JP2013219545A - 無線回路、無線機および無線機の無線通信方法 - Google Patents

無線回路、無線機および無線機の無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通信を行うアンテナのアンテナ特性をより好適に向上させる。
【解決手段】無線機1は、アンテナ21が第一の周波数帯で使用され、アンテナ11が使用されていないときに、アンテナ11の共振周波数を、アンテナ21の特性が劣化する第二の周波数帯が帯域Bと重ならず、アンテナ21の特性が向上する第三の周波数帯が帯域Bと重なるように予め設定されている第一の共振周波数に変更する可変整合素子12および制御部13を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信技術に関し、特に、複数のアンテナを用いる無線通信技術に関する。
近年、複数の周波数帯域で通信を行う複数のアンテナを用いた無線通信技術が提案されている。このとき、アンテナエレメント同士が干渉してアンテナ特性が劣化する場合がある。
特許文献1には、複数のバンドに対応した送受信アンテナエレメントが複数有る場合、複数の給電点を有し、かつ非選択側の給電点(使用していない側の終端)にリアクタンス成分を付加するようにしたことにより、アンテナエレメント同士の影響を低減することができアンテナ特性の劣化を防ぐことができることが記載されている。
特開2008−244547号公報(2008年10月9日公開)
しかしながら、上述のような従来技術では、通信を行うアンテナエレメントに対し、他のアンテナエレメントからの影響を軽減するに過ぎず、通信を行うアンテナエレメント単独の場合に比べてアンテナ特性を向上させるものではない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、複数のアンテナを用いる場合に、通信を行うアンテナエレメントのアンテナ特性をより好適に向上させるための技術を提供ことにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る無線回路は、第一のアンテナと、第二のアンテナと、第一のアンテナが第一の周波数帯で使用され、第二のアンテナが使用されていないときに、第二のアンテナの共振周波数を第一の共振周波数の近傍に変更する第一の共振周波数変更部と、を備えており、第二のアンテナは、第二のアンテナの共振周波数によって規定される第二の周波数帯のn倍の周波数帯では第一のアンテナの利得を低下させ、第二の周波数帯のn倍の周波数帯に隣接した第三の周波数域では第一のアンテナの利得を向上させるようになっており、第一の共振周波数は、第二のアンテナの共振周波数のn倍の周波数を第一の共振周波数としたときの第二の周波数帯が第一の周波数帯と重ならず、第三の周波数帯が第一の周波数帯と重なるように予め設定されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、無線回路は、第一のアンテナおよび第二のアンテナを備えている。第一のアンテナに対する第二のアンテナの影響は以下のようなものとなる。
まず、第二のアンテナの共振周波数のn倍(n=1、2、3、・・・)の周波数において、第二のアンテナの共振が発生する。この共振が発生した周波数の近傍では、当該共振が干渉するため、第一のアンテナのアンテナ特性が劣化する(利得が低下する)。但し、アンテナ特性が劣化する周波数(第二のアンテナの共振周波数のn倍の周波数)から離れるに従って、上記共振に起因するアンテナ特性の劣化は小さくなる。
また、上記共振の影響により、第一のアンテナのインピーダンスが変化する。当該変化は、スミスチャートの中心に近づくような変化であり、第一のアンテナのリターンロスが取れて、反射損が低減する。
これにより、図3に示すように、第二のアンテナの共振周波数のn倍の周波数の近傍の劣化部(第二の周波数帯)では、上記共振の干渉が大きいため、第一のアンテナの特性が劣化(利得が低下)する。一方、劣化部に隣接する改善部(第三の周波数帯)では、上記共振の干渉が小さくなるため、上記反射損の低減による効果により、第一のアンテナの特性が改善(利得が向上)する。
ここで、上記の構成によれば、第一の共振周波数変更部は、第一のアンテナが第一の周波数帯で使用され、第二のアンテナが使用されていないときに、第二のアンテナの共振周波数を第一の共振周波数に変更する。そして、第一の共振周波数は、第二のアンテナの共振周波数を第一の共振周波数の近傍としたときの第二の周波数帯が第一の周波数帯と重ならず、第三の周波数帯が第一の周波数帯と重なるように予め設定されている。
そのため、第一のアンテナが第一の周波数帯で使用され、第二のアンテナが使用されていないときに、第一のアンテナの使用周波数帯である第一の周波数帯には、第二のアンテナが第一のアンテナの特性を劣化させる第二の周波数帯は含まれず、第二のアンテナが第一のアンテナの特性を改善させる第三の周波数帯が含まれることになる。これにより、第一のアンテナを使用し、第二のアンテナを使用しないときに、第一アンテナのアンテナ特性をより好適に向上させることができる。
本発明に係る無線回路では、第三の周波数帯には、第二のアンテナが、第一のアンテナ単独の場合に比べて第一のアンテナの利得を0.5dB以上向上させる第四の周波数帯が含まれており、第一の共振周波数は、第四の周波数帯が第一の周波数帯と重なるように予め設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、第一のアンテナの使用周波数帯である第一の周波数帯と、第一のアンテナ単独の場合に比べて第一のアンテナの利得を0.5dB以上向上させる第四の周波数帯とが重なっているため、第一のアンテナの特性を好適に向上させることができる。
本発明に係る無線回路では、第一の共振周波数変更部は、第二のアンテナと、第二のアンテナを介して無線通信を行う無線部との間に接続された可変整合素子を備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、第一の共振周波数変更部が、第二のアンテナの共振周波数を好適に変更することができる。
本発明に係る無線回路では、第二のアンテナが第五の周波数帯で使用され、第一のアンテナが使用されていないときに、第一のアンテナの共振周波数を第二の共振周波数に変更する第二の共振周波数変更部と、を備えており、第一のアンテナは、第一のアンテナの共振周波数によって規定される第六の周波数帯では第二のアンテナの利得を低下させ、第六の周波数帯に隣接した第七の周波数域では第二のアンテナの利得を向上させるようになっており、第二の共振周波数は、第一のアンテナの共振周波数を第二の共振周波数としたときの第六の周波数帯が第五の周波数帯と重ならず、第七の周波数帯が第五の周波数帯と重なるように予め設定されているものであってもよい。
上記の構成によれば、第二のアンテナが第五の周波数帯で使用され、第一のアンテナが使用されていないときに、第二のアンテナの使用周波数帯である第五の周波数帯には、第一のアンテナが第二のアンテナの特性を劣化させる第六の周波数帯は含まれず、第一のアンテナが第二のアンテナの特性を改善させる第七の周波数帯が含まれることになる。これにより、第二のアンテナを使用し、第一のアンテナを使用しないときに、第二アンテナのアンテナ特性をより好適に向上させることができる。
本発明に係る無線機は、本発明に係る無線回路を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、複数のアンテナを備えた無線機において、各アンテナの特性を向上させることができる。
本発明に係る無線通信方法は、第一のアンテナおよび第二のアンテナを備えた無線機の無線通信方法であって、第一のアンテナを第一の周波数帯で使用し、第二のアンテナを使用しないときに、第二のアンテナの共振周波数を第一の共振周波数の近傍に変更する第一の共振周波数変更工程を含んでおり、第二のアンテナは、第二のアンテナの共振周波数によって規定される第二の周波数帯のn倍の周波数帯では第一のアンテナの利得を低下させ、第二の周波数帯のn倍の周波数帯に隣接した第三の周波数帯では第一のアンテナの利得を向上させるようになっており、第一の共振周波数は、第二のアンテナの共振周波数のn倍の周波数を第一の共振周波数としたときの第二の周波数帯が第一の周波数帯と重ならず、第三の周波数帯が第一の周波数帯と重なるように予め設定されていることを特徴としている。
上記の方法によれば、本発明に係る無線回路と同等の効果を奏する。
本発明に係る無線回路は、第一のアンテナと、第二のアンテナと、第一のアンテナが第一の周波数帯で使用され、第二のアンテナが使用されていないときに、第二のアンテナの共振周波数を第一の共振周波数の近傍に変更する第一の共振周波数変更部と、を備えており、第二のアンテナは、第二のアンテナの共振周波数によって規定される第二の周波数帯のn倍の周波数帯では第一のアンテナの利得を低下させ、第二の周波数帯のn倍の周波数帯に隣接した第三の周波数域では第一のアンテナの利得を向上させるようになっており、第一の共振周波数は、第二のアンテナの共振周波数のn倍の周波数を第一の共振周波数としたときの第二の周波数帯が第一の周波数帯と重ならず、第三の周波数帯が第一の周波数帯と重なるように予め設定されていることを特徴としている。
これにより、複数のアンテナを用いる場合に、通信を行うアンテナエレメントのアンテナ特性をより好適に向上させることができる。
無線機の内部構成の一例を示すブロック図である。 (a)〜(d)は、可変整合素子の構成を示す回路図である。 通信を行わないアンテナからの干渉が発生している際の通信を行うアンテナのアンテナ特性の一例を示すグラフである。 通信を行うアンテナに対し通信を行わないアンテナからの干渉が発生している状態において、無線機に従来技術を適用した場合における通信を行うアンテナのアンテナ特性の一例を示すグラフである。 通信を行うアンテナに対し通信を行わないアンテナからの干渉が発生している状態において、可変整合素子を用いて通信を行わないアンテナの共振周波数を制御した場合における通信を行うアンテナのアンテナ特性の一例を示すグラフである。 無線機の内部構成の他の例を示すブロック図である。 通信を行う複数のアンテナに対し通信を行わないアンテナからの干渉が発生している状態において、可変整合素子を用いて通信を行わないアンテナの共振周波数を制御した場合における通信を行う複数のアンテナうち、あるアンテナのアンテナ特性の一例を示すグラフである。 通信を行うアンテナに対し通信を行わない複数のアンテナからの干渉が発生している状態において、可変整合素子を用いて通信を行わない複数のアンテナの共振周波数を制御した場合における通信を行うアンテナのアンテナ特性の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では本発明を実施するために好ましい種々の限定が付与されているが、本発明の技術的範囲は以下の実施例及び図面の記載に限定されるものではない。
〔無線機の構成〕
本実施形態における無線機(無線回路)1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、無線機1の内部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、無線機1は、アンテナ11(ANT1、第二のアンテナ)、可変整合素子(第一の共振周波数変更部)12、アンテナ21(ANT2、第一のアンテナ)、可変整合素子(第二の共振周波数変更部)22、制御部(第一の共振周波数変更部、第二の共振周波数変更部)13および無線通信部14を備えている。なお、図1に示すブロック図は、無線機1が有する各種機能のうち、本発明に特有なものを表現したものであり、無線機1が、図1に示されていない機能を有していてもよいことは言うまでもない。
アンテナ11およびアンテナ21は、それぞれ異なる周波数帯域で動作するアンテナである。本実施形態において、アンテナ11は周波数帯域A(第五の周波数帯)で動作するローバンドアンテナであり、アンテナ21は周波数帯域B(第一の周波数帯)で動作するミッドバンドアンテナであるとするが、各アンテナが動作するバンドはこれに限定されない。
可変整合素子12は、アンテナ11と無線通信部14との間に接続されている。可変整合素子12は、制御部13からの信号に従ってリアクタンス値を切り替えて、アンテナ11の共振周波数を調整(変更)する。同様に、可変整合素子22は、アンテナ21と無線通信部14との間に接続されており、制御部13からの信号に従ってリアクタンス値を切り替えて、アンテナ21の共振周波数を調整する。可変整合素子12および可変整合素子22については、後述する。
制御部13は、可変整合素子12および可変整合素子22を制御するものである。具体的には、可変整合素子12のリアクタンスを変化させる信号を可変整合素子12に送信し、可変整合素子22のリアクタンスを変化させる信号を可変整合素子22に送信する。
無線通信部14は、アンテナ11および/またはアンテナ21を介して無線通信を行う。つまり、アンテナ11およびアンテナ21が送受信する信号を処理する。具体的には、無線通信部14は、受信した受信信号を、ダウンコンバート、復調およびD‐A(Digital‐Analog)変換する。また、無線通信部14は、送信信号を、A‐D(Analog‐Digital)変換、変調およびアップコンバートする。
なお、本実施形態において、アンテナは2本であることと例に説明を行うが、アンテナの本数はこれに限定されず、複数であればよい。
(可変整合素子について)
次に、可変整合素子について、図2を参照して説明を行う。以下では、可変整合素子12について説明を行うが、可変整合素子22も可変整合素子12と同様の構成を有しているとする。
図2の(a)から(d)は、可変整合素子12の構成を示す回路図である。図2の(a)に示すように、可変整合素子12は、可変コンデンサ121、可変インダクタ122および可変コンデンサ123を含んでいる。可変コンデンサ121の一端は、アンテナ11および可変インダクタ122に接続しており、他端はグランドに接続している。また、可変インダクタ122の一端は、アンテナ11および可変コンデンサ121に接続しており、他端は、無線通信部14および可変コンデンサ123に接続している。可変コンデンサ123の一端は、無線通信部14および可変インダクタ122と接続しており、他端はグランドに接続している。
可変整合素子12は、制御部13からの信号に従って、可変コンデンサ121および可変コンデンサ123の静電容量並びに可変インダクタ122のインダクタンスを変化させ、可変整合素子12のリアクタンス値を切り替える。これにより、アンテナ11の共振周波数を好適に変更することができる。
なお、可変整合素子12の構成は、図2の(a)に示すものに限定されず、例えば、図2の(b)のような構成であってもよい。図2の(b)に示すように、可変整合素子12は、可変インダクタ124、可変コンデンサ125および可変インダクタ126を含んでいる。可変インダクタ124の一端は、アンテナ11および可変コンデンサ125に接続しており、他端はグランドに接続している。また、可変コンデンサ125の一端は、アンテナ11および可変インダクタ124に接続しており、他端は、無線通信部14および可変インダクタ126に接続している。可変インダクタ126の一端は、無線通信部14および可変コンデンサ125と接続しており、他端はグランドに接続している。
また、可変整合素子12は、図2の(c)に示すように、可変インダクタ127、可変コンデンサ128および可変インダクタ129を含む構成であってもよい。図2の(c)に示す可変整合素子12の可変インダクタ127の一端は、アンテナ11に接続しており、他端は可変コンデンサ128および可変インダクタ129に接続している。また、可変コンデンサ128の一端は、可変インダクタ127および可変インダクタ129に接続しており、他端はグランドに接続している。また、可変インダクタ129の一端は、可変インダクタ127および可変コンデンサ128に接続しており、他端は無線通信部14に接続している。
また、可変整合素子12は、図2の(d)に示すように、コンデンサ130、可変インダクタ131およびコンデンサ132を含む構成であってもよい。図2の(d)に示す可変整合素子12のコンデンサ130の一端は、アンテナ11に接続しており、他端は可変インダクタ131およびコンデンサ132に接続している。また、可変インダクタ131の一端は、コンデンサ130およびコンデンサ132に接続しており、他端はグランドに接続している。また、コンデンサ132の一端は、コンデンサ130および可変インダクタ131に接続しており、他端は無線通信部14に接続している。
可変整合素子12は上述した図2の(a)〜(d)の構成に限定されず、その他の構成であってもよい。
(共振周波数の制御)
次に、無線機1における共振周波数の制御(調整)について説明を行う。無線機1は、アンテナ21(ANT2)を用いて周波数帯域B(第一の周波数帯)で通信を行っており、アンテナ11(ANT1)は通信を行っていないとき、アンテナ21に、アンテナ11(ANT1)からの干渉が発生する。
そこで、まず、準備段階として、無線機1のアンテナ21を用いて周波数帯域Bで通信を行っている際に、通信を行っていないアンテナ11の共振周波数Aを調整し、調整した共振周波数(第一の共振周波数)を設定する。具体的には、制御部13は、アンテナ11の共振周波数Aを第一の共振周波数に変更するように可変整合素子12のリアクタンス値を設定する。
アンテナ21にアンテナ11からの干渉が発生しているときのアンテナ21のアンテナ特性を図3に示す。図3は、通信を行っていないアンテナ(アンテナ11)からの干渉が発生している際の通信を行っているアンテナ(アンテナ21)のアンテナ特性の一例を示すグラフである。なお、図3に示すグラフにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸は、利得(dBi)を示している。図3では、アンテナ11からの干渉を受けていない状態でのアンテナ21のアンテナ特性を破線で示し、アンテナ11からの干渉を受けた状態でのアンテナ21のアンテナ特性を実線で示している。
ここで、アンテナ11の共振周波数を共振周波数Aとすると、共振周波数Aのn倍(n=1、2、3、・・・)の周波数でアンテナ11の共振が発生する。この共振が発生した周波数の近傍では、当該共振の干渉により、通信を行っている通信アンテナ(アンテナ21)のアンテナ特性が劣化する(利得が低下する)。
しかし、アンテナ特性が劣化する周波数(共振周波数Aのn倍の周波数)から離れるに従って、上記共振に起因するアンテナ特性の劣化は小さくなる。また、上記共振の影響により、第一のアンテナのインピーダンスが変化する。当該変化は、スミスチャートの中心に近づくような変化であり、第一のアンテナのリターンロスが取れて、反射損が低減する。
図3に示すように、アンテナ21は、通信帯域(周波数帯域B、第一の周波数帯)において、アンテナ11からの干渉を受け、アンテナ11からの干渉を受けていない状態に比べ、アンテナ特性が変化している。具体的には、アンテナ11の共振周波数Aのn倍の周波数の近傍の劣化部(破線より下に突き出た部分(凹部)、第二の周波数帯)では、上記共振の干渉が大きいため、アンテナ21のアンテナの特性が劣化(利得が低下)する。一方、劣化部に隣接する改善部(破線より上に突き出た部分(凸部)、第三の周波数帯)では、上記共振の干渉が小さくなるため、上記反射損の低減による効果により、アンテナ21の特性が改善(利得が向上)する。
このように、共振周波数Aのn倍の周波数を含む周波数帯域(凹部)の前後の周波数帯域(凸部)はアンテナ特性が改善していることがわかる。
そのため、制御部13は、準備段階において、図3の実線で示したアンテナ特性が高周波側(高域側)または低周波側(低域側)にシフト(スライド)したアンテナ特性となるように、アンテナ11の共振周波数を実験的に変化させる。つまり、制御部13は、可変整合素子12のリアクタンスを変化させる。このとき制御部13は、アンテナ21のアンテナ特性が、凹部(劣化部)の全部がアンテナ21の通信帯域に含まれず、且つ、凸部(改善部)の一部または全部がアンテナ21の通信帯域に含まれるように、アンテナ11の共振周波数を設定する。特に、制御部13は、上記凸部(改善部)のうち、アンテナ21のアンテナ特性において、アンテナ21が他のアンテナの影響を受けない状態で動作するとき(アンテナ21単独のとき)のアンテナ特性と比べ、アンテナ21の利得を1デシベル以上向上する周波数帯域(第四の周波数帯)の全部がアンテナ21の通信帯域に含まれる(重なる)ように、アンテナ11に接続された可変整合素子12のリアクタンスを調整することが好ましい。これにより、より好適にアンテナ特性を向上させることができる。
また、制御部13は、凸部(改善部)のうち、アンテナ特性が最大となる時の周波数がアンテナ21の通信帯域の上限または下限となるように、アンテナ11の共振周波数を調整することが好ましい。制御部13は、このように変化させたリアクタンス値を予め設定する。
なお、凸部(改善部)が凹部(劣化部)の左右(低域側および高域側)にあるアンテナ特性である場合、制御部13は、高域側と低域側とのどちらにシフトしたほうがより良好なアンテナ特性を得られるかを確認し、より良好なアンテナ特性を得られるほうにシフトするよう、可変整合素子12のリアクタンスを変化させてもよい。また、高域側と低域側とのどちらにシフトしても同じアンテナ特性を得られる場合、制御部13は、どちらにシフトするのかを決定し、決定したほうにシフトするように可変整合素子12のリアクタンスを変化させてもよい。
また、無線機1が通信を行っているアンテナのアンテナ特性を高域(高周波側)にシフトさせる場合と低域(低周波側)にシフトさせる場合とで異なる可変整合素子を用いるような構成である場合、制御部13は、どの可変整合素子を用いるのかを予め設定してもよい。なお、上記準備段階は、当該無線機1の設計段階で行われてもよい。
次に、アンテナ21を用いて通信が行われることが決定し、決定したアンテナ21を用いて通信が開始される前、または、当該アンテナ21を用いて通信が開始された直後、制御部13は、準備段階にて設定されたリアクタンス値を用いて、アンテナ11のリアクタンスを変化させる。制御部13がアンテナ11のリアクタンスを変化させるタイミングは、例えば、無線機1が携帯電話端末のような通話機能を有している場合、通話開始ボタンを押した直後であってもよいし、着呼した直後であってもよい。また、無線機1が通信を行っている基地局が切り替わった(ハンドオーバーした)時であってもよい。
なお、無線機1において、各アンテナが通信を行うときと、行わない(可変整合素子に接続される)ときとを、切り替え素子(図示しない)を用いて切り替える構成であった場合、制御部13は、上記タイミングで当該切り替え素子を切り替え、リアクタンスを変化させてもよい。つまり、無線機1がアンテナ21を用いて通信を行うことを検知したとき、制御部13は、アンテナ21に接続された切り替え素子を、通信を行うように切り替え、アンテナ11に接続された切り替え素子を可変整合素子12に接続するように切り替える。そして、制御部13は、アンテナ11に接続された可変整合素子12のリアクタンスを調整する。
無線機1は、上記タイミングにおいて、瞬時にアンテナ21のアンテナ特性を向上させるようにアンテナ11の整合を調整することができる。
なお、切り替え素子としては、例えば、スイッチ、バリキャップダイオード、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述したように、無線機1が通信を行っているアンテナのアンテナ特性を高域(高周波側)にシフトさせる場合と低域(低周波側)にシフトさせる場合とで異なる可変整合素子を用いるような構成である場合について説明する。例えば、無線機1が通信を行っているアンテナのアンテナ特性を高域にシフトさせるとき、図2の(a)または(c)に示す可変整合素子を用い、低域にシフトさせるとき、図2の(b)に示す可変整合素子を用いる構成である場合、無線機1は、上記二つの可変整合素子を切り替える切り替え素子(図示しない)を備えてもよい。制御部13は、例えば、通信を行っているアンテナのアンテナ特性を高域にシフトさせる場合、当該切り替え素子を切り替え、通信を行っていないアンテナと図2の(a)または(d)に示す可変整合素子とを接続し、設定したリアクタンス値を用いて、当該可変整合素子のリアクタンスを調整する。
なお、二つの可変整合素子を切り替える切り替え素子としては、例えば、スイッチ、バリキャップダイオード、MEMS等が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、二つの可変整合素子を切り替える切り替え素子は、通信を行うときと行わないときとを切り替える切り替え素子と一体とした構成であってもよいし、別個の構成であってもよい。
ここで、アンテナ11からの干渉をアンテナ21が受けている状態で、無線機1に従来技術を適用した場合におけるアンテナ21のアンテナ特性を図4に示す。図4は、アンテナ21に対しアンテナ11からの干渉が発生している状態において、無線機1に従来技術を適用した場合におけるアンテナ21のアンテナ特性の一例を示すグラフである。なお、図4に示すグラフにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸は、利得(dBi)を示している。図4では、図3に実線で示したアンテナ特性を破線で示し、アンテナ11からの干渉を受けた状態のアンテナ21に対し、従来技術を適用した場合におけるアンテナ21のアンテナ特性を実線で示している。
図4の実線で示すように、従来技術を適用した場合、アンテナ21のアンテナ特性は、図3の破線で示したアンテナ特性に近い特性を示している。つまり、図3で示した凹部のアンテナ特性は、図3の破線で示したアンテナ特性に比べ劣化が改善されているものの、多少の劣化が見られる。また、図3の破線で示すように、改善部(凸部)が失われ、アンテナ特性が劣化してしまう。
次に、図5にて、アンテナ11からの干渉をアンテナ21が受けている状態において、本実施形態における可変整合素子12を用いてアンテナ11の共振周波数を制御した場合におけるアンテナ21のアンテナ特性を示す。図5は、アンテナ21に対しアンテナ11からの干渉が発生している状態において、可変整合素子12を用いてアンテナ11の共振周波数を制御した場合におけるアンテナ21のアンテナ特性の一例を示すグラフである。なお、図5に示すグラフにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸は、利得(dBi)を示している。図5では、図3に実線で示したアンテナ特性を破線で示し、アンテナ11からの干渉を受けた状態のアンテナ21に対し、本発明を適用した場合におけるアンテナ21のアンテナ特性を実線で示している。
図5の実線で示すように、アンテナ21のアンテナ特性は、破線で示したアンテナ特性を右(高域側)にシフトした状態である。具体的には、アンテナ21のアンテナ特性は、凹部が通信帯域(周波数帯域B)に含まれず、且つ、改善部(凸部)のうち最も良好なアンテナ特性を示す部分が通信帯域の上限になるように、破線で示したアンテナ特性から右にシフトされている。
このように、無線機1は、アンテナ21が周波数帯域B(第一の周波数帯)で使用され、アンテナ11が使用されていないときに、アンテナ11の共振周波数を第一の共振周波数の近傍に変更する。アンテナ11は、アンテナ11の共振周波数によって規定される第二の周波数帯(劣化部、凹部)のn倍の周波数帯ではアンテナ21の利得を低下させ、第二の周波数帯のn倍の周波数帯に隣接した第三の周波数域(改善部、凸部)ではアンテナ21の利得を向上させるようになっている。そして、第一の共振周波数は、アンテナ11の共振周波数のn倍の周波数を第一の共振周波数としたときの第二の周波数帯が周波数帯域Bと重ならず、第三の周波数帯が周波数帯域Bと重なるように予め設定されている。
そのため、アンテナ21が周波数帯域Bで使用され、アンテナ11が使用されていないときに、アンテナ21の使用周波数帯である周波数帯域Bには、アンテナ11がアンテナ21の特性を劣化させる凹部(劣化部)は含まれず、アンテナ11がアンテナ21の特性を改善させる凸部(改善部)が含まれることになる。これにより、アンテナ21を使用し、アンテナ11を使用しないときに、アンテナ21のアンテナ特性をより好適に向上させることができる。
また、好ましくは、凸部(改善部)に、アンテナ11が、アンテナ21単独の場合に比べてアンテナ21の利得を0.5dB以上向上させる帯域(第四の周波数帯)が含まれており、第一の共振周波数は、第四の周波数帯が周波数帯域Bと重なるように予め設定され得る。
上記の構成によれば、アンテナ21の使用周波数帯である周波数帯域Bと、アンテナ21単独の場合に比べてアンテナ21の利得を0.5dB以上向上させる第四の周波数帯とが重なっているため、アンテナ21の特性を好適に向上させることができる。
また、好ましくは、第一の共振周波数は、凸部(改善部)のうちアンテナ11がアンテナ21の利得を最も向上させる周波数が、周波数帯域Bに含まれるように予め設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、アンテナ21の使用周波数帯である周波数帯域Bに、アンテナ21の利得が最も向上する周波数が含まれるため、アンテナ21の特性を好適に向上させることができる。
なお、本実施形態では、アンテナ21が通信を行い、アンテナ11が通信を行わないときについて、説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。無線機1は、アンテナ11が通信を行い、アンテナ21が通信を行わない場合であっても、通信を行うアンテナの利得を向上させることができる。
つまり、無線機1は、アンテナ11が周波数帯域A(第五の周波数帯)で使用され、アンテナ21が使用されていないときに、アンテナ21の共振周波数を第二の共振周波数に変更する。アンテナ21は、アンテナ21の共振周波数によって規定される第六の周波数帯(凹部)ではアンテナ11の利得を低下させ、第六の周波数帯に隣接した第七の周波数域(凸部)ではアンテナ11の利得を向上させるようになっている。そして、第二の共振周波数は、アンテナ21の共振周波数を第二の共振周波数としたときの第六の周波数帯が周波数帯域Aと重ならず、第七の周波数帯が周波数帯域Aと重なるように予め設定されているものであってもよい。
上記の構成によれば、アンテナ11が第五の周波数帯で使用され、アンテナ21が使用されていないときに、アンテナ11の使用周波数帯である周波数帯域Aには、アンテナ21がアンテナ11の特性を劣化させる凹部(劣化部)は含まれず、アンテナ21がアンテナ11の特性を改善させる凸部(改善部)が含まれることになる。これにより、アンテナ11を使用し、アンテナ21を使用しないときに、アンテナ11のアンテナ特性をより好適に向上させることができる。
(変形例)
なお、本実施形態において、図1に示す無線機1のアンテナは2本であることを例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。無線機1は、図6に示すように3本のアンテナを備えていてもよいし、それ以上であってもよい。
以下では、3本のアンテナを備えた無線機1’について説明を行う。図6は、無線機1’の内部構成の他の例を示すブロック図である。図1に示すように、無線機1’は、アンテナ11(ANT1)、可変整合素子12、アンテナ21(ANT2)、可変整合素子22、アンテナ31(ANT3)、可変整合素子32、制御部(制御手段)13および無線通信部14を備えている。なお、説明の便宜上、図1と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
アンテナ11およびアンテナ21は、それぞれ異なる周波数帯域で動作するアンテナである。本実施形態において、アンテナ11は周波数帯域Aで動作するローバンドアンテナであり、アンテナ21は周波数帯域Bで動作するミッドバンドアンテナであり、アンテナ31は周波数帯域Cで動作するハイバンドアンテナである。なお、各アンテナが動作するバンドはこれに限定されない。
可変整合素子32は、アンテナ31と無線通信部14との間に接続されており、制御部13からの信号に従ってリアクタンス値を切り替えて、アンテナ31の共振周波数を調整する。可変整合素子32は、上述した可変整合素子12と同様の構成を有しているとする。
無線機1’において、アンテナ21とアンテナ31とがそれぞれ異なる帯域で通信を行い、アンテナ11が通信を行っていないとする。このとき、制御部13は、アンテナ21のアンテナ特性およびアンテナ31のアンテナ特性の両方を改善するようにアンテナ11に接続された可変整合素子12のリアクタンスを調整する。
このときのアンテナ21のアンテナ特性を図7に示す。図7は、アンテナ21とアンテナ31とが通信を行っており、アンテナ21に対しアンテナ11からの干渉が発生している状態において、可変整合素子12を用いてアンテナ11の共振周波数を制御した場合におけるアンテナ21のアンテナ特性の一例を示すグラフである。なお、図7に示すグラフにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸は、利得(dBi)を示している。
図7では、アンテナ11からの干渉を受けた状態でのアンテナ21のアンテナ特性を破線で示し、アンテナ11からの干渉を受けた状態のアンテナ21に対し、本発明を適用した場合におけるアンテナ21のアンテナ特性を実線で示している。なお、通信帯域内にアンテナ31からの共振が見られる場合があるが、本例では省略する。
図7の実線で示すように、アンテナ21のアンテナ特性は、破線で示したアンテナ特性を右(高域側)にシフトした状態である。具体的には、アンテナ21のアンテナ特性は、凹部が通信帯域(周波数帯域B)に含まれず、且つ、改善部(凸部)のうち最も良好なアンテナ特性を示す部分が通信帯域の上限になるように、破線で示したアンテナ特性から右にシフトされている。
このように、複数のアンテナが通信を行っている場合であっても、無線機1’の制御部13は、通信を行っていないアンテナの共振周波数を調整することができる。よって、通信を行っているアンテナのアンテナ特性を好適に改善することができる。
また、アンテナ11が通信を行い、アンテナ21および/またはアンテナ31が通信を行っていない場合、制御部13は、アンテナ11のアンテナ特性を改善するように、可変整合素子22および/または可変整合素子32のリアクタンスを調整することもできる。
また、複数のアンテナのうち、1つのアンテナ(例えば、アンテナ21)が通信を行い、当該アンテナ以外のアンテナ(例えば、アンテナ11およびアンテナ31)が通信を行っていない場合について説明する。このとき、通信を行っていない複数のアンテナ(アンテナ11およびアンテナ31)のうち、通信を行うアンテナ(アンテナ21)のアンテナ特性を最も向上させることができるアンテナをアンテナ11とする。
この場合、制御部13は、通信を行っていないアンテナのうち、アンテナ21のアンテナ特性を最も向上させることができるアンテナ11に接続された可変整合素子12に対し、アンテナ特性が劣化するときの周波数帯域(凹部)が、アンテナ21の使用周波数帯域(通信帯域)内に含まれず、且つ、アンテナ21のアンテナ特性が向上するときの周波数帯域がアンテナ21の使用周波数帯域内に含まれるように、リアクタンスを調整する。また、アンテナ21の使用周波数帯域内において、通信を行っていない複数のアンテナのうち、アンテナ21のアンテナ特性を最も向上させることができるアンテナ11以外のアンテナ(アンテナ31)の干渉を受けないように、アンテナ31に接続されている可変整合素子32のリアクタンスを調整する。つまり、アンテナ31からの干渉によるアンテナ特性の変化が、アンテナ21の使用周波数帯域以外の帯域で起きるように、可変整合素子32のリアクタンスを調整する。
なお、制御部13は、アンテナ31に接続された可変整合素子32に対し、アンテナ特性が劣化するときの周波数帯域(凹部)が、アンテナ21の使用周波数帯域(通信帯域)内に含まれず、且つ、アンテナ21のアンテナ特性が向上するときの周波数帯域がアンテナ21の使用周波数帯域内に含まれるように、リアクタンスを調整してもよい。
このときのアンテナ21のアンテナ特性を図8に示す。図8は、アンテナ21が通信を行っており、アンテナ21に対しアンテナ11およびアンテナ31からの干渉が発生している状態において、可変整合素子12を用いてアンテナ11およびアンテナ31の共振周波数を制御した場合におけるアンテナ21のアンテナ特性の一例を示すグラフである。なお、図8に示すグラフにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸は、利得(dBi)を示している。
図8では、アンテナ11およびアンテナ31からの干渉を受けた状態でのアンテナ21のアンテナ特性を破線で示し、アンテナ11およびアンテナ31からの干渉を受けた状態のアンテナ21に対し、本発明を適用した場合におけるアンテナ21のアンテナ特性を実線で示している。
図8の破線で示すように、アンテナ21のアンテナ特性は、アンテナ11からの干渉を受け、凹部(劣化部)と当該劣化部の左側の帯域に改善部(凸部)とが存在している。更に、アンテナ31からの干渉を受け、上記劣化部の右側の帯域に改善部が存在している。
制御部13は、図8の実線で示すように、劣化部が通信帯域(周波数帯域B)に含まれず、且つ、劣化部の左側の帯域に存在する改善部のうち最も良好なアンテナ特性を示す部分が通信帯域の上限になるように、破線で示したアンテナ特性から右にシフトするようにアンテナ11に接続された可変整合素子12を制御する。
また、制御部13は、劣化部が通信帯域(周波数帯域B)に含まれず、且つ、劣化部の右側の帯域に存在する改善部のうち最も良好なアンテナ特性を示す部分が通信帯域の上限になるように、破線で示したアンテナ特性から右にシフトするようにアンテナ31に接続された可変整合素子32を制御する。
このように、複数のアンテナが通信を行っていない場合であっても、通信を行うアンテナのアンテナ特性を良好に調整することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔ソフトウェアによる実現例について〕
最後に、無線機1および無線機1’の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、無線機1および無線機1’は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである無線機1および無線機1’の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、無線機1および無線機1’に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、無線機1および無線機1’を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は、無線機に広く利用することができる。
1、1’ 無線機(無線回路)
11 アンテナ(第二のアンテナ)
12 可変整合素子(第一の共振周波数変更部)
13 制御部(第一の共振周波数変更部、第二の共振周波数変更部)
14 無線通信部(無線部)
21 アンテナ(第一のアンテナ)
22 可変整合素子(第二の共振周波数変更部)
31 アンテナ
32 可変整合素子

Claims (6)

  1. 第一のアンテナと、
    第二のアンテナと、
    第一のアンテナが第一の周波数帯で使用され、第二のアンテナが使用されていないときに、第二のアンテナの共振周波数を第一の共振周波数の近傍に変更する第一の共振周波数変更部と、を備えており、
    第二のアンテナは、第二のアンテナの共振周波数によって規定される第二の周波数帯のn倍の周波数帯では第一のアンテナの利得を低下させ、第二の周波数帯のn倍の周波数帯に隣接した第三の周波数域では第一のアンテナの利得を向上させるようになっており、
    第一の共振周波数は、第二のアンテナの共振周波数のn倍の周波数を第一の共振周波数としたときの第二の周波数帯が第一の周波数帯と重ならず、第三の周波数帯が第一の周波数帯と重なるように予め設定されていることを特徴とする無線回路。
  2. 第三の周波数帯には、第二のアンテナが、第一のアンテナ単独の場合に比べて第一のアンテナの利得を0.5dB以上向上させる第四の周波数帯が含まれており、
    第一の共振周波数は、第四の周波数帯が第一の周波数帯と重なるように予め設定されていることを特徴とする請求項1に記載の無線回路。
  3. 第一の共振周波数変更部は、第二のアンテナと、第二のアンテナを介して無線通信を行う無線部との間に接続された可変整合素子を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の無線回路。
  4. 第二のアンテナが第五の周波数帯で使用され、第一のアンテナが使用されていないときに、第一のアンテナの共振周波数を第二の共振周波数に変更する第二の共振周波数変更部と、を備えており、
    第一のアンテナは、第一のアンテナの共振周波数によって規定される第六の周波数帯では第二のアンテナの利得を低下させ、第六の周波数帯に隣接した第七の周波数域では第二のアンテナの利得を向上させるようになっており、
    第二の共振周波数は、第一のアンテナの共振周波数を第二の共振周波数としたときの第六の周波数帯が第五の周波数帯と重ならず、第七の周波数帯が第五の周波数帯と重なるように予め設定されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の無線回路。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の無線回路を備えていることを特徴とする無線機。
  6. 第一のアンテナおよび第二のアンテナを備えた無線機の無線通信方法であって、
    第一のアンテナを第一の周波数帯で使用し、第二のアンテナを使用しないときに、第二のアンテナの共振周波数を第一の共振周波数の近傍に変更する第一の共振周波数変更工程を含んでおり、
    第二のアンテナは、第二のアンテナの共振周波数によって規定される第二の周波数帯のn倍の周波数帯では第一のアンテナの利得を低下させ、第二の周波数帯のn倍の周波数帯に隣接した第三の周波数帯では第一のアンテナの利得を向上させるようになっており、
    第一の共振周波数は、第二のアンテナの共振周波数のn倍の周波数を第一の共振周波数としたときの第二の周波数帯が第一の周波数帯と重ならず、第三の周波数帯が第一の周波数帯と重なるように予め設定されていることを特徴とする無線通信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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