JP2013222107A - 冷却装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回動する無端ベルト部材で記録材を搬送しながら冷却する冷却装置において、冷却部材と無端ベルト部材との密着性を高めるのに静電気を利用しつつ、無端ベルト部材の駆動を安定化させ、記録材の全面に亘る均一な冷却効果が得られる冷却装置を提供する。
【解決手段】下部搬送ベルト153とで用紙Pを挟持搬送する上部搬送ベルト113の用紙P側の内周面に、摺動接触するように冷却部材111を配置した。そして、上部搬送ベルト113の帯電量を所定の範囲内に規制する帯電量規制手段120に、上部搬送ベルト113のベルト電位を計測する電位センサ131と、上部搬送ベルト113の除電を行う除電ブラシ125と、冷却部材111の除電を行う冷却部材アース121と、制御部130とを設けた。そして、電位センサ131で計測したベルト電位値に基づいて、除電ブラシ125及び冷却部材アース121の各スイッチを制御部130で制御する。
【選択図】図7

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に用いられる冷却装置、及びこの冷却装置を備えた画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置において、記録材上に転写されたトナーを定着装置により加熱・加圧を行うことで定着させるものが知られている。この定着後の記録材が熱を持ったまま排紙トレイにスタックされていくと排紙トレイにスタックされた記録材上のトナー画像を形成するトナーが軟化した状態で、さらに記録材が重なると、記録材の束の自重による圧力が生じる。この圧力が軟化したトナーに加わり記録材間が貼りついてしまうブロッキングと呼ばれる現象が生じる場合がある。貼り付いてしまった記録材間を無理に剥がそうとするとトナー像が壊れてしまう。このようなブロッキングを抑制するためには、定着装置により加熱された後の記録材を十分に冷却するための冷却装置が必要となる。
従来から、記録材を搬送しながら冷却する冷却装置として、回動する無端ベルト部材で記録材を搬送しつつ、無端ベルト部材の記録材側の内周面に冷却部材を接触させて、無端ベルト部材越しに記録材からの熱を吸熱して冷却するものが知られている。
例えば、特許文献1には、次のような冷却装置が記載されている。回動する無端ベルト部材(フィルム状ベルト)と対向する回転体(搬送ローラ)とで記録材を挟持搬送しつつ、無端ベルト部材の記録材側の内周面に冷却部材(冷却部)を接触させている。このように無端ベルト部材の内周面に冷却部材を接触させながら記録材を搬送することで、無端ベルト部材越しに定着装置により加熱された後の記録材の熱を吸熱して冷却するというものである。
また、特許文献2には、次のような冷却装置を有した定着装置が記載されている。この定着装置の加熱ローラは、用紙搬送方向下流側に配置された従動ローラとに架け渡した無端ベルト部材(定着ベルト)を介して、上方に配置された加圧ローラとで記録材を挟持して定着ニップ部を形成している。定着ニップ部で定着された記録材は、無端ベルト部材を回動させることで加熱ローラと従動ローラとで支持された略水平な展張面上を搬送される。そして、記録材が搬送される無端ベルト部材の加熱ローラと従動ローラとで支持された区間には、内周側(下方)から接触する冷却部材(ヒートシンク)が設けられており、無端ベルト部材越しに加熱ローラで加熱された直後の記録材を冷却する。
また、冷却部材の無端ベルト部材に接触する面(以下、接触面という)から反対側の面(以下、反対面という)に貫通する空気孔を設け、反対面の空気孔の周囲に負圧を発生させて接触面の空気孔周囲から空気を吸引する。このように吸引することで、無端ベルト部材を冷却部材に吸着して、無端ベルト部材と冷却部材との密着性を高め、無端ベルト部材を介して加熱ローラにより加熱された後の記録材の熱を吸熱して冷却するというものである。
特許文献1及び2に記載の冷却装置は、いずれも無端ベルト部材の張力(以下、ベルト張力という)による冷却部材に対する押圧効果に加え、無端ベルト部材と冷却部材との間に摩擦帯電により生じる静電気による密着効果を得ることも可能である。この静電気による密着効果を得ることで、例えば、ベルト張力が低下したり、無端ベルト部材の幅方向(ローラ軸方向)でベルト張力に偏りが生じたりした場合であっても、無端ベルト部材と冷却部材との接触領域に部分的な間隙が生じることを抑制できる。したがって、このような部分的な間隙により記録材の全面に亘る均一な冷却効果が得られなくなることを回避し、記録材の全面に亘る均一な冷却効果を得ることができる。
また、特許文献2に記載の冷却装置では、記録材の自重による無端ベルト部材に対する押圧効果に加え、次のようにして無端ベルト部材で記録材を静電吸着することによる密着効果を得ることも可能である。冷却部材との摩擦帯電により帯電する無端ベルト部材の極性が、無端ベルト部材と記録材とが接触して記録材表面に生じる極性と逆極性になるように冷却部材及び無端ベルト部材の材質を設定する。これにより、無端ベルト部材に記録材を静電吸着して密着性を高め、例えば、定着後の記録材に部分的な曲がり癖等が多少生じている場合であっても、無端ベルト部材と記録材との接触領域に部分的な間隙が生じることを抑制できる。したがって、記録材の全面に亘る均一な冷却効果を得ることができる。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の冷却装置では、冷却部材と無端ベルト部材との摩擦帯電による帯電量が増えすぎると、静電気による冷却部材と無端ベルト部材とが引き合う力が強くなりすぎて互いに張り付いてしまう。このように静電気による張り付きが生じると、無端ベルト部材の駆動抵抗が高まって駆動モータに想定外の負荷がかかるおそれがある。このように負荷がかかると、無端ベルト部材の駆動が安定せず、記録材を所望の速度で安定して搬送できなくなってしまう。
そこで、冷却部材と無端ベルト部材との摩擦によって生じる静電気を除電する構成も考えられるが、静電気による張り付きは防止できるものの、次のような不具合が生じるおそれがある。
特許文献1に記載の構成では、静電気による密着効果を得ることができず、冷却部材と無端ベルト部材とが接触する領域に部分的な間隙が生じてしまうおそれがある。
また、特許文献2に記載された構成では、負圧により無端ベルト部材を冷却部材に吸着するので、静電気を常に除電する構成でも無端ベルト部材と冷却部材との密着性を高めることができる。しかし、静電気を除電する構成では、無端ベルト部材に記録材を静電吸着することができず、無端ベルト部材と記録材とが接触する領域に部分的な間隙が生じてしまうおそれがある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、次のような冷却装置を提供することである。回動する無端ベルト部材で記録材を搬送しながら冷却する冷却装置において、冷却部材と無端ベルト部材との密着性を高めるのに静電気を利用しつつ、無端ベルト部材の駆動を安定化させ、記録材の全面に亘る均一な冷却効果が得られる冷却装置である。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数のローラによって張架されて回動する無端ベルト部材により記録材を搬送する搬送手段と、前記無端ベルト部材の前記記録材側の内周面に摺動接触するように配置された冷却部材とを備えた冷却装置において、前記冷却部材と該冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量を所定の範囲内に規制する帯電量規制手段を設けたことを特徴とするものである。
本発明は、帯電量規制手段により冷却部材と冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量を所定の範囲内に規制でき、帯電量が増えすぎて冷却部材と冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材とが互いに張り付いてしまうことを抑制できる。
すなわち、冷却部材と冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量が所定の範囲を越えるまでは、冷却部材と無端ベルト部材との摩擦帯電により生じる静電気を利用して、冷却部材と無端ベルト部材との接触領域での密着性を高めることができる。また、冷却部材との摩擦帯電により帯電する無端ベルト部材の極性が、無端ベルト部材と記録材とが接触して記録材表面に生じる極性と逆極性になるように冷却部材及び無端ベルト部材の材質を設定して、無端ベルト部材と記録材との接触領域での密着性を高めることもできる。これらのように、冷却部材と無端ベルト部材や、無端ベルト部材と記録材の接触領域での密着性を高め、冷却部材により無端ベルト部材越しに記録材からの熱を吸熱することで、記録材の全面に亘る均一な冷却効果が得られる。
一方、帯電量が所定の範囲を越えそうになったら、帯電量規制手段で冷却部材と冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量を、除電する等して所定の範囲内に規制でき、それぞれ帯電した冷却部材と無端ベルト部材とが引き合う力が過剰に大きくなるのを抑制できる。このように抑制できるので、無端ベルト部材の駆動抵抗が高まって駆動モータに想定外の負荷がかかることを抑制でき、無端ベルト部材の駆動を安定化させて記録材の搬送を所望の速度で安定して行うことができる。
本発明は、回動する無端ベルト部材で記録材を搬送しながら冷却する冷却装置において、冷却部材と無端ベルト部材との密着性を高めるのに静電気を利用しつつ、無端ベルト部材の駆動を安定化させ、記録材の全面に亘る均一な冷却効果が得られる冷却装置を提供できる。
一実施形態に係るタンデム型中間転写ベルト方式のプリンタの概略構成図。 実施例1に係る冷却装置の斜視説明図。 冷却部材と上部搬送ベルトが摺動した場合の、冷却部材、上部搬送ベルト、及び用紙の表面の帯電状態についての説明図。 上部搬送部に有した冷却部材と上部搬送ベルトの除電を、常時行う構成の説明図。 上部搬送部で生じる従動ローラの傾きに起因した上部搬送ベルトのたるみに関する平面説明図。 上部搬送部で生じる従動ローラの傾きに起因した上部搬送ベルトのたるみに関する断面説明図。 実施例1に係る冷却装置に設けた帯電量規制手段の説明図。 実施例2に係る冷却装置に設けた帯電量規制手段の説明図。 実施例3に係る冷却装置に設けた帯電量規制手段の説明図。 実施例4に係る冷却装置に設けた帯電量規制手段の説明図。 実施例4に係る冷却装置に設けた帯電量規制手段の制御フロー図。 実施例5に係る冷却装置の斜視説明図。 実施例6に係る冷却装置の斜視説明図。
以下、本発明を適用した冷却装置100の一実施形態について、複数の実施例を挙げ、図を用いて説明する。まず、各実施例に共通する本実施形態の画像形成装置であるプリンタ300の概略について説明する。図1は、本実施形態に係るタンデム型中間転写ベルト方式のプリンタ300の概略構成図である。
プリンタ300では、複数のローラ(第1張架ローラ22、第2張架ローラ23、第3張架ローラ24等)によって、無端ベルト部材である中間転写ベルト21を張架している。そして、中間転写ベルト21は、上記複数のローラうちの一つが回転駆動することにより図中矢印a方向に回転する構成である。また、プリンタ300は、中間転写ベルト21のまわりに画像形成用のプロセス手段を配置している。ここで、符号の後に付されたY,C,M,Bkという添字は、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラック用の仕様であることを示している。
中間転写ベルト21の回転方向を図中矢印aとするとき、中間転写ベルト21の上方であって第1張架ローラ22と第2張架ローラ23との間には、各色用の画像形成用のプロセス手段として4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)が配置されている。図1に示すプリンタ300では、中間転写ベルト21の表面移動方向の上流側から順に、Y用画像ステーション10Y、C用画像ステーション10C、M用画像ステーション10M及びBk用画像ステーション10Bkが配置されている。
4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)は使用するトナーの色が異なる点以外は、略同一の構成となっている。各画像ステーション10は、ドラム状の感光体1の周囲に帯電装置5、光書き込み装置2、現像装置3、感光体クリーニング装置4が配置されている。さらに、中間転写ベルト21を挟んで感光体1の対向位置に中間転写ベルト21への転写手段としての1次転写ローラ11が設けられている。このような、4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)が互いに所定のピッチ間隔となるように中間転写ベルト21の表面移動方向に沿って配置されている。
プリンタ300では、光書き込み装置2をLEDを光源とする光学系としているが、半導体レーザーを光源とするレーザー光学系で構成することもでき、感光体1に対して画像情報に応じた露光を行う。
中間転写ベルト21の下方には、シート状の記録材である用紙Pの用紙収納部31および給紙コロ42、レジストローラ対41が配置されている。また、中間転写ベルト21を張架する第3張架ローラ24に対して中間転写ベルト21を介して対向するように、中間転写ベルト21から用紙Pへのトナー像の転写手段としての2次転写ローラ25が配置されている。さらに、2次転写ローラ25と第1張架ローラ22の間には、中間転写ベルト21のおもて面に接して、中間転写ベルト21をクリーニングするベルトクリーニング装置27が設けられている。また、中間転写ベルト21を介してベルトクリーニング装置27に対向する位置にはクリーニング対向ローラ26が設けられている。
用紙収納部31から排紙収容部34へ至る用紙搬送路32が延びており、用紙搬送路32における2次転写ローラ25の用紙搬送方向下流側(以下、単に下流側という)には、定着装置16が配置されている。この定着装置16の用紙搬送路32における下流側には、詳しくは後述する、無端ベルト部材である上部搬送ベルトと冷却部材111を有した上部搬送部110と、下部搬送ベルトを有した下部搬送部150とで用紙Pを挟持・搬送しながら冷却する冷却装置100が配置されている。そして、冷却装置100のさらに下流側には、トナー定着後の用紙Pの排出部である排紙収容部34が配置されている。また、両面画像形成時に用紙Pの裏面への画像形成を行う際に、冷却装置100を一度通過した用紙Pの表裏を反転させ、再度、レジストローラ対41へ搬送する両面画像形成用の反転用紙搬送路33も備えている。
画像の形成プロセスは、一つの画像ステーション10について説明すると、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電装置5により一様に帯電された感光体1上に光書き込み装置2により露光して静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を現像装置3によりトナー像として可視像化する。そのトナー像は1次転写ローラ11により感光体1上から中間転写ベルト21に転写される。転写後の感光体1の表面は感光体クリーニング装置4によりクリーニングされる。このような画像形成プロセスが4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)のそれぞれにおいて行われる。
4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)における各現像装置3(Y,C,M,Bk)は、それぞれ異なる4色のトナーによる可視像化機能を有している。このため、各画像ステーション10(Y,C,M,Bk)でイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを分担すれば、フルカラー画像を形成することができる。また、各画像ステーション10は、中間転写ベルト21を挟むようにして各感光体1(Y,C,M,Bk)とそれぞれ対向して設けられた1次転写ローラ11(Y,C,M,Bk)を備え、各1次転写ローラ11には転写バイアスが印加され、それぞれ1次転写部を構成する。このような構成により、中間転写ベルト21の同一画像形成領域が4つの画像ステーション10(Y,C,M,Bk)を順次通過する間に、各1次転写ローラ11に印加された転写バイアスによって、それぞれ1色ずつトナー像を中間転写ベルト21上で重ね合わせるように転写する。これにより、上述した同一画像形成領域が各画像ステーション10(Y,C,M,Bk)の1次転写部を1回通過した時点で、この同一画像領域に、重ね転写によってフルカラートナー画像を得ることができる。
このようにして中間転写ベルト21上に形成されてフルカラートナー画像は、用紙Pに転写される。転写後の中間転写ベルト21はベルトクリーニング装置27によりクリーニングされる。用紙Pへの転写は、転写時において2次転写ローラ25に転写バイアスを印加して、中間転写ベルト21を介して2次転写ローラ25と第3張架ローラ24との間に転写電界を形成し、2次転写ローラ25と中間転写ベルト21とのニップ部に用紙Pを通過させることにより行なわれる。中間転写ベルト21から用紙Pへのフルカラートナー像の転写後、用紙P上に担持されたフルカラートナー像は、定着装置16で加熱・加圧が行われ用紙P上に定着され、用紙P上にフルカラーの最終画像が形成される。その後、用紙Pは冷却装置100で冷却され、排紙収容部34に積載される。このため、用紙Pが排紙収容部34に積載される時点で、用紙P上のトナーを確実に硬化状態とさせることができ、ブロッキング現象を回避することができる。
次に、本実施形態の特徴である、冷却部材111と上部搬送ベルトとの摩擦帯電により生じた静電気を利用して上部搬送ベルトと冷却部材111との密着性を確保しつつ、上部搬送ベルトの駆動を安定化させ、用紙Pの全面に亘る均一な冷却効果が得られる冷却装置100の構成について、複数の実施例を挙げ詳細に説明する。
(実施例1)
本実施形態の冷却装置100の第1の実施例について、図を用いて説明する。
図2は、本実施例に係る冷却装置100の斜視説明図である。図3は、冷却部材111と上部搬送ベルト113が摺動した場合の、冷却部材111、上部搬送ベルト113、及び用紙Pの表面の帯電状態についての説明図であり、(a)が各断面の模式図、(b)が本実施例で用いた材料における帯電列の説明図である。図4は、上部搬送部110に有した冷却部材111と上部搬送ベルト113の除電を、常時行う構成の説明図である。
図5は、上部搬送部110で生じる上部従動ローラ114の傾きに起因した上部搬送ベルト113のたるみに関する平面説明図であり、(a)が上部従動ローラ114が傾いていない場合、(b)が図中左側の端部が駆動ローラ115側に近づくように上部従動ローラ114が傾いた場合、(c)が図中右側の端部が駆動ローラ115側に近づくように上部従動ローラ114が傾いた場合の説明図である。図6は、上部搬送部110で生じる上部従動ローラ114の傾きに起因した上部搬送ベルト113のたるみに関する断面説明図であり、(a)が上部従動ローラ114が傾いていない場合、(b)がいずれかの端部が駆動ローラ115側に近づくように上部従動ローラ114が傾いた場合の説明図である。図7は、本実施例に係る冷却装置100に設けた帯電量規制手段120の説明図である。
図2に示すように、本実施例の冷却装置100は、主に上部搬送部110及び下部搬送部150からなる用紙Pの搬送手段と、空冷式のヒートシンクである冷却部材111、ダクト162、及びダクト162内に冷却風を吹き込む不図示の冷却ファンからなる冷却部とを備えている。また、後述する不図示の帯電量規制手段120と、冷却装置100の各部を制御する不図示の制御部130も備えている。
上部搬送部110は、主に駆動ローラ115、駆動ローラ115を回転駆動する駆動モータ116、3つの上部従動ローラ114、及び駆動ローラ115と3つの上部従動ローラ114に架け渡された上部搬送ベルト113と、不図示の上部支持フレームとから構成されている。そして、駆動モータ116による駆動ローラ115の回転駆動により、上部搬送ベルト113が図2図中時計回りに回動するとともに、3つの上部従動ローラ114も図2図中時計回りに回転する。また、上部搬送ベルト113を架け渡す駆動ローラ115と3つの上部従動ローラ114の回転軸は、いずれも絶縁された状態で上部支持フレームに回転可能に支持されている。
下部搬送部150は、主に2つの下部従動ローラ154、2つの下部従動ローラ154に架け渡された下部搬送ベルト153と、不図示の下部支持フレームとから構成されている。そして、下部搬送ベルト153は、直接又は用紙Pを介して、駆動モータ116により回動する上部搬送部110の上部搬送ベルト113に接触して図2図中反時計回りに回動し、2つの下部従動ローラ154も図2図中反時計回りに回転する。
そして、上部搬送部110の上部搬送ベルト113と、下部搬送部150の下部搬送ベルト153とで、定着装置16(図1参照)により加熱・加圧されて高温になった定着後の用紙Pを、下流側に挟持搬送する。また、上部搬送部110の上部支持フレームは、不図示の上部ステーを介して装置本体の本体フレームに支持され、下部搬送部150の下部支持フレームも不図示の下部ステーを介して装置本体の本体フレームに支持されている。また、上部搬送ベルト113及び下部搬送ベルト153は、ポリイミドなどの高分子材料により製造されている。
冷却部材111は、アルミニウム製のヒートシンクであり、上部搬送ベルト113の内周面に接触する側とは反対側(上部)の面に、複数の冷却フィン161が形成されており、不図示のステーを介して絶縁された状態で上部搬送部110の上部支持フレームに支持されている。
ダクト162は、上部搬送ベルト113の開口した両端側の面と、冷却部材111が上部搬送ベルト113の内周面に接触する側の面とが開口した形状に折り曲げ加工された板状部材である。そして、ダクト162の端部が上部搬送ベルト113に接触しないよう所定の間隙を保持して、冷却部材111を上方から覆うように不図示のステーを介して上部搬送部110の上部支持フレームに支持されている。このようにダクト162を構成することで気流の流路を形成し、冷却ファンによる冷却風を効率よく冷却部材111の冷却フィン161に吹きつけ放熱を行って冷却部材111の温度を下げることができる。
冷却ファンは、プリンタ300の装置本体内に設けられた不図示の装置内温度センサの検出値と、定着装置16の動作状態とをモニタリングして、その回転数を切替えるように構成されており、長時間に亘る待機状態時には停止するように制御部130により制御される。
また、本実施例の冷却装置100では、冷却装置100の制御部130と、4つの画像ステーション10を制御する本体制御部とを別に設けているが、本体制御部内に設ける構成や、他の制御部と一体に設ける構成でも良い。
上記のように冷却装置100を構成することで、上部搬送ベルト113の用紙P側の内周面に摺動接触するように配置された冷却部材111で、上部搬送ベルト113越しに定着後の用紙Pを搬送しながら冷却することができる。
そして、上部搬送ベルト113と下部搬送ベルト153とからなる一対の搬送ベルトで用紙Pを挟持搬送するので、搬送ベルトの内周面に設けた冷却部材と搬送ベルト越しに対向する回転体とで挟持搬送する構成よりも、用紙Pを挟持搬送しながら冷却する領域の用紙搬送方向の長さを長くできる。また、用紙Pを挟持せず搬送ベルトを用紙搬送経路の下方にだけ設けた構成に比べ、例えば定着後の用紙Pにカールが生じた場合でも、搬送ベルトと用紙Pとの密着性を高めることができる。したがって、一対の搬送ベルトで用紙Pを挟持搬送しない構成に比べ、冷却部材による用紙Pの上部搬送ベルト113越しの冷却効果を高めることが容易となる。
また、本実施例の冷却装置100では、冷却部材111がアルミニウム製、上部搬送ベルト113及び下部搬送ベルト153がポリイミドなどの高分子材料により製造されている。そして、冷却部材111、及び上部搬送ベルト113が絶縁された状態で支持されている。このため、図3(b)に示した静電気における正負の帯電しやすさの指標である帯電列に示すように、本実施例の冷却部材111はプラス、上部搬送ベルト113はマイナスに帯電する。そして、図3(a)の模式図に示すように冷却部材111と上部搬送ベルト113は引き付けあい密着する。また、上部搬送ベルト113に対してプラスに帯電しやすい紙などの用紙Pは、マイナスに帯電した上部搬送ベルト113に接触すると表面がプラスに帯電し、用紙Pと上部搬送ベルト113も密着する。このような現象が生じると冷却部材111と上部搬送ベルト113、及び上部搬送ベルト113と用紙Pの接触状態が良好になり、熱伝導による冷却効果が高まる。
しかし、密着するということは冷却部材111と上部搬送ベルト113の間の摺動時の駆動抵抗が増加することを意味し、冷却部材111及び上部搬送ベルト113の帯電量の増加は駆動モータ116への負担につながる。すなわち、静電気による冷却部材111と上部搬送ベルト113との張り付きで、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が高まって駆動モータ116に想定外の負荷がかかるおそれがある。最悪の場合は駆動モータ116のトルク不足で上部搬送部110の上部搬送ベルト113の駆動が止まってしまう。
上記のような張り付きを防ぐためには、図4に示すように、冷却部材111に冷却部材アース121を設けたり、上部搬送ベルト113にベルトアース126に接続した除電針123を接触させたりして除電することで防げる。しかし、冷却装置100の駆動中、常に静電気の除電を行う構成では、静電気を利用して冷却部材111と上部搬送ベルト113、及び上部搬送ベルト113と用紙Pの接触状態を良好にできるという効果を得られなくなってしまう。
また、本実施例のように駆動ローラ115と複数(3つ)の上部従動ローラ114に、上部搬送ベルト113を架け渡す構成では、次のような問題が発生する場合がある。
上部搬送ベルト113は、図5(a)に示すように駆動ローラ115と複数の上部従動ローラ114に真っ直ぐかけまわされて回転しているときは、所定の位置で回動し続ける。しかし、例えば、図5(b)に示すように上部従動ローラ114の図中左側の端部が駆動ローラ115側に近づくように傾いでいるとき、上部搬送ベルト113はB方向に寄っていってしまう。一方、図5(c)に示すように上部従動ローラ114の図中右側の端部が駆動ローラ115側に近づくように傾いでいるとき、上部搬送ベルト113はB方向とは逆のC方向に寄っていく。
実機に搭載される冷却装置100では、全てのローラを正確にまっすぐ配置するのは難しい。このため、例えば上部従動ローラ114の内、いずれか1本の回転軸を可動にして、上部搬送ベルト113のいずれかの端部に設けた変位センサ118で、上部搬送ベルト113の位置をセンシングする。このようにセンシングしながら、回転軸が可動な上部従動ローラ114の角度を図5(b)の状態と図5(c)の状態とに切り替えることで上部搬送ベルト113の位置を一定の範囲内に収めるような制御を行う。
しかし、回転軸が可動な上部従動ローラ114が傾いでいるとき、上部搬送ベルト113では張力の差が生まれ、上部搬送ベルト113の張力が強くなっている側の端部では、図6(a)のように冷却部材111と上部搬送ベルト113が密着する。一方、図4に示した構成のように常に静電気の除電を行っている場合は、張力が弱くなっているもう側の他端部の領域では図6(b)のように浮きが生じ、上部搬送ベルト113と冷却部材111との間の熱伝導が妨げられる。このため一様な用紙Pの冷却効果が得られなくなる。
上記のように常に静電気の除電を行う構成では、冷却部材111と上部搬送ベルト113、及び上部搬送ベルト113と用紙Pの接触状態を良好にできず、各接触領域に間隙が生じてしまうおそれがある。これを防ぐために静電気を利用して密着性を高める場合には、冷却部材111と上部搬送ベルト113の帯電量が増加して上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上に増加した場合には、一度、冷却部材111又は上部搬送ベルト113の電荷を逃がす必要がある。すなわち、静電気を利用して密着性を高める場合には、冷却部材111及び上部搬送ベルト113のいずれか又は両方の帯電量を、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならない所定の帯電量の範囲内に規制する必要がある。
そこで、本実施例の冷却装置100では、冷却部材111及び上部搬送ベルト113の帯電量を、所定の帯電量の範囲内に規制する帯電量規制手段120を設けて、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならないように構成した。図7に示すように、本実施例の帯電量規制手段120では上部搬送ベルト113の電位(以下、ベルト電位という)を計測するための電位センサ131と、上部搬送ベルト113の電荷を除電する除電針123と、冷却部材111の電荷を除電する冷却部材アース121とを設置した。
また、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならない所定の帯電量の範囲内に規制する方法として、あらかじめ上部搬送ベルト113の駆動を妨げないベルト電位の範囲を規定し、電位センサ131で計測したベルト電位の値(以下、ベルト電位値という)に基づいて、各除電手段を制御することとした。
このように上部搬送ベルト113のベルト電位が所定の範囲になるように制御することで、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならない所定の帯電量の範囲内に規制できるのは、次の理由による。冷却部材111や上部搬送ベルト113の帯電量の上昇にともない上部搬送ベルト113の電位も上昇する。そこで、あらかじめ上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならない範囲の上部搬送ベルト113の電位範囲を規定しておき、この電位範囲を越えた場合に帯電量が所定の範囲を越えたものと判断することができる。
より具体的な構成は、図7に示すように除電針123には、その電極のベルトアース126に対する接続(オン)及び切断(オフ)を切替えるベルトスイッチ124が接続されている。また、冷却部材111には、その電極の冷却部材アース121に対する接続(オン)及び切断(オフ)を切替える冷却部材スイッチ122が接続されている。また、各スイッチ及び電位センサ131は制御部130に接続されている。
そして、あらかじめ駆動モータ116が問題なく動作する範囲でのベルト電位の上限を上限電位:Vmax[V]として規定し、計測したベルト電位値を制御部130に入力して、入力したベルト電位値に基づいて除電ブラシ125及び冷却部材アース121の各スイッチを制御部130で制御する。
また、制御部130による制御は、電位センサ131で計測したベルト電位値が、上限電位:Vmax[V]以上の値になったことを制御部130で検知した場合に、ベルトスイッチ124をオンにし、除電針123を動作させて上部搬送ベルト113の電荷をベルトアース126に逃がす。また、同時に冷却部材スイッチ122をオンにし、冷却部材アース121を動作させて冷却部材111内の電荷を逃がす。このように構成することで、駆動抵抗が一定以上になって上部搬送ベルト113の駆動に必要な駆動力の異常な上昇による装置の停止や速度変動を抑制し、上部搬送ベルト113の安定した駆動を可能とする。すなわち、冷却部材111と上部搬送ベルト113とが摺動して生じる静電気に起因した張り付きを確実に抑制することができる。
また、電荷を逃がした後は、冷却部材スイッチ122及びベルトスイッチ124をオフにすることで、再度、冷却部材111及び上部搬送ベルト113内に少しずつ電荷が溜まり、冷却部材111と上部搬送ベルト113、上部搬送ベルト113と用紙Pとが密着する。
上記のように構成することで、回動する上部搬送ベルト113や下部搬送ベルト153で用紙Pを搬送しながら冷却する冷却装置において、冷却部材111と上部搬送ベルト113との密着性を高めるのに静電気を利用しつつ、上部搬送ベルト113の駆動を安定化させ、用紙Pの全面に亘る均一な冷却効果が得られる冷却装置100を提供できる。
また、帯電量規制手段120の除電手段として、冷却部材111に冷却部材アース121を、上部搬送ベルト113に除電針123を有しているので、帯電量規制手段120を簡易な構成とすることができる。
そして、帯電量規制手段120は、電位センサ131で計測したベルト電位値に基づいて、冷却部材アース121の冷却部材スイッチ122及び除電針123のベルトスイッチ124のオン/オフを、制御部130により制御するという簡易な構成である。このように本実施例では、帯電量規制手段120を簡易な構成とすることができる。
(実施例2)
本実施形態の冷却装置100の第2の実施例について、図を用いて説明する。本実施例と実施例1とでは、冷却装置100の帯電量規制手段120に設ける上部搬送ベルト113の除電手段と、この除電手段と冷却部材111の除電手段とを制御するために制御部130に入力する値及びその検出手段とに係る点のみ異なる。したがって、実施例1と同様な構成には同一の符号を付すとともに、同様な効果については、適宜、省略して説明する。図8は、本実施例に係る冷却装置100に設けた帯電量規制手段120の説明図である。
本実施例では実施例1と異なり、冷却装置100に設けた帯電量規制手段120の上部搬送ベルト113に対する除電手段として、除電ブラシ125を設けている。また、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならない所定の帯電量の範囲内に規制する方法として、駆動モータ116における電流(以下、モータ電流という)の範囲を規定し、モータ電流を計測する手段で計測したモータ電流の値(以下、モータ電流値という)に基づいて、各除電手段を制御することとした。
また、上部搬送ベルト113のベルト電位が所定の範囲になるように制御することで、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならない所定の帯電量の範囲内に規制できるのは、次の理由による。冷却部材111や上部搬送ベルト113の帯電量が所定の範囲を越えて上昇すると、静電気により冷却部材111と上部搬送ベルト113が引き合う力が大きくなり、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が高まり、駆動モータ116の駆動トルクも上昇し、駆動モータ116に流れる電流も上昇する。そこで、あらかじめ上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならない範囲の駆動モータ116に流れる電流範囲を規定しておき、この電流範囲を越えた場合に帯電量が所定の範囲を越えたものと判断することができる。
より具体的な構成は、図8に示すように除電ブラシ125には、実施例1の除電針123と同様に、その電極のベルトアース126に対する接続(オン)及び切断(オフ)を切替えるベルトスイッチ124が接続されている。また、冷却部材111には、実施例1と同様に、その電極の冷却部材アース121に対する接続(オン)及び切断(オフ)を切替える冷却部材スイッチ122が接続されている。また、各スイッチ及びモータ電流を計測する手段は制御部130に接続されている。
そして、あらかじめ駆動モータ116が問題なく動作する範囲でのモータ電流の上限を上限電流:Amax[A]として規定し、計測したモータ電流値を制御部130に入力して、入力したモータ電流値に基づいて除電ブラシ125及び冷却部材アース121の各スイッチを制御部130で制御する。
また、制御部130による制御は、モータ電流値が上限電流:Amax[A]以上の値になったことを制御部130で検知した場合に、ベルトスイッチ124をオンにし、除電ブラシ125をベルトアース126に接続して上部搬送ベルト113の電荷を逃がす。また、同時に冷却部材スイッチ122をオンにし、冷却部材アース121を動作させて冷却部材111内の電荷を逃がす。このように構成することで、駆動抵抗が一定以上になって上部搬送ベルト113の駆動に必要な駆動力の異常な上昇による装置の停止や速度変動を抑制し、上部搬送ベルト113の安定した駆動を可能とする。このように帯電量規制手段120を構成することで、実施例1の冷却装置と同様な効果を奏することができる。
また、上部搬送ベルト113に対する除電手段として、除電ブラシ125を用いているので、実施例1の除電針123と同様に、帯電量規制手段120を簡易な構成にできる。
また、上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材の電位を測定する電位センサ131などの電位計測手段を省略することも可能となるとともに、駆動モータ116の駆動トルクの異常上昇に起因した故障の発生を抑制することが可能となる。
また、除電ブラシ125に接離機構を設けて、除電が必要な際のみ上部搬送ベルト113と接するような構成にしても良い。このように構成することで、除電ブラシ125に摺動接触することで上部搬送ベルト113にキズが生じたり、除電ブラシ125が磨耗して、その寿命が短くなってしまうといった不具合を解消できる。
(実施例3)
本実施形態の冷却装置100の第3の実施例について、図を用いて説明する。本実施例と実施例1、2とでは、冷却装置100の帯電量規制手段120に設ける除電手段と、除電手段を制御するために制御部130に入力する値及びその検出手段とに係る点のみ異なる。したがって、実施例1、2と同様な構成には同一の符号を付すとともに、同様な効果については、適宜、省略して説明する。図9は、本実施例に係る冷却装置100に設けた帯電量規制手段120の説明図である。
本実施例では実施例1、2と異なり、冷却装置100に設けた帯電量規制手段120の上部搬送ベルト113に対する除電手段として、噴霧装置128を設けている。また、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならない所定の帯電量の範囲内に規制する方法として、駆動モータ116のモータ温度の範囲を規定し、モータ温度センサ132で計測した駆動モータ116のモータ温度の値(以下、モータ温度値という)に基づいて、各除電手段を制御することとした。
また、駆動モータ116のモータ温度が所定の範囲になるように制御することで、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならない所定の帯電量の範囲内に規制できるのは、次の理由による。冷却部材111や上部搬送ベルト113の帯電量が所定の範囲を越えて上昇すると、静電気により冷却部材111と上部搬送ベルト113が引き合う力が大きくなり、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が高まり、駆動モータ116の駆動トルクも上昇し、駆動モータ116のモータ温度も上昇する。そこで、あらかじめ上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならない範囲の駆動モータ116のモータ温度範囲を規定しておき、このモータ温度範囲を越えた場合に帯電量が所定の範囲を越えたものと判断することができる。
より具体的な構成は、図9に示すように、上部搬送ベルト113に対する除電手段として、噴霧する液体を貯留するタンクと微細な水滴をノズルから噴霧する噴霧部と、これらを接続するホースとからなる噴霧装置128を有している。また、冷却部材111には、実施例1、2と同様に、その電極の冷却部材アース121に対する接続(オン)及び切断(オフ)を切替える冷却部材スイッチ122が接続されている。また、噴霧装置128の噴霧部、冷却部材スイッチ122、及びモータ温度センサ132は制御部130に接続されている。
そして、あらかじめ駆動モータ116が問題なく動作する範囲でのモータ温度の上限を上限モータ温度:TMmax[℃]として規定し、計測したモータ温度値を制御部130に入力して、入力したモータ温度値に基づいて、噴霧装置128及び冷却部材アース121のスイッチを制御部130で制御する。
また、制御部130による制御は、モータ温度センサ132で計測したモータ温度値が、上限モータ温度:TMmax[℃]以上になったことを制御部130で検知した場合に、噴霧装置128の噴霧部のノズルから微細な水滴を上部搬送ベルト113の周りに噴霧させる。このように噴霧することで、上部搬送ベルト113の周りを高湿度にすることで噴霧した微細な水滴により、上部搬送ベルト113の帯電した電荷を奪い、上部搬送ベルト113に対する除電を行う。また、同時に冷却部材スイッチ122をオンにし、冷却部材アース121を動作させて冷却部材111内の電荷を逃がす。このように構成することで、駆動抵抗が一定以上になって上部搬送ベルト113の駆動に必要な駆動力の異常な上昇による装置の停止や速度変動を抑制し、上部搬送ベルト113の安定した駆動が可能となる。
そして、上記のように帯電量規制手段120を構成することで、実施例1、2の冷却装置と同様な効果を奏することができる。特に、駆動モータ116のモータ温度を計測しているので、実施例2と同様に、駆動モータ116の駆動トルクの異常上昇に起因した故障の発生を抑制することが可能となる。
また、上部搬送ベルト113に対する除電手段として、噴霧装置128を用いているので、実施例1の除電針123や実施例2の除電ブラシ125のように上部搬送ベルト113に対して摺動接触する部材を設ける必要がない。したがって、実施例2の除電ブラシ125のように接離機構を設けずとも、上部搬送ベルト113にキズが生じ、その寿命が短くなってしまうといった不具合は発生しない。
(実施例4)
本実施形態の冷却装置100の第4の実施例について、図を用いて説明する。本実施例と実施例1とでは、冷却装置100の帯電量規制手段120の上部搬送ベルト113に対する、除電手段に加え帯電手段も設けていること、及び除電手段及び帯電手段を制御するために制御部130に入力する値及びその検出手段とに係る点のみ異なる。したがって、実施例1と同様な構成には同一の符号を付すとともに、同様な効果については、適宜、省略して説明する。図10は、本実施例に係る冷却装置100に設けた帯電量規制手段120の説明図、図11は、本実施例に係る冷却装置100に設けた帯電量規制手段120の制御フロー図である。
上記のように本実施例では実施例1と異なり、冷却装置100に設けた帯電量規制手段120に、上部搬送ベルト113に対する除電手段に加え帯電手段も設けている。また、駆動モータ116のモータ電流を計測する手段、及び冷却装置100で冷却した後の用紙Pの温度(以下、用紙温度という)を計測する用紙温度センサ133を設けた。そして、上部搬送ベルト113の駆動抵抗が一定以上にならない所定の帯電量の範囲内に規制する方法として、ベルト電位の範囲、モータ電流の範囲、及び用紙温度の範囲とを規定した。そして、計測したベルト電位値、モータ電流値、及び用紙温度センサ133で計測した用紙温度の値(以下、用紙温度値という)に基づいて、各除電手段及び帯電手段を制御することとした。
より具体的な構成は、図10に示すように、実施例1の図7を用いて説明した構成に加え、帯電手段としての帯電ローラ141と、モータ電流値を計測する手段と、用紙温度を測定する用紙温度センサ133とを設けている。また、各スイッチ、各センサ、モータ電流を計測する手段、及び帯電ローラ141は制御部130に接続されている。
そして、計測したベルト電位値、モータ電流値、及び用紙温度値に基づいて、除電手段である除電針123と冷却部材アース121の各スイッチ、及び帯電手段である帯電ローラ141で上部搬送ベルト113に印加する電圧を制御部130で制御する。
また、制御部130による制御は、図11の制御フロー図に示すように、プリンタ300の電源投入後、駆動を開始した(S−1)冷却装置100に対して、用紙Pの通紙が開始される前に帯電ローラ141によって上部搬送ベルト113に、各接触部での密着効果が生じるベルト電位の下限である下限電位:Vmin[V]まで帯電させる(S−2)。このように上部搬送ベルト113を帯電させることで、用紙Pの1枚目の通紙開始時(S−3)から、静電気による冷却部材111と上部搬送ベルト113との密着効果、及び上部搬送ベルト113と用紙Pとの密着効果を迅速に得ることができる。
また、冷却後の用紙Pの温度である用紙温度の目標を上限温度:Tmax[℃]以下、かつ、モータが問題なく動作するモータ電流値の上限を上限電流:Amax[A]と設定している。このように設定し、実際に用紙温度センサ133で計測した用紙温度値が、上限温度:Tmax[℃]を超えている場合(S−4でYes)、かつ、モータ電流値が上限電流:Amax[A]未満(S−6でNo)である場合は、帯電ローラ141によって上部搬送ベルト113を徐々にΔV[V]ずつ帯電させる(S−5)。このように帯電させることで、静電気による冷却部材111と上部搬送ベルト113の密着効果を高める。
そして、モータ電流値が上限電流:Amax[A]に達したときに(S−6でYes)、ベルトスイッチ124をオンにし、除電針123を動作させて上部搬送ベルト113の電荷をベルトアース126に逃がす。また、同時に冷却部材スイッチ122をオンにし、冷却部材アース121を動作させて冷却部材111内の電荷を逃がす(S−7)。このように構成することで、駆動抵抗が一定以上になって上部搬送ベルト113の駆動に必要な駆動力の異常な上昇による装置の停止や速度変動を抑制し、上部搬送ベルト113の安定した駆動を可能とする。
また、上記のような除電により、一旦、静電気は打ち消されるが、再度、帯電ローラ141により上部搬送ベルト113を下限電位:Vmin[V]まで帯電させる(S−8)。このように帯電させることで、再度、迅速に静電気による密着効果が得られる。
したがって、除電針123及び冷却部材アース121により、冷却部材111及び上部搬送ベルト113を除電した後に、静電気による冷却部材111と上部搬送ベルト113との密着効果、及び上部搬送ベルト113と用紙Pとの密着効果を迅速に得ることができる。
また、上部搬送ベルト113を、帯電ローラ141により所定量以上帯電させた後に用紙Pの通紙を開始するので、静電気による冷却部材111と上部搬送ベルト113との密着効果、及び上部搬送ベルト113と用紙Pとの密着効果を一枚目の用紙Pの通紙開始時から得ることができる。
また、用紙温度センサ133で冷却後の用紙温度を計測しているので、通紙する用紙Pが薄紙等である場合には、冷却に要する熱量(放熱する熱量)が少なくて済む。また、用紙Pを上部搬送ベルト113に吸着させるのに必要な上部搬送ベルト113の帯電量も少なくて済む。これらのため、用紙Pが薄紙等であり、用紙温度センサ133で計測した冷却後の用紙温度値が、目標とする冷却後の用紙温度範囲を下回った場合には、帯電ローラ141で上部搬送ベルト113を帯電する電位を下限電位:Vmin[V]よりも下げたり、帯電ローラ141による帯電を停止したりして電力の消費量を削減することができる。また、冷却部材111の冷却フィン161に冷却風を吹付ける冷却ファンの回転数を低下させて電力の消費量を削減することもできる。
また、本実施例では、帯電手段として帯電ローラ141を用いた例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば帯電ブラシ等を用いても良い。
(実施例5)
本実施形態の冷却装置100の第5の実施例について、図を用いて説明する。本実施例と実施例1乃至4とでは、冷却装置100に設ける冷却手段に係る点のみ異なる。したがって、実施例1乃至4と同様な構成には同一の符号を付すとともに、同様な効果については、適宜、省略して説明する。図12は、本実施例に係る冷却装置100の斜視説明図である。
上述した実施例1乃至4では、上部搬送部110の上部搬送ベルト113の用紙P側の内周面に摺動するように配置する冷却部材111が、複数の冷却フィン161が上部に形成された空冷式のヒートシンクである冷却装置の例について説明した。
一方、本実施例の冷却装置100では、図12の斜視図に示すように、上部搬送部110の上部搬送ベルト113の用紙P側の内周面に摺動するように配置する冷却部材111が、ヒートパイプ171を有した、ヒートパイプ方式のものである。
より具体的な構成は、図12に示すように、本実施例の冷却部材111は、ヒートパイプ171の吸熱部をその内部に内蔵しているアルミニウム製のプレート部材からなる。また、冷却部材111の図12図中手前側の外部に突出したヒートパイプ171の2つの端部には、放熱フィン172がそれぞれ接続されている。この放熱フィン172に、プリンタ300内の気流や自然対流による空気等が接することで放熱が行われこととなる。本実施例では、不図示の冷却ファンにより、放熱フィン172に強制的に冷却風を吹き付けて放熱効果を高め、冷却部材111による冷却効果を高めている。
また、図12に示した斜視説明図では、ヒートパイプ171を図12図中手前側に直線的に突出させた例について記載している。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、冷却部材111の外部に突出したヒートパイプ171を任意の方向に折り曲げた構成しても良い。このようにヒートパイプ171を折り曲げることで、冷却部材111から離れたプリンタ300内の所望の位置に放熱フィン172を配置することができ、設計の自由度が増すとともに、プリンタ300の小型化に貢献することもできる。また、例えば放熱フィン172をプリンタ300の筐体に設けた放熱ファン近傍に配置したり、他の冷却ファンの近傍に配置したりして、個別に冷却ファンを設けるスペースやコストを削減することも可能である。
(実施例6)
本実施形態の冷却装置100の第6の実施例について、図を用いて説明する。本実施例と実施例1乃至5とでは、冷却装置100の冷却部に係る点のみ異なる。したがって、実施例1と同様な構成には同一の符号を付すとともに、同様な効果については、適宜、省略して説明する。図13は、本実施例に係る冷却装置100の斜視説明図である。
上述した実施例1乃至4では、上部搬送部110の上部搬送ベルト113の用紙P側の内周面に摺動するように配置する冷却部材111が、複数の冷却フィン161が上部に形成された空冷式のヒートシンクである冷却装置の例について説明した。また、実施例5では、上部搬送部110の上部搬送ベルト113の用紙P側の内周面に摺動するように配置する冷却部材111が、ヒートパイプ171を有したヒートパイプ方式の冷却装置の例について説明した。
一方、本実施例の冷却装置100では、図13の斜視図に示すように、上部搬送部110の上部搬送ベルト113の用紙P側の内周面に摺動するように配置する冷却部材111が、その内部に冷却液の通過経路を有した液冷方式ものである。すなわち、本実施例の冷却装置100は、他の空冷方式の冷却装置よりも冷却効率を高くし易い液冷方式の冷却装置である。
より具体的な構成は、図13に示すように、本実施例の冷却部材111は、内部に冷却液の通過経路を有したアルミニウム製の液冷プレート部材からなる。そして、冷却部材111の外部には、流入口と流出口が形成されており、ラジエータ182、液送ポンプ183、及び冷却液タンク184が、それぞれゴムチューブ等からなる冷却液の搬送管181で接続されている。
冷却液は、冷却液タンク184から液送ポンプ183によってラジエータ182を通ることで低温状態になる。冷却液はこの状態で冷却部材111から熱を奪いながら冷却部材111に形成された通過経路を通過し、冷却液タンク184に戻る。また、ラジエータ182においては、冷却液を通過させる流路が形成された複数の冷却フィンの間を、プリンタ300内の気流や自然対流による空気等が接することで放熱が行われこととなる。本実施例では、不図示の冷却ファンにより、ラジエータ182に強制的に冷却風を吹き付けて放熱効果を高め、冷却部材111による冷却効果を高めている。
また、図13に示した斜視説明図では、ラジエータ182、液送ポンプ183、及び冷却液タンク184を冷却部材111の図13図中手前側に配置した例について記載している。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、搬送管181による冷却液の搬送経路がいびつに折れ曲がったり、搬送経路長が極端に長くなったりしない範囲で、ラジエータ182、液送ポンプ183、及び冷却液タンク184をプリンタ300内の任意の位置に配置できる。このように任意の位置に配置することで、冷却部材111から離れたプリンタ300内の所望の位置にラジエータ182を配置することができ、設計の自由度が増すとともに、プリンタ300の小型化に貢献することもできる。また、例えばラジエータ182をプリンタ300の筐体に設けた放熱ファン近傍に配置したり、他の冷却ファンの近傍に配置したりして、個別に冷却ファンを設けるスペースやコストを削減することも可能である。
また、冷却部材111内の冷却液通過経路が、アルミと銅などの異種金属を使用したものである場合にガルバニック腐食が生じ、より卑な金属(アルミと銅であればアルミ)の側に穴が空いてしまうことがある。このため、可能な限り冷却液通過経路は同一の金属で構成することが推奨される。
また、本実施形態の各実施例では、本発明を上部搬送部110と下部搬送部150とを設け、上部搬送ベルト113と下部搬送ベルト153とで、用紙Pを挟持搬送する構成の冷却装置100に適用した例について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、搬送ベルトの内周面に設けた冷却部材と搬送ベルト越しに対向する回転体とで用紙Pを挟持搬送する構成や、用紙Pを挟持せず搬送ベルトを用紙搬送経路の下方にだけ設けた構成にも適用可能である。但し、一対の搬送ベルトで用紙Pを挟持搬送しない構成に比べ、一対の搬送ベルトで用紙Pを挟持搬送する構成の方が冷却効果を高めることが容易である。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
駆動ローラ115や3つの上部従動ローラ114などの複数のローラによって張架されて回動する上部搬送ベルト113や下部搬送ベルト153などの無端ベルト部材により用紙Pなどの記録材を搬送する上部搬送部110や下部搬送部150などの搬送手段と、前記無端ベルト部材の前記記録材側の内周面に摺動接触するように配置された冷却部材111などの冷却部材とを備えた冷却装置100などの冷却装置において、前記冷却部材と該冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量を所定の範囲内に規制する帯電量規制手段120などの帯電量規制手段を設けたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(実施例1乃至6)について説明したように、次のような冷却装置を提供できる。回動する上部搬送ベルト113や下部搬送ベルト153などの無端ベルト部材で用紙Pなどの記録材を搬送しながら冷却する冷却装置において、冷却部材111などの冷却部材と上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材との密着性を高めるのに静電気を利用しつつ、無端ベルト部材の駆動を安定化させ、記録材の全面に亘る均一な冷却効果が得られる冷却装置100などの冷却装置である。
(態様B)
(態様A)において、上部搬送部110や下部搬送部150などの前記搬送手段は、それぞれ、駆動ローラ115や3つの上部従動ローラ114、及び2つの下部従動ローラ154などの複数のローラによって張架されて回動する上部搬送ベルト113及び下部搬送ベルト153などの一対の無端ベルト部材で用紙Pなどの前記記録材を挟持搬送するものであり、冷却部材111などの前記冷却部材は、前記一対の無端ベルト部材の少なくとも一方の前記記録材側の内周面に摺動接触するように配置されていることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(実施例1乃至6)について説明したように、一対の搬送ベルトで用紙Pなどの記録材を挟持搬送しない構成に比べ、冷却部材111などの冷却部材による記録材の上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材越しの冷却効果を高めることが容易となる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、帯電量規制手段120などの前記帯電量規制手段に、冷却部材111などの前記冷却部材と、該冷却部材に摺動接触する上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材の少なくとも一方を除電する除電針123や冷却部材アース121などの除電手段を有したことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(実施例1乃至6)について説明したように、帯電量規制手段の除電手段として、冷却部材111などの冷却部材に冷却部材アース121などのアースを、上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材に除電針123などの除電針を有しているので、帯電量規制手段120などの帯電量規制手段を簡易な構成とすることができる。
(態様D)
(態様C)において、除電針123や冷却部材アース121などの前記除電手段のオン/オフを切替えるベルトスイッチ124や冷却部材スイッチ122などの除電切替え手段と、上部搬送ベルト113などの前記無端ベルト部材と冷却部材111などの前記冷却部材の少なくとも一方の電位を計測する電位センサ131などの電位計測手段とを有し、前記電位計測手段によって得られたベルト電位値などの電位に基づき、前記除電切替え手段を制御して、前記冷却部材と該冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量を所定の範囲内に規制することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1について説明したように、冷却部材111などの冷却部材と上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材とが摺動して生じる静電気に起因した張り付きを確実に抑制することができる。
(態様E)
(態様C)又は(態様D)において、除電針123や冷却部材アース121などの前記除電手段のオン/オフを切替えるベルトスイッチ124や冷却部材スイッチ122などの除電切替え手段と、冷却部材111などの前記冷却部材に摺動接触する上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材を駆動する駆動モータ116などの駆動モータのモータ電流値などの電流値あるいは温度を検知する検知手段とを有し、前記検知手段で検知した駆動モータの電流値あるいは温度に基づいて、前記除電切替え手段を制御して、前記冷却部材と該冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量を所定の範囲内に規制することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例2(実施例2又は3)について説明したように、上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材の電位を測定する電位センサ131などの電位計測手段を省略することも可能となる。また、駆動モータ116などの駆動モータの駆動トルクの異常上昇に起因した故障の発生を抑制することが可能となる。
(態様F)
(態様C)乃至(態様E)のいずれかにおいて、帯電量規制手段120などの前記帯電量規制手段に、冷却部材111などの前記冷却部材と、該冷却部材に摺動接触する上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材の少なくとも一方を帯電させる帯電ローラ141などの帯電手段を有したことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例4について説明したように、除電針123や冷却部材アース121などの除電手段により冷却部材111などの冷却部材や冷却部材に摺動接触する上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材を除電した後に、静電気による冷却部材と冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材との密着効果、及び無端ベルト部材と用紙Pなどの記録材との密着効果を迅速に得ることができる。
(態様G)
(態様F)において、冷却部材111などの前記冷却部材と、該冷却部材に摺動接触する上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材の少なくとも一方を、帯電ローラ141などの前記帯電手段により所定量以上帯電させた後に用紙Pなどの前記記録体の通紙を開始することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例4について説明したように、静電気による冷却部材111などの冷却部材と上部搬送ベルト113などの冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材との密着効果、及び無端ベルト部材と用紙Pなどの記録材との密着効果を一枚目の記録材の通紙開始時から得ることができる。
(態様H)
(態様F)又は(態様G)において、冷却装置100などの該冷却装置による冷却後の用紙Pなどの前記記録体の温度を計測する用紙温度センサ133などの温度計測手段を有しており、計測して得られた用紙温度値などの温度に基づいて、除電針123や冷却部材アース121などの前記除電手段及び帯電ローラ141などの帯電手段により、冷却部材111などの前記冷却部材と該冷却部材に摺動接触する上部搬送ベルト113などの無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量を所定の範囲内に規制することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例4について説明したように、用紙温度センサ133などの温度計測手段で計測した冷却後の用紙温度値が、目標とする冷却後の用紙温度範囲を下回った場合には、帯電ローラ141で上部搬送ベルト113を帯電する電位を下限電位:Vmin[V]よりも下げたり、帯電ローラ141による帯電を停止したりして電力の消費量を削減することができる。
(態様I)
用紙Pなどの記録材を搬送しつつ冷却する冷却装置を備えたプリンタ300などの画像形成装置において、前記冷却装置として、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの冷却装置100などの冷却装置を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、本実施形態について説明したように、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの冷却装置100などの冷却装置と同様な効果を奏することができるプリンタ300などの画像形成装置を提供できる。
1 感光体
2 光書き込み装置
3 現像装置
4 感光体クリーニング装置
5 帯電装置
10 画像ステーション
11 1次転写ローラ
16 定着装置
21 中間転写ベルト
22 第1張架ローラ
23 第2張架ローラ
24 第3張架ローラ
25 2次転写ローラ
26 クリーニング対向ローラ
27 ベルトクリーニング装置
31 用紙収納部
32 用紙搬送路
33 反転用紙搬送路
34 排紙収容部
41 レジストローラ対
42 給紙コロ
100 冷却装置
110 上部搬送部
111 冷却部材
113 上部搬送ベルト
114 上部従動ローラ
115 駆動ローラ
116 駆動モータ
118 変位センサ
120 帯電量規制手段
121 冷却部材アース
122 冷却部材スイッチ
123 除電針
124 ベルトスイッチ
125 除電ブラシ
126 ベルトアース
128 噴霧装置
130 制御部
131 電位センサ
132 モータ温度センサ
133 用紙温度センサ
141 帯電ローラ
150 下部搬送部
153 下部搬送ベルト
154 下部従動ローラ
161 冷却フィン
162 ダクト
171 ヒートパイプ
172 放熱フィン
181 搬送管
182 ラジエータ
183 液送ポンプ
184 冷却液タンク
300 プリンタ
P 用紙
特許第4265996号公報 特開2009−045746号公報

Claims (9)

  1. 複数のローラによって張架されて回動する無端ベルト部材により記録材を搬送する搬送手段と、前記無端ベルト部材の前記記録材側の内周面に摺動接触するように配置された冷却部材とを備えた冷却装置において、
    前記冷却部材と該冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量を所定の範囲内に規制する帯電量規制手段を設けたことを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1に記載の冷却装置において、
    前記搬送手段は、それぞれ複数のローラによって張架されて回動する一対の無端ベルト部材で前記記録材を挟持搬送するものであり、
    前記冷却部材は、前記一対の無端ベルト部材の少なくとも一方の前記記録材側の内周面に摺動接触するように配置されていることを特徴とする冷却装置。
  3. 請求項1又は2に記載の冷却装置において、
    前記帯電量規制手段に、前記冷却部材と、該冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方を除電する除電手段を有したことを特徴とする冷却装置。
  4. 請求項3に記載の冷却装置において、
    前記除電手段のオン/オフを切替える除電切替え手段と、前記無端ベルト部材と前記冷却部材の少なくとも一方の電位を計測する電位計測手段とを有し、
    前記電位計測手段によって得られた電位に基づき、前記除電切替え手段を制御して、前記冷却部材と該冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量を所定の範囲内に規制することを特徴とする冷却装置。
  5. 請求項3又は4に記載の冷却装置において、
    前記除電手段のオン/オフを切替える除電切替え手段と、前記冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材を駆動する駆動モータの電流値あるいは温度を検知する検知手段とを有し、
    前記検知手段で検知した駆動モータの電流値あるいは温度に基づいて、前記除電切替え手段を制御して、前記冷却部材と該冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量を所定の範囲内に規制することを特徴とする冷却装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれか一に記載の冷却装置において、
    前記帯電量規制手段に、前記冷却部材と、該冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方を帯電させる帯電手段を有したことを特徴とする冷却装置。
  7. 請求項6に記載の冷却装置において、
    前記冷却部材と、該冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方を、前記帯電手段により所定量以上帯電させた後に前記記録体の通紙を開始することを特徴とする冷却装置。
  8. 請求項6又は7に記載の冷却装置において、
    該冷却装置による冷却後の前記記録体の温度を計測する温度計測手段を有しており、
    計測して得られた温度に基づいて、前記除電手段及び帯電手段により、前記冷却部材と該冷却部材に摺動接触する無端ベルト部材の少なくとも一方の帯電量を所定の範囲内に規制することを特徴とする冷却装置。
  9. 記録材を搬送しつつ冷却する冷却装置を備えた画像形成装置において、
    前記冷却装置として、請求項1乃至8のいずれか一に記載の冷却装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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