JP2013221791A - 探知装置 - Google Patents

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Yusuke Nonaka
祐介 野中
Yoshitaka Ogawa
佳孝 小川
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Abstract

【課題】送受波器の揺動範囲を可能な限り大きくとりつつ、当該送受波器を覆うケースのサイズを可能な限り小さくできる構成を提供する。
【解決手段】水中探知装置10は、入力軸17と、出力軸18と、送受波器11と、ユニバーサルジョイント19と、入力側接触部材31と、出力側接触部材32と、を備えている。送受波器11は、出力軸18に取り付けられる。ユニバーサルジョイント19は、入力軸17及び出力軸18の端部同士を揺動自在に連結する。入力側接触部材31は、入力軸17の軸線に対して固定的に設けられる。出力側接触部材32は、出力軸18の軸線に対して固定的に設けられる。出力側接触部材32は、出力軸18の外径よりも半径方向外側に位置する接触部を有する。入力側接触部材31は、接触面33を有する。入力軸17と出力軸18がなす角度が所定の接触角以下のときに、接触部が接触面33に接触する。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として、ソナー等の探知装置が有する送受波器の揺動を規制するための構成に関する。
船舶が備えるソナー等の水中探知装置は、超音波信号を送受波するための送受波器を有している。この送受波器は、船底から水中に突出させるように配置される。
通常、水中探知装置は、略筒状ないし略ドーム状のケース内部に、送受波器を収容した状態で、船底に取り付けられる。ケース内に送受波器を収容することにより、当該送受波器を保護することができる。また、このケースは水密的に構成されており、その内部にオイル等の液体が充填される。このオイルは、送受波器の機械的回転部の潤滑、電気素子の絶縁、ケース内外での送受波伝播の整合などの役割を兼ねる。このような構成の水中探知装置は、例えば特許文献1に記載されている。
この種の水中探知装置は、送受波器が送信する超音波ビームの指向方向を任意方向に向けることができるように構成されている。これにより、水中の任意方向の目標物を探知することができる。ただし、水中の目標物を正確に探知及び測定するためには、波や風などの影響により船体が揺動(ローリングやピッチング)した場合であっても、送受波器が目標物方向に向いた状態を維持する必要がある。
この点、特許文献1に開示されているスキャナ装置は、当該スキャナ装置の傾斜角を検出する傾斜角センサを備えている。特許文献1は、波浪によって漁船が揺動してスキャナ装置が傾斜したときには、傾斜角センサによって検出された傾斜量を修正するパルス信号をステッピングモータに与える修正制御を行っている。前記ステッピングモータは、与えられたパルス信号に応じて、送受波器の仰俯角を変更する。以上の制御によれば、波浪等によって船体が揺動した場合であっても、送受波器が向く方向を一定に保つことができる。
しかし、上記のように傾斜センサ等の検出結果に基づいて送受波器の角度を制御する構成は、大型で複雑になりがちである。
これに対し、特許文献2及び特許文献3は、送受波器の角度を保つためのより簡単な構成を開示している。即ち、特許文献2及び特許文献3に記載の送受波器は、ユニバーサルジョイント(自在継手)によって、揺動自在に吊り下げられた状態で配置されている。揺動自在に吊り下げられた送受波器の重心は、重力の作用によって鉛直下向きを指向する。従って、船体が揺動したとしても、重力の作用により送受波器の角度を保つことができる。
特許第2939761号公報 特開昭53−110867号公報 特開昭54−5466号公報
ところで、特許文献2及び3に記載されている送受波器が実際に使用される際には、特許文献1に記載されているようなドーム型のケース内に収容されることになる。しかし、特許文献2及び3のように送受波器を揺動自在に構成した場合、揺動する送受波器がケースの内壁に接触して、当該送受波器やケースが損傷するおそれがある。
そこで、揺動する送受波器がケース内壁に接触しないように、ケースを大きく形成することが考えられる。しかし、水中探知装置は水中に突出して配置されるので、ケースが大型化すると水流抵抗が大きくなってしまうという問題がある。また、ケースが大型になると、当該ケースを船内に格納するためのタンクも大型になるため、船内に大きなスベースが必要となってしまう。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、送受波器の揺動範囲を可能な限り大きくとりつつ、当該送受波器を覆うケースのサイズを可能な限り小さくできる構成を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の構成の探知装置が提供される。即ち、この探知装置は、入力軸と、出力軸と、送波器と、連結部と、入力側の接触部材と、出力側の接触部材と、を備える。前記送波器は、前記出力軸に取り付けられる。前記連結部は、前記入力軸及び前記出力軸の端部同士を揺動自在に連結する。前記入力側の接触部材は、前記入力軸の軸線に対して固定的に設けられる。前記出力側の接触部材は、前記出力軸の軸線に対して固定的に設けられる。前記入力側及び出力側の接触部材の一方は、当該接触部材が設けられている側の軸の外径よりも半径方向外側に位置する接触部を有する。前記入力側及び出力側の接触部材の他方は、接触面を有する。そして、前記入力軸と前記出力軸がなす角度が所定の接触角以下のときに、前記接触部が前記接触面に接触する。
このように接触部材同士を接触させてストッパとして機能させることで、出力軸と入力軸とがなす角度が所定以下になることを規制できる。これにより、送波器が揺動する範囲を制限できるので、例えば、当該送波器を覆って保護するケースに対して送波器が接触しないようにすることができる。これにより、当該ケースをコンパクトに構成できる。
上記の探知装置において、前記送波器が前記連結部を中心として所定の第1方向に揺動した場合と、所定の第2方向に揺動した場合では、前記接触角が異なることが好ましい。
このように、送波器が揺動する方向に応じて接触角を異ならせることで、当該送波器が揺動する範囲をより適切に制限できる。
上記の探知装置において、前記連結部はユニバーサルジョイントであることが好ましい。
ユニバーサルジョイントであれば、送波器を2軸の自由度で揺動させることができる。従って、この構成によれば、送波器を自由な方向に揺動させつつ、その揺動範囲を接触部材によって適切に制限できる。
上記の探知装置は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記接触部を有する側の接触部材は、略楕円形輪廓を有する部材である。そして、当該楕円形の縁部が前記接触部である。
このように、接触部材を楕円形とすることで、当該楕円の長軸方向を含む平面内で送波器が揺動する場合と、短軸方向を含む平面内で揺動する場合で、前記送波器が揺動できる範囲を異ならせることができる。
上記の探知装置は、以下のように構成することもできる。即ち、前記接触部を有する側の接触部材は、略円形輪廓を有する部材である。そして、当該円形の縁部が前記接触部であって、かつ当該縁部には前記接触面に向けて凹凸が形成されている。
このように、接触部材の輪廓自体は円形であっても、その縁部に凹凸を設けることで、前記送波器が揺動する方向に応じて、当該送波器が揺動できる範囲を異ならせることができる。
上記の探知装置において、前記接触部を有する側の接触部材は、当該接触部材が設けられている側の軸と一体的に回転することが好ましい。
これによれば、送波器の回転と一体的に接触部材が回転するので、当該送波器を基準とした相対的な方向に応じて、当該送波器が揺動できる範囲を異ならせることができる。
上記の探知装置は、以下のように構成することもできる。即ち、当該探知装置は、ベース体に取り付けられている。そして、前記接触部を有する側の接触部材は、前記ベース体に対して相対運動しないように設けられる。
これによれば、ベース体を基準とした絶対的な方位に応じて、送波器が揺動できる範囲を異ならせることができる。
上記の探知装置において、入力側の接触部材及び前記出力側の接触部材は、互いに異なる素材で構成されていることが好ましい。
例えば、入力側及び出力側の接触部材の何れか一方を金属製とし、他方を耐摩耗性の樹脂で構成することにより、耐久性を向上させるとともに、騒音を低減することができる。
上記の探知装置において、前記連結部には、揺動を減衰させるためのダンパが設けられることが好ましい。
これにより、送波器の不要な揺動を抑えることができる。
上記の探知装置において、前記送波器は、受波可能な送受波器とすることができる。
また、上記の探知装置において、前記送受波器は超音波振動子とすることができる。この場合、当該探知装置は、前記送受波器、前記出力軸及び入力軸、前記連結部、及び前記接触部材を覆うケースを備えることが好ましい。
即ち、本発明の構成によれば、ケース内の超音波送受波器の揺動範囲を制限できるので、当該超音波送受波器が揺動してケースに衝突してしまうことを防止できる。
本発明の第1実施形態に係る水中探知装置の斜視図。 水中探知装置の正面図。 水中探知装置の側面図。 水中探知装置の平面図。 出力側接触部材の長軸方向での揺動規制角を示す図。 出力側接触部材の短軸方向での揺動規制角を示す図。 第2実施形態に係る出力側接触部材の斜視図。 第2実施形態に係る出力側接触部材の平面図。 第2実施形態に係る出力側接触部材と接触面との間隔を示す図。 第2実施形態に係る出力側接触部材と接触面との間隔を示す別の図。 変形例に係る揺動規制機構の模式的な側面図。 別の変形例に係る出力側接触部材の平面図。 別の変形例に係る揺動規制機構の模式的な側面図。 更に別の変形例に係る出力側規制部材の平面図と揺動規制機構の模式的な側面図。 ユニバーサルジョイントにダンパを設けた様子を示す一部断面図。
次に、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1に示すのは、本実施形態に係る水中探知装置10の斜視図である。また、図2には水中探知装置10の正面図、図3には水中探知装置10の側面図をそれぞれ示す。
この水中探知装置10は、船舶等に設けられるアクティブソナーであり、水中地底調査や魚群探知等に利用される。水中探知装置10は、送受波器11を備えている。送受波器11は超音波振動子であり、所定の方向に向けて超音波ビームを送信し、当該方向からの反響(エコー)を受信して、当該反響に応じた電気信号を出力するように構成されている。以下の説明では、送受波器11が超音波信号の送受波を行う方向を、送受波方向Aとする。なお、ソナーの動作は公知であるから、詳しい説明は省略する。
図2及び図3に示すように、水中探知装置10の各構成は、ケース14の内部に収容されている。ケース14は、船舶の船底(ベース体)に固定され、水中に突出するように設けられる。ケース14は、略円筒状の円筒部15と、前記円筒部15の底部を塞ぐ半球状のドーム部16とを有している。このケース14は水密状に構成されており、その内部にはソナーオイルなどのオイルが充填されている。このオイルは、水中探知装置10の機械的駆動部の潤滑、ケース14内外での送受波伝播の整合などの役割を兼ねている。
水中探知装置10は、入力軸17と、出力軸18と、ユニバーサルジョイント(連結部)19と、ブラケット20と、を備えている。
入力軸17は、船体が静止している状態(ローリングやピッチングをしていない状態)で、略鉛直方向に沿うように配置されている。この入力軸17の上端は、船体の船底から鉛直下向きに突出する方位角調整軸21の下端部に固定される。また、入力軸17の下端には、ユニバーサルジョイント19を介して、出力軸18の上端部が連結されている。これにより、出力軸18は、入力軸17に対して2軸の自由度で揺動自在となっている。
出力軸18の下端部には、ブラケット20が固定されている。ブラケット20には、仰俯角調整軸22を介して送受波器11が取り付けられている。この仰俯角調整軸22は、略水平に設けられている。また、ブラケット20には、図略の仰俯角変更機構(電動モータ、ギアなど)が取り付けられている。この仰俯角変更機構は、送受波器11を、仰俯角調整軸22の軸線を中心として回動させることができるように構成されている。これにより、当該送受波器11の送受波方向Aの仰俯角(水平面に対する上下方向の角度)を変更できる。
前記方位角調整軸21には、図略の方位角変更機構(電動モータ、ギアなど)が接続されている。方位角変更機構は、方位角調整軸21を、その軸線回りに回転させることができるように構成されている。これにより、入力軸17を、その軸線まわりに回転駆動することができる。入力軸17の軸線回りの回転は、ユニバーサルジョイント19を介して出力軸18に伝えられ、当該出力軸18をその軸線まわりに回転させる。これにより、ブラケット20及び送受波器11が、出力軸18の軸線まわりに回転する。以上の構成により、送受波器11の送受波方向Aの方位角(水平面内での方向)を変更できる。
以上の構成により、送受波器11の送受波方向Aを任意方向に向けることができるので、任意方向の水中目標物を探知できるようになっている。なお、方位角変更機構及び仰俯角変更機構は、水中探知装置10の制御装置(図略)によって適宜制御できるように構成されている。
ところで、入力軸17は、船底から突出している方位角調整軸21の下端に固定されているので、当該入力軸17の軸線は船体の座標系(ローカル座標系)に固定されている。従って、船体が波や風により揺動(ローリングやピッチング)した場合、入力軸17の軸線が鉛直方向に対して成す角度は変動する。
一方、ユニバーサルジョイント19よりも下側の構成(出力軸18、ブラケット20、送受波器11など)の重心には、重力の作用により鉛直下向きの力が働いているので、当該重力の作用により、出力軸18の下端は常に略鉛直下向き方向を指向することになる。従って、入力軸17の向きにかかわらず、ブラケット20や送受波器11の地球に対する姿勢(鉛直方向に対する姿勢)は、重力の作用によって維持される。以上の構成により、船体の揺動(ローリング又はピッチング)にかかわらず、送受波器11の送受波方向Aの仰俯角を維持できる。
なお、ケース14内にはオイルが充填されているので、当該ケース14内でブラケット20や送受波器11が揺動する際には、前記オイルが適度な抵抗となる。これにより、船体が激しく揺動しているときであっても、送受波器11等がケース14内で激しく振り回されることが防止されるので、送受波器11の姿勢を安定させることができる。
続いて、本実施形態の水中探知装置10の特徴的な構成について説明する。
前述のように、送受波器11は、その姿勢を、船体の揺動(ローリング又はピッチング)とは独立して維持できるように構成されている。しかし、仮に、送受波器11の揺動が完全にフリーであると、船体が大きく揺動したときに、送受波器11やブラケット20等がケース14の内壁面に衝突して、破損につながるおそれがある。送受波器11がケース14の内壁面に衝突しないように、当該ケース14を大きく構成することも考えられる。しかし、ケース14は船底から水中に突出して設けられているため、当該ケース14を大型化した場合は水流抵抗が大きくなってしまう。
そこで本実施形態の水中探知装置10は、送受波器11の揺動範囲を規制するための揺動規制機構30を有している。揺動規制機構30は、入力側接触部材31と、出力側接触部材32と、を有している。
入力側接触部材31は、入力軸17に対して固定的に設けられたフランジ部として構成されている。当該フランジ部の下部には、前記入力軸17の軸線に略直交する接触面33が形成されている。
出力側接触部材32は、ブラケット20に固定的に取り付けられている。ブラケット20は出力軸18に固定されているので、出力側接触部材32は、出力軸18の軸線に対して固定的に設けられているといえる。この出力側接触部材32は、出力軸18の軸線に略直交するように配置された板状部材として構成されている。また、この出力側接触部材32は、出力軸18の軸線方向から見たときの輪廓形状が、略楕円形に形成されている(図4)。
なお、図4においては、出力側接触部材32をより良く図示するため、入力側接触部材31を省略した状態で示している。楕円形の出力側接触部材32の中心部には、出力軸18及び入力軸17を挿通させるための円形の挿通孔35が形成されている。この挿通孔35の径は、出力軸18及び入力軸17の外径よりも十分に大きく形成されており、入力軸17が出力側接触部材32に接触することがないようになっている。
出力側接触部材32は、出力軸18の軸線に対して略平行に配置された3本の支柱36,36,36を介して、ブラケット20に固定されている。このように出力側接触部材32を3点支持することで、出力側接触部材32のガタつきを防止できる。なお、図1から図3に示すように、支柱36,36,36は、互いに適度な間隔を開けて配置されている。
入力軸17と出力軸18が直線状になっている状態(船体が揺動せずに静止している状態、図2及び図3の状態)において、入力側接触部材31の接触面33と、板状の出力側接触部材32は、適宜の間隔を空けて略平行になるように配置されている。即ち、船体が揺動していない時には、出力側接触部材32が入力側接触部材31に接触しないようになっている。
一方、船体が揺動して入力軸17と出力軸18がなす角度が所定以下になったときには、図5及び図6に示すように、入力側接触部材31の接触面33に、出力側接触部材32の縁部が接触するように配置されている。従って、楕円形の出力側接触部材32の縁部は、接触部であると言うことができる。入力側接触部材31と出力側接触部材32が接触したときに、入力軸17と出力軸18がなす角度を「接触角」と呼ぶことにする。
入力側接触部材31と出力側接触部材32は、互い接触することによりストッパとして機能し、入力軸17と出力軸18がなす角度が、接触角よりも小さくならないように規制している。これにより、ケース14内で送受波器11が揺動できる範囲を制限できるので、送受波器11がケース14の内壁面に衝突することを防止できる。従って、ケース14をコンパクトに構成することができる。
図4等に示すように、出力側接触部材32の縁部(接触部)は、出力軸18の外径よりも半径方向外側に位置している。もし仮に出力軸18の外径よりも半径方向内側に接触部を設定しようとした場合、入力側接触部材31と出力側接触部材32は、ユニバーサルジョイント19に極めて近い位置で接触することになる。このため、テコの原理によってユニバーサルジョイント19に過大な力が加わり、当該ユニバーサルジョイント19が破損するおそれがある。この点、本実施形態のように、接触部を出力軸18の外径よりも半径方向外側に設けることで、ユニバーサルジョイント19から離れた位置において入力側接触部材31と出力側接触部材32が接触することになるので、入力側接触部材31と出力側接触部材32が接触したときにユニバーサルジョイント19に加わる衝撃を低減できる。
なお、本実施形態では、入力側接触部材31を金属製とし、出力側接触部材32は合成樹脂としている。この合成樹脂としては、耐摩耗性を有するものが好ましく、例えばジュラコン(登録商標)などのポリアセタール樹脂を採用することができる。このように、入力側接触部材31と、これに接触する出力側接触部材32と、を異素材とすることにより、耐久性を向上させ、また騒音等を低減できる。
ところで、図2に示すように、本実施形態の水中探知装置10において、ブラケット20は略コ字状(又は略U字状)に形成されている。そして、このブラケット20は、送受波器11を仰俯角調整軸22の軸線方向で挟み込んで支持するように構成されている。ここで、説明の便宜上、ブラケット20が送受波器11を挟み込む方向(仰俯角調整軸22と平行な方向)をX軸方向、出力軸18の軸線方向をZ軸方向とし、X軸及びZ軸に直交する方向をY軸方向とする。
本実施形態のように、ブラケット20によって送受波器11を挟み込んで支持する構成の場合、送受波器11を挟み込む方向(X軸方向)で、ブラケット20及び送受波器11のサイズが大きくなりがちである。このため、ブラケット20及び送受波器11は、Y軸方向よりもX軸方向の方がスペースを取り易い。例えば本実施形態では、図2及び図3に示すように、ブラケット20及び送受波器11と、ケース14の内壁面と、の間の隙間(GAP)は、X軸方向に比べてY軸方向の方が広くなっている。つまり、X−Z平面内(図2)に比べて、Y−Z平面内(図3)のほうが、ブラケット20及び送受波器11と、ケース14の内壁面と、の間に余裕があることになる。
この点に着目し、本実施形態の水中探知装置10では、送受波器11が揺動する方向に応じて、当該送受波器11が揺動できる範囲を異ならせるように構成している。なお前述のように、本実施形態の水中探知装置10では、送受波器11の地球に対する姿勢(鉛直方向に対する姿勢)が維持されるようになっているので、地球を基準にして考えた場合は、送受波器11は揺動せず、入力軸17やケース14の方が揺動するのだと言える。しかし、ケース14の中で送受波器11が揺動すると考えた方が直感的にわかり易いので、以下の説明では、入力軸17に対して送受波器11が相対的に揺動するものとして説明する。入力軸17の軸線に対して送受波器11が揺動する方向のことを、以下の説明では単に「揺動方向」と呼ぶ。
本実施形態の水中探知装置10では、ケース14の内壁面と送受波器11との間に余裕がある方向に送受波器11が揺動する場合(Y−Z平面内で揺動する場合)は、余裕が無い方向に揺動する場合(X−Z平面内で揺動する場合)に比べて、より広い範囲で送受波器11を揺動させるように構成している。これにより、限られたケース14内の空間で、送受波器11の揺動範囲を最大限に確保することができる。
具体的には、本実施形態の水中探知装置10において、Y−Z平面内(図6)のD1方向(第1方向)に送受波器11が揺動した場合の接触角は、74°となっている。一方、X−Z平面内(図5)のD2方向(第2方向)に受波器11が揺動した場合の接触角は、78°となっている。つまり、送受波器11は、D2方向に比べて、D1方向に揺動する方が、より広い範囲で揺動できるように構成されている。
続いて、揺動方向に応じて接触角を異ならせるための構成について詳しく説明する。
前述のように、出力側接触部材32は、その輪廓形状が楕円形に形成されている。図4に示すように、出力側接触部材32は、その楕円輪廓の長軸方向がX軸方向に、短軸方向がY軸方向に沿うようにして配置されている。また前述のように、出力側接触部材32は、その縁部で入力側接触部材31の接触面33に接触するようになっている。
送受波器11がX−Z平面内で揺動する場合(入力軸17と出力軸18がX−Z平面内にある場合)、出力側接触部材32は、そのX軸方向端部の縁部(つまり長軸方向の端部の縁部)で接触面33に接触することになる(図5)。この場合、出力側接触部材32が接触面33に接触する点(接触部)と、出力軸18の軸線との距離L1は、最大になる。このため、接触角は、X−Z平面内において最大となる(本実施形態の場合は78°)。
一方、送受波器11がY−Z平面内で揺動する場合(入力軸17と出力軸18がY−Z平面内にある場合)、出力側接触部材32は、そのY軸方向端部の縁部(つまり短軸方向の端部の縁部)で接触面33に接触することになる(図6)。この場合、出力側接触部材32が接触面33に接触する点(接触部)と、出力軸18の軸線との距離L2は、最小になる。このため、接触角は、Y−Z平面内において最小となる(本実施形態の場合は74°)。
以上のように、楕円形の出力側接触部材32の長軸方向をX軸方向に、短軸方向をY軸方向に沿って配置することにより、Y−Z平面内の接触角を、X−Z平面内の接触角よりも小さくできる。これにより、Y−Z平面内では、X−Z平面内に比べて、送受波器11をより広い範囲で揺動させることができる。
なお、本実施形態の水中探知装置10において、出力側接触部材32は、出力軸18及びブラケット20と一体的に設けられている。従って、送受波器11が出力軸18の軸線まわりで回転させられるとき、出力側接触部材も一体的に回転する。これによれば、送受波器11の方位角が変更されたとしても、出力側接触部材32の長軸方向は常にX軸(仰俯角調整軸22と平行な方向)に一致し、短軸方向は常にY軸方向に一致する。従って、送受波器11が揺動できる範囲を、当該送受波器11を基準とした相対的な揺動方向に応じて異ならせることができる。
以上で説明したように、本実施形態の水中探知装置10は、入力軸17と、出力軸18と、送受波器11と、ユニバーサルジョイント19と、入力側接触部材31と、出力側接触部材32と、を備えている。送受波器11は、出力軸18に取り付けられる。ユニバーサルジョイント19は、入力軸17及び出力軸18の端部同士を揺動自在に連結する。入力側接触部材31は、入力軸17の軸線に対して固定的に設けられる。出力側接触部材32は、出力軸18の軸線に対して固定的に設けられる。出力側接触部材32は、出力軸18の外径よりも半径方向外側に位置する接触部を有する。入力側接触部材31は、接触面33を有する。入力軸17と出力軸18がなす角度が所定の接触角以下のときに、接触部が接触面33に接触する。そして、送受波器11がユニバーサルジョイント19を中心としてD1方向に揺動した場合と、D2方向に揺動した場合では、接触角が異なるように構成されている。
このように接触部材31,32同士を接触させてストッパとして機能させることで、出力軸18と入力軸17とがなす角度が所定以下になることを規制できる。これにより、送受波器11が揺動する範囲を制限できるので、送受波器11を覆って保護するケース14を、コンパクトに構成できる。そして、送受波器11が揺動する方向に応じて接触角を異ならせることで、当該送受波器が揺動する範囲をより適切に制限できる。
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明で、上記実施形態と同一又は類似する構成については、図面と要素名に同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態に係る出力側接触部材132を、図7及び図8に示す。図8に示すように、この変形例の出力側接触部材132は、Z軸方向で見たときの輪廓形状が、略円形に形成されている。この出力側接触部材132の縁部には、入力側接触部材31の接触面33に向けて突出する凸部40が2つ形成されている。図8に示すように、2つの凸部40は、X軸方向で並んでいる。
ここで、入力軸17と出力軸18が直線状になっている状態を考える(図9及び図10)。この場合、Y−Z平面内における出力側接触部材132の縁部(接触部)から接触面33までの距離をT1(図10)、X−Z平面内における出力側接触部材132の縁部(接触部)から接触面33までの距離をT2(図9)とする。T1とT2を比較すると、凸部40の厚み分だけ、T2の方が短いことになる。従って、出力側接触部材132を接触面33に接触させるためには、X−Z平面内よりもY−Z平面内の方を大きく揺動させなければならない。従って、X−Z平面内の接触角に比べて、Y−Z平面内の接触角の方が小さくなる。
以上で説明したように、この第2実施形態では、出力側接触部材132の縁部に、接触面33に向けた凹凸を持たせることで、揺動方向に応じて接触角を異ならせるように構成している。これにより、送受波器11が揺動する方向に応じて、当該送受波器11が揺動できる範囲を異ならせることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態では、入力軸17側の接触部材に接触面33を、出力軸18側の接触部材に接触部を設ける構成としたが、これに限らない。例えば図11のように、出力側接触部材32側に接触面33を設け、入力側接触部材31の縁部(接触部)を、前記接触面33に接触させるように構成しても良い。この場合は、入力側接触部材31側の輪廓形状を楕円形にしたり、当該輪廓形状に凹凸を設けることで、揺動方向に応じて接触角を異ならせることができる。
上記実施形態では、接触部を有する側の接触部材(出力側接触部材32)を、当該接触部材が設けられている側の軸(出力軸18)と一体的に回転する構成とした。これにより、送受波器11を基準とした相対的な揺動方向に応じて、接触角を異ならせることができる。しかしこれに代えて、接触部を有する側の接触部材を船底(ベース体)に対して固定的に設け、当該接触部材が船底に対して相対移動しないように構成しても良い。これによれば、船体を基準とした絶対的な揺動方向に応じて、接触角を異ならせることができる。例えば、送受波器11が船体のロール方向に揺動するときと、船体のピッチ方向に揺動するときで、当該送受波器11が揺動できる範囲を異ならせるということができる。一般に、船体はピッチ方向に比べてロール方向の揺れが大きいので、ピッチ方向に比べてロール方向の揺動規制角を小さくすれば好適である。
上記の第1実施形態では、接触部を有する側の接触部材(出力側接触部材32)の輪廓形状を楕円形としているが、出力側接触部材32の輪廓形状は楕円形に限らない。揺動方向に応じて接触角を異ならせるという観点からすれば、出力側接触部材32の輪廓形状は、出力軸18の軸線を中心とする円から外れた形状(非円形)になっていれば十分である。例えば図12の例では、出力側接触部材232の輪廓形状を、X軸に対して非対称な形状としている。この場合、図13に示すように、送受波器がYZ平面内で1方向に向けて揺動した場合と、逆方向に向けて揺動した場合とで、接触角を異ならせることができる。このように、同一平面内であっても、揺動方向によって接触角が異なっていても良い。
また、揺動方向によっては、接触部材同士が接触しない場合があっても良い。例えば図14(a)の例では、出力側接触部材332は、Y軸方向の半分(図14(a)の下半分)には接触部を有していない構成である(つまり、図14(a)に示した出力側接触部材332の下半分の縁部は、入力側接触部材31の接触面33に接触しないようになっている)。例えば、図14(b)に示すように、送受波器がYZ平面内でD3方向に向けて揺動する場合には、出力側接触部材332が入力側接触部材31に接触することがないので、送受波器はD3方向に向けて完全にフリーに揺動できる。一方、同じYZ平面内であっても、送受波器がD4方向に揺動する場合は、出力側接触部材332が入力側接触部材31に接触することにより、送受波器の揺動範囲を規制できる。
上記実施形態では、入力側接触部材31は入力軸17に固定されたフランジ状の部材としているが、必ずしもこれに限らない。出力側接触部材が接触できる接触面を有する部材であれば、入力側接触部材としての機能を果たすことができる。例えば、ケース14の天井(図略)の下面を接触面33として、当該天井の下面に対して出力側接触部材を接触させるように構成しても良い。この場合、ケース14の天井部を、入力側接触部材と把握することができる。これ以外にも、入力側接触部材は適宜の構成とすることができる。
上記実施形態では、出力側接触部材32はブラケット20に対して支柱36を介して固定された板状部材としたが、これに限らない。入力側接触部材31に対して接触可能に配置された部材であれば、出力側接触部材として機能を果たすことができる。例えば、出力側接触部材を固定するための支柱の数は3本以外であっても良い。また、出力側接触部材を固定するための構成は支柱に限らない。例えばブラケット20に出力側接触部材32を一体的に形成しても良い。この場合、ブラケット20そのものを出力側接触部材と把握することができる。また、上記実施形態の入力側接触部材31と同じように、出力側接触部材32を、出力軸18に固定されたフランジ状の部材として構成しても良い。これ以外にも、出力側接触部材は適宜の構成とすることができる。
上記実施の説明において、ケース14内に充填されたオイルが適度な抵抗となり、送受波器11が過度に振り回されることを防止するとした。しかし、オイルの抵抗だけでは、送受波器11の姿勢を安定化できない場合も考えられる。そこで例えば図15のように、ユニバーサルジョイント19の部分に、送受波器11の揺動を減衰されるためのダンパ50を設けても良い。
このダンパ50の構成は様々なものが考えられるが、例えば、図15のようにユニバーサルジョイント19の周囲をコルゲート状のブーツ部材51によって水密状に覆い、当該ブーツ部材51の内部にグリス52等の粘度の高い液体を封入した構成とすることができる。即ち、ケース14内にはオイルが充填されているので、上記の実施形態では、ユニバーサルジョイント19などの機構は潤滑されスムーズに動くようになっている。そこで、ユニバーサルジョイント19の周囲にグリス52を充填し、あえてオイルの供給を遮断することで、当該ユニバーサルジョイント19を中心とした揺動動作に適度な抵抗を与えることができる。
上記実施形態では、連結部はユニバーサルジョイントであるとしたが、連結部は入力軸と出力軸を揺動自在に連結できれば良く、ユニバーサルジョイントに限定されない。例えば、連結部は、入力軸に対して出力軸を1軸で揺動自在に連結する構成であっても良い。揺動の自由度が1軸の場合は、送受波器は平面内でしか揺動できないが、この場合であっても、本発明の構成によって送受波器の揺動範囲を制限することで、上記実施形態と同等の効果を得ることができる。
上記実施形態では、出力軸に超音波送受波器を取り付ける構成となっているが、必ずしも受信が可能である必要はなく、少なくとも送波を行う送波器であれば良い。また、当該送波器は、必ずしも超音波の送信を行う超音波振動子である必要はなく、例えば電磁波の送信を行うアンテナであっても良い。また、ケースは省略しても良い。ケースを省略した場合であっても、本発明の構成によって送波器の揺動範囲を制限することにより、当該送波器が過度に振りまわされることを防止する効果を得ることができる。
10 水中探査装置
11 送受波器(送波器)
17 入力軸
18 出力軸
19 ユニバーサルジョイント(連結部)
31 入力側接触部材
32 出力側接触制部材
33 接触面

Claims (11)

  1. 入力軸と、
    出力軸と、
    前記出力軸に取り付けられた送波器と、
    前記入力軸及び前記出力軸の端部同士を揺動自在に連結する連結部と、
    前記入力軸の軸線に対して固定的に設けられた入力側の接触部材と、
    前記出力軸の軸線に対して固定的に設けられた出力側の接触部材と、
    を備え、
    前記入力側及び出力側の接触部材の一方は、当該接触部材が設けられている側の軸の外径よりも半径方向外側に位置する接触部を有し、
    前記入力側及び出力側の接触部材の他方は、接触面を有し、
    前記入力軸と前記出力軸がなす角度が所定の接触角以下のときに、前記接触部が前記接触面に接触することを特徴とする探知装置。
  2. 請求項1に記載の探知装置であって、
    前記送波器が前記連結部を中心として所定の第1方向に揺動した場合と、所定の第2方向に揺動した場合では、前記接触角が異なることを特徴とする探知装置。
  3. 請求項2に記載の探知装置であって、
    前記連結部はユニバーサルジョイントであることを特徴とする探知装置。
  4. 請求項3に記載の探知装置であって、
    前記接触部を有する側の接触部材は、楕円形輪廓を有する部材であり、
    当該楕円形の縁部が前記接触部であることを特徴とする探知装置。
  5. 請求項3に記載の探知装置であって、
    前記接触部を有する側の接触部材は、略円形輪廓を有する部材であり、
    当該円形の縁部が前記接触部であって、かつ当該縁部には前記接触面に向けて凹凸が形成されていることを特徴とする探知装置。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載の探知装置であって
    前記接触部を有する側の接触部材は、当該接触部材が設けられている側の軸と一体的に回転することを特徴とする探知装置。
  7. 請求項1から5までの何れか一項に記載の探知装置であって、
    当該探知装置は、ベース体に取り付けられており、
    前記接触部を有する側の接触部材は、前記ベース体に対して相対運動しないように設けられていることを特徴とする探知装置。
  8. 請求項1から7までの何れか一項に記載の探知装置であって、
    前記入力側の接触部材及び前記出力側の接触部材は、互いに異なる素材で構成されていることを特徴とする探知装置。
  9. 請求項1から8までの何れか一項に記載の探知装置であって、
    前記連結部には、揺動を減衰させるためのダンパが設けられることを特徴とする探知装置。
  10. 請求項1から9までの何れか一項に記載の探知装置であって、
    前記送波器は、受波可能な送受波器であることを特徴とする探知装置。
  11. 請求項10に記載の探知装置であって、
    前記送受波器は超音波振動子であり、
    当該送受波器、前記出力軸及び入力軸、前記連結部、及び前記接触部材を覆うケースを備えることを特徴とする探知装置。
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