JP2013217879A - 血球除去デバイス及び細菌検査装置 - Google Patents

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康則 庄司
Le Gak Sevaleen
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Abstract

【課題】血液検体から培養を行わずに細菌を顕微鏡観察する為に十分な量の血液検体に対して血液除去処理を行うことができる血球除去デバイス及び細菌検査装置を提供する。
【解決手段】温度ムラの生じにくい薄板状デバイスを、ヒータで挟み込むことでデバイスに保持する血液検体の温度を室温から70℃程度まで1分以内に上昇させることで血球成分の除去処理を可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は人体由来の検体、特に血液を採取して、検体内に含まれる細菌を識別するための血球除去に用いるデバイス及び細菌検査装置に関する。
敗血症・菌血症の診断において、本来無菌である血液から細菌(細菌あるいは真菌)などを迅速に検出することは重要性が高い。敗血症・菌血症は、診断や適切な治療が遅れると患者が重篤な状態になるリスクがある感染症であるからである。検体である患者の血液で検出される細菌の種を同定し、その細菌の抗生物質に対する感受性を測定することで、効果のある抗生物質の種類及びその濃度を決定できる。つまり治療方針をたてることが可能となり、ひいては適正な治療につながる。
血液を対象とした細菌検査では、まず患者から採集した血液に関して血液培養検査を実施する。これは血液検体で検出される細菌の濃度が、10CFU/mL程度であっても、敗血症や菌血症と診断されることがあるためである。この程度の濃度では、血液におよそ109個/mLの濃度で存在する赤血球やおよそ107個/mLの濃度で存在する白血球が邪魔してそのままでは細菌を検出することが困難であるためである。そこで8時間〜1晩程度培養ボトル中で血液培養を行って細菌を増殖させてから検査を行うことが一般的である。
血液培養で陽性判定がなされた検体については、塗抹検査を実施する。すなわち、存在した菌が球菌であるか又は桿菌であるかを顕微鏡にて観察し、さらにグラム染色液にて染色して菌がグラム陽性菌であるかグラム陰性菌であるかを判定する。グラム染色における染色性の違いは細胞壁の構造の違いに由来し、細胞壁のペプチドグリカン層が厚く脂質が少ない細胞壁を持つ場合は紫色に染まり、グラム陽性菌と判断される。一方、ペプチドグリカン層が薄く脂質が多い細胞壁を持つ場合には赤色に染まり、グラム陰性菌と判断される。この細胞壁の構造の違いは、菌を判定する上で重要な情報であり、球菌、桿菌の判定と共に細菌検査には不可欠のものである。
続いて培養ボトルからサンプルを培地に塗布して分離培養し、形成されたコロニーから菌懸濁液を調製する。菌懸濁液を同定検査用デバイス、あるいは薬剤感受性検査用デバイスに導入して、装置内で培養することによって存在する菌の同定及び薬剤感受性の評価を実施する。血液培養検査装置と同定・薬剤感受性検査装置は別々に独立したものを使用している。同定・薬剤感受性検査装置の同定検査用デバイスの測定結果から細菌の同定を行い、薬剤感受性検査用デバイスの測定結果からその細菌の抗生物質の感受性を決定している。
以上が、血液培養検査における一般的な検査の流れである。前述したように、敗血症・菌血症においては患者が重篤な状態になることを防ぐために、細菌の種の同定や、抗生剤に対する感受性を迅速に測定することが求められている。そこで、血液培養検査において、時間がかかるコロニー育成の培養工程を省略するための研究が盛んに行われている。例えば、血液培養を行わずに、検体から直接、核酸抽出を行ってその後PCRを行い、細菌の種の同定を行なう方法などが開発されている。しかし、この場合は核酸抽出の段階で細菌を破壊するため、顕微鏡で細菌の形状を観察することができない。従って、同定結果が得られるまでは、細菌が球菌であるか桿菌であるかや、グラム陽性菌であるかグラム陰性菌であるかを知ることはできない。つまり、血液検体において細菌の形状を観察したり、グラム判定を行なうには血液培養を行うしか方法がないのが現状である。
血液検体において血液培養の工程が必要な理由は、血液は、細菌が元々存在しない無菌検体であり、重篤な敗血症患者でもその菌濃度は10CFU/mL程度と小さいためである。また、血液中に存在する赤血球や白血球の濃度はそれぞれ109個/mL、107個/mL程度であって細菌の濃度よりも高く、血液培養によって細菌を増殖させないと赤血球や白血球が邪魔となって細菌を顕微鏡で観察できないことも血液培養が必要な理由である。
細菌の観察において邪魔となる赤血球や白血球を破壊する方法として、特許文献1や特許文献2には、血液検体を内径0.5mm程度のキャピラリに導入し、60〜90℃の温度で数秒〜十数分程度加熱して血球成分を破壊する方法が開示されている。加熱温度が低すぎたり、時間が短すぎると血球成分が破壊されずに検体中に残り、逆に加熱温度が高すぎたり、時間が長すぎたりすると検体がゲル化するために、熱伝導性に優れ、温度ムラが発生しないガラスやステンレス製のキャピラリを用いている。
EP 2249164 A1 EP 1876450 B1
敗血症や菌血症では、細菌濃度が1〜10CFU/mL程度と希薄である。従って血液検体から培養を行わずに細菌を顕微鏡観察するには、例えば1mL以上といった、検体中の濃度が低い細菌を十分に得られる量の血液検体から血球を除去して細菌を観察することが必要である。
一方で、特許文献1や特許文献2の方法で処理できる検体量は、数十マイクロリットル程度である。従って、特許文献1や特許文献2の方法は、処理体積が小さいために、細菌を取りこぼすおそれがあり、敗血症や菌血症における細菌の顕微鏡観察には適用できないという課題がある。
そこで本発明は、例えば1mL以上といった、血液検体から培養を行わずに細菌を顕微鏡観察する為に十分な量の血液検体から、血球除去処理を簡便に行うことができる血球除去デバイス及び細菌検査装置を提供することを目的とする。
上述した課題の少なくとも一の課題を解決するための本発明の一態様として、血液検体が入った検体容器を配置する検体ラックと、血球除去デバイスを配置するデバイスラックと、前記血球除去デバイスに接続されるピペットチップを配置するチップラックと、前記血球除去デバイスを加熱する加熱部と、3次元方向に移動自在なノズルを備え、当該ノズル先端から吸引・吐出動作を行うノズル機構と、装置各部を制御する制御部とを有する細菌検査装置を用いる。前記血球除去デバイスは、血液検体を保持する空洞を内部に備え平坦な表面を有する平板状薄板部と、前記平板状薄板部の上部に当該平板状薄板部と一体に形成された帯状の厚板部と、前記空洞に連通する一対の吸引・吐出口とを有し、前記一対の吸引・吐出口が前記厚板部の長さ方向の両端部に設けられる。
また、上述した課題の少なくとも一の課題を解決するための本発明の一態様として、前記細菌検査装置の制御部にて、前記ノズル機構を駆動して前記ノズルに前記血球除去デバイスを装着する制御、前記前記ノズル機構を駆動して前記ノズルに装着された前記血球除去デバイスに前記ピペットチップを装着する制御、前記ノズル機構を制御して前記検体容器中の血液検体を前記ピペットチップを介して前記血球除去デバイスの前記空洞に吸引する制御、前記血液検体を吸引した前記血球除去デバイスを前記加熱部により加熱して前記血液検体中の血球を除去する制御を行う。
本発明の血球除去デバイスを用いることにより、血液検体から培養を行わずに細菌を顕微鏡観察する為に十分な量の血液検体から血球成分を簡便に除去できるようになり、細菌の顕微鏡観察などを実施することが可能となる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明による細菌検査装置の例を示す概略図である。 血球除去に用いるデバイスの一例の正面模式図である。 血球除去に用いるデバイスの一例の側面模式図である。 デバイスの空洞と支えの形成方法の例を示す分解組立図である。 デバイスの空洞と支えの形成方法の例を示す分解組立図である。 血球除去に用いるデバイスの一例の正面模式図である。 血球除去に用いるデバイスの例を示す模式図である。 血球除去に用いるデバイスの例を示す模式図である。 血球除去に用いるデバイスの例を示す模式図である。 血球除去のフローを示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 本発明による血球除去に用いるデバイスの他の例を示す模式図である。 デバイスに流路を形成する方法の例を示す分解組立図である。 デバイスに流路を形成する方法の例を示す分解組立図である。 血球除去のフローを示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 血球除去のフローにおける一工程を示す図である。 加熱処理時のデバイス表面と、デバイスに吸引した検体の温度変化を示す図である。 加熱処理時のデバイス表面と、デバイスに吸引した検体の温度変化を示す図である。 デバイスの樹脂膜の厚さと、デバイス内の検体が70℃に到達するまでの時間の関係を示す図である。 デバイスの空洞あるいは流路の深さと、デバイス内の検体が70℃に到達するまでの時間の関係を示す図である。 本発明の血球除去操作を行う前の血液を顕微鏡観察した例を示す図である。 本発明の血球除去操作を行った後の血液を顕微鏡観察した例を示す図である。
以下、本発明に係る細菌検査装置及びこれに使用する血球除去に用いるデバイスについて、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による細菌検査装置の実施例を示す概略図である。本実施例の細菌検査装置は、載置台11上に位置決めして配置された、検体ラック12、チップラック13、デバイスラック14、ヒートブロック15a,15b、チューブラック16、廃棄物用容器18を備える。検体ラック12には、検体容器としての複数の採血管42が決められた位置に収容される。チップラック13には、複数のディスポーザブルピペットチップ41がそれぞれ決められた位置に収容される。デバイスラック14には、複数のデバイス50が収容される。ヒートブロック15aはデバイス50を加熱するためのものであり、ヒートブロック15bは加熱されたデバイス50を除熱して室温に戻すためのものである。チューブラック16には複数のチューブ43が収容される。デバイスとピペットチップは検体ごとに取り替えられ、使用済みのピペットチップ41やデバイス50は廃棄物用容器18に廃棄される。廃棄物用容器18は、ノズル機構19に装着されたデバイス50やディスポーザブルピペットチップ41を取り外すための補助具45を備える。
検体ラック12には、従来よく用いられている外径10mm程度、長さ100mm程度の採血管42が複数配置される。チップラック13には、従来よく用いられている外形3〜7mm程度、長さ25〜80mm程度のディスポーザブルピペットチップ41が先端を下向きにした状態で複数本配置される。チューブラック16には、従来よく用いられている外形10mm程度、長さ50〜100mm程度のチューブ43が開口部を上に向けた状態で複数本配置される。ヒートブロック15a,15bは、それぞれ温度調整された一対のブロックを備える。一対のヒートブロックは、駆動ステージ17a,17bによって相互に近接あるいは離間する方向に駆動され、後述するように、その間にデバイス50を挟んで加熱あるいは除熱する。ヒートブロック15aは、デバイスを室温から75℃程度までに加熱するためのものである。ここで、室温とは15〜25℃程度の温度を意味している。
載置台11の上方には、ノズル機構19が配置されている。ノズル機構19は、XYZステージあるいはロボット機構など既知の駆動手段によって3次元方向、すなわちX,Y,Z方向に移動が可能であり、載置台11上の所望位置にアクセスすることができる。ノズル機構19の先端は、後述するデバイス50の吸引・吐出口を装着できる形状になっている。ノズル機構19はヒンジ部19aを有しており、先端部分を少なくとも90度回転させる動作が可能である。また、ノズル機構19にはポンプ19bが接続されており、ポンプ19bを動作させてノズル先端に陰圧あるいは陽圧を発生させることができる。
更に、細菌検査装置は制御部20を備える。制御部20はコンピュータによって構成することができる。制御部20は、ノズル機構19のノズル先端の位置決め及び駆動制御、ポンプ19bの駆動制御、ヒートブロック15a,15bの温度制御、ステージ17a,17bの駆動制御など、装置全体の制御を行う。載置台11上に配置された検体ラック12、チップラック13、デバイスラック14、ヒートブロック15a,15b、チューブラック16、廃棄物用容器18の原点位置情報、及び、検体ラック12上における採血管42の配列情報、チップラック13上におけるディスポーザブルピペットチップ41の配列情報、デバイスラック14上におけるデバイスの配列情報、チューブラック16上におけるチューブ43の配列情報などは予め制御部20に入力されており、制御部20は、これらの情報に基づいてノズル機構19を所望位置に駆動制御する。また、制御部20には、処理条件や生物学的試料に関する情報、その他の各種情報が入力される。
図2及び図3は、細菌検査装置において血球除去に用いられるデバイス50の例を示す概略図である。デバイス50を構成する材料は、特に限定されるものではないが、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル系樹脂などの樹脂や金属素材や、樹脂と金属素材の複合体などを用いることができる。
図2はデバイス50の一実施例の正面摸式図、図3はその側面摸式図である。デバイス50は、縦、横がそれぞれ数十ミリメートル程度、奥行が数ミリメートル程度の薄板の形状をした平坦な表面を有する平板状薄板部51と、その上部に平板状薄板部51と一体に形成された帯状の厚板部52を有する。平板状薄板部51は、内部に血液検体を保持するための貯留部としての空洞54を備える。厚板部52の長さ方向両端部には、外部から検体を空洞54へ導入したり、吐出したりするための吸引・吐出口53a,53bが設けられている。空洞54と吸引・吐出口53a,53bの間は細い流路56a、56bによって接続されている。吸引・吐出口53a,53bの寸法や形状は、ピペットチップ41の上端やノズル機構19の先端にフィットするように設計されている。空洞54の寸法は、直径40〜60mm、深さ1〜6mmであり、1〜10mL程度の血液検体を吸引して処理できるように設計されている。また、空洞54が潰れないように、空洞54の中に支え55が設けられている。
図4及び図5は、デバイス50の空洞54と支え55の形成方法の例を示す分解組立図である。図4、図5は、いずれもデバイス50の平板状薄板部51を側面から見た拡大図である。
図4に示した形成方法では、デバイス50の平板状薄板部51の本体に直径45mm程度の貫通穴を設けて空洞54とし、空洞54のほぼ中央部に本体とは別体の支え55を配置する。そして、平板状薄板部51の表裏に厚さ0.2mm程度の樹脂膜57a,57bを貼り付けて穴を塞ぐことで、内部に支え55を配置した空洞54を形成する。すなわち、樹脂膜57a,57bは、平板状薄板部51に設けられた空洞の板厚方向壁部を構成する。支え55は、樹脂膜57a,57bに貼り付いて、空洞54の中央領域に固定される。空洞54の加工に当たっては、平板状薄板部51の本体を切削して空洞54を形成してもよいし、デバイス50本体を成型する際に平板状薄板部51に空洞54ができるような金型を用いて成形してもよい。
図5に示した形成方法は、平板状薄板部51の本体に直径45mm程度の環状凹部を設けることで空洞54と支え55を作製し、平板状薄板部51本体の片側(図5では平板状薄板部51の右側)に、厚さ0.2mm程度の樹脂膜57を貼り付けて穴を塞ぐことで、内部に支え55を有する空洞54を形成する。本例のように空洞54と支え55を同時に形成する場合においても、平板状薄板部51の本体を環状に切削して空洞54と支え55を形成してもよいし、デバイス50本体を成型する際に、平板状薄板部51に空洞54と支え55ができるような金型を用いて成形してもよい。
樹脂膜57,57a,57bは、デバイス50本体に熱溶着で貼り付けてもよいし、接着剤で貼り付けてもよい。樹脂膜57,57a,57bの厚さは0.1〜0.3mm程度であり、この厚さでは容易に変形する恐れがあるため、変形を防止するために空洞54の中に支え55を持つ構造となっている。
支え55の位置や数は特に限定されないが、変形防止のため、図2に示すように空洞54の中央部に配置したり、図6に示すように、複数の支え55を実質的に等間隔になるように配置することが望ましい。また、空気抜きなどのため、3個以上の吸引・吐出口53a〜53cを設けてもよい。
空洞54の形状は特に限定されないが、空洞54に血液検体を導入し熱処理を行った後で排出をする際に、液残りの生じない形状とするのが望ましい。例えば、図7に示すような円状であってもよいし、図8に示すように四隅に丸みを持たせた四角形のような形状であってもよい。但し、図9に示すような角張った隅部を有する形状は、隅部に液残りが発生するため好ましくない。
図10に、本発明の細菌検査装置において血球除去処理を行う際のフローを示す。まず、ステップ11において制御部20は、ノズル機構19をXY方向に駆動制御してノズル先端をデバイスラック14の上方に移動させ、その後、Z方向に駆動制御してデバイスラック14に配置された一つのデバイスに向けて下降させ、ノズル機構19の先端にデバイス50を装着する(図11)。ノズル機構19の先端とデバイス50の吸引・吐出口53bは、ノズル機構19の外径がデバイス50の吸引・吐出口53の内径よりわずかに大きく設計されており、上からノズル機構19をデバイス50の吸引・吐出口53bに押し込むことによって接続される。
次に、ステップ12において制御部20は、先端にデバイス50を装着したノズル機構19をZ方向に駆動制御して上昇させた後、チップラック13の上方に移動させ、その後下降させてディスポーザブルピペットチップ41をデバイス50の先端に装着する(図12)。デバイス50の吸引・吐出口53aの外形は、ディスポーザブルピペットチップ41の上端部の内径よりもわずかに大きく設計されており、上からデバイス50の吸引・吐出口53aをディスポーザブルピペットチップ41の上端に押し込むことによって接続を行う。
次に、ステップ13において制御部20は、ノズル機構19をZ方向に駆動制御して上昇させた後、検体ラック12に置かれた一つの採血管42の上方に駆動制御し、その後下降させて、ディスポーザブルピペットチップ41の先端をその採血管42内の血液検体に浸す。続いて、制御部20は、ノズル機構19に接続されているポンプ19bを駆動制御して、検体をデバイス50内部に吸引する(図13)。
次に、ステップ14において制御部20は、ノズル機構19をZ方向に駆動制御することによって上昇させ、その状態でノズル機構19に接続されているポンプを駆動制御して、ディスポーザブルピペットチップ41の先端から空気をわずかに吸引する。この操作により、デバイス50内部に吸引された血液検体が全てデバイス50の空洞部分54に位置するように調節される(図14)。
次に、ステップ15において制御部20は、ノズル機構19のヒンジ部19aを動作させてデバイス50の向きを90°回転させ、ノズル機構19やディスポーザブルピペットチップ41が水平になってデバイス50の左右に位置するようにする(図15)。
次に、ステップ16において制御部20は、ノズル機構19をXYZ方向に駆動制御して、デバイス50をヒートブロック15aの位置に移動させる。続いて、ステージ17aを駆動し、予め所定の温度に設定したヒートブロック15aを互いに接近する方向に移動させ、デバイス50を挟み込んで熱処理を行う(図16)。図17は、ヒートブロック15aがデバイス50を挟み込んでいる様子を横方向から見た図である。ノズル機構19や、ディスポーザブルピペットチップ41とデバイス50との接続部があるデバイス50上部の厚板部52は、ヒートブロック15aの外部に位置する。一方、血液検体を保持している空洞部分54が形成されているデバイス50の平板状薄板部51は、突起物がないためヒートブロック15aが密着する。こうして熱伝達効率の高い密着状態で、ヒートブロック15aによる加熱処理が行われる。ヒートブロック15aに所定時間挟んで加熱されたデバイス50は、同様にして除熱用のヒートブロック15bの位置に移動され、所定時間ヒートブロック15bに挟まれて除熱される。熱処理が終わると、制御部20はステージ17bを駆動制御し、ヒートブロック15bを開いてデバイス50を解放する。
続いて、ステップ17に進んで制御部20は、デバイス50を上方に移動させ、ノズル機構19のヒンジ部19aを動作させる。この動作によって、デバイスは90゜回転し、図12に示すようにディスポーザブルピペットチップ41の先端が下を向いた姿勢となる。
次に、ステップ18において制御部20は、ノズル機構19をXYZ方向に駆動して、デバイス50のピペットチップ41と接続された吸引・吐出口53aを廃棄物用容器の補助具45の位置に移動させ、デバイス50からディスポーザブルピペットチップ41を外す。図18〜20は、デバイス50からディスポーザブルピペットチップ41をはずす動作を説明する模式図である。最初に、図18に示すように、デバイス50の吸引・吐出口53aの外形よりわずかに広く、ディスポーザブルピペットチップ41の上端部の最大外径よりも狭い隙間46を有する補助具45にデバイス50を近接させる。次に、図19に示すように、ディスポーザブルピペットチップ41が接続されたデバイス50の吸引・吐出口53aを補助具45の隙間46に挿入する。次に、図20に示すように、ノズル機構19を上昇させることで、デバイス50の吸引・吐出口53aからディスポーザブルピペットチップ41を外すことができる。
その後、ステップ19において制御部20は、ノズル機構19をXYZ方向に駆動してチップラック13の上方に移動し、その後、下降させて新しいディスポーザブルピペットチップ41をデバイス50の先端に装着する。
次に、ステップ20において制御部20は、ノズル機構19をXYZステージ動作によってチューブラック16の上方に移動し、ポンプ19bを動作させて熱処理を施した血液検体をチューブ43に吐出する(図21)。
次に、ステップ21において制御部20は、ノズル機構19を駆動してデバイス50を廃棄物用容器の補助具45の位置に移動させ、ノズル機構19からデバイス50を外す。この動作は、図18〜20に示したデバイス50からディスポーザブルピペットチップ41を外す動作と同じ要領で行う。この後さらに別の検体を処理する場合には、図10のフローの最初に戻り、ノズル機構19の先端に新たなデバイスを装着する。こうして、本実施例の細菌検査装置は、血球成分の除去処理を自動的に実施できる。
血液検体をチューブ43に吐出した後の工程は、従来の細菌検査の工程と同じである。つまり、血液検体から血球成分を除去した後に細菌の同定を行ったり、細菌の形状を顕微鏡観察するなど様々な処理を実施することができる。具体的には、チューブ43に吐出された血液検体から核酸を抽出してPCR検査を行ってもよいし、スライドグラス上に検体を塗布してグラム染色などを実施して顕微鏡観察を行ってもよい。
図22〜24は、本発明によるデバイスの他の実施例を示す模式図である。図22は、本実施例のデバイス60を正面から見た模式図である。本実施例のデバイス60は、図2等に示した実施例と同様に、縦、横がそれぞれ数十ミリメートル程度、奥行が数ミリメートル程度の薄板の形状をした平坦な表面を有する平板状薄板部61と、その上部に平板状薄板部61と一体に形成された帯状の厚板部62を有する。平板状薄板部61は内部に、血液検体を導入し少なくとも熱処理の間保持するための空洞として機能する流路64を備える。厚板部62の長さ方向両端部には、外部から検体を流路64へ導入したり、吐出したりするための吸引・吐出口63a,63bが設けられている。吸引・吐出口63a,63bの寸法や形状は、ピペットチップ41の上端やノズル機構19の先端にフィットするように設計されている。
図22に示すように、本実施例では、デバイス60に設ける空洞を流路状とし、流路64内に導入した検体を熱処理し、その後の処理を行う別のデバイスやチューブに吐出するようにした。流路64は0.3〜3mm程度の幅(高さ)の流路である。本実施例では、流路64内に検体が流れる時間を制御することで、加熱処理が完了するようにする。
図23及び図24は、デバイス60に流路64を形成する方法の例を示す分解組立図であり、デバイスを側面から見た模式図である。図23に示した方法では、デバイス60の平板状薄板部61に表裏に貫通するジグザグ状の溝を空け、平板状薄板部61の両側(図23では平板状薄板部61の左右)に厚さ0.2mmの樹脂膜67a,67bを貼り付けて、流路64を形成した。図24に示した方法では、デバイス60の平板状薄板部61に切削にてジグザグ状の流路64を形成してから、あるいは成型によって流路64を形成してから、樹脂膜67を貼り付けてデバイス60を作製した。なお、流路64の形状は、図のように折り返し部が角張ったジグザグ状に限らず、折り返し部が円弧状に湾曲したジグザグ状、2重の渦巻き状など、他の形状でも構わない。
図25に、図22に示した流路を持つデバイスを用いて血球除去処理を行う際のフローを示す。
まず、ステップ31において制御部20は、ノズル機構19をXY駆動制御してチューブラック43の上方に移動させ、その後、Z方向に駆動制御して下降させ、ノズル機構19の先端にチューブ47を装着する(図26)。チューブ47には一対の接続管48,49が固定されており、一方の接続管48にノズル機構19のノズル先端を挿入することでチューブ47を装着する。本実施例では、チューブ47は、上記挿入動作が可能なようにチューブラック16に横向きにして載置する。
次に、ステップ32において制御部20は、ノズル機構19をXY方向に駆動してデバイスラック14の上方に移動させ、続いてZ方向に駆動して下降させ、チューブ47の下向きの接続管49にデバイス60の吸引・吐出口63bを突き当てることで、デバイス60をチューブ47の先端に装着する(図27)。
さらに、ステップ33において制御部20は、チューブ47とデバイス60を直列に装着したノズル機構19をXYZ駆動してチップラック13の上方に移動させ、続いて下降させてデバイス60の下向きの吸引・吐出口63aにディスポーザブルピペットチップ41を装着する(図28)。
次に、ステップ34において制御部20は、ノズル機構19をXYZ方向に駆動制御して検体ラック12の上方に移動し、その後下降させてディスポーザブルピペットチップ41の先端を採血管42内の血液検体に浸し、ノズル機構19に接続されているポンプ19bを動作させて血液検体をデバイス60内部に吸引する(図29)。
次に、ステップ35において制御部20は、ノズル機構19のヒンジ部19aを動作させて、ノズル機構19やディスポーザブルピペットチップ41がデバイス60の左右に位置するようにデバイス60の向きを90゜変える(図30)。
さらに、ステップ36において制御部20は、ノズル機構19をXYZ方向に駆動制御してヒートブロック15aの位置に移動させる。次に、予め所定の温度に制御した一対のヒートブロック15aをステージ17aによって互いに近づくように移動させてデバイス60の平板状薄板部61を挟み込み、熱処理を行う(図32)。ここで、図32に示すように、ヒートブロック15aの代わりに予め所定を温度に設定した恒温水槽33にデバイス60を浸して熱処理を行ってもよい。
ステップ37において制御部20は、ノズル機構19に接続したポンプ19bを駆動制御して、所定の時間だけ熱処理が行われるように調節しながら、検体を流路64からチューブ47に吸引する(図31及び図32)。
熱処理が終了するとステップ38に進み、制御部20は、XYZステージを動作させて、チューブ47からデバイス60及びディスポーザブルピペットチップ41をはずし、さらにノズル機構19の先端からチューブ47を外す。チューブ47の接続管49の外形よりわずかに広く、デバイス60の吸引・吐出口63bの外径より狭い隙間を有する補助具に近接させ、補助具の隙間に接続部分を挿入して、ノズル機構を移動させることでチューブ47からデバイス60をはずすことができる。同じ要領でノズル機構19からチューブ47を外すことができる。ノズル機構はXYZステージで駆動制御可能であるから、デバイス60やチューブ47を外す際にはXあるいはY方向にノズル機構を駆動して外すようにする。
その後は、先ほどの例と同じように、血液検体から血球成分を除去した後に細菌の同定を行ったり、細菌の形状を顕微鏡観察するなど様々な処理を実施することができる。
以下では、血液検体から血球成分を除去する処理を実施する形態を例として細菌検査装置の動作を説明する。デバイスとして、図2に示したデバイスを用いた場合を例に説明する。装置の駆動制御は、制御部20の制御下に実行される。
まず、細菌検査装置のセットアップについて説明する。患者から採取した血液が2mL入った採血管42を検体ラック12にセットし、チップラック13にディスポーザブルピペットチップ41をセットし、デバイスラック14に血球除去に使用するデバイス50をセットし、チューブラック16にチューブ43をセットする。装置を起動すると、制御部20の制御下にヒートブロック15a,15bは所定の温度に制御される。
セットアップの完了した細菌検査装置では、制御部20の制御によってノズル機構19が移動し、血球除去に使用するデバイスをノズル先端に装着する。次に、デバイスを装着した状態で、ノズル機構19が移動して、デバイスの吸引・吐出口にディスポーザブルピペットチップ41を装着する。吸引・吐出口は突出した構造をしており、ディスポーザブルピペットチップ41がフィットするように設計されている。
さらに、制御部20によってノズル機構19が駆動制御され、検体容器の上に移動し、ディスポーザブルピペットチップ41の先端が検体に浸漬するようにノズル機構19を下降させる。その後、ポンプ19bを作動させて、検体をデバイス50に吸引する。吸引後、ディスポーザブルピペットチップ41内に検体が残らないようにノズル機構19をわずかに上昇に移動して、空気を吸引する。
ステージ17aを駆動してヒートブロック15aを移動させ、デバイス50の平板状薄板部51の両側がヒートブロック15aでサンドイッチされるようにして、加熱処理を行う。この際、検体がデバイス50から漏れることを防ぐために、デバイス50を90゜回転させて2つの吸引・吐出口53a,53bが水平に位置するようにしてからヒートブロック15aを押し当てる。加熱処理を行う前にヒートブロック15aは所定の温度に予め調整しておき、デバイス50を挟み込んだらすぐにデバイスを加熱できる状態にしておく。
図33及び図34に、加熱処理時のデバイス表面の温度変化と、デバイスに吸引した検体の温度変化をそれぞれ熱電対で測定した結果を示す。図33は65℃の加熱処理の結果を示しており、四角のプロットはデバイス表面の温度、丸のプロットはデバイスに吸引した検体の温度をそれぞれ示している。また、図34は同様に70℃の加熱処理の結果を示している。これらの図から、本発明のデバイスでは、30秒程度で2mLの血液検体を70℃にまで加熱できることがわかる。
図35に、デバイスの樹脂膜の厚さ、すなわち平板状薄板部に設けられた空洞の板厚方向壁部の厚さと、デバイス内に吸引した検体が、20℃から70℃に加熱されるまでに要する時間を測定した結果を示す。このグラフはアクリル系の樹脂を用いた結果であるが、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなど一般的なほかの樹脂であっても同様の傾向を示す。この結果から、樹脂膜の厚さが0.2〜0.3mmであれば、ほぼ1分程度で検体の温度が70℃に達することがわかる。一方、樹脂膜の厚さが0.4〜0.7mmでは、検体の温度が70℃に達するまでに2分弱から6分程度要することがわかる。また、通常の反応チューブでは樹脂の厚さは0.5mm以上であるため、検体の温度を70℃にするには3分程度の時間がかかることがわかる。一方、血液検体を70℃に3分間程度保持すると、血液のゲル化が始まる。従って、本発明の薄板状デバイスの樹脂膜の厚さは0.5mm以下であることが望ましいことがわかる。
図36に、デバイスの空洞あるいはデバイスの流路の深さと温度到達時間のグラフを示す。熱処理開始後に液体の温度が70℃に到達するまでに要する時間は、デバイスの空洞あるいは流路の深さが深くなるにつれて長くなるが、6mm程度までは30秒程度である。このことから、本発明のデバイスの空洞あるいは流路の深さは6mm程度までであれば、血液がゲル化することなく、血球除去処理できることが分かる。
ここで、空洞あるいは流路の深さ(板厚方向の寸法)は血球除去処理できる検体量を多くしなおかつ温度ムラによる対流の影響を少なくするため0.2〜4mmとするのが好ましい。深さが0.2より浅いと血球除去処理できる体積が少なくなるためであり、4mmより深いと温度ムラによる対流の影響が大きくなり、血球除去効率が低下するからである。更に、デバイスの加工精度などによるデバイス作製のしやすさのため、0.5〜2mmとするのがより好ましい。
所定時間加熱した後、デバイスを除熱するために、予め所定の温度に設定されている別のヒートブロック15bにデバイスを移動させる。ここでも先ほどと同様にデバイスを両側から挟みこむようにヒートブロック15bを移動させて、デバイスに密着させ、デバイス及び内部に含まれる検体を除熱する。ここで除熱とは、もともと室温程度の検体を、一旦60〜75℃程度に加熱した後にもとの温度に戻すことを意味しており、実質的に15〜55℃へ戻す操作を指している。なお、加熱工程や除熱工程は、ヒートブロックでなくても、予め所定温度に設定した恒温水槽にデバイスを漬込む方式で行ってもよい。
最後に、ノズル機構19をチップラック13に移動させ、新しいディスポーザブルピペットチップ41を装着した後、チューブ43に処理後の検体を吐出する。
この後、ここでは詳しくは述べないが、検体を別のデバイスに導入して、フィルタ処理を行う、顕微鏡による観察を行う、PCRを行って細菌の同定を行う、といった解析を行う。図37及び図38に、本発明の細菌検査装置を用いて血球除去処理を行った結果を示す。図37は、処理を行う前の血液を、ライト染色液で染色し、倍率100倍の対物レンズと倍率10倍の接眼レンズを用いて光学顕微鏡で観察した結果である。図38は、70℃で30秒間の熱処理を実施した血液を、ライト染色液で染色し、同じ顕微鏡で観察した結果である。図37で観察された赤血球が図38で除去できていることが確認できる。図38には血球除去を行った後に顕微鏡観察を実施した例を示したが、本発明による細菌検査装置の処理はこれに限定されるものではなく、培養を行ってもよいし、血球除去後に細菌を破壊して、得られた核酸をPCRなどで解析してもよいし、特に限定されるものではない。
以上、これまで説明してきた通り、本実施例では、1mL以上の血液検体を保持する部分の深さが数ミリメートル程度、幅が数十ミリメートル程度の内容積を持つデバイスを用いた。デバイスの概観は縦、横がそれぞれ数十ミリメートル程度、奥行が数ミリメートル程度の薄板状である。血液は加熱したときに、その加熱時間が長くなると血液はゲル化する性質がある。そこで、デバイス形状を薄板状とし、その両側から加熱や除熱を行うことで加熱や除熱に要する時間を短縮し、血液のゲル化を防ぐ。また、検体保持部分の深さを小さくすることで、加熱時に生じる検体の温度ムラを少なくすることができる。
さらに、本実施例による血球除去用デバイスは、1mL以上の血液検体を保持する空洞を内部に備え平坦な表面を有する平板状薄板部と、平板状薄板部の上部に当該平板状薄板部と一体に形成された帯状の厚板部と、空洞に連通する一対の吸引・吐出口とを有する。空洞の板厚方向の寸法は0.2〜4mm、より好ましくは0.5〜2mmである。一対の吸引・吐出口は厚板部の長さ方向の両端部に設けられている。空洞を構成する壁部の厚さは0.1〜0.5mm、より好ましくは0.1〜0.3mmである。
また、本実施例による細菌検査装置は、上記血球除去用デバイスと、それを加熱する加熱部とを備える。加熱部は、一例として、血球除去用デバイスの平板状薄板部を挟んで加熱する一対のヒートブロック、及び、一対のヒートブロックを互いに離間する方向あるいは互いに接近する方向に駆動する駆動部で構成することができる。
さらに、本実施例による細菌検査装置は、血液検体が入った検体容器を配置する検体ラックと、血球除去デバイスを配置するデバイスラックと、血球除去デバイスに接続されるピペットチップを配置するチップラックと、血球除去デバイスを加熱する加熱部と、3次元方向に移動自在なノズルを備え、当該ノズル先端から吸引・吐出動作を行うノズル機構と、装置各部を制御する制御部とを有する。制御部は、ノズル機構を駆動してノズルに血球除去デバイスを装着する制御、前記ノズル機構を駆動してノズルに装着された血球除去デバイスにピペットチップを装着する制御、ノズル機構を制御して検体容器中の血液検体をピペットチップを介して血球除去デバイスの空洞に吸引する制御、血液検体を吸引した血球除去デバイスを加熱部により加熱して血液検体中の血球を除去する制御を行う。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
11 載置台
12 検体ラック
13 チップラック
14 デバイスラック
15a,15b ヒートブロック
16 チューブラック
17a,17b ステージ
18 廃棄物用容器
19 ノズル機構
19a ヒンジ部
19b ポンプ
20 制御部
33 恒温水槽
41 ディスポーザブルピペットチップ
42 採血管
43 チューブ
45 補助具
46 隙間
47 チューブ
48,49 接続管
50 デバイス
51 平板状薄板部
52 厚板部
53a,53b,53c 吸引・吐出口
54 空洞
55 支え
56a,56b 流路
57 樹脂膜
57a,57b 樹脂膜
60 デバイス
61 平板状薄板部
62 厚板部
63a,63b 吸引・吐出口
64 流路
67 樹脂膜
67a,67b 樹脂膜

Claims (15)

  1. 血液検体が入った検体容器を配置する検体ラックと、
    血球除去デバイスを配置するデバイスラックと、
    前記血球除去デバイスに接続されるピペットチップを配置するチップラックと、
    前記血球除去デバイスを加熱する加熱部と、
    3次元方向に移動自在なノズルを備え、当該ノズル先端から吸引・吐出動作を行うノズル機構と、
    装置各部を制御する制御部とを有し、
    前記血球除去デバイスは、血液検体を保持する空洞を内部に備え平坦な表面を有する平板状薄板部と、前記平板状薄板部の上部に当該平板状薄板部と一体に形成された帯状の厚板部と、前記空洞に連通する一対の吸引・吐出口とを有し、前記一対の吸引・吐出口は前記厚板部の長さ方向の両端部に設けられており、
    前記制御部は、前記ノズル機構を駆動して前記ノズルに前記血球除去デバイスを装着する制御、前記前記ノズル機構を駆動して前記ノズルに装着された前記血球除去デバイスに前記ピペットチップを装着する制御、前記ノズル機構を制御して前記検体容器中の血液検体を前記ピペットチップを介して前記血球除去デバイスの前記空洞に吸引する制御、前記血液検体を吸引した前記血球除去デバイスを前記加熱部により加熱して前記血液検体中の血球を除去する制御を行うこと
    を特徴とする血液中の細菌を検査する細菌検査装置。
  2. 請求項1記載の細菌検査装置において、
    前記平板状薄板部が内部に備える前記空洞は、1mL以上の血液検体を保持する空洞であり、前記空洞の板厚方向の寸法は0.2〜4mmであることを特徴とする細菌検査装置。
  3. 請求項1記載の細菌検査装置において、
    前記加熱部は、前記血球除去用デバイスの前記平板状薄板部を挟んで加熱する一対のヒートブロック、及び、前記一対のヒートブロックを互いに離間する方向あるいは互いに接近する方向に駆動する駆動部を有することを特徴とする細菌検査装置。
  4. 請求項1記載の細菌検査装置において、
    前記加熱部は、所定の温度に設定した恒温水槽であることを特徴とする細菌検査装置。
  5. 請求項1記載の細菌検査装置において、
    前記制御部は、前記血球除去デバイスを前記加熱部に適用する際に前記血球除去デバイスの姿勢を90゜回転させることを特徴とする細菌検査装置。
  6. 請求項1記載の細菌検査装置において、
    チューブを配置するチューブラックを備え、前記制御部は、前記ノズル機構を駆動して加熱後の前記血球除去デバイス中の血液検体を前記チューブ内に吐出する制御を行うことを特徴とする細菌検査装置。
  7. 請求項1記載の細菌検査装置において、
    前記加熱部によって加熱された血球除去デバイスを除熱する除熱部を有することを特徴とする細菌検査装置。
  8. 血球除去用デバイスと、
    前記血球除去用デバイスを加熱する加熱部とを備え、
    前記血球除去用デバイスは、血液検体を保持する空洞を内部に備え平坦な表面を有する平板状薄板部と、前記平板状薄板部の上部に当該平板状薄板部と一体に形成された帯状の厚板部と、前記空洞に連通する一対の吸引・吐出口とを有し、前記一対の吸引・吐出口は前記厚板部の長さ方向の両端部に設けられていることを特徴とする細菌検査装置。
  9. 請求項8記載の細菌検査装置において、
    前記平板状薄板部が内部に備える前記空洞は、1mL以上の血液検体を保持する空洞であり、前記空洞の板厚方向の寸法は0.2〜4mmであることを特徴とする細菌検査装置。
  10. 請求項8記載の細菌検査装置において、
    前記加熱部によって加熱した血球除去用デバイスを除熱する除熱部を更に有し、前記除熱部は、前記血球除去用デバイスの前記平板状薄板部を挟んで除熱する一対のヒートブロック、及び、前記一対のヒートブロックを互いに離間する方向あるいは互いに接近する方向に駆動する駆動部を有することを特徴とする細菌検査装置。
  11. 請求項8記載の細菌検査装置において、
    前記加熱部は、前記血球除去用デバイスの前記平板状薄板部を挟んで加熱する一対のヒートブロック、及び、前記一対のヒートブロックを互いに離間する方向あるいは互いに接近する方向に駆動する駆動部を有することを特徴とする細菌検査装置。
  12. 1mL以上の血液検体を保持する空洞を内部に備え平坦な表面を有する平板状薄板部と、
    前記平板状薄板部の上部に当該平板状薄板部と一体に形成された帯状の厚板部と、
    前記空洞に連通する一対の吸引・吐出口とを有し、
    前記空洞の板厚方向の寸法は0.2〜4mmであり、
    前記一対の吸引・吐出口は前記厚板部の長さ方向の両端部に設けられていることを特徴とする血球除去用デバイス。
  13. 請求項12記載の血球除去用デバイスにおいて、
    前記空洞は、穴を設けた前記平板状薄板部の表面に前記穴を塞ぐように厚さ0.1〜0.5mmの樹脂膜を貼り付けて形成されていることを特徴とする血球除去用デバイス。
  14. 請求項12記載の血球除去用デバイスにおいて、
    前記空洞は、流路を設けた前記平板状薄板部の表面に前記流路を塞ぐように厚さ0.1〜0.5mmの樹脂膜を貼り付けて形成されていることを特徴とする血球除去用デバイス。
  15. 請求項12記載の血球除去用デバイスにおいて、
    前記空洞は内部に支えを有することを特徴とする血球除去用デバイス。
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