JP2013221140A - ネガ型感光性樹脂組成物用ポリイミド前駆体及びこれを用いたネガ型感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 現像性のよいポリイミド前駆体溶液、及びこれを用いたネガ型感光性樹脂組成物、当該ポリイミド前駆体溶液の製造方法を提供する。
【解決手段】 ジアミン化合物とカルボン酸二無水物とを、モル比で略1:1で反応させることにより得られるポリイミド前駆体を含有するポリイミド前駆体溶液であって、前記ポリイミド前駆体のイミド化率が30〜40モル%である。有機溶剤存在下で、ジアミン化合物とカルボン酸二無水物とを、モル比で略1:1で混合した後、加熱により、ポリイミド前駆体のイミド化率、重量平均分子量を所定範囲とすることにより製造できる。
【選択図】 なし
【解決手段】 ジアミン化合物とカルボン酸二無水物とを、モル比で略1:1で反応させることにより得られるポリイミド前駆体を含有するポリイミド前駆体溶液であって、前記ポリイミド前駆体のイミド化率が30〜40モル%である。有機溶剤存在下で、ジアミン化合物とカルボン酸二無水物とを、モル比で略1:1で混合した後、加熱により、ポリイミド前駆体のイミド化率、重量平均分子量を所定範囲とすることにより製造できる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、現像性に優れたネガ型感光性樹脂組成物に好適なポリイミド前駆体、及び当該ポリイミド前駆体を用いたネガ型感光性樹脂組成物に関する。
ポリイミド樹脂は、優れた耐熱性、電気的絶縁性を有し、しかも、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸は有機溶媒、アルカリ水溶液に可溶であり、加熱によりイミド化させると熱的、化学的に安定なポリイミドに変換できるといった性質を有している。
ポリイミド樹脂のこのような特性を生かして、近年、配線の微細加工用の保護膜に、ポリイミド樹脂を利用した感光性樹脂組成物を用いることが検討されている。配線パターンを形成しようとする基材上に、ポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物の塗膜を形成した後、マスクを介して紫外線等を照射し、光重合させた後、現像により未露光部分を除去し、加熱イミド化することで、配線パターンを形成することができる。
ポリイミド樹脂のこのような特性を生かして、近年、配線の微細加工用の保護膜に、ポリイミド樹脂を利用した感光性樹脂組成物を用いることが検討されている。配線パターンを形成しようとする基材上に、ポリイミド前駆体を含む感光性樹脂組成物の塗膜を形成した後、マスクを介して紫外線等を照射し、光重合させた後、現像により未露光部分を除去し、加熱イミド化することで、配線パターンを形成することができる。
ネガ型感光性樹脂組成物は、現像工程で、非露光部のポリイミド前駆体が現像液に溶解して除去され、露光部のポリイミド前駆体は現像液に溶解せずパターン形成されて残るというものである。従って、感光性樹脂組成物が、厚膜塗工が可能な塗工溶液を調製でき、且つ非露光部の溶け残りがないように、現像液に対する溶解性に優れていることが望まれる。
ここで、芳香族ジアミンとカルボン酸二無水物とから合成されるポリイミド前駆体の分子は、一般式(1)で表わされるポリアミック酸構造の他、すでに閉環してイミド化した部分も含まれる。式中、Aは、原料モノマーとして用いたカルボン酸無水物のカルボン酸残基、Bはジアミン化合物のアミン残基を示す。
特開2003−183392号公報(特許文献1)には、ポリイミド前駆体のパターン加工性は、カルボン酸二無水物にジアミンが付加したポリアミック酸構造および該ポリアミック酸がイミド閉環したイミド部分の含有比率に大きく依存すると説明されている。そして、その理由として、該ポリアミック酸構造は、有機溶剤及びパターン加工時に好適に用いられるアルカリ性現像液に可溶であるが、該イミド構造は、その強い分子間相互作用のため、有機溶剤及びアルカリ性現像液には不溶であることから、ポリアミック酸構造とポリイミド構造の割合によって、溶解性、パターン加工性が変化するためであると説明されている(段落番号0004)。
上記特許文献1には、カルボン酸無水物としてピロメリット酸無水物、芳香族ジアミンとして、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン又はパラフェニレンジアミンを等モル反応させた後、反応温度を変更することによって、イミド閉環率15%〜20%のポリイミド前駆体溶液が開示されており、イミド閉環率が高くなると(18%超)、塗工液としての溶解性、塗膜の現像性を満足できないことが示されている(実施例)。
以上のように、ポリイミド前駆体におけるイミド化の割合、ポリアミック酸の分子量が、現像液に対する溶解性、現像性と関係していることが知られているものの、現像性については、被現像部の残膜の有無に基づいて評価されているだけで(特許文献1の段落0044)、微細パターンとの関係については、開示されていない。
特に、近年、パターニングの精度が厳しくなり、従来のポリイミド前駆体を用いた感光性樹脂組成物では、そのような厳しい精度を満足できなくなってきている。
しかしながら、ポリイミド前駆体の分子量、イミド化率と、現像性との関係は、明らかにされていないため、ポリアミック酸の合成をどのようにコントロールすべきかといった指標を示したものはない。
しかしながら、ポリイミド前駆体の分子量、イミド化率と、現像性との関係は、明らかにされていないため、ポリアミック酸の合成をどのようにコントロールすべきかといった指標を示したものはない。
本発明はこのような事情に鑑みて、現像性のよいポリイミド前駆体及びこれを用いたネガ型感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、現像性、有機溶剤の溶解性と、ポリイミド前駆体の分子量、イミド化率との関係を種々検討した結果、酸成分とジアミン化合物とを略等モルずつ配合し、室温以上で一気に反応させて得られるポリイミド前駆体については、生成物であるポリイミド前駆体の分子量とイミド化率とは、逆比例の関係にあること、さらに、分子量(イミド化率)を所定範囲内とした場合に、有機溶剤溶解性、現像性が優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のポリイミド前駆体溶液は、感光性樹脂組成物に用いるポリイミド前駆体溶液として好適なもので、ジアミン化合物とカルボン酸二無水物とを、モル比で略1:1で反応させることにより得られるポリイミド前駆体を含有するポリイミド前駆体溶液であって、前記ポリイミド前駆体のイミド化率が30〜40モル%である。
前記ポリイミド前駆体の重量平均分子量(Mw)は、35000〜50000であることが好ましく、前記ポリイミド前駆体の数平均分子量に対する重量平均分子量(Mw/Mn)は、1.6〜2.0であることが好ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、上記本発明のポリイミド前駆体溶液;光重合性モノマー;及び光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物である。前記光重合性モノマーは、アミノ基含有アクリレート又はアミノ基含有メタクリレートを含んでいることが好ましい。
本発明は、上記本発明の感光性樹脂組成物を、加熱硬化してなるポリイミド樹脂膜、当該ポリイミド樹脂膜を保護膜として有するフレキシブルプリント配線板、前記ポリイミド樹脂膜をサスペンション用基板として用いたフレキシブルプリント配線板も包含する。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物用ポリイミド前駆体溶液の製造方法は、有機溶剤存在下で、ジアミン化合物とカルボン酸二無水物とをモル比で略1:1で混合した後、加熱により、イミド化率30〜40モル%とすることを特徴とする。
前記加熱により、ポリイミド前駆体の重量平均分子量(Mw)を35000〜50000とすることが好ましい。
前記加熱により、ポリイミド前駆体の重量平均分子量(Mw)を35000〜50000とすることが好ましい。
本明細書にいう「イミド化率」とは、ポリイミド前駆体におけるイミド化の割合(イミド閉環の割合)をいい、具体的には、下式により求められる。式中、xは、酸(又はアミン成分)の総量を1モルとしたときに、1H−NMRで定量して得られるアミドのプロトンの積分値により求められた値を採用する。
イミド化率(モル%)=(1−x/2)×100
イミド化率(モル%)=(1−x/2)×100
本発明のポリイミド前駆体溶液は、イミド化率が高いにもかかわらず、有機溶剤溶解性、塗膜の現像性に優れている。よって、本発明のポリイミド前駆体溶液は、ネガ型感光性樹脂組成物に用いるポリイミド前駆体溶液として好適である。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、今回、開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<ポリイミド前駆体溶液>
本発明のポリイミド前駆体溶液に含有されるポリイミド前駆体は、重量平均分子量(Mw)35000〜50000で且つイミド化率30〜40モル%のポリイミド前駆体である。
ここで、ポリイミド前駆体は、カルボン酸二無水物とジアミン化合物とを略1:1(モル比)で混合し、無水条件下、極性有機溶媒中で、室温〜100℃で重縮合することにより合成される。酸とジアミン化合物との重合反応は、逐次重合で進むことから、重合反応の早期に、高分子量のポリアミック酸が生成し、その後、下式(1)のように、脱水縮合によりイミド化が起こるとともに、下式(2),(2’)のように、イミド化反応で生じた水により、ポリイミド前駆体のアミド結合が切断されるという双方の反応が起こることで、早期に生成された高分子量のポリイミド前駆体の分子量が減少していく。
本発明のポリイミド前駆体溶液に含有されるポリイミド前駆体は、重量平均分子量(Mw)35000〜50000で且つイミド化率30〜40モル%のポリイミド前駆体である。
ここで、ポリイミド前駆体は、カルボン酸二無水物とジアミン化合物とを略1:1(モル比)で混合し、無水条件下、極性有機溶媒中で、室温〜100℃で重縮合することにより合成される。酸とジアミン化合物との重合反応は、逐次重合で進むことから、重合反応の早期に、高分子量のポリアミック酸が生成し、その後、下式(1)のように、脱水縮合によりイミド化が起こるとともに、下式(2),(2’)のように、イミド化反応で生じた水により、ポリイミド前駆体のアミド結合が切断されるという双方の反応が起こることで、早期に生成された高分子量のポリイミド前駆体の分子量が減少していく。
下式中、Aは、原料として用いるカルボン酸無水物のカルボン酸残基であり、Bは原料として用いるジアミン化合物のアミン残基である。
時間の経過とともに、イミド化、及び加水分解によるポリアミック酸の分子量減少が進むことを利用し、本発明者らは、加熱時間、加熱温度をコントロールすることで、現像性、溶解性を充足できるポリイミド前駆体のイミド化率、分子量の範囲を見出した。
すなわち、イミド化率30〜40%、好ましくは35〜38%のポリイミド前駆体である。このようなポリイミド前駆体の分子量は、通常、33000〜50000、好ましくは 35000〜44000の範囲となる。従来、この分野で用いられているポリイミド前駆体におけるイミド化率は、20%以下、好ましくは15%以下である。イミド化率が高くなるのに伴って、ポリイミド前駆体の反応溶媒における溶解度が下がって、ゲル化が進み、塗工用溶液を調製できなくなるからである。このような理由から、通常、イミド化率が低い、好ましくは15%以下のポリイミド前駆体が用いられるが、本発明においては、通常よりも高いイミド化率のポリイミド前駆体、すなわちイミド化率30〜40%、好ましくは35〜38%のポリイミド前駆体を用いるところに特徴がある。
すなわち、イミド化率30〜40%、好ましくは35〜38%のポリイミド前駆体である。このようなポリイミド前駆体の分子量は、通常、33000〜50000、好ましくは 35000〜44000の範囲となる。従来、この分野で用いられているポリイミド前駆体におけるイミド化率は、20%以下、好ましくは15%以下である。イミド化率が高くなるのに伴って、ポリイミド前駆体の反応溶媒における溶解度が下がって、ゲル化が進み、塗工用溶液を調製できなくなるからである。このような理由から、通常、イミド化率が低い、好ましくは15%以下のポリイミド前駆体が用いられるが、本発明においては、通常よりも高いイミド化率のポリイミド前駆体、すなわちイミド化率30〜40%、好ましくは35〜38%のポリイミド前駆体を用いるところに特徴がある。
ポリイミド前駆体の重量平均分子量が50000を超えると、溶剤に溶けにくくなり、塗工用感光性樹脂組成物としての塗工性が劣るばかりか、現像液にも溶解しにくくなるため、現像性が劣る。一方、ポリイミド前駆体の重量平均分子量が35000未満では、溶剤に不溶なイミド割合、すなわちイミド化率が高くなりすぎているため、ポリイミド前駆体溶液の粘度が高くなり、ゲル化してしまい、ひいては、均質な感光性樹脂組成物(感光性樹脂塗工液)の調製自体が困難となる。
また、本発明のポリイミド前駆体における数平均分子量に対する重量平均分子量の割合(Mw/Mn)は、1.6〜2.0であることが好ましく、さらには1.7〜1.9であることが好ましく、より好ましくは1.75〜1.85である。重量平均分子量が上記範囲内であって、且つ分子量分布(Mw/Mn)を上記範囲内とすることにより、微細パターンの現像性を達成できる。この点、ポリイミド前駆体の分子量を上記範囲内とする方法としては、例えば、原料モノマーであるカルボン酸無水物とジアミン化合物との混合比率を等モルずつからずらすことによって、あるいは末端封止剤を利用することによっても可能である。しかしながら、このような方法で得られるポリイミド樹脂膜は、被膜強度が不十分であったり、線膨張係数が大きくなる傾向にある。特に、末端封止剤を用いる方法では、分子量の分布幅が大きくなる傾向にあるため、重量平均分子量が35000〜50000と同程度であっても、Mw/Mnが2.0超となる傾向にある。その結果、低分子量成分の存在により、硬化により得られるポリイミド被膜の品質低下の原因となりやすい。
次に、以上のようなポリイミド前駆体を含有するポリイミド前駆体溶液の製造方法について説明する。
ポリイミド前駆体の原料となるカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2″,3,3″−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物。フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物;シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物などの脂環式酸無水物;ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などの複素環誘導体などが挙げられる。これらの酸成分は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリイミド前駆体の原料となるカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2″,3,3″−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物。フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物;シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物などの脂環式酸無水物;ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などの複素環誘導体などが挙げられる。これらの酸成分は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリイミド前駆体の原料となる上記ジアミン化合物としては、例えば、2,2−ジ(p−アミノフェニル)−6,6′−ビスベンゾオキサゾール、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、4,4″−ジアミノ−p−テルフェニル、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン;ピペラジン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンなどが挙げられる。これらのアミン成分は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
以上のようなカルボン酸二無水物、ジアミン化合物を略等モルずつ配合し、有機溶剤中で反応させる。通常、有機溶剤に、ジアミン化合物を溶解させた後、カルボン酸無水物を添加し、好ましくは窒素雰囲気下で、室温〜100℃で攪拌しながら、反応させればよい。
反応溶媒として使用できる有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサエチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトンなどの極性有機溶剤が挙げられる。これらの極性有機溶剤のほかには、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロへキサノンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、蓚酸ジエチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類;クレゾール、クロルフェノールなどのフェノール類;ピリジンなどの第3級アミン類などが挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶剤量は、特に限定しないが、生成物であるポリイミド前駆体溶液を、そのまま感光性樹脂組成物原料として用いるためには、最終的に得られるポリイミド前駆体固形分の濃度が10〜30質量%のポリイミド前駆体溶液が得られるように選択することが好ましい。
カルボン酸二無水物とジアミン化合物との反応は、上記のような溶剤中で行われるが、両化合物の反応性が高く、発熱反応であることから、両化合物の反応は、混合により素早く進む。このため、重合反応開始後、早期の段階で、高分子量のポリアミック酸が合成され、高粘度溶液となる。一方、発熱反応により反応系温度が上昇した結果、ポリアミック酸の脱水縮合によるイミド閉環反応が始まる。そして、イミド閉環反応により生成される水で分子鎖が切断されることで、ポリアミック酸の分解、低分子量化が進む。本発明においては、目的の分子量範囲にまで減少した時点で反応を停止させる。ポリイミド前駆体の分子量が所定範囲内に到達したか否かは、ポリイミド前駆体のGPCによる分子量測定又はイミド化率で知ることができる。イミド化率と分子量とは、負の相関関係があるからである。
生成されるポリイミド前駆体のイミド化率(分子量)は、加熱温度、加熱時間(反応時間)により決まることから、イミド化率が所定範囲となるように、反応温度に応じて反応時間を決定すればよい。
このようにして固形分10〜30質量%であり、温度24℃での粘度が3000〜50000cpsであるポリイミド前駆体溶液を得ることができる。
なお、上記固形分濃度、粘度範囲は、溶剤量を調節することによっても可能であるが、溶剤に不溶なイミド化率が高くなると、溶剤量を増やしても(希釈倍率を高めても)所定固形分濃度のポリイミド前駆体溶液を得ることが困難となる。また、塗工性との関係から、上記範囲の粘度及び固形分濃度を有していることが好ましい。
<ネガ型感光性樹脂組成物>
本発明に係るネガ型感光性樹脂組成物は、本発明に係る上記ポリイミド前駆体溶液に、さらに、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含むものである。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を構成する光重合性モノマーは、X線、電子線、紫外線等を照射(露光)することで架橋する光反応性官能基を持つモノマーである。
本発明に係るネガ型感光性樹脂組成物は、本発明に係る上記ポリイミド前駆体溶液に、さらに、光重合性モノマー及び光重合開始剤を含むものである。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物を構成する光重合性モノマーは、X線、電子線、紫外線等を照射(露光)することで架橋する光反応性官能基を持つモノマーである。
光重合性モノマーとして、さらに、不飽和二重結合等の光反応性官能基とアミノ基とを有する化合物を含有することが好ましい。このような化合物として、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリロイルモルホリン、アクリロイルピペリジン、メタクリロイルピペリジン、クロトンアミド、N−メチルクロトンアミド、N−イソプロピルクロトンアミド、N−ブチルクロトンアミド、酢酸アリルアミド、プロピオン酸アリルアミドなどが例示される。
光重合性モノマーとしては、上記のように光反応性官能基とアミノ基とを有する化合物に加えて、光反応性官能基とグリシジル基とを含有する化合物を併用してもよい。
以上のような光重合性モノマーは、ポリイミド前駆体(ポリイミド前駆体溶液の固形分)のカルボキシル基に対して1〜1.5当量の範囲で配合することが好ましい。
上記光重合開始剤としては、i線(波長365nm)吸収タイプとしてはα−アミノケトン型のもの、g線(波長436nm)吸収タイプとしてはチタノセン化合物等のメタロセン系のものがそれぞれ好ましく用いられる。いずれの開始剤も、ポリイミド前駆体樹脂固形分に対して0.1〜10重量%配合することによって良好な現像性が得られる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、上記のポリイミド前駆体溶液、光重合性モノマー、及び重合開始剤を混合することで得ることができる。また本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、種々の添加剤を含有していても良い。添加剤としては、現像時の視認性向上のための染料、顔料としてフェノールフタレイン、フェノールレッド、ニールレッド、ピロガロールレッド、ピロガロールバイレット、ディスパースレッド1、ディスパースレッド13、ディスパースレッド19、ディスパースオレンジ1、ディスパースオレンジ3、ディスパースオレンジ13、ディスパースオレンジ25、ディスパースブルー3、ディスパースブルー14、エオシンB、ロダミンB、キナリザリン、5−(4−ジメチルアミノベンジリデン)ロダニン、アウリントリカルボキシアシド、アルミノン、アリザリン、パラローザニリン、エモジン、チオニン、メチレンバイオレット、ピグメントブルー、ピグメントレッド等が例示できる。また非露光部の溶解促進を向上するための添加剤としてベンゼンスルホンアミド、N−メチルベンゼンスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド、N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−t−ブチルベンゼンスルホンアミド、N,N−ジ−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアニリド、N,N−ジフェニルベンゼンスルホンアミド、N−p−トリルベンゼンスルホンアミド、N−o−トリルベンゼンスルホンアミド、N−m−トリルベンゼンスルホンアミド、N,N−ジ−p−トリルベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、N−エチル−p−トルエンスルホンアミド、N,N−ジメチル−p−トルエンスルホンアミド、N−n−ブチル−p−トルエンスルホンアミド、N−t−ブチル−p−トルエンスルホンアミド、N,N−ジ−n−ブチル−p−トルエンスルホンアミド、N−フェニル−p−トルエンスルホンアミド、N,N−ジフェニル−p−トルエンスルホンアミド、N−p−トリル−p−トルエンスルホンアミド、N−m−トリル−p−トルエンスルホンアミド、N,N−ジ−p−トリル−p−トルエンスルホンアミド、N,N−ジ−m−トリル−p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、N−メチル−o−トルエンスルホンアミド、N−エチル−o−トルエンスルホンアミド、N,N−ジメチル−o−トルエンスルホンアミド、N−n−ブチル−o−トルエンスルホンアミド、N−t−ブチル−o−トルエンスルホンアミド、N,N−ジ−n−ブチル−o−トルエンスルホンアミド、N−フェニル−o−トルエンスルホンアミド、N,N−ジフェニル−o−トルエンスルホンアミド、N−p−トリル−o−トルエンスルホンアミド、N−m−トリル−o−トルエンスルホンアミド、N,N−ジ−p−トリル−o−トルエンスルホンアミド、N,N−ジ−m−トリル−o−トルエンスルホンアミド、ナフタレンスルホンアミド、N−メチルナフタレンスルホンアミド、N−エチルナフタレンスルホンアミド、N,N−ジメチルナフタレンスルホンアミド、N−n−ブチルナフタレンスルホンアミド、N−t−ブチルナフタレンスルホンアミド、N,N−ジ−n−ブチルナフタレンスルホンアミド、N−フェニルナフタレンスルホンアミド、N,N−ジフェニルナフタレンスルホンアミド、N−p−トリルナフタレンスルホンアミド、N−o−トリルナフタレンスルホンアミド、N−m−トリルナフタレンスルホンアミド、N,N−ジ−p−トリルナフタレンスルホンアミド、N,N−ジ−m−トリルナフタレンスルホンアミド、2,3−ジメチルベンゼンスルホンアミド、N−メチル−2,3−ジメチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチル−2,3−ジメチルベンゼンスルホンアミド、p−エチルベンゼンスルホンアミド、N−メチル−p−エチルベンゼンスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド、N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチル−p−エチルベンゼンスルホンアミド等が例示できる。
なお、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を構成するポリイミド前駆体樹脂として、エステル結合タイプのものを使用することもできる。この場合、光反応性官能基とグリシジル基を有する化合物は架橋剤として機能し、露光部のポリイミド前駆体樹脂の架橋度を向上することで現像液による膜の劣化を防止することができる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、以上のように、ポリイミド前駆体溶液、光重合性モノマー、光重合開始剤、その他の添加剤を添加してなる組成物である。光重合性モノマー、光重合開始剤は、ポリイミド前駆体溶液の溶媒に溶解できるので、本発明の感光性樹脂組成物は、ポリイミド前駆体溶液で用いた溶媒を、溶媒とする溶液となる。従って、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、通常、固形分10〜30質量%程度の塗工液として得られる。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、現像性に優れているので、微細パターン形成用感光性樹脂組成物として用いられる。例えば、ポリイミド樹脂膜を保護膜として有するフレキシブルプリント配線板、ハードディスクドライブに使用されるサスペンション用の基板として用いられるフレキシブルプリント配線板などが挙げられる。
代表的な利用例として、上記本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いて、パターニングする方法について説明する。
上記のネガ型感光性樹脂組成物を基材上に塗布する工程、得られたポリイミド前駆体膜を加熱して溶媒を除去する工程、溶媒を除去した膜に対して、マスクを通して露光する工程、現像液を用いて現像する工程、現像後の膜を加熱硬化する工程により、ポリイミド樹脂膜が得られる。
上記のネガ型感光性樹脂組成物を基材上に塗布する工程、得られたポリイミド前駆体膜を加熱して溶媒を除去する工程、溶媒を除去した膜に対して、マスクを通して露光する工程、現像液を用いて現像する工程、現像後の膜を加熱硬化する工程により、ポリイミド樹脂膜が得られる。
感光性樹脂組成物の塗布は、スクリーン印刷やスピンコート、ドクターナイフ塗工等、一般的な方法を用いることができる。
塗工後、乾燥して、感光性樹脂組成物の塗工膜を形成した後、所定パターンを有するマスクを通して露光する。露光は、特に限定せず、光重合させることができるものであればよく、紫外線、電子線、X線などを用いることができ、これらのうち、紫外線が好ましく用いられる。露光量は、500mJ/cm2〜3000mJ/cm2で照射することが好ましい。露光後、80〜120℃程度で、露光部のキュアを進める目的でポストベークしてもよい。
露光後、現像する。現像液としては、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒(良溶媒)とメタノール、エタノール等のアルコール(貧溶媒)の混合溶媒が好ましく用いられる。
現像後、加熱して、イミド前駆体膜を硬化する。加熱によるイミド化は、200〜350℃に加熱することにより行う。
本発明は、本発明のポリイミド前駆体溶液を用いた感光性樹脂組成物由来のポリイミド樹脂膜を保護膜として有するフレキシブルプリント配線板の提供も包含する。例えばポリイミド基材の片面に銅等の金属からなる導体配線を有し、その導体配線上に上記のポリイミド樹脂膜をカバーレイフィルム(保護膜)として有する片面フレキシブルプリント配線板、ステンレス等の金属箔基材上にポリイミド等の絶縁層を有し、その上に銅等の金属からなる導体配線(回路)を有し、その導体配線上に上記のポリイミド樹脂膜を保護膜として有する回路付きサスペンション基板などが挙げられる。
本発明を実施するための最良の形態を実施例により説明する。実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
〔測定評価方法〕
はじめに、本実施例で行なった評価方法について説明する。
(1)粘度(Pa・s)
ポリイミド前駆体溶液のB型粘度計(TOKI社のRB80L、ロータNo.M4、回転数6rpm)を用いて、24℃で測定した。
はじめに、本実施例で行なった評価方法について説明する。
(1)粘度(Pa・s)
ポリイミド前駆体溶液のB型粘度計(TOKI社のRB80L、ロータNo.M4、回転数6rpm)を用いて、24℃で測定した。
(2)イミド化率
ポリイミド前駆体溶液の状態で、アミド残基に含まれるアミド水素を、1H−NMRで定量することにより求めた。具体的には、芳香族プロトンの積分値をP、アミドのプロトン(11ppm)の積分値をQとし、以下の計算式にて算出した。例えば、BPDA1モルとした場合、下記式にて算出される。
イミド化率(モル%)=((P/10.52−Q/2)/(P/10.52)×100
ポリイミド前駆体溶液の状態で、アミド残基に含まれるアミド水素を、1H−NMRで定量することにより求めた。具体的には、芳香族プロトンの積分値をP、アミドのプロトン(11ppm)の積分値をQとし、以下の計算式にて算出した。例えば、BPDA1モルとした場合、下記式にて算出される。
イミド化率(モル%)=((P/10.52−Q/2)/(P/10.52)×100
(3)分子量
ポリイミド前駆体溶液を、GPC(溶媒:N−メチル−2−ピロリドン、標準物質:ポリスチレン)に適用することより、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、を測定し、分子量分布Mw/Mnを算出した。
ポリイミド前駆体溶液を、GPC(溶媒:N−メチル−2−ピロリドン、標準物質:ポリスチレン)に適用することより、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、を測定し、分子量分布Mw/Mnを算出した。
(4)現像性
厚み40μmの銅箔上に、ネガ型感光性樹脂組成物をスピンコート法によって塗布した後、90℃で30分間加熱乾燥して、ポリイミド前駆体の被膜(厚み20μm)を形成した。ついで、ネガ型のテストパターンを介して、露光量1000mJ/cm2の紫外光を照射した後、105℃で10分間ポストベークを行った。
厚み40μmの銅箔上に、ネガ型感光性樹脂組成物をスピンコート法によって塗布した後、90℃で30分間加熱乾燥して、ポリイミド前駆体の被膜(厚み20μm)を形成した。ついで、ネガ型のテストパターンを介して、露光量1000mJ/cm2の紫外光を照射した後、105℃で10分間ポストベークを行った。
露光、ポストベーク後、続いて、N−メチル−2−ピロリドン系有機溶剤系現像液を用いて、30℃で現像処理を行い、蒸留水で十分洗浄した後、窒素気流で強制風乾燥した。
その後、窒素雰囲気下で120℃で30分間、220℃で30分間、350℃で60分間、熱処理を行って、ポリイミド前駆体のイミド化を行った。
未露光部の溶け残りの有無を観察した。
その後、窒素雰囲気下で120℃で30分間、220℃で30分間、350℃で60分間、熱処理を行って、ポリイミド前駆体のイミド化を行った。
未露光部の溶け残りの有無を観察した。
以上のような現像性評価を、ライン間隔(ライン/スペース)80μm(現像性1)、50μm(現像性2)の10本のパターニングについて行った。かかる状態で、溶け残りのためライン間に連結が生じている場合を「×」、ライン間の連結は認められないが、溶け残りが認められた場合を「△」、溶け残りはほとんど認められない場合を「○」の3段階で評価した。
〔ポリイミド前駆体溶液の合成〕
ポリイミド前駆体溶液No.1−8:
2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(mTBHG)63.7g(138mmol)、p−フェニレンジアミン(PPD)75.7g(323mmol)を、N−メチルピロリドン800gに溶解させた後、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)135.8g(461mmol)を加えて窒素雰囲気下、80℃で18時間攪拌して得られるポリイミド前駆体溶液をNo.1とした。以後、1時間ごとに取り出して得られたポリイミド前駆体溶液を、それぞれ順にNo.2〜8のポリイミド前駆体溶液とした。合成したポリイミド前駆体溶液の固形分は、いずれも18.3〜18.6質量%の範囲内であった。
ポリイミド前駆体溶液No.1−8:
2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(mTBHG)63.7g(138mmol)、p−フェニレンジアミン(PPD)75.7g(323mmol)を、N−メチルピロリドン800gに溶解させた後、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)135.8g(461mmol)を加えて窒素雰囲気下、80℃で18時間攪拌して得られるポリイミド前駆体溶液をNo.1とした。以後、1時間ごとに取り出して得られたポリイミド前駆体溶液を、それぞれ順にNo.2〜8のポリイミド前駆体溶液とした。合成したポリイミド前駆体溶液の固形分は、いずれも18.3〜18.6質量%の範囲内であった。
ポリイミド前駆体溶液No.9:
80℃での加熱時間を14時間に変更して得られたポリイミド前駆体溶液を、No.9とした。
80℃での加熱時間を14時間に変更して得られたポリイミド前駆体溶液を、No.9とした。
ポリイミド前駆体溶液No.10:
80℃での加熱時間を30時間に変更して得られたポリイミド前駆体溶液を、No.10とした。このポリイミド前駆体溶液No.10は、冷却に伴い、粘度が上昇し、ゲル化の傾向がみられた。
80℃での加熱時間を30時間に変更して得られたポリイミド前駆体溶液を、No.10とした。このポリイミド前駆体溶液No.10は、冷却に伴い、粘度が上昇し、ゲル化の傾向がみられた。
参考例:
末端封止剤として無水フタル酸を3.42g(23.1mmol)を、さらに添加した以外は、No.1と同様にして合成し、ポリイミド前駆体の重量平均分子量を35000〜50000としたポリイミド前駆体溶液を調製した。
末端封止剤として無水フタル酸を3.42g(23.1mmol)を、さらに添加した以外は、No.1と同様にして合成し、ポリイミド前駆体の重量平均分子量を35000〜50000としたポリイミド前駆体溶液を調製した。
〔ネガ型感光性樹脂組成物の調製〕
上記で調製したポリイミド前駆体溶液No.1〜10及び参考例を用いて、以下のようにして感光性樹脂組成物を調製した。
光重合性モノマーであるメタクリル酸ジメチルアミノエチルを、ポリアミック酸のカルボキシル基に対して1.2当量、ポリイミド前駆体溶液の固形分に対してアリルグリシジルエーテルを6%、また重合開始剤としてビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル]チタンをポリアミック酸の固形分全体に対して4質量%混合し、ネガ型感光性樹脂組成物を調製した。得られた感光性樹脂組成物No.1〜10について、上記評価方法により現像性評価を行った。
上記で調製したポリイミド前駆体溶液No.1〜10及び参考例を用いて、以下のようにして感光性樹脂組成物を調製した。
光重合性モノマーであるメタクリル酸ジメチルアミノエチルを、ポリアミック酸のカルボキシル基に対して1.2当量、ポリイミド前駆体溶液の固形分に対してアリルグリシジルエーテルを6%、また重合開始剤としてビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル]チタンをポリアミック酸の固形分全体に対して4質量%混合し、ネガ型感光性樹脂組成物を調製した。得られた感光性樹脂組成物No.1〜10について、上記評価方法により現像性評価を行った。
ポリイミド前駆体溶液の分子量(Mw、Mn、Mw/Mn、Mz)、粘度、イミド化率、感光性樹脂組成物の現像性の測定結果を、まとめて表1に示す。
No.1〜8は、本発明の実施例に該当し、現像性1、現像性2のいずれも満足できた。一方、No.9は、従来より合成されているポリイミド前駆体のうち、イミド化率が最も高いと思われるものであり、重量平均分子量も本発明の範囲よりも高い。現像性1を充足することはできても、より微細パターンである現像性2を充足することはできなかった。また、No.10は、イミド化率が高くなりすぎて、塗工液がゲル化してしまい、塗工液自体を調製することが困難であった。希釈率を上げても、現像液に対する溶解性が劣るために、現像性1、現像性2の双方とも充足できなかった。
参考例は、末端封止剤を用いる合成法で、イミド化率を低く抑え、且つポリイミド前駆体の重量平均分子量を35000〜50000としたポリイミド前駆体の溶液である。ポリイミド前駆体のMw/Mnが2.31と、実施例(No.1−8)と比べて、分子量分布が大きいため、現像性1では、若干の溶け残りが見られ、より微細なパターンである現像性2では、ライン間の連結が見られ、未露光部において、十分な溶解性が得られなかった。
本発明のポリイミド前駆体溶液に含まれているポリイミド前駆体溶液は、溶剤溶解性に優れているので、塗工性に優れ、しかも感光性樹脂組成物として用いた場合には現像性に優れている。よって、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、微細加工用の保護膜として好適に用いることができる。
Claims (10)
- ジアミン化合物とカルボン酸二無水物とを、モル比で略1:1で反応させることにより得られるポリイミド前駆体を含有するポリイミド前駆体溶液であって、前記ポリイミド前駆体のイミド化率が30〜40モル%である感光性樹脂用ポリイミド前駆体溶液。
- 前記ポリイミド前駆体の重量平均分子量(Mw)は、35000〜50000である請求項1に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 前記ポリイミド前駆体の数平均分子量に対する重量平均分子量(Mw/Mn)は、1.6〜2.0である請求項1又は2に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液;光重合性モノマー;及び光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であるネガ型感光性樹脂組成物。
- 前記光重合性モノマーは、アミノ基含有アクリレート又はアミノ基含有メタクリレートを含んでいる請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項4又は5に記載の感光性樹脂組成物を、加熱硬化してなるポリイミド樹脂膜。
- 請求項6に記載のポリイミド樹脂膜を保護膜として有するフレキシブルプリント配線板。
- 請求項6に記載のポリイミド樹脂膜をサスペンション用基板として用いたフレキシブルプリント配線板。
- 有機溶剤存在下で、ジアミン化合物とカルボン酸二無水物とをモル比で略1:1で混合した後、加熱により、イミド化率が30〜40モル%とするネガ型感光性樹脂組成物用ポリイミド前駆体溶液の製造方法。
- 前記加熱により、ポリイミド前駆体の重量平均分子量(Mw)を35000〜50000とする請求項9に記載の製造方法。
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JP2017226717A (ja) * | 2016-06-20 | 2017-12-28 | Dic株式会社 | ポリカーボネート変性エポキシ樹脂及び接着剤 |
KR102125686B1 (ko) * | 2019-05-24 | 2020-06-23 | 피아이첨단소재 주식회사 | 폴리아믹산 조성물, 및 이의 제조 방법 |
-
2012
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