電設備22または風力発電設備330は、この発明における「発電設備」の一実施例に対応する。また、エンジン110およびモータジェネレータ130は、この発明における「発電装置」の一実施例を形成し、燃料電池280および燃料タンク290も、この発明における「発電装置」の一実施例を形成する。
さらに、ECU240,240Aは、この発明における「制御装置」の一実施例に対応し、電力I/F部230は、この発明における「出力部」の一実施例に対応する。また、さらに、モータジェネレータ130は、この発明における「発電機」の一実施例に対応し、エンジン110は、この発明における「内燃機関」の一実施例に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電力システム、10,10A 車両、15 電力ケーブル、20,20A 住宅、22 太陽光発電設備、30 送電線、40 パワーグリッド、110 エンジン、120 動力分割装置、130,150 モータジェネレータ、140,270 伝達ギヤ、160 駆動軸、170 駆動輪、180 蓄電装置、190 昇圧コンバータ、200,210 インバータ、220 電圧コンバータ、230 電力I/F部、240,240A ECU、250 通信装置、260 カーナビゲーション装置、280 燃料電池、290 燃料タンク、310 パワーコントローラ、320 住宅負荷、330 風力発電設備。
Claims (8)
- 建物へ電力を出力可能な車両であって、
前記建物は、
発電設備と、
前記発電設備により発電された電力を売電可能な売電システムとを含み、
前記車両は、
再充電可能な蓄電装置と、
前記蓄電装置を充電可能な発電装置と、
前記売電システムによる売電に関する売電情報と前記発電装置の発電コストに関する発電情報とに基づいて前記蓄電装置の充放電を制御する制御装置と、
前記蓄電装置に蓄えられた電力を前記建物へ出力するための出力部とを備える車両。 - 前記制御装置は、前記売電情報と前記発電情報とに基づいて、前記建物への到着時における前記蓄電装置の充電目標を設定する、請求項1に記載の車両。
- 前記売電情報は、前記売電システムによる売電価格を含み、
前記制御装置は、前記発電コストが前記売電価格よりも低いとき、前記充電目標の基本値に対して前記充電目標を高める、請求項2に記載の車両。 - 前記制御装置は、前記建物の発電設備により発電される電力が予め定められた値よりも小さいとき、前記充電目標を前記基本値に維持する、請求項3に記載の車両。
- 前記発電装置は、
発電機と、
前記発電機を駆動する内燃機関とを含み、
前記制御装置は、前記発電コストが前記売電価格よりも低くなる動作点で前記内燃機関が動作するとき、前記充電目標を前記基本値に対して高める、請求項3に記載の車両。 - 前記売電情報は、前記発電設備の発電量および前記建物の電力使用量に関する情報をさらに含み、
前記制御装置は、前記発電設備の発電量および前記電力使用量に基づいて前記車両の発電装置による発電量を算出し、その算出値に基づいて前記充電目標を設定する、請求項3に記載の車両。 - 前記発電設備は、太陽光発電設備である、請求項1に記載の車両。
- 建物へ電力を出力可能な車両の制御方法であって、
前記建物は、
発電設備と、
前記発電設備により発電された電力を売電可能な売電システムとを含み、
前記車両は、
再充電可能な蓄電装置と、
前記蓄電装置を充電可能な発電装置と、
前記蓄電装置に蓄えられた電力を前記建物へ出力するための出力部とを含み、
前記制御方法は、
前記売電システムによる売電に関する売電情報と前記発電装置の発電コストに関する発電情報とに基づいて前記蓄電装置の充放電を制御するステップと、
前記蓄電装置に蓄えられた電力を前記出力部から前記建物へ出力するためのステップとを含む、車両の制御方法。
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-
2012
- 2012-04-23 JP JP2012097533A patent/JP2013226007A/ja active Pending
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