JP2013225963A - 電気鉄道車両の駆動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】走行用の専用蓄電装置や、この蓄電装置を充電するための充電用機器を追加することなく、電気鉄道車両の自立走行を可能にする。
【解決手段】車両は、外部から電力を得る第一の給電手段(3a)と、車両用制御電源、及び表示灯、非常灯等の電源として配備された蓄電手段を備えた複数の第二の給電手段(17a、17b)を備えている。第一の給電手段(3a)から電力供給が得られないとき、蓄電手段接触器(18a、18b)を切り換えることで、複数の第二の給電手段(17a、17b)の一部から、インバータ駆動装置(6a)に電力を供給し、交流電動機(15a)を駆動することにより、非常時あるいは保守点検時、車両の自立走行を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気鉄道車両の駆動システムに関する。
鉄道電気車両(以下、単に車両という。)に外部から電力を供給する方式としては、架線方式と、第三軌条方式が主流である。
架線方式は、車両屋根上の空間に架設された電線から、パンタグラフ等により給電する方式であり、設備上の自由度が高いことから、民鉄線などの都市間鉄道から新幹線まで広く採用されている。
一方、第三軌条方式は、車両が走行する空間が限られ、架線方式の電線を設備することが難しい地下鉄などで主に採用されている。走行用の2本のレールと並行に、電力供給用の第3のレールを併設し、車両の台車上に設備した集電靴が、第3のレール上に接触しながら走行して電力を供給する。
いずれの方式でも、変電所、送電線、架線にトラブルが発生すると、車両の走行が不能になり、車両が駅間に停車した場合、乗客は長時間閉じこめられることになる。このため、架線から電力供給が停止した場合でも、最寄り駅までの自立走行を可能とすることが強く求められる。
一方、第三軌条方式では、車両機器が搭載されている床下と、第三軌条の位置が接近している。このため、車庫線において車両メンテナンスを行う場合、作業の種類によっては、安全を確保するため、第三軌条を敷設していない床下作業用区域に車両を引き込む場合がある。第三軌条が敷設されている区域から、床下作業用区域へ車両を移動する場合は、第三軌条は敷設されている区域で力行してある程度の速度まで加速した後、惰性により床下作業用区域に移動して目的の位置で停止する。
また、床下作業用区域から、第三軌条が敷設されている区域に移動する場合は、まず、床下作業用区域で、作業者が車両の集電靴に電力供給線をジャンパ線にて接続し、この電力によりある速度まで力行する。力行オフ後、惰性にて走行中している最中に、同じく作業者が集電靴からジャンパ線を引き抜き、車両はそのまま第三軌条が敷設されている区域まで移動する。
このように、床下作業用区域から、第三軌条が敷設されている区域への移動は、作業者による手作業が介在するため、高電圧の電力が供給されている電力線(ジャンパ線)を車両に接続することによる、感電の危険性、ジャンパ線の引き抜きを、車両の走行状態で行うことによる、巻き込みの危険性をはらむ危険度の高い作業となっている。
このように、第三軌条方式の鉄道では、車庫線内の第三軌条を敷設できない区域で車両を運用するとき、現状では危険な作業を伴うため、やはり、第三軌条の終端と床下作業用区域の間を、自立走行可能とすることが求められている。
こうした自立走行を可能とするため、列車編成を構成する車両の少なくとも1車両に蓄電装置を搭載して架線など外部から電力を取得し、かつ、その電力を電力変換装置が消費していない状況では蓄電装置を充電し、架線など外部から電力を得られない状況では、蓄電装置の電力を電力変換装置に供給して、車両を加速させる電気鉄道車両の駆動システムについて、下記特許文献1に開示されている。
特開2010−130829号公報
図4に上記先行技術文献に開示されている「電気鉄道車両の駆動システム」の機器構成を示す。
蓄電手段115を充電するときは、断流器108dを開放したまま断流器108cを投入して、抵抗器114bを経由して充電電流が流れるようにする。集電装置103aから得られる電力の電圧(対地電位)が、蓄電手段115の端子電圧(対地電位)よりも高位であれば、集電装置103aから蓄電手段115に充電電流が流れる。一般に蓄電手段115の充電電流はその制限値(最大充電電流)が仕様として定められており、最大充電電流値を超えた充電はできない。このため、抵抗器114bを経由することで充電電流を制限する。すなわち、抵抗器114bは、集電装置103aから得られる電力の電圧と、蓄電手段115の端子電圧の電圧差で、最大充電電流値以下で充電電流が通流するようにその抵抗値を設計する。
蓄電手段115に蓄電された電力で、インバータ回路112を動作させるときは、まず断流器108b、108cを投入して蓄電手段115の電力を抵抗器114bを経由してフィルタコンデンサ111を充電する。このとき、蓄電手段115からフィルタコンデンサ111に突入電流が流れる可能性があるので、抵抗器114bはこの突入電流に対して充分な容量を考慮した設計とする。蓄電手段115の端子電圧と、フィルタコンデンサ111の端子電圧が等しくなった時点で、断流器108dを投入する。これにより、蓄電手段115からインバータ回路への電力供給が確立され、インバータ回路112を動作させることにより電動機113a、113bを駆動して車両101a、101bを加速させることができる。一般に蓄電手段115の放電電流はその制限値(最大放電電流)が仕様として定められており、最大放電電流値を超えた放電はできない。このため、インバータ回路112の動作による電動機113a、113bの駆動は、インバータ回路112の入力電流(消費電流)が、蓄電手段115の最大放電電流値を超えないように制御する。
上記先行技術文献に開示されている電気鉄道車両の駆動システムによれば、列車編成を構成する車両の少なくとも1車両に蓄電装置を搭載することで、架線など外部から電力を得られ、かつ、その電力を電力変換装置が消費していない状況では蓄電装置を充電し、架線など外部から電力を得られない状況では、蓄電装置の電力を電力変換装置に供給して、車両を加速させ、所望の距離を走行することが可能となる。
しかし、現行の車両に、先行技術に開示される電気鉄道車両の駆動システムを構成する際には、次の点が大きな課題となる。
(1)走行用蓄電装置の追加
架線など外部から電力を得られない状況で走行を実現するため、走行用蓄電装置を専用に設けている。4両編成車両(200t)を10km/hで駆動するには数十kWの電力が必要であり、例えばハイブリッド自動車用リチウムイオン電池を想定すると、蓄電装置は少なくとも0.1[m]と試算できる。適用する電池の種類・仕様にもよるが、従来の駆動システムに対する新たな機器増設となり、床下機器スペース確保等の課題が発生することが予想される。
(2)充電用機器の追加
架線など外部電力の電圧はDC1500V、DC600V等の種類がある。これらを電源として走行用蓄電池を充電するため、電池の端子間出力電圧は電源電圧より低く設定している。
電池の充電時は、充電電流を超えないように、充電時には電源から電池までの経路に充電電流を調整する限流抵抗を設ける。一方、車両の走行時(放電時)は、インバータ装置に供給する電源電圧を一定に保つため、限流抵抗を介さない経路で蓄電装置からインバータ装置に電力供給する。すなわち、この充電時と放電時で異なる電力経路を構成するための接触器を設けている。この限流抵抗と接触器で構成する充電用機器は、蓄電装置と同様に従来の駆動システムに対する新たな機器増設となり、床下機器スペース確保等の課題が発生することが予想される。また、接触器の電圧仕様を外部電力の電圧仕様に合わせる必要があるため、機器小型化も難しい。
そこで、本発明の目的は、架線など外部から電力を得られない状況において、走行用の専用蓄電装置や、この蓄電装置を充電するための充電用機器を追加することなく、現行の車両に配備され、補助電源装置により充電され、車両用制御電源、表示灯、非常灯等の負荷に電力を供給する制御電源用蓄電装置の一部から、インバータ装置に電力を供給することで、自立走行を可能する、電気鉄道車両の駆動システムを提供することにある。
一般に鉄道車両においては、インバータ制御装置と、それにより駆動されてけん引力を発生する三相交流電動機を備えており、このインバータ装置を含め、車両内の機器を制御するための車両用制御電源として、あるいは、架線や第三軌条などの給電手段から電力が得られない場合でも、表示灯、非常灯等の補機に一定時間電力を供給するための補助電源として、蓄電装置を備えており、この蓄電装置は補助電源装置から電力を供給して充電される。
そこで、本発明では、新たな走行用蓄電装置や充電用機器を追加することなく、上述のように、一般に鉄道車両に備えられた蓄電装置を利用して、緊急時の走行を可能するため、この蓄電装置を二つに区分する接触器を設け、一方はこれまでどおり、車両用制御電源、補機の電源用として電力供給を分担させ、他方はインバータ装置への電力供給を分担させることにより、車両用制御電源、補助電源を確保した上で、インバータ装置への電力供給を可能とすることで、必要最小限の走行を可能にする。
これらの二つに区分された蓄電手段は、前記接触器の切り換えにより、補助電源装置の電力により個別に充電できる構成として、両者の蓄電量を等しくする充電操作を可能とする。
より具体的には、本発明の電気鉄道車両の駆動システムは、車両の外部から電力を得る第一の給電手段と、車両に設備され、車両用制御電源及び表示灯、非常灯等の補機に電力を供給する電源として、蓄電手段を備えた複数の第二の給電手段と、前記第一の給電手段より得られる直流電力をより低電圧の直流電力に変換し、前記複数の第二の給電手段のそれぞれを充電する複数の第一の電力変換手段と、第一の給電手段より得られる直流電力を交流電力に変換する第二の電力変換手段と、該交流電力による駆動され、車両をけん引する力を発生する交流電動機と、前記複数の第二の給電手段に充電された直流電力より電力供給され、第二の電力変換手段の動作を制御する制御手段を備え、第一の給電手段より得られる直流電力を第二の電力変換装置に供給して交流電動機を駆動し、かつ複数の第二の給電手段に充電された直流電力を前記制御手段に供給する第一の機器動作モードと、複数の第二の給電手段のうち、特定の第二の給電手段に充電された直流電力を前記車両用制御電源、及び表示灯、非常灯等の電源として供給し、残りの第二の給電手段に充電された直流電力を、第二の電力変換装置に供給して、前記交流電動機を駆動する第二の機器動作モードを備え、これらの二つの機器動作モードを選択して構成する電力供給選択手段を備える。
本発明によれば、従来の列車システムに備えられている制御装置に電力を供給する、蓄電機能を備えた蓄電手段を活用することで、新たな機器を追加することなく、第三軌条や架線などの給電手段がない区間での自立走行を可能とする。そして、自立走行する際は、蓄電手段を「制御電源用」と「自立走行用」の二つに区分することで、安定な制御装置への電力供給と、走行距離に応じて十分なインバータ装置への電力供給を両立するとともに、自立走行しないときは、二つに区分した蓄電手段へ個別充電により両者の蓄電量を等しくして、従来どおりの十分な制御電源への電力供給量を確保できる。
本発明の電気鉄道車両の駆動システムにおける一実施形態の基本構成を示す図 本発明の電気鉄道車両の駆動システムの一実施形態における機器構成を示す図 本発明の電気鉄道車両の駆動システムの一実施形態における機器動作を示す波形図 従来の電気鉄道車両車の駆動システムを示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の電気鉄道車両の駆動システムにおける一実施形態の基本構成を示す図である。
車両1a、1b、1c、1dは、列車編成を構成する車両、またはその一部を示している。
車両1aと車両1bは車間連結器2aにより、車両1bと車両1cは車間連結器2bにより、そして、車両1cと車両1dは車間連結器2cによりそれぞれ連結されている。
車両1aは、台車4aを介して輪軸5a、5bにより、また、台車4bを介して輪軸5c、5dにより、図示していないレール面上に支持されている。車両1bは、台車4cを介して輪軸5e、5fにより、また、台車4dを介して輪軸5g、5hにより、図示していないレール面上に支持されている。車両1cは、台車4eを介して輪軸5i、5jにより、また、台車4fを介して輪軸5k、5lにより、図示していないレール面上に支持されている。車両1dは、台車4gを介して輪軸5m、5nにより、また、台車4hを介して輪軸5o、5pにより、図示していないレール面上に支持されている。
車両1aには、補助電源装置9a、蓄電手段として、蓄電装置8aが搭載されており、補機22aには補助電源装置9a、または蓄電装置8aより電力供給手段24a介して電力が供給される。ここで、補機22aとしては、後述するように、蓄電手段接続装置7やパンタグラフ等の制御を含めた車両用制御電源、表示灯、非常灯等の負荷であり、架線からの電力供給が遮断された場合でも乗客の安全を確保するために必要な重要負荷を想定している。
車両用制御電源は一般にDC110V(定格)の電圧仕様であることから、補助電源装置9aからの供給電圧、蓄電装置8aの出力電圧は、変動分を考えてDC110V±30%、あるいはそれ以下としてもよい。ダイオード手段20aは補助電源装置9aの正側出力の電流方向を既定する。ダイオード手段20bは補助電源装置9aまたは蓄電装置8aから、補機22aまたは車両間電力渡り手段23aを介して車両に供給される電力の電流方向を既定する。接地手段21bは、補助電源装置9a、蓄電装置8aの負側出力端子を接地する。
図2に示すように、蓄電装置8aは、図示してない蓄電手段17a、蓄電手段接触器18a、18bで構成される。蓄電装置8aは、図示していない蓄電手段17aの放電による出力を行い、充電のための入力を受ける入出力端子を2群設ける。一方は、補助電源装置9a、補機22aまたは車両間電力渡り手段23aを介して車両1bの電力供給手段電力24bと接続され、これらより電力の入力を受け、あるいはこれらに電力を出力する端子群A、他方は、車両間電力渡り線23d、23eを介して車両1bに備えられる蓄電手段接続装置7と接続され、蓄電手段接続装置7を介して、同じく車両1bに備えられるインバータ駆動装置6aに電力を出力する端子群Bである。蓄電装置8aに備えられ、図示していない蓄電手段17aから端子群Aに至る経路に蓄電手段接触器18a、18bを配置し、電力の入出力を制御できるようにする。
車両1bには、集電装置3a、インバータ駆動装置6a、補機22b、蓄電手段接続装置7が搭載されている。インバータ駆動装置6aは、図示していない電力線から、集電装置3aにより電力が供給される。この電力は、電力変換装置6aにより、可変電圧可変周波数(VVVF)の交流電力に変換され、図示していない電動機に供給して、輪軸5e、5f、5g、5hを駆動する。
補機22bには、車両間電力渡り手段23a、23bを介して、隣接する車両より電力が供給される。ここで、補機22bとしては、前述の補機22aと同様、車両用制御電源、表示灯、非常灯等を想定している。
蓄電手段接続装置7は、後述する主回路・蓄電手段間接触器と電圧検出器、電流検出器で構成される。主回路・蓄電手段間接触器は、蓄電装置8aを構成する蓄電手段とインバータ駆動装置6aの直流部間に設けられ、これを通流状態とすることで、蓄電装置8aからインバータ駆動装置6aに電力を供給することを可能とする。すなわち、蓄電手段接続装置7が備える主回路・蓄電手段間接触器の作用により、蓄電装置8aの電力供給先を、補機または、インバータ駆動装置8aの何れかを選択し、切り換えを可能とする。
車両1cには、集電装置3b、インバータ駆動装置6b、補機22cが搭載されている。
インバータ駆動装置6bは、図示していない電力線から、集電装置3bにより電力が供給される。この電力は、電力変換装置6bにより、可変電圧可変周波数(VVVF)の交流電力に変換され、図示していない電動機に供給して、輪軸5i、5j、5k、5lを駆動する。
補機22cには、電力供給手段24c、車両間電力渡り手段23b、23cを介して、隣接する車両より電力が供給される。ここで、補機22cは、前述の補機22a、22cと同様、車両用制御電源、表示灯、非常灯等を想定している。
車両1dには、蓄電装置8b、補助電源装置9bが搭載されている。補機22dには補助電源装置9bまたは蓄電装置8bより電力供給手段24dを介して電力が供給される。ここで、補機22dは制御装置等を想定している。車両の制御電源は一般にDC110V(定格)の電圧仕様であることから、補助電源装置9bからの供給電圧、蓄電装置8bの出力電圧は、変動分を考えてDC110V±30%、あるいはそれ以下としてもよい。ダイオード手段20cは補助電源装置9bの正側出力の電流方向を既定する。ダイオード手段20dは補助電源装置9bまたは蓄電装置8bから、補機22dまたは車両間電力渡り手段23cを介して車両に供給される電力の電流方向を既定する。接地手段21cは、補助電源装置9b、蓄電装置8bの負側出力端子を接地する。
蓄電装置8bは、図2に示すように、蓄電手段17b、蓄電手段接触器18c、18dで構成される。蓄電装置8bは、図示していない蓄電手段17bの放電による出力を行い、かつ充電のための入力を受ける入出力端子を設ける。すなわち、補助電源装置9b、補機22dまたは車両間電力渡り手段23cを介して車両1cの電力供給手段電力24cと接続され、これらより電力の入力、あるいはこれらに電力を出力する端子群Aである。蓄電装置8bに備えられ、図示していない蓄電手段17bから端子群Aに至る経路に蓄電手段接触器18c、18dを配置し、電力の入出力を制御できるようにする。
本実施形態では、車両1a、1b、1c、1dで構成された列車編成のうち、車両1aには蓄電装置8a、補助電源装置9a、車両1bにはインバータ駆動装置6a、蓄電手段接続装置7、車両1cにはインバータ駆動装置6b、車両1dには蓄電装置8b、補助電源装置9bが搭載されている例を示している。しかし、本発明が適用される車両として、蓄電装置8a、8b、補助電源装置9a、9bの搭載位置を、列車編成の先頭に位置する車両1a、1dに限定するものではない。本発明の鉄道車両の駆動システムは、列車編成を構成する車両のうち、複数の車両に蓄電装置、補助電源装置を搭載して、集電装置で電力を得られる状況では、蓄電装置から列車内の制御装置に電力を供給するとともに、補助電源装置により蓄電装置を充電する。また、集電装置で電力を得られない状況では、その状況を判別して、特定の蓄電装置は、特定のインバータ駆動装置に電力を供給し、特定のインバータ駆動装置は可変電圧可変周波数(VVVF)の交流電力に変換して、電動機を駆動し車両を加速させる。
また一般に、列車編成には、車両1b、1cのように輪軸を電動機で駆動する電動車のほかに、輪軸を電動機で駆動しない付随車が存在する。本発明の鉄道車両の駆動システムにおいても、車両1a、車両1dと同様の先頭車(付随車)、車両1b、1cと同様の電動車のほか、中間付随車も連結した列車編成とすることが考えられる。
以上の構成によれば、従来の列車システムに備えられている制御装置に電力を供給する蓄電装置を活用することで、新たな機器を追加することなく第三軌条や架線などの給電手段がない区間で自立走行を可能とし、自立走行する際は、前記蓄電装置の蓄電手段を「制御電源用」と「自立走行用」の二つに区分することで、安定な制御装置への電力供給と、走行距離に応じて十分なインバータ装置への電力供給を両立するとともに、自立走行しないときは、二つに区分した蓄電手段へ個別充電により両者の蓄電量を等しくして、従来どおりの十分な制御電源への電力供給量を確保できる、電気鉄道車両の駆動システムを提供できる。
さて、図2において、集電装置3aから給電された電力は、高速度遮断器10を経由する。インバータ回路14が動作していないとき、及び緊急時には、高速度遮断機10、断流器11a、11bにより集電装置3aからの給電を切断できる。高速度遮断器10を経由した電力は、まずインバータ駆動装置6aの構成要素である断流器11a、断流器11bに送られる。断流器11aはインバータ回路14が動作していないときに、電力線とインバータ回路14の接続を断つ役割をもつ。また、断流器11bは、電力線の電力をコンデンサ13に充電完了するまでは開放状態として突入電流を減流する抵抗器16を介した電流経路を構成する。
コンデンサ13の充電が完了したあとは、断流器11bを接続状態として、抵抗器16を介さない電流経路を構成する。電圧検出器51aは、集電装置3aと接地点21aの間に設置し、集電装置3aから供給される電力の電圧値V_s(対地電位)を検出する。断流器11bを経由した電力は、リアクトル12、及びコンデンサ13で構成するLC回路(フィルタ回路)で高周波数域の変動分を除去して、インバータ回路14に入力する。インバータ回路14は、入力された直流電力を可変電圧可変周波数(VVVF)の3相交流電力に変換して、主電動機15a、15bを駆動する。電圧検出器51bは、コンデンサ13の両端の直流部電圧V_fcを検出する。
電流検出器52a、52b、52cは、インバータ回路14と、主電動機15a、15b間の3相交流電力線を流れる各相の電流をI_u、I_v、I_wを検出する。電流検出器52dは、集電装置3aとインバータ回路14の間にある直流電力部のうち、断流器11bよりも、インバータ回路14に近い側に配置して、インバータ回路14の入出力電流を検出する。
なお、本実施形態では、インバータ回路14が駆動する主電動機が2台(電動機15a、15b)の場合を示しているが、これは本発明としてインバータ回路14を駆動する主電動機の台数を既定するものではない。
以上の構成により、(a)電力線から供給される電力を集電装置3a、3bより取り入れ、これを動力源として車両を駆動する「通常走行モード」、(b)蓄電装置8の蓄電エネルギを動力源として車両を駆動する「バッテリ走行モード」を実現する。以下、各モードについて説明する。
(a)通常走行モード
運転台の「バッテリ入り」スイッチをオンにすることで、蓄電手段接触器18a、18bが投入され、蓄電手段17aと、蓄電手段17bは、電力供給手段24a、24b、24c、24dと、車両間電力渡り手段23a、23b、23cを介して出力端子が接続される。これにより、蓄電手段17a、17bから補機22a、22b、22c、22dに電力が供給される。
次に、「パンタ上昇」スイッチをオンにすることで、集電装置3a、3bは電力線と接するように動作する。電力線と、集電装置3a、3bが接すると、インバータ駆動装置6a、6bへ電力が供給される。以下、インバータ駆動装置6aについて機器の動作を説明するが、「(a)通常走行モード」では、インバータ駆動装置6bの機器動作は、インバータ駆動装置6aと同様のものとする。
インバータ駆動装置6aの高速度遮断器10の直前まで電力線から電力が供給され、電圧検出装置51aが検出する電圧値V_sは、電力線と等しい電圧であるV_s_0を示す。一方、集電装置3aが電力線と接すると、補助電源装置9a、9bにも電力が供給される。これにより、補助電源装置は動作を開始(ゲートスタート)する。
補助電源装置は動作を開始後、運転台で「リセット」スイッチをオンにする。
「リセット」スイッチは本来、インバータ駆動装置6aが故障等を検知して保護動作モードに遷移したとき、安全確認後に保護動作モードから抜けるためのスイッチであり、通常、インバータ駆動制御装置の電源を投入した直後は安全の観点から一旦、保護動作モードに遷移させ、安全確認後に「リセット」スイッチをオンにして、正常モードに復帰させる。正常モード復帰により、高速度遮断器10が投入される。
運転台で力行ノッチを投入すると、断流器11aが投入され、電力線からの電力は、抵抗器16を介してコンデンサ13に充電される。ここで、抵抗器16は、電力線からの電力をコンデンサ13に充電するときの突入電流を所定値よりも小さく抑えるために設けている。コンデンサ13の充電により電圧検出手段51bの電圧値V_fcは上昇する。V_fcが前述の電圧検出手段51aの電圧値V_s_0に漸近することで、引続き断流器11bが投入され、電力線からの電力は、抵抗器16を介さずにインバータ回路14まで供給される。インバータ主回路14は動作を開始(ゲートスタート)し、インバータ主回路14の動作により、電動機15a、15bは駆動され、車両の加速が始まる。
(b)バッテリ走行モード
前述のように、運転台の「バッテリ入り」スイッチをオンにすることで、蓄電手段接触器18a、18bが投入される。蓄電手段接触器18a、18bの投入により、蓄電手段17aと、蓄電手段17bは、電力供給手段24a、24b、24c、24dと、車両間電力渡り手段23a、23b、23cを介して出力端子が接続される。これにより、蓄電手段17a、17bから補機22a、22b、22c、22dに電力が供給される。
次に、「バッテリ走行」スイッチをオンにすることで、蓄電装置8aの蓄電手段接触器18aが開放され、蓄電手段17aからは、補機22a、22b、22c、22dに電力(Control Power)が供給されなくなる。
バッテリ走行モードは、蓄電装置8aの蓄電手段17aを、蓄電手段接続装置7を介して、インバータ駆動装置6aに接続し、蓄電手段17aからインバータ回路14に電力を供給することで、車両を加速させる。一方、編成内の他の蓄電手段17bは、補機22a、22b、22c、22dに電力を供給する。すなわち、バッテリ走行するために必要な電力(自立走行用電力)は蓄電手段17aで供給し、補機すなわち車両用制御電源、表示灯、非常灯等の重要負荷用の電源として必要な電力(制御電源用電力)は蓄電手段17bで供給することにより、所定距離をバッテリ走行する蓄電エネルギと、制御装置を動作させる蓄電エネルギをそれぞれ確実に確保し、安定かつ確実なバッテリ走行を実現する。
なお、バッテリ走行モードでは、蓄電手段17aより電力が供給されるインバータ駆動装置6aを動作させ、電動機15a、15bの駆動トルクで車両を加速させる。電力が供給されないインバータ駆動装置6bは動作させず、電動機15c、15dは駆動トルクを発生しない。これは、蓄電手段17aの限られた電力をインバータ駆動装置6aに集中して割り振り、電動機15a、15bのみで必要最小限の走行を可能にするためのものである。その際、可能な限り電力消費を低減するため、必要最小限加速が得られる力行を実行するとともに、その後の惰行走行を最大限有効活用する運動モードを自動的に選択するようにすると好適である。
また、バッテリ走行モードでは、電力線からの電力を受けないため、補助電源装置9a、9bからは、補機22a、22b、22c、22d、蓄電手段17a、17bに電力を供給できず、補機22a、22b、22c、22dについては、他の蓄電手段17bから電力供給を受けることになる。
次に、運転台で「リセット」スイッチをオンにする。前述のように、「リセット」スイッチは本来、インバータ駆動装置6aが故障等を検知して保護動作モードに遷移したとき、安全確認後に保護動作モードから抜けるためのスイッチであり、通常、インバータ駆動制御装置の電源を投入した直後は安全の観点から一旦、保護動作モードに遷移させ、安全確認後に「リセット」スイッチをオンにして、正常モードに復帰させる。正常モード復帰により、主回路蓄電手段接触器19a、19bが投入される。
ここで、主回路蓄電手段接触器19a、19bは、前述のように低電圧仕様である蓄電装置17a、補機22a、22b、22c、22dに、誤って電力線からの高電圧が印加されることにより破損することがないよう、電力線からの高電圧が印加されていないことを確認した上で投入する必要がある。このため、「(1)電圧検出手段51の電圧値V_sが零に漸近していること」、「(2)高速度遮断器10と断流器11aの両方、または何れかが開放されていること」、「(3)蓄電手段接触器18a、18bが開放されていること」を満たしているときに、前記「リセット」スイッチをオンにしたときに、主回路蓄電手段接触器19a、19bの投入を許可する。
主回路蓄電手段接触器19a、19bが投入されると、蓄電手段17aの電圧がインバータ駆動装置6aのインバータ回路14に印加され、まずインバータ回路14に並列に接続されたコンデンサ13が充電される。コンデンサ13は、蓄電手段17aの出力電圧よりも高電圧な電力線から電力供給を受けることを想定して電圧仕様を決定する。前述のように、電力線からの電力によりコンデンサ13を充電する通常走行モードでは、突入電流を防止するため抵抗器16を介して充電した。これに対し、バッテリ走行モードでは、蓄電手段17aの電力でコンデンサ13を充電する場合は同様の抵抗器を介さずに充電する。これは、蓄電手段17aは前述のように補機22a、22b、22c、22dにも電力を供給するため、蓄電手段17aの出力電圧は、DC110V±30%、あるいはそれ以下想定しており、電力線の電圧よりも遥かに低電圧であるため実現できるのである。
運転台で力行ノッチを投入すると、コンデンサ13の充電はすでに開始されており、V_fcが前述の電圧検出手段51cの電圧値V_bat_0に漸近する状態に至ることで、充電完了を認識する。この充電完了状態で、力行ノッチが投入されると、インバータ主回路14は動作を開始(ゲートスタート)し、インバータ主回路14の動作により、電動機15a、15bは駆動され、車両の加速が始まる。
以上の構成によれば、従来の列車システムに備えられている制御装置に電力を供給する蓄電装置を活用することで、新たな機器を追加することなく第三軌条や架線などの給電手段がない区間で自立走行を可能とし、自立走行する際は、前記蓄電装置の蓄電手段を「制御電源用」と「自立走行用」の二つに区分することで、安定な制御装置への電力供給と、走行距離に応じて十分なインバータ装置への電力供給を両立するとともに、自立走行しないときは、二つに区分した蓄電手段へ個別充電により両者の蓄電量を等しくして、従来どおりの十分な制御電源への電力供給量を確保できる、電気鉄道車両の駆動システムを提供できる。
図3は、本発明の電気鉄道車両の駆動システムの一実施形態における機器動作を示す波形図である。
(a)は電力線から供給される電力を集電装置3a、3bより取り入れ、これを動力源として車両を駆動する場合(通常走行モード)の車両及び各機器の動作を示す図、(b)は蓄電装置8の蓄電エネルギを動力源として車両を駆動する場合(バッテリ走行モード)の車両及び各機器の動作を示す図である。
まず、(a)通常走行モードについて、車両及び各機器の動作を時刻(t0〜t6)の経過に基づいて説明する。
時刻t0では、電力線と集電装置3a、3bは接しておらず、車両及び各機器に電力供給されていない。ただし、蓄電手段17aの電力は蓄電手段接続装置には供給されており、電圧検出手段51cが検出する電圧値V_btrは、蓄電手段7aの出力電圧であるV_btr_0を示している。
時刻t1では、「バッテリ入り」スイッチをオンにすることで、Battery ON信号がオンする。Battery ON信号オンにより、蓄電手段接触器18a、18bが投入され、その状態を示すBATK1信号、BATK2信号がオンする。蓄電手段接触器18a、18bの投入により、蓄電手段17aと、蓄電手段17bは、電力供給手段24a、24b、24c、24dと、車両間電力渡り手段23a、23b、23cを介して出力端子が接続される。これにより、蓄電手段17a、17bから補機22a、22b、22c、22dに電力(Control Power)が供給される。
ここで、補機22aとしては、前述のように、車両用制御電源、表示灯、非常灯等の重要負荷用の電源を想定しており、車両の制御電源の一般にDC110V(定格)を用いることから、補助電源装置9aの供給電圧、蓄電装置8aの出力電圧は、変動分を考えてDC110V±30%、あるいはそれ以下であるとしてもよい。
時刻t2では、「パンタ上昇」スイッチをオンにすることで、PAN UP信号がオンする。PAN UP信号のオンにより、集電装置3a、3bは電力線と接するように動作する。電力線と、集電装置3a、3bが接すると、インバータ駆動装置6a、6bへ電力が供給される。以下、インバータ駆動装置6aについて機器の動作を説明するが、「(a)通常走行モード」では、インバータ駆動装置6bの機器動作は、インバータ駆動装置6aと同様であるとする。
インバータ駆動装置6aの高速度遮断器10の直前まで電力線から電力が供給され、電圧検出装置51aが検出する電圧値V_sは、電力線と等しい電圧であるV_s_0を示す。
一方、集電装置3aが電力線と接すると、補助電源装置9a、9bにも電力が供給される。これにより、補助電源装置は動作を開始(ゲートスタート)し、その状態を示すAPS gate start信号がオンする。
時刻t3では、運転台で「リセット」スイッチがオンにされ、Reset信号がオンする。「リセット」スイッチは本来、インバータ駆動装置6aが故障等を検知して保護動作モードに遷移したとき、安全確認後に保護動作モードから抜けるためのスイッチである。通常、インバータ駆動制御装置の電源を投入した直後は安全の観点から一旦、保護動作モードに遷移させ、安全確認後に「リセット」スイッチを扱い、正常モードに復帰させる。正常モード復帰により、高速度遮断器10aが投入され、その状態を示すHB信号がオンする。
時刻t4では、運転台で力行ノッチが投入され、Powering信号がオンする。Powering信号のオンにより、断流器11aが投入されその状態を示すLB1信号がオンする。断流器11aが投入されると、電力線からの電力は、抵抗器16を介してコンデンサ13に充電される。ここで、抵抗器16は、電力線からの電力をコンデンサ13に充電するときの突入電流を所定値よりも小さく抑えるために設けている。コンデンサ13の充電により電圧検出手段51bの電圧値V_fcは上昇する。V_fcが前述の電圧検出手段51aの電圧値V_s_0に漸近する状態に至ることで、断流器11bを投入、その状態を示すLB2信号がオンする。断流器11bの投入により、電力線からの電力は、抵抗器16を介さずにインバータ回路14まで供給される。
時刻t5では、電力線からの電力は、抵抗器16を介さずにインバータ回路14まで供給される。インバータ主回路14は動作を開始(ゲートスタート)し、その状態を示すINV gate start信号がオンする。インバータ主回路14の動作により、電動機15a、15bは駆動され、車両の加速が始まる。
時刻t6では、運転台で力行ノッチの投入は解除され、Powering信号はオフする。Powering信号のオフにより、インバータ主回路14は動作を停止(ゲートストップ)し、その状態を示すINV gate start信号がオフする。インバータ主回路14の停止により、車両の加速は終わる。
次に、(b)バッテリ走行モードについて、車両及び各機器の動作を時刻(t0〜t6)の経過に基づいて説明する。
時刻t0では、電力線と集電装置3a、3bは接しておらず、車両及び各機器に電力供給されていない。ただし、蓄電手段17aの電力は蓄電手段接続装置には供給されており、電圧検出手段51cが検出する電圧値V_btrは、蓄電手段7aの出力電圧であるV_btr_0を示している。
時刻t1では、「バッテリ入り」スイッチをオンにすることで、Battery ON信号がオンする。Battery ON信号オンにより、蓄電手段接触器18a、18bが投入され、その状態を示すBATK1信号、BATK2信号がオンする。蓄電手段接触器18a、18bの投入により、蓄電手段17aと、蓄電手段17bは、電力供給手段24a、24b、24c、24dと、車両間電力渡り手段23a、23b、23cを介して出力端子が接続される。これにより、蓄電手段17a、17bから補機22a、22b、22c、22dに電力(Control Power)が供給される。
ここで、補機22aは制御装置等の電源を想定している。車両の制御電源の一般にDC110V(定格)を用いることから、補助電源装置9aの供給電圧、蓄電装置8aの出力電圧は、変動分を考えてDC110V±30%、あるいはそれ以下であるとしてもよい。
時刻t2では、「バッテリ走行」スイッチをオンにすることで、BatRun信号がオンする。BatRun信号のオンにより、蓄電装置8aの蓄電手段接触器18aを開放し、その状態を示すBATK1信号はオフする。これにより、蓄電手段17a、から補機22a、22b、22c、22dに電力(Control Power)が供給されなくなる。
バッテリ走行モードは、蓄電装置8aの蓄電手段17aを、蓄電手段接続装置7を介して、インバータ駆動装置6aに接続し、蓄電手段17aからインバータ回路14に電力を供給することで、車両を加速させる。一方、編成内の他の蓄電手段17bは、補機22a、22b、22c、22dに電力を供給する。すなわち、バッテリ走行するために必要な電力(自立走行用電力)は蓄電手段17aで供給し、補機すなわち制御装置の電源として必要な電力(制御電源用電力)は蓄電手段17bで供給することにより、所定距離をバッテリ走行する蓄電エネルギと、制御装置を動作させる蓄電エネルギをそれぞれ確実に確保し、安定かつ確実なバッテリ走行を実現する。なお、バッテリ走行モードでは、蓄電手段17aより電力が供給されるインバータ駆動装置6aを動作させ、電動機15a、15bの駆動トルクで車両を加速させる。電力が供給されないインバータ駆動装置6bは動作させず、電動機15c、15dは駆動トルクを発生しない。また、バッテリ走行モードでは、電力線からの電力を受けないため、補助電源装置9a、9bからは、補機22a、22b、22c、22d、蓄電手段17a、17bに電力を供給できない。
時刻t3では、運転台で「リセット」スイッチが扱われ、Reset信号がオンする。「リセット」スイッチは本来、インバータ駆動装置6aが故障等を検知して保護動作モードに遷移したとき、安全確認後に保護動作モードから抜けるためのスイッチである。通常、インバータ駆動制御装置の電源を投入した直後は安全の観点から一旦、保護動作モードに遷移させ、安全確認後に「リセット」スイッチを扱い、正常モードに復帰させる。正常モード復帰により、主回路蓄電手段接触器19a、19bが投入され、その状態を示すBK信号がオンする。
ここで、主回路蓄電手段接触器19a19bは、低電圧仕様である蓄電装置17a、補機22a、22b、22c、22dに、電力線からの高電圧が印加されないことを確認した上で投入する必要がある。このため、「(1)電圧検出手段51の電圧値V_sが零に漸近していること」、「(2)高速度遮断器10と断流器11aの両方、または何れかが開放されていること」、「(3)蓄電手段接触器18a、18bが開放されていること」を満たしているときに、前記「リセット」スイッチを扱ったときに、主回路蓄電手段接触器19a、19bの投入を許可する。
主回路蓄電手段接触器19a、19bが投入されると、蓄電手段17aの電圧がインバータ駆動装置6aのインバータ回路14に印加され、まずインバータ回路14に並列に接続されたコンデンサ13が充電される。コンデンサ13は、蓄電手段17aの出力電圧よりも高電圧な電力線から電力供給を受けることを想定して電圧仕様を決定する。前述のように、電力線からの電力によりコンデンサ13を充電する通常走行モードでは、突入電流を防止するため抵抗器16を介して充電した。これに対し、バッテリ走行モードでは、蓄電手段17aの電力でコンデンサ13を充電する場合は同様の抵抗器を介さずに充電する。これは、蓄電手段17aは前述のように補機22a、22b、22c、22dにも電力を供給するため、蓄電手段17aの出力電圧は、DC110V±30%、あるいはそれ以下想定しており、電力線の電圧よりも遥かに低電圧であるため実現できるのである。
時刻t4では、運転台で力行ノッチが投入され、Powering信号がオンする。コンデンサ13の充電は時刻t3の時点で開始され、電圧検出手段51bの電圧値V_fcは上昇する。V_fcが前述の電圧検出手段51cの電圧値V_bat_0に漸近する状態に至ることで、充電完了を認識する。この充電完了状態において、Powering信号がオンすることにより、インバータ主回路14は動作を開始(ゲートスタート)し、その状態を示すINV gate start信号がオンする。インバータ主回路14の動作により、電動機15a、15bは駆動され、車両の加速が始まる。
時刻t6では、運転台で力行ノッチの投入は解除され、Powering信号はオフする。Powering信号のオフにより、インバータ主回路14は動作を停止(ゲートストップ)し、その状態を示すINV gate start信号がオフする。インバータ主回路14の停止により、車両の加速が終了する。
1…車両、2…車間連結器、3…集電装置、4…台車、5…輪軸、6…インバータ駆動装置、7…蓄電手段接続装置、8…蓄電装置、9…補助電源装置、10…高速度遮断機、11…断流器、12…リアクトル、13…コンデンサ、14…インバータ回路、15…電動機、16…抵抗器、17…蓄電手段、18…蓄電手段接触器、19…主回路・蓄電手段接触器、20…ダイオード手段、21…接地手段、22…補機、23…車両間電力渡り手段、24…電力供給手段、51…電圧検出手段、52…電流検出手段

Claims (4)

  1. 車両の外部から電力を得る第一の給電手段と、車両に配備され、車両用制御電源及び表示灯や非常灯を含む補機に電力を供給する電源として、蓄電手段を備えた複数の第二の給電手段と、前記第一の給電手段より得られる直流電力をより低電圧の直流電力に変換し、前記複数の第二の給電手段のそれぞれを充電する複数の第一の電力変換手段と、第一の給電手段より得られる直流電力を交流電力に変換する第二の電力変換手段と、該交流電力により駆動され、車両をけん引する力を発生する交流電動機と、前記複数の第二の給電手段に充電された直流電力より電力供給され、第一,および第二の電力変換手段の動作を制御する制御手段を備え、
    第一の給電手段より得られる直流電力を第二の電力変換装置に供給して交流電動機を駆動し、かつ複数の第二の給電手段に充電された直流電力を前記制御手段に供給する第一の機器動作モードと、複数の第二の給電手段のうち、特定の第二の給電手段に充電された直流電力を前記車両用制御電源、及び表示灯や非常灯を含む電源として供給し、残りの第二の給電手段に充電された直流電力を、第二の電力変換装置に供給して、前記交流電動機を駆動する第二の機器動作モードを備え、これらの二つの機器動作モードを選択して構成する電力供給選択手段を備えることを特徴とする電気鉄道車両の駆動システム。
  2. 請求項1の電気鉄道車両の駆動システムにおいて、
    前記第二の給電手段に充電され、前記制御手段または前記第一の電力変換装置に供給される直流電力は、150V以下の電圧であることを特徴とする電気鉄道車両の駆動システム。
  3. 請求項1の電気鉄道車両の駆動システムにおいて、
    前記第二の給電手段は、鉄道車両の制御電源を供給する鉛蓄電池であり、第二の給電手段に充電され、前記制御手段または前記第一の電力変換装置に供給される直流電力は、150V以下の電圧であることを特徴とする電気鉄道車両の駆動システム。
  4. 請求項1または2の電気鉄道車両の駆動システムにおいて、
    前記第一の電力供給手段より得られる直流手段の電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記電圧検出手段の電圧検出値が零近傍であることより、前記第一の電力供給手段は、前記第一の給電手段から電力の供給を受けていないことを判断し、前記電力選択供給手段の作用による第一の機器動作モード、または第二の機器動作モードへの切り換えを許可することを特徴とする電気鉄道車両の駆動システム。
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