JP2013220882A - ベルトコンベヤのベルトスリップ検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ベルトコンベヤの加速中や減速中においても、ベルトスリップを精度良く検出できるベルトコンベヤのベルトスリップ検出方法を提供する。
【解決手段】 ベルトを駆動する駆動プーリ、及び、該ベルトにより駆動されて回転する従動プーリに、回転数検出装置を配して、回転数検出装置により、該駆動プーリと該従動プーリの単位時間あたりの回転数を測定する。そして、測定した回転数から駆動プーリと従動プーリの周速度の差を算出し、周速度の差が予め設定した周速度の差の範囲を越えた際に、ベルトスリップとして検出する。本発明においては、実際にプーリ回転数を測定しながらベルトスリップを検出するので、ベルトコンベヤが例えベルト速度の加速中や減速中であったとしても、ベルトスリップの検出を精度よく行うことが可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種の製造工場等で使用されているベルトコンベヤの異常を検知する技術に関わり、特に、搬送速度が可変式のベルトコンベヤについてベルトスリップを検出するに好適な技術に関する。
プーリ間に架け渡されて回転する輪状のベルトの上に、被搬送物(単に搬送物と称することもある)を載せて搬送するベルトコンベヤは、古くから当業者に周知であって、様々な搬送物が、ベルトコンベヤで搬送されている。各種の製造工場においては例えば原材料や製品が、又、発電所等においては燃料が、ベルトコンベヤにより効率的に搬送される。
ここで、ベルトコンベヤは、通常、片側一方に配されたプーリにより駆動されて回転する構造となっており、ベルトを回転させるためのプーリはモータ等によって回転駆動される構成となっている。前述したモータ等により回転駆動されてベルトを回転駆動させるプーリは一般的に駆動プーリと称されている。
なお、前述した駆動プーリに対して、ベルトコンベヤのもう一方側となる片側一方に配されたプーリについて、モータ等により回転駆動されていないプーリは、通常、従動プーリと呼ばれるものであり、回転駆動されるベルトに従動して回転する構成となっている。
ここで、ベルトコンベヤは、大量の搬送物を連続的に効率良く搬送できるという点で優れた運搬装置である。
しかし、ベルトコンベヤは、ベルトを駆動プーリで駆動する際において、通常、ベルトと駆動プーリとの間の摩擦力を利用する構成となっている。そのため、ベルト上に搬送物を載せすぎた場合、プーリ表面の溝(通常、プーリラギングと称される)が磨耗した場合、或いは、ベルトに負荷する張力が不足した場合など、ベルトコンベヤの状態によっては、ベルトと駆動プーリ等との間にスリップが発生する。
そして、ベルトのスリップ(単にベルトスリップと称することもある)が、連続的に発生した場合には、ベルトの搬送速度が低下して搬送物が円滑に搬送できなくなりベルトに搬送物を供給するホッパからのライン等が閉塞する、或いは、ベルトの磨耗が急激に進行してベルト寿命が短くなる等の問題を引き起こす。また、ベルトのスリップが酷い場合には、ベルトが異常に発熱して焼損する、或いは火災の原因となる等して重大問題となる。
そのため、ベルトスリップの発生を如何にして早く的確に検出するか、従来から様々な検出方法が試みられてきた。
前述したベルトスリップの検出方法の1つとして、例えば、ベルトコンベヤの従動プーリに回転数検出装置を設置し、その検出回転数が予め設定した所定値以下に低下するとベルトのスリップとして検出する技術が公知である。
また、他のベルトスリップ検出方法として、ベルトの裏面(非搬送面)に回転検出装置と一体になった検知ローラを配して、該検知ローラをベルト裏面に押し付けることによってベルトの速度を検出し、速度が所定値より低下するとベルトスリップとして検出する技術が公知である。
また、他のベルトスリップ検出方法として、例えば、特許文献1に開示されるようなベルトスリップの検出方法が公知である。
特開昭63−57415号公報
特許文献1に開示されたベルトコンベヤは、可変速モータの速度基準信号(速度設定信号)と従動プーリの回転数からベルト速度を算出し、加速時間経過後に両者の差を比較し、その差が所定の値以上の場合にベルトスリップとして検出する
近年になって、電動モータを駆動するインバータ電源式の駆動制御装置に関する技術が向上し、従来では出来なかったような大型の電動モータでも、インバータ制御で可変速制御することができるようになってきた。
前述した従動プーリ回転数を検出して予め設定した所定値以下に低下するとベルトのスリップとして検出する方法、又、ベルトの裏面に検知ローラを配して回転数が所定値より低下するとベルトスリップとして検出する方法、の従来技術について言えば、ベルトコンベヤの搬送速度が可変式の場合に、予め設定する所定値を、可変速度範囲の下限以下とする必要がある。従って、比較的高い搬送速度において発生するベルトスリップを検出する場合には適応できないケースがある。
なお、特許文献1に開示された技術については、ベルトスリップを判断するための基準値を、ベルトコンベヤの搬送速度に合わせて設定することが可能である。
しかし、特許文献1の制御においては、ベルトコンベヤの可変速駆動装置、或いはベルトコンベヤの運転制御装置等、から運転速度信号を取り出しており、前述の運転速度信号と実際のプーリ回転速度には時間遅れが有る。そして、前記の時間遅れは、様々な要因で変化し、例えば、搬送物の量等によって時間遅れの程度が変化する。そのため、ベルトコンベヤの加速中、或いは減速中等において、ベルトスリップの検出を精度良く行うことが困難であった。
本発明は、以上、説明した問題点に鑑みてなされたものであり、ベルトコンベヤの加速中や減速中においても、ベルトスリップを精度良く検出できるベルトコンベヤのベルトスリップ検出方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明によるベルトコンベヤのベルトスリップ検出方法は、
(1)ベルトコンベヤのベルトとプーリの間のスリップを検出するベルトコンベヤのベルトスリップ検出方法であって、該ベルトを駆動する駆動プーリ、及び、該ベルトにより駆動されて回転する従動プーリに、回転数検出装置を配して、該回転数検出装置により、該駆動プーリと該従動プーリの単位時間あたりの回転数を検出して、該駆動プーリと該従動プーリの周速度の差を算出し、該周速度の差が予め設定した周速度の差の範囲を越えた際に、ベルトスリップとして検出する。
(2) (1)に記載のベルトコンベヤのベルトスリップ検出方法において、前記駆動プーリと従動プーリの径が同一の場合に、該駆動プーリと従動プーリの単位時間あたり回転数の差を周速度の差とすることを特徴とした。
(3) (1)に記載のベルトコンベヤのベルトスリップ検出方法において、前記駆動プーリと従動プーリの径が異なる場合に、前記駆動プーリと前記従動プーリの径の差を補正する補正係数を算出し、該駆動プーリと従動プーリの単位時間あたり回転数を該補正係数により補正し、該補正後の該駆動プーリと従動プーリの単位時間あたり回転数の差を周速度の差とする。
本発明によるベルトコンベヤのベルトスリップ検出方法においては、ベルトコンベヤの加速や減速中においても、ベルトスリップを精度良く検出することができる。
本発明に係わりベルトコンベヤ設備の1例を説明する図である。 本発明に係わるベルトスリップ検出方法の1例についてアルゴリズムのフロー(第1実施形態)を概念的に説明する図である。 本発明に係わるベルトスリップ検出方法の1例についてアルゴリズムのフロー(第2実施形態)を概念的に説明する図である。 本発明に係わるベルトスリップ検出方法の1例についてアルゴリズムのフロー(第3実施形態)を概念的に説明する図である。
以下、図面等に基づいて本発明に係わる実施形態の好ましい1例を詳細に説明する。
図1〜図4は本発明の実施形態に係わり、図1はベルトコンベヤ全体の概要を説明する図であり、図2から図4はベルトスリップ検出方法の例についてアルゴリズムのフロー(第1から第3実施形態)を概念的に説明する図である。
以下、図1を用いて本実施形態に使用するベルトコンベヤ1の構成について、その好ましい1例を説明する。
図1に示したベルトコンベヤ1は、駆動プーリ12と従動プーリ11を備えて、その間に、前後の端を接続されてエンドレスとなったベルト10が掛け渡されている。
なお、図1に示したベルトコンベヤ1は、ベルト10に負荷するテンションを変えるためのテンションプーリ13を備えるとともに、ベルト10をテンションプーリ13側に導くためのガイドプーリ14を備えている。
なお、図1に示したベルトコンベヤ1においては、上側にあるベルト10が搬送物を搬送するためのキャリア側ベルトであり、下側にあるベルト10がリターン側ベルトであって、ベルト10が回転(図1において時計回りの回転)して、ベルト10上に載せた搬送物を、従動プーリ11側から駆動プーリ12側へと搬送する構造となっている。
図1に示したベルトコンベヤ1は、以上の構成によって、ベルト10上に投入された搬送物を、従動プーリ11側から駆動プーリ12側へと搬送する構成となっている。
ここで、ベルト10を駆動するために配した駆動プーリ12は、減速機15を介して電動のモータ17で駆動される構成となっており、モータ17はインバータ駆動装置19により、その単位時間あたりの回転数(回転速度と称されることもある)を容易に変えることが可能である。また、制御装置20は、インバータ駆動装置19に指令信号を送信して、モータ17の回転速度を制御できるように構成されており、ベルトコンベヤ1の図示しないベルト速度設定器に対して設定した所望の速度にて、ベルト10が駆動されて走行するように、モータ17の回転数を制御して駆動プーリ12の単位時間あたりの回転数を制御する。
図1に示したベルトコンベヤ1においては、プーリの回転数検出装置として、従動プーリ11のプーリ側面に、従動プーリの回転数をリアルタイムで測定する第1の回転計21(第1回転計21)を配しており、さらに、駆動プーリ12のプーリ側面に、駆動プーリ12の回転数をリアルタイムで測定する第2の回転計22(第2回転計22)を配している。なお、本実施形態においては、従動プーリ11及び駆動プーリ12の回転数を、それぞれ単位時間あたりの回転数にて測定した。
そして、図1に示した制御装置20においては、第1回転計21及び第2回転計22の測定信号が入力される構成となっており、後述するアルゴリズム等を利用して、周速度の差を算出する。
なお、図1に示したベルトコンベヤにおいては、ベルトスリップ検出用の設定器30に許容できる範囲の周速度差を設定しておき、第1回転計21及び第2回転計22の測定値を利用して求めた周速度の差が、該設定器30に設定した周速度の差(設定周速度差)を超えた場合にスリップとして検出する。
以下、本発明に係わる好ましい実施形態の1例として第1の実施形態(第1実施形態)を説明する。図2に、第1実施形態におけるベルトスリップ検出のフローを示す。図2に示すフローにおいては、第1回転計21により従動プーリ11の単位時間あたりの回転数(第1実施形態においては1分間あたりの回転数である「RPM(毎分回転数)」を使用した)を計測して従動プーリ回転数N1とし、第2回転計22により駆動プーリ12の単位時間あたりの回転数(第1実施形態においては1分間あたりの回転数「RPM(毎分回転数)」を使用した)を計測して駆動プーリ回転数N2とした。また、図2に示すフローにおいては、従動プーリ11の半径をr1(m)とし、駆動プーリ12の半径をr2(m)とした。
そして、図2に示す以下の数式(1)により周速度の差を算出する。なお、第1実施形態における周速度は、駆動プーリ12と従動プーリ11の円筒部外周部(ベルトが掛けられる部分)が実際に回転する速さを速度(m/min)で表した数値であって、一般的に周速(周速度)と呼ばれるものである。なお、πは円周率である。
P=(2×π×r2)×N2−(2×π×r1)×N1・・・数式(1)
次に、ベルトスリップ検出用の設定器30に、許容できるスリップ範囲の設定値として、周速度の差を設定し、設定周速度差Cとする。
そして、測定を利用して求めた周速度差Pを以下の数式(2)により設定周速度差Cと比較して判別し、「No」(測定を利用して求めた周速度差Pが設定周速度差Cを越えないケース)の場合は正常範囲、「Yes」(測定を利用して求めた周速度差Pが設定周速度差Cを越えるケース)の場合はベルトスリップ発生として検出する。
なお、ベルトとプーリの間でスリップが生じていない場合には、ベルト10が掛け渡された駆動プーリ12と従動プーリ11の周速度が同一となるので周速度差Pはゼロになる。従って、周速度差Pを測定することによりベルトスリップの度合いを検出することができる。
P>C・・・数式(2)
そして、ベルトスリップの発生を検知した場合には、ベルトコンベヤ1の運転を停止させる等、状況に応じた対処する。
以下、第1実施形態におけるベルトコンベヤ1の運転動作を説明する。
図示しないベルト速度設定器に所望の速度を設定し、ベルトコンベヤ1の運転を開始すると、駆動プーリ12が回転を開始し、ベルト10が回転移動をはじめ、ベルト10上に載せた搬送物を、従動プーリ11側から駆動プーリ12側へと搬送する。
第1実施形態では、ベルトコンベヤ1の運転中において、従動プーリ11の回転数を第1回転計21によりリアルタイムで測定するとともに、駆動プーリ12の回転数を第2回転計22によりリアルタイムで測定する。
制御装置20は、前述した図2に示すアルゴリズムを利用して、第1回転計21及び第2回転計22の測定信号から周速度の差Pを算出し、ベルトスリップ検出用の設定器30に設定したベルトスリップの設定周速度差Cと比較する。
そして、ベルトコンベヤ1の運転中に何らかの異常が発生して、ベルト10と、駆動プーリ12或いは従動プーリ11と、の間が滑ってスリップすると、駆動プーリ12と従動プーリ11の間に周速度の差が生じる。該設定した周速度差Cを、測定を利用して求めた周速度差Pが超えた場合にスリップが発生した状態として検出する。
第1実施形態によれば、実際のプーリ回転数をリアルタイムで測定しながらベルトスリップを検出する。従って、ベルトコンベヤ1のベルト速度の加速中や減速中においても、ベルトスリップの検出を精度よく行うことが可能である。
特に、近年においては、ベルト速度が可変式のベルトコンベヤ1が増えており、運転中にベルト速度が変更されるケースも多いので、ベルト速度を加速或いは減速する機会が多く、第1実施形態によるベルトスリップの検出方法は好適である。
なお、ベルトコンベヤ1に配したベルト1の長さが極端に長い場合において、ベルト1が運転開始時に若干伸びるケースがある。その場合、駆動プーリ12と従動プーリ11の周速度の変化に時間遅れが生じる可能性があるので、運転開始時において、駆動プーリ12と従動プーリ11の周速度の差を算出するにあたり、タイマーを入れて時間遅れ分を調整してから、周速度の差を算出することが好ましい。
以下、本発明に係わり、先に説明したものと異なる第2の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる部分を中心に簡略に説明する。
なお、本発明による第2実施形態においても駆動プーリ12と従動プーリ11の単位時間あたり回転数を検出して周速度の差を求めるが、回転数の差を周速度の差としてみなしてベルトスリップを検出する点が先に説明した実施形態と異なる。
図3に第2実施形態におけるベルトスリップ検出のフローを示す。図3に示すフローにおいても、前述した第1実施形態と同様に、第1回転計21により従動プーリ11の単位時間あたりの回転数(第1実施形態においては1分間あたりの回転数「rpm」を使用した)を計測して従動プーリ回転数N1とし、第2回転計22により駆動プーリ12の単位時間あたりの回転数(第1実施形態においては1分間あたりの回転数「rpm」を使用した)を計測して駆動プーリ回転数N2とした。
また、図3に示すフローにおいては、従動プーリ11の半径をr1(m)とし、駆動プーリ12の半径をr2(m)とした。そして、プーリ間の径差による周速度の差を補正するための補正係数を以下の数式(3)を利用して求めてR1とした。
R1=r1/r2・・・数式(3)
また、図3に示すフローでは、以下の数式(4)を利用して補正後の回転数の差を周速度の差Pとした。
P=N2−(N1×R1)・・・数式(4)
そして、ベルトスリップ検出用の設定器30に許容できるベルトスリップ範囲における周速度の差として設定周速度差Cを設定し、該設定周速度差Cと、測定を利用して求めた周速度差Pを以下の数式(5)により比較して判別し、「No」(測定を利用して求めた周速度差Pが設定周速度差Cを越えないケース)の場合は正常範囲、「Yes」(測定を利用して求めた周速度の差Pが設定周速度の差を越えるケース)の場合はベルトスリップ発生として検出する。
P>C・・・数式(5)
なお、数式(1)で示したように、回転数に円周長を掛けて時間で割れば周速度が計算でき、周速度差Pが算出できる。しかし、円周長はプーリ径によって決まる数字であり、ベルトコンベヤ1のサイズ等によって決まる一定の数値である。従って、第2実施形態においては、演算を簡単にするため、径差を補正係数で補正することによって、補正後の回転数の差を周速度の差Pとしてみなす構成とした。なお、第2実施形態において、設定される設定周速度差Cは、ベルトスリップとして許容できる範囲における補正後の回転数差である。
なお、第2の実施形態において、駆動プーリ12と従動プーリ11の径が同一の場合はR1が1となるので、回転数の差を、そのまま周速度の差としてみなしてベルトスリップの検出に使用できる。
本発明による第2実施形態によれば、駆動プーリ12と従動プーリ11の単位時間あたり回転数を測定するという簡単な手段によってベルトスリップを検出できる。
特に、第2実施形態においては、駆動プーリ12と従動プーリ11の回転数の差について、径の差を補正する補正係数を利用して補正することにより、周速度の差としてみなしてベルトスリップ判断の基準として使用する。従って、実際の運転の際においては制御装置による演算が簡単で、効率の良い制御が可能になる。
また、オペレータが設定周速度Cを設定する際においても、単に、単位時間あたりの回転数を設定すれば良いだけなので、感覚的にわかりやすく、設定しやすい。
以下、本発明に係わる第3の実施形態について、先に説明した実施形態と異なる部分を中心に簡略に説明する。
なお、本発明による第3実施形態においても駆動プーリ12と従動プーリ11の単位時間あたり回転数を検出し、比較することによって周速度の差を求めるが、周速度の差としてみなす回転数の数式が先に説明した実施形態と異なる。
図4に第3実施形態におけるベルトスリップ検出のためのフローを示す。図4に示すフローにおいても、前述した第1実施形態と同様に、第1回転計21により従動プーリ11の単位時間あたりの回転数(第1実施形態においては1分間あたりの回転数「rpm」を使用した)を計測して従動プーリ回転数N1とし、第2回転計22により駆動プーリ12の単位時間あたりの回転数(第1実施形態においては1分間あたりの回転数「rpm」を使用した)を計測して駆動プーリ回転数N2とした。
また、図4に示すフローおいては、従動プーリ11の半径をr1(m)とし、駆動プーリ12の半径をr2(m)とした。そして、プーリ間の径差によるベルト移動速度の差を補正するための補正係数を以下の数式(6)を利用してR2として求める構成とした。
R2=r2/r1・・・数式(6)
また、図4に示すフローでは、以下の数式(7)を利用して補正後の回転数の差を周速度の差Pとした。
P=(N2×R2)−N1・・・数式(7)
そして、ベルトスリップ検出用の設定器30に、許容できるベルトスリップ範囲の周速度の差として設定周速度差をCを設定し、該設定周速度差Cと、測定を利用して求めた周速度差Pを以下の数式(8)により比較して判別し、「No」(測定を利用して求めた周速度差Pが設定周速度Cの差を越えないケース)の場合は正常範囲、「Yes」(測定を利用して求めた周速度差Pが設定周速度差Cを越えるケース)の場合はベルトスリップ発生として検出する。
P>C・・・数式(8)
なお、第3の実施形態において、駆動プーリ12と従動プーリ11の径が同一の場合はR1が1となるため、第2実施形態と同様になり、回転数の差をそのまま周速度の差として利用できる。
以下、第3実施形態によるベルトコンベヤ1の運転動作を簡略に説明する。
前述した第2実施形態同様に、ベルトコンベヤ1は、ベルト10上に載せた搬送物を、従動プーリ11側から駆動プーリ12側へと搬送する。
第2実施形態においても、運転中においては、従動プーリ11の回転数を第1回転計21によりリアルタイムで測定するとともに、駆動プーリ12の回転数を第2回転計22によりリアルタイムで測定する。
そして、制御装置20は、前述した図3に示すアルゴリズムを利用して、第1回転計21及び第2回転計22の測定信号から周速度の差Pを算出する。
そして、ベルトスリップ検出用の設定器30に設定したベルトスリップの設定周速度差Cと比較する。運転中に何らかの異常が発生し、ベルト10と、駆動プーリ12或いは従動プーリ11と、の間が滑ってスリップすると、駆動プーリ12と従動プーリ11の間に周速度の差が生じるので、該設定周速度差Cを、測定を利用して求めた周速度差Pが超えた場合にスリップが発生した状態として検出する。
以上、本発明を説明するための好ましい例として、3つの実施形態を説明したが、本発明はこれに限るものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲であれば変更は可能である。
本願発明に係わるベルトコンベヤのベルトスリップ検出方法は、特に、ベルトコンベヤの速度を運転中に変更する可変速度式のベルトコンベヤにおいて発生するベルトスリップを検出するのに好適である。
1 ベルト
10 ベルトコンベヤ
11 従動プーリ
12 駆動プーリ
15 減速機
17 モータ
19 インバータ駆動装置
20 制御装置
21 第1の回転計(第1回転計)
22 第2の回転計(第2回転計)
30 設定器

Claims (3)

  1. ベルトコンベヤのベルトとプーリの間のスリップを検出するベルトコンベヤのベルトスリップ検出方法であって、
    該ベルトを駆動する駆動プーリ、及び、該ベルトにより駆動されて回転する従動プーリに、回転数検出装置を配して、
    該回転数検出装置により、該駆動プーリと該従動プーリの単位時間あたりの回転数を検出して、該駆動プーリと該従動プーリの周速度の差を算出し、該周速度の差が予め設定した周速度の差の範囲を越えた際に、ベルトスリップとして検出するベルトコンベヤのベルトスリップ検出方法。
  2. 前記駆動プーリと従動プーリの径が同一の場合に、該駆動プーリと従動プーリの単位時間あたり回転数の差を周速度の差とすることを特徴とした請求項1に記載のベルトスリップ検出方法。
  3. 前記駆動プーリと従動プーリの径が異なる場合に、前記駆動プーリと前記従動プーリの径の差を補正する補正係数を算出し、該駆動プーリと従動プーリの単位時間あたり回転数を該補正係数により補正し、該補正後の該駆動プーリと従動プーリの単位時間あたり回転数の差を周速度の差とすることを特徴とした請求項1に記載のベルトスリップ検出方法。
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