JP2013220286A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の吸収性物品1は、表面シート2、防漏シート3及び吸収体4を備えた縦長の吸収性本体10を有する。吸収性物品1の側部1Sには、表面シート2と防漏シート3とが固定された固定領域Fが形成されている。表面シート2は、固定領域Fに、肌対向面側にX方向に連続して延び且つY方向に交互に並列する畝部21と溝部22とを有する。吸収性物品1は、固定領域Fにおける表面シート2の溝部22に、着色された撥水性のインクが塗布されて形成されたインク塗布部7を有する。インク塗布部7は、側面視して、X方向に連続して延びる連続線を形成するように配されている。
【選択図】図1
Description
本発明の吸収性物品の第1実施形態である生理用ナプキン1A(以下、「ナプキン1A」ともいう)は、図1に示すように、液透過性の表面シート2、液難透過性の防漏シート3及びそれら両シート2,3間に液保持性の吸収体4を備えた縦長の吸収性本体10を有している。
ナプキン1Aは、図1に示すように、ナプキン1Aの長手方向に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。
また図中に示すX方向とは、ナプキン1A又は吸収性本体10の長手方向と同方向であり、中心線CLに平行な方向である。また、図中に示すY方向とは、ナプキン1A又は吸収性本体10の幅方向と同方向であり、中心線CLに垂直な方向である。
吸収性本体10は、図1,図2に示すように、肌対向面を形成する表面シート2と、非肌対向面を形成する防漏シート3と、両シート2,3間に介在配置された液保持性の吸収体4とを備えている。吸収体4は、長手方向(X方向)に延在しており、平面視で、長手方向Xの前後縁部が丸みを帯びた略長方形状を有している。表面シート2は、図2に示すように、吸収体4の肌対向面の全域を被覆しており、吸収体4の外周縁よりも外方に延在している。表面シート2の前後端部は、丸みを帯びており、表面シート2の両側縁部は、長手方向Xに沿う直線状に形成されている。防漏シート3は、図2に示すように、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆しており、表面シート2と同様に、吸収体4の外周縁よりも外方に延在している。表面シート2と同様に、防漏シート3の前後端部は、丸みを帯びており、防漏シート3の両側縁部は、長手方向Xに沿う直線状に形成されている。
表面シート2の構成繊維としては、生理用ナプキン等の吸収性物品において従来用いられている各種の天然繊維、半合成繊維、合成繊維等を特に制限なく用いることができる。畝部21と溝部22との畝溝構造が潰れ難くなる観点から、合成繊維の配合量が80%以上であることが好ましい。防漏シート3及び吸収体4としては、生理用ナプキン等の吸収性物品において従来用いられている各種の材料などを特に制限なく用いることができる。
例えば、防漏シート3としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。吸収体4としては、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを、透水性の薄紙や不織布からなるコアラップシートで被覆したものや、各種公知のポリマーシート等を用いることができる。
ナプキン1Aは、図1に示すように、長手方向Xに連続して延び且つ幅方向Yに交互に並列する畝部21と溝部22とを有する表面シート2を備えており、長手方向Xに沿う両側部1s,1sそれぞれに固定領域Fが形成されている。また、図1に示すように、ナプキン1Aの各固定領域Fにおける表面シート2の溝部21に、着色された撥水性のインクにより形成されたインク塗布部7が3本、長手方向Xに連続して延びている。このように、サイドシートの代わりに、インク塗布部7を設けているので、コストダウンできる。また、長手方向Xに連続して延びるインク塗布部7により、装着中の体液の横漏れを防ぐことができる。更に、このようなインク塗布部7が表面シート2の溝部21に配されているので、装着中の装着者の肌に引っ付き難く、装着性も向上する。なお、ナプキン1Aでは、畝部21と溝部22を表面シートのほぼ全面に備えているが、本発明では固定領域Fに備えていれば良い。
第2実施形態の生理用ナプキン1B(以下、「ナプキン1B」ともいう)については、第1実施形態の生理用ナプキン1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、ナプキン1Aと同様であり、ナプキン1Aの説明が適宜適用される。
ナプキン1Bの効果については、ナプキン1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、ナプキン1Aの効果と同様であり、ナプキン1Aの効果の説明が適宜適用される。
尚、ナプキン1Bの形成材料については、ナプキン1Aの形成材料と同様である。
また、上述の実施形態のナプキン1A、ナプキン1Bにおいては、図1に示すように、肌対向面の全面に亘って畝部21及び溝部22の存在する表面シート2を用いているが、肌対向面の両側部1S,1Sそれぞれにのみ畝部21及び溝部22の存在する表面シートを用いてもよい。その場合、表面シートの両側部1S,1Sを除く部分に、別のシートを貼り合わせた表面シート等を用いることができる。
表面シートとしては、畝部が中実な繊維集合体からなり、全体の坪量が50g/m2、X方向の長さが50mm、Y方向の長さが46mmのシートを用いた。表面シートの畝部の厚みh(図3参照)は4mmであり、畝部の幅は9mmであり、溝部の幅は2mmであり、ピッチP(図3参照)は11mmであり、畝部と溝部との高低差D(図3参照)は3mmであった。また、畝部の密度は125g/cm3であり、溝部の密度は500g/cm3であった。構成繊維の樹脂組成は、PET/PE繊維で、繊度は2.2dtexである。
次に、表面シートの各溝部に非肌対向面側から着色された撥水性のインクを、X方向に連続(図1,図4(a)参照)させて200g/m2塗布してインク塗布部を形成した。インク塗布部の色彩はL*a*b*表示系において、L*=53、a*=−45、b*=17であった。
上述した実施例1の複合シートにおいて用いる表面シートを、以下に示す表面シートに変更した以外は、上述した実施例1と同様にして実施例2の複合シートを作製した。
実施例2に用いる表面シートとしては、畝部が、中実な繊維集合体からなっておらず、空洞となっており、全体の坪量が25g/m2のシートを用いた。また、畝部の密度は125g/cm3であり、溝部の密度は250g/cm3であった。尚、その他の、X方向及びY方向の長さ、畝部の厚みh、畝部及び溝部の幅は、ピッチP、高低差D(図3参照)は、実施例1に用いる表面シートと同じである。
上述した実施例1の複合シートにおいて、撥水性のインクを、以下に示す塗布方法に変更した以外は、上述した実施例1と同様にして実施例3の複合シートを作製した。
実施例1に用いる表面シートと同様の表面シートの各溝部に非肌対向面側から着色された撥水性のインクを、図4(c)に示すように、塗布部と非塗布部とが交互に配された不連続線を形成するように塗布し、且つ別の不連続線を形成する隣り合う塗布部の末端同士が、側面視して、重なるように塗布した。インクの塗布量は200g/m2であった。インクとしては、実施例1に用いるインクと同じであり、インク塗布部の色彩も実施例1と同じであった。
上述した実施例1の複合シートにおいて、表面シートを実施例2の複合シートにおいて用いる表面シートに変更し、更に、撥水性のインクを、以下に示す塗布方法に変更した以外は、上述した実施例1と同様にして実施例4の複合シートを作製した。
実施例2に用いる表面シートと同様の表面シートの各溝部に非肌対向面側から着色された撥水性のインクを、図4(c)に示すように、塗布部と非塗布部とが交互に配された不連続線を形成するように塗布し、且つ別の不連続線を形成する隣り合う塗布部の末端同士が、側面視して、重なるように塗布した。インクの塗布量は200g/m2であった。インクとしては、実施例1に用いるインクと同じであり、インク塗布部の色彩も実施例1と同じであった。
上述した実施例1の複合シートにおいて、着色された撥水性のインクを表面シートに塗布しない以外は、上述した実施例1と同様にして比較例1の複合シートを作製した。
上述した実施例2の複合シートにおいて、着色された撥水性のインクを表面シートに塗布しない以外は、上述した実施例2と同様にして比較例2の複合シートを作製した。
上述した実施例1の複合シートにおいて用いる表面シートを、以下に示す表面シートに変更した以外は、上述した実施例1と同様にして比較例3の複合シートを作製した。
比較例3に用いる表面シートとしては、畝部及び溝部を有さず、フラットであり、全体の坪量が25g/m2であり、厚みが2mmであるシートを用いた。尚、X方向及びY方向の長さは、実施例1に用いる表面シートと同じである。
〔防漏性の評価〕
実施例1〜4、比較例1〜3の複合シートを、水平に置いたガラス製の表面平滑なプレート上に配した後、複合シートを配した状態で、複合シートの幅方向Yが傾斜方向と一致するようにして、プレートを50°に傾斜させた。次に、傾斜させた複合シートの上方側の端部とプレートとの境界に、青色で着色した生理食塩水0.2gを滴下した。図6(a)〜図6(d)は、1分間その状態を保持した後の、実施例1〜4の複合シートの状態を撮影したものであり、図7(a)〜図7(c)は、1分間その状態を保持した後の、比較例1〜3の複合シートの状態を撮影したものである。得られた図6(a)〜図6(d)及び図7(a)〜図7(c)の写真を目視して、滴下した生理食塩水が、最も上方側に位置する長手方向Xに延びる1本の連続線であるインク塗布部を越えていなければAとし、最も上方側に位置するインク塗布部を越えて隣り合う下方側のインク塗布部に至っていればBとし、最も上方側に位置するインク塗布部に隣り合うインク塗布部を越えてさらに下方側のインク塗布部に至っていればCとして表1に示した。尚、実施例3〜4の複合シートにおいては、上述したように、別の不連続線を形成する隣り合う塗布部の末端同士が、側面視して、重なるように形成されているので(図4(c)参照)、隣り合う2本の不連続線により、1本の連続線であるインク塗布部が形成されていると判断した。
防漏性の評価で用いた複合シートとは別の実施例1〜4、比較例1〜3の複合シートを、水平に配した後、表面シートの肌対向面側から、表面平滑なプレートで5g/cm2加圧した際の接触面積を測定した。得られた結果を表1に示した。
また、防漏性の評価で用いた複合シートとは別の実施例1〜4、比較例1〜3の複合シートについて、官能評価を行い、表面シートの肌対向面を直接手で触れた際に、インク塗布部に触れなければAとし、インク塗布部に触れればCとして表1に示した。
1S 側部
10 吸収性本体
2 表面シート
21 畝部
22 溝部
3 防漏シート
4 吸収体
5 周縁シール部
6 ホットメルト型の接着剤
7 インク塗布部
71 塗布部
72 非塗布部
F 固定領域
Claims (7)
- 液透過性の表面シート、液難透過性の防漏シート及びそれら両シート間に液保持性の吸収体を備えた縦長の吸収性本体を有する吸収性物品であって、
長手方向に沿う両側部それぞれに、前記表面シートと前記防漏シートとが固定された固定領域が形成されており、
前記表面シートは、前記固定領域において、肌対向面側に長手方向に連続して延び且つ幅方向に交互に並列する畝部と溝部とを有し、
前記固定領域における前記表面シートの前記溝部に、着色された撥水性のインクが塗布されて形成されたインク塗布部を有し、
前記インク塗布部は、前記吸収性物品を側面視して、長手方向に連続して延びる連続線を形成するように配されている吸収性物品。 - 前記表面シートは、前記溝部の密度が前記畝部の密度よりも高い請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記表面シートは、前記畝部が中実な繊維集合体からなる請求項2に記載の吸収性物品。
- 前記インク塗布部は、前記表面シートの前記溝部における繊維構造に前記インクが入り込んで形成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記インク塗布部は、前記繊維構造に前記インクを含浸して形成されている請求項4に記載の吸収性物品。
- 前記固定領域は、前記表面シートと前記防漏シートとが撥水性のホットメルト型の接着剤により固定されて形成されている請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記接着剤は、前記表面シートの前記溝部に沿って連続して塗布されている請求項6に記載の吸収性物品。
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