JP2013218032A - 感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】現像時間を短縮でき、密着性及び解像度が良好であるレジストパターンを形成可能である感光性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、感光性樹脂組成物からなる感光層を基板上に積層する積層工程と、活性光線を感光層の所定部分に照射して、感光層に光硬化部を形成する露光工程と、光硬化部以外の領域を、0.3〜1.0質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて除去し、光硬化部からなるレジストパターンを形成する現像工程とを含み、感光層の膜厚T(μm)と、感光層の現像速度D(μm/秒)とが、下記式(I)で表される関係を満足する、レジストパターンの形成方法に関する。
0.3Ln(T)−0.2≦D≦0.8Ln(T)−0.2 (I)
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
従来、プリント配線板の製造分野及び金属の精密加工分野において、エッチング、めっき等に用いられるレジスト材料としては、感光性樹脂組成物からなる層(以下「感光層」という。)、支持フィルム及び保護フィルムで構成される感光性エレメントが広く用いられている。
プリント配線板は、例えば下記のようにして製造される。まず、感光性エレメントの保護フィルムを感光層から剥離した後、回路形成用基板の導電膜上に感光層をラミネートする。次いで、感光層にパターン露光を施した後、未露光部分を現像液で除去し、レジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンに基づいて、導電膜をパターンニングすることによって、プリント配線板が形成される。
この未露光部分の除去に用いられる現像液としては、炭酸ナトリウム溶液等のアルカリ現像型が主に用いられている。現像液は、通常、ある程度感光層を溶解する能力があればよく、現像時には感光層が現像液に溶解又は現像液中に分散される。
近年、プリント配線板の高密度化に伴い、回路形成用基板とレジスト材料である感光層との接触面積が小さくなっている。そのため、感光層には、エッチング又はめっき工程において優れた機械強度、耐薬品性、柔軟性が要求されると共に、回路形成用基板との優れた密着性やパターン形成における優れた解像度が要求されている。最近では、特にパッケージ基板用途としてライン幅及びスペース幅が共に8μm以下のレジストパターンを形成し得る材料が望まれている。
高密度パッケージ基板では、回路間の幅が狭いため、レジスト形状が優れていることも重要となる。レジストの断面形状が台形又は逆台形である場合や、レジストのすそ引きがある場合には、その後のエッチング処理又はめっき処理により形成された回路に短絡や断線を生じる可能性がある。従って、レジスト形状は矩形で、且つ、すそ引きがなく、クラックや欠けがないことが望ましい。
これまでに、微細配線が形成可能であり、且つ硬化後のレジスト形状が優れる感光性樹脂組成物として、支持フィルムのヘーズと、炭素数が3〜7の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを組み合わせた感光性エレメントや、支持フィルム中に含まれる直径5μm以上の粒子及び凝集物の総数に着目した感光性エレメントが開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、バインダーポリマーの酸価と重量平均分子量との関係に着目した感光性エレメントも開示されている(例えば、特許文献3参照)。
国際公開第08/075575号パンフレット 国際公開第08/093643号パンフレット 特開2012−37872号公報
特許文献1〜3に記載の感光性エレメントは、微細配線が形成可能であり、且つ硬化後のレジスト形状に優れるが、現像時間を短縮しながら、解像度及び密着性を更に向上させる点では、未だ改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、現像時間を短縮でき、密着性及び解像度が良好であるレジストパターンを形成可能である感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
細線密着性の向上を目的に、感光層に薬液耐性の高い材料の添加量を増量し、従来の現像液である、液温が30℃である1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像した場合、現像速度が極端に長くなり、細線密着性が低下するため、プリント配線板の高密度化には限界がある。
そこで、本発明者らは、現像液に着目し、0.3〜1.0質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(以下、「TMAH水溶液」と略す)を現像液として用いると、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として使用する場合と比較し、現像速度が速くなることを見出し、更に、アルカリ雰囲気下に曝される時間が短くできることで、細線密着性が向上できることを見出した。
本発明は、感光性樹脂組成物からなる感光層を基板上に積層する積層工程と、活性光線を感光層の所定部分に照射して、感光層に光硬化部を形成する露光工程と、光硬化部以外の領域を、0.3〜1.0質量%TMAH水溶液を用いて除去し、光硬化部からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を含むレジストパターンの形成方法であって、感光層の膜厚T(μm)と、感光層の現像速度D(μm/秒)とが、下記式(I)で表される関係を満足する、レジストパターンの形成方法を提供する。
0.3Ln(T)−0.2≦D≦0.8Ln(T)−0.2 (I)
本発明のレジストパターンの形成方法によれば、極細線のレジストパターンを効率よく得ることができる。
上感光性樹脂組成物は、バインダーポリマーと、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有することが好ましい。
本発明はまた、上記方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする工程を含む、プリント配線板の製造方法を提供する。本発明のプリント配線板の製造方法によれば、極細線の配線パターンを有する高密度のプリント配線板を精度良く効率的に製造することができる。
本発明は更に、支持フィルムと、該支持フィルム上に形成される感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性エレメントであって、感光層が、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有し、0.3〜1.0質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて現像する際の前記感光層の膜厚T(μm)と、前記感光層の現像速度D(μm/秒)とが、下記式(I)で表される関係を満足する、感光性エレメントを提供する。
0.3Ln(T)−0.2≦D≦0.8Ln(T)−0.2 (I)
本発明によれば、現像時間を短縮でき、密着性及び解像度が良好であるレジストパターンを形成可能である感光性樹脂組成物を用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
本発明の感光性エレメントの好適な実施形態を示す模式断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
[感光性エレメント]
図1は、本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した感光性エレメント1は、支持フィルム10と、感光層20とで構成される。感光層20は支持フィルム10の第1の主面12上に設けられている。また、支持フィルム10は、第1の主面12とは反対側に第2の主面14を有している。
(支持フィルム)
支持フィルム10は、ヘーズが0.01〜1.5%であり、かつ支持フィルム10に含まれる直径5μm以上の粒子及び凝集物(以下、単に「粒子等」という。)の総数が5個/mm以下のものであることが好ましい。ここで、「ヘーズ」とは曇り度を意味する。本発明におけるヘーズは、JIS K 7105に規定される方法に準拠して、例えば、NDH−1001DP(日本電色工業社製、商品名)等の市販の濁度計市販の曇り度計(濁度計)を用いて測定された値をいう。支持フィルム10に含まれる直径5μm以上の粒子等には、支持フィルムの主面から突出しているもの及びフィルム内部に存在するものの両方が含まれる。また、直径5μm以上の粒子等には、直径5μm以上の一次粒子及び直径5μm未満の一次粒子の凝集物が含まれる。
支持フィルム10のヘーズは、0.01〜1.5%であることが好ましく、0.01〜1.3%であることがより好ましく、0.01〜1.0%であることが更に好ましく、0.01〜0.5%であることが特に好ましい。ヘーズが0.01%以上であると支持フィルムの製造がより容易になり、1.5%以下であると感度及び解像度を向上することができる。
上記直径5μm以上の粒子等は、5個/mm以下であることが好ましく、3個/mm以下であることよりが好ましく、1個/mm以下であることが更に好ましい。この粒子等の数が5個/mm以下であると、露光及び現像後のレジストの一部欠損(レジスト微小欠損)が生じ難くなる。そして、このような感光性エレメントをプリント配線板に使用することで、エッチング時のオープン不良発生や、めっき時のショート不良発生を低減することができ、プリント配線板の製造歩留りを向上することができる。
なお、直径5μm未満の粒子が支持フィルム10に数多く含まれていても、光散乱に対する影響は大きくない。その要因は、露光工程において、感光層に光を照射した場合、感光層の光硬化反応は光照射部のみでなく、若干であるが光が直接照射されていない横方向(光照射方向に対し垂直方向)へも進行する。このため粒子径が小さい場合は、粒子直下部の光硬化反応が十分に進行するが、粒子径が大きくなるに伴い、粒子直下部の光硬化反応が十分に進行しないため、レジスト微小欠損が発生すると考えられる。
ここで、支持フィルム10に含まれる直径5μm以上の粒子等とは、支持フィルムを構成する成分、例えば、ポリマーのゲル状物、原料であるモノマー、製造時に使用される触媒、必要に応じて含まれる無機又は有機微粒子がフィルム作製時に凝集し形成される凝集物、滑剤含有層をフィルム上に塗布した際に発生する滑剤と接着剤による膨らみ、フィルム中に含有する直径5μm以上の粒子等に起因して生じたものである。直径5μm以上の粒子等を5個/mm以下にするには、これらの粒子等のうち、粒径の小さなもの又は分散性に優れたものを選択的に用いればよい。
上記直径5μm以上の粒子等の数は、偏光顕微鏡を用いて測定することができる。なお、直径5μm以上の一次粒子と直径5μm未満の一次粒子とが凝集して形成される凝集物は、1個として数える。
支持フィルム10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と表記する。)等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンからなる群より選ばれる1種以上の樹脂材料を含むフィルムが挙げられる。
支持フィルム10の厚さは5〜40μmであることが好ましく、8〜35μmであることがより好ましく、10〜30μmであることが更に好ましく、12〜25μmであることが特に好ましい。厚さが5μm以上であると、感光性エレメント1から支持フィルム10を剥離する際に、支持フィルム10が破れ難くなる傾向がある。また、厚さが40μm以下であると、解像度及び廉価性に優れる。
また、支持フィルム10は、市販の一般工業用フィルムの中から、感光性エレメント1の支持フィルムとして使用可能なものを入手し、適宜加工して用いられてもよい。支持フィルム10として使用可能な市販の一般工業用フィルムとしては、例えば、最外層が微粒子を含有する3層構造のPETフィルムである「FB−40」(東レ社製、商品名)が挙げられる。
(感光層)
感光層20は感光性樹脂組成物からなる層であり、0.3〜1.0質量%TMAH水溶液で現像した際の、感光層の膜厚T(μm)と、感光層の現像速度D(μm/秒)とが下記式(I)で表される関係を満足する。
0.3Ln(T)−0.2≦D≦0.8Ln(T)−0.2 (I)
感光層の現像速度Dは、温度が10〜30℃である0.3〜1.0質量%TMAH水溶液を用いて感光層を現像した際に測定される値である。
感光層の膜厚が25μmの場合を例に挙げると、現像速度は0.77〜2.38μm/秒であり、現像速度の下限は1.0μm/秒以上であることが好ましく、1.2μm/秒以上であることがより好ましい。また、現像速度の上限は2.35μm/秒以下であることが好ましく、2.30μm/秒以下であることがより好ましい。
現像速度が上限値を超えると、感光層の現像時間が短くなり、適切な現像時間で現像でき難くなる。すなわち、適切な現像時間に比較し、実際の現像時間が短くなるため、レジストの細線形成が困難となる。
一方で現像速度が下限値を下回ると、適切な現像時間で現像しても、レジストがアルカリ雰囲気に曝される時間が長くなるため、レジストの細線形成が困難となる。
現像速度は、感光層の膜厚(単位:μm)を最少現像時間(単位:秒)で割ることで、現像速度を算出することができる。最少現像時間は、感光層を基板上にラミネートした試験片を、30mm×30mmのサイズにカットし、支持フィルムをはく離した後、0.3〜1.0%のTMAH水溶液を用い、0.06MPaの圧力で未露光状態の感光層をスプレー現像し、未露光部が完全に除去される時間をいう。
現像液は、0.3〜1.0質量%TMAHである。TMAHを用いることにより、プリント配線板の製造ラインにおいて、現像時間を短縮することができ、更に密着性及び解像度が良好である感光性エレメントが得られる。なお、現像液の温度は、本発明の効果を奏する範囲で適宜調整可能であるが、10℃〜30℃であることが好ましく、20℃〜30℃であることがより好ましい。
感光層の365nmにおける吸光度Aと、感光層の膜厚(T)との比である、A/T(以下、「Y値」という)は、下記式(II)で表される関係を満足することが好ましい。
0.005≦A/T≦0.04(II)
このY値が0.005未満では、感光層にほとんど光吸収されないため、感度が低下し、プリント配線板の生産性が低下する傾向があり、また、基板から反射される光の量が多くなるため、ハレーション効果による解像度が低下する傾向がある。一方、Y値が0.04を超えると、露光部の上部で吸収される光の量が多くなり、露光部の底部での光硬化反応が十分に進行しないため、現像後のレジスト形状が逆台形になる傾向がある。
感光層の吸光度は、UV分光光度計(日立製作所社製、商品名「U−3310」)を用いて測定することができる。吸光度は、装置の測定側に支持フィルム及び感光層からなる感光性エレメントを配置し、リファレンス側に支持フィルムのみを配置し、吸光度モードにより550〜300nmまでの連続的に測定することができる。
感光層20を構成する感光性樹脂組成物は、(a)バインダーポリマー(以下、「(a)成分」という。)、(b)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物(以下、「(b)成分」という。)及び(c)光重合開始剤(以下、「(c)成分」という。)を含有する。以下、上記各成分について詳細に説明する。
(a)成分であるバインダーポリマーとしては、従来の感光性樹脂組成物に用いられているものであれば特に限定はされず、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂及びフェノール樹脂が挙げられる。これらの中で、アルカリ現像性の見地からは、アクリル樹脂が好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
バインダーポリマーは、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。重合性単量体としては、スチレン及びビニルトルエン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、α−メチルスチレン及びα−メチルスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエステル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸及びプロピオール酸が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、分子内にカルボキシル基を含有するものが好ましい。カルボキシル基を有するバインダーポリマーは、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体とをラジカル重合させることにより製造することができる。
バインダーポリマーは、現像液耐性と剥離性とのバランスの見地から、下記一般式(III)、(IV)及び(V)で表される2価の基を構造単位として含むことが好ましい。なお、現像液耐性の向上に起因して、密着性及び解像度が向上する傾向にある。
Figure 2013218032
Figure 2013218032
Figure 2013218032
式中、R、R及びR20はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、水酸基又はハロゲン原子を示し、R21は炭素数1〜6のアルキル基を示し、pは0〜5の整数を示し、pが2以上のとき、複数存在するRは互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(III)で表される構造単位は、(メタ)アクリル酸に基づく構造単位であり、メタクリル酸に基づく構造単位(R=メチル基)であることが好ましい。
上記一般式(III)で表される構造単位の含有割合は、共重合体である(a)バインダーポリマーの固形分全量を基準として、10〜50質量%であることが好ましく、15〜40質量%であることがより好ましく、20〜35質量%であることが更に好ましい。この割合が10質量%以上では現像液及び剥離液に一般的に使用されているアルカリ水溶液に対する耐性が強すぎず、現像及び剥離し易くなり、この割合が50質量%以下であると、現像液耐性が良くなり、密着性及び解像度に優れる。
上記一般式(IV)で表される構造単位は、スチレン(R=水素原子)、スチレン誘導体、α−メチルスチレン(R=メチル基)及び、α−メチルスチレン誘導体に基づく構造単位である。本発明において、「スチレン誘導体」及び「α−メチルスチレン誘導体」とは、スチレン及びα−メチルスチレンのベンゼン環における水素原子が置換基R(炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子)で置換されたものをいう。上記スチレン誘導体としては、例えば、メチルスチレン、エチルスチレン、tert−ブチルスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、ヒドロキシスチレン及びクロロスチレンが挙げられ、p−位にRが置換した構造単位であることがより好ましい。α−メチルスチレン誘導体としては、上記スチレン誘導体において、ビニル基のα−位の水素原子がメチル基で置換されたものが挙げられる。
上記一般式(IV)で表される構造単位の含有割合は、共重合体である(a)バインダーポリマーの固形分全量を基準として、3〜60質量%であることが好ましく、10〜55質量%であることがより好ましく、15〜50質量%であることが更に好ましく、20〜45質量%であることが特に好ましい。この含有量が3質量%以上では密着性及び解像度を向上することができ、60質量%以下であると剥離片が小さくなり、剥離時間が短くなる傾向があり、更に硬化後のレジストの柔軟性に優れる。
上記一般式(V)で表される構造単位は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構造単位である。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、一般式(V)中、R21が炭素数1〜12のアルキル基であるものが挙げられる。炭素数1〜12のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、水酸基、エポキシ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸tertブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、並びに、これらの構造異性体が挙げられる。解像度の向上及び剥離時間の短縮の観点から、中でも、R21は炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、置換基を有さない炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
上記一般式(V)で表される構造単位の含有割合は、共重合体である(a)バインダーポリマーの固形分全量を基準として、1〜60質量%であることが好ましく、2〜55質量%であることがより好ましく、4〜50質量%であることが更に好ましく、5〜50質量%であることが特に好ましい。この含有量が1質量%以上ではレジストの剥離性を向上することができ、60質量%以下であると解像度に優れる。
また、バインダーポリマーは、密着性及び解像度と、剥離性とのバランスの見地から、更に下記一般式(VI)で表される2価の基を構造単位として含むことができる。
Figure 2013218032
式中、R22は水素原子又はメチル基を示し、R23は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、水酸基又はハロゲン原子を示す。qは0〜5の整数を示し、qが2以上のとき、複数存在するR23は互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(VI)で表される構造単位は、ベンジル(メタ)アクリレート又はベンジル(メタ)アクリレート誘導体に基づく構造単位である。ベンジル(メタ)アクリレート誘導体としては、例えば、4−メチルベンジル(メタ)アクリレート、4−エチルベンジル(メタ)アクリレート、4−tertブチルベンジル(メタ)アクリレート、4−メトキシベンジル(メタ)アクリレート、4−エトキシベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシルベンジル(メタ)アクリレート及び4−クロロベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。上記一般式(VI)で表される構造単位は、現像性、エッチング耐性、めっき耐性及び硬化膜の可とう性を保持する観点から、中でもベンジル(メタ)アクリレート(q=0のとき)に基づく構造単位であることが好ましい。
上記一般式(VI)で表される構造単位の含有割合は、共重合体である(a)バインダーポリマーの固形分全量を基準として、5〜60質量%含むことが好ましく、10〜55質量%であることがより好ましく、15〜50質量%であることが更に好ましく、20〜45質量%であることが特に好ましい。この含有量が5質量%以上では密着性を向上することができ、60質量%以下であると剥離時間が短くなり、更に紫外線硬化後のレジストの柔軟性に優れる。
バインダーポリマーの重量平均分子量は、30000〜100000であることが好ましく、35000〜80000であることがより好ましく、40000〜60000であることが最も好ましい。この重量平均分子量が30000以上では、感光層が靭性に優れ、100000以下であると解像度を向上することができる。なお、上記重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と表記する)により測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用したものである。
バインダーポリマーの酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、50〜180mgKOH/gであることがより好ましい。
この酸価が30mgKOH/g以上では現像時間を短縮することができ、300mgKOH/g以下であると光硬化したレジストのアルカリ現像液に対する酸性を向上することができる。
(b)成分であるエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては、炭素数2〜6のオキシアルキレン単位(アルキレングリコールユニット)を分子内に4〜40有する化合物を含むことが好ましい。(b)成分としてこのような化合物を含有することによって、(a)バインダーポリマーとの相溶性を向上することができる。
分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物、水添ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物、分子内にウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート化合物、分子内に(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物及びトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記の中でも、(b)成分は、解像度及び剥離特性を向上させる観点から、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物としては、下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013218032
上記一般式(4)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。XO及びYOはそれぞれ独立に、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示す。(XO)m、(XO)m、(YO)n、(YO)nは、(ポリ)オキシエチレン鎖又は(ポリ)オキシプロピレン鎖を示す。m、m、n及びnはそれぞれ独立に、0〜40を示す。XOがオキシエチレン基、YOがオキシプロピレン基である場合、m+mは1〜40、n+nは0〜20であり、XOがオキシプロピレン基、YOがオキシエチレン基の場合、m+mは0〜20、n+nは1〜40である。m、m、n及びnは構成単位数を示す。従って単一の分子においては整数値を示し、複数種の分子の集合体としては平均値である有理数を示す。以下、構成単位数については同様である。
解像性に優れる点では、上記一般式(4)中、m+mが8〜40の範囲内である化合物と、m+mが1〜7の範囲内である化合物とを併用して用いることが好ましい。
上記一般式(II)で表される化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。これらのうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、商品名)又はFA−321M(日立化成工業(株)製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。2,2−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−200(新中村化学工業社製、商品名)として商業的に入手可能である。さらに、2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−100Y(新中村化学工業社製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
また(b)成分としては、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートも好ましく使用できる。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記一般式(VII)、(VIII)又は(IX)で表される化合物が好ましい。
Figure 2013218032
式中、R14及びR15はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、Sは1〜30を示し、r及びrはそれぞれ0〜30を示し、r+r(平均値)は1〜30である。
Figure 2013218032
式中、R16及びR17はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示し、rは1〜30を示し、s及びsはそれぞれ0〜30を示し、s+s(平均値)は1〜30である。
Figure 2013218032
式中、R18及びR19はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、メチル基であることが好ましい。EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示す。rは1〜30を示し、sは1〜30を示す。
上記一般式(VII)、(VIII)及び(IX)において、オキシエチレン単位(EO)及びオキシプロピレン単位(PO)が複数存在する場合、複数のオキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位はそれぞれ連続してブロック的に存在してもよいし、ランダムに存在してもよい。
さらに、オキシプロピレン単位がオキシイソプロピレン単位である場合、プロピレン基の2級炭素が酸素原子に結合していてもよく、1級炭素が酸素原子に結合していてもよい。
上記一般式(VII)、(VIII)及び(IX)におけるオキシエチレン構成単位の総数(r+r、r及びr)はそれぞれ独立に1〜30であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましく、4〜9であることが更に好ましく、5〜8であることが特に好ましい。この数が30以下であるとテント信頼性及びレジスト形状に優れる。
上記一般式(VII)、(VIII)及び(IX)におけるオキシプロピレン構成単位の総数(s、s+s及びs)はそれぞれ独立に1〜30であることが好ましく、5〜20であることがより好ましく、8〜16であることが更に好ましく、10〜14であることが特に好ましい。この数が30以下であると解像度を向上することができ、現像時にスラッジが発生し難くなる傾向がある。
これらの中でも、上記一般式(VIII)で表される化合物を含有することが好ましい。また、上記一般式(VIII)で表される化合物を用いる場合、エチレン性不飽和結合を一つ有する光重合性化合物を含まないことが好ましい。
上記一般式(VII)で表される化合物の具体例としては、例えば、R14及びR15がメチル基、r+r=4(平均値)、s=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成工業社製、商品名:FA−023M)等が挙げられる。
上記一般式(VIII)で表される化合物の具体例としては、例えば、R16及びR17がメチル基、r=6(平均値)、s+s=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成工業社製、商品名:FA−024M)等が挙げられる。
上記一般式(IX)で表される化合物の具体例としては、例えば、R18及びR19が水素原子、r=1(平均値)、s=9(平均値)であるビニル化合物(新中村化学工業社製、サンプル名:NKエステルHEMA−9P)等が挙げられる。
なお、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(c)成分である光重合開始剤は、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことが好ましい。これらの中でも、密着性及び感度をより向上させる観点から、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が好ましい。
また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
なお、(c)成分が2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含む場合の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体の含有割合は、(c)成分の総量を基準として、70〜100質量%であることが好ましく、85〜100質量%であることがより好ましく、90〜100質量%であることが更に好ましく、93〜100質量%であることが特に好ましい。2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体をこの割合で含有することにより、本発明の感光性エレメントはより優れた密着性及び感度を有するものとなる。
また、(c)成分である光重合性化合物は、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体と共に、下記一般式(XI)又は(XII)で示されるピラゾリン化合物を含むことが好ましい。(c)成分に、これらピラゾリン系化合物を使用することにより、レジストの吸光度を一定の範囲内で維持しつつ、光感度を高くすることが可能となり、プリント配線板の生産性を向上可能な感光性エレメントになる。
上記ピラゾリン化合物としては、下記一般式(8)又は(9)で表される化合物が好ましい。
Figure 2013218032
上記一般式(8)中、R11〜R13はそれぞれ独立に炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基又はハロゲン原子を示す。また、a、b及びcはそれぞれ独立に0〜5の整数を示し、且つ、a、b及びcの総和は1〜6である。a、b及びcの総和が2以上のとき、複数存在するR11〜R13は互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(8)中、R11〜R13のうち少なくとも一つは、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1〜3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素原子数1〜3の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基であることがより好ましく、イソプロピル基、メトキシ基又はエトキシ基であることが更に好ましい。
上記一般式(8)で表されるピラゾリン化合物としては、特に制限なく用いることができるが、具体的には、1−フェニル−3−(4−イソプロピルスチリル)−5−(4−イソプロピルフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−メトキシスチリル)−5−(4−メトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(3,5−ジメトキシスチリル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(3,4−ジメトキシスチリル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,6−ジメトキシスチリル)−5−(2,6−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,5−ジメトキシスチリル)−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,3−ジメトキシスチリル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,4−ジメトキシスチリル)−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン等の上記一般式(8)中のa=0に該当するピラゾリン化合物が挙げられる。
Figure 2013218032
上記一般式(9)中、R14〜R16はそれぞれ独立に炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基、ハロゲン原子又はフェニル基を示す。また、d、e及びfはそれぞれ独立に0〜5の整数を示し、且つ、d、e及びfの総和は1〜6である。d、e及びfの総和が2以上のとき、複数存在するR14〜R16は互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(9)中、R14〜R16のうち少なくとも一つは、炭素原子数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基又はフェニル基であることが好ましく、炭素原子数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基又はフェニル基であることがより好ましく、tert−ブチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はフェニル基であることが更に好ましい。
また、上記一般式(9)で表されるピラゾリン化合物としては、特に制限なく用いることができるが、1−フェニル−3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3,5−ビス(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−メトキシ−フェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−5−(4−イソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−メトキシ−フェニル)−5−(4−イソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1,5−ジフェニル−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1,3−ジフェニル−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1,5−ジフェニル−3−(4−イソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1,3−ジフェニル−5−(4−イソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1,5−ジフェニル−3−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1,3−ジフェニル−5−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3,5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1,5−ジフェニル−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン等が挙げられる。
(c)成分が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体と共に、ピラゾリン化合物を含む場合、その含有量は(c)成分の総量を基準として、0.5〜6.0質量%であることが好ましく、1.0〜5.0質量%であることがより好ましく、1.0〜4.0質量%であることが更に好ましい。
また、(c)成分である光重合開始剤としては、上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体及びピラゾリン化合物の他に、その他の光重合開始剤を用いてもよい。その他の光重合性化合物としては、例えば、芳香族ケトン類、p−アミノフェニルケトン類、キノン類、ベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン化合物、ベンジル誘導体、アクリジン誘導体、クマリン系化合物、オキシムエステル類、N−アリール−α−アミノ酸化合物、脂肪族多官能チオール化合物、アシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類及び3級アミン化合物類が挙げられ、これら化合物を組み合わせて使用してもよい。
(c)光重合開始剤としては、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体又はピラゾリン化合物の他に、上記芳香族ケトン類を含有することが好ましく、中でもN,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)を含有することが好ましい。
(a)成分であるバインダーポリマーの配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部を基準として、40〜70質量部であることが好ましく、45〜65質量部であることがより好ましく、50〜60質量部であることが更に好ましい。この配合量が40質量部以上では光硬化物が強靱になり、70質量部以上であると、解像度及び光感度に優れる。
(b)成分であるエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物の配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部を基準として、30〜60質量部であることが好ましく、35〜55質量部であることがより好ましく、40〜50質量部であることが更に好ましい。この配合量が30質量部以上では、解像度及び光感度を向上することができ、60質量部以下であると光硬化物が強靱になる。
(c)成分である光重合開始剤の配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.2〜10質量部であることがより好ましく、0.5〜5質量部であることが特に好ましい。この配合量が0.1質量部以上では光感度を向上することができ、20質量部以下であると、露光の際に感光性樹脂組成物の内部の光硬化が十分できる。
また、感光性樹脂組成物には、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、禁止剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等の添加剤を含有させてもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。これらの添加剤は、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部を基準にしてそれぞれ0.0001〜20質量部程度含有してもよい。
感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%程度の溶液として調製することができる。
本発明の感光性エレメント1における感光層20は、上述の感光性樹脂組成物を支持フィルム10上に塗布し、溶剤を除去することにより形成することができる。ここで、塗布方法としては、例えば、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法を採用することができる。また、溶剤の除去は、例えば、70〜150℃の温度で5〜30分間程度処理することで行うことができる。なお、感光層20中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2質量%以下とすることが好ましい。なお、上記感光性エレメント中の上記感光層は、上記感光性樹脂組成物が未硬化状態のものである。
また、感光性エレメント1は、感光層20の支持フィルム10に接する第1の主面12とは反対側の主面上に保護フィルム(図示せず)を備えていてもよい。保護フィルムとしては、感光層20と支持フィルム10との間の接着力よりも、感光層20と保護フィルムとの間の接着力が小さくなるようなフィルムを用いることが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムを用いることが好ましい。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の不活性なポリオレフィンフィルムが挙げられる。感光層20からの剥離性の見地から、ポリエチレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、用途により異なるが1〜100μm程度であることが好ましい。
感光性エレメント1は、支持フィルム10、感光層20及び保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層又は保護層を更に備えていてもよい。
本実施形態の感光性エレメント1は、例えば、そのままの状態で又は感光層20上に保護フィルムを更に積層したものを、円筒状の巻芯に巻き取った状態で貯蔵されてもよい。この際、支持フィルム10が再外層になるようにロール状に巻き取られることが好ましい。また、ロール状に巻き取った感光性エレメント1の端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の低いブラックシートに包んで包装することが好ましい。
巻芯の材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂及びABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックが挙げられる。
[レジストパターンの形成方法]
本実施形態のレジストパターンの形成方法は、感光性樹脂組成物からなる感光層を基板上に積層する積層工程と、活性光線を感光層の所定部分に照射して、感光層に光硬化部を形成する露光工程と、光硬化部以外の前記感光層を、0.3〜1.0質量%TMAHを用いて除去し、光硬化部からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を含み、感光層の膜厚T(μm)と、感光層の現像速度D(μm/秒)とが、下記式(I)で表される関係を満足することを特徴とする。
0.3Ln(T)−0.2≦D≦0.8Ln(T)−0.2 (I)
本実施形態のレジストパターンの形成方法を、上記感光性エレメント1を用いて説明する。すなわち、本実施形態のレジストパターンの形成方法は、上記感光性エレメント1を、感光層20、支持フィルム10の順に回路形成用基板上に積層する積層工程と、活性光線を、上記支持フィルム10を通して感光層20の所定部分に照射して、感光層20に光硬化部を形成させる露光工程と、上記光硬化部以外の感光層20の部分を除去する現像工程と、を含むことができる。
積層工程において、感光層20を回路形成用基板上に積層する方法としては、感光層20上に保護フィルムが存在している場合には、該保護フィルムを除去した後、感光層20を70〜130℃程度に加熱しながら回路形成用基板に0.1〜1MPa程度の圧力で圧着することにより積層する方法等が挙げられる。この積層工程において、減圧下で積層することも可能である。なお、回路形成用基板の積層される表面は通常金属面であるが、特に制限されない。また、積層性を更に向上させるために、回路形成用基板の予熱処理を行ってもよい。
次に、上記積層工程で積層が完了した感光層20に対して、ネガ又はポジマスクパターンを有するフォトマスクを支持フィルム10の第2の主面14に位置合わせをして密着させる。その後、露光工程では、感光層20に対して、支持フィルム10を通して活性光線が画像状に照射し、感光層20に光硬化部が形成される。上記活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線や可視光等を有効に放射するものが用いられる。なお、レーザー直接描画露光法を用いて、感光層20に光硬化部を形成することもできる。
次いで、上記露光工程後、フォトマスクを支持フィルム10から剥離する。さらに、支持フィルム10を感光層20から剥離除去する。次に露光工程において0.3〜1.0質量%TMAH水溶液で感光層20の未露光部(未光硬化部)を除去して現像し、レジストパターンを製造することができる。なお、現像液の温度は、本発明の効果を奏する範囲で適宜調整可能であるが、10〜30℃であることが好ましく、20〜30℃であることがより好ましい。
また、TMAH水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。また、現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング及びスラッピングが挙げられる。
また、現像工程後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光量にて露光を行うことにより、レジストパターンを更に硬化させてもよい。
[プリント配線板の製造方法]
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、上記レジストパターンの形成方法によりレジストパターンの形成された回路形成用基板に対し、エッチング又はめっきすることによって行われる。本実施形態に係る感光性エレメントは、特にめっき工程を含む方法によるプリント配線板の製造に適しており、なかでもセミアディティブ工法(SAP)への使用に適している。SAPへの使用に適している理由として、本発明者らは以下のように考えている。SAPで生産されるプリント配線板のライン幅は、サブトラクティブ工法で生産されるプリント配線板に比較し、かなり細い傾向がある。またSAPの場合、レジスト形状が、そのままめっきライン形状へ転写される。さらに、SAPで生産される極細線ラインパターンを有するプリント配線板の場合、微小なレジスト欠けの発生により、生産歩留りを低下させる傾向がある。これらの要求から、本実施形態に係る感光性エレメントは、特にSAPへの使用に適している。
エッチングに用いられるエッチング液としては、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液及びアルカリエッチング溶液を用いることができる。
めっきとしては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき及び金めっきが挙げられる。
エッチング又はめっきを行った後、レジストパターンは、例えば、現像に用いた0.3〜1.0質量%TMAH水溶液より更に強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液及び1〜10質量%水酸化カリウム水溶液が用いられる。また、剥離方式としては、例えば、浸漬方式及びスプレー方式が挙げられる。なお、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
また、めっきが絶縁層と絶縁層上に形成された導体層とを備えた回路形成用基板に対して行われた場合には、パターン以外の導体層を除去する必要がある。この除去方法としては、例えば、レジストパターンを剥離した後に軽くエッチングする方法や、上記めっきに続いてはんだめっき等を行い、その後レジストパターンを剥離することで配線部分をはんだでマスクし、次いで導体層のみをエッチング可能なエッチング液を用いて処理する方法が挙げられる。
(半導体パッケージ基板の製造方法)
本発明の感光性エレメント1は、リジット基板と、そのリジット基板上に形成された絶縁膜とを備えるパッケージ基板に用いることもできる。この場合、感光層の光硬化部を絶縁膜として用いればよい。感光層の光硬化部を、例えば半導体パッケージ用のソルダーレジストとして用いる場合は、上述のレジストパターンの形成方法における現像終了後、はんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射や加熱を行うことが好ましい。紫外線を照射させる場合は必要に応じてその照射量を調整することができ、例えば0.2〜10J/cm程度の照射量で照射を行うこともできる。また、レジストパターンを加熱する場合は、100〜170℃程度の範囲で15〜90分程行われることが好ましい。さらに紫外線照射と加熱とを同時に行うこともでき、いずれか一方を実施した後、他方を実施することもできる。紫外線の照射と加熱とを同時に行う場合、はんだ耐熱性、耐薬品性等を効果的に付与する観点から、60〜150℃に加熱することがより好ましい。
このソルダーレジストは、基板にはんだ付けを施した後の配線の保護膜を兼ね、引張強度や伸び率等の物理特性及び耐熱衝撃性に優れているので、半導体パッケージ用の永久マスクとして有効である。
このようにしてレジストパターンを備えたパッケージ基板は、その後、半導体素子などの実装(例えば、ワイヤーボンディング、はんだ接続)がなされ、そして、パソコン等の電子機器へ装着される。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形態様が可能である。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(感光性樹脂組成物の基本溶液の作製)
まず、表1に示す組成のバインダーポリマーを下記合成例にしたがって合成した。
(合成例1)
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、質量比6:4であるトルエン及びメチルセロソルブの配合物420gを加え、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して、80℃まで加熱した。
一方、共重合単量体としてメタクリル酸162g、メタクリル酸メチル30g、スチレン270g及びメタクリル酸ベンジル138gと、アゾビスイソブチロニトリル5.4gとを混合した溶液(以下、「溶液a」という。)を用意し、80℃に加熱された質量比6:4であるトルエン及びメチルセロソルブの上記配合物に溶液aを4時間かけて滴下した。
その後、質量比6:4であるトルエン及びメチルセロソルブの配合物40gを用い滴下ロートを洗浄し、フラスコ内に加え、80℃で撹拌しながら2時間保温した。さらに、質量比6:4であるメチルセロソルブ及びトルエンの配合物40gにアゾビスイソブチロニトリル1.0gを溶解した溶液を、30分かけてフラスコ内に滴下した。そして、質量比6:4であるトルエン及びメチルセロソルブの配合物120gを用い滴下ロートを洗浄し、フラスコ内に加えた。滴下後の溶液を撹拌しながら80℃で3時間保温した後、30分間かけて90℃に加温した。
90℃で2時間保温した後、冷却して(a−1)成分であるバインダーポリマー溶液を得た。このバインダーポリマー溶液に、トルエンを加えて不揮発成分濃度(固形分濃度)が40質量%になるように調製した。バインダーポリマーの重量平均分子量は、45000であった。なお、バインダーポリマーの重量平均分子量はGPC法によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより算出した。GPCの条件を以下に示す。また、バインダーポリマーの酸価を下記測定手順に従い測定した結果、酸価は175mgKOH/gであった。
(合成例2)
共重合単量体としてメタクリル酸180g、メタクリル酸メチル210g及びメタクリル酸ブチル210gと、アゾビスイソブチロニトリル5.4gとを混合した溶液(以下、「溶液b」という。)を用意した以外は、合成例1と同様の操作をして(a−2)成分であるバインダーポリマー溶液を得た。このバインダーポリマー溶液に、トルエンを加えて不揮発成分濃度(固形分濃度)が40質量%になるように調製した。バインダーポリマーの重量平均分子量は、45000であった。また、バインダーポリマーの酸価は195mgKOH/gであった。
(GPC条件)
ポンプ:日立 L−6000型((株)日立製作所社製、商品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、(株)日立化成工業社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:40℃
試料濃度:120mg/5mL
注入量:200μL
圧力:49Kgf/cm
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所社製、商品名)
(酸価測定)
三角フラスコに合成したバインダーポリマーを秤量し、混合溶剤(質量比:トルエン/メタノール=70/30)を加え溶解後、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を添加し、N/10水酸化カリウムアルコール溶液で滴定し、酸価を測定した。
Figure 2013218032
下記表2及び3に示す配合量(g)で各成分、溶剤としてメタノール5g、アセトン9g、トルエン5gを配合して、実施例及び比較例の感光性樹脂組成物の溶液を調製した。なお、(a)成分の配合量のうち、()内の数値は固形分量を示す。
b−1:FA−321M(2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、日立化成工業社製、商品名)
b−2:BPE−200(2,2−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、新中村工業社製、商品名)
b−3:FA−024M(上記一般式(VIII)で表される化合物であり、R16及びR17がメチル基、r=6(平均値)、s+s=12(平均値)であるビニル化合物、日立化成工業社製、商品名)
b−4:FA−MECH(γ−クロロ−2−ヒロドキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエリル−o−フタレート、日立化成工業社製、商品名)
c−1:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体
c−2:1−フェニル−3−(4−メトキシスチリル)−5−(4−メトキシフェニル)ピラゾリン
c−3:1−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)ピラゾリン
c−4:1,3−ジフェニル−5−(4−イソプロピルフェニル)ピラゾリン
c−5:N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン
c−6:4−t−ブチルカテコール
LCV:ロイコクリスタルバイオレット(山田化学(株)製、商品名)
MKG:マラカイトグリーン(大阪有機化学工業(株)製、商品名)
(感光性エレメントの作製)
支持フィルムとして、微粒子を含有する層を表裏に有する3層構造の二軸配向PETフィルム:FB−40(東レ社製、商品名、膜厚16μm、直径5μm以上の粒子等の個数1個/mm、ヘーズ0.4%))を準備した。次に、PETフィルム上に上記感光性樹脂組成物の溶液を厚さが均一になるようにして塗布し、95℃の熱風対流乾燥機で10分間乾燥して溶媒を除去した。乾燥後、ポリエチレン製保護フィルム(タマポリ社製、商品名「NF−15」、厚さ20μm)で感光層を被覆して感光性エレメントを得た。なお、乾燥後の感光層の膜厚が、表2及び3に示す膜厚となるように感光性樹脂組成物の溶液の塗布量を調整した。
(積層体の作製)
銅箔(厚さ:35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張積層板(日立化成工業社製、商品名「MLC−E−679」)の銅表面を、表面粗化処理液「メックエッチボンド CZ−8100」(メック社製、商品名)を用い表面処理し、酸洗及び水洗後、空気流で乾燥した。得られた銅張積層板を80℃に加温し、保護フィルムを剥離しながら、感光層が銅表面に接するように感光性エレメントをラミネートした。こうして、銅張積層板、感光層、支持フィルムの順に積層された積層体を得た。ラミネートは、120℃のヒートロールを用いて、0.4MPaの圧着圧力、1.5m/分のロール速度で行なった。これらの積層体は、以下に示す試験における試験片として用いた。
(最少現像時間の測定)
上記試験片を30mm×30mmのサイズにカットし、支持フィルムをはく離した後、20℃の表2及び3記載の現像液を用い、未露光状態の感光層をスプレー現像し、未露光部が完全に除去される時間を測定し、最少現像時間とする。なお、現像機のノズルは、フルコーンタイプを使用し、スプレー圧力は0.06MPaである。上記試験片とノズル先端の距離は、6cmであり、試験片の中心とノズルの中心が一致するように配置した。感光層の膜厚(単位:μm)を最少現像時間(単位:秒)で割ることで、現像速度を算出した。測定結果を表2及び3に示す。
(光感度測定試験)
試験片の支持フィルム上に、ネガとして41段ステップタブレット(日立化成工業社製、商品名)を載置し、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク社製、商品名「EXM−1201」)及びi線バンドパスフィルターを用いて、現像後のレジスト硬化段数が11段になる所定の照射エネルギー量となるように感光層を露光した。次に、支持フィルムを剥離し、20℃の表2及び3記載の現像液を最少現像時間の2倍の時間でスプレー現像し、未露光部分を除去して現像を行った。そして、銅張積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数が11段になっていることを確認し、このときの露光量を各感光層の所定の照射エネルギー量とした。
(解像度測定試験)
解像度を調べるため、41段ステップタブレットを有するフォトツールと、解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が2/2〜30/30(単位:μm)の配線パターンを有するガラスクロムタイプのフォトツールとを試験片の支持フィルム上に密着させ、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク社製、商品名「EXM−1201」)及びi線バンドパスフィルターを用いて、41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が11段となる照射エネルギー量で露光を行った。次に、支持フィルムを剥離し、20℃の表2及び3記載の現像液を最少現像時間の2倍の時間でスプレー現像し、未露光部分を除去して現像を行った。ここで、解像度は、現像処理後に光学顕微鏡を用いてレジストパターンを観察したとき、未露光部を完全に除去することができたライン幅間のスペース幅の最も小さい幅(単位:μm)を測定することにより評価した。なお、解像度の評価は数値が小さいほど良好な値である。結果を表2及び3に示す。
(密着性測定試験)
密着性を調べるため、41段ステップタブレットを有するフォトツールと、密着性評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が2/6〜30/90(単位:μm)の配線パターンを有するガラスクロムタイプのフォトツールとを試験片の支持フィルム上に密着させ、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク社製、商品名「EXM−1201」)を用いて、41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が11.0となる照射エネルギー量で露光を行った。次に、支持フィルムを剥離し、20℃の表2及び3記載の現像液を最少現像時間の2倍の時間でスプレー現像し、未露光部分を除去して現像を行った。ここで、密着性は、現像処理によって未露光部をきれいに除去することができ、現像処理後に光学顕微鏡を用いてレジストパターンを観察したとき、剥がれ及びよれがなく残ったライン幅のうち最も小さい幅(単位:μm)を測定することにより評価した。なお、密着性の評価は数値が小さいほど良好な値である。結果を表2及び3に示す。
Figure 2013218032
Figure 2013218032
表2に示すように、実施例で作製した感光性エレメントを用いることで、現像時間を短縮でき、密着性及び解像度が良好であるレジストパターンを形成できる。
1…感光性エレメント、10…支持フィルム、12…第1の主面、14…第2の主面、20…感光層。

Claims (4)

  1. 感光性樹脂組成物からなる感光層を基板上に積層する積層工程と、
    活性光線を前記感光層の所定部分に照射して、前記感光層に光硬化部を形成する露光工程と、
    前記光硬化部以外の領域を、0.3〜1.0質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて除去し、前記光硬化部からなるレジストパターンを形成する現像工程と、
    を含むレジストパターンの形成方法であって、
    前記感光層の膜厚T(μm)と、前記感光層の現像速度D(μm/秒)とが、下記式(I)で表される関係を満足する、レジストパターンの形成方法。
    0.3Ln(T)−0.2≦D≦0.8Ln(T)−0.2 (I)
  2. 前記感光性樹脂組成物が、バインダーポリマーと、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する、請求項1に記載のレジストパターンの形成方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法によりレジストパターンが形成された基板を、エッチング又はめっきする工程を含む、プリント配線板の製造方法。
  4. 支持フィルムと、前記支持フィルム上に形成される感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性エレメントであって、
    前記感光層が、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有し、
    0.3〜1.0質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて前記感光層を現像する際の前記感光層の膜厚T(μm)と、前記感光層の現像速度D(μm/秒)とが、下記式(I)で表される関係を満足する、感光性エレメント。
    0.3Ln(T)−0.2≦D≦0.8Ln(T)−0.2 (I)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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