JP2013221062A - コークス炉ガスの精製方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】省エネルギーを達成できるコークス炉ガスの精製方法および装置を提供する。
【解決手段】コークス炉11から排出されるコークス炉ガスG0を冷却し、次いで該冷却されたコークス炉ガスG0からナフタレンを回収し、該ナフタレンが回収されたコークス炉ガスG1から軽油を回収した後、硫化水素およびアンモニアを順次回収して、前記コークス炉ガスG0を燃料ガスG4へと精製することを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】コークス炉11から排出されるコークス炉ガスG0を冷却し、次いで該冷却されたコークス炉ガスG0からナフタレンを回収し、該ナフタレンが回収されたコークス炉ガスG1から軽油を回収した後、硫化水素およびアンモニアを順次回収して、前記コークス炉ガスG0を燃料ガスG4へと精製することを特徴とする。
【選択図】図5
Description
本発明はコークス炉ガスの精製方法および装置に関し、特に、省エネルギーを達成できるコークス炉ガスの精製方法および装置に関するものである。
従来、石炭を乾留するコークス炉から発生するコークス炉ガス(以下、「Cガス」と称する)は、水素やメタン、一酸化炭素等の燃料成分を多く含み、20000kJ/m3を超える高い熱量を有しているため、高炉や、コークス炉、加熱炉、ボイラー用の燃料ガスとして再利用されている。その際、コークス炉から排出された状態のCガスには、タールや硫黄酸化物、窒素酸化物等の成分が含まれているため、これらを除去する精製を経て燃料ガスとして利用されるのが通例である(例えば、特許文献1参照)。
図1は、従来のCガスの精製フローの一例を示す図である。Cガスの燃料ガスへの精製は以下のように行われる。すなわち、まず、コークス炉11から排出されるCガスG0を、ガス冷却部12により冷却し(ガス冷却工程)、次いで、ナフタレン回収部13により、冷却されたガスG0から設備閉塞の原因となるナフタレンを回収した後(ナフタレン回収工程)、ブロワー14により、ナフタレンが回収されたCガスG1を脱硫部15に導入して硫化水素を除去し(脱硫工程)、続いて脱アンモニア部16により、硫化水素が除去されたCガスG2から窒素酸化物(NOx)の原因となるアンモニア分を除去し(脱アンモニア工程)、ガス冷却部17により、アンモニアが除去されたCガスG3を冷却した後、軽油回収部18により、冷却されたCガスG3中の軽油分を回収することにより(粗軽油回収工程)、CガスG0を燃料ガスG4に精製することができる。
上記脱硫工程における脱硫方法としては、アルカリ性水溶液等の吸収液をCガスと接触させて、Cガスに含まれる硫化水素を吸収液に吸収させるタカハックス法やフマックス法等の湿式の脱硫方法が知られている。また、これら湿式脱硫方法として、充填層を有する脱硫塔内に吸収液を噴霧し、この脱硫塔内にCガスを通過させて噴霧されたアルカリ水溶液にCガス中の硫化水素を吸収させることにより脱硫する方法が知られている。
図2は、こうした湿式脱硫法に基づく脱硫部15の一例を示す図である。この図に示した脱硫部15は、脱硫塔21と、吸収液再生塔22と、吸収液クーラー23とを有し、脱硫塔21の上部から吸収液L1を噴霧し、脱硫塔21内に導入されたCガスG1に含まれる硫化水素を噴霧された吸収液L1に吸収させ、脱硫塔21の下部に滞留する吸収液L1中に落下させる。
一方、該脱硫塔21の下部に滞留する不活性な吸収液L1の一部を吸収液再生塔22に導いて、再生用空気GAを導入して吸収液L1に吸収された硫化水素を分離し、吸収液L1を再生するとともに分離された硫化水素を廃空気GBとして排出し、再生されて活性な吸収液L1を脱硫塔21の上部に導いて、吸収液L1を脱硫塔21と吸収液再生塔22との間で循環させることにより、CガスG1を連続的に脱硫し、硫化水素が除去されたCガスG2を脱硫塔21から排出する。ここで、吸収液L1の温度は低いほど脱硫効率が向上するため、吸収液再生塔22の下流に吸収液クーラー23を設置し、CガスG1に噴霧されて温度上昇した吸収液L1を冷却水で冷却するのが通例である。
また、上記脱アンモニア工程におけるアンモニア除去方法としては、Cガスと希硫酸とを反応させて硫酸アンモニウム(以下、「硫安」と称する)として回収する方法が知られている。図3は、脱アンモニア部の一例を示す図である。この図に示した脱アンモニア部16は、アンモニア飽和器31と、母液循環槽32と、ポンプ33と、循環母液ヒーター34とを有する。
この脱アンモニア部16において、脱硫工程を経て硫化水素が除去されたCガスG2をアンモニア飽和器31に導入し、該アンモニア飽和器31の下部に滞留する酸性の硫安母液L2中を通過させて硫安母液L2とCガスG2とを接触させて反応させ、硫安結晶Cを析出させて回収する。
一方、アンモニア飽和器31中の硫安母液L2は、母液循環槽32にて希硫酸Sを添加して、ポンプ33によりアンモニア飽和器31と母液循環槽32との間を循環させ、アンモニアが除去されたCガスG3をアンモニア飽和器31から排出することにより、CガスG2中のアンモニア分を除去する。ここで、結晶析出による装置の閉塞を防ぐために、硫安母液L2は、循環母液ヒーター34によって加熱されて循環されるのが一般的である。
さらに、上記粗軽油回収工程における軽油回収方法としては、Cガスと軽油を吸収する吸収油とを気液接触させる方法が一般的である。図4は、軽油回収部18の一例を示す図である。この軽油回収部18は、軽油回収器41と、吸収油蒸留塔42とを有する。この軽油回収部18において、脱アンモニア工程を経てアンモニアが除去されたCガスG3を軽油回収部18に導入し、軽油回収器41の上部から吸収油L3を噴霧し、軽油回収器41に導入されたCガスG3に含まれる軽油分を吸収させて軽油回収器41の下部に滞留する吸収油L3に落下させる。一方、この軽油回収器41の下部に滞留する吸収液L3の一部を吸収油蒸留塔42に導いて蒸留して、吸収油L3から軽油分を分離して吸収油L3を再生するとともに粗軽油L4を得て、この粗軽油L4の一部を吸収油L3として軽油回収器41の上部に戻し、吸収油L3を軽油回収器41と吸収油蒸留塔42との間で循環させることにより、CガスG3に含まれる軽油分を回収するとともに、コークス炉11から排出されたCガスG0から燃料成分が抽出された燃料ガスG4を軽油回収器41から排出する。ここで、軽油回収器41に導入されるCガスG3の温度が低いほど、CガスG3中の軽油の回収率が高くなるため、軽油回収器41に導入する前に、ガス冷却部17に導入してCガスG3を冷却するのが通例である。
ところで、近年、エネルギーを大量に消費する製鋼業に対して省エネルギーへの要請がますます高まっており、上記Cガスの精製プロセスについても、省エネルギーを達成できるCガスの精製方法および装置の提案が課題となっていた。
そこで、本発明の目的は、省エネルギーを達成できるCガスの精製方法および装置を提供することにある。
そこで、本発明の目的は、省エネルギーを達成できるCガスの精製方法および装置を提供することにある。
発明者らは、上記課題を解決する方途について鋭意検討した。そのために、上記Cガスの精製プロセスの各工程を詳細に調査したところ、各工程において、Cガスに対して加熱処理および冷却処理を繰り返し行っている点に注目した。すなわち、上述のように、脱硫工程では、脱硫効率を向上させるために、吸収液クーラー23によって吸収液L1を冷却し、続く脱アンモニア工程では、結晶析出による装置の閉塞を防ぐために、循環母液ヒーター34によって硫安母液L2を加熱し、その後の粗軽油回収工程では、軽油の回収率を高めるために、ガス冷却部17によってCガスG3を冷却している。そこで、発明者らは、これらの工程順を見直すことにより、省エネルギーを達成できると考え、そのためには、従来、脱アンモニア部の下流に配置されていた軽油回収部を脱硫部の上流に配置し、脱硫工程の前に粗軽油回収工程を行うことが有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)コークス炉から排出されるコークス炉ガスを冷却し、次いで該冷却されたコークス炉ガスからナフタレンを回収し、該ナフタレンが回収されたコークス炉ガスから軽油を回収した後、硫化水素およびアンモニアを順次回収して、前記コークス炉ガスを燃料ガスへと精製することを特徴とするコークス炉ガスの精製方法。
(1)コークス炉から排出されるコークス炉ガスを冷却し、次いで該冷却されたコークス炉ガスからナフタレンを回収し、該ナフタレンが回収されたコークス炉ガスから軽油を回収した後、硫化水素およびアンモニアを順次回収して、前記コークス炉ガスを燃料ガスへと精製することを特徴とするコークス炉ガスの精製方法。
(2)コークス炉から排出されるコークス炉ガスを冷却するガス冷却部と、該冷却されたコークス炉ガスからナフタレンを回収するナフタレン回収部と、該ナフタレンが回収されたコークス炉ガスから軽油を回収する軽油回収部と、該軽油が回収されたコークス炉ガスから硫化水素を回収する脱硫部と、該硫化水素が回収されたコークス炉ガスからアンモニアを回収する脱アンモニア部とを備えることを特徴とするコークス炉ガスの精製装置。
本発明によれば、従来、脱硫工程および脱アンモニア工程の後に行われていた粗軽油回収工程を脱硫工程の前に行うようにしたため、脱硫工程における吸収液の冷却に用いる冷却水の量を低減することができ、Cガスの精製において省エネルギーを達成することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図5は、本発明のCガスの精製フローの一例を示す図である。なお、図1に示された構成と同一の構成には同一の符号が付されている。この図に示されたCガスの精製フローにおいて、軽油回収部18による粗軽油回収工程を、脱硫部15による脱硫工程の前に行うことが肝要である。
図5は、本発明のCガスの精製フローの一例を示す図である。なお、図1に示された構成と同一の構成には同一の符号が付されている。この図に示されたCガスの精製フローにおいて、軽油回収部18による粗軽油回収工程を、脱硫部15による脱硫工程の前に行うことが肝要である。
上述のように、従来のCガスの精製は、まず、ガス冷却部12により、コークス炉11から排出されるCガスG0を冷却し、次いでナフタレン回収部13により、冷却されたガスG0から設備閉塞の原因となるナフタレンを回収した後、ブロワー14により、ナフタレンが回収されたCガスG1を脱硫部15に導入して硫化水素を除去し、脱アンモニア部16により、硫化水素が除去されたCガスG2から窒素酸化物の原因となるアンモニア分を除去し、ガス冷却部17により、アンモニアを除去したCガスG3を冷却した後、軽油回収部18によりガス中の軽油分を回収することによって、CガスG0をナフタレン、硫化水素、アンモニア等が取り除かれた燃料ガスG4に精製していた。
ここで、上記精製過程におけるCガスの温度制御に注目すると、コークス炉11から排出されたコークス炉ガスG0は、ガス冷却部12により、例えば80℃から35℃程度に冷却され、ナフタレン回収部13によりナフタレンが回収されたCガスG1は、ブロワー14により断熱圧縮されて、45℃程度に温度が上昇した状態で脱硫部15に導入される。この脱硫部15においては、図2に示したように、吸収液クーラー23により吸収液L1を冷却するため、脱硫部15から排出されたCガスG2は、例えば35℃程度まで冷却される。続いて、CガスG2は、脱アンモニア部16に導入されて、CガスG2に含まれるアンモニアは硫安結晶Cとして回収されるが、循環母液ヒーター34により加熱されるため、脱アンモニア部16から排出されるCガスG3の温度は、45℃程度に上昇する。その後、軽油回収部18により、CガスG3に含まれる軽油が回収され、CガスG0は燃料ガスG4へと精製されるが、軽油回収部18に導入される前に、CガスG3はガス冷却部17により、25℃程度まで冷却される。
このように、上記精製プロセスにおいて、特に脱硫工程、脱アンモニア工程および粗軽油回収工程に注目すると、脱アンモニア工程では、脱硫工程において一旦冷却されたCガスG2を加熱しているにもかかわらず、続く粗軽油回収工程において、加熱されたCガスG3を再度冷却している。よって、これらの精製フローを見直すことにより、上記加熱または冷却処理を省略できることが期待される。そこで、発明者らは、上記Cガスの精製方法において省エネルギーを達成する方途について鋭意検討した結果、脱アンモニア部16の下流に配置されていた軽油回収部18を脱硫部15の上流に配置し、従来、脱硫工程および脱アンモニア工程の後に行われていた粗軽油回収工程を脱硫工程の前に行うことが有効であることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。以下、本発明のCガスの精製方法における各工程について説明する。
ガス冷却工程では、ガス冷却部12により、コークス炉11から排出されたCガスG0を冷却する。このCガスG0は、例えば80℃程度の高温状態でコークス炉11から排出されるため、例えば35℃程度まで冷却された後にナフタレン回収部13に導入する。このガス冷却部12としては、例えばプライマリークーラーを用いることができる。
ナフタレン回収工程では、ナフタレン回収部13により、ガス冷却部12により冷却されたCガスG0を導入し、該CガスG0に含まれるナフタレンを回収する。ナフタレンの回収方法としては、上述した軽油の除去方法と同様に、吸収油による除去方法が広く知られており、本発明においても使用することができる。
粗軽油回収工程では、軽油回収部18により、ナフタレン回収部13によりナフタレンが回収されたCガスG1を導入し、該CガスG1に含まれる軽油分を回収する。上述のように、本発明において、粗軽油回収工程を脱硫工程の前に行うことが肝要である。ただし、ナフタレン回収部13によりCガス中に含まれるナフタレンが回収されたCガスG1は、ブロワー14により軽油回収部18に導入されるが、その際、断熱圧縮により、CガスG1の温度は45℃程度に上昇する。また、上述のように、軽油回収部18に導入されるCガスG1の温度が低いほどCガスG1中の軽油の吸収率が高いため、CガスG1は、ガス冷却部17によりガス温度を、例えば25℃程度まで冷却した後に、軽油回収部18に導入して粗軽油回収工程を行う。
この軽油回収部18による軽油分の回収方法としては、吸収油による吸収法により行うのが一般的であり、向流接触させて軽油分を吸収油に物理的に吸収させる。具体的には、軽油回収部18は、例えば図4に示した構成とすることができる。
すなわち、図4に示したように、軽油回収部18は、軽油回収器41と吸収油蒸留塔42とを有し、軽油回収器41の下部に滞留する吸収油L3を吸収油蒸留塔42に導き、吸収油L3を蒸留して粗軽油L4として回収する。一方、一部を吸収油L3として軽油回収器41の上部に導いて噴霧し、CガスG1に含まれる軽油を噴霧された吸収油L3に向流接触させて物理的に吸収させた後、軽油回収器41の下部に滞留する吸収油L3に落下させ、吸収油L3を軽油回収器41と吸収油蒸留塔42との間で循環させることにより、CガスG3から粗軽油L4を回収してCガスG5を排出する。
脱硫工程では、脱硫部15により、軽油回収部18により粗軽油L4が回収されたCガスG5を導入し、硫化水素を除去する。図1に示したように、従来のCガスの精製方法においては、脱硫部15に導入されるCガスG1の温度は45℃程度であり、脱硫部15における吸収液クーラー23により、吸収液L1を冷却していた。しかし、図5に示したように、本発明のCガスの精製方法においては、軽油回収部18から排出されたCガスG5の温度は30℃程度と従来よりも低いため、吸収液L1を冷却する冷却水の使用量を低減することができる。
Cガスの脱硫方法としては、大きく分けて乾式および湿式とがあり、それらの各々は硫黄回収式および硫黄非回収式とがある。この内、湿式の硫黄回収式のものが広く利用されており、脱硫塔15として、例えば図2に示した構成とすることができる。
すなわち、図2に示したように、脱硫部15は脱硫塔21と吸収油蒸留塔22とを有し、脱硫塔21の上部から吸収液L1を噴霧し、脱硫塔21内に導入されたCガスG5に含まれる硫化水素を噴霧された吸収液L1に吸収させ、脱硫塔21の下部に滞留する吸収液L1中に落下させる。一方、該脱硫塔21の下部に滞留する不活性な吸収液L1の一部を吸収液再生塔22に導いて、再生用空気GAを導入して吸収液L1に吸収された硫化水素を分離し、吸収液L1を再生するとともに分離された硫化水素を廃空気GBとして排出し、再生されて活性な吸収液L1を脱硫塔21の上部に導いて、吸収液L1を脱硫塔21と吸収液再生塔22との間で循環させることにより、CガスG5を連続的に脱硫し、硫化水素が除去されたCガスG6を脱硫塔21から排出する。ここで、吸収液再生塔22の下流に吸収液クーラー23を設置して吸収液L1を冷却するが、上述のように、吸収液L1を冷却する冷却水の使用量を低減することができる。
脱アンモニア工程では、脱アンモニア部16により、硫黄酸化物が回収されたCガスG6を導入し、アンモニアを除去する。CガスG6からアンモニアを回収する方法としては、硫安回収法や、コッパース法、カールスチル法、フォサム法およびナスコ法などがあり、例えば、図3に示した硫安回収法に基づく構成とすることができる。
すなわち、図3に示したように、脱アンモニア部16は、アンモニア飽和器31と、母液循環槽32と、ポンプ33と、循環母液ヒーター34とを有し、硫化水素が除去されたCガスG6をアンモニア飽和器31に導入し、該アンモニア飽和器31の下部に滞留する酸性の硫安母液L2中を通過させて硫安母液L2とCガスとを接触させて反応させ、硫安結晶Cを析出させて回収する。
一方、アンモニア飽和器31中の硫安母液L2は、母液循環槽32にて希硫酸Sを添加して、ポンプ33によりアンモニア飽和器31と母液循環槽32との間を循環させることにより、アンモニアが除去されて得られた燃料ガスG4をアンモニア飽和器31から排出する。ここで、結晶析出による装置の閉塞を防ぐために、硫安母液L2は、循環母液ヒーター34によって加熱されて循環される。
こうして、コークス炉11から排出されたコークス炉ガスG0から、ナフタレン、硫化硫黄、アンモニアおよび粗軽油L4を回収し、コークス炉ガスG0を燃料ガスG4へと精製することができる。
こうして、コークス炉11から排出されたコークス炉ガスG0から、ナフタレン、硫化硫黄、アンモニアおよび粗軽油L4を回収し、コークス炉ガスG0を燃料ガスG4へと精製することができる。
なお、CガスG0の精製は、脱硫工程の後にアンモニア回収工程を行う。これは、脱硫工程において、脱硫塔21の吸収液L1にCガスG1中のアンモニアが溶け込むことで硫化水素の吸収を助けており、先にアンモニアを回収してしまうと、脱硫を補助するためのアンモニアが脱硫工程中のCガスから無くなってしまうからである。
このように、従来、脱硫工程および脱アンモニア工程の後に行われていた粗軽油回収工程を脱硫工程の前に行うようにしたため、脱硫工程における吸収液の冷却に用いる冷却水の量を低減することができ、Cガスの精製において省エネルギーを達成することができる。
(発明例)
以下、本発明の実施例について説明する。
図5に示したCガスの精製フローに従って、コークス炉11から排出されたCガスG0の精製を行った。すなわち、まず、ガス冷却部12により、コークス炉11から排出されるCガスG0を冷却し、次いでナフタレン回収部13により、冷却されたガスG0からナフタレンを回収した後、ブロワー14により、ナフタレンが回収されたCガスG1をガス冷却部17に導入して冷却して軽油回収部18に導入した。この軽油回収部18により、ガス中の軽油分を回収し、続いて脱硫部15により、軽油分が除去されたCガスG5から硫化水素を除去した後、脱アンモニア部16により、硫化水素が除去されたCガスG6からアンモニアを除去することによって、CガスG0を燃料ガスG4へと精製した。
以下、本発明の実施例について説明する。
図5に示したCガスの精製フローに従って、コークス炉11から排出されたCガスG0の精製を行った。すなわち、まず、ガス冷却部12により、コークス炉11から排出されるCガスG0を冷却し、次いでナフタレン回収部13により、冷却されたガスG0からナフタレンを回収した後、ブロワー14により、ナフタレンが回収されたCガスG1をガス冷却部17に導入して冷却して軽油回収部18に導入した。この軽油回収部18により、ガス中の軽油分を回収し、続いて脱硫部15により、軽油分が除去されたCガスG5から硫化水素を除去した後、脱アンモニア部16により、硫化水素が除去されたCガスG6からアンモニアを除去することによって、CガスG0を燃料ガスG4へと精製した。
(比較例)
図1に示したCガスの精製フローに従って、コークス炉11から排出されたCガスG0の精製を行った。すなわち、まず、ガス冷却部12により、コークス炉11から排出されるCガスG0を冷却し、次いでナフタレン回収部13により、冷却されたガスG0から設備閉塞の原因となるナフタレンを回収した後、ブロワー14により、ナフタレンが回収されたCガスG1を脱硫部15に導入して硫化水素を除去し、脱アンモニア部16により、硫化水素が除去されたCガスG2から窒素酸化物の原因となるアンモニア分を除去し、ガス冷却部17により、アンモニアを除去したCガスG3を冷却した後、軽油回収部18によりガス中の軽油分を回収することによって、CガスG0を燃料ガスG4へと精製した。
図1に示したCガスの精製フローに従って、コークス炉11から排出されたCガスG0の精製を行った。すなわち、まず、ガス冷却部12により、コークス炉11から排出されるCガスG0を冷却し、次いでナフタレン回収部13により、冷却されたガスG0から設備閉塞の原因となるナフタレンを回収した後、ブロワー14により、ナフタレンが回収されたCガスG1を脱硫部15に導入して硫化水素を除去し、脱アンモニア部16により、硫化水素が除去されたCガスG2から窒素酸化物の原因となるアンモニア分を除去し、ガス冷却部17により、アンモニアを除去したCガスG3を冷却した後、軽油回収部18によりガス中の軽油分を回収することによって、CガスG0を燃料ガスG4へと精製した。
上記発明例および比較例において、脱硫塔15に導入されるCガスの温度を測定したところ、従来例においては46.8℃であったのに対して、発明例においては32.3℃であった。また、脱硫塔15における吸収液クーラー23に用いる冷却水の量を比較したところ、比較例では430L/時であったのに対して、発明例では225L/時となり、発明例では冷却水の使用量が半減している。これは、Cガスの精製プロセスの消費エネルギーを低減して省エネルギーを達成できていることを示している。
11 コークス炉
12 ガス冷却部
13 ナフタレン回収部
14 ブロワー
15 脱硫部
16 脱アンモニア部
17 ガス冷却部
18 軽油回収部
21 脱硫塔
22 吸収液再生塔
23 吸収液クーラー
31 アンモニア飽和器
32 母液循環槽
33 ポンプ
34 循環母液ヒーター
41 軽油回収器
42 吸収油蒸留塔
C 硫安結晶
G0、G1、G2、G3、G5、G6 Cガス
G4 燃料ガス
GA 再生用空気
GB 廃空気
L1 吸収液
L2 硫安母液
L3 吸収液
L4 粗軽油
S 希硫酸
12 ガス冷却部
13 ナフタレン回収部
14 ブロワー
15 脱硫部
16 脱アンモニア部
17 ガス冷却部
18 軽油回収部
21 脱硫塔
22 吸収液再生塔
23 吸収液クーラー
31 アンモニア飽和器
32 母液循環槽
33 ポンプ
34 循環母液ヒーター
41 軽油回収器
42 吸収油蒸留塔
C 硫安結晶
G0、G1、G2、G3、G5、G6 Cガス
G4 燃料ガス
GA 再生用空気
GB 廃空気
L1 吸収液
L2 硫安母液
L3 吸収液
L4 粗軽油
S 希硫酸
Claims (2)
- コークス炉から排出されるコークス炉ガスを冷却し、次いで該冷却されたコークス炉ガスからナフタレンを回収し、該ナフタレンが回収されたコークス炉ガスから軽油を回収した後、硫化水素およびアンモニアを順次回収して、前記コークス炉ガスを燃料ガスへと精製することを特徴とするコークス炉ガスの精製方法。
- コークス炉から排出されるコークス炉ガスを冷却するガス冷却部と、該冷却されたコークス炉ガスからナフタレンを回収するナフタレン回収部と、該ナフタレンが回収されたコークス炉ガスから軽油を回収する軽油回収部と、該軽油が回収されたコークス炉ガスから硫化水素を回収する脱硫部と、該硫化水素が回収されたコークス炉ガスからアンモニアを回収する脱アンモニア部とを備えることを特徴とするコークス炉ガスの精製装置。
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JP2012092864A JP2013221062A (ja) | 2012-04-16 | 2012-04-16 | コークス炉ガスの精製方法および装置 |
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- 2012-04-16 JP JP2012092864A patent/JP2013221062A/ja active Pending
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